JP2003328791A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
内燃機関の可変動弁装置Info
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- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Abstract
素な制御ロジックにより行う。 【解決手段】 アクセル開度APOとエンジン回転速度
Neとに基づいて目標吸入空気量tQaを算出する(S
2)。tQaとNeとに基づいて吸気弁リフトの目標中
心角位相基本値tθbaseを算出する(S3)。機関
温度TwとtQaとに基づいて中心角位相の補正値θh
を算出する(S5)。tθbaseからθhを減じて目
標中心角位相tθを算出する(S6)。tQaとNeと
tθとに基づいて吸気弁の目標リフト作動角tLEを算
出する(S7)。tLEの指令信号をリフト・作動角可
変動弁機構へ送り、tθの指令信号を位相可変動弁機構
へ送る(S8)。
Description
を連続的に変更可能な第1可変動弁機構と、吸気弁リフ
トの中心角位相を連続的に変更可能な第2可変動弁機構
と、を併用して吸入空気量を制御する内燃機関の可変動
弁装置に関する。
内燃機関の吸気弁リフトの中心角位相を変更可能な可変
バルブタイミング装置において、機関低温時の冷間ヘジ
テーションの発生を防止するために、機関温度が低くな
るほどバルブオーバーラップ量が小さくなるように中心
角位相を補正する技術が開示されている。
の作動角を連続的に変更可能な第1可変動弁機構と、吸
気弁リフトの中心角位相を連続的に変更可能な第2可変
動弁機構と、を併用して吸入空気量を制御する可変動弁
装置に対し、どのような温度補正を適用すべきであるか
については、これまで充分な検討がなされていなかっ
た。
角を連続的に変更可能な第1可変動弁機構と、吸気弁リ
フトの中心角位相を連続的に変更可能な第2可変動弁機
構と、を併用して吸入空気量を制御する内燃機関の可変
動弁装置に対して、検出器で検出される機関温度に応じ
た適切な補正制御を提案する。
回転速度のような機関運転条件に基づいて目標吸入空気
量を算出する(目標吸入空気量算出手段)。この目標吸
入空気量と上記機関温度とに基づいて目標中心角位相を
算出する(目標中心角位相算出手段)。より具体的に
は、目標吸入空気量と機関回転速度とに基づいて目標中
心角位相基本値を算出し(基本値算出手段)、機関温度
及び目標吸入空気量に基づいて中心角位相に対する補正
値を算出し(補正値算出手段)、目標中心角位相基本値
を補正値で補正することにより目標中心角位相を算出す
る(補正手段)。この目標中心角位相と上記目標吸入空
気量とに基づいて吸気弁の目標作動角を算出する(目標
作動角算出手段)。この目標作動角に応じて上記第1可
変動弁機構を制御し、上記目標中心角位相に応じて上記
第2可変動弁機構を制御する(制御手段)。
は吸気弁リフトの中心角位相を補正することで対応し、
補正された中心角位相を考慮して所望の目標吸入空気量
が得られるように吸気弁の作動角を決定することで、2
つの可変動弁機構を制御する制御ロジックが簡潔になっ
て、ECUの演算負荷が軽くなる他、制御に使用する制
御マップの適合も簡単な実験によって行うことができ
る。
づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る可変動弁
装置を適用した内燃機関としての自動車用火花点火式ガ
ソリンエンジンの吸気側の構成を示す概略構成図であ
る。この可変動弁装置は、吸気弁のバルブリフト量及び
作動角の双方を同時かつ連続的に変更可能な第1可変動
弁機構としてのリフト・作動角可変機構1と、吸気弁リ
フトの中心角位相(典型的にはクランクシャフトに対す
る位相)を進角側もしくは遅角側へ連続的に変更可能な
第2可変動弁機構としての位相可変機構21と、を備え
ている。
以前に提案し、特開平11−107725号公報等によ
って既に公知となっているので、ここでは概要のみを説
明する。シリンダヘッド(図示せず)には、各気筒毎に
一対の吸気弁11が摺動自在に設けられている。リフト
・作動角可変機構1は、シリンダヘッド上部のカムブラ
