JP2003314936A - 冷却装置 - Google Patents

冷却装置

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JP2003314936A
JP2003314936A JP2002115863A JP2002115863A JP2003314936A JP 2003314936 A JP2003314936 A JP 2003314936A JP 2002115863 A JP2002115863 A JP 2002115863A JP 2002115863 A JP2002115863 A JP 2002115863A JP 2003314936 A JP2003314936 A JP 2003314936A
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JP
Japan
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heat
temperature
heating element
heat storage
medium
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Application number
JP2002115863A
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English (en)
Inventor
Shigeo Aoyama
繁男 青山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02DCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES [ICT], I.E. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGIES AIMING AT THE REDUCTION OF THEIR OWN ENERGY USE
    • Y02D10/00Energy efficient computing, e.g. low power processors, power management or thermal management
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器においてCPU等の発熱素子におけ
る局所的温度上昇を抑制するための冷却装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 発熱体CPU温度が第1設定温度Ts1
未満では熱媒体ポンプPM、及び送風ファンFNを運転
することなく、潜熱蓄熱媒体であるマイクロエマルジョ
ンMEに(顕熱量+潜熱量)として蓄熱し、発熱体CP
U温度が第1設定温度Ts1以上の場合に、熱媒体ポン
プPM、及び送風ファンFNを運転開始して、発熱体C
PU上の吸熱熱交換器HEX1を介してマイクロエマル
ジョンMEを放熱用熱交換器HEX2へ熱搬送すること
により、発熱体CPUの発熱処理を最小電力で対応し得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスクトップ型
パソコン等に代表されるCPU等の発熱体を備えた電子
機器において、特にCPU等の発熱体における局所的温
度上昇を抑制するための冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータを代表とする電子機器の冷
却装置については、近年、さまざまな取組みがなされて
おり、例えば、登実3063836号公報に示されてい
るような冷却装置の基本的な技術について以下に述べ
る。
【0003】上記従来の冷却装置は図5に示すように、
冷却管路11、ポンプ12、放熱片13、及び放熱板1
4で構成され、冷却管路11内部を冷却液が流動可能と
され、ポンプ12が冷却管路11間に連接されて冷却管
路11内の冷却液を流動させて冷却液循環回路が形成さ
れている。
【0004】そして、放熱片13が放熱したい発熱体C
PU上に設置され、放熱片13内部に管路が設けられて
冷却管路11と連接し、放熱板14がケース30上、或
いはケース30外に設置され、放熱板14内部に管路が
設けられて冷却管路と連接されている。
【0005】以上のように構成された冷却装置では、冷
却液の循環により熱がケース30或いはケース30外に
