JP2003327017A - 車両ダッシュボード用ハイブリッド支持構造体とその製造プロセス - Google Patents

車両ダッシュボード用ハイブリッド支持構造体とその製造プロセス

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JP2003327017A
JP2003327017A JP2003085756A JP2003085756A JP2003327017A JP 2003327017 A JP2003327017 A JP 2003327017A JP 2003085756 A JP2003085756 A JP 2003085756A JP 2003085756 A JP2003085756 A JP 2003085756A JP 2003327017 A JP2003327017 A JP 2003327017A
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Daniel Charbonnel
ダニエル・シャルボネル
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハイブリッド支持構造体の異種材料の熱膨張の
相違によって生じる破損を防止する。 【解決手段】 車両ダッシュボード用ハイブリッド支
持構造体は、金属クロス部材１０と、空気分配ダクト１
８と、少なくとも１つのプラスチック材料製支持体２
８，３０とを備える。上記金属クロス部材１０は主軸１
２に沿って細長い形状を有する。上記空気分配ダクト１
８は、上記金属クロス部材１０に平行に延在する少なく
とも１つの細長い形状のダクト２０と、コモールディン
グによって上記金属クロス部材１０に固定された空気分
配ボックス２２とを含む。上記支持体２８，３０は、コ
モールディングによって上記金属クロス部材１０に固定
されると共に、ダクト２０と支持体２８，３０との間で
上記主軸１２に平行な方向に自由に相対移動ができるよ
うに上記空気分配ダクト２０に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に自動車産業
に関係し、車両ダッシュボード用ハイブリッド支持構造
体と、その製造プロセスとに関する。
【０００２】
【従来の技術】車両のダッシュボードは多数の装置と制
御器とを備えた複合ユニットである。上記装置や制御器
には、例えば、計器盤（インストルメントパネル）や車
内客室用の空気分配アセンブリやエアーバックアセンブ
リなどがある。ダッシュボードの支持構造体は、屈曲金
属薄板から成るクロス部材を備える。上記屈曲金属薄板
は、主軸に沿って伸張した形状を有すると共に車体に固
定されるように設計されている。上記クロス部材は、ダ
ッシュボードアセンブリ全体を支持するために、耐荷重
要素を構成している。空気分配アセンブリと固定領域と
を形成するために、プラスチック材料が金属製クロス部
材上にコモールディング（co-moulding、共成形）され
ているハイブリット支持構造体は既知である。上記固定
領域には、例えばエアーバックモジュールや様々な電気
部品或いは電子部品や装置が設置され、ダッシュボード
アセンブリの一部を形成している。特に、空気分配アセ
ンブリは分配ダクトと分配ボックスとを備え、上記分配
ダクトは上記クロス部材に平行に延在し、上記分配ボッ
クスは、上記ダクトと連通する１以上のチャンバを形成
する。上記空気分配アセンブリは、プラスチック材料の
射出成形によって得られ、コモールディングによって、
すなわち上記金属クロス部材上へプラスチックを射出成
形することによって、上記クロス部材上に固定される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この種のハイブリッド
支持構造体を生産する際に遭遇する問題の１つは、クロ
ス部材と、その上にコモールディングされるプラスチッ
ク部材との間の熱膨張係数の違いである。ダッシュボー
ドアセンブリが車両に取り付けられるとき、加熱と冷却
のサイクルは、ハイブリッド支持構造体のプラスチック
材料の部分と金属材料の部分とに、熱膨張の違いを生じ
させる。この種の熱膨張は、プラスチック材料に応力を
生じさせて破損を生じさせ得る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記欠点を克服するため
