JP2003319683A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2003319683A JP2002114807A JP2002114807A JP2003319683A JP 2003319683 A JP2003319683 A JP 2003319683A JP 2002114807 A JP2002114807 A JP 2002114807A JP 2002114807 A JP2002114807 A JP 2002114807A JP 2003319683 A JP2003319683 A JP 2003319683A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシレスモータを分業で制御する2つの制
御手段(マイコン等)を備えることに起因する問題点を
解消する電動パワーステアリング装置を提供することを
課題とする。 【解決手段】 目標電流信号IMSを設定する目標電流
設定手段(制御用マイコン)40と、電動機制御信号V
Oを設定する駆動制御手段(駆動制御用マイコン)50
と、ブラシレスモータ6を駆動する電動機駆動手段(電
動機駆動回路)51とを備える電動パワーステアリング
装置であって、目標電流設定手段40または駆動制御手
段50のいずれか一方に記憶装置(EEPROM)43
を接続し、その一方の手段40(または50)から記憶
装置43に記憶されているデータを他方の手段50(ま
たは40)に送信すること、または/および、目標電流
設定手段40では駆動制御手段50から送信されたスタ
ンバイ信号を受信した後に駆動制御手段50へのデータ
の送信を開始することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
による電動機パワーをステアリング系に直接作用させて
ドライバの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電動パワーステアリング装置
は、電動機として直流ブラシ付きモータを用いている。
しかしながら、直流ブラシ付きモータの場合には経年変
化によるブラシの磨耗等の問題があるので、電動機とし
てブラシレスモータを用いた電動パワーステアリングも
開発されている。ブラシレスモータには、アウタステー
タとして三相巻線が設けられるとともに、インナロータ
として複数の永久磁石が設けられている。そして、ブラ
シレスモータでは、インナロータの回転位相に基づいて
三相巻線が通電されると、インナロータが回転駆動す
る。したがって、ブラシレスモータは、ブラシを必要と
しないので、ブラシの磨耗に起因して操舵フィーリング
を低下させることはない。また、ブラシレスモータは、
インナロータを磁石により構成しているので、その慣性
モーメントが小さく、慣性モーメントが大きいことに起
因して操舵フィーリングを低下させることもない。
【0003】ブラシレスモータを用いた電動パワーステ
アリング装置では、ブラシレスモータを駆動する電動機
駆動回路を構成するFET[Field Effect Transistor]
をPWM[Pulse Width Modulation]駆動あるいはオフす
るために、電動機制御信号を電動機駆動回路に出力して
いる。そのために、電動パワーステアリング装置では、
ブラシレスモータで発生させる補助操舵力(すなわち、
ブラシレスモータに流す目標電流)を決定するために、
操舵トルク検出手段からの操舵トルク信号等に基づいて
目標電流信号を設定するとともに、この目標電流信号に
イナーシャ制御やダンパ制御による補正を行っている。
さらに、電動パワーステアリング装置では、ブラシレス
モータに目標電流を流すために、目標電流信号と電動機
電流検出手段からの電動機電流信号(ブラシレスモータ
に実際に流れている電流)との偏差および電動機位相検
出手段からの電動機位相信号(ブラシレスモータのイン
ナロータの実際の回転位相)とに基づいてフィードバッ
ク制御により電動機制御信号を設定している。そして、
電動パワーステアリング装置では、電動機駆動回路にお
いて電動機制御信号に基づいてFETがPWM駆動し、
ブラシレスモータが正転駆動または逆転駆動している。
【0004】しかし、電動機駆動回路では、FETによ
って数10アンペア程度の電流を流すので、FETにお
いて熱を発生する。また、ブラシレスモータを駆動する
場合、インナロータの実際の回転位相に基づいて正確に
通電制御しなければならない。そこで、ブラシレスモー
タを用いた電動パワーステアリング装置は、比較的安価
で簡易な2個のマイクロコンピュータ(以下、マイコン
と記載する)で制御を分業する構成となっている。つま
り、主として目標電流信号を設定するマイコンを有する
制御装置は、電動機駆動回路から離間した位置に配設さ
れているので、操舵トルク信号を整形するためのアナロ
グ回路等が熱による影響を受けることなく、目標電流を
高精度に設定できる。一方、主として電動機制御信号を
設定するマイコンを有する駆動制御装置は、ブラシレス
モータや電動機位相検出手段の近傍に配設されているの
で、電動機位相信号の伝達経路が短く、ノイズが少なく
位相遅れのない電動機位相信号に基づいてブラシレスモ
ータを正確に通電制御できる。そして、この制御装置
(マイコン)と駆動制御装置(マイコン)とは、通信線
で電気的に接続されており、相互に信号を送受信してい
る。例えば、制御装置からは目標電流信号等を送信して
おり、一方、駆動制御装置からはダンパ制御に用いる電
動機位相信号等を送信している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、制御装
置のマイコンでは操舵トルクのセンタ値等のデータが必
要であり、一方、駆動制御装置のマイコンではモータエ
ンコーダのオフセット値等のデータが必要である。その
ため、各マイコンで必要なデータは、2つのEEPRO
M[Electrically Erasable Programmble Read Only Mem
ory]に各々格納され、各EEPROMから各マイコン内
に各々読み出されて使用される。そのため、2つのマイ
コンでブラシレスモータの駆動を制御する電動パワース
テアリング装置は、2つのマイコンに対してEEPRO
Mが各々必要となるので、コスト高となる。
【0006】また、2つのマイコン間では、高速通信を
行うために、クロック同期式により信号を送受信してい
る。このクロック同期式の通信では、マスタマイコン
(制御装置のマイコン)がマイコン内で発生させている
クロックに基づいてデータを送信し、スレーブマイコン
(駆動制御装置のマイコン)がマスタマイコンから送信
されたクロックに基づいてデータを受信している。その
ため、スレーブマイコン(駆動制御装置のマイコン)で
は、受信したデータにずれが一度でも発生すると、デー
タずれした信号を受信し続けることになる。この場合、
スレーブマイコン(駆動制御装置のマイコン)では、正
常なデータ(目標電流等)が得られないので、制御不能
となり、正常な電動機制御信号を設定できない。その結
果、電動パワーステアリング装置では、ステアリング系
に補助操舵力を与えることができなくなる。
【0007】例えば、車両が起動(イグニッションスイ
ッチがオン)したときに、駆動制御装置のマイコンの各
部が電気的に立ち上がっていない場合や駆動制御装置の
マイコン(CPU[Central Processing Unit])のイニ
シャルチェックが終了していない場合に制御装置のマイ
コンがデータの送信を開始すると、駆動制御装置のマイ
コンでは、データを受信可能な状態でないため、受信し
たデータにずれが発生する。また、通信中に制御装置の
マイコンから駆動制御装置のマイコンへの通信線にノイ
ズが乗ると、通信中のデータにずれが発生し、駆動制御
装置のマイコンではデータずれした信号を受信してしま
う。
