JP2003326297A - 廃水の硝化処理方法 - Google Patents

廃水の硝化処理方法

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JP2003326297A
JP2003326297A JP2002134304A JP2002134304A JP2003326297A JP 2003326297 A JP2003326297 A JP 2003326297A JP 2002134304 A JP2002134304 A JP 2002134304A JP 2002134304 A JP2002134304 A JP 2002134304A JP 2003326297 A JP2003326297 A JP 2003326297A
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nitrogen
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ammonia
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Kazuhiko Noto
一彦 能登
Hironori Nakamura
裕紀 中村
Makoto Iwashita
真 岩下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンモニア性窒素濃度が比較的低濃度な馴養運
転時から高濃度な正常運転に至るまで、亜硝酸型の硝化
処理を安定して行うことができるので、高効率且つ低コ
ストの硝化処理方法を行うことができる。 【解決手段】アンモニア性窒素を含有する廃水と硝化菌
とを硝化槽12内で好気性条件下で接触させて酸化態窒
素を生成する廃水の硝化処理方法において、廃水のアン
モニア性窒素の濃度が40〜1000mg/Lのとき
に、硝化槽12内の廃水pHを7.5〜9.5の範囲に
なるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃水の硝化処理方
法に係り、特に、高濃度のアンモニア性窒素を含有する
廃水の硝化処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】廃水中のアンモニア性窒素を硝化処理す
るには、硝化菌と呼ばれる細菌を利用した生物学的処理
方法を用いるのが一般的である。硝化菌には、アンモニ
ア性窒素(NH4 - N)を亜硝酸性窒素(NO2 - N)
に変換するアンモニア酸化細菌と、亜硝酸性窒素を硝酸
性窒素(NO3 - N)に変換する亜硝酸酸化細菌が存在
する。そして、下水処理などのように廃水のpHが中性
域において好気性条件下で硝化処理する場合には、常に
アンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌の両方が存在し、
アンモニア性窒素が硝酸性窒素まで酸化される、いわゆ
る硝酸型の硝化処理が行われる。
【0003】一般に、硝酸性窒素まで酸化するよりは亜
硝酸性窒素まで酸化する方が消費する酸素が少ないこと
から硝化槽内に曝気する曝気量を少なくすることができ
ると共に、硝化処理に続いて通常設けられる脱窒処理に
おいて有機物添加量を少なくできる。
【0004】従って、硝化反応を亜硝酸性窒素までで確
実に停止する、いわゆる亜硝酸型の硝化処理ができれ
ば、低コストの硝化処理プロセスを構築することが可能
となる。また、硝酸型の硝化処理はアンモニア性窒素→
亜硝酸性窒素→硝酸性窒素の2段階の酸化ステップを必
要とするのに対し、亜硝酸型の硝化処理はアンモニア性
窒素→亜硝酸性窒素の1段階の酸化ステップですむの
で、硝化処理効率を向上させることができる。
