JP2003315990A - 画像形成材料及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成材料及び画像形成方法

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JP2003315990A
JP2003315990A JP2002124122A JP2002124122A JP2003315990A JP 2003315990 A JP2003315990 A JP 2003315990A JP 2002124122 A JP2002124122 A JP 2002124122A JP 2002124122 A JP2002124122 A JP 2002124122A JP 2003315990 A JP2003315990 A JP 2003315990A
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JP2002124122A
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Motomi Noguchi
元美 野口
Hideaki Okamoto
英明 岡本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素遮断層を有しなくても、水、酸素、二酸
化炭素、温度による重合阻害の影響を抑止し、感度の経
時変化の少ない保存安定性に優れた画像形成材料を提供
する。 【解決手段】 A)付加重合可能なエチレン性二重結合
含有単量体、B)光重合開始系、及びC)高分子結合材
を含有する光重合性組成物からなる感光性層を支持体上
に有する画像形成材料において、該組成物がHLB値が
10以下の非フッ素系のノニオン界面活性剤を含有し、
かつ該感光性層上に酸素遮断層を有しないことを特徴と
する画像形成材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性組成物に
関するものであり、更に、感光性平版印刷版、配線板用
銅エッチングレジスト、グラビア用銅エッチングレジス
ト、ドライフィルム、カラーフィルター、及びプラズマ
ディスプレイ用顔料分散レジストなど各種のパターン形
成材料に使用可能で高感度な感光性平版印刷版等の画像
形成材料及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光重合系を利用した画像形成方法
は多数知られている。例えば、付加重合可能なエチレン
性二重結合を含む化合物と光重合開始剤、さらに所望に
より有機高分子結合材などを含有する光重合性組成物か
らなる光重合性組成物層を支持体上に設けた感光材料
に、所望の画像を露光して露光部分を重合硬化させ、未
露光部分を溶解除去することにより硬化レリーフ画像を
形成する方法が知られている。また、少なくとも一方が
透明である二枚の支持体間に光重合性組成物の層を設け
た感光材料に、透明支持体側より露光し光による接着強
度の変化を起こさせ、支持体を剥離することにより画像
を形成する方法、その他光重合性組成物層の光によるト
ナー付着性の変化を利用した画像作成方法などがある。
【0003】かかる光重合性組成物の光重合開始系とし
て種々のものが知られており、例えば、チタノセン類と
増感剤の組み合わせ(例えば、特開平4−219756
号各公報等)、ピロメテン錯体増感剤とラジカル発生剤
の系(特開平4−241338、特開平7−5685、
特開平7−225474号等)等は、比較的高感度なも
のとして知られている。しかしながら上記の光重合性組
成物は、いずれも感度の点で更なる改善が望まれており
例えば低出力のアルゴンレーザーやFD−YAGレーザ
ーにより高速度に画像記録する場合には、更に高感度の
組成物とする必要がある。
【0004】一方、光重合性組成物の重合性成分とし
て、種々のアクリレート化合物を使用することが知られ
ており、水酸基含有化合物と(メタ)アクリル酸のエス
テルであるアクリレート化合物や、ジイソシアネート化
合物と水酸基及びアクリレート基含有化合物とを反応さ
せたウレタン系アクリレート化合物が知られている(例
えば、特開平11−271969号公報)。また、特開
2000−275830に於いては、光重合性組成物
は、HLB値3〜20の非フッ素系のノニオン界面活性材
を含有する事により、現像性に優れ、感度が良好である
ことが記載されているが、ここでは酸素遮断層が必須の
系に限られている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、こう
した光重合性組成物は、従来露光時には酸素を遮断して
行うことが実際上は必要であった。なぜならば、酸素は
露光による重合反応を著しく阻害し、充分な画像形成が
不可能になるからである。そのため、露光時に光重合性
組成物の環境を真空化したり、光重合性組成物表面に酸
素遮断を目的とする層を塗設する事が必要であった。一
方で酸素遮断層を有しない画像形成材料が、製造工程や
現像工程などの簡略化や作業時間の短縮をはかる為に要
求されていた。本発明は、酸素遮断層を有しない感光性
平版印刷版において、酸素、水、さらに温度の影響を抑
制させ、しかも良好な感度の経時安定性に優れた感光性
平版印刷版等の画像形成材料及び画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者の検討によれ
ば、非フッ素系のノニオン界面活性剤としてHLB値が
10以下の物を用いることにより、従来は必要であった
酸素遮断層を用いない場合においても、酸素、水、二酸
化炭素、温度の影響を抑止でき、感度の経時変化の少な
い保存安定性がある画像を形成することを見いだし、本
発明に到達した。即ち、本発明の要旨はA)付加重合可
能なエチレン性二重結合含有単量体、B)光重合開始
系、及びC)高分子結合材を含有する光重合性組成物か
らなる感光性層を支持体上に有する画像形成材料におい
て、該組成物がHLB値が10以下の非フッ素系のノニ
オン界面活性剤を含有し、かつ該感光性層上に酸素遮断
層を有しないことを特徴とする画像形成材料に存する。
本発明の他の要旨は、請求項1〜13に記載の画像形成
材料を、レーザー光により画像露光して画像様に該感光
層を光硬化させた後、該感光層の未露光部分をアルカリ
現像液で現像して支持体から除去することを特徴とする
画像形成方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (エチレン性単量体)本発明の光重合性組成物中の成分
であるA)付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合
物(以下「エチレン性単量体」と略す)とは、光重合性
組成物からなる感光性層が活性光線の照射を受けた場
合、第二の必須成分であるB)光重合開始剤の作用によ
り付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有
する単量体である。なお、本発明における単量体の意味
するところは、皮膜形成能を有する高分子結合材に相対
する概念であって、従って、狭義の単量体以外にも二量
体、三量体、オリゴマーをも包含するものである。
【0008】エチレン性単量体としては、一分子中にエ
チレン性二重結合を一個有する化合物及び、一分子中に
エチレン性二重結合を二個以上有する多官能エチレン性
単量体が挙げられ、前者としては、具体的には、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステ
ル、アクリロニトリル、スチレン、エチレン性不飽和結
合を一個有するカルボン酸化合物と多(単)価アルコー
ルのモノエステル等が挙げられる。エチレン性単量体と
して、1分子中にエチレン性不飽和結合を二個以上有す
る多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。
かかる多官能エチレン性単量体の例としては、例えば脂
肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエス
テル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸
とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポ
リヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と不飽和
カルボン酸及び多価カルボン酸とのエステル化反応によ
り得られるエステルなどが挙げられる。
【0009】前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和
カルボン酸とのエステルは限定されないが、エチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエ
リスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスルトールペンタアクリレート、ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートグリセロールアクリレート等の
脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、こ
れら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代え
たメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えた
イタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エ
ステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル
等が挙げられる。
【0010】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリ
レート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシン
ジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガ
ロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合
物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が
挙げられる。不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸なら
びに多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得ら
れるエステルとしては必ずしも単一物ではないが代表的
な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチ
レングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及
びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレ
フタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル
酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合
物等がある。
【0011】その他、本発明に用いられる多官能エチレ
ン性単量体の例としては、トリレンジイソシアネートと
ヒドロキシエチルアクリレートとの付加反応物の様なウ
レタンアクリレート類;ジエポキシ化合物とヒドロキシ
エチルアクリレートとの付加反応物のようなエポキシア
クリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリ
ルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;
ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用で
ある。さらに、一分子中に4つ以上のウレタン結合と4つ
以上の付加重合可能な二重結合を有するウレタン化合物
が好ましい。本発明においてウレタン系化合物と併用す
るエチレン性単量体としては、少なくとも一つの(メ
タ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が
特に好ましい。特に限定はされないが、具体的には例え
ば下記一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げら
れる。
【0012】
【化1】
【0013】(一般式(I)、(II)中、R1は水素原
子又はメチル基を表し、nは1〜25の整数を示し、m
は1〜3の整数を示す。) 一般式(I)、(II)で表される化合物の内、nが1〜
10であるものが耐刷力及び非画線部の抜け性を改善す
る点で好ましい。一般式(I)、(II)で表される化合
物の内、特に好ましい化合物の具体例としては、メタア
クリルオキシエチルフォスフェート、ビス(メタアクリ
ルオキシエチル)フォスフェート、メタアクリルオキシ
エチレングリコールフォスフェート等が挙げられる。本
発明で使用するリン酸エステル化合物は単独でも、複数
の化合物の混合物でも良い。
【0014】(光重合開始系)次に光重合性組成物の成
分として用いる場合に使用する光重合開始系B)につい
て説明する。光重合開始剤は、通常ラジカル発生剤と増
感剤から構成され、必要により重合加速剤を含む。ラジ
カル発生剤としては、前記エチレン性単量体の重合を開
始させうるものは全て使用できる。このうち、光励起さ
れた増感剤と何らかの作用を及ぼしあうことにより活性
ラジカルを生成する好ましいラジカル発生剤としては、
例えば、チタノセン類、ヘキサアリールビイミダゾール
類、有機硼素アニオン(ボーレート)類、ハロゲン化炭
化水素誘導体(ハロメチル基含有化合物)、ジアリール
ヨオードニウム塩、有機過酸化物等を挙げることができ
る。
【0015】チタノセン類としては、例えば特開昭59
−152396号、特開昭61−151197号各公報
に記載されている各種チタノセン類から適宜選んで用い
ることができる。更に具体的には、ジ−シクロペンタジ
エニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエ
ニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニ
ル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロ
フェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−
ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イ
ル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,
6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジ
エニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イ
ル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−
ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−テトラ
フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジ
エニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−
イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6
−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−
イル等のジシクロペンタジエニル基を有するチタノセン
化合物を挙げることができる。これらは、二種以上を併
用して用いても良い。
【0016】ヘキサアリールビイミダゾール類として
は、例えば、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−
4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)
ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロムフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロルフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロルナフ
チル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロルフ
ェニル)−4,4’5,5’−テトラ(p−クロルフェ
ニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロムフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロル−
p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビ
ス(o−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−テト
ラ(o,p−ジクロルフェニル)ビイミダゾール、2,
2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’5,5’
−テトラ(o,p−ジブロムフェニル)ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(o−ブロムフェニル)−4,4’
5,5’−テトラ(o,p−ジクロルフェニル)ビイミ
ダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロルフェニ
ル)−4,4’5,5’−テトラ(o,p−ジクロルフ
ェニル)ビイミダゾール類等のベンゼン環上にハロゲン
置換基を有するヘキサアリールビイミダゾール類が好ま
しい。
【0017】こららのヘキサアリールビイミダゾール類
は、必要に応じ、多種のビイミダゾールと併用して使用
することもできる。ビイミダゾール類は例えばBul
l.Chem.Soc.Japan.33,565(1
960)及びJ.Org.Chem.36[16]22
62(1971)に開示されている方法により容易に合
成することができる。
【0018】有機硼素アニオンとしては、例えば、特開
昭62−143044号、特開昭62−150242
号、特開平9−188685号、特開平9−18868
6号、特開平9−188710号、特許第276476
9号等の各公報、及び、Kunz,Martin “Rad Tech'98.Pr
oceeding April 19-22,1998,Chicago”等に記載のもの
が挙げられるが、特に、下記一般式(III)で表されるも
のが好ましい。
【0019】
【化2】
【0020】〔式(III)中、R2、R3、R4、及びR5
は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアルキニル基、置換基を有していても
よいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互いに
連結して環状構造を形成していてもよく、これらのうち
少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基
である。〕
【0021】ここで、式(III)中のR2、R3、R4、及び
5がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、
好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル基である
ときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5、アリ
ール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは
6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常4〜2
0、好ましくは4〜15であり、それらにおける置換基
としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が挙げら
れる。中でも、R2〜R4が独立にハロゲン原子で置換さ
れていてもよいフェニル基であり、R5が炭素数1〜6
のアルキル基であるのが好ましい。
【0022】これらの有機硼素アニオンとしては、具体
的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素
アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n
−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)
硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェ
ニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオ
ロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−
フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス
(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブ
チル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼
素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6
−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル
−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブ
チル−トリス(トリフルオロメチル)硼素アニオン、n
−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリル
フェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0023】又、対カチオンとしては、例えば、アルカ
リ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウム
カチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオ
ン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チ
アピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げ
ることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有
機アンモニウムカチオンが好ましく、特に炭素数1〜6
のアルキル基のテトラアルキルアンモニウムカチオンが
好ましい。
【0024】ハロメチル基含有化合物としては、モノ、
ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環
に結合したs−トリアジン化合物が好ましく、下記一般
式(V)で表されるものが特に好ましい。
【0025】
【化3】
【0026】〔式(IV)中、Xはハロゲン原子を示し、
Wは置換基を有していてもよいアリール基又は複素環基
を示し、R6は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
又はアリール基を示し、rは0〜2の整数である。〕
【0027】これらのs−トリアジン化合物としては、
具体的には、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エ
ポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニ
ル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,
6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s
−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6
−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メ
トキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリ
アジン等が挙げられ、中でも、2−メチル−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニ
ル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エ
ポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニ
ル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリク
ロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシス
チリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−
4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等
が経時安定性に優れ好ましい。
【0028】これらラジカル発生剤は、露光波長により
適宜選択して用いることが出来るが、例えば、露光波長
が350〜650nmの範囲では、チタノセン類及び/
又はヘキサアリールビイミダゾール類を用いるのが、感
度、保存性、塗膜の基盤への密着性等が特に良好で好ま
しい。また、露光波長が、650〜1300nmの場合
には、有機硼素アニオン及び/又はハロメチル基含有化
合物を用いるのが、感度、保存性、塗膜の基盤への密着
性等が特に良好で好ましい。
【0029】次に、光重合開始剤の内の増感剤について
説明する。本発明における増感剤とは、前述の活性剤と
共存した場合、光線照射により、効果的に活性ラジカル
を発生しうる化合物を意味している。代表的な増感剤の
例としては、例えば、米国特許第3,479,185号
明細書に開示されているロイコクリスタルバイオレット
やロイコマラカイトグリーンの様なトリフェニルメタン
系ロイコ色素、エリスロシンやエオシンYのような光還
元性染料、米国特許第3,549,367号明細書、米
国特許第3,652,275号明細書等に開示されてい