【0008】そこで、本発明の課題は、ブラシレスモー
タを分業で制御する2つの制御手段(マイコン等)を備
えることに起因する問題点を解消する電動パワーステア
リング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明の請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、ス
テアリング系に補助操舵力を付与する電動機と、ステア
リング系に作用する操舵トルクを検出し、操舵トルク信
号を出力する操舵トルク検出手段と、前記電動機の回転
位相を検出し、電動機位相信号を出力する電動機位相検
出手段と、前記電動機に流れる電動機電流を検出し、電
動機電流信号を出力する電動機電流検出手段と、少なく
とも前記操舵トルク信号に基づいて目標電流信号を設定
する目標電流設定手段と、前記目標電流信号と前記電動
機電流信号との偏差および前記電動機位相信号に基づい
て電動機制御信号を設定する駆動制御手段と、前記電動
機制御信号に基づいて前記電動機を駆動する電動機駆動
手段と、を備え、前記目標電流設定手段と前記駆動制御
手段とは通信線によって電気的に接続されており、前記
電動機はブラシレスモータからなる電動パワーステアリ
ング装置であって、前記目標電流設定手段または前記駆
動制御手段のいずれか一方に記憶装置を接続し、前記記
憶装置が前記目標電流設定手段に接続されている場合に
は前記記憶装置に記憶されているデータを前記目標電流
設定手段から前記駆動制御手段に前記通信線を介して送
信し、前記記憶装置が前記駆動制御手段に接続されてい
る場合には前記記憶装置に記憶されているデータを前記
駆動制御手段から前記目標電流設定手段に前記通信線を
介して送信することを特徴とする。
【0010】この電動パワーステアリング装置によれ
ば、目標電流設定手段と駆動制御手段との間で記憶装置
(EEPROM等)に格納されているデータを送受信す
ることにより、1つの記憶装置を目標電流設定手段と駆
動制御手段とで共有する。そのため、この電動パワース
テアリング装置では、目標電流設定手段および駆動制御
手段に記憶装置を各々必要としないので、コストを低減
できる。
【0011】また、前記課題を解決した本発明の請求項
2に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング
系に補助操舵力を付与する電動機と、ステアリング系に
作用する操舵トルクを検出し、操舵トルク信号を出力す
る操舵トルク検出手段と、前記電動機の回転位相を検出
し、電動機位相信号を出力する電動機位相検出手段と、
前記電動機に流れる電動機電流を検出し、電動機電流信
号を出力する電動機電流検出手段と、少なくとも前記操
舵トルク信号に基づいて目標電流信号を設定する目標電
流設定手段と、前記目標電流信号と前記電動機電流信号
との偏差および前記電動機位相信号に基づいて電動機制
御信号を設定する駆動制御手段と、前記電動機制御信号
に基づいて前記電動機を駆動する電動機駆動手段と、を
備え、前記目標電流設定手段と前記駆動制御手段とは通
信線によって電気的に接続されており、前記電動機はブ
ラシレスモータからなる電動パワーステアリング装置で
あって、前記駆動制御手段は、データを受信可能な状態
を示すスタンバイ信号を前記目標電流設定手段に送信
し、前記目標電流設定手段は、前記スタンバイ信号を受
信した後に、前記駆動制御手段へのデータの送信を開始
することを特徴とする。
【0012】この電動パワーステアリング装置によれ
ば、駆動制御手段では車両起動時にデータを受信可能な
状態になった場合や通信中に通信エラーが発生した場合
にスタンバイ信号を送信し、目標電流設定手段ではその
スタンバイ信号を受信した後に駆動制御手段へのデータ
の送信を開始する。そのため、この電動パワーステアリ
ング装置では、駆動制御手段において、車両起動時に正
常なデータを確実に受信でき、また、通信中に通信エラ
ーが発生した場合でもスタンバイ信号を送信後には正常
な通信を再開できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る電動パワーステアリング装置の実施の形態を説明す
る。
【0014】本発明に係る電動パワーステアリング装置
は、コストを低減するために、ブラシレスモータの駆動
を制御する目標電流設定手段(マイコン等)と駆動制御
手段(マイコン等)の一方に記憶装置(EEPROM
等)を接続し、記憶装置が接続されている一方の手段か
ら記憶装置に格納されているデータを記憶装置が接続さ
れていない他方の手段に送信する構成とする。また、本
発明に係る電動パワーステアリング装置は、目標電流設
定手段から送信するデータを駆動制御手段で正常に受信
するために、駆動制御手段から目標電流設定手段にスタ
ンバイ信号を送信し、目標電流設定手段ではスタンバイ
信号を受信後にデータを駆動制御手段に送信する構成と
する。
【0015】本実施の形態に係る電動パワーステアリン
グ装置は、ブラシレスモータに供給する目標電流を設定
するための制御装置と目標電流に基づいてブラシレスモ
ータを駆動するための駆動装置とが離間して配設され、
制御装置と駆動装置との間がワイヤハーネスによって接
続されている。本実施の形態に係る制御装置は、各種演
算を行うための1チップの制御用マイコンおよび各種デ
ータを記憶するためのEEPROMを備えており、ピニ
オン軸に沿って配設される。一方、本実施の形態に係る
駆動装置は、各種演算を行うための1チップの駆動制御
用マイコンおよび電動機駆動回路を備えており、ブラシ
レスモータに隣接して配設される。本実施の形態では、
制御用マイコンと駆動制御用マイコンとはクロック同期
式により通信する。
【0016】まず、図1を参照して、電動パワーステア
リング装置1の全体構成について説明する。図1は、電
動パワーステアリング装置の全体構成図である。
【0017】電動パワーステアリング装置1は、ステア
リングホイール3から操舵輪W,Wに至るステアリング
系Sに備えられ、手動操舵力発生手段2による操舵力を
アシストする。そのために、電動パワーステアリング装
置1は、制御装置4からの目標電流信号IMSに基づい
て駆動装置5で電動機電圧VMを発生し、この電動機電
圧VMによってブラシレスモータ6を駆動して補助トル
ク(補助操舵力)を発生させ、手動操舵力発生手段2に
よる手動操舵力を軽減する。なお、本実施の形態では、
ブラシレスモータ6が特許請求の範囲に記載の電動機に
相当する。
【0018】手動操舵力発生手段2は、ステアリングホ
イール3に一体に設けられたステアリング軸2aに連結
軸2bを介してラック&ピニオン機構7のピニオン軸7
aが連結されている。なお、連結軸2bは、その両端に
自在継ぎ手2c,2dを備えている。ラック&ピニオン
機構7は、ピニオン軸7aの先端のピニオン7bに噛み
合うラック歯7dがラック軸7cに形成され、ピニオン
7bとラック歯7dの噛み合いにより、ピニオン軸7a
の回転運動をラック軸7cの横方向(車両幅方向)の往
復運動とする機構である。さらに、ラック軸7cには、
その両端にボールジョイント8,8およびタイロッド
9,9を介して、操舵輪としての左右の前輪W,Wが連
結されている。
【0019】また、電動パワーステアリング装置1は、
補助トルクを発生させるために、ブラシレスモータ6を
備えている。ブラシレスモータ6は、補助トルクをトル
クリミッタ10および歯車式減速機構11を介してピニ
オン軸7aに作用させる。
【0020】つまり、電動パワーステアリング装置1
は、ドライバがステアリングホイール3に加えた操舵ト
ルクをピニオン軸7aに伝達するとともにその操舵トル
クに応じたブラシレスモータ6で発生させた補助トルク
をピニオン軸7aに伝達し、ラック&ピニオン機構7に
よって操舵輪W,Wを転舵させる装置である。
【0021】電動パワーステアリング装置1では、車幅
方向に延びるハウジング(図示せず)に、ラック軸7c