【0005】ここで、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素
に変換するアンモニア酸化細菌の種類について見ると、
アンモニア酸化細菌の基質(エネルギー供給源)である
アンモニア性窒素に関して、下水のようにアンモニア性
窒素濃度が比較的低い条件で最大のアンモニア酸化活性
を示し、例えばアンモニア性窒素濃度が1000〜20
00mg/Lのように高濃度条件においては基質自体に
よって阻害を受ける種類と、アンモニア性窒素濃度が高
いほどアンモニア酸化活性が増加し、例えばアンモニア
性窒素濃度が2000mg/L程度の高濃度条件で非常
に速いアンモニア酸化速度を示す種類が存在することが
知られている。前者のアンモニア酸化細菌を低濃度アン
モニア対応菌、後者のアンモニア酸化細菌を高濃度アン
モニア対応菌と呼ぶことにする。そして、高濃度アンモ
ニア対応菌は、高濃度条件で単位菌体当たりの酸化処理
速度が高くなるため、高濃度アンモニア対応菌を主体と
した生物相を利用した硝化槽を構成することにより、硝
化槽の硝化処理効率を向上させることができる。
【0006】しかし、硝化槽の馴養運転時のように運転
初期のアンモニア性窒素濃度が例えば1000mg/L
以下の比較的低濃度条件では、馴養の過程で低濃度アン
モニア対応菌も顕著に増殖する。この結果、低濃度アン
モニア対応菌によって処理水中の残存アンモニア性窒素
濃度は低下するが、アンモニア性窒素濃度が1000m
g/L以上の高濃度領域での定常運転時に移行した際
に、高濃度アンモニア対応菌が充分に優占繁殖しておら
ず少ないために必ずしも高い硝化処理速度が得られない
という問題がある。また、一度、高濃度アンモニア対応
菌が優占繁殖した高活性の生物相は、亜硝酸性窒素まで
で硝化反応が停止するといわれているが、多くの場合、
時間の経過に伴って硝酸性窒素が生成し始め、最終的に
は硝酸型の硝化反応に変化してしまうという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、アンモニ
ア酸化細菌の種類のうちの高濃度アンモニア対応菌を利
用して低コストな亜硝酸型の硝化処理方法を行うには、
アンモニア性窒素濃度が1000mg/L未満の比較的
低濃度な馴養運転時でも高濃度アンモニア対応菌を優占
繁殖させることができ、且つアンモニア性窒素濃度が1
000mg/L以上の高濃度な正常運転に移行した後
も、亜硝酸型の硝化処理を安定して維持できるための技
術的な確立が必要である。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、高濃度のアンモニア性窒素を含有する廃水の硝
化処理において、アンモニア性窒素濃度が比較的低濃度
な馴養運転時から高濃度な正常運転に至るまで、亜硝酸
型の硝化処理を安定して行うことができるので、高効率
且つ低コストの硝化処理方法を行うことができる廃水の
硝化処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、アンモニア性窒素を含有する廃水と硝化菌
とを硝化槽内で好気性条件下で接触させて酸化性窒素を
生成する廃水の硝化処理方法において、前記廃水のアン
モニア性窒素の濃度が40〜1000mg/Lのとき
に、前記硝化槽内の廃水pHを7.5〜9.5の範囲に
なるように制御することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、硝化処理において、廃水
のアンモニア性窒素の濃度が40〜1000mg/Lの
ときに、硝化槽内の廃水pHを7.5〜9.5の範囲に
なるように制御するようにしたので、アンモニア性窒素
濃度が1000mg/L未満の比較的低濃度な馴養運転
時でも高濃度アンモニア対応菌を優占繁殖させることが
でき、且つアンモニア性窒素濃度が1000mg/L以
上の高濃度な正常運転に移行した後も、亜硝酸型の硝化