送られ、発熱体CPUの温度を下げられるという効果を
有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の冷却装置では、放熱用に使用している放熱板では自然
対流による放熱であるために放熱量に限界があること、
更に熱媒体の熱輸送に際して顕熱のみによるものである
ことより、近年の演算処理の高性能化等に伴う発熱体か
らの発熱量増大に対して、十分に発熱量を処理できず、
発熱体の温度上昇を抑制できないという問題があった。
【0007】そこで、本発明は従来の課題を解決するも
ので、熱媒体として潜熱蓄熱媒体を使用し、発熱体が所
定温度未満では潜熱蓄熱媒体に(顕熱量+潜熱量)とし
て蓄熱し、発熱体が所定温度以上の場合に熱媒体搬送手
段、及び放熱用熱交換手段を随時、運転開始することに
より、発熱体の発熱処理を最小電力で対応し得る冷却装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、潜熱蓄熱媒体を循環させ
る熱媒体循環手段と、集積回路部品からなる発熱体に対
して熱的に接触して、発熱体における発生熱を内部に存
在する潜熱蓄熱媒体へ熱移動させる吸熱用熱交換手段
と、吸熱用熱交換手段を介して発熱体より吸熱した潜熱
蓄熱媒体の熱を空気中へ熱移動させる放熱用熱交換手段
と、放熱用熱交換手段の近傍に設置した送風手段とが設
置され、熱媒体循環手段、吸熱用熱交換手段、及び放熱
用熱交換手段は順次連通されて閉回路を形成して内部を
潜熱蓄熱媒体が循環し、また、発熱体に対して熱的に接
触して発熱体の温度を検出する第1温度検出手段と、検
出した温度信号を処理する温度信号処理手段と、送風手
段の運転/停止を行う送風手段制御装置と、熱媒体搬送
手段の運転/停止を行う熱媒体搬送手段制御装置とから
なり、第1温度検出手段により検出した温度が第1所定
温度以上に達した時点で熱媒体循環手段、及び送風手段
の運転を開始する第1制御装置を備えたことを特徴とす
るものである。
【0009】これにより、発熱体の発熱は吸熱用熱交換
手段により潜熱蓄熱媒体へ吸熱され、冷却装置の内部全
体に充填されている潜熱蓄熱媒体温度がその融点以下の
場合、潜熱蓄熱媒体は固相の状態で温度上昇していき、
潜熱蓄熱媒体の融点に達すると、温度一定のまま固相か
ら液相へと相変化が生じて潜熱蓄熱媒体の保有量に応じ
た潜熱量が潜熱蓄熱媒体に蓄熱される。
【0010】即ち、発熱体の発熱量が潜熱蓄熱媒体の有
する最大蓄熱量以下の場合は、熱媒体循環手段、及び送
風手段を運転することなく、発熱体の発熱処理を行うこ
とができ、省エネルギー化に寄与できる。
【0011】そして、発熱体の発熱量が増加して潜熱蓄
熱媒体が完全に液相へと変化し、その後、液相の状態で
第1所定温度以上に達した時点で熱媒体循環手段、及び
送風手段の運転を開始することにより、潜熱蓄熱媒体が
放熱用熱交換手段へ搬送され、そこで放熱用熱交換手段
を介して強制対流熱伝達により潜熱蓄熱媒体から空気中
へ放熱される。その結果、発熱体からの発熱量増大に対
して、発熱体の温度上昇を抑制することができる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の発明に加えて、吸熱用熱交換手段の出口配管付近
に対して熱的に接触して吸熱用熱交換手段の温度を検出
する第2温度検出手段を設置し、第1制御装置に替わっ
て、第1温度検出手段による検出温度が第1所定温度以
上に達した時点で熱媒体搬送手段の運転を開始し、さら
に第2温度検出手段による検出温度が第2所定温度以上
に達した時点で送風手段の運転を開始する第2制御装置
を備えたことを特徴とするものである。
【0013】これにより、発熱体の発熱は吸熱用熱交換
手段により潜熱蓄熱媒体へ吸熱され、冷却装置の内部全
体に充填されている潜熱蓄熱媒体温度がその融点以下の
場合、潜熱蓄熱媒体は固相の状態で温度上昇していき、
やがて潜熱蓄熱媒体の融点に達すると、温度一定のまま
固相から液相へと相変化が生じて潜熱蓄熱媒体の保有量
に応じた潜熱量が潜熱蓄熱媒体に蓄熱される。
【0014】即ち、発熱体の発熱量が潜熱蓄熱媒体の有
する最大蓄熱量以下の場合は、熱媒体循環手段、及び送
風手段を運転することなく、発熱体の発熱処理を行うこ
とができ、省エネルギー化に寄与できる。
【0015】そして、発熱体の発熱量が増加して潜熱蓄
熱媒体が完全に液相へと変化し、その後、液相の状態で
第1所定温度以上に達した時点で熱媒体循環手段の運転
を開始することにより、送風手段を運転することなく、
熱媒体循環手段のみにより冷却装置内部の全ての潜熱蓄