ケット(図示せず)に回転自在に支持された駆動軸2
と、この駆動軸2に回転可能に取り付けられ、各吸気弁
11の上端部に配置されたタペット10に当接して吸気
弁11を開閉駆動する揺動カム9と、駆動軸2の回転に
応じて揺動カム9が揺動するように、これら駆動軸2と
揺動カム9とを連繋するリンク機構と、を有している。
リンク機構は、駆動軸2に圧入等により固定又は一体形
成された円形の偏心カム3と、駆動軸2の上方位置に同
じカムブラケットによって回転自在に支持されるととも
に駆動軸2と平行に気筒列方向へ延びる制御軸12と、
この制御軸12に圧入等により固定又は一体形成された
円形の制御カム18と、この制御カム18に揺動自在に
支持されたロッカアーム6と、このロッカアーム6の一
端と偏心カム3とを連繋するリング状の第1リンク4
と、ロッカアーム6の他端と揺動カム9とを連繋するア
ーム状の第2リンク8と、を有している。
タイミングベルトを介して機関のクランクシャフトに連
動して軸回りに回転する。偏心カム3は、円形の外周面
を有し、この外周面の中心が駆動軸2の軸心から所定量
だけオフセットしている。この外周面に、第1リンク4
の環状部が回転可能に嵌合している。ロッカアーム6
は、略中央部が制御カム18によって揺動可能に支持さ
れており、その一端部に、連結ピン5を介して第1リン
ク4のアーム部が連係しているとともに、他端部に、連
結ピン7を介して第2リンク8の上端部が連係してい
る。制御カム18は、制御軸12の軸心から偏心してい
る。従って、制御軸12の角度位置に応じて、ロッカア
ーム6の揺動中心となる制御カム18の中心位置が機関
本体に対して変位する。
に取り付けられている。この揺動カム9の径方向外方へ
延びる先端部と、第2リンク8の下端部と、が連結ピン
17により回転可能に連結されている。揺動カム9の外
周面には、駆動軸2と同心状の円弧をなす基円面と、こ
の基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連
続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面
が、揺動カム9の揺動位置に応じてタペット10の上面
に対向・当接する。上記の基円面は、ベースサークル区
間としてリフト量が0(ゼロ)となる区間である。揺動
カム9が揺動してカム面がタペット10に接触すると、
吸気弁が徐々にリフトしていくことになる。なお、ベー
スサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区
間が設けられている。
・作動角制御用アクチュエータ13によって、所定角度
範囲内で任意の回転角度に回動・保持される。このリフ
ト・作動角制御用アクチュエータ13は、この例ではウ
ォームギア15を介して制御軸12を駆動するサーボモ
ータを有し、このサーボモータが制御装置としてのエン
ジンコントロールユニット19からの指令信号によって
駆動・制御される。制御軸12の回転角度は、アナログ
センサからなる制御軸センサ14によって検出され、こ
の検出した実際の制御状態に基づいてアクチュエータ1
3がクローズドループ制御される。
明する。駆動軸2が回転すると、偏心カム3のカム作用
によって第1リンク4がほぼ上下動し、これに伴ってロ
ッカアーム6が制御カム18の周りを揺動する。このロ
ッカアーム6の揺動は、第2リンク8を介して揺動カム
9へ伝達され、この揺動カム9が揺動する。この揺動カ
ム9のカム作用によって、タペット10が押圧され、吸
気弁11がリフトする。
により制御軸12の回転角度を変更すると、ロッカアー
ム6の揺動運動の中心位置となる制御カム18の中心位
置が変化し、揺動カム9の初期揺動位置が変化して、吸
気弁の作動角及びバルブリフト量が拡大又は縮小する。
制御カム18の初期位置は連続的に変化させ得るので、
これに伴って、吸気弁のバルブリフト量及び吸気作動角
の双方を同時かつ連続的に変更することができる。各部
のレイアウトによるが、例えば、リフト・作動角の大小
変化に伴い、吸気弁11の開時期と閉時期とがほぼ対称
に変化し、クランク角度に対する吸気弁リフトの中心角
位相はほとんど変化しない。
設けられたスプロケット(又はプーリ)22と、このス
