JP2003321216A - 黒鉛系水素吸蔵材料及びその製造方法 - Google Patents

黒鉛系水素吸蔵材料及びその製造方法

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JP2003321216A
JP2003321216A JP2002126295A JP2002126295A JP2003321216A JP 2003321216 A JP2003321216 A JP 2003321216A JP 2002126295 A JP2002126295 A JP 2002126295A JP 2002126295 A JP2002126295 A JP 2002126295A JP 2003321216 A JP2003321216 A JP 2003321216A
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graphite
hydrogen
hydrogen storage
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pulverization
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JP2002126295A
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Minoru Shirohige
稔 白髭
Junichi Iida
淳一 飯田
Hitoshi Ito
仁 伊藤
Junji Katamura
淳二 片村
Mikio Kawai
幹夫 川合
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Nissan Motor Co Ltd
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は水素を効率的に吸蔵させることがで
き、軽量で、しかも繰り返し使用でき、さらに作製も容
易な黒鉛系水素吸蔵材料及びその製造方法を実現するこ
とにある。 【解決手段】 本発明に係る黒鉛系水素吸蔵材料は、水
素を吸蔵・放出する黒鉛系材料において、該黒鉛系材料
が少なくとも粉砕及び賦活されて、比表面積が400m
/g以上、半径5nm以下の細孔の容積が0.3c
/g以上になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、黒鉛系の水素吸
蔵材料及びその製造方法に関するものである。なお、本
明細書において、Ni、Pt、Pd、K、Li等は元素
記号である。
【0002】固体高分子型燃料電池の開発競争が活発に
繰り広げられる中、実用化のためコストが低く、特に輸
送用機器への車載を検討されているものは軽量で、吸蔵
密度が高く、水素の充填、放出速度の速い水素吸蔵材料
を用いた水素貯蔵法の開発が望まれている。現在、水素
を輸送用機器に車載する方法としては、高圧ガス、液体
水素、水素吸蔵合金、炭素系材料の4種類の方法が提案
されている。ここで、高圧ガスを車に搭載することは天
然ガス(メタン)自動車で実用化されており、200気
圧まで圧縮されボンベに蓄えられる。したがって、燃料
電池自動車に水素ボンベを用いることは本質的に問題な
く、水素貯蔵量を増やすため350気圧にし充填量を増
やすことが検討されている。しかし、ボンベは高圧に耐
えるために厚肉化され重量が増大するという問題を抱え
ている。次に、液体水素による輸送貯蔵では、水素の沸
点(−253℃)より低温にすることで液化水素を製造
できる。液化水素は、気体と比べて体積が約800分の
1であるため水素の優れた貯蔵方法である。しかし、水
素の気化熱が小さいことに起因する気化(ボイルオ
フ)、超低温に耐える容器を要する点などが課題とな
る。これに対し、水素吸蔵合金による輸送貯蔵として
は、Ni−水素電池にも使用されている希土類系合金の
LaNi が代表的である。この材料の水素吸蔵量は
1.4wt%程度である。また、最近はTiとVを基本
とした合金中で体心立方(BCC)構造を持つ固溶体相
が水素吸蔵性に優れていることが分かり、検討が進めら
れている。その一方で、近年、炭素系材料を用いた水素
吸蔵の研究が盛んに行われている。炭素系材料として
は、活性炭、グラファイト層間化合物、カーボンナノチ
ューブ(CNT)、グラファイトナノファイバー(GN