が軸長手方向へスライド可能に収納されている。さら
に、このハウジングには、ラック&ピニオン機構7やト
ルクリミッタ10、歯車式減速機構11が収納されてい
る。また、このハウジングの上部開口部は、リッド(図
示せず)によって塞がれ、このリッドの中央にピニオン
軸7aが挿通され、内部に操舵トルクセンサTSが取り
付けられている。さらに、リッドの外周面には、制御装
置4を収納するための収納ケース(図示せず)が取り付
けられ、制御装置4が配設されている。
【0022】また、前記ハウジングの側部開口は、別の
リッド(図示せず)によって塞がれ、このリッドのハウ
ジングとの反対側にはモータケース(図示せず)が取り
付けられている。モータケースには、ブラシレスモータ
6が収納されるとともに、ブラシレスモータ6の一端側
に電動機回転検出手段13が収納されている。また、モ
ータケースの外周面には、駆動装置5を収納するための
収納ケース(図示せず)が取り付けられている。したが
って、駆動装置5は、ブラシレスモータ6および電動機
回転検出手段13に隣接して配設されている。
【0023】また、前記ハウジングの側部開口の内側に
は、トルクリミッタ10が収納されている。トルクリミ
ッタ10は、ブラシレスモータ6のモータ軸(図示せ
ず)にセレーション結合した雄テーパ状のインナ部材
(図示せず)を歯車式減速機構11のウォーム軸(図示
せず)にセレーション結合した雌テーパ状(カップ状)
のアウタ部材(図示せず)に嵌合したトルク制限機構で
ある。トルクリミッタ10に所定の摩擦力を上回る大き
なトルクが作用すると、インナ部材の外周面とアウタ部
材の内周面とがスリップする。そのため、ブラシレスモ
ータ6から歯車式減速機構11へ伝達する補助トルクを
制限し、オーバトルクをカットすることができる。した
がって、ブラシレスモータ6に過大なトルクが発生する
ことなく、トルクリミッタ10の下流側にも過大なトル
クが伝わらない。
【0024】さらに、前記ハウジングには、歯車式減速
機構11が収納されている。歯車式減速機構11は、ブ
ラシレスモータ6で発生した補助トルクをピニオン軸7
aに伝達するトルク伝達手段であり、ウォームギア機構
からなる。歯車式減速機構11は、ブラシレスモータ6
のモータ軸(図示せず)にトルクリミッタ10を介して
連結したウォーム軸(図示せず)、このウォーム軸に形
成したウォームギア(図示せず)と、ピニオン軸7aに
連結したウォームホイール(図示せず)から構成され
る。
【0025】制御装置4は、車速センサVS、操舵トル
クセンサTSの各検出信号V,Tが入力される。そし
て、制御装置4は、これらの検出信号V,Tに基づいて
ブラシレスモータ6に流す目標となる電流として目標電
流信号IMSを演算し、この目標電流信号IMSを駆動
装置5に出力する。制御装置4は、駆動装置5とワイヤ
ハーネスWHによって電気的に接続されている。このワ
イヤハーネスWHは、クロック用通信線CW、データ送
信用通信線TW、データ受信用通信線RW、スタンバイ
信号用通信線SW等を有している(図2参照)。なお、
本実施の形態では、操舵トルクセンサTSが特許請求の
範囲に記載の操舵トルク検出手段に相当し、クロック用
通信線CW、データ送信用通信線TW、データ受信用通
信線RW、スタンバイ信号用通信線SW等が特許請求の
範囲に記載する通信線に相当する。
【0026】駆動装置5は、電動機電流検出手段12、
電動機回転検出手段13の各検出信号IMO,PMOが
入力される。そして、駆動装置5は、駆動制御用マイコ
ン50で目標電流信号IMSとこれらの検出信号IM
O,PMOに基づいて電動機制御信号VOを生成し、電
動機駆動回路51によって電動機制御信号VOに基づい
てブラシレスモータ6に電動機電圧VMを印加する(図
2参照)。また、駆動装置5は、バッテリBTにフュー
ズFSを介して直接接続されるとともにフューズFS,
FSおよびイグニッションスイッチIGを介して接続さ
れ、バッテリ電源(12V)が供給される。そして、駆
動装置5は、バッテリ電源(12V)によって定電圧
(5V)を発生させ、この定電圧を制御装置4にも供給
している。なお、本実施の形態では、電動機回転検出手
段13が特許請求の範囲に記載する電動機位相検出手段
に相当し、電動機駆動回路51が特許請求の範囲に記載
する電動機駆動手段に相当する。
【0027】車速センサVSは、車速を単位時間当たり
のパルス数として検出するセンサであり、検出したパル
ス数に対応したパルス信号を車速信号Vとして制御装置
4に送信している。なお、車速センサVSは、電動パワ
ーステアリング装置1の専用センサであってもよいし、
他のシステムの車速センサを利用してもよい。
【0028】操舵トルクセンサTSは、ピニオン軸7a
に作用したトルクに応じて生じる磁歪効果を電気コイル
によって電気磁気的に検出する磁歪式トルクセンサであ
り、ドライバによる手動の操舵トルクの大きさおよび方
向を検出している。そして、操舵トルクセンサTSは、
検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号を操舵
トルク信号Tとして制御装置4に送信している。なお、
操舵トルク信号Tは、大きさを示す操舵トルクとトルク
の向きを示すトルク方向の情報を含んでいる。
【0029】電動機電流検出手段12は、ブラシレスモ
ータ6に対して直列に接続された抵抗またはホール素子
等を備え、ブラシレスモータ6に実際に流れる電動機電
流IMを検出している。そして、電動機電流検出手段1
2は、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMO
を駆動装置5にフィードバック(負帰還)している。な
お、電動機電流信号IMOは、三相交流信号であり、ブ
ラシレスモータ6の各相の巻線に実際に流れる電流の大
きさを示す電動機電流値と、ブラシレスモータ6の三相
巻線の中で電動機電流が流れている相の巻線の情報とを
含んでいる。
【0030】電動機回転検出手段13は、ブラシレスモ
ータ6の一端側に配設され、ブラシレスモータ6のイン
ナロータ(図示せず)の電動機回転角度PMを検出する
ためのレゾルバである。そのために、電動機回転検出手
段13は、ブラシレスモータ6のモータ軸(図示せず)
の一端に取り付けられた積層コアロータ(図示せず)
と、その積層コアロータの回転角度を磁気的に検知する
検知素子(励磁コイルと検出コイルの組合せ)(図示せ
ず)を備えている。そして、電動機回転検出手段13
は、電動機回転角度PMに対応した電動機回転信号PM
Oを駆動装置5に送信している。なお、電動機回転信号
PMOは、ブラシレスモータ6のインナロータ(図示せ
ず)の回転方向、回転角度等の情報を含み、2つの励磁
信号、2つの余弦信号および2つの正弦信号からなる。
【0031】図2を参照して、制御装置4の構成につい
て説明する。図2は、制御装置および駆動装置のブロッ
ク構成図である。
【0032】制御装置4は、駆動装置5とワイヤハーネ
スWHによって電気的に接続されており、ワイヤハーネ
スWHを介して各種信号を通信している(図1参照)。
制御装置4は、1チップの制御用マイコン40、この制
御用マイコン40に含まれるトルクセンサI/F回路4
1と車速センサI/F回路42、各種信号の出力回路
(図示せず)、制御用マイコン40で使用する各種デー
タを記憶するためのEEPROM43およびウォッチド
ックタイマ(図示せず)等から構成されている。なお、
本実施の形態では、制御用マイコン40が特許請求の範
囲に記載する目標電流設定手段に相当し、EEPROM
が特許請求の範囲に記載する記憶装置に相当する。
【0033】そして、制御装置4では、車両から各種検
出信号T,Vおよび駆動装置5から電動機回転速度信号
SMOを取り込み、取り込んだ信号T,V,SMOに基
づいてブラシレスモータ6に流す目標電流を設定する。
【0034】また、制御装置4は、ウォッチドックタイ
マにより制御用マイコン40の動作を監視しており、そ