プロケット22と駆動軸2とを所定の角度範囲内におい
て相対的に回転させる吸気位相制御用アクチュエータ2
3と、から構成されている。スプロケット22は、図示
せぬタイミングチェーン(もしくはタイミングベルト)
を介して、クランクシャフトに連動して回転する。吸気
位相制御用アクチュエータ23は、例えば油圧式、電磁
式などのベーン式又はスプライン式の回転型アクチュエ
ータからなり、エンジンコントロールユニット19から
の制御信号によって駆動・制御される。この吸気位相制
御用アクチュエータ23の作用によって、スプロケット
22と駆動軸2とが相対的に回転し、クランク角度に対
する吸気弁リフトの中心角位相が連続的に進角・遅角側
へ変更可能である。つまり、吸気リフト特性の曲線自体
は変わらずに、その全体が進角もしくは遅角する。この
位相可変機構21の実際の制御状態は、駆動軸2の回転
位置に応答する駆動軸センサ16によって検出され、こ
れに基づいて、アクチュエータ23がクローズドループ
制御される。
互いに独立して駆動・制御することにより、アイドルの
ような微少な吸入空気量を実現することが可能であり、
スロットル弁に依存することなく、吸気リフト特性によ
ってエンジンの吸入空気量を調整・制御することができ
る。なお、実用機関では、ブローバイガスの還流等のた
めに吸気系に若干の負圧が存在していることが好ましい
ので、後述するように、吸気通路の上流側に、スロット
ル弁に代えて、負圧生成用の適宜な絞り機構が設けられ
る。
フト特性を示している。図示するように、アイドル等の
極低負荷域においては、吸気弁のバルブリフト量及び吸
気作動角(リフト作動角)を極小とし、中心角位相を最
も遅角した最遅角位相に設定する。これによって、吸気
弁の閉時期は下死点直前位置となる。このような極小の
リフト作動角とすることによって、吸気流が吸気弁11
の間隙においてチョークした状態となり、この極低負荷
域で必要な微小流量が安定的に得られる。そして、閉時
期が下死点近傍となることから、有効圧縮比は十分に高
くなり、極小リフトによるガス流動の向上と相俟って、
比較的良好な燃焼を確保できる。なお、この極小のリフ
ト作動角では、中心角位相は吸気量にほとんど影響しな
い。
な低負荷アイドル域(補機負荷が加わっているアイドル
状態を含む)においては、極低負荷域に比してリフト・
作動角が大きくなり、かつ、中心角位相は、上記の最遅
角位相に比して進角した所定の進角値に設定する。この
ときには、バルブタイミングをも考慮して吸気量制御が
行われることになり、吸気弁閉時期を早めることで、吸
気量が比較的少量に制御される。この結果、リフト・作
動角はある程度大きなものとなり、吸気弁11によるポ
ンピングロスが低減する。
小リフトでは、前述したように、吸気位相を変更しても
吸気量は殆ど変化しないので、空調用コンプレッサ等の
補機の負荷が加わった場合のように、極低負荷域のリフ
ト特性から低負荷域のリフト特性へ切り換える場合に
は、吸気位相変更よりも優先して、リフト・作動角を拡
大する必要がある。
中負荷域では、リフト・作動角をさらに拡大しつつ、リ
フト中心角の吸気位相を更に進角する。この吸気位相
は、中負荷域のある点で、最も進角した状態となる。こ
れにより、内部EGRが利用され、一層のポンピングロ
ス低減が図れる。
拡大し、かつ最適なバルブタイミングとなるように位相
可変機構21を制御する。なお、図示するように、機関
回転数によっても最適なバルブ吸気リフト特性は異なる
ものとなる。
略図である。シリンダヘッド及びシリンダブロックから
大略構成されるエンジン本体30には、4つの気筒31
が直列に配置されている。エンジン本体30の吸気側の
側方には、1つの吸気コレクタ32が配設されている。
この吸気コレクタ32は、吸気ブランチ33によって各
気筒31に接続されている。エンジン本体30の排気側
の側壁には、4つの気筒31へ接続する排気マニホール
ド34が取り付けられている。
は、吸気状態を検知するセンサとして、吸気圧力を検知
する圧力センサ35と、吸気温度を検知する温度センサ
36と、が装着されている。吸気コレクタ32の上流側
には、上記の絞り機構として、吸気コレクタ32の上流
側通路を開閉する負圧制御弁37が設けられている。こ