処理を安定して維持できる。アンモニア性窒素の濃度が
40〜1000mg/Lは、正常運転に移行する前の馴
養運転時におけるアンモニア性窒素濃度に略該当するこ
とから、本発明は、アンモニア性窒素の濃度が1000
mg/L以上の廃水を処理するに際して、高効率且つ低
コストの亜硝酸型の硝化処理を行うため、特に馴養運転
時における運転条件として極めて有効である。
【0011】ここで、廃水のアンモニア性窒素の濃度が
40〜1000mg/Lのときに、硝化槽内の廃水pH
を7.5〜9.5の範囲になるように制御する理由につ
いて説明すると、アンモニア性窒素として計測されるア
ンモニアには、イオンの形態のアンモニアと遊離のアン
モニアとがある。そして、アンモニア酸化細菌の基質
は、イオンの形態でない遊離アンモニア(NH3 )であ
り、イオンの形態のアンモニアと遊離のアンモニアの存
在比率はpHによって変化する。また、遊離のアンモニ
アは亜硝酸性窒素を硝酸性窒素まで酸化する亜硝酸酸化
細菌の活性を阻害する。従って、遊離のアンモニアの存
在比率を意図的に大きくできるなら、高濃度アンモニア
対応菌を優占繁殖でき且つ亜硝酸型の硝化処理を安定し
て行うことができる。
【0012】発明者はこの観点から遊離のアンモニアの
存在比率を意図的に大きくする技術を鋭意検討したとこ
ろ、廃水のアンモニア性窒素の濃度が40〜1000m
g/Lのときに、硝化槽内の廃水pHを7.5〜9.5
の範囲でアルカリ側に制御することで、遊離のアンモニ
アを増加させてアンモニア性窒素の酸化を亜硝酸性窒素
までで停止する制御が可能になるとの知見を得た。この
場合、廃水pHが7.5未満では、アルカリ度が弱すぎ
て遊離のアンモニアの存在比率を増加させる作用が生じ
ず、pHが9.5を越えると、アルカリ度が強すぎて硝
化菌の活性が低下したり死滅する。また、硝化槽内の廃
水のアンモニア性窒素濃度が40mg/L未満では、p
Hを7.5〜9.5に制御しても遊離のアンモニアの絶
対量が不足し、低濃度アンモニア対応菌が優占するた
め、亜硝酸型の硝化反応を確実に行うには至らない。逆
に、廃水のアンモニア性窒素濃度が1000mg/Lを
越えると、遊離のアンモニアの絶対量が十分にあること
からpHを7.5〜9.5に制御する作用効果が小さく
なる。従って、硝化槽内の廃水pHを7.5〜9.5の
範囲でアルカリ側に制御したときに、効果的に遊離アン
モニアの存在比率を高めて高濃度アンモニア対応菌を優
占繁殖させ、亜硝酸型の硝化反応に寄与することができ
るアンモニア性窒素濃度条件は、40〜1000mg/
Lの範囲のときである。
【0013】本発明の請求項2は、請求項1において、
生成される酸化態窒素の種類中に硝酸態窒素が検出され
る場合には、前記硝化槽内の廃水pHを7.5〜9.5
の範囲で前記硝酸性窒素が検出されたときのpH値より
も大きくするようにしたので、硝酸型の硝化処理に移行
しても再び亜硝酸型の硝化処理に戻すことができる。こ
の場合、亜硝酸型の硝化処理に戻ったら、硝酸態窒素が
検出されたpH値に戻しても、硝酸型の硝化処理に戻っ
てしまうことはない。従って、生成される酸化態窒素の
種類中に硝酸態窒素が検出される場合には、一時的にp
Hを上げることが好ましい。
【0014】本発明の請求項3は、硝化槽を複数直列に
設け、上流側の硝化槽から下流側の硝化槽にいくに従っ
て硝化槽内の廃水pHが順次小さくなるように各硝化槽
のpHを制御すると共に、少なくとも最上流側の硝化槽
は請求項1又は2を満足する硝化処理方法を行うように
したので、各硝化槽トータルでの硝化反応速度を大きく
することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係る廃水の硝化処理方法の好ましい実施の形態について
詳説する。
【0016】図1は本発明の廃水の硝化処理方法を適用