の動作を自己監視するとともに、ウォッチドックタイマ
により制御用マイコン40の動作の異常(故障)を検出
した場合には駆動装置5(駆動制御用マイコン50)に
故障信号を送信する。さらに、制御装置4は、ウォッチ
ドックパルスを駆動制御用マイコン50に送信し、その
パルスが駆動制御用マイコン50から返信されることを
確認することによって、駆動制御用マイコン50の動作
を相互監視している。
【0035】制御用マイコン40の制御構成を説明する
前に、トルクセンサI/F回路41および車速センサI
/F回路42ならびにEEPROM43について説明し
ておく。
【0036】トルクセンサI/F回路41は、操舵トル
クセンサTSからの操舵トルク信号T(アナログ信号)
が入力され、目標電流設定部40aおよびイナーシャ制
御部40dに操舵トルク信号T(ディジタル信号)を出
力する。トルクセンサI/F回路41では、アナログ信
号である操舵トルク信号Tをディジタル信号に変換す
る。
【0037】車速センサI/F回路42は、車速センサ
VSからの車速信号V(パルス信号)が入力され、目標
電流設定部40aおよびイナーシャ制御部40dに車速
信号V(ディジタル信号)を出力する。車速センサI/
F回路42では、パルス信号である車速信号Vをディジ
タル信号に変換する。
【0038】EEPROM43は、制御用マイコン40
と駆動制御用マイコン50とで共用する記憶装置であ
り、電気的な操作により書き換え可能である。EEPR
OM43には、制御用マイコン40で使用する操舵トル
クのセンタ値、目標電流信号IMSを設定するための各
種マップ、制御用マイコン40のフェール履歴等および
駆動制御用マイコン50で使用するモータエンコーダの
オフセット値、駆動制御用マイコン50のフェール履歴
等が格納されている。ちなみに、EEPROM43に格
納されているデータは、車両の生産工場やディーラ等に
おいて書き換えられる。
【0039】制御用マイコン40の制御構成について説
明する。制御用マイコン40は、目標電流信号IMSを
設定するために目標電流設定部40a、ダンパ制御部4
0b、ダンパ補正部40c、イナーシャ制御部40dお
よびイナーシャ補正部40eを備え、その他にクロック
発生部40fおよびスタンバイ信号受信部40g等を備
えている。そして、制御用マイコン40では、クロック
発生部40fで発生したクロックに基づいて、目標電流
信号IMSを設定するための各部40a〜40eにおけ
る処理を基本処理時間(制御用)毎に繰り返し実行して
いる。
【0040】目標電流設定部40aについて説明する。
目標電流設定部40aは、トルクセンサI/F回路41
からの操舵トルク信号T(ディジタル信号)および車速
センサI/F回路42からの車速信号V(ディジタル信
号)が入力され、ダンパ補正部40cに目標電流信号I
MSを出力する。目標電流設定部40aでは、予め実験
値または設計値に基づいて設定した操舵トルク信号Tお
よび車速信号Vと目標電流信号IMSとの対応するマッ
プに基づいて、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vをア
ドレスとして対応する目標電流信号IMSを読み出す。
この目標電流信号IMSは、ブラシレスモータ6に流す
目標の電動機電流を設定する上で基準となる電流の情報
を含む信号である。ちなみに、目標電流信号IMSは、
車速信号Vに対して、路面反力の大きい低速の場合には
大きい値が対応づけられ、走行時の安定性を確保するた
めに高速の場合には小さい値が対応づけられている。ま
た、目標電流信号IMSは、操舵トルク信号Tに対し
て、操舵トルク信号Tが0近傍では0に対応づけられ、
所定の操舵トルク信号T以上になると操舵トルク信号T
の増加に従って増加する値に対応づけられている。な
お、目標電流信号IMSは、ブラシレスモータ6に流す
ことができる最大電流が規定されているので、最大目標
電流以下に設定される。
【0041】ダンパ制御部40bについて説明する。ダ
ンパ制御部40bは、駆動制御用マイコン50から送信
された電動機回転速度信号SMOが入力され、ダンパ補
正部40cにダンパ制御信号を出力する。ダンパ制御部
40bでは、予め実験値または設計値に基づいて設定し
た電動機回転速度信号SMOとダンパ制御信号との対応
するデータに基づいて、電動機回転速度信号SMOをア
ドレスとして対応するダンパ制御信号を読み出す。ダン
パ制御信号は、アシストの効き過ぎを減衰させて操舵フ
ィーリングを向上させるために、電動機回転速度信号S
MOに対して、電動機回転速度信号SMOが大きいほど
大きな値が対応づけられる。なお、ダンパ制御部40b
では、車速センサI/F回路42からの車速信号V(デ
ィジタル信号)を入力し、車速信号Vも加味してダンパ
制御信号を設定してもよい。
【0042】ダンパ補正部40cについて説明する。ダ
ンパ補正部40cは、目標電流設定部40aからの目標
電流信号IMSおよびダンパ制御部40bからのダンパ
制御信号が入力され、イナーシャ補正部40eに目標電
流信号IMS(ダンパ補正後)を出力する。ちなみに、
ダンパ制御部40bとダンパ補正部40cによるダンパ
制御では、ブラシレスモータ6に大きな電動機電流IM
が供給されたときのブラシレスモータ6の回転部分の慣
性によるアシストの効き過ぎを減衰し、操舵フィーリン
グを向上させる。つまり、ブラシレスモータ6は、大き
な電動機電流IMが供給されて回転速度が速くなると、
その慣性によって直ぐには回転速度が低下しない。そこ
で、ダンパ制御では、ブラシレスモータ6の回転速度を
抑制制御している。そのために、ダンパ制御は、目標電
流信号IMSをダンパ制御信号分減衰させる。そこで、
ダンパ補正部40cでは、目標電流信号IMSからダン
パ制御信号を減算し、目標電流信号IMS(ダンパ補正
後)を算出する。
【0043】イナーシャ制御部40dについて説明す
る。イナーシャ制御部40dは、トルクセンサI/F回
路41からの操舵トルク信号T(ディジタル信号)およ
び車速センサI/F回路42からの車速信号V(ディジ
タル信号)が入力され、イナーシャ補正部40eにイナ
ーシャ制御信号を出力する。まず、イナーシャ制御部4
0dでは、操舵トルク信号Tを時間微分し、操舵トルク
の時間微分値を算出する。そして、イナーシャ制御部4
0dでは、予め実験値または設計値に基づいて設定した
操舵トルクの時間微分値および車速信号Vとイナーシャ
制御信号との対応するデータに基づいて、操舵トルクの
時間微分値および車速信号Vをアドレスとして対応する
イナーシャ制御信号を読み出す。また、イナーシャ制御
信号は、操舵トルクの時間微分値に対して、ドライバに
よるステアリング操作に対しての応答性を向上させるた
めに、この時間微分値が大きいほど大きな値が対応づけ
られる。
【0044】イナーシャ補正部40eについて説明す
る。イナーシャ補正部40eは、ダンパ補正部40cか
らの目標電流信号IMS(ダンパ補正後)およびイナー
シャ制御部40dからのイナーシャ制御信号が入力さ
れ、駆動制御用マイコン50に目標電流信号IMS(ダ
ンパ補正後かつイナーシャ補正後)を送信する。ちなみ
に、イナーシャ制御部40dとイナーシャ補正部40e
によるイナーシャ制御では、ブラシレスモータ6の回転
部分の慣性による応答性の低下を向上させ、操舵フィー
リングを向上させる。つまり、ブラシレスモータ6は、
正回転から逆回転または逆回転から正回転と回転方向を
切り替える際、電動機電圧VMの印加する向きを変えて
も、その慣性によって直ぐには回転方向が切り替わらな
い。そこで、イナーシャ制御では、ブラシレスモータ6
の回転方向の切り替わりがステアリングホイール3の回
転方向の切り替わるタイミングに一致するように制御し
ている。そのために、イナーシャ制御は、目標電流信号
IMSを、ブラシレスモータ6の慣性を打ち消すために
イナーシャ制御信号分増加させる。そこで、イナーシャ
