JP2003325140A - 菓子又はパン用品質改良剤及び菓子又はパン - Google Patents

菓子又はパン用品質改良剤及び菓子又はパン

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JP2003325140A
JP2003325140A JP2002134250A JP2002134250A JP2003325140A JP 2003325140 A JP2003325140 A JP 2003325140A JP 2002134250 A JP2002134250 A JP 2002134250A JP 2002134250 A JP2002134250 A JP 2002134250A JP 2003325140 A JP2003325140 A JP 2003325140A
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feeling
egg
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JP2002134250A
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English (en)
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Hiromichi Kono
広道 河野
Keiichi Miyamoto
圭一 宮本
Takanori Kawai
隆範 河合
Takashi Haneki
貴志 羽木
Sadaji Morishita
貞二 森下
Keiichi Kondo
圭一 近藤
Eriko Morimoto
恵理子 森本
Akifusa Kawai
昭房 川合
Nagahiro Yamazaki
長宏 山崎
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Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食味を損なうことなく、型枠からのはがれを
なめらかにし、蒸しもの類は、ふっくらとした食感で、
舌触り及び口溶けが良く、焼き菓子類は、サクサクとし
てしっかりした食感であるが、中はソフトで口溶けが良
く、ケーキ類は、パサパサせずにふわっとした食感でし
っとりしており、パン等においては、表面はサクサクと
して歯切れが良く、ソフトで口溶けの良い食感で、ボリ
ューム感等の外観にも優れている菓子又はパンを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を
含有させることにより上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、菓子又はパン用品
質改良剤に関する。さらに詳しくは、卵黄又は全卵のホ
スホリパーゼ処理物を含有する菓子又はパン用品質改良
剤及び当該品質改良剤を添加することを特徴とする菓子
又はパンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】小麦粉、穀粉、澱粉、砂糖、油脂(ショ
ートニング)を主原料に牛乳又は乳製品、卵、膨張剤、
食塩、香料、着色料や乳化剤等を混捏して成形した後、
焙焼等の加熱を行う焼き菓子や小麦粉、穀粉、澱粉、酵
母、食塩、油脂(ショートニング)等を主原料に糖類や
乳製品を混捏し発酵させ、仕上げ、ほいろ、焼成を行う
パン等は、食感の改良や老化の防止、離型向上等の目的
で、従来より小麦粉の選択や加工澱粉、ショートニング
等が利用されるとともに、乳化剤、大豆レシチン、大豆
レシチンの分解物等の品質改良剤も添加されてきた。そ
の例として、食用粉類100重量部に対して、グリセリ
ン脂肪酸エステルが0.05〜5重量部、及びα化澱粉
が0.5〜10重量部となるようにパンに添加する方法
(特開平11−262355)、澱粉2〜30重量%、
油脂2〜40重量%、乳化剤0.1〜5重量%を含有す
る製パン用改良剤を添加する方法(特開2001−25
354)、α化した米を粉砕し微粉状にしたものをベー
カリー製品に添加する方法(特許第3033828号)
等が挙げられる。しかしながら、それらのいずれもいく
らかの効果をあげているが、十分ではなかった。そこ
で、より効果のある菓子又はパン用品質改良剤が望まれ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、菓子又はパ
ンの型枠からのはがれをなめらかにし、食味を損なうこ
となく、しっとりとした口溶けの良い食感で、ボリュー
ム感等の外観にも優れており、保存中の老化を抑制する
