JP2003329646A - イオンの分離・捕捉方法及び装置並びにこれを利用したイオンの検出方法及び装置 - Google Patents

イオンの分離・捕捉方法及び装置並びにこれを利用したイオンの検出方法及び装置

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JP2003329646A JP2002140885A JP2002140885A JP2003329646A JP 2003329646 A JP2003329646 A JP 2003329646A JP 2002140885 A JP2002140885 A JP 2002140885A JP 2002140885 A JP2002140885 A JP 2002140885A JP 2003329646 A JP2003329646 A JP 2003329646A
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智 市村
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忠 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流体中において移動度の異なるイオン種を空間
的に分離及び捕捉する方法を新たに提供するとともに、
これを利用して、流体に存在する微量のイオン種を移動
度に応じて高感度かつ高分解能で検出可能としたイオン
の検出方法及び装置を提供する。 【解決手段】複数のイオン種が存在する減速流れ場に対
し、該流れ方向と概略同一方向の電界を重畳することに
より、所定の範囲の移動度を有するイオン種(イオン
2,イオン3)を、該イオン種の移動度及び前記電界の
強度から決まるドリフト速度(各々vd2,vd3)
と、前記流れ場の流れ方向に変化している流速(vf)
とが釣合う位置(各々z2,z3)において捕捉し、こ
れにより所定の範囲において相互に異なる移動度を有す
るイオン種を、前記流れ方向に空間的に分離し、かつ、
それぞれ所定の流れ方向位置に捕捉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオンの分離・捕捉
方法及び装置並びにこれを利用したイオンの検出方法及
び装置に係り、特に、流体中におけるイオンの移動度の
差を利用してイオンを分離または捕捉するものに好適な
方法及び装置に係り、特に、イオンの分離・捕捉方法及
び装置並びにこれを利用したイオンの検出方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】流体中におけるイオンの移動度の差を利
用して、移動度に応じてイオンを検出する方法として、
従来からイオン移動度分光法が知られている。このイオ
ン移動度分光法の従来技術は、例えば、特開平5−26
4505号公報に開示されている。従来技術によるイオ
ン移動度分光法は、ドリフト空間と呼ばれる所定の電界
が印加されたガス流体中において、前記電界の方向に沿
った種々のイオンのドリフト速度が、各々の移動度に応
じて決まることを利用して、以下に示す方法でイオンを
移動度に応じて検出するものである。
【0003】先ず、所定の電界が印加されたドリフト空
間に対してイオンを供給する供給地点と、該供給地点か
らドリフト空間の電界方向に沿って所定の距離を隔てた
場所にイオンを検出する検出地点とを設定する。次に、
イオン源から種々のイオンを含んだイオン母集団を、所
定の時刻から所定の時間、前記供給地点に供給する。そ
して、該供給地点から検出地点まで、電界方向に沿って
ドリフト空間を移動してきたイオンの量を、検出位置に
おいて時刻毎に検出する。これにより検出時刻に対する
イオン量の波形データが得られる。この波形データから
イオン量のピーク値及びその検出時刻を求め、該検出時
刻と前記イオン供給時刻及び時間とから前記所定の距離
を移動するイオンの移動時間が、該移動時間と前記所定
の距離とからイオンのドリフト速度が、該ドリフト速度
と前記所定の電界とからイオンの移動度が各々決定され
るので、前記イオン母集団に含まれていたイオン種が移
動度に応じて同定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、空気中に極
微量に含まれる爆発物蒸気を検出するために、該爆発物
蒸気を含む試料空気をイオン源で負イオン化し、該負イ
オンを前記イオン移動度分光法によって移動度に応じて
検出することが行われる。その際、試料空気に含まれる
酸素も負イオン化されるため、イオン源において前記爆
発物蒸気の負イオンに比べ極多量の酸素負イオンが生じ
る。したがって該イオン源からドリフト空間に供給され
るイオン母集団にも爆発物蒸気の負イオンに比べて極多
量の酸素負イオンが含まれることになる。