補正部40eでは、目標電流信号IMS(ダンパ補正
後)にイナーシャ制御信号を加算し、目標電流信号IM
S(ダンパ補正後かつイナーシャ補正後)を算出する。
【0045】クロック発生部40fについて説明する。
クロック発生部40fでは、制御用マイコン40におけ
る基本となるクロックを発生する。制御用マイコン40
では、クロック発生部40fで発生したクロックに基づ
いて基本処理時間(制御用)を生成している。また、制
御用マイコン40では、クロック発生部40fで発生し
たクロックに基づいて駆動制御用マイコン50との間で
クロック同期式の通信を行っており、データ送信用通信
線TWを介してデータを送信するとともにデータ受信用
通信線RWを介してデータを受信している。そのため
に、制御用マイコン40では、発生したクロックをクロ
ック用通信線CWを介して駆動制御用マイコン50に送
信している。
【0046】スタンバイ信号受信部40gについて説明
する。スタンバイ信号受信部40gは、送信したデータ
が駆動制御用マイコン50で正常に受信できるように、
データの送信開始時点を管理している。そのために、ス
タンバイ信号受信部40gでは、スタンバイ信号用通信
線SWを介して駆動制御用マイコン50から送信された
スタンバイ信号を受信し、そのスタンバイ信号のHI信
号/LO信号を監視している。つまり、スタンバイ信号
受信部40gでは、スタンバイ信号がHI信号の場合に
は駆動制御用マイコン50においてデータを受信可能な
状態と判定し、駆動制御用マイコン50へのデータの送
信を許可する。一方、スタンバイ信号受信部40gで
は、スタンバイ信号がLO信号の場合には駆動制御用マ
イコン50においてデータを受信不可能な状態と判定
し、駆動制御用マイコン50へのデータの送信を禁止す
る。
【0047】具体的には、イグニッションスイッチIG
がオンしたとき(図1参照)、スタンバイ信号受信部4
0gでは、スタンバイ信号がLO信号からHI信号に切
り替わったことを検出するとデータの送信を許可する。
このとき、制御用マイコン40では、その許可がでるま
で駆動制御用マイコン50へのデータの送信を停止し、
許可がでるとデータの送信を開始する。また、イグニッ
ションスイッチIGがオンした後に駆動制御用マイコン
50への送信を開始してから、スタンバイ信号受信部4
0gでは、スタンバイ信号がHI信号からLO信号に切
り替わったことを検出するとデータの送信を禁止する。
このとき、制御用マイコン40では、一旦、駆動制御用
マイコン50へのデータの送信を停止する。その後、ス
タンバイ信号受信部40gでは、スタンバイ信号がLO
信号からHI信号に切り替わったことを検出するとデー
タの送信を許可する。このとき、制御用マイコン40で
は、再度、駆動制御用マイコン50へのデータの送信を
開始する。
【0048】特に、イグニッションスイッチIGがオン
したときには、制御用マイコン40では、EEPROM
43に格納されているデータを読み出し、読み出したデ
ータのうち駆動制御用マイコン50で使用するデータを
駆動制御用マイコン50に送信する。
【0049】図2を参照して、駆動装置5の構成につい
て説明する。
【0050】駆動装置5は、制御装置4とワイヤハーネ
スWHによって電気的に接続されており、ワイヤハーネ
スWHを介して各種信号を通信している(図1参照)。
駆動装置5は、1チップの駆動制御用マイコン50、電
動機駆動回路51、電動機電流I/F回路52、R/D
変換回路53、各種信号の出力回路(図示せず)および
ウォッチドックタイマ(図示せず)等から構成されてい
る。なお、本実施の形態では、駆動制御用マイコン50
が特許請求の範囲に記載する駆動制御手段に相当する。
【0051】そして、駆動装置5では、車両から各種検
出信号IMO,PMOおよび制御装置4から目標電流信
号IMS(ダンパ補正後かつイナーシャ補正後)を取り
込み、取り込んだ信号IMO,PMO,IMSに基づい
て電動機制御信号VOを設定し、ブラシレスモータ6を
駆動するために通電する。
【0052】また、駆動装置5は、ウォッチドックタイ
マにより駆動制御用マイコン50の動作を監視してお
り、その動作を自己監視するとともに、ウォッチドック
タイマにより駆動制御用マイコン50の動作の異常(故
障)を検出した場合には制御装置4(制御用マイコン4
0)に故障信号を送信する。さらに、駆動装置5は、ウ
ォッチドックパルスを制御用マイコン40に送信し、そ
のパルスが制御用マイコン40から返信されることを確
認することによって、制御用マイコン40の動作を相互
監視している。
【0053】駆動制御用マイコン50を説明する前に、
電動機電流I/F回路52およびR/D変換回路53に
ついて説明しておく。
【0054】電動機電流I/F回路52は、電動機電流
検出手段12からの電動機電流信号IMO(アナログ信
号)が入力され、駆動制御用マイコン50に電動機電流
信号IMO(ディジタル信号)を出力する。電動機電流
I/F回路52では、アナログ信号である電動機電流信
号IMOをディジタル信号に変換する。
【0055】R/D変換回路53は、電動機回転検出手
段13からの電動機回転信号PMO(アナログ信号)が
入力され、駆動制御用マイコン50に電動機回転信号P
MO(ディジタル信号)を出力する。R/D変換回路5
3では、アナログ信号である電動機回転信号PMOから
回転方向、回転角度を演算し、ディジタル信号である電
動機回転信号PMOに変換する。
【0056】駆動制御用マイコン50について説明す
る。駆動制御用マイコン50は、電動機制御信号VOを
設定するために電流変換部50a、回転角変換部50
b、トルク用偏差演算部50c、磁界用偏差演算部50
d、トルク用PI制御部50e、磁界用PI制御部50
f、電圧変換部50g、PWM変換部50hを備え、そ
の他にクロック発生部50iおよびスタンバイ信号発信
部50j等を備えている。そして、駆動制御用マイコン
50では、クロック発生部50iで発生したクロックに
基づいて、電動機制御信号VOを設定するための各部5
0a〜50hにおける処理を基本処理時間(駆動制御
用)毎に繰り返し実行している。
【0057】電流変換部50aについて説明する。電流
変換部50aは、電動機電流I/F回路52からの電動
機電流信号IMO(ディジタル信号)および回転角変換
部50bからの電動機回転位相信号が入力され、トルク
用偏差演算部50cにトルク制御用電流信号および磁界
用偏差演算部50dに磁界制御用電流信号を出力する。
電流変換部50aでは、三相交流である電動機電流信号
IMOと電動機回転位相信号等に基づいて、電動機電流
からブラシレスモータ6の回転トルクを発生させている
電流成分を取り出してトルク制御用電流信号を設定する
とともにブラシレスモータ6の磁界を発生させている電
流成分を取り出して磁界制御用電流信号を設定する。
【0058】回転角変換部50bについて説明する。回
転角変換部50bは、R/D変換回路53からの電動機
回転信号PMO(ディジタル信号)が入力され、電流変
換部50aおよび電圧変換部50gに電動機回転位相信
号を出力するとともに制御用マイコン40に電動機回転
速度信号SMOを送信する。回転角変換部50bでは、
電動機回転信号PMOの回転角や回転方向に基づいてブ
ラシレスモータ6の回転速度を算出し、電動機回転速度
信号SMOを設定する。また、回転角変換部50bで
は、電動機回転信号PMOの回転角や回転方向および回
転速度に基づいて進み角を加味した正確な回転位相を算
出し、電動機回転位相信号を設定する。
【0059】トルク用偏差演算部50cについて説明す
る。トルク用偏差演算部50cは、制御用マイコン40
から送信された目標電流信号IMS(ダンパ補正後かつ
イナーシャ補正後)および電流変換部50aからのトル
ク制御用電流信号が入力され、トルク用PI制御部50
eにトルク制御用偏差信号を出力する。トルク用偏差演
算部50cでは、目標電流信号IMSからトルク制御用