菓子又はパン用の品質改良剤を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、菓子又は
パンの型枠からのはがれをなめらかにし、食味を損なう
ことなく、しっとりとした口溶けの良い食感で、ボリュ
ーム感等の外観にも優れており、保存中の老化を抑制す
る菓子又はパン用の品質改良剤について鋭意研究した結
果、菓子又はパンに卵黄又は全卵をホスホリパーゼにて
加水分解したホスホリパーゼ処理物を添加することによ
り、非常に優れた効果が得られることを見い出し、本発
明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明でいう卵黄とは、鶏卵から
分離されたものであれば、生卵黄液、冷凍卵黄、冷凍加
糖卵黄、粉末卵黄を水で戻したもの等いずれの形態であ
ってもよく、特に限定されるものではないが、生卵黄液
又は冷凍加糖卵黄が好ましい。本発明でいう全卵とは、
殻付卵を割卵したものであれば、生全卵液、冷凍全卵、
冷凍加糖全卵、粉末全卵を水で戻したもの等いずれの形
態であってもよく、特に限定されるものではないが、生
全卵液又は冷凍加糖全卵が好ましい。
【0006】本発明で用いるホスホリパーゼとは、動物
組織又は微生物から抽出精製されたリン脂質を加水分解
する酵素であれば特に限定しないが、好ましくは、ジア
シルグリセロリン脂質の1位又は2位の脂肪酸エステル
結合を加水分解する酵素であるホスホリパーゼAが良
く、さらに好ましくは、ジアシルグリセロリン脂質の2
位を加水分解するホスホリパーゼAが良い。また、ホ
スホリパーゼAを用いる場合、酵素中にホスホリパーゼ
及びホスホリパーゼAの2種類が共に存在する場
合や、ホスホリパーゼBや、ある種のリパーゼが存在す
る場合、生成されたホスホリパーゼ処理物のアシル基が
さらに加水分解を受けるので、出来る限り精製したもの
を用いるのが望ましい。本発明において、ホスホリパー
ゼによるリン脂質の分解率は、特に限定するものではな
いが、効果の点より、50%以上であることが好まし
く、さらに好ましくは60%以上である。この際の分解
率は、卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物の水分を除
去し、脂質を抽出した後、高速液体クロマトグラフィー
及び薄層クロマトグラフィーによって測定される。すな
わち、分解率はPCがLPCに分解された割合から算出
され、 の式により、算定される。本発明で用いるホスホリパー
ゼは至適pHが6以上11以下にあるものが好ましい。
pHが6未満では、反応が著しく遅くなるため、望まし
くない。特に限定されるものではないが、ホスホリパー
ゼの反応は、分解温度が20℃以上で、分解時間が2時
間以上48時間以下で終了するように酵素量を調整する
ことが好ましい。分解温度が20℃未満又は分解時間が
2時間未満では、分解反応速度が遅いために酵素を大量
に添加する必要があり経済的ではないため望ましくな
い。分解時間が48時間を越えるとバクテリア汚染によ
る腐敗の危険性が高くなるため望ましくない。
【0007】本発明で用いるホスホリパーゼ処理物は、
特に限定されるものではないが、凍結乾燥、平皿乾燥や
噴霧乾燥によって乾燥した粉末が好ましい。液体の場
合、腐敗を避けるために冷凍保存する必要があり、作業
性の面で望ましくない。
【0008】本発明の品質改良剤は、卵黄又は全卵のホ
スホリパーゼ処理物を含有すれば良いが、必要に応じて
他の品質改良剤と併用することができる。他の品質改良
剤としては、通常用いられる菓子又はパン用の品質改良
剤であれば特に限定されるものではないが、好ましくは
卵白、卵白加水分解物、卵黄、卵黄加水分解物、鶏卵
(全卵)、全卵加水分解物、ホエー蛋白、ホエー蛋白加
水分解物、カゼイン、カゼインナトリウム、乳蛋白、乳
蛋白加水分解物、コラーゲン、ゼラチン、血漿蛋白、小
麦蛋白、小麦蛋白加水分解物、グルテニン、グリアジ
ン、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白より選ばれる蛋白素材、
キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン
酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステ
ル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガ
ム、グルコマンナン、カードラン、ペクチン、タマリン
ドシードガム、アラビアガム、カラヤガム、ガティガ
ム、サイリウムシードガム、タラガム、プルラン、結晶
セルロース、CMC、ポリアクリル酸ナトリウム、メチ
ルセルロース、大豆多糖類より選ばれる多糖類及びこれ
らの分解物、更にグリセリン脂肪酸エステル、モノグリ