する第1の実施の形態の硝化処理装置10の構成図であ
る。
【0017】図1に示すように、アンモニア性窒素を含
有する廃水は、硝化槽12に流入して好気性条件下で硝
化処理される。流入する廃水のアンモニア性窒素濃度は
40〜1000mg/Lの範囲である。
【0018】硝化槽12内には、硝化菌を付着保持する
ための複数の波板状の付着固定板14、14…が水没配
置され、運転開始時には廃水中の活性汚泥を付着固定板
14に付着させて馴養を開始し、硝化菌の菌体濃度を高
める。尚、硝化菌を保持する手段としては、付着固定板
14に限定されるものではなく、後記する第2の実施の
形態のように、活性汚泥や純粋培養した硝化菌を包括固
定化した担体を硝化槽12内に投入すようにしてもよ
い。担体の場合には、硝化槽12の出口にスクリーン等
の担体流出防止機構を設けることが好ましい。
【0019】硝化槽12内の底部には、ブロア13に接
続された散気管15が設けられ、この散気管15から空
気が曝気されることにより硝化槽12内が好気性条件に
形成される。
【0020】硝化槽12の上方には、硝化槽12内の廃
水pHを調整するアルカリ液が貯留されたアルカリタン
ク16が設けられ、添加配管18の途中に添加量調整バ
ルブ20が設けられる。硝化槽12内には、廃水pHを
測定するpH計22が設けられ、pH計22に基づいて
添加量調整バルブ20からのアルカリ液の添加量が調整
される。硝化槽12内の廃水pH値は7.5〜9.5の
範囲に調整される。例えば、pHの7.5〜9.5の中
央値であるpH8.5を基準に制御し、pH8.5を下
回ったらアルカリタンク16からアルカリ液を添加して
pHを8.5に戻すように制御する。
【0021】また、硝化槽12内には、アンモニア性窒
素が酸化されて生成された酸化性窒素のうち、少なくと
も硝酸性窒素を検出する検出器17が設けられ、検出器
17で硝酸性窒素が検出されると、硝化槽12内の廃水
pHを7.5〜9.5の範囲で硝酸性窒素が検出された
ときのpH値よりも一時的に大きくなるように、添加量
調整バルブ20からのアルカリ液の添加量を調整する。
pH計22でpH8.5に制御する場合には、検出器1
7で硝酸性窒素が検出されると、例えばpH9.0にな
るように一時的に制御する。
【0022】図2は、上記の如く構成された第1の実施
の形態の硝化処理装置10を用いて、本発明の廃水の硝
化処理方法を行ったもので、アンモニア性窒素濃度の5
00mg/LをpH8.5で硝化処理したものである。
本発明の場合には、処理水中のアンモニア性窒素(NH
4 - N)濃度は、運転開始から約30日目までに急激に
減少し、その後、NH4 - N濃度が略100mg/L程
度で安定して残存するようになった。これに伴って亜硝
酸性窒素(NO2 - N)が生成され、NO2 -N濃度は
NH4 - N濃度の減少に反比例するように増加し、運転
開始から約30日目で略400mg/L程度で安定し
た。硝酸性窒素(NO3 - N)については、運転開始1
50日たっても生成は認められなかった。この結果は、
廃水のアンモニア性窒素の濃度が40〜1000mg/
Lのときに、硝化槽12内の廃水pHを7.5〜9.5
の範囲になるように制御する場合には同様の結果を得る
ことができる。このことは、本発明の廃水の硝化処理方
法を行うことにより、硝化槽内に高濃度アンモニア対応
菌が優占繁殖していることを意味する。特に、廃水のア
ンモニア性窒素濃度が1000mg/L以上の高濃度の
アンモニア性窒素を硝化処理する際の、馴養運転時のア
ンモニア性窒素濃度に略相当する40〜1000mg/
Lのときに、高濃度アンモニア対応菌を優占繁殖できる
ので、1000mg/L以上の高濃度の定常運転への移
行を円滑に行うことができる。
【0023】図3は、同じ硝化処理装置10を用いて5
00mg/Lのアンモニア性窒素濃度の廃水をpH7.