に、本発明の主題は、車両のダッシュボードのハイブリ
ッド支持構造体と、それを製造するプロセスであり、上
記構造とプロセスは上記請求の範囲の主題を形成する。
【０００５】
【発明の実施の形態】本発明の特徴と利点とは、添付の
図面を参照して純粋に非限定的例として提供される詳細
な説明から明らかになる。
【０００６】図１乃至３を参照すると、本発明によるハ
イブリッド支持構造体は、クロス部材から製造が開始さ
れる。上記クロス部材は、図１の１２で指定された主軸
に沿って伸張した形状であると共に断面が略Ｃ字状の屈
曲金属薄板から成る。上記クロス部材１０には、それを
車体に固定する孔１４と、コモールディングされるプラ
スチック材料の固定を容易にする孔１６とが設けられて
いる。クロス部材１０は射出成形装置（図示せず）の金
型の中に挿入される。金型では、一成形ステップにおい
て、第１プラスチック材料が金型の第１射出成形シート
（座）に射出される。図２は、中間製造ステップの終了
時に得られる部品を示している。空気配分アセンブリ
は、その全体が番号１８で示されている。空気配分アセ
ンブリは、上記クロス部材１０に平行に延在する空気分
配ダクト２０と、分配ボックス２２とを備える。上記分
配ボックス２２は、上記ダクト２０と一体に形成される
と共に、クロス部材１０の対応する領域上にコモールデ
ィングされた部分２４を有する。図２に示されるよう
に、分配ボックス２２は上記クロス部材１０の略中央の
領域に固定される。また、分配ダクト２０は、上記分配
ボックス２２から片持梁状に延在する２つの側部２６を
有する。分配ボックス２２の固定部分２４は、上記クロ
ス部材１０を完全に取り巻いて、クロス部材１０に熱的
に固定され、相対的に移動する可能性はない。
【０００７】成形プロセスの次ステップでは、少なくと
も１つの支持体を形成するために、空気分配アセンブリ
１８を形成するプラスチック材料とは異なる種類の第２
プラスチック材料が射出される。上記支持体は、上記ク
ロス部材１０に固定されると共に、対応する分配ダクト
２０の側部２６に後述の方法で接続される。図３は、こ
の次のステップの終了時における本発明の支持構造体を
示す。図３から分かるように、この第２成形ステップで
は、第１支持体２８と第２支持体３０とが、コモールデ
ィングによって形成され、上記分配ボックス２２の両側
にあるクロス部材１０に固定される。また、支持体２
８，３０は、クロス部材１０にしっかりと固定されて、
クロス部材１０に対して移動する可能性はない。
【０００８】好ましくは、分配アセンブリ１８を成形す
るための第１射出成形ステップと、支持体２８，３０を
成形するための第２射出成形ステップとは、共に、同一
の金型内で行なわれる。上記２つのステップは互いに別
々であり、第１成形ステップで射出された材料が既に硬
化した後に、第２成形ステップが行なわれる。これらの
２つのステップは、逆の順番で実施することも出来る。
すなわち、まず、支持体２８，３０が射出され、その後
に、分配アセンブリ１８が射出成形されてもよい。好ま
しくは、プラスチック材料製の共同部品には、上記構造
物の剛性を増強するために、補剛リブが設けられる。本
発明によると、第１成形作業と第２成形作業とは、分配
ダクト２０と支持体２８との間の相互接触を確立させる
ために行なわれ、主軸１２に平行な方向への相対運動が
自由にできる。これは、支持体２８，３０と分配ダクト
２０との間の相互接続領域において溶接または化学的な
接合を行なうことによって為される。下文に詳細に説明
されるように、支持体２８，３０と分配ダクト２０との
間の接続面は、接続面間の主軸１２に平行な方向の相対
運動を妨げることなく、クロス部材１０に平行な案内
（ガイド）を形成するような形となっている。さらに、
接続部は、主軸１２と直交する方向の相対運動を防止す
るために、支持体２８，３０と分配ダクト２０との間に
おける案内の形態で設けられている。
【０００９】この種の接続部を得るのに特に簡単且つ有
効な方法は、互いに異種で化学的に相容性のないプラス
チック材料を使用して、分配アセンブリ１８と支持体２
８，３０を形成することである。２つのプラスチック材
料は、好ましくは、異なる構造を有するポリマー材料で
ある。例えば、第１材料は非晶質（アモルファス）構造
を呈し、一方、第２材料は結晶構造を有する。一例とし
て、分配アセンブリ２０を形成するプラスチック材料