るミヒラーズケトンやアミノスチリルケトンの様なアミ
ノフェニルケトン類、米国特許第3,844,790号
明細書に示されるβ−ジケトン類、米国特許第4,16
2,162号明細書に見られるインダノン類、特開昭5
2−112681号公報に示されるケトクマリン類、特
開昭59−56403号公報で開示されているアミノス
チレン誘導体やアミノフェニルブタジエン誘導体、米国
特許第4,594,310号明細書に見られるアミノフ
ェニル複素環類、米国特許第4,966,830号明細
書に示されるジュロリジン複素環類、特開平5−241
338号公報に示されるピロメテン系色素、その他シア
ニン色素、ジアルキルベンゼン系化合物等が挙げられ
る。
【0030】これら増感剤は露光波長により適宜選択し
て用いることができるが、露光波長が390〜430n
mであれば、ジアルキルベンゼン系化合物が好ましく、
露光波長が400〜650nmであれば、ケトクマリン
類及びピロメテン系色素が好ましく、露光波長が650
〜1300nmであればシアニン色素が好ましい。
【0031】ジアルキルアミノベンゼン系化合物として
は、ジアルキルアミノベンゼン構造を有し、任意の置換
基を有していてよいが、中でも、ジアルキルアミノベン
ゾフェノン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対して
p−位の炭素原子に芳香族複素環基を置換基として有す
るジアルキルアミノベンゼン系化合物、及びこれらの化
合物のジアルキルアミノ基を構成するアルキル基が互い
に結合して、及び/又は該アルキル基がベンゼン環上の
アミノ基の結合する炭素原子に隣接する炭素原子と結合
して含窒素複素環構造を形成した構造の化合物が好まし
い。尚、上記において、ジアルキルアミノ基を構成する
アミノ基は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数
1〜6が好ましい。
【0032】中でも好ましいジアルキルアミノベンゼン
化合物は、下記一般式(V)及び(VI)で示される。
【0033】
【化4】
【0034】(式(V)中、R7〜R10は、それぞれ独
立して、炭素数1〜6のアルキル基を、R11〜R14は、
水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示すが、R7
とR8、R9とR10、R7とR11、R8とR12、R9
13、R10とR14は、それぞれ独立に結合して環を形成
していてもよい。)
【0035】
【化5】
【0036】(式(VI)中、R15、R16はそれぞれ独立
して炭素数1〜6のアルキル基を、R17及びR18は独立
して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を、Qは、
酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチン基、又は−N
(R19)−を示し、R19は水素原子又は、炭素1〜6の
アルキル基を示す。但しR15とR16、R15とR17又はR
16とR18がそれぞれ独立に結合して環を形成してもよ
い。)尚、ジアルキルメチレンのアルキル基の炭素数は
1〜6、好ましくは1である。式(V)及び(VI)にお
いてR7〜R18のいずれかが結合して環を形成する場
合、5又は6員環であるのが好ましく、特に6員環が好
ましい。式(V)で示される化合物としては、4,4’
−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチル
アミノベンゾフェノン及び下記構造の化合物が挙げられ
る。
【0037】
【化6】
【0038】又、前記一般式(IV)で表わされる化合物
としては、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ
オキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベ
ンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−
ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキ
サゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルア
ミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチル
アミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジ
エチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール及び下記構
造の化合物が挙げられる。
【0039】
【化7】
【0040】シアニン色素は、窒素原子、酸素原子、又
は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n鎖
で結合された構造を基本構造とするものであり、代表的
には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を
介して複素環が結合された構造を基本構造とする広義の
所謂シアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系
(所謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシ
アニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン
系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウ
ム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリ
メチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所
謂ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、インドール系
色素及びベンゾチアゾール系色素が好ましい。インドー
ル系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下
記一般式(VI)で表されるものが好ましい。
【0041】
【化8】
【0042】〔式(VII)中、Y1及びY2は各々独立し
て、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R20
びR21は各々独立して、置換基を有していてもよいアル
キル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換
基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有し
ていてもよいフェニル基を示し、L1置換基を有してい
ても良いペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基
を示す。該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン
基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシ
クロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケン
ジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していて
もよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、
その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合
ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオン
を示す。〕
【0043】ここで、式(VII)中のR20及びR21がア
ルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好まし
くは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるとき
の炭素数は、通常2〜15、好ましくは2〜10であ
り、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素
数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ
基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が
挙げられ、L1における置換基としては、直接又はエー
テルもしくはチオエーテル結合を介した芳香族環あるい
は複素環、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等