セリン有機酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カル
シウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチン、酵素
分解レシチン、酵素処理レシチンより選ばれる乳化剤、
融点が20℃以上の牛脂、豚脂等の動物性油脂を乳化被
覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することによ
り得られる動物性粉末油脂、パーム油、ヤシ油、大豆
油、綿実油等の植物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に
乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉
末油脂、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、グ
ルコースオキシダーゼより選ばれる酵素等が挙げられ、
更に好ましくは、卵白、卵白加水分解物、卵黄、卵黄加
水分解物、全卵、全卵加水分解物、乳蛋白、ホエー蛋
白、カゼインナトリウム、小麦蛋白、グルテニン、グリ
アジンより選ばれる蛋白素材、キサンタンガム、ジェラ
ンガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン
酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガ
ム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カー
ドラン、サイリウムシードガム、ペクチン、タラガムよ
り選ばれる多糖類及びそれらの分解物、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチンより選ばれ
る乳化剤、融点が20℃以上の牛脂又は豚脂を乳化被覆
膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより
得られる動物性粉末油脂、パーム油又はヤシ油又は大豆
油を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥す
ることにより得られる植物性粉末油脂、アミラーゼ、セ
ルラーゼより選ばれる酵素が良い。更に、これらの品質
改良剤の1種又は2種以上を本発明の菓子又はパン用品
質改良剤に併用して使用することができるものである。
【0009】本発明における卵黄又は全卵のホスホリパ
ーゼ処理物の菓子又はパン用品質改良剤中に有効成分と
して添加される量は、特に限定するものではなく、従来
の小麦粉、澱粉等の粉体原料に対してホスホリパーゼ処
理物の固形量として0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%、更に好ましくは0.3〜3重量%を
添加するのが菓子又はパンの製造コストの面から良い。
0.01%未満では、菓子又はパンの品質改良効果が不
十分であり、10%を超えると食感がパサつき、異味が
発生し菓子又はパンの食味を低下させるため好ましくな
い。本発明において、菓子とは、小麦粉やその他の穀類
を使用する菓子であれば、特に限定されるものではない
が、まんじゅう、蒸しようかん、カステラ、どら焼き、
今川焼き、たい焼き、きんつば、ワッフル、栗まんじゅ
う、月餅、ボーロ、八つ橋、せんべい、かりんとう、ド
ーナツ、スポンジケーキ、ロールケーキ、エンゼルケー
キ、パウンドケーキ、バウムクーヘン、フルーツケー
キ、マドレーヌ、シュークリーム、エクレア、ミルフィ
ーユ、アップルパイ、タルト、ビスケット、クッキー、
マフィン、クラッカー、蒸しパン、プレッツェル、ウエ
ハース、スナック菓子、ピザパイ、クレープ、スフレ、
ベニェ等が挙げられる。パンとは、小麦粉、水、発酵原
料、食塩を原料とするものであれば、特に限定されるも
のではないが、食パン、コッペパン、フルーツブレッ
ド、コーンブレッド、バターロール、ハンバーガーバン
ズ、フランスパン、ロールパン、菓子パン、スイートド
ウ、乾パン、ベーグル、クロワッサン、デニッシュペー
ストリー等が挙げられる。菓子又はパンの形態は特に限
定されるものではないが、常温流通されるもの、冷蔵流
通されるもの、冷凍流通されるもの、また焼成前の生地
の状態で冷蔵又は冷凍流通されるもののいずれであって
も良い。
【0010】本発明における品質改良剤の菓子又はパン
への使用方法は、特に限定されるものではなく、添加す
る菓子又はパンの製造工程は、特に限定されるものでは
なく、添加時期についても特に限定されるものではない
が、生地を調製する際に、練り水に分散させ添加する方