の負圧制御弁37は、スロットル弁のようにアクセル開
度(要求負荷)に応じて吸入空気量を調整する目的では
なく、エンジンに必要な負圧、例えばフローハイガス吸
入用の負圧や、燃料揮発成分吸入用の負圧などを発生さ
せるものである。この負圧制御弁37を駆動するアクチ
ュエータ38は、例えばDCモータであり、あるいはダ
イアフラム・アクチュエータである。ダイアフラム・ア
クチュエータを用いる場合、制御ソレノイドにより負圧
制御弁37の開度を制御することとなる。
数の他、クランク角度も検知可能である。空燃比センサ
40は、例えば排気の空燃比を直接的に検知するA/F
センサであり、あるいは公知の酸素センサである。これ
らセンサ類及び可変機構1,21のアクチュエータなど
は、上述したエンジンコントロールユニット19に電気
的に接続され、駆動信号・検出信号の入出力を行う。
置の制御の流れを示すフローチャートである。この制御
フローで示されるルーチンは、予めECU19のROM
に格納され、CPUにより所定時間毎に実行される。
サ39等のセンサ類の出力からアクセル開度APO及び
エンジン回転速度Neのようなエンジン運転条件を読み
込む。
度APOとエンジン回転速度Neとに基づいて、目標吸
入空気量tQaを算出する(目標吸入空気量算出手
段)。なお、本実施形態のエンジンは基本的に空燃比一
定(理論空燃比)で運転されるエンジンであり、エンジ
ンの出力(負荷)は吸入空気量によって定まる。
ン回転速度Neとに基づいて吸気弁リフトの目標中心角
位相基本値tθbaseを算出する(基本値算出手
段)。具体的には、tQaとNeとに対応させてtθb
aseを記憶させてある制御マップから値をルックアッ
プする。この制御マップには、エンジンの常用状態であ
る暖機完了後に適合した目標中心角位相の値が記憶され
ている。
てのエンジン冷却水温度センサ24(図1参照)の出力
から水温Twを読み込む。なお、機関温度を正確に反映
する検出値であれば、油温センサにより検出される作動
油の油温のような他の温度を使用してもよい。この場
合、油温センサが上記検出器に相当する。
aとに基づいて吸気弁リフトの中心角位相補正値θhを
算出する(補正値算出手段)。具体的には、図5に示す
制御マップからTwとtQaとに対応するθhをルック
アップする。図5の特性を説明すると、Twが暖機温度
より低い範囲すなわち冷機時では、機関温度が低いほど
遅角側への補正値θhが大きくなる。Twが暖機温度よ
り高い範囲すなわち暖機後では、目標吸入空気量tQa
にかかわらず補正値θhはゼロであり、補正を行わな
い。目標吸入空気量tQaが所定の中程度tQa−Mの
ときに、θhが最も大きく、tQaがtQa−Mよりも
小さい所定の小程度tQa−S及びtQa−Mよりも大
きい所定の大程度tQa−Lのときには、中程度tQa
−Mのときに比してθhが小さい。tQa−Lのときの
θhはtQa−Sのときのθhよりも小さい。目標吸入
空気量tQaが最大値tQa−Maxのときには、水温
Twにかかわらず補正値θhをゼロとし、遅角側への補
正を禁止する。
seから中心角位相補正値θhを減じて目標中心角位相
tθを算出する(目標中心角位相算出手段;補正手
段)。なお、本実施形態では位相可変動弁機構が最遅角
位置となっているときの中心角位相を基準位相とし、基
準位相からの進角量で中心角位相を表している。よっ
て、上記の補正値を減じることは目標中心角を遅角側へ
補正することを意味する。
ン回転速度Neと目標中心角位相tθとに基づいて吸気
弁の目標リフト作動角tLEを算出する(目標作動角算
出手段)。具体的には、tQaとNeとtθに対応させ
てtLEを記憶させてある制御マップから値をルックア
ップする。この制御マップは、エンジン回転速度と吸気
弁リフトの中心角位相とリフト作動角とを様々に変化さ
せてそのときの吸入空気量を測定する実験を行えば容易
に作成することが可能である。
た指令信号をリフト・作動角可変動弁機構のアクチェエ
ータヘ送り、目標中心角位相tθに応じた指令信号を位
相可変動弁機構のアクチェエータヘ送る。これらの指令
信号に応じてリフト・作動角可変機構1及び位相可変機
構21が互いに独立して駆動・制御される(制御手
段)。
て列記する。
しては吸気弁リフトの中心角位相を補正することで対応