が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、
アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原
子等が挙げられる。これらのうち、直接又はエーテルも
しくはチオエーテル結合を介した複素環をL1上に有す
るシアニン色素が好ましい。
【0044】更に、本発明で用いる光重合開始剤には必
要に応じて、重合加速剤として、2−メルカプトベンゾ
チアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−
メルカプトベンズオキサゾール、3−メルカプト−1,
2,4−トリアゾール、N−フェニルグリシン及びその
誘導体、N,N−ジアルキル安息香酸アルキルエステル
等の水素供与性化合物を加えることによって更に光重合
開始能力を高めることができる。このうち特に好ましい
のは、N−フェニルグリシンやその誘導体、2−メルカ
プトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾ
ール、2−メルカプトベンズオキサゾール、3−メルカ
プト−1,2,4−トリアゾール等のメルカプト基を有
する化合物や、N,N−ジアルキル安息香酸アルキルエ
ステルである。
【0045】(高分子結合材)本発明の光重合性組成物
中は、一般に被膜形成能を有する高分子結合材を含有す
る。高分子結合材の好ましい具体例としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリ
ロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、
マレイミド等の単独もしくは共重合体、その他、ポリエ
チレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ
エチレンテレフタレート、アセチルセルロース、または
ポリビニルブチラール等が挙げられる。中でも、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート等の置換されていてもよい(メタ)アクリル
酸エステルの少なくとも一種と(メタ)アクリル酸を共
重合成分として含有する分子内にカルボキシル基を含有
する共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体」
と称する)が好ましい。なお、本明細書において、(メ
タ)アクリルはメタクリル若しくはアクリルを意味す
る。
【0046】カルボキシル基含有高分子結合材の好まし
い酸価の値は10〜250KOH・mg/gであり、好
ましいポリスチレン換算重量平均分子量(以下Mwと略
す)は1万から200万である。これらの高分子結合材
は、側鎖に不飽和結合を有する事が望ましく、前記の如
きカルボキシル基含有共重合体にエポキシ基と不飽和基
を併せ有する化合物を反応させた樹脂が挙げられる。エ
ポキシ基と不飽和基を併せ有する化合物としては、例え
ば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)ア
クリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネ
ート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノ
アルキルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアル
キルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキル
モノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽
和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0047】中でも、アリルグリシジルエーテル、グリ
シジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましく、さら
に、好ましくは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレートである。以上挙げたカルボキシル
基と側鎖二重結合を併せ有する樹脂の好ましい分子量は
Mwで10000〜1000000、好ましくは、20
000〜500000の範囲である。さらに、側鎖二重
結合は主鎖モノマーユニット100に対して1〜50、
好ましくは5〜40ユニット導入されているものが好ま
しい。以上、本発明の光重合性組成物の主要構成成分に
ついて詳述してきたが、それ等の好適な使用比率は、エ
チレン性単量体100重量部に対して光重合開始剤の内
増感剤が好ましくは0.01〜20重量部、特に好まし
いのは0.05〜10重量部、ラジカル活性剤が好まし
くは0.1〜80重量部、特に好ましいのは0.5〜6
0重量部、重合加速剤が好ましくは0.1〜80部、特
に好ましいのは0.5〜60重量部、また高分子結合材
が、好ましくは10〜400重量部、特に好ましくは2
0〜200重量部の範囲である。
【0048】(ノニオン界面活性剤)本発明の非フッ素
系のノニオン界面活性剤について説明する。従来から塗
布性改善の目的で使用されているフッ素系界面活性剤
は、撥水かつ撥油性の両機能を持つものである。本発明
の非フッ素系のノニオン界面活性剤はHLB値が10以下の
ものであり、具体的には、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコール
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソル
ビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ソル
ビタンジステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノス
テアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミ
テート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テ
トラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセ
ロールモノステアレート、モノグレセライドステアリン
系、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチ
レングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコ
ールジステアレート、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカ
ノールアミド等のソルビタン脂肪酸エステル、脂肪族モ
ノグリセリド、ポリエチレングリコールアルキルエーテ
ル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げら
れる。中でもポリオキシエチレン構造を有するポリオキ
シエチレン誘導体が特に好ましい。また、好ましいHLB
値の範囲は、9.5以下であり、特に好ましくは9以下
である。下限は3.0以上が好ましい。
【0049】非フッ素系のノニオン界面活性剤の使用量
は、重合可能なエチレン性単量体100重量部に対し
て、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.05重
量部以上、更に好ましくは0.5重量部以上であり、好
ましくは15重量部以下である。又、非フッ素系のノニ
オン界面活性剤の使用量は、光重合性組成物の合計10
0重量部に対して0.01〜15重量部含有するのが好
ましく、中でも10重量部以下が好ましく、0.1重量
部以上が好ましい。使用量が多すぎる場合には塗布液が
起泡する等の不都合が生じる傾向があり、少なすぎると
充分な硬化が得られない傾向がある。また、これら非フ
ッ素系のノニオン界面活性剤は、単独で使用しても2種
以上混合して使用しても良い。中でもHLBが9.5以
下の物と9.6〜10の物とを併用すると、更に保存安
定性が向上するため好ましい。
【0050】(アミン化合物)本発明の光重合性組成物
には、感度を向上させる目的で、光重合性組成物中に2
5℃におけるpKb(解離定数)が7以下のアミン化合
物、または、原始団[N−CH2]を有するアミン化合物
を含有することが好ましい。更に好ましくは、感光層中
に25℃におけるpKbが7以下であり、且つ分子内に
原子団[N−CH2]を有するアミン化合物である。該ア
ミン化合物としては、上記の条件を満たす限り脂肪族、
脂環式、又は芳香族アミンのいずれでもよく、該アミン
化合物中の炭化水素基は置換基を有していてもよい。
又、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等
のポリアミンであってもよく、又、第1アミン、第2ア
ミン、第3アミンのいずれであってもよい。アミン化合
物のpKbは、好ましくは5以下である。また、pKbの