法、小麦粉に当該ホスホリパーゼ処理物を添加・混合す
る方法等を適宜選択できるが、作業効率の面から小麦粉
に当該ホスホリパーゼ処理物を添加混合する方法が好ま
しい。以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する
が、本発明は、以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0011】
【実施例】実施例1 生卵黄液1000g(pH6.4)を55℃に昇温した
後、ホスホリパーゼ(レシターゼ10L:ノボザイムズ
ジャパン(株)製)を1g添加し4時間反応した。65
℃で30分加熱処理した後、10℃まで急冷し、噴霧乾
燥(L−8型スプレードライヤー:大川原化工機(株)
製)して本発明のホスホリパーゼ処理物1を400g得
た。ホスホリパーゼ処理物1のリン脂質の分解率は、6
3.5%であった。 実施例2 3N−クエン酸溶液を添加してpH3.5に調整する以
外は実施例1と同様にしてリン脂質の分解率が13.4
%のホスホリパーゼ処理物2を400g得た。 実施例3 温度を5℃にする以外は実施例1と同様にしてリン脂質
の分解率が17.5%のホスホリパーゼ処理物3を40
0g得た。 実施例4 強力粉700gに対し、イースト25g、イーストフー
ド1g、水400gを配合し、5分間ミキサーで混捏
後、4時間発酵させ中種の生地を得た。実施例1で得ら
れたホスホリパーゼ処理物1、20gを、強力粉300
g、砂糖30g、食塩20g、脱脂粉乳20g、ショー
トニング50g、水260gと混合し、中種の生地とと
もに15分間ミキサーで混捏後、430gに分割し、型
に入れ、38℃で50分間ホイロした後、200℃で4
0分間焼成し、室温で1時間冷却を行ってワンローフ型
の食パンAを得た。 実施例5 実施例2で得られたホスホリパーゼ処理物2、20gを
実施例4のホスホリパーゼ処理物1、20gの代わりに
添加する以外は実施例4と同様にしてワンローフ型の食
パンBを得た。 実施例6 実施例3で得られたホスホリパーゼ処理物3、20gを
実施例4のホスホリパーゼ処理物1、20gの代わりに
添加する以外は実施例4と同様にしてワンローフ型の食
パンCを得た。
【0012】実施例7 生全卵液800g(pH7.6)に砂糖200gを溶解
混合してから47℃に昇温した後、ホスホリパーゼ(レ
シターゼ10L:ノボザイムズジャパン(株)製)を
0.5g添加し4時間反応した。60℃で30分加熱処
理した後、10℃まで急冷し、本発明のホスホリパーゼ
処理物4を300g得た。ホスホリパーゼ処理物4のリ
ン脂質の分解率は、72.4%であった。 実施例8 実施例7で得られたホスホリパーゼ処理物4、80gを
実施例4のホスホリパーゼ処理物1、20gの代わりに
添加すること以外は実施例4と同様にしてワンローフ型
食パンDを得た。
【0013】比較例1 比較のために、実施例4のパンの製法に対し実施例1の
ホスホリパーゼ処理物1、20gを添加しない以外は、
実施例4と同様にして食パンを得た。 比較例2 比較のために、酵素処理をしない生全卵液800gに砂
糖200gを溶解したものを調整し、実施例4のホスホ
リパーゼ処理物1、20gの代わりにこれを80g添加
すること以外は、実施例4と同様にして酵素処理をしな
い加糖生全卵液を添加した食パンを得た。 比較例3 比較のために、型枠に離型用油を塗布する以外は比較例
1と同様にして酵素処理をしない加糖生全卵液を添加し
た食パンを得た。 比較例4 比較のために、実施例4のホスホリパーゼ処理物1、2
0gの代わりに酵素分解大豆レシチン(サンレシチン
A:太陽化学(株)製)を20g添加すること以外は、
実施例4と同様にして酵素分解大豆レシチンを添加した
食パンを得た。
【0014】試験例 (評価方法)上記の実施例4〜6、8及び比較例1〜3
で得られた食パンについて、型枠からのはがれやすさ、
24時間室温保管後の食感、72時間室温保管後の食感
を評価した。また、比較例1の食パンの容積を100%
としたときの実施例4〜6、8、比較例2〜4の食パン
の容積を測定した。その結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1から明らかなように本発明品を配合し
た食パンは比較品に比べ、型枠からはがれやすく、また
柔らかく良好な組織の食パンが得られ、3日後もその食
感を維持したことより、パンの型枠からの離型向上効果
及び食感改善効果、老化防止効果に優れていることが認
められた。更に、容積増大効果にも優れていることが認
められた。また酵素分解レシチンと比較して大きな効果
が得られたことより上記の品質改良効果は酵素分解され
た卵黄中に存在するレシチン単体の分解物ではなくリポ
蛋白質の分解物に大きく依存していると推測できる。