熱媒体がほぼ均一な温度分布となり、最小電力にて潜熱
蓄熱媒体の保有し得る熱容量を有効に利用することがで
きる。
【0016】更に、発熱体の発熱量が増加して潜熱蓄熱
媒体の温度が第2所定温度以上に達した時点で送風手段
の運転を開始することにより、潜熱蓄熱媒体が放熱用熱
交換手段へ強制的に搬送され、そこで放熱用熱交換手段
を介して強制対流熱伝達により潜熱蓄熱媒体から空気中
へ放熱される。その結果、発熱体からの発熱量増大に対
して放熱量を増大させることにより、発熱体の温度上昇
を抑制することができる。
【0017】以上より、発熱体からの発熱量増大に対し
て、発熱体の温度が比較的低い場合はできるだけ省電力
にて発熱処理を行い、発熱体の温度が比較的高い場合の
み、熱媒体循環手段、及び送風手段を運転することによ
り、発熱体の温度レベルに応じた省エネルギー運転、か
つ熱媒体循環手段、及び送風手段の長寿命化を実現でき
る。
【0018】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2のいずれか一項に記載の発明における潜
熱蓄熱媒体として、水の中に、蓄熱材料であるアルカン
類材料を滴状に微細化して分散したマイクロエマルジョ
ン、または水と、蓄熱材料であるアルカン類材料をメラ
ミン樹脂等の非水溶性の高分子膜でカプセル化したマイ
クロカプセルとの混合溶液を用いることを特徴とするも
のである。
【0019】これにより、潜熱蓄熱媒体として安定な特
性を有し、熱容量が増加するという利点を確保しなが
ら、かつ水成分も有していることより熱輸送性も確保で
き、その結果、熱媒体循環手段による搬送が可能とな
る。
【0020】また、水成分を連続相とし、潜熱蓄熱材料
を分散相とすることにより、発熱体の温度が低く、潜熱
蓄熱媒体の温度が潜熱蓄熱材料の融点よりも低い場合に
おいても、潜熱蓄熱材料のみが固相となり、0℃以上で
ある限り、水成分が固相となることがない。
【0021】従って、潜熱蓄熱媒体の温度が潜熱蓄熱材
料の融点よりも低い場合においても、潜熱蓄熱媒体とし
ての流動性は確保できるために、吸熱用熱交換手段、放
熱用熱交換手段、熱媒体搬送手段、及びそれぞれを連通
する配管内部において自然対流による熱移動が可能とな
る。
【0022】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の発明に加えて、上部に入口配管を設置し、底部
から内側上部へ所定長さの出口配管を突出させた、潜熱
蓄熱媒体を貯留する熱媒体貯留手段を、放熱用熱交換手
段と吸熱用熱交換手段とを連通する配管中に設置したこ
とを特徴とするものである。
【0023】これにより、潜熱蓄熱媒体の温度変化によ
る体積変化が生じた場合においても、熱媒体貯留手段の
保有する内容積により、潜熱蓄熱媒体の体積変化を吸収
することができる。
【0024】また、潜熱蓄熱材料であるアルカン類材料
の密度は一般に水より小さいため、熱媒体貯留手段内部
において、アルカン類材料と水成分が分離した場合、熱
媒体貯留手段内の上部側に分布しやすくなるが、熱媒体
貯留手段の底部から内側上部へ所定長さの配管を突出さ
せることにより、水成分のみが流出することなく、潜熱
蓄熱材料であるアルカン類材料を含んだ潜熱蓄熱媒体と
して熱媒体循環手段へ流出させることが可能になる。
【0025】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
記載の発明に加えて、潜熱蓄熱媒体を構成する潜熱蓄熱
材料の融点は第1所定温度より低く、かつ潜熱蓄熱材料
の融点と第1所定温度との差を略20K以内としたこと
を特徴とするものである。
【0026】これにより、発熱体の発熱量が増加した場
合において、潜熱蓄熱媒体の温度が潜熱蓄熱材料の融点
より低い時点で熱媒体循環手段を運転させることによ
り、潜熱蓄熱媒体の温度分布を均一にしておくことがで
きる。
【0027】一方、潜熱蓄熱媒体の温度が潜熱蓄熱材料
の融点より大幅に低い時点、例えば融点より略20Kを
越える低い温度レベルでは発熱体にとって支障のない程
度であり、このような僅かな温度上昇においては発熱体
を冷却する必要はない。
【0028】従って、潜熱蓄熱材料の融点が、熱媒体循
環手段を運転開始させる第1所定温度より低く、かつ第
1所定温度との差を略20K以内とすることにより、発
熱体の発熱量が増加して冷却の必要性が発生した場合の
みにおいて、熱媒体循環手段を運転させることにより、
省エネルギー化、及び熱媒体循環手段の長寿命化を図り