F)、フラーレン類などであり、常温での吸蔵・放出特
性、製造コスト、量産性や収率などに課題を有している
が、その課題を克服すべく更なる検討が進められてい
る。具体的には次の通りである。
【0003】炭素系材料のうち、CNTを用いる水素吸
蔵法は最も注目され、水素吸蔵合金の吸蔵能よりも優れ
た4〜10wt%前後の吸蔵能達成の報告もなされてい
る。単層CNTは、炭素原子が六角網目状に配列した一
枚のグラフェンシートが丸まった直径が数〜数十nmの
円筒状であり、それらがバンドル状(束状)になった構
造を取ることが多く、チューブ内部あるいはチューブ間
は強い物理ポテンシャルが作用し、そこに多量の水素分
子が物理吸着するとされている。多層CNTは、グラフ
ェンシートが同心円状に等間隔に多層に重なったもの
で、チューブ壁が多層であるため水素分子と接触する表
面炭素原子の割合は少なくなるが、グラフェンシート間
隔に水素が進入すれば高い水素吸蔵機能が期待できると
されている。また、多層CNTの合成法の発達により配
向度が高いものも合成され、その結果、高い水素吸蔵量
の報告がなされている。なお、特開2001−2201
01号公報には、CNT、GNFおよび活性炭などの細
孔を有する炭素材料に水素を吸蔵させる技術が提案され
ている。しかし、一般的にナノチュープでは、高い水素
吸蔵は液体窒素付近の低温で達成可能であり、常温での
吸蔵能は0.2〜0.4wt%と低く、又、実用化のた
めには大幅なコスト低減、生産能力の向上など課題が多
い。特開2001−302224号公報では、水素雰囲
気中で黒鉛を機械的に粉砕し、ナノ構造化された黒鉛に
水素を貯蔵させる提案もなされ、7.4wt%の水素放
出が確認されている。水素雰囲気中で黒鉛を粉砕するこ
とで、水素を共有結合、また、共有結合なしで黒鉛粒子
内に貯蔵することを特徴とするものであり、大きな吸蔵
性が確認されている。この技術は、文献(炭素 TAN
SO 2001「No.200」pp261〜268)
にも詳述されている。一例を挙げると、『ナノ構造化グ
ラファイト内部の水素量は、ミリング処理時間の増加、
すなわち欠陥構造の発展に伴って著しく増加し、80時
間後の水素量は7.4wt%にも達することがわかる。
80時間のミリング処理後の比表面積はわずかに10m
/gのオーダーであり、試料表面での物理吸着量は極
めて少ない。また、質量数2の水素分子の昇温脱離スペ
クトルは、およそ600K、950Kで始まる2つピー
クを示した。』など、興味深い解析がなされている。し
かし、実際の使用に際しては、水素放出温度の低温化と
サイクル性(繰り返しの使用)の確保が必要である。水
素雰囲気での水素吸蔵性は、粉砕によって生じるダング
リングボンド、構造欠陥が推進力になっているとされ、
水素の存在位置は、中性子回析実験より黒鉛のダングリ
ングボンドと結合している水素、もう一つは黒鉛層間に
位置する水素であることが報告されている。従って、一
度加熱し水素を放出させた材料に水素を入れる場合、加
圧では水素がほとんど入らず(0.2wt%)、また、
再度水素雰囲気で粉砕するにしても、黒鉛の結晶子が小
さくなっており、アモルファス化した状態であるため、
水素の吸蔵がほとんど認められないことが問題である。
従って、水素雰囲気中での粉砕では、放出温度が高いこ
とと繰り返しの使用ができないことが問題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような炭素系材
料は、貯蔵・放出条件によっては水素貯蔵合金よりも高
い水素吸蔵能を示すが、放出温度が高かったり、吸蔵メ
カニズム上、繰り返しの使用ができなかったり、製法
上、大量生産ができない等問題が多い。そこで、この発
明は、大量の水素を効率的に吸蔵させることができ、軽
量で、繰り返し使用でき、作製も容易な黒鉛系水素吸蔵
材料及びその製造方法を提供することを目的としたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、原料としては入手・製造が容易な黒鉛
を用い、黒鉛の構造を如何に利用するか、黒鉛の表面活
性を如何に利用するかの観点から鋭意研究を重ねた結
果、結晶性の良い黒鉛を用い、粉砕と賦活とを組み合わ
せることで、高い水素吸蔵性を達成できることを見出
し、発明に至った。すなわち、発明の黒鉛系水素吸蔵材
料は、水素を吸蔵・放出する黒鉛系材料において、該黒
鉛系材料が少なくとも粉砕及び賦活されて、比表面積が