は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン（ＡＢ
Ｓ）またはＡＢＳとポリカーボネートの混合物である。
上記支持体２８，３０を構成する材料は、ポリプロピレ
ンのホモポリマー（単独重合体）またはポリプロピレン
のコポリマー（共重合体）である。これら２つの支持体
２８，３０は、分配ダクト２０の側端部２６を金属クロ
ス部材１０に接続する機能を有し、さらに、ダッシュボ
ードアセンブリの一部を形成する装置や部品を固定する
ために使用され得る。例えば、支持体２８は、ヒューズ
ボックス（図示せず）を固定するために使用することが
でき、支持体２０は、乗客用のエアーバックアセンブリ
を取り付けるために使用することができる。
【００１０】図４と図５とは、適例として支持体の１つ
である支持体２８が、コモールディングによってクロス
部材１０に固定され、分配ダクト２６に接続される方法
を示す。上記ダクト２０と上記支持体２８との間の接続
面は、番号３２によって示されている。この領域におい
て、２つのプラスチック材料の内の一方が、既に形成さ
れている他方の材料の外表面上に射出される。プラスチ
ック材料が異質であるために、２つの材料間には化学的
な結合や融合が生じない。接続面は、金属クロス部材１
０の主軸方向の相対的な滑動が自由にできるようにし
て、略Ｃ字形状を有してもよい。
【００１１】本発明による支持構造体に関する更なる構
造的詳細は、図６〜９に図示される。特に、図８におい
て注目すべきは、分配ボックス２２が主要分配チャンバ
３４と除霜除氷用の空気流の分配チャンバ３６とを形成
している。チャンバ３４と３６の両方が頂部において分
配ダクト２０と連通していることである。さらに、主要
分配チャンバ３４は、空気流を前部分配出口へ分配する
ための開口部３８と連通している。図７と図８において
注目すべきは、分配ダクト２０が、頂部において開口し
ていると共に、ダッシュボード（図示せず）の頂部にお
いては閉塞するように設計されていることである。分配
ダクト２０は、縦手方向のダイアフラム（隔壁）４０を
有する。上記ダイヤフラム４０は、ダクト２０を、除霜
除氷空気用の分配チャンネル４２と、拡散空気用の分配
チャンネル４４とに分割している。図７と図９とから分
かるように、縦方向のリブ４６が、支持体２８，３０と
チャンネル２０との間の接続面上に、クロス部材１０と
平行に設けらている。その結果、各支持体２８，３０と
分配ダクト２０との間の接続部は、上記クロス部材１０
に対して直角方向には固定され、クロス部材１０に平行
な方向にのみ相対移動し得る。
【００１２】本発明による支持構造体が温度変化に晒さ
れると、主要な熱膨張はクロス部材１０の方向に存在す
る。クロス部材１０を形成する金属材料と分配ダクト２
０を形成するプラスチック材料とは、互いに異なる熱膨
張係数を有しているので、これらの部品は、クロス部材
１０の軸方向に沿って異なる熱膨張に晒される。しか
し、支持体２８，３０と分配ダクト２０との間の接続が
移動性を有するものであるため、支持構造体の全体が分
化した方向に自由に変形して、何らかの歪がプラスチッ
ク材料に導かれるということはない。分化した熱膨張に
よる移動は、ダクト２０と支持体２８，３０との間の接
続領域に集中する。これらの領域には、プラスマイナス
３ｍｍの相対的な移動が存在してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明によるハイブリッド支持構造体の製造
プロセスの概略図である。
【図２】 本発明によるハイブリッド支持構造体の製造
プロセスの概略図である。
【図３】 本発明によるハイブリッド支持構造体の製造
プロセスの概略図である。
【図４】 図３の矢印ＶＩによって示された部分の前方
斜視図である。
【図５】 図３の矢印ＶＩによって示された部分の後方
斜視図である。
【図６】 本発明による支持構造体の正面図である。
【図７】 図６のＶII-ＶII線断面図である。
【図８】 図６のＶIII-ＶIII線断面図である。
【図９】 図６のＩＸ-ＩＸ線断面図である。
【符号の説明】