【0005】上記用途における酸素負イオンの如く、イ
オン母集団において極多量に存在するイオン種が有る場
合、前記従来技術によるイオン移動度分光法では以下に
示す理由から、その他の微量に存在するイオン種の検出
が極度に困難となる問題があった。
【0006】即ち、イオン源からイオン母集団をドリフ
ト空間に供給すると、該イオン母集団内部に混在してい
る種々のイオンは、ドリフト方向に進行する間に各々の
ドリフト速度の違いによって徐々に分離していくのであ
るが、供給された直後の分離の進んでない段階で、イオ
ン母集団に含まれる全イオンの空間電荷が形成する自己
電界によって、各イオンが相互に反発する力を受けるの
で、前記イオン母集団は空間的に広がる。そのドリフト
方向への空間的広がりは、ドリフト電界に比べて前記空
間電荷の形成する自己電界が十分小さくなるまで続き、
前記イオン母集団に含まれる何れのイオン種も、同程度
の空間的広がりをもつ様になる。そのため、前記イオン
母集団において極多量に存在するイオン種が有る場合に
は、そのイオン種の量によって前記イオン母集団の空間
的広がりが決定されるため、他の微量に存在するイオン
種については、その空間密度が極度に低下することが生
じる。これは検出地点において検出されるイオン量のピ
ーク値の極度な低下となって現れるため、当該イオン種
の検出が極度に困難となる。
【0007】以上の通り、従来技術によるイオン移動度
分光法では、イオン母集団の中に極多量に存在するイオ
ン種が有る場合、他の微量のイオン種の検出が極度に困
難となる問題があった。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的とするところは、流体中において
移動度の異なるイオン種を空間的に分離・捕捉する方法
及び装置を新たに提供すると共に、これを利用して、流
体に存在する微量のイオン種を移動度に応じて高感度か
つ高分解能で検出可能としたイオンの検出方法及び装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、複数のイオン種が存在する減速流れ場に
対し、該流れ方向と概略同一方向の電界を重畳すること
により、所定の範囲の移動度を有するイオン種を、該イ
オン種の移動度及び前記電界の強度から決まるドリフト
速度と、前記流れ場の流れ方向に変化している流速とが
釣合う位置において捕捉し、これにより所定の範囲にお
いて相互に異なる移動度を有するイオン種を前記流れ方
向に空間的に分離し、かつ、それぞれ所定の流れ方向位
置に捕捉するものである。更に、前記電界の強度を増加
もしくは減少させることにより、前記捕捉したイオン種
を前記流れ場の上流もしくは下流に移動させて、該流れ
場の上流もしくは下流に配設されたイオン検出器によっ
て検出することで、移動度の異なるイオン種を、その移
動度に応じて時間的に分離して検出するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の第1の実施例を示すイオ
ン検出装置の要部構成図である。本実施例のイオン検出
装置は、内部に流路を形成するドリフト管2を有してい
る。該ドリフト管2はセラミックス等の絶縁物からなっ
ていて、前記流路は図面の左右方向に対称軸を有する軸
対称形状をしており、図の右から左に向かって流路断面
積が単調に増加する範囲を有している。これにより図中
実線の矢印で示した向き、即ち図の右から左に向かって
一定流量の流体を流すと、前記ドリフト管2内部の流路
断面積が単調に増加する範囲において、減速流れ場1が
形成される。
【0012】リング形状をした複数の電界規定電極3
a,3b,3c,3d,3e及び3fが、それぞれ左か
ら順に前記ドリフト管2内部の流路に面して配設されて
いる。そして隣接する電界規定電極間には抵抗が接続さ
れている。即ち、電界規定電極3a,3bの間には抵抗
4aが、電界規定電極3b,3cの間には抵抗4bが、
電界規定電極3c,3dの間には抵抗4cが、電界規定
電極3d,3eの間には抵抗4dが、電界規定電極3
e,3fの間には抵抗4eが各々接続されている。そし
て、直流電源5の一端が電界規定電極3aに、他端が3
fに接続されている。直流電源5によってドリフト電圧
を印加したとき、前記複数の電界規定電極によって流路
の中心軸上で軸方向に均等電界が形成される様に、前記
各抵抗の抵抗値が各々選定されている。
【0013】イオン検出装置の装置部位のうち上記まで
に説明した各部位は、イオンの分離・捕捉装置を成すも
のである。次に、これら装置部位に付加され、イオンの
検出装置を成す他の装置部位につき説明する。
【0014】前記ドリフト管2が形成する流路の中心軸
上において、前記減速流れ場1が形成される範囲のすぐ
左側にイオン源が配設されている。該イオン源は、イオ
ン源壁10,針状電極7及び平板電極8で構成されてい