400m/g以上、半径5nm以下の細孔の容積が
0.3cm /g以上になっていることを特徴として
いる。
【0006】以上の発明は請求項2〜7のようにより詳
細に特定可能である。 ・請求項2の発明は前記黒鉛系水素吸蔵材料を結晶特徴
から特定したもので、レーザーラマン分光分析により得
られるDバンドと呼ばれるアモルファス化した黒鉛に起
因する1360cm−1 付近のスペクトル強度(I
1360)と、Gバンドと呼ばれる黒鉛の結晶質炭素に
起因する1575cm−1付近のスペクトル強度(I
1575)とのピーク高さ比(I1360
1575)を示すR値が0.70以上である。 ・請求項3と7の発明は、前記黒鉛系材料がPt、P
d、Ni、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Zr、Nbの何れか1種以上を含有することで、単
位重量(質量)当たりの水素吸蔵量をより増大できるこ
とを特定したものである。 ・請求項4の発明は、以上の黒鉛系水素吸蔵材料を製造
方法から捉えたもので、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェ
ーズピッチ系黒鉛の何れか一種以上の原料黒鉛を用い、
第一のプロセスとして粉砕処理して黒鉛の結晶子の大き
さを小さくした後、第二のプロセスとして賦活処理する
ことにより作製することを特徴としている。 ・請求項5と6の発明は、前記製造方法の細部を特定し
たもので、黒鉛系原料は結晶性の高いものが良く、粉砕
前の黒鉛の(110)面の結晶子の大きさが25nm以
上、(002)面の結晶子の大きさが20nm以上のも
のを用いること、粉砕処理では粉砕後の黒鉛の(11
0)面の結晶子の大きさが1nm以上、(002)面の
結晶子の大きさが1〜70nmの範囲にすることが必須
となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、発明の黒鉛系水素吸蔵材料
及び製造方法を説明する。発明の黒鉛系水素吸蔵材料
は、結晶性の高い黒鉛を用い、第一のプロセスとして粉
砕処理にて黒鉛の結晶子の大きさを小さくした後、第二
のプロセスとして賦活処理にて、材料の細孔や比表面積
などを最適形態に調整したことが第一の特徴である。ま
ず、水素吸蔵量の多い黒鉛系材料の考え方として、黒鉛
内に水素を吸蔵するサイト(層間、細孔等)を創製する
ことが必要である。この点から、本発明者らは、試験を
重ねたところ、粉砕処理を行っていない結晶性の高い黒
鉛を賦活処理しても比表面積が増加せず、細孔構造の発
達もほとんど見られないこと、比表面積の高い黒鉛系水
素吸蔵材料の調整には第一のプロセスとして粉砕処理で
黒鉛の結晶子を小さく(7nm以下)し、また、黒鉛表
面の黒鉛化度を下げた後に、第二のプロセスとして賦活
処理を施すことが最も好ましいとの確証を得た。すなわ
ち、この発明では、結晶性の高い原料黒鉛を用い、その
比表面積を上げ、細孔構造、層間をより有効に活用、つ
まり水素が吸蔵しやすいサイトとして、水素分子や水素
原子が物理的および化学的に吸着しやすい細孔径および
結晶構造を有する黒鉛系水素吸蔵材料を提供するもので
ある。水素吸蔵の化学的ポテンシャルとしては、黒鉛の
粉砕過程で生じるダングリングボンドや格子欠陥などで
生じる活性点と、賦活処理で生じる黒鉛表面官能基との
水素吸着特性を利用したものである。具体的には、第一
のプロセスとして粉砕処理と第二のプロセスとして賦活
処理とを所定条件で組み合わせることによって、黒鉛の
粉砕により生じる活性な細孔構造が賦活処理で更にミク
ロ構造部分(ミクロ孔)として発達し水素が吸蔵しやす
い物理的吸着サイトを形成したものである。
【0008】ここで、原料黒鉛、つまり粉砕前の黒鉛と
しては結晶性の高いものが望ましく、(110)面の結
晶子の大きさが25nm以上、(002)面の結晶子の
大きさが20nm以上のものを用いることである。これ
は、粉砕効果として、特に粉砕処理過程での細孔の容積
向上が期待でき、粉砕時間も短くでき、好ましい態様で
ある。具体的な原料黒鉛としては、鱗片状黒鉛、鱗状黒
鉛、土状黒鉛などの天然黒鉛、コークスなどを焼成して
製造する人造黒鉛、メソフェーズピッチを原料として焼
成するメソフェーズピッチ系黒鉛など結晶性の発達した
黒鉛が好適である。
【0009】粉砕処理では、水素吸蔵として最適な範囲
が存在し、その範囲は、粉砕後の黒鉛の(110)面の
結晶子の大きさが1nm以上、(002)面の結晶子の