し、補正された中心角位相を考慮して目標吸入空気量が
得られるようにリフト作動角を決定することで、2つの
可変動弁機構1,21を制御する制御ロジックが簡潔に
なって、ECU19の演算負荷が軽くなる他、制御に使
用する制御マップの適合も簡単な実験によって行うこと
ができる。
時には、中心角位相を遅角側へ補正する構成としたた
め、例えば図2の中負荷域では、IVCが下死点へ近づ
くために有効圧縮比が増加するとともに、IVOが上死
点へ近づくためにバルブオーバーラップが縮小し、燃焼
改善を図ることができる。仮に冷機時にはリフト・作動
角を増加側へ補正する構成とした場合、IVCが下死点
へ近づいて有効圧縮比は増加するものの、IVOが上死
点から遠ざかるためにバルブオーバーラップが増大し、
有効に燃焼を改善することができない。
した後、目標吸入空気量が得られるようにリフト・作動
角を補正することにより、要求に応じた吸入空気量を確
実に得ることができる。
(典型的には中負荷域)で、かつ、燃焼安定性の良い暖
機後の条件では、図2に示すように、IVOを上死点よ
りも大きく進角させて、バルブオーバーラップを大きく
確保しつつ、IVCを下死点よりも進角させて、有効圧
縮比を低く抑制し、燃費の向上を図る。目標吸入空気量
が中程度tQa−Mで、かつ、燃焼安定性の低い冷機時
の条件では、図5に示すように、吸気位相の遅角側への
補正量を、全ての目標吸入空気量の条件のうちで最も大
きくする。これにより、IVOが上死点近傍へ向けて遅
角し、バルブオーバーラップが充分に小さくなるか、あ
るいはマイナスオーバーラップとなるとともに、IVC
が下死点近傍へ向けて遅角し、有効圧縮比が高くなるた
めに、燃焼状態が良好に改善される。
吸入空気量が中程度tQa−Mよりも小さい小程度tQ
a−Sのときには、中程度tQa−Mのときよりもリフ
ト・作動角が小さく、燃焼安定性が低いため、暖機後で
あっても有効圧縮比を高めに設定している(図2参
照)。従って、中程度tQa−Mのときに比して、冷機
時の遅角側への補正値θhは小さく制限される。
が中程度tQa−Mよりも大きい大程度tQa−Lのと
きには、中程度tQa−Mのときに比して、リフト・作
動角が大きく燃焼安定性が良いこと,機関温度状態によ
る燃焼変化量が少ないこと,及び目標吸入空気量の増加
側への余裕代が極めて小さいことなどの理由により、機
関温度による遅角側への補正値θhを小さくする。
状況でも、機関回転数が高くなるほどリフト・作動角が
大きく設定される。リフト・作動角が相対的に大きい機
関高回転時には、筒内ガス流動乱れが強く、機関温度状
態による燃焼状態の変化が小さいため、機関温度による
遅角側への補正値θhは比較的小さくて良い。一方、リ
フト・作動角が相対的に小さい機関低回転時には、機関
高回転時に比して筒内ガス流動乱れが弱く燃焼安定性が
低いため、燃焼安定性の高い暖機後の状態では、主とし
て燃費向上を図るために、オーバーラップを大きく確保
しつつIVCを早めて有効圧縮比の低い設定が可能であ
るが、燃焼安定性が低下する冷機時にはIVOを上死点
近傍としてオーバーラップを小さくするかもしくはマイ
ナスオーバラップとするとともに、IVCを下死点近傍
として有効圧縮比を高くして、燃焼改善を図る必要があ
る。このようなことから、リフト・作動角が大きいとき
には、リフト・作動角が小さいときに比して、中心角位
相の補正値θhは小さく設定される。
xである全開域では、吸入空気量が最も多い最大充填効
率のバルブリフト特性(リフト・作動角及び中心角位
相)に設定されており、仮に中心角位相を遅角側へ補正
すると所望の最大充填効率が得られなくなるために、中
心角位相の補正制御を禁止、すなわち補正値θhをゼロ
とする。なお、全開域では元々燃焼安定性が良いので、
上記のように補正制御を禁止しても冷機時の燃焼状態が
不安定になることはない。
アイドル域での吸入空気量制御をも2つの可変動弁機構
1,21を制御することにより行い、このように燃焼安
定性の低いアイドル域でも、機関温度に応じた中心角位
相の遅角側への補正を適用することにより、有効圧縮比
を機関温度に応じて適切に設定することができ、燃焼の
安定化とポンプ損失低減化とを高いレベルで両立でき
る。この場合、上述した暖機後のアイドル域における中