る。イオン源壁10は、セラミックス等の絶縁物からな
り、図の左側から内部に試料ガスが導入される。外部か
ら直流電源9によって針状電極7及び平板電極8との間
に放電電圧が印加されると、これら電極間でコロナ放電
が生じ、イオン源内部に導入された試料ガスの一部がイ
オン化される。印加する直流電圧の極性に応じて、正負
どちらかの極性のイオンが平板電極8の中央に開口した
孔から減速流れ場1に供給される。
【0015】また、前記ドリフト管2が形成する流路の
中心軸上において、前記減速流れ場1が形成される範囲
のすぐ右側にはイオン検出器6が配設されている。該イ
オン検出器6は、例えばイオン電流を検出するファラデ
ープレート等からなり、減速流れ場1に面した検出面に
流入してくるイオン量を検出するものである。
【0016】実施例のイオン検出装置は、上記の如き構
成よりなるので、以下、その作用について、図1に加
え、図2及び図3を用いて説明する。説明にあたって、
先ず、当該装置におけるイオンの分離及び捕捉作用につ
いて説明し、次に、イオンの検出作用について説明する
ことにする。
【0017】先ず、ドリフト管2の内部に図1の右から
左に向かって一定流量のガス流体を流すことで、減速流
れ場1を形成する。このとき流路の中心軸上における流
体の流れ方向は、流路の中心軸方向と一致している。こ
こで、この流れ方向に、流れと逆向きを正としたz座標
を設定して、以下説明する。ドリフト管2の内部を流れ
る前記流体のz方向の流速をvfとすると、−vfは、
図2の上側に実線で示した如く、減速流れ場1の範囲で
流れの向きに単調に減少している。
【0018】直流電源5によってドリフト電圧を印加す
ると、各抵抗4a乃至4eの抵抗値が適宜選定されてい
ることにより、電界規定電極3a乃至3fによって前記
減速流れ場1に、流れ方向と同一方向に、均等なドリフ
ト電界が重畳される。該ドリフト電界の向きは、減速流
れ場1において、正負どちらか所定の極性をもつイオン
のドリフトが図1の点線で示した向き、即ちz座標正の
向きとなるように設定する。
【0019】いま仮に、イオン源から供給される等によ
り、減速流れ場1に、所定の極性を持つ4種類のイオン
(移動度が大きい方から順にイオン1,イオン2,イオ
ン3及びイオン4とする)が存在するとしたときの、各
々のイオンの動きを説明する。所定のドリフト電界が減
速流れ場に印加されていることにより、各々のイオンの
減速流れ場におけるドリフト速度vd1,vd2,vd
3及びvd4が、それぞれ流れ方向位置において図2の
上側に点線で示す値となっているものとする。
【0020】イオンは、流速vfとドリフト速度vdの
合成速度vd+vfで前記減速流れ場1を移動する。イ
オン1については流れ方向のどの位置においてもvd+
vf>0であるので、図2の下側に示した如く、z方向
正の向き、即ち、減速流れ場1において流れの上流側に
向かって常に移動し、やがて減速流れ場1の上流側から
外部へ排出される。イオン4に関しては、流れ方向のど
の位置においてもvd+vf<0であるので、z方向負
の向き、即ち、減速流れ場1において流れの下流側に向
かって常に移動し、やがて減速流れ場1の下流側から外
部へ排出される。これに対し、イオン2及びイオン3に
ついては各々、減速流れ場1の範囲において流速とドリ
フト速度が釣合う位置、即ち合成速度vd+vfが0と
なる位置z2,z3が存在している。そして、各々釣合
い位置の下流側にある場合はvd+vf>0となること
から上流側に、上流側にある場合はvd+vf<0とな
ることから下流側に移動するので、結局、前記流れ方向
位置z2,z3において各々捕捉される。
【0021】この様にして、本実施例のイオン検出装置
におけるイオンの分離・捕捉装置を成す装置部位は、所
定の範囲において相互に異なる移動度を有するイオン種
を、減速流れ場の流れ方向に空間的に分離し、かつ、そ
れぞれ所定の流れ方向位置に捕捉することができる。
【0022】次に、本実施例のイオン検出装置のイオン
検出作用について説明するが、簡潔を期すため当該装置
を空気中に含まれる爆発物蒸気を負イオン化して検出す
る用途に用いた場合に則して説明する。
【0023】先ず、図1のドリフト管2の内部に右から
左に向かって、一定流量のガス流体を流すことで、減速
流れ場1を形成する。なお、前記ガス流体は、例えばア
ルゴンガス等の不活性かつ負イオン化され難いものとす
る。また、試料ガスとして爆発物蒸気を含む空気をイオ
ン源に導入する。
【0024】上記の状態で、図3のチャートにおいてt
0で示した時刻から、直流電源5,直流電源9によって
各々所定の大きさのドリフト電圧,放電電圧を発生させ
る。なお、ドリフト電圧,放電電圧の各時刻における設
定値は図3の上側において、各々直線,破線で示す。
【0025】所定のドリフト電圧を印加することによ
り、前記減速流れ場1において、負イオンに対して前述