大きさが1〜70nmの範囲に収めることである。これ
は、例えば、結晶性の高い原料黒鉛が粉砕により結晶子
の大きさが減少し、それに伴い比表面積、細孔容積が増
大するが、(110)面および(002)面の結晶子の
大きさが1nm以下となるような長時間の粉砕では、ナ
ノ粒子、結晶子の縮合等により、逆に比表面積、細孔容
積の減少を招き、水素貯蔵性能が低下するためである。
なお、粉砕処理において、粉砕機としてはボールミル、
振動ミル、遊星ボールミル、ジェットミルなどが好適で
ある。また、粉砕雰囲気は大気、アルゴン、窒素、水
素、真空粉砕などが適用される。
【0010】賦活処理では、水蒸気賦活、炭素ガス賦
活、酸素賦活、薬品賦活法が適用可能であり、粉砕後の
黒鉛材料の結晶性を残したまま、比表面積を所定値まで
高くする。これは、前途のごとく結晶性の高い原料黒鉛
であっても、第二のプロセスの賦活処理だけでは比表面
積が上がらず、第一のプロセスである粉砕によって適度
に結晶子の大きさを小さくし、又、黒鉛表面のアモルフ
ァス化が適度になる条件で粉砕した後、第二のプロセス
の賦活処理を施すことで、水素吸着用として最も優れた
比表面積の高い黒鉛系材料を調整可能にするためであ
る。
【0011】賦活処理の詳細は以下の通りである。水蒸
気賦活では、黒鉛試料を水蒸気の存在化で750℃程度
で反応を進行させる。炭素ガス賦活では、炭素ガスの存
在化で850℃程度で反応を進行させる。薬品賦活法で
は、粉砕後の黒鉛に賦活薬品を均等に含浸させて、不活
性ガス雰囲気中で加熱し、薬品の脱水及び酸化反応によ
り微細な細孔を形成する。薬品賦活の中でも水酸化カリ
ウムを用いたKOH賦活の場合は、KOHを黒鉛量の4
倍量用いて、不活性ガス中で700℃で、1時間反応さ
せることである。賦活処理の後、黒鉛表面には表面酸化
物が形成されるが、その構造は水酸基、カルボキシル
基、カルボニル基などである。これらは水素吸蔵(試
験)に際し、真空加熱脱気される。このようにして、賦
活後は、黒鉛が表面活性を発現し、水素の物理的および
化学的吸着特性が向上される。
【0012】発明の第二の特徴は、以上のようにして得
られる黒鉛系水素吸蔵材料として、比表面積が400m
/g以上、半径5nm以下の細孔の容積が0.3cm
/g以上、また、結晶性の尺度となるR値が0.70
以上に形成されていることである。ここで、水素吸蔵特
性は比表面積が大きいほど良好な傾向にあるが、水素吸
蔵・放出特性からは、比表面積が400m/g以上で
あることと、半径5nm以下の細孔の容積が0.3cm
/g以上であることが水素吸蔵量を増大し、また水素
を安定して吸蔵したり放出するために必須となる。
【0013】結晶性の尺度となるR値は、レーザーラマ
ン分光分析より1575cm−1付近と、1360cm
−1付近のラマンバンドの強度比(R=I1360/I
15 75)から算出される値であり、通常、このR値を
構造のパラメーターにしている。例えば、天然黒鉛では
1575cm−1付近に一本のラマンバンドが存在する
のに対し、結晶性が低いものでは1575〜1600c
−1にシフトしたバンドの他、1355〜1360c
−1のバンドは炭素網状平面を形成する二次元六方格
子に起因するものであり、1360cm−1のバンドは
構造欠陥によって六方格子の対称性が低下したか、失わ
れたことに起因するもである。したがって、1360c
−1付近のバンド強度が強いものほど炭素欠陥の構造
が多いことになる。また、レーザーラマン分光分析は、
材料の表層から数10nmの深さ方向の情報が得られる
ものであり、バルクの結晶構造が得られるX線回折より
求めた結晶子の大きさとは、必ずしも相関関係にない。
例えば、結晶性の高い黒鉛を粉砕したものでも粉体表層
から格子欠陥やアモルファス化が進行した場合では、X
線回折で評価する結晶性は高いにもかかわらず、レーザ
ーラマン分光分析で評価する結晶性が低いことがある。
このため、水素吸蔵材料の特定としては両者の解析を同
時に行うことが重要である。特に、黒鉛のような層状結
晶は粉砕から生じるクラックや格子欠陥が黒鉛の表層部
分から発生し、また、アモルファス化も同時に進行する
虞のあるときにはなおさらである。このような点から、
本発明者らは、粉砕後また粉砕及び賦活後の黒鉛試料の
表面状態を結晶構造的に把握することが水素吸蔵材の調
製には有効と判断し、種々の材料を試作して、水素が吸
蔵されやすい最適なR値を試験的に検証した。すなわ