電流信号を減算し、トルク制御用偏差信号を設定する。
【0060】磁界用偏差演算部50dについて説明す
る。磁界用偏差演算部50dは、電流変換部50aから
の磁界制御用電流信号が入力され、磁界用PI制御部5
0fに磁界制御用偏差信号を出力する。磁界用偏差演算
部50dでは、0から磁界制御用電流信号を減算し、磁
界制御用偏差信号を設定する。
【0061】トルク用PI制御部50eについて説明す
る。トルク用PI制御部50eは、トルク用偏差演算部
50cからのトルク制御用偏差信号が入力され、電圧変
換部50gにトルク用PI制御信号(直流電圧成分)を
出力する。トルク用PI制御部50eでは、トルク制御
用偏差信号にP(比例)およびI(積分)制御を行い、
そのトルク制御用偏差を0に近づけるためにブラシレス
モータ6に印加する電動機電圧(直流成分)とブラシレ
スモータ6の回転方向を示すトルク用PI制御信号を設
定する。
【0062】磁界用PI制御部50fについて説明す
る。磁界用PI制御部50fは、磁界用偏差演算部50
dからの磁界制御用偏差信号が入力され、電圧変換部5
0gに磁界用PI制御信号(直流電圧成分)を出力す
る。磁界用PI制御部50fでは、磁界制御用偏差信号
にP(比例)およびI(積分)制御を行い、その磁界制
御用偏差を0に近づけるためにブラシレスモータ6に印
加する電動機電圧(直流成分)とブラシレスモータ6の
回転方向を示す磁界用PI制御信号を設定する。
【0063】電圧変換部50gについて説明する。電圧
変換部50gは、回転角変換部50bからの電動機回転
位相信号、トルク用PI制御部50eからのトルク用P
I制御信号(直流電圧成分)および磁界用PI制御部5
0fからの磁界用PI制御信号(直流電圧成分)が入力
され、PWM変換部50hにPI制御信号(三相交流電
圧成分)を出力する。電圧変換部50gでは、電動機回
転位相信号に基づいて、三相(U相、V相、W相)巻線
のうちの電動機電圧を印加する相の巻線を決定する。そ
して、電圧変換部50gでは、トルク用PI制御信号お
よび磁界用PI制御信号に基づいて、三相交流成分であ
るU相電圧、V相電圧、W相電圧からなるPI制御信号
を設定する。
【0064】PWM変換部50hについて説明する。P
WM変換部50hは、電圧変換部50gからのPI制御
信号(三相交流電圧成分)が入力され、電動機駆動回路
51に電動機制御信号VOを出力する。PWM変換部5
0hでは、PI制御信号に基づいてブラシレスモータ6
に供給する電動機電流IMの電流値と各相(U相、V
相、W相)に対応したPWM信号またはオフ信号を電動
機駆動回路51のFET51a〜51fに対して各々生
成する。つまり、PWM変換部50hでは、電圧を印加
する相の巻線の情報を含むPI制御信号に基づいてPW
M信号を生成する対象となるFET51a〜51fを判
断し、PI制御信号のU相電圧、V相電圧、W相電圧の
情報に基づいてPWM信号のデューティ比を設定する。
【0065】ちなみに、ブラシレスモータ6は、U相、
V相、W相の三相巻線で構成されており、電動機電圧V
M(U相電圧VMU、V相電圧VMV、W相電圧VM
W)が各相の端子U0,V0,W0に印加され、三相の巻
線が位相順に三相交流として通電されることによってイ
ンナロータ(モータ軸)(図示せず)が回転する。ま
た、ブラシレスモータ6は、U相→V相→W相→U相の
位相順あるいはU相→W相→V相→U相の位相順に通電
されることによって、正回転駆動あるいは逆回転駆動す
る。そこで、PI制御部50e,50fでは各偏差信号
によってブラシレスモータ6を回転させる方向と各相の
電圧を決定し、電圧変換部50gでは電動機回転位相信
号に基づいて通電する相の巻線を決定している。
【0066】クロック発生部50iについて説明する。
クロック発生部50iでは、駆動制御用マイコン50に
おける基本となるクロックを発生する。駆動制御用マイ
コン50では、クロック発生部50iで発生したクロッ
クに基づいて基本処理時間(駆動制御用)を生成してい
る。なお、駆動制御用マイコン50では、制御用マイコ
ン40から送信されたクロックに基づいて、制御用マイ
コン40との間でクロック同期式の通信を行っており、
データ送信用通信線TWを介してデータを受信するとと
もにデータ受信用通信線RWを介してデータを送信して
いる。
【0067】スタンバイ信号発信部50jについて説明
する。スタンバイ信号発信部50jでは、制御用マイコ
ン40からのデータを正常に受信するために、スタンバ
イ信号を制御用マイコン40にスタンバイ信号用通信線
SWを介して送信している。スタンバイ信号は、HI信
号とLO信号からなり、駆動制御用マイコン50におい
てデータを正常に受信可能な状態やデータを正常に受信
している場合にはHI信号が設定され、駆動制御用マイ
コン50においてデータを正常に受信不可能な状態やデ
ータを正常に受信していない場合にはLO信号が設定さ
れる。
【0068】具体的には、イグニッションスイッチIG
がオンしたときに(図1参照)、スタンバイ信号発信部
50jでは、制御用マイコン40からのデータを駆動制
御用マイコン50において受信可能な状態か否かを確認
し、正常に受信できない状態の場合にはスタンバイ信号
としてLO信号を設定し、受信可能な状態であることを
確認した場合にはスタンバイ信号としてHI信号を設定
する。続いて、スタンバイ信号発信部50jでは、デー
タを正常に受信している場合にはスタンバイ信号として
HI信号を設定する。また、制御用マイコン40からの
データの受信を開始した後に、スタンバイ信号発信部5
0jでは、制御用マイコン40から正常にデータを受信
しているか否かを検出し、正常にデータを受信していな
い場合にはスタンバイ信号としてLO信号を設定する。
そして、スタンバイ信号発信部50jでは、制御用マイ
コン40からのデータの送信が一旦停止したことを確認
すると、スタンバイ信号としてHI信号を設定する。な
お、本実施の形態では、HI信号のスタンバイ信号が特
許請求の範囲に記載するデータを受信可能な状態を示す
スタンバイ信号に相当する。
【0069】駆動制御用マイコン50において受信可能
な状態かの確認では、例えば、駆動制御用マイコン50
の各部が電気的に立ち上がっているか、駆動制御用マイ
コン50のCPUのイニシャルチェックが終了している
か等を確認する。イグニッションスイッチIGがオンし
たときにこのようなことを確認しておくことにより、受
信開始時にデータずれが発生しない。また、制御用マイ
コン40から正常にデータを受信しているか否かの検出
では、例えば、受信したデータに対してサムチェックや
パリティチェックを行ったり、一定時間毎にデータを受
信しているかのチェックを行う。このようなチェックを
行うことにより、データずれ等を検出することができ
る。そのため、データ送信用通信線TWへのノイズの影
響等により通信エラーが発生した場合でも、そのエラー
を解消して、正常な受信を再開することができる。
【0070】電動機駆動回路51について説明する。電
動機駆動回路51は、駆動制御用マイコン50からの電
動機制御信号VOが入力され、ブラシレスモータ6に電
動機電圧VMを印加する。そのために、電動機駆動回路
51は、FET51a,51b,51c,51d,51
e,51fでブリッジ回路が構成され、電源電圧51g
から12Vの電圧が供給される。さらに、電動機駆動回
路51は、ブラシレスモータ6のU0端子がFET51
aのソースSaとFET51bのドレインDbとの接続
端に接続され、ブラシレスモータ6のV0端子がFET
51cのソースScとFET51dのドレインDdとの
接続端に接続され、ブラシレスモータ6のW0端子がF
ET51eのソースSeとFET51fのドレインDf
との接続端に接続されている。FET51a〜51f
は、各ゲートGa〜GfにPWM信号またはオフ信号が
各々入力され、PWM信号が入力されて論理レベル1の
ときにオンする。なお、ブラシレスモータ6に印加され