下限は好ましくは3以上である。また、アミン化合物は
分子内に原子団[CH2−N−CH2]を有するものが更に
好ましい。
【0051】好ましいアミン化合物としては、pKbの
点から置換基を有していてもよい炭化水素基を有する脂
肪族アミンが挙げられ、具体的にはブチルアミン、ジブ
チルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミ
ルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキ
シルアミン、トリヘキシルアミンンベンジルアミン、ジ
ベンジルアミン、トリベンジルアミン、トリエタノール
アミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルア
ミン等の、水酸基又はフェニル基で置換されていてもよ
い脂肪族アミンが挙げられる。
【0052】(添加剤)本発明の光重合性組成物は前記
の各必須成分A)〜C)の他に、その目的に応じて更に
他の物質を含有することができる。例えば、ハイドロキ
ノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール等の熱重合防止剤;有機又は無機の
染顔料からなる着色剤;ジオクチルフタレート、ジドデ
シルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑
剤、三級アミンやチオールのような感度特性改善剤、そ
の他色素前駆体等の添加剤も加えることができる。
【0053】以上述べた添加剤の好ましい添加量は、エ
チレン性単量体100重量部に対して熱重合防止剤2重
量部以下、着色剤20重量部以下、可塑剤40重量部以
下、色素前駆体30重量部以下、界面活性剤10重量部
以下の範囲である。 (溶媒)以上述べた光重合性組成物は、適当な溶媒で希
釈して、支持体上に塗布・乾燥し感光性層として形成さ
れる。 溶媒としては特に限定されないが、例えばメチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブア
セテート、アセトン、メチルエチルケトン、メタノー
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、4−ヒ
ドロキシー2−ブタノン、メチルジグリコール、水又は
これらの混合物などが用いられる。 (層構成)本発明においては、支持体上に形成された感
光性層の上には、酸素遮断層を有しない。酸素遮断を目
的としないのであれば感光性層の上に例えば膜や層など
を設けることもできる。特にその種類は限定されない
が、例えば該光重合性組成物を傷などから保護するため
の保護膜や、滑りを良くするための滑層、マット付着な
どがその一例として挙げられる。
【0054】(支持体)本発明において支持体としては
特にこだわらないが、プラスチックのフィルムや各種金
属が採用できるが、アルミニウム板(アルミニウム合金
板も含む)が特に好ましく、その厚さは通常0.01〜
10mm程度、好ましくは0.05〜1mm程度であ
る。この支持体は、表面を粗面化処理した後、デスマッ
ト処理を施し、更に陽極酸化処理を実施する。この他必
要に応じて脱脂処理、封孔処理、下引き処理などを施し
ても良い。通常粗面化処理の前に脱脂処理が行われる
が、脱脂処理は、溶剤を用いてふき取り、浸積または蒸
気洗浄する方法、アルカリ水溶液を用いて浸積、又は噴
霧した後酸水溶液で中和する方法、界面活性剤を用いて
浸積、又は噴霧する方法などの常法に従ってなされる。
粗面化処理(砂目立て処理)は、ボール研磨法、ブラシ
研磨法、ブラスト研磨法、ホーニング研磨法、バフ研磨
法などの機械的処理方法、あるいは、電解エッチング
法、化学エッチング法等の常法により、JIS B06
01に規定される平均粗さRaが0.1〜1.5μm程
度、好ましくは0.2〜1.0μm程度となるようにな
される。この中でも特に塩酸や硝酸による電解エッチン
グが好ましい。
【0055】又デスマット処理は、硫酸、硝酸、塩酸、
燐酸、クロム酸等の酸、又は水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、ピロ
燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、アルミン酸ナトリウム
等のアルカリの水溶液を用いて浸積、又は噴霧する等の
常法に従ってなされる。尚特に限定されないがデスマッ
ト処理の程度として、粗面化処理工程直後の反射濃度を
A、陽極酸化処理工程後の反射濃度をBとした場合、A
−B≦0.1とすることが望ましい。このデスマット処
理は、粗面化処理によって生じた支持体表面のスマット
を取り除くために行われるものであるが、実はこのスマ
ットは支持体と感光層との接着性に大きく関わってい
る。反射濃度の測定は、反射濃度計を用い、フィルター
を使用しないビジュアルモードにて実施される。本発明
の条件となるデスマット処理は、用いるアルカリ水溶液
や、粗面化処理の状態にもよるが、例えば濃度0.1〜
4重量%で液温5〜30℃程度のNaOH水溶液に1〜10
秒程度浸積するなどの条件が挙げられる。
【0056】こうして得られたアルミニウム板は、通
常、陽極酸化処理されるが、特に好ましくは、硫酸を含
む電解液で処理する方法が挙げられる。硫酸を含む電解
液で陽極酸化する方法は、従来公知の方法、例えば特開
昭58−213894号公報に記載の方法等に準じて行
われる。具体的には、例えば硫酸5〜50重量%、好ま
しくは15〜30%が用いられ、温度は5〜50℃程
度、好ましくは15〜35℃であり、電流密度1〜60
A/dm2 で5秒〜60秒間程度で行なわれる。これ
により形成される酸化被膜量は、1〜100mg/dm
2、特に10〜50mg/dm2であるのが好ましい。また、
更に必要に応じて珪酸ソーダ処理等の珪酸アルカリや熱
水による処理、その他カチオン性4級アンモニウム基を
有する樹脂やポリビニルホスホン酸やカルボキシメチル
セルロース等の水性高分子化合物を含有する水溶液への
浸漬等による表面処理を行うことができる。
【0057】(塗布)感光性組成物の塗布方法として
は、ディップコート、コーティングロッド、スピナーコ
ート、スプレーコート、ロールコート等の周知の方法に
より塗布することが可能である。塗布量は用途により異
なるが、乾燥膜厚として0.5〜100g/m2の範囲
が好ましく、例えば平版印刷版では0.5〜5g/m2
が好ましい。尚、乾燥温度としては例えば30〜150
℃程度、好ましくは40〜110℃程度で5秒から60
分程度、好ましくは10秒から30分程度である。 (露光)本発明の組成物に適用し得る露光光源として
は、特に限定されないが例えば、カーボンアーク、高圧
水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光
ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウ
ムカドミウムレーザー、バイオレットレーザー、ブルー
レーザー、アルゴンイオンレーザー、FD−YAGレー
ザー、半導体赤外レーザー、YAGレーザー、ヘリウム
ネオンレーザーらが特に好適に使用し得る。特に、本発
明の感光性平版印刷版は、レーザ走査露光用に適してい
るため、レーザーを光源とするのが有利であり、例えば
窒化インジウムガリウム半導体レーザーの410nm付
近、アルゴンイオンレーザーの488nm付近、FD−
YAGレーザーの532nm付近、半導体レーザーの7
80nm付近、半導体レーザーの830nm付近、YA
Gレーザーの1064nm付近の各波長を発振するレー
ザーが具体的に挙げられる。
【0058】(現像)本発明の画像形成方法は、かかる
レーザー露光機にて画像形成材料を画像様露光行った
後、界面活性剤とアルカリを含有する水溶液および/又
は有機溶剤を用いて現像すれば支持体上に画像を形成す
ることができる。現像液には、更に有機溶剤、緩衝剤、
染料または顔料を含有することができる。適当なアルカ
リ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リ
ン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機アルカリ
剤、及びトリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン類など
の有機アミン化合物などが挙げられ、これらは単独もし
くは組み合わせて使用できる。界面活性剤としては、例
えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエス
テル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオ
ン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、
アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類
等のアニオン界面活性像液のpHは通常9〜14であ
る。また、有機溶剤としては例えば、イソプロピルアル