ち、この発明はその試験結果より、上記の粉砕処理及び
賦活処理条件にて得られる黒鉛系水素吸蔵材料として、
結晶性の尺度となるR値を0.70以上にすることで、
水素が吸蔵しやすく吸蔵量を増大可能にしたものであ
る。
【0014】発明の第三の特徴は、以上の黒鉛系水素吸
蔵材料として、Pt、Pd、Ni、K、Liの何れか1
種以上を含有されていることである。この点は、試験か
ら、これらを含有することにより、水素吸蔵量が含有し
ないときと比べ1.1〜1.8倍程度まで増加でき、水
素吸蔵量を増大したり水素放出特性を向上する上で効果
的であることが確認された。また、Ti、V、Cr、M
n、Fe、Co、Zr、Nbの何れか1種以上を含有し
ていても良い。なぜならば、カーボンへの水素吸蔵は、
水素分子状態より原子状水素の方が小さいため、より良
好な水素吸蔵性能が得られるからであり、水素分子を原
子状水素へ分解する金属としては、一般に水素吸蔵合金
の主成分であるTi、V、Zr、Nbの元素、及び原子
番号57〜71のランタノイドに属する金属元素、また
はこれらの合金も有効である。Ti、V、Zr、Nbよ
りは水素との親和力は弱まるが、上記金属存在下におい
てはCr、Mn、Fe、Coを混ぜた合金を添加するこ
とも有効である。Pt、Pd、Ni、K、Li等を粉砕
および賦活処理後の黒鉛材料に含有させる方法として
は、含浸法、沈着法、イオン交換法、粉砕、混合真空焼
成などの手法が適用可能である。次に、以上の発明を実
施例を挙げ更に明らかにする。
【0015】
【実施例】(実施例1〜4)この実施例は、発明対象と
なる黒鉛系水素吸蔵材料およびその有効性を調べたもの
で、原料黒鉛として天然黒鉛を用い、粉砕及び賦活処理
条件を変えたときの一例である。 〈試料の調製〉、この実施例では、天然黒鉛として、平
均粒径18μmの鱗片状黒鉛を使用し、ボールミルを用
いて適当な時間粉砕した後、賦活処理(上記した水蒸気
賦活またはKOH賦活)によりメソ孔及びミクロ孔を発
達させることにより、表1中の各試料(実施例1〜4)
を作製した。表1において、比較例1は前記鱗片状黒鉛
を粉砕せず、賦活処理により作製した試料である。比較
例2は粉砕後の賦活処理を省略した試料である。細孔構
造、R値、X線回折分析、水素吸蔵量・放出量の測定方
法は以下の通りである。 〈細孔構造の測定〉、各試料の比表面積[m /g]
の測定は、窒素吸着法を用い、解析にはBrunauer-Emmet
t-TellerによるBET式より求めた(準拠規格:ISO
9277)。細孔分布の測定は、液体窒素温度におけ
る毛管凝縮を利用するもので、Kelvinの式が基礎とな
る。吸着平衡圧を広い範囲にわたり変えて吸着等温線を
描き、解析すると細孔分布が求まる。この細孔分布の解
析方法は、Barett、JoyerおよびHalendaによって提案さ
れた方法(BJH法)により解析した。細孔径と細孔容
積の関係を把握し、細孔半径0.85nmから5nmま
での細孔容積を積算して求め、細孔半径5nm以下の細
孔容積とした。なお、比表面積、細孔系分布(細孔径及
び細孔容積)の測定装置はマイクロメトリックス社製の
ASAP2010を使用した。 〈R値〉、このR値は、顕微ラマン分光器にて、各試料
(賦活後の試料)のラマンスペクトルを計測し、Dバン
ドと呼ばれるアモルファス化した黒鉛に起因する136
0cm−1 付近のスペクトル強度(I1360)と、
Gバンドと呼ばれる黒鉛の結晶質炭素に起因する157
5cm−1付近のスペクトル強度(I15 75)との相
対的強度比つまりピーク高さ比(I1360/I
1575)を算出し、黒鉛化度の評価に用いた。このラ
マン分析装置には日本分光製NR-1800を使用し
た。 〈X線回折分析〉、X線回折装置を用いて、学振法より
各試料(粉砕前と粉砕後の各試料)の結晶子の大きさ
(La,Lc)を求めた。測定装置はマックサイエンス
社製のMXP18VAHFを使用した。
【0016】〈試料評価〉、実施例および比較例の各試
料はJIS7201、7203に準じた試験方法によ
り、水素吸蔵量と水素放出量の測定を行った。この測定
では、各試料を精秤した後、試料管に入れて真空排気し
た後、12Mpaまで水素圧を上げて水素吸蔵量[wt
%]を測定した。また、次に常温まで戻して水素放出量
を確認した。サイクル特性は前記の吸蔵、放出を5回繰
り返した後の水素吸蔵量[wt%]を測定した。以上の
試料構成及びその評価結果を表1に示した。評価中、○