した分離及び捕捉作用が生じると同時に、放電電圧を印
加することでイオン源においてイオンが発生し、そのう
ちの負イオンが減速流れ場1へ供給される。イオン源か
ら供給される負イオンの中には極多量の酸素負イオンが
存在する一方、爆発物蒸気から形成された負イオンは極
僅かである。爆発物の種類,周囲の環境条件によって程
度は異なるが、イオン源から供給される酸素負イオンの
量は、爆発物蒸気から形成された負イオンの数千から数
億倍程度である。
【0026】ところで、一般的に酸素負イオンの移動度
は、爆発物蒸気から形成される負イオンの移動度よりも
大きい。したがって、前記印加する所定のドリフト電圧
を適切な値とすることで、先ほどイオンの分離及び捕捉
作用の説明に使用した図2において、イオン1を酸素負
イオン,イオン2及びイオン3を爆発物蒸気から形成さ
れた相互に移動度の異なる負イオンと見なすことができ
る。このとき、イオン源から極多量供給された酸素負イ
オン(イオン1)は前記減速流れ場1を上流側に向かっ
て移動する。そして、時刻t0から移動時間だけ遅れて
上流側に置かれたイオン検出器6に到達するようにな
る。この様子を図3の下側に示す。
【0027】一方、イオン源から減速流れ場1に供給さ
れた爆発物蒸気の負イオン(イオン2及びイオン3)
は、前記イオンの捕捉作用により各々減速流れ場1の所
定の位置(図2におけるz2,z3)に捕捉されるの
で、イオン源から減速流れ場1に負イオンが供給される
間、各々前記捕捉位置において捕捉され、蓄積されるイ
オン量は増加する。
【0028】所定の時間を経過し、前記捕捉位置におけ
るイオン2及びイオン3のイオン量が十分増加した後、
図3のチャートにおいてt1で示した時刻に、直流電源
9の発生する放電電圧を0とし、イオン源におけるイオ
ン生成及び減速流れ場1への負イオンの供給を停止す
る。すると、前記減速流れ場1に残存している酸素負イ
オン(イオン1)が上流側に向かって移動し、全て上流
側から排出される時間を経過した後に、イオン検出器6
に到達する負イオンがなくなる。一方、爆発物蒸気から
形成された負イオン(イオン2及びイオン3)は各々の
捕捉位置に到達するまで移動を続ける。
【0029】上記爆発物蒸気から形成された負イオン
(イオン2及びイオン3)の移動時間を所定時間とり、
各々所定の捕捉位置に十分収斂させた後、図3のチャー
トにおいてt2で示した時刻に、ドリフト電圧を所定の
値まで増加させる。その大きさは、前記負イオン(イオ
ン2及びイオン3)について、減速流れ場1のどの位置
においても流速と各々のドリフト速度の合成速度が正と
なる様にドリフト速度を上昇させる程度とする。これに
より、爆発物蒸気から形成された負イオン(イオン2及
びイオン3)は、各々前記捕捉位置から流れの上流に向
かって移動を開始する。そして、所定の時間を経過し
て、移動度の大きいイオンから順に、即ち、イオン2,
イオン3の順に、イオン検出器6に到達する。これら到
達したイオンのイオン量を該イオン検出器6によって時
刻毎に検出する。これにより検出時刻に対するイオン量
の波形データが得られる。この波形データからイオン量
のピーク値及びその検出時刻を求め、該検出時刻と前記
イオンの移動開始時刻とから前記捕捉位置からイオン検
出器6までのイオンの移動時間が求まる。
【0030】一方、ある移動度を有するイオンに関して
は、その移動度と、減速流れ場の流速分布、及びイオン
の分離及び捕捉のために印加したドリフト電圧の値から
該イオンの減速流れ場における捕捉位置が、また、前記
移動度,減速流れ場の流速分布、及び流れの上流にイオ
ンを移動させるために印加したドリフト電圧の値から、
任意の流れ方向位置におけるイオンの移動速度が決定で
きるので、前記捕捉位置からイオン検出器6に到達する
までのイオンの移動時間を移動度の関数として求めるこ
とができる。したがって、前記移動時間からイオン種を
移動度に応じて同定することができる。
【0031】以上説明した通り、本実施例のイオン検出
装置を空気中に含まれる爆発物蒸気を負イオン化して検
出する用途に用いた場合、イオン源から減速流れ場に供
給された極多量の酸素負イオンを連続して通過させる一
方、爆発物蒸気から形成された負イオンに関しては、供
給された該イオンを減速流れ場の所定の位置に捕獲し蓄
積できる。そして、移動度の異なるイオン種同士は空間
的に分離されているので、他のイオン種の空間電荷に影
響されず、各々の空間電荷に応じた空間的広がりを有す
る。その程度は、イオン量が微量である程小さいもので
あるので、イオン空間密度の極端な低下は生じない。し
たがって、当該イオンをドリフト電圧を上昇させること
で上流に移動し、該上流に配設されたイオン検出器で検
出することを行えば、時刻に対して鋭いピーク値を有す
るイオン量波形が得られるので、微量であっても、高感