る電動機電圧VMは、選択的にPWM駆動されるFET
のPWM信号のデューティ比によって決定される。
【0071】それでは、図1および図2を参照して、電
動パワーステアリング装置1における制御装置4および
駆動装置5の動作について説明する。ここでは、イグニ
ッションスイッチIGがオンした場合、駆動制御用マイ
コン50でデータ受信中にデータ送信用通信線TWへの
ノイズの影響等によりデータずれが発生した場合につい
て説明する。
【0072】イグニッションスイッチIGがオンした場
合について説明する。
【0073】イグニッションスイッチIGがオンする
と、制御装置4では、各電気回路等が立ち上がるととも
に、制御用マイコン40に定電圧を供給する。すると、
制御用マイコン40では、各部が電気的に立ち上がると
ともに、CPUがイニシャルチェックを行う。イニシャ
ルチェック後、制御用マイコン40では、駆動制御用マ
イコン50からのスタンバイ信号をスタンバイ信号用通
信線SWを介して受信し、そのスタンバイ信号のHI信
号/LO信号を監視するとともに、クロック用通信線C
Wを介して内部で発生しているクロックの送信を開始す
る。このとき、スタンバイ信号がLO信号からHI信号
に切り替わるまで、制御用マイコン40では、駆動制御
用マイコン50にデータの送信を行わない。また、制御
用マイコン40では、EEPROM43に格納されてい
るデータを内部のRAM[Random Access Memory]に読み
出す。
【0074】一方、駆動装置5でも、各電気回路等が立
ち上がるとともに、駆動制御用マイコン50に定電圧を
供給する。すると、駆動制御用マイコン50では、各部
が電気的に立ち上がるとともに、CPUがイニシャルチ
ェックを行う。イニシャルチャック後、駆動制御用マイ
コン50では、制御用マイコン40からのデータを受信
可能な状態か否かを確認し、受信可能な状態になるまで
制御用マイコン40にスタンバイ信号としてLO信号を
スタンバイ信号用通信線SWを介して送信し、受信可能
な状態を確認すると制御用マイコン40にスタンバイ信
号としてHI信号をスタンバイ信号用通信線SWを介し
て送信する。
【0075】制御用マイコン40では、スタンバイ信号
がLO信号からHI信号に切り替わったことを検出する
と、駆動制御用マイコン50へのデータの送信を開始す
る。まず、制御用マイコン40では、RAMに読み出し
ているEEPROM43に格納されていたデータのうち
駆動制御用マイコン50で使用するデータを、データ送
信用通信線TWを介してクロック同期式により送信す
る。
【0076】すると、駆動制御用マイコン50では、そ
のEEPROM43に格納されていたデータを、制御用
マイコン40から送信されているクロックに基づいてク
ロック同期式により受信する。このとき、駆動制御用マ
イコン50では、各部が受信可能な状態なので、正常に
データを受信できる。そして、駆動制御用マイコン50
では、受信したEEPROM43に格納されていたデー
タを、内部のRAMに記憶させる。
【0077】そして、制御用マイコン40では、基本処
理時間(制御用)毎に、操舵トルク信号Tと車速信号V
に基づいて目標電流信号IMSを設定し、さらに、その
目標電流信号IMSに操舵トルク信号T、車速信号Vお
よび駆動制御用マイコン50からの電動機回転速度信号
SMOに基づいてダンパ制御およびイナーシャ制御によ
る補正を施す。また、制御用マイコン40では、スタン
バイ信号のHI信号/LO信号を監視している。ちなみ
に、制御用マイコン40では、目標電流信号IMS(ダ
ンパ補正後かつイナーシャ補正後)等を駆動制御用マイ
コン50にデータ送信用通信線TWを介してクロック同
期式により送信するとともに、電動機回転速度信号SM
O等を駆動制御用マイコン50からデータ受信用通信線
RWを介してクロック同期式により受信している。
【0078】一方、駆動制御用マイコン50では、基本
処理時間(駆動制御用)毎に、目標電流信号IMS(ダ
ンパ補正後かつイナーシャ補正後)、電動機電流信号I
MO(ディジタル信号)および電動機回転信号PMO
(ディジタル信号)に基づいて電動機制御信号VOを設
定する。また、駆動制御用マイコン50では、制御用マ
イコン40から正常にデータを受信しているか否かを検
出し、データを正常に受信している間はスタンバイ信号
としてHI信号を制御用マイコン40にスタンバイ信号
用通信線SWを介して送信している。ちなみに、駆動制
御用マイコン50では、目標電流信号IMS(ダンパ補
正後かつイナーシャ補正後)等を制御用マイコン40か
らデータ送信用通信線TWを介してクロック同期式によ
り受信するとともに、電動機回転速度信号SMO等を制
御用マイコン40にデータ受信用通信線RWを介してク
ロック同期式により送信している。
【0079】さらに、電動機駆動回路51では、電動機
制御信号VOに対応してFET51a,51b,51
c,51d,51e,51fが選択的にPWM駆動し、
ブラシレスモータ6のU0端子、V0端子あるいはW0
子に電動機電圧VM(U相電圧VMU、V相電圧VM
V、W相電圧VMW)を印加する。このとき、電動機駆
動回路51では、電動機制御信号VOに応じてブラシレ
スモータ6を正回転方向(または逆回転方向)に駆動す
るために、選択的にPWM駆動するFET51a,51
b,51c,51d,51e,51fを順次変え、印加
する電動機電圧VMの電圧値も変化させている。
【0080】そして、ブラシレスモータ6では、U相、
V相、W相のいずれかの巻線に電動機電圧VM(U相電
圧VMU、V相電圧VMV、W相電圧VMW)が印加さ
れ、電動機電流IM(U相電流IMU、V相電流IM
V、W相電流IMW)が流れる。すると、ブラシレスモ
ータ6では、インナロータ(図示せず)が正回転方向あ
るいは逆回転方向に駆動され、モータ軸(図示せず)が
正回転あるいは逆回転する。このとき、電動機電流検出
手段12では、電動機電流IMを検出し、電動機電流信
号IMOを駆動装置5に送信している。また、電動機回
転検出手段13では、インナロータ(図示せず)の電動
機回転角PMを検出し、電動機回転信号PMOを駆動装
置5に送信している。
【0081】そして、ブラシレスモータ6のモータ軸
(図示せず)の回転駆動力は、トルクリミッタ10およ
び歯車式減速機構11を介してピニオン軸7aに伝達さ
れる。すると、ピニオン軸7aでは、この回転駆動力が
補助トルクとして作用し、ドライバによる操舵トルク
(操舵力)をアシストする。その結果、ドライバによる
操舵力が軽減される。
【0082】駆動制御用マイコン50でデータ受信中に
データ送信用通信線TWへのノイズの影響等によりデー
タずれが発生した場合について説明する。
【0083】前記したように、駆動制御用マイコン50
では、制御用マイコン40から正常にデータを受信して
いるか否かを検出している。したがって、データずれが
発生すると、駆動制御用マイコン50では、制御用マイ
コン40から受信したデータが異常であることを検出
し、制御用マイコン40にスタンバイ信号としてLO信
号をスタンバイ信号用通信線SWを介して送信する。ち
なみに、データずれが発生した後、駆動制御用マイコン
50では、目標電流信号IMS等を正常なデータとして
受信できないので、ブラシレスモータ6の駆動制御を正
常に行えない。
【0084】すると、制御用マイコン40では、スタン
バイ信号のHI信号/LO信号を監視しているので、ス
タンバイ信号がHI信号からLO信号に切り替わったこ
とを検出する。そして、制御用マイコン40では、駆動
制御用マイコン50へのデータの送信を一旦停止する。
【0085】駆動制御用マイコン50へのデータの送信
が停止されると、駆動制御用マイコン50では、データ
が送信されてこないことを確認し、制御用マイコン40
にスタンバイ信号としてHI信号をスタンバイ信号用通
信線SWを介して送信する。
【0086】すると、制御用マイコン40では、スタン