コー剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面
活性剤が使用可能である。アルカリ現、ベンジルアルコ
ール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニル
セロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコ
ール等を必要により含有させることが可能である。
【0059】現像方法としては特に限定されないが、現
像液に浸積揺動する方法や物理的にブラシなどで現像液
で溶解しかかった非画像部を除去する方法や、現像液を
スプレー状に吹き付けて非画線部を除く方法などが挙げ
られる。現像時間は、上記現像方法に応じて未露光部が
十分に除去できる時間を選定すればよく5秒〜10分の
範囲から適宜選ばれる。また長い期間を通じて同じ現像
性能を保持するために、現像液とは別に現像補充液を別
途用いるのが一般的である。現像補充液には、基本的に
現像液と同じく適当なアルカリ剤や界面活性剤を、必要
に応じて現像液比少ないかもしくは同じ、またはそれ以
上に含有していても良い。現像補充液に含まれるアルカ
リ剤や界面活性剤などの量は特に限定されないが、現像
液に含まれている量に対して、0.1倍〜50倍の範囲
内であるのが一般的である。好ましくは0.5倍〜30
倍である。また、現像液も現像補充液も輸送の簡便化の
意味から、実使用時の数倍に濃縮しても良い。濃縮の割
合は通常1.1倍〜50倍、より好ましくは2倍から3
0倍である。現像後は、特に印刷版に置いて必要に応じ
てアラビアガムなどの親水化処理などを適宜行っても良
い。
【0060】更にまた、感光性平版印刷版の支持体とし
て、支持体が親水化処理されたものであって、ガムテー
プによる剥離強度測定方法で求めたガムテープの該親水
化処理された支持体からの剥離強度が500g/cm以
下である場合には、アルカリ現像液を用いず、印刷機上
で現像する製版方法を採用することが出来る。この製版
方法は具体的には、感光性平版印刷版の感光層を、画像
露光して画像様に該感光層を光硬化させた後、感光層の
未露光部分を支持体から除去して光硬化感光性画像を形
成する方法であって、画像露光後の光重合性平版印刷版
を印刷機の版胴に装着し、該光重合性平版印刷版の感光
層上に湿し水と印刷インクを供給してブランケットロー
ラーのローラー表面に該インクを転写する際に、該イン
クと共に前記未露光部をインクの粘着性を利用してブラ
ンケットローラーのローラー表面に転写することによ
り、該未露光部分を支持体から除去することを特徴とす
るものである。
【0061】(後露光)本発明は、上記現像処理後に全
面露光を行なうことによって更にその画像強度を増進さ
せることが出来る。全面後露光の光源としては特に限定
されはしないが例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、
超高圧水銀灯、低圧水銀灯、DeepUVランプ、キセ
ノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タン
グステンランプ、ハロゲンランプ、エキシマーUVラン
プなどが挙げられる。これらの光源から発せられる光は
フィルターなどによって波長制限して用いる場合もあり
得る。好ましくは、後露光の光源が半値幅30nm以下
の輝線を有することが望ましい。好ましい光源の具体例
としては、エキシマーUVランプや水銀灯やメタルハラ
イドランプが好ましく、特に好ましくはエキシマーUV
ランプや高圧水銀灯、低圧水銀灯が挙げられる。
【0062】特に限定されないが、全面露光時の版面到
達露光強度(単位時間当たりの露光量)が5mW/cm
2以上である場合が好ましい。光強度が5mWより低い
と、たとえ総露光量が同一であったとしても、かかる効
果が不十分となる場合がある。後露光時の版面到達露光
強度を5mW/cm2以上にする方法は特に限定されな
いが、一つには露光光源のランプ出力(W)を上げる方
法がある。例えば、単純にランプ出力を大きくする方法
や、棒状タイプのランプの場合は単位長さ辺りの出力
(W/cm)を大きくする方法がある。もう一つには例
えば、単純に露光光源を画像形成材料に接近させる方法
がある。この方法で有れば露光光源のランプ出力が比較
的弱い場合でも、容易に画像形成材料に届く光強度を上
げることが可能になる。特に限定されないが、好ましい
光強度は5mW/cm2〜1W/cm2以下、より好ま
しくは10mW/cm2〜500mW/cm2である。
また、各種光源の点灯方式としては例えば通常の定常光
ランプ、フラッシュ照射タイプ、瞬時点灯タイプなどが
挙げられる。後露光の波長としては200〜1100n
mの波長の光が使用できる。
【0063】後露光の方法としては、画像を停止させた
状態で行っても、画像を処理方向に連続的に搬送してい
る状態で行ったも良い。また、その露光量は特に限定さ
れるものではなく、大きいほど効果が期待できるが、画
像形成工程の合理化という意味から10mJ/cm2
以上、好ましくは50mJ/cm2 以上、10J/c
m2 以下、好ましくは8J/cm2 以下が望まし
い。後露光時の画像形成材料の温度が40℃〜300℃
に加熱もしくは保持することは、他に不都合が生じない
限り、画像の強度を向上させる点で特に有効である。そ
の条件や方法は特に限定されないが、ホットプレートや
ドライヤーなどの温風、セラミックヒーターや強力な光
源等の輻射熱等が挙げられる。特に好ましくは、後露光
に利用する光源の輻射熱を利用することが簡便で好まし
い。尚、高温になりすぎると支持体が変形するなどの不
具合が生じるので適当な温度範囲に収まるように、冷却
装置やIR輻射熱を低減するコールドミラーやIRカッ
トフィルターを適宜使用することも望ましい。
【0064】また本発明は、上記現像処理後に全面後加
熱処理を行なうことによって更にその画像強度を増進さ
せることも出来る。加熱の方法としては、特に限定され
ないがIRセラミックヒーターの放射熱による方法、オ
ーブンによる方法、ホットプレートによる方法、加熱ロ
ーラーによる方法などが挙げられる。また先に挙げた後
露光光源からの輻射熱の利用も同様に挙げられる。後加
熱は、版を停止させた状態で行っても、版を処理方向に
連続的に搬送している状態で行っても良い。加熱の温度
は、好ましくは版面で80℃〜300℃程度、特に好ま
しくは100℃〜250℃程度が好ましい。加熱時間も
特に限定はされないが、1秒〜15分程度特に好ましく
は1秒〜10分程度が挙げられる。更に場合によっては
必要に応じて、本願発明に記載の処理方法に加えてレー
ザー露光直後、(現像前)に加熱工程を加えることも、
場合によって画像の強度を向上させる点で有効である。
この場合もその条件や方法は特に限定されないが画像形
成材料を50〜300℃でホットプレートやドライヤー
などの温風、セラミックヒーターや強力な光源等のの輻
射熱等が挙げられる。加熱時には、画像を停止させた状
態でも画像を処理方向に連続して搬送している状態で行
っても良い。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定
されるものではない。
【0066】合成例1<ウレタン系化合物−1の合成> 四つ口フラスコに、酢酸エチル100ml、ジラウリン
酸n−ブチルスズ180mg,パラメトキシフェノール
60mg、A−9530(新中村化学社製:一つの水酸
基と5つの付加重合可能な二重結合を含有するジペンタ
エリスリトールペンタアクリレートを主成分とする化合
物。分子量は約530(理論値)。)38.6gを、順
次添加した。これに、A−9530の水酸基モル量に対
してイソシアネート基が0.9倍になるようにME20
−100(旭化成株式会社製:一分子中に平均9つのイ
ソシアネート基含有。分子量は約5000程度)を攪拌
しながら滴下した。滴下終了後、70度に加熱してIR
でイソシアネートのピークが消失するまで反応を行っ
た。反応物は、少なくとも9つ以上のウレタン結合と理
論上は45個の二重結合を有する化合物を含有し、この
反応物を「エチレン性単量体−1」とする。(重量平均
分子量は約10000。)
【0067】合成例2<高分子結合材−1の合成>メチ
ルメタクリレート/メタアクリル酸=80/20mol
%(仕込み比)の共重合体、Mw=7万(以下「高分子
結合材−1」と略す。)を合成した。この結合材−1の
メタアクリル酸成分全体の5割にA−200(ダイセル
化学社製。脂環式エポキシ基かつアクリロイル基含有化
合物。)を反応させ、重量平均分子量約80000の高
分子結合材−1を得た。
【0068】<アルミニウム支持体の製造> 支持体−1 厚さ0.2mmのアルミニウム板を、3%水酸化ナトリ
ウムにて脱脂し、これを18.0g/l塩酸浴中で25
℃、80A/dm2の電流密度で15秒電解エッチング
し、その後50℃の1%水酸化ナトリウム水溶液で5秒
間デスマット処理を行い、次に25℃の10%硝酸水溶
液で5秒間中和した。水洗後30%硫酸浴中で30℃、
10A/dm2の条件で16秒間陽極酸化し、水洗、乾
燥して平版印刷版用アルミニウム板(以下「支持体−
1」と略す。)を得た。形成された陽極酸化皮膜は2.