度かつ高分解能に該イオンを検出することができる。
【0032】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
4は本発明の第2の実施例を示すイオン検出装置の要部
構成図である。
【0033】本実施例のイオン検出装置は、第1の実施
例装置と同じく、内部に流路を形成するドリフト管2を
有している。該ドリフト管2はセラミックス等の絶縁物
からなっていて、前記流路は図面の左右方向に対称軸を
有する軸対称形状をしており、図の右から左に向かって
流路断面積が単調に増加する範囲を有している。これに
より図中実線の矢印で示した向き、即ち図の右から左に
向かって一定流量の流体を流すと、前記ドリフト管2内
部の流路断面積が単調に増加する範囲において減速流れ
場1が形成される。
【0034】リング形状をした複数の電界規定電極3
a,3b,3c,3d,3e及び3fが、それぞれ左か
ら順に前記ドリフト管2内部の流路に面して配設されて
いる。これら電界規定電極3a,3b,3c,3d,3
e及び3fは、容易に流体が通過できるメッシュ素材で
形成されている。隣接する電界規定電極間には抵抗が接
続されている。即ち、電界規定電極3a,3bの間には
抵抗4aが、電界規定電極3b,3cの間には抵抗4b
が、電界規定電極3c,3dの間には抵抗4cが、電界
規定電極3d,3eの間には抵抗4dが、電界規定電極
3e,3fの間には抵抗4eが各々接続されている。そ
して、直流電源5の一端が電界規定電極3aに、他端が
3fに接続されている。直流電源5によってドリフト電
圧を印加したとき、前記複数の電界規定電極によって流
路の中心軸上で軸方向に均等電界が形成される様に、前
記各抵抗の抵抗値が各々選定されている。但し、前記複
数の電界規定電極の形状を各々適宜設定したことによ
り、前記減速流れ場1の全体的な電界形状は、その等電
位面が前記流れの向きに凸となるものとなっている。
【0035】本実施例のイオン検出装置を構成する装置
部位のうち上記までに説明した各部位は、イオンの分離
・捕捉装置を成すものである。次に、これら装置部位に
付加され、イオン検出装置を成す他の装置部位につき説
明する。
【0036】前記ドリフト管が形成する流路の中心軸上
において、前記減速流れ場1が形成される範囲のすぐ左
側にイオン発生手段が配設されている。該イオン発生手
段は、針状電極7及び平板電極8で構成されている。平
板電極8は、容易に流体が通過できるメッシュ素材で形
成されている。外部においてスイッチ12を短絡し、直
流電源9によって針状電極7及び平板電極8との間に放
電電圧が印加されると、これら電極間でコロナ放電が生
じ、印加する直流電圧の極性に応じて、正イオンか或い
は負イオン及び電子がメッシュ状の平板電極8を通過し
て減速流れ場1に供給される。
【0037】ところで、前記平板電極8と接地電位との
間には、前記スイッチ12と並列に電流検出器11が接
続されている。これにより、スイッチ12が開放されて
いるとき、平板電極8に流入するイオン電流を電流検出
器11で検出することができる。即ち、平板電極8と電
流検出器11によりイオン検出器が構成されている。
【0038】本実施例のイオンの検出装置は、上記の如
き構成よりなるので、以下、その作用について、図4に
加え、図2及び図5を用いて説明する。説明にあたっ
て、先ず、当該装置におけるイオンの分離及び捕捉作用
について説明し、次に、イオンの検出作用について説明
することにする。
【0039】本実施例のイオン検出装置において、イオ
ンの分離・捕捉装置を成す装置部位の減速流れ場1の流
れ方向にイオンを分離及び捕捉する作用については、前
記第1の実施例と同一であるので説明を省略する。ただ
し、本実施例装置においては前記第1の実施例と異な
り、複数の電界規定電極3a,3b,3c,3d,3e
及び3fが、メッシュ素材で形成され、それぞれの形状
を各々適宜設定してあることにより、ドリフト電圧を印
加したとき、流路の中心軸上で軸方向に均等電界が形成
されるとともに、中心軸近傍の電界形状に関しては、そ
の等電位面が流れの向きに凸となるものとしている。そ
のため、分離及び捕捉の対象とした極性のイオンについ
ては、中心軸から半径方向に外れると、中心軸に向かう
方向に静電気力を受けるので、減速流れ場1の所定の流
れ方向位置に捕捉したイオンを、半径方向にも静電的に
閉じ込める作用効果を有している。
【0040】次に、本実施例のイオン検出装置のイオン
検出作用について説明するが、簡潔を期すため当該装置
を空気中に含まれる爆発物蒸気を負イオン化して検出す
る用途に用いた場合に則して説明する。
【0041】先ず、図1のドリフト管2の内部に右から
左に向かって、試料ガスとして爆発物蒸気を含む一定流
量の空気を流すことで、減速流れ場1を形成する。スイ
ッチ12は短絡しておく。