心角位相(図2参照)から更に遅角側へ補正できるもの
とする。
基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定
されるものではなく、種々の変形、変更を含むものであ
る。上記実施形態では中心角位相補正値θhを算出する
際に目標吸入空気量tQaを3段階(大、中、小)で考
慮したが、より細かくtQaを考慮するようにしてもよ
い。例えば、図5の実線に2本の破線を加えてtQaを
6段階(最大tQa−Max、大tQa−L、中大tQ
a−ML、中tQa−M、中小tQa−MS、小tQa
−S)で考慮すれば、より精密な補正を行うことができ
る。この場合、目標吸入空気量が中程度tQa−Mより
小さくなるほど、目標中心角位相基本値tθbaseが
遅角側の値となって燃焼安定性が低下することから、遅
角側への補正量θhを小さくしていく。また、目標吸入
空気量が中程度tQa−Mよりも大きくなるほど、補正
値θhを小さくしていく。
て目標吸入空気量が最大tQa−Maxのときには遅角
値をゼロとしているが、この最大tQa−Maxのとき
にも小さいながら中心角位相の遅角補正を行うようにす
ることも考えられる。
構成を示す斜視図。
性図。
ト。
位相の補正値を設定するための制御マップ。
Claims (7)
- 【請求項1】 吸気弁の作動角を連続的に変更可能な第
1可変動弁機構と、吸気弁リフトの中心角位相を連続的
に変更可能な第2可変動弁機構とを備え、上記2つの可
変動弁機構を制御することにより内燃機関の吸入空気量
を制御するようにした内燃機関の可変動弁装置におい
て、 機関温度を検出する検出器と、 機関運転条件に基づいて目標吸入空気量を算出する目標
吸入空気量算出手段と、 上記目標吸入空気量と上記機関温度とに基づいて目標中
心角位相を算出する目標中心角位相算出手段と、 上記目標中心角位相と上記目標吸入空気量とに基づいて
目標作動角を算出する目標作動角算出手段と、 上記目標作動角に応じて上記第1可変動弁機構を制御
し、上記目標中心角位相に応じて上記第2可変動弁機構
を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする内燃
機関の可変動弁装置。 - 【請求項2】 上記目標中心角位相算出手段は、 上記目標吸入空気量と機関回転速度とに基づいて目標中
心角位相基本値を算出する基本値算出手段と、 上記機関温度に基づいて中心角位相に対する補正値を算
出する補正値算出手段と、 上記目標中心角位相基本値を上記補正値で補正すること
により上記目標中心角位相を算出する補正手段と、を含
んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の内燃
機関の可変動弁装置。 - 【請求項3】 上記補正値算出手段は、機関温度が低い
ほど遅角側への補正値を大きくすることを特徴とする請
求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 【請求項4】 上記補正値算出手段は、機関温度が所定
の暖機温度より高いときには補正値をゼロにすることを
特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の可変動
弁装置。 - 【請求項5】 上記補正値算出手段は、上記機関温度と
上記目標吸入空気量とに基づいて上記補正値を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁
装置。 - 【請求項6】 上記補正値算出手段は、上記目標吸入空
気量が中程度よりも小さい範囲では目標吸入空気量が大
きいほど遅角側への補正値を大きくし、上記目標吸入空
気量が中程度よりも大きい範囲では目標吸入空気量が小
さいほど遅角側への補正値を大きくすることを特徴とす
る請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 【請求項7】 上記補正値算出手段は、上記目標吸入空
気量が最大であるときには上記機関温度にかかわらず上
記補正値をゼロにすることを特徴とする請求項6に記載
の内燃機関の可変動弁装置。
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