0で硝化処理した比較例である。比較例の場合には、運
転開始から約45日目まで処理水中のNH4 - N濃度が
下がり続けて本発明の場合よりも低くなり、これに反比
例するようにNO2 - N濃度が増加する。しかし、NO
2 - N濃度がピークに達する運転開始45日目を過ぎる
頃からNO2 - N濃度が減少し始め、NO3 - N濃度が
増加し始めた。そして、運転開始120日頃にNO2 -
N濃度とNO3 - N濃度が逆転し、運転開始150日目
には硝化槽内の硝化反応が略完全に硝酸型の硝化反応に
移行していた。このことは、本発明のpH範囲域を外れ
ると、運転開始後の時間の経過に伴って、硝化槽内で低
濃度アンモニア対応菌と亜硝酸酸化細菌が優占繁殖して
くることを意味している。
【0024】図4は、本発明の廃水の硝化処理方法を適
用する第2の実施の形態の硝化処理装置30の構成図で
あり、処理槽を多段で設けて多段硝化処理する場合であ
る。
【0025】図4に示すように、アンモニア性窒素を含
有する廃水は、先ず第1硝化槽32に流入して好気性条
件下で1段目の硝化処置がなされた後、第2硝化槽34
に流入して好気性条件下で2段目の硝化処置がなされ
る。この場合、第1硝化槽32では、廃水のアンモニア
性窒素の濃度が40〜1000mg/Lのときに、第1
硝化槽32内の廃水pHを7.5〜9.5の範囲になる
ように制御する硝化処理方法を行う。
【0026】各硝化槽32、34内の底部には、それぞ
れブロア36、38に接続された散気管40、42が配
設され、散気管40、42から空気を曝気することによ
り、各硝化槽32、34内に好気性条件が形成される。
【0027】各硝化槽32、34には、活性汚泥や純粋
培養した硝化菌を包括固定化した担体44が投入され、
硝化槽32、34の出口に図示しないスクリーン等の担
体流出防止機構を設けられる。
【0028】第1硝化槽32の上方には、第1硝化槽3
2内の廃水pHを調整するアルカリ液が貯留された第1
アルカリタンク46が設けられ、添加配管47の途中に
は添加量調整バルブ48が設けられる。第1硝化槽32
内には、第1硝化槽32内の廃水pHを測定するpH計
50が設けられ、pH計50に基づいて添加量調整バル
ブ48からのアルカリ液の添加量が調整される。これに
より、第1硝化槽32内の廃水pHを7.5〜9.5の
範囲になるように制御される。ここでは、第1硝化槽3
2内の廃水pHを8.0に制御することにする。
【0029】第2硝化槽34内の上方には、アルカリ液
を添加する第2アルカリタンク52と酸液を添加する酸
タンク54とが設けられると共に、それぞれの添加配管
56、58には添加量調整バルブ60、62が設けられ
る。第2硝化槽34内には、第2硝化槽34内の廃水p
Hを測定するpH計64が設けられ、pH計64に基づ
いてそれぞれの添加量調整バルブ60、62からのアル
カリ液又は酸液の添加量が調整される。これにより、第
2硝化槽34内の廃水pH値が第1硝化槽32内の廃水
pH値よりも低くなるように制御される。ここでは、第
2硝化槽34のpH値を7.0になるように制御するこ
ととする。
【0030】また、第1硝化槽32には、第1の実施の
形態と同様に、アンモニア性窒素が酸化されて生成され
た酸化性窒素のうち、少なくとも硝酸性窒素を検出する
検出器66が設けられ、検出器66のデータが第1アル
カリタンク46の添加量調整バルブ48に接続される。
【0031】図5は、上記の如く構成された第2の実施
の形態の硝化処理装置30を用いて、本発明の廃水の硝
化処理方法を行った結果である。その結果、廃水のアン
モニア性窒素濃度が40〜1000mg/Lのときに、
2槽の硝化槽32、34から成る多段式にして、第1硝
化槽32をpH8.0の高濃度アンモニア対応菌が優占
繁殖する運転条件、第2硝化槽34をpH7.0の低濃
度アンモニア対応菌が優占繁殖する運転条件とすること
によって、硝化処理装置30全体の硝化反応速度をアッ
プさせることができた。
【0032】また、第1硝化槽32内のNH4 - N濃
度、NO2 - N濃度及びNO3 - N濃度の挙動について
見ると、図5に示すように、運転開始後、第1硝化槽3