【0042】上記の状態で、図5のチャートにおいてt
0で示した時刻から、直流電源5,直流電源9によって
各々所定の大きさのドリフト電圧,放電電圧を発生させ
る。なお、ドリフト電圧,放電電圧の各時刻における設
定値は図5の上側において、各々直線,破線で示す。所
定のドリフト電圧を印加することにより、負イオンに対
して、第1の実施例において図2を用いて詳細に説明し
たところの分離及び捕捉作用が生じると同時に、放電電
圧を印加することでイオン発生手段によって電子及び正
負イオンが発生し、そのうちの負イオンと電子が前記減
速流れ場1へ供給される。供給された負イオンや、電子
が減速流れ場1において新たに生成した負イオンには酸
素負イオンが極多量に含まれる。これに対し、爆発物蒸
気から形成された負イオンは極僅かである。
【0043】前述の通り、一般的に酸素負イオンの移動
度は、爆発物蒸気から形成される負イオンの移動度より
も大きい。したがって、前記印加する所定のドリフト電
圧を適切な値とすることで、イオンの分離及び捕捉作用
の説明に使用した図2において、イオン1を酸素負イオ
ン、イオン2及びイオン3を爆発物蒸気から形成された
相互に移動度の異なる負イオンと見なすことができる。
【0044】針状電極7と平板電極8の間で発生した負
イオンは流れの上流側に向かって移動する。そして、時
刻t0から移動時間だけ遅れてイオン検出器を兼ねてい
る平板電極8を一部が通過して減速流れ場1に流入す
る。この様子を図3の下側に示す。これら負イオンのう
ち、酸素負イオン(イオン1)は前記減速流れ場1を上
流側に向かって移動し続け、やがて減速流れ場1の上流
側から排出される。その際、途中で、対向して流れてい
る試料ガスに含まれる爆発物蒸気と衝突すると、両者の
間で電荷移動が生じ、爆発物蒸気負イオン(イオン2及
びイオン3)が生じることがおきる。これは、一般に爆
発物蒸気の方が酸素よりも電気陰性度が大きいことによ
る。
【0045】減速流れ場1において、平板電極8を通過
して供給されるか、または、酸素負イオンと爆発物蒸気
との間の電荷移動により生じた爆発物蒸気負イオン(イ
オン2及びイオン3)は、前記イオンの捕捉作用により
各々減速流れ場1の所定の位置(図2におけるz2,z
3)に捕捉されるので、放電電圧が印加されてイオン発
生手段が動作している間、各々前記捕捉位置まで移動
し、そこにおいて捕捉されて、蓄積されるイオン量は増
加する。
【0046】所定の時間を経過し、前記捕捉位置におけ
るイオン2及びイオン3のイオン量が十分増加した後、
図5のチャートにおいてt1で示した時刻に、直流電源
9の発生する放電電圧を0とし、イオンの発生を停止さ
せる。すると、平板電極8の下流側に残存している負イ
オンが上流側に向かって移動し、平板電極8を通過し終
わると、平板電極8に到達する負イオンがなくなる。酸
素負イオン(イオン1)は所定の移動時間を経て、減速流
れ場1の上流側から全て排出される。一方、爆発物蒸気
から形成された負イオン(イオン2及びイオン3)は各
々の捕捉位置に到達するまで移動を続ける。
【0047】上記の酸素負イオン(イオン1)や爆発物
蒸気から形成された負イオン(イオン2及びイオン3)
の移動時間を所定時間とり、前者が減速流れ場から無く
なり、後者が各々所定の捕捉位置に十分収斂した後、図
3のチャートにおいてt2で示した時刻に、ドリフト電
圧を0とする。但し、その前にスイッチ12を開放して
おく。これにより、爆発物蒸気から形成された負イオン
(イオン2及びイオン3)は、各々前記捕捉位置から流
れの下流に向かって移動を開始する。そして、所定の時
間を経過して、移動度の小さいイオンから順に、即ち、
イオン3,イオン2の順に、イオン検出器を構成する平
板電極8に到達する。これら到達したイオンの一部が平
板電極8に流入するので、そのイオン量を電流値として
電流検出器11で時刻毎に検出する。これにより検出時
刻に対するイオン量の波形データが得られる。この波形
データからイオン量のピーク値及びその検出時刻を求
め、該検出時刻と前記イオンの移動開始時刻とから前記
捕捉位置から平板電極8までのイオンの移動時間が求ま
る。一方、ある移動度を有するイオンに関しては、その
移動度と、減速流れ場1の流速分布、及びイオンの分離
及び捕捉のために印加したドリフト電圧の値から該イオ
ンの減速流れ場における捕捉位置が、また、該捕捉位置
と減速流れ場1の流速分布から平板電極8に到達するま
でのイオンの移動時間が求められるので、前記移動時間
からイオン種を移動度に応じて同定することができる。
【0048】以上説明した通り、本実施例のイオン検出
装置を空気中に含まれる爆発物蒸気を負イオン化して検
出する用途に用いた場合、前記第1の実施例装置と同
様、減速流れ場に存在させた極多量の酸素負イオンを連
続して通過させる一方、爆発物蒸気から形成された負イ
オンに関しては、減速流れ場の所定の位置に捕獲し蓄積