【0017】実施例9 実施例1にて得られたホスホリパーゼ処理物1、0.5
gを薄力粉100g、上白糖80g、生全卵液60g、
無塩バター30g、マーガリン30g、牛乳20g、ベ
ーキングパウダー3g、食塩1gと混合し、ミキサーで
混捏後、90gづつマフィンカップに入れ、180℃で
20分間焼成し、マフィンAを得た。 実施例10 実施例2にて得られたホスホリパーゼ処理物2、0.5
gを実施例9で用いたホスホリパーゼ処理物1、0.5
gの代わりに加える以外は実施例9と同様にしてマフィ
ンBを得た。 実施例11 実施例3にて得られたホスホリパーゼ処理物3、0.5
gを実施例9で用いたホスホリパーゼ処理物1、0.5
gの変わりに加える以外は実施例9と同様にしてマフィ
ンCを得た。
【0018】実施例12 実施例7で得られたホスホリパーゼ処理物4、2gを実
施例9で用いたホスホリパーゼ処理物の代わりに添加す
ること以外は実施例9と同様にしてマフィンDを得た。
【0019】比較例5 比較のために、実施例9のマフィンの製法に対し実施例
1のホスホリパーゼ処理物1を添加しない以外は、実施
例9と同様にしてマフィンを得た。 比較例6 比較のため実施例9で用いたホスホリパーゼ処理物の代
わりに酵素分解大豆レシチン(サンレシチンA:太陽化
学(株)製)0.5gを添加すること以外は実施例9と
同様にしてマフィンを得た。
【0020】試験例 (評価方法)上記の実施例9〜12及び比較例5、6で
得られたマフィンについて、型紙からのはがれやすさ、
24時間室温保管後の食感、72時間室温保管後の食感
を評価した。また、比較例5のマフィンの容積を100
%としたときの実施例9〜12、比較例6のマフィンの
容積を測定した。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように本発明品を配合し
たマフィンは比較品に比べ、型紙からはがれやすく、ま
たしっとりと喉越しの良い、良好な組織のマフィンが得
られ、3日後もその食感を維持したことより、マフィン
の型紙からの離型向上効果及び食感改善効果、老化防止
効果に優れていることが認められた。更に、容積増大効
果にも優れていることが認められた。また酵素分解レシ
チンと比較して大きな効果が得られたことより上記の品
質改良効果は酵素分解された卵黄中に存在するレシチン
単体の分解物ではなくリポ蛋白質の分解物に大きく依存
していると推測できる。
【0023】本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙
げれば以下のとおりである。 (1) 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を含有す
ることを特徴とする菓子又はパン用の品質改良剤。 (2) ホスホリパーゼ処理によるリン脂質の分解率が
50%以上である(1)記載の菓子又はパン用の品質改
良剤。 (3) ホスホリパーゼ処理条件が温度20℃以上、p
Hが6以上11以下、処理時間2時間以上48時間以下
である(1)又は(2)記載の菓子又はパン用の品質改
良剤。 (4) ホスホリパーゼが動物組織又は微生物から抽出
精製されたリン脂質分解酵素である(1)〜(3)いず
れか記載の菓子又はパン用の品質改良剤。 (5) ホスホリパーゼがホスホリパーゼAである
(1)〜(4)いずれか記載の菓子又はパン用の品質改
良剤。 (6) 品質改良効果として離型向上、食感改善、老化
防止、容積増大効果を与える(1)〜(5)いずれか記
載の菓子又はパン用の品質改良剤。 (7) (1)〜(6)いずれか記載の菓子又はパン用
の品質改良剤と併用添加できる他の品質改良剤として
は、卵白、酵素処理卵白、卵黄、酵素処理卵黄、鶏卵
(全卵)、酵素処理鶏卵、ホエー蛋白、酵素処理ホエー
蛋白、カゼイン、カゼインナトリウム、乳蛋白、酵素処
理乳蛋白、コラーゲン、ゼラチン、血漿蛋白、小麦蛋
白、酵素処理小麦蛋白、グルテニン、グリアジン、大豆
蛋白、エンドウ豆蛋白より選ばれる蛋白素材、キサンタ
ンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリ
ウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ロー
カストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコ
マンナン、カードラン、ペクチン、タマリンドシードガ
ム、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウ
ムシードガム、タラガム、プルラン、結晶セルロース、
CMC、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロー
ス、大豆多糖類より選ばれる多糖類及びこれらの分解
物、更にグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン有
機酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグ
リセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ス
テアロイル乳酸ナトリウム、レシチン、酵素分解レシチ
ン、酵素処理レシチンより選ばれる乳化剤、融点が20
℃以上の牛脂、豚脂等の動物性油脂を乳化被覆膜剤でO
/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる
動物性粉末油脂、パーム油、ヤシ油、大豆油、綿実油等
の植物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、
噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂、アミ
ラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコースオキ
シダーゼより選ばれる酵素等がある。 (8) (1)〜(7)いずれか記載のホスホリパーゼ
処理物の形態が凍結乾燥、平皿乾燥や噴霧乾燥によって
乾燥した粉末であることを特徴とする菓子又はパン用の
品質改良剤。 (9) (1)〜(8)いずれか記載の菓子又はパン用
の品質改良剤を添加することを特徴とする菓子又はパ
ン。 (10) 菓子又はパン用の品質改良剤の使用量が卵黄
又は全卵のホスホリパーゼ処理物の固形量として、小麦
粉、澱粉等の粉体原料に対して0.01〜10重量%で
ある(9)記載の菓子又はパン。 (11) 菓子又はパン用の品質改良剤の使用量が卵黄
又は全卵のホスホリパーゼ処理物の固形量として、小麦
粉、澱粉等の粉体原料に対して0.1〜5重量%である
(9)記載の菓子又はパン。 (12) 菓子又はパン用の品質改良剤の使用量が卵黄
又は全卵のホスホリパーゼ処理物の固形量として、小麦
粉、澱粉等の粉体原料に対して0.3〜3重量%である
(9)記載の菓子又はパン。
【0024】
【発明の効果】本発明は、菓子又はパンの食味を損なう
ことなく、型枠からのはがれをなめらかにし、また老化
を抑制し、蒸しもの類は、ふっくらとした食感で、舌触
り及び口溶けが良く、焼き菓子類は、サクサクとしてし
っかりした食感であるが、中はソフトで口溶けが良く、
ケーキ類は、パサパサせずにふわっとした食感でしっと
りしており、パン等においては、ソフトで口溶けの良い
食感で、ボリューム感等の外観にも優れており、保管中
の老化を抑制する菓子又はパン用の品質改良剤を提供す
るものであり、本発明は菓子類又はパンの加工適性、調
理適性の改善に効果が大であり、食品産業に大いに貢献
できるものである。
フロントページの続き (72)発明者 羽木 貴志 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 森下 貞二 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 近藤 圭一 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 森本 恵理子 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 川合 昭房 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 山崎 長宏 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GG10 GG15 4B032 DB01 DK47 DK51 DL08 4B042 AC05 AD40 AH09 AH10 AP27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を
    含有することを特徴とする菓子又はパン用品質改良剤。
  2. 【請求項2】 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理によ
    るリン脂質の分解率が50%以上である請求項1記載の
    菓子又はパン用品質改良剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の菓子又はパ
    ン用品質改良剤を含有することを特徴とする菓子又はパ
    ン。
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