2内の廃水のNH4 - N濃度は急激に低下し、約50日
目頃でNH4 - N濃度が最低の約100mg/Lに達
し、その後安定した。これに伴ってNO2 - Nが生成さ
れ、NO2 - N濃度はNH4 - N濃度の減少に反比例す
るように増加し、運転開始から約50日目で略400m
g/L程度で安定した。運転開始後60日を過ぎた頃
に、何かの拍子でNO2 - N濃度が減少し、それに伴っ
てNO3 - N濃度が上昇し、硝酸型の硝化反応が一時的
に認められたが、第1処理槽32の第1アルカリタンク
46からアルカリ液を添加してpH値を一時的に8.0
から8.5まで上昇させることで再び亜硝酸型の硝化反
応に戻すことができた。これにより、生成される酸化性
窒素の種類中に硝酸態窒素が検出されて硝酸型の硝化反
応に変化しようとする場合には、第1硝化槽32内の廃
水pHを7.5〜9.5の範囲で硝酸態窒素が検出され
たときのpH値よりも一時的に大きくすることで、亜硝
酸型の硝化反応に戻すことができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る廃水
の硝化処理方法によれば、高濃度のアンモニア性窒素を
含有する廃水の硝化処理において、アンモニア性窒素濃
度が比較的低濃度な馴養運転時から高濃度な正常運転に
至るまで、亜硝酸型の硝化処理を安定して行うことがで
きるので、高効率且つ低コストの硝化処理方法を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃水の硝化処理方法を適用する第1の
実施の形態の硝化処理装置の構成図
【図2】第1の実施の形態の硝化処理装置において本発
明を実施した場合の硝化槽内のNH4 - N濃度、NO2
- N濃度及びNO3 - N濃度の挙動を示したグラフ
【図3】第1の実施の形態の硝化処理装置において比較
例を実施した場合の硝化槽内のNH4 - N濃度、NO2
- N濃度及びNO3 - N濃度の挙動を示したグラフ
【図4】本発明の廃水の硝化処理方法を適用する第2の
実施の形態の硝化処理装置の構成図
【図5】第2の実施の形態の硝化処理装置における第1
処理槽内のNH4 - N濃度、NO2 - N濃度及びNO3
- N濃度の挙動を示したグラフ
【符号の説明】
10…第1の実施の形態の硝化処理装置、12…硝化
槽、13…ブロア、14…付着固定板、15…散気板
管、16…アルカリタンク、17、66…検出器、18
…添加配管、20…添加量調整バルブ、22…pH計、
30…第2の実施の形態の硝化処理装置、32…第1硝
化槽、34…第2硝化槽、36、38…ブロア、40、
42…散気管、44…担体、46…第1アルカリタン
ク、48、60…添加量調整バルブ、50、64…pH
計、52…第2アルカリタンク、54…酸タンク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンモニア性窒素を含有する廃水と硝化菌
    とを硝化槽内で好気性条件下で接触させて酸化性窒素を
    生成する廃水の硝化処理方法において、 前記廃水のアンモニア性窒素の濃度が40〜1000m
    g/Lのときに、前記硝化槽内の廃水pHを7.5〜
    9.5の範囲になるように制御することを特徴とする廃
    水の硝化処理方法。
  2. 【請求項2】前記生成される酸化性窒素の種類の中に硝
    酸性窒素が検出される場合には、前記硝化槽内の廃水p
    Hを7.5〜9.5の範囲で前記硝酸性窒素が検出され
    るときのpH値よりも大きくすることを特徴とする請求
    項1に記載の廃水の硝化処理方法。
  3. 【請求項3】硝化菌を固定した担体が投入された硝化槽
    を複数直列に設け、上流側の硝化槽から下流側の硝化槽
    にいくに従って硝化槽内の廃水pHが順次小さくなるよ
    うに各硝化槽のpHを制御すると共に、少なくとも最上
    流側の硝化槽は請求項1又は2を満足する硝化処理方法
    を行うことを特徴とする廃水の硝化処理方法。
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