は発明範囲のもの、△と×は発明の範囲外のものであ
る。
【0017】
【表1】
【0018】表1において、比較例1のものは粉砕処理
を行わない例であり、賦活処理後に比表面積が大きくな
らず、又、半径5nm以下の細孔容積が小さすぎて水素
吸蔵量が少ない。比較例2のものは、実施例1や2に対
し賦活処理を行わない例であり、粉砕だけだと比表面積
が発明範囲まで大きくなるが、R値が小さくなって水素
吸蔵量が少ない。これに対し、実施例1〜5は粉砕及び
賦活処理した発明例である。このうち、実施例1と2の
ものは、賦活処理を水蒸気賦活とKOH賦活で行った例
であり、賦活処理としてKOH賦活の方が比表面積、R
値、半径5nm以下の細孔容積が共に増大し、水素吸蔵
能及びサイクル特性が向上される。実施例3と4のもの
は、実施例2に対し粉砕時間を変えたもので、粉砕時間
によって比表面積、R値、半径5nm以下の細孔容積、
それに伴う水素吸蔵能及びサイクル特性が多少変動する
が、比較例1や2のものに比べ数段向上できることが分
かる。これらにより、黒鉛系水素吸蔵材料としては、黒
鉛を粉砕した後、賦活処理を施して、比表面積を400
/g以上にするとともに、半径5nm以下の細孔の
容積が0.3cm/g以上、また結晶性の尺度となる
R値が0.70以上にすることが最も好ましい態様とな
る。
【0019】(実施例5〜7)この実施例は、原料黒鉛
とその結晶子の大きさ、粉砕後の結晶子の大きさによる
影響を調べた一例である。 〈試料の調製〉、この原料黒鉛としては、比較例3と実
施例5は人造黒鉛であるが、比較例3は結晶子が小さく
結晶性の悪い原料であり、実施例5はそれよりも結晶子
が大きい原料である。実施例6、7と比較例4は結晶子
が大きいメソフェーズピッチ系黒鉛(実施例6)、鱗片
状黒鉛(実施例7と比較例4)である。各試料原料はボ
ールミルを用いて粉砕処理した。この粉砕では、比較例
3と実施例5が約3時間、実施例6と7は約96時間、
比較例4は約1.5時間粉砕した。その後、各試料は、
賦活処理(上記したKOH賦活)によりメソ孔及びミク
ロ孔を発達させ、表2中の各試料(実施例5〜7、比較
例3と4)として調整した。なお、細孔構造、R値、X
線回折分析、水素吸蔵量・放出量の測定方法と、試料評
価については上記した実施例の場合と同じ。以上の試料
構成及びその評価結果を表2に示した。評価中、○は発
明範囲のもの、△と×は発明の範囲外のものである。
【0020】
【表2】
【0021】表2において、比較例3と実施例5の比較
からは原料黒鉛の結晶子の大きさが、比較例4と実施例
7の比較からは粉砕後の結晶子の大きさが共に水素吸蔵
量を向上するために重要となる。また、賦活後の比表面
積が少なくとも400m/g以上、半径5nm以下の
細孔の容積が0.3cm/g以上、また結晶子の結晶
性の尺度となるR値が少なくとも0.70以上のもので
は、それ以外のものよりも水素吸蔵量及びサイクル特性
共に大幅に向上されることが分かる。これらにより、黒
鉛系水素吸蔵材料としては、原料黒鉛を粉砕及び賦活処
理するとしても、原料黒鉛の結晶子の大きさが(01
1)面で25nm以上、(002)面で20nm以上に
すること、粉砕後の結晶子の大きさが(011)面で1
nm以上、(002)面で1〜70nm以の範囲に調整
することが最も好ましい態様となる。
【0022】(実施例8〜12)この実施例は、Pt、
Pd、Ni、K、Liを黒鉛に含有したときの効果を調
べたときのもので、Pt担持、Pd担持、およびNi担
持黒鉛の調製は上記実施例1の賦活処理後の試料を用い
た例である。含有方法は、HPtCI、PdC
、又は、Ni(NOを純水に溶解させた後、
実施例1の賦活処理後の試料を投入して十分に混合し、
含浸させ、乾燥させた。その後、400℃で水素還元
し、黒鉛凝集体表面にPt、PdまたはNiを分散させ
た。K、Liの分散についてはステンレス容器内に実施
例1の賦活処理後の試料を入れ、真空脱気した後、Kに
ついては280℃、Liについては420℃まで昇温さ
せ、KまたはLiを各試料黒鉛に分散させた。これら各
試料の含有元素と分散(含有)量(質量%)及びその評
価結果を表3に示した。表3からは、実施例8〜12の
全てが実施例1の試料構成より、水素吸蔵量及びサイク
ル特性共に向上できることが分かる。特に、Ptを含有
した実施例8のものでは水素吸蔵量で1.8倍、サイク
ル特性つまり吸蔵、放出を5回繰り返した後の水素吸蔵
量で約1.6倍程度まで増大され、改善効果が顕著であ