１０…金属クロス部材、 １２…主軸、 １８…空気分配ダクト、 ２０…ダクト，空気分配ダクト、 ２６…分配ダクト、 ２８…支持体、 ３０…支持体、 ３２…案内面，結合面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ｂ２９Ｌ 31:58 Ｂ２９Ｌ 31:58 Ｆターム(参考） 3D044 BA01 BB01 BC07 3D114 AA20 BA20 CA20 4F206 AA11 AA13K AA28K AD03 AD18 AH26 JA07 JB12 JB28 JF05 JM04 JN12 JQ81

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 主軸（１２）に沿って細長い形状を有す
    る金属クロス部材（１０）と、 プラスチック材料製の空気分配ダクト（１８）とを備
    え、 上記空気分配ダクト（１８）が、上記金属クロス部材
    （１０）に平行に延在する細長い形状の少なくとも１つ
    のダクト（２０）と、コモールディングによって上記金
    属クロス部材（１０）に固定された空気分配ボックス
    （２２）とを含むハイブリッド支持構造体において、 プラスチック材料製の少なくとも１つの支持体（２８，
    ３０）を備え、上記支持体（２８，３０）は、コモール
    ディングによって上記金属クロス部材（１０）に固定さ
    れていると共に、上記ダクト（２０）と上記支持体（２
    ８，３０）との間において上記主軸（１２）に平行な方
    向の相対移動が自由にできるように、上記空気分配ダク
    ト（２０）に接続されていることを特徴とするハイブリ
    ッド支持構造体。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の構造において、 上記分配ダクト（２０）と上記支持体（２８，３０）と
    は、案内面（３２）によって接続されて、上記主軸（１
    ２）に平行な方向に相対的に滑動できることを特徴とす
    る構造。
  3. 【請求項３】 請求項２に記載の構造において、 上記結合面（３２）は、上記主軸（１２）に対して直角
    な方向の相対移動を防いでいることを特徴とする構造。
  4. 【請求項４】 請求項１に記載の構造において、 上記分配ダクト（２６）と上記支持体（２８，３０）と
    は、異なるプラスチック材料で出来ていて、互いに化学
    的に相容性がないことを特徴とする構造。
  5. 【請求項５】 請求項４に記載の構造において、 上記プラスチック材料の１つは非晶質構造を呈し、上記
    プラスチック材料の別の１つは結晶構造を呈することを
    特徴とする構造。
  6. 【請求項６】 請求項５に記載の構造において、 上記非晶質構造のプラスチック材料は、ＡＢＳまたはＡ
    ＢＳとポリカーボネイトとの混合物を備えていることを
    特徴とする構造。
  7. 【請求項７】 請求項５に記載の構造において、 上記結晶構造のプラスチック材料は、ポリプロピレン・
    ホモポリマーまたはポリプロピレン・コポリマーを備え
    ていることを特徴する構造。
  8. 【請求項８】 車両ダッシュボード用ハイブリッド支持
    構造体を製造するためのプロセスにおいて、 主軸に沿って細長い形状を有する金属クロス部材を設け
    るステップと、 空気分配アセンブリを形成するために、上記クロス部材
    （１０）の一部に第１プラスチック材料をコモールディ
    ングするステップとを備え、 上記空気分配アセンブリは、少なくとも１つの細長い形
    状のダクト（２０）と、コモールディングによって上記
    クロス部材（１０）に固定された少なくとも１つの分配
    ボックス（２２）とを含み、 少なくとも１つの支持体（２８，３０）を形成するため
    に、第２プラスチック材料を射出するステップを備え、 上記少なくとも１つの支持体（２８，３０）は、上記ク
    ロス部材（１０）上にコモールディングされると共に、
    上記クロス部材（１０）に対して平行な方向に上記ダク
    ト（２０）と上記支持体（２８，３０）との間で自由に
    相対的移動が出来るように、上記分配ダクト（２０）に
    接続されていることを特徴するプロセス。
  9. 【請求項９】 請求項８に記載のプロセスにおいて、 上記第２プラスチック材料の射出は、上記第１プラスチ
    ック材料の凝固後に同一の射出成形装置で行なわれるこ
    とを特徴とするプロセス。
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