バイ信号のHI信号/LO信号を監視しているので、ス
タンバイ信号がLO信号からHI信号に切り替わったこ
とを検出する。そして、制御用マイコン40では、再
度、駆動制御用マイコン50へのデータの送信を開始す
る。
【0087】データ送信の再開後、駆動制御用マイコン
50では、データずれが解消し、制御用マイコン40か
ら正常にデータを受信する。そのため、駆動制御用マイ
コン50では、正常な目標電流信号IMS等に基づいて
ブラシレスモータ6の駆動制御を正常に行え、正常な電
動機制御信号VOを設定する。
【0088】そして、電動機駆動回路51では、駆動制
御用マイコン50で設定した電動機制御信号VOによ
り、前記と同様にブラシレスモータ6に電動機電圧VM
を印加する。すると、ブラシレスモータ6が正回転方向
あるいは逆回転方向に駆動し、この回転駆動力が補助ト
ルクとして作用し、ドライバによる操舵トルク(操舵
力)をアシストする。その結果、ドライバによる操舵力
が軽減される。
【0089】この電動パワーステアリング装置1によれ
ば、EEPROM43を制御用マイコン40と駆動制御
用マイコン50とで共用できる構成としているので、コ
ストを低減できる。また、この電動パワーステアリング
装置1によれば、スタンバイ信号により駆動制御用マイ
コン50でのデータの受信状態を確認する構成としてい
るので、駆動制御用マイコン50ではイグニッションス
イッチIGがオンしたときに正常なデータを確実に受信
でき、また、受信エラーが発生した場合でも正常なデー
タの受信を再開できる。
【0090】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は、前記の実施の形態に限定されることな
く、様々な形態で実施される。例えば、本実施の形態で
は制御用マイコンにEEPROMを接続し、EEPRO
Mに格納されているデータを駆動制御用マイコンに送信
する構成としたが、駆動制御用マイコンにEEPROM
を接続し、EEPROMに格納されているデータを制御
用マイコンに送信する構成としてもよい。また、本実施
の形態では記憶装置をEEPROMとしたが、EPRO
M、マスクROM等の他の記憶装置でもよい。また、本
実施の形態ではスタンバイ信号としてデータを正常に受
信可能な場合をHI信号とし、受信不可能な場合にはL
O信号としたが、HI信号とLO信号とを逆に設定する
等の他の信号構成でもよいし、あるいは、スタンバイ信
号としてデータを正常に受信可能な時やデータ送信のリ
セットを要求する時だけ特定の信号を送信するようにし
てもよい。
【0091】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る電動パワーステ
アリング装置は、1つの記憶装置を目標電流設定手段と
駆動制御手段とで共有するので、コストを低減できる。
【0092】本発明の請求項2に係る電動パワーステア
リング装置は、駆動制御手段でスタンバイ信号を送信す
るとともに目標電流設定手段でそのスタンバイ信号を受
信後に駆動制御手段へのデータの送信を開始することに
より、駆動制御手段では正常なデータを確実に受信する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る電動パワーステアリング装
置の全体構成図である。
【図2】本実施の形態に係る制御装置および駆動装置の
ブロック構成図である。
【符号の説明】
1・・・電動パワーステアリング装置 4・・・制御装置 5・・・駆動装置 6・・・ブラシレスモータ(電動機) 12・・・電動機電流検出手段 13・・・電動機回転検出手段(電動機位相検出手段) 40・・・制御用マイコン(目標電流設定手段) 43・・・EEPROM(記憶装置) 50・・・駆動制御用マイコン(駆動制御手段) 51・・・電動機駆動回路(電動機駆動手段) S・・・ステアリング系 CW・・・クロック用通信線(通信線) RW・・・データ受信用通信線(通信線) SW・・・スタンバイ信号用通信線(通信線) TS・・・操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段) TW・・・データ送信用通信線(通信線)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 137:00 H02P 6/02 371D Fターム(参考) 3D032 CC35 DA15 DA23 DA63 DA64 DD10 3D033 CA03 CA13 CA16 CA20 5H560 AA08 BB04 BB07 BB12 DA01 DA07 DB20 DC12 EB01 EB05 EC10 JJ02 SS02 TT13 TT15 UA05 XA02 XA04 XA11 XA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング系に補助操舵力を付与する
    電動機と、ステアリング系に作用する操舵トルクを検出
    し、操舵トルク信号を出力する操舵トルク検出手段と、
    前記電動機の回転位相を検出し、電動機位相信号を出力
    する電動機位相検出手段と、前記電動機に流れる電動機
    電流を検出し、電動機電流信号を出力する電動機電流検
    出手段と、少なくとも前記操舵トルク信号に基づいて目
    標電流信号を設定する目標電流設定手段と、前記目標電
    流信号と前記電動機電流信号との偏差および前記電動機
    位相信号に基づいて電動機制御信号を設定する駆動制御
    手段と、前記電動機制御信号に基づいて前記電動機を駆
    動する電動機駆動手段と、を備え、前記目標電流設定手
    段と前記駆動制御手段とは通信線によって電気的に接続
    されており、前記電動機はブラシレスモータからなる電
    動パワーステアリング装置であって、 前記目標電流設定手段または前記駆動制御手段のいずれ
    か一方に記憶装置を接続し、 前記記憶装置が前記目標電流設定手段に接続されている
    場合には前記記憶装置に記憶されているデータを前記目
    標電流設定手段から前記駆動制御手段に前記通信線を介
    して送信し、前記記憶装置が前記駆動制御手段に接続さ
    れている場合には前記記憶装置に記憶されているデータ
    を前記駆動制御手段から前記目標電流設定手段に前記通
    信線を介して送信することを特徴とする電動パワーステ
    アリング装置。
  2. 【請求項2】 ステアリング系に補助操舵力を付与する
    電動機と、ステアリング系に作用する操舵トルクを検出
    し、操舵トルク信号を出力する操舵トルク検出手段と、
    前記電動機の回転位相を検出し、電動機位相信号を出力
    する電動機位相検出手段と、前記電動機に流れる電動機
    電流を検出し、電動機電流信号を出力する電動機電流検
    出手段と、少なくとも前記操舵トルク信号に基づいて目
    標電流信号を設定する目標電流設定手段と、前記目標電
    流信号と前記電動機電流信号との偏差および前記電動機
    位相信号に基づいて電動機制御信号を設定する駆動制御
    手段と、前記電動機制御信号に基づいて前記電動機を駆
    動する電動機駆動手段と、を備え、前記目標電流設定手
    段と前記駆動制御手段とは通信線によって電気的に接続
    されており、前記電動機はブラシレスモータからなる電
    動パワーステアリング装置であって、 前記駆動制御手段は、データを受信可能な状態を示すス
    タンバイ信号を前記目標電流設定手段に送信し、 前記目標電流設定手段は、前記スタンバイ信号を受信し
    た後に、前記駆動制御手段へのデータの送信を開始する
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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