る。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】以上のように、発明の黒鉛系水素吸蔵材
料及びその製造方法は、原料として入手および製造が容
易な結晶性の高い黒鉛を用い、粉砕と賦活処理とを組み
合わせて所定特定値に調整することで、物理的および化
学的に高い水素吸蔵性を容易似達成できる。これによ
り、この発明は、大量の水素を効率的に吸蔵でき、軽量
で、繰り返し使用できる上、製造方法も容易であり製造
費を抑えて実用化に寄与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 淳一 千葉県香取郡多古町水戸1番地 日立粉末 冶金株式会社内 (72)発明者 伊藤 仁 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 片村 淳二 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 川合 幹夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4G066 AA02B AA04B AA13D AA14D BA20 BA23 BA24 BA26 BA31 BA38 FA18 4G140 AA02 AA36 AA48 4G146 AA02 AA16 AB01 AC04A AC04B AC07A AC07B AC16A AC16B AD02 AD32 BA02 BA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を吸蔵・放出する黒鉛系材料におい
    て、該黒鉛系材料が少なくとも粉砕及び賦活されて、比
    表面積が400m /g以上、半径5nm以下の細孔
    の容積が0.3cm /g以上になっていることを特
    徴とする黒鉛系水素吸蔵材料。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛系材料がレーザーラマン分光分
    析により得られるDバンドと呼ばれるアモルファス化し
    た黒鉛に起因する1360cm−1 付近のスペクトル
    強度(I1360)と、Gバンドと呼ばれる黒鉛の結晶
    質炭素に起因する1575cm−1付近のスペクトル強
    度(I1575)とのピーク高さ比(I1360/I
    1575)を示すR値が0.70以上である請求項1に
    記載の黒鉛系水素吸蔵材料。
  3. 【請求項3】 前記黒鉛系材料にPt、Pd、Ni、
    K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zr、
    Nbの何れか一種以上の元素を含有している請求項1又
    は2に記載の黒鉛系水素吸蔵材料。
  4. 【請求項4】 天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズピッ
    チ系黒鉛の何れか一種以上の原料黒鉛を用い、第一のプ
    ロセスとして粉砕処理して黒鉛の結晶子の大きさを小さ
    くした後、第二のプロセスとして賦活処理することによ
    り請求項1又は2に記載のものに作製することを特徴と
    する黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記粉砕前の黒鉛の(110)面の結晶
    子の大きさが25nm以上、(002)面の結晶子の大
    きさが20nm以上のものである請求項4に記載の黒鉛
    系水素吸蔵材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記粉砕後の黒鉛の(110)面の結晶
    子の大きさが1nm以上、(002)面の結晶子の大き
    さが1〜70nmの範囲になっている請求項4、5に記
    載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記賦活処理した後、第三のプロセスと
    してPt、Pd、Ni、K、Li、Ti、V、Cr、M
    n、Fe、Co、Zr、Nbの何れか一種以上の元素を
    含有処理する請求項4、5、6に記載の黒鉛系水素吸蔵
    材料の製造方法。
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