できる。そして、移動度の異なるイオン種同士は空間的
に分離されているので、他のイオン種の空間電荷に影響
されず、各々の空間電荷に応じた空間的広がりを有す
る。その程度は、イオン量が微量である程小さいもので
あるので、イオン空間密度の極端な低下は生じない。
【0049】したがって、当該イオンをドリフト電圧を
減少させることで下流に移動し、該下流に配設されたイ
オン検出器で検出することを行えば、時刻に対して鋭い
ピーク値を有するイオン量波形が得られるので、微量で
あっても、高感度かつ高分解能に該イオンを検出するこ
とができる。
【0050】また、本実施例のイオン検出装置は、前記
第1の実施例装置と比べて、以下の効果がある。 (1)一連のイオン検出作用を実施する際、必要とする
最大ドリフト電圧が小さい。これにより直流電源5とし
て最大発生電圧が小さいものを使用することができる。 (2)イオン検出器6でイオンを検出するときに、直流
電源5の発生するドリフト電圧を0とすることができ
る。これにより直流電源5の動作に起因するイオン検出
信号へのノイズを低減することができる。
【0051】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、流体中に
おいて所定の範囲において相互に異なる移動度を有する
イオン種を、流れ方向に空間的に分離し、かつ、それぞ
れ所定の流れ方向位置に捕捉することことができる。ま
た、試料ガスから形成されるイオンの中に、極多量に存
在するイオン種が有る場合でも、他の微量のイオン種を
高感度、かつ高分解能に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すイオン検出装置の
要部構成図である。
【図2】本発明の減速流れ場におけるイオンの分離及び
捕捉作用の説明図である。
【図3】図1のイオン検出装置におけるイオン検出作用
の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例を示すイオン検出装置の
要部構成図である。
【図5】図4のイオン検出装置におけるイオン検出作用
の説明図である。
【符号の説明】
1…減速流れ場、2…ドリフト管、3a,3b,3c,
3d,3e,3f…電界規定電極、4a,4b,4c,
4d,4e…抵抗、5,9…直流電源、6…イオン検出
器、7…針状電極、8…平板電極、10…イオン源壁、
11…電流検出器、12…スイッチ、vf…流速、vd
1…イオン1のドリフト速度、vd2…イオン2のドリ
フト速度、vd3…イオン3のドリフト速度、vd4…
イオン4のドリフト速度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 一俊 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体中におけるイオンの移動度の差を利用
    してイオンを分離または捕捉する方法であって、複数の
    イオン種が存在する減速流れ場に対し、該流れ方向と概
    略同一方向の電界を重畳することにより、所定の範囲の
    移動度を有するイオン種を、該イオン種の移動度及び前
    記電界の強度から決まるドリフト速度と、前記流れ場の
    流れ方向に変化している流速とが釣合う位置において捕
    捉し、これにより所定の範囲において相互に異なる移動
    度を有するイオン種を前記流れ方向に空間的に分離し、
    かつ、それぞれ所定の流れ方向位置に捕捉することを特
    徴とするイオンの分離・捕捉方法。
  2. 【請求項2】流体中におけるイオンの移動度の差を利用
    し、移動度に応じてイオンを検出する方法であって、複
    数のイオン種が存在する減速流れ場に対し、該流れ方向
    と概略同一方向の電界を重畳することにより、所定の範
    囲の移動度を有するイオン種を、該イオン種の移動度及
    び前記電界の強度から決まるドリフト速度と、前記流れ
    場の流れ方向に変化している流速とが釣合う位置におい
    て捕捉し、これにより所定の範囲において相互に異なる
    移動度を有するイオン種を前記流れ方向に空間的に分離
    し、かつ、それぞれ所定の流れ方向位置に捕捉した後、
    前記電界の強度を増加させることにより、前記捕捉した
    イオン種を前記流れ場の上流に移動させて、該流れ場の
    上流に配設されたイオン検出器によって検出することに
    より、移動度の異なるイオン種を移動度の大きいイオン
    種から順に検出することを特徴とするイオンの検出方
    法。
  3. 【請求項3】流体中におけるイオンの移動度の差を利用
    し、移動度に応じてイオンを検出する方法であって、複
    数のイオン種が存在する減速流れ場に対し、該流れ方向