1g/m2である。
【0069】上記支持体−1上に、下記の光重合性組成
物塗布液−1を調製し、この塗布液をバーコーターを用
いて乾燥膜厚2g/m2となるように塗布して乾燥し、
感光性平版印刷版を作製した。
【0070】
【表1】 (光重合性組成物塗布液−1) 界面活性剤 表−1記載の種類と重量部 高分子結合材−1 45重量部 エチレン性単量体−1 35重量部 エチレン性単量体−2 10重量部 増感材−A 2.4重量部 ラジカル発生剤−A 15重量部 S-381(旭硝子 フッ素系界面活性剤) 0.3重量部 フタロシアニン顔料(P.B. 15:6) 10重量部 Disperbyk 161(ビックケミー社製) 5重量部 トリベンジルアミン(pKb:4.6) 10重量部 上記全固形分を、塗布溶媒(プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルを重量比で30:70)を用いて12.
0重量%に調整した。
【0071】<感度評価>感光性平版印刷版上にステッ
プタブレット(富士社製)を添付した状態で、クレオ社
製近赤外露光装置(トレンドセッター3224−T:発
振波長830nm)を用いて各種露光量により画像露光
した。次に、A珪酸ナトリウム3重量%及びアニオン性
界面活性剤(花王株式会社製ペレックスNBL)5重量
%を含む水溶液に、28℃で30秒間浸漬することによ
り現像を行った。現像後、得られる最高ステップ段数を
読みとりその段数を感度評価の指標とした。 <保存性評価>感光性平版印刷版上を防湿紙で包み、2
ヶ月間暗所にて室温保存後、上記露光・現像処理を行な
った。その結果、保存前の感度と比較して感度変化のな
い場合を◎、感度変化がステップ感度0.5段以内の場
合を○とした。
【0072】
【表2】
【0073】<界面活性剤> ・界面活性剤―1 商品名エマルゲン104P(花王(株)製:ポリオキシ
エチレンラウリルエーテルノニオン性界面活性剤 HLB値
=9.6) ・界面活性剤―2 商品名MYO−2(日光ケミカルズ(株)製:モノオレイ
ン酸ポリエチレングリコールノニオン性界面活性剤 HLB
値=4.5) ・界面活性剤―3 商品名BPS−5(日光ケミカルズ(株)製)(ポリオキ
シエチレンフィトステロールノニオン性界面活性剤 HLB
値=9.5) ・界面活性剤―4 商品名BS−2(日光ケミカルズ(株)製)(ポリオキシ
エチレンステアリルエーテルノニオン性界面活性剤 HLB
値=8.0)
【0074】
【発明の効果】本発明の画像形成材料は、特定のHLB
値の非フッ素系のノニオン界面活性剤を含有する事によ
り、特に、酸素遮断層を有しなくても感度の経時変化が
少なく保存安定性に優れると共に、水、酸素、二酸化炭
素、温度の影響を抑止して、良好な感度を有する平版印
刷版等の画像形成材料を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/038 501 G03F 7/038 501 7/11 501 7/11 501 Fターム(参考) 2H025 AA01 AB03 AB05 AB11 AB15 AB17 AC01 AC08 AD01 BC14 BC32 BC51 BC66 BC84 CA14 CA42 CA50 CC04 CC20 FA03 FA17 2H096 AA07 AA26 AA27 AA28 BA05 BA06 BA20 EA02 EA04 GA08 LA16 4J027 AC02 AC03 AC04 AC06 AC09 AE04 AE07 AG12 AG23 BA05 BA06 BA13 BA19 BA20 BA21 BA24 BA25 BA26 BA27 BA28 CA02 CA03 CA05 CA06 CA07 CA10 CA34 CB10 CC05 CC07 CD10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)付加重合可能なエチレン性二重結合
    含有単量体、B)光重合開始系、及びC)高分子結合材
    を含有する光重合性組成物からなる感光性層を支持体上
    に有する画像形成材料において、該組成物がHLB値が
    10以下の非フッ素系のノニオン界面活性剤を含有し、
    かつ該感光性層上に酸素遮断層を有しないことを特徴と
    する画像形成材料。
  2. 【請求項2】 非フッ素系のノニオン界面活性剤とし
    て、HLB値が9.5以下の界面活性剤とHLB値が
    9.6〜10の界面活性剤を組み合わせて使用する請求
    項1に記載の画像形成材料。
  3. 【請求項3】 非フッ素系のノニオン界面活性剤を光重
    合組成物100重量部に対して0.01〜15重量部含
    有する請求項1又は2に記載の画像形成材料。
  4. 【請求項4】 高分子結合材c)が、少なくとも側鎖に
    付加重合可能なエチレン性二重結合を有する請求項1〜
    3のいずれかに記載の画像形成材料。
  5. 【請求項5】 付加重合可能なエチレン性二重結合単量
    体A)が、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を
    有するリン酸エステル化合物である請求項1〜4のいず
    れかに記載の画像形成材料。
  6. 【請求項6】 付加重合可能なエチレン性二重結合単量
    体A)が、一分子中に4つ以上のウレタン結合と4つ以上
    の付加重合可能な二重結合を有するウレタン化合物であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成材料。
  7. 【請求項7】 光重合開始剤B)が、赤外領域に吸収の
    ある増感剤を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の
    画像形成材料。
  8. 【請求項8】 増感剤が、シアニン系色素である請求項
    7に記載の画像形成材料。
  9. 【請求項9】 レーザー走査露光用である請求項1〜8
    のいずれかに記載の画像形成材料。
  10. 【請求項10】 光重合開始系B)が有機硼素アニオン
    及び/又はハロメチル基含有化合物を含有する請求項1
    〜9のいずれかに記載の画像形成材料。
  11. 【請求項11】 光重合性組成物が原子団[N−CH2]
    を有するアミン化合物を含有する請求項1〜10のいず
    れかに記載の画像形成材料。
  12. 【請求項12】 光重合性組成物が25℃におけるpK
    bが7以下のアミン化合物を含有する請求項1〜11の
    いずれかに記載の画像形成材料。
  13. 【請求項13】 画像形成材料が感光性平版印刷版であ
    る請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成材料。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13に記載の画像形成材料
    を、レーザー光により画像露光して画像様に該感光層を
    光硬化させた後、該感光層の未露光部分をアルカリ現像
    液で現像して支持体から除去することを特徴とする画像
    形成方法。
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