    と概略同一方向の電界を重畳することにより、所定の範
    囲の移動度を有するイオン種を、該イオン種の移動度及
    び前記電界の強度から決まるドリフト速度と、前記流れ
    場の流れ方向に変化している流速とが釣合う位置におい
    て捕捉し、これにより所定の範囲において相互に異なる
    移動度を有するイオン種を前記流れ方向に空間的に分離
    し、かつ、それぞれ所定の流れ方向位置に捕捉した後、
    前記電界の強度を減少させることにより、前記捕捉した
    イオン種を前記流れ場の下流に移動させて、該流れ場の
    下流に配設されたイオン検出器によって検出することに
    より、移動度の異なるイオン種を移動度の小さいイオン
    種から順に検出することを特徴とするイオンの検出方
    法。
  4. 【請求項4】内部に流体を通過させ、該流体の流れ方向
    に流路断面積が単調に増加するドリフト管と、該ドリフ
    ト管の内部に、前記流体の流れ方向と概略同一方向の電
    界を形成する手段とを備え、前記ドリフト管の流路断面
    積が小さい側から一定流量の流体を導入することで該ド
    リフト管内部に減速流れ場を形成し、該減速流れ場の流
    れ方向と概略同一方向の電界を、前記電界を形成する手
    段によって減速流れ場に重畳することで、減速流れ場に
    存在するイオンを、該イオンの移動度及び前記電界の強
    度から決まるドリフト速度と、前記減速流れ場の流れ方
    向に変化している流速とが釣合う位置において捕捉し、
    これにより移動度の異なるイオン種を前記流れ方向に空
    間的に分離し、かつ、それぞれ所定の流れ方向位置に捕
    捉することを特徴とするイオンの分離・捕捉装置。
  5. 【請求項5】内部に流体を通過させ、該流体の流れの向
    きに流路断面積が単調に増加するドリフト管と、該ドリ
    フト管の内部に、前記流体の流れ方向と概略同一方向の
    電界を形成する手段と、前記ドリフト管の内部にイオン
    を供給または発生させる手段と、前記ドリフト管内部に
    おいて前記流体の流れの上流に配設されたイオン検出手
    段とを備え、前記ドリフト管の流路断面積が小さい側か
    ら一定流量の流体を導入することで該ドリフト管内部に
    減速流れ場を形成し、該減速流れ場の流れ方向と概略同
    一方向の電界を、前記電界を形成する手段によって減速
    流れ場に重畳した状態で、前記イオンを供給または発生
    させる手段により減速流れ場にイオンを存在させて、該
    イオンの移動度及び前記電界の強度から決まるドリフト
    速度と、前記減速流れ場の流れ方向に変化している流速
    とが釣合う位置において捕捉し、これにより移動度の異
    なるイオン種を前記流れ方向に空間的に分離し、かつ、
    それぞれ所定の流れ方向位置に捕捉した後、前記電界の
    強度を増加させることにより、捕捉したイオン種を流れ
    の上流に移動させて、該流れの上流に配設されたイオン
    検出手段によって検出することにより、移動度の異なる
    イオン種を移動度の大きいイオン種から順に検出するこ
    とを特徴とするイオンの検出装置。
  6. 【請求項6】内部に流体を通過させ、該流体の流れの向
    きに流路断面積が単調に増加するドリフト管と、該ドリ
    フト管の内部に、前記流体の流れ方向と概略同一方向の
    電界を形成する手段と、前記ドリフト管の内部にイオン
    を供給または発生させる手段と、前記ドリフト管内部に
    おいて前記流体の流れの下流に配設されたイオン検出手
    段とを備え、前記ドリフト管の流路断面積が小さい側か
    ら一定流量の流体を導入することで該ドリフト管内部に
    減速流れ場を形成し、該減速流れ場の流れ方向と概略同
    一方向の電界を、前記電界を形成する手段によって減速
    流れ場に重畳した状態で、前記イオンを供給または発生
    させる手段により減速流れ場にイオンを存在させて、該
    イオンの移動度及び前記電界の強度から決まるドリフト
    速度と、前記減速流れ場の流れ方向に変化している流速
    とが釣合う位置において捕捉し、これにより移動度の異
    なるイオン種を前記流れ方向に空間的に分離し、かつ、
    それぞれ所定の流れ方向位置に捕捉した後、前記電界の
    強度を減少させることにより、捕捉したイオン種を流れ
    の下流に移動させて、該流れの下流に配設されたイオン
    検出器によって検出することにより、移動度の異なるイ
    オン種を移動度の小さいイオン種から順に検出すること
    を特徴とするイオンの検出装置。
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