ながら発熱体の冷却を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明による冷却装置の実
施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】(実施の形態1)図1に本発明の実施の形
態1による冷却装置の要部概略図を示すが、従来例と同
一構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省
略する。尚、図1中の黒矢印は潜熱蓄熱媒体流動方向を
示し、白抜き矢印は空気の流動方向を示す。
【0031】本実施の形態の冷却装置は図1に示すよう
に、熱媒体ポンプPM、吸熱用熱交換器HEX1、放熱
用熱交換器HEX2、及び貯留容器TKで構成され、順
次、接続配管TBにより連通されて閉回路を形成し、接
続配管TB内部では潜熱蓄熱媒体としてマイクロエマル
ジョンMEを流動させて循環回路が形成されている。
【0032】そして、吸熱用熱交換器HEX1は、演算
処理素子等の発熱体CPUの上面に対して熱的に接触し
ており、発熱体CPUからの発生熱を潜熱蓄熱媒体であ
るマイクロエマルジョンMEへ熱移動させ、放熱用熱交
換器HEX2は発熱体CPUより吸熱して循環するマイ
クロエマルジョンMEの保有熱を空気中へ熱移動させる
もので、放熱用熱交換器HEX2近傍には空気Airへ
の放熱を促進するための送風ファンFNが設置されてい
る。
【0033】また、貯留容器TKは、放熱用熱交換器H
EX1と吸熱用熱交換器HEX2とを連通する配管中に
設置され、貯留容器TKの上部に放熱用熱交換器HEX
1からの入口配管TB1を設置し、底部において内側上
部へ所定長さLだけ出口配管TB2を突出させている。
【0034】また、潜熱蓄熱媒体であるマイクロエマル
ジョンMEとしては、水の中に、蓄熱材料としてアルカ
ン類材料、例えばオクタコサン(C↓2↓8H↓5↓
8,融点;61.5℃)を滴状に微細化して分散して作
成したものが使用可能である。
【0035】更に、発熱体CPUの温度を検出する第1
温度検出手段Th1を発熱体CPU側面に熱的に接触さ
せて設置され、第1温度検出手段Th1より得られる温
度信号を処理する温度信号処理手段Thcalと、送風
ファンFNの運転/停止を行う送風ファン制御装置FN
cntと、熱媒体ポンプPMの運転/停止を行う熱媒体
ポンプ制御装置PMcntとからなり、第1温度検出手
段Th1による検出温度Tcの大小に応じて送風ファン
FN、及び熱媒体ポンプPM、各々の運転/停止を制御
する第1制御装置Cnt1を備えている。
【0036】そして、第1温度検出手段Th1より発熱
体CPUの表面温度Tcを検出し、潜熱蓄熱媒体マイク
ロエマルジョンMEの潜熱蓄熱材料であるオクタコサン
の融点Tmが61.5℃であることより、第1設定温度
Ts1=80℃とし、即ち潜熱蓄熱材料の融点Tmは第
1設定温度Ts1より低く、かつ潜熱蓄熱材料の融点T
mと第1設定温度Ts1との差は20K以内としてい
る。
【0037】以上のように構成された実施の形態1によ
る冷却装置の動作内容について図2に示すフローチャー
トを用いて説明する。
【0038】まず、ある電子機器において発熱体CPU
の冷却装置が運転開始された後、step1にて温度検
出時間間隔INTがΔτ以上となるまで繰り返しにより
待機し、温度検出時間間隔INTがΔτ以上になった時
点でstep2において発熱体CPUの表面温度Tcを
検出する。
【0039】そして、step3において発熱体CPU
の表面温度Tcと第1設定温度Ts1とを比較し、Tc
<Ts1の場合はstep4に移行して、熱媒体ポンプ
PM:停止(OFF)、送風ファンFN:停止(OF
F)としてstep1へ戻り、逆にTc≧Ts1の場合
はstep5に移行する。
【0040】step5において、発熱体CPUの表面
温度Tcと上限温度Ts0(例えば、Ts0=90℃)
とを比較し、Tc<Ts0の場合はstep6に移行し
て、熱媒体ポンプPM:運転(ON)、送風ファンF
N:運転(ON)としてstep1へ戻り、逆にTc≧
Ts0の場合は、運転継続は危険と判断し、step7
に移行して発熱体CPUを保護するべく電子機器の運転
を停止する。
【0041】以上の制御において、まず、発熱体CPU
による発熱の伴う電子機器等の冷却装置運転中におい
て、発熱体CPUの検出温度Tcが第1設定温度Ts1
より低い場合は、冷却の必要がないと判断し、送風ファ
ンFN、及び熱媒体ポンプPMを動作させない。
【0042】この時、発熱体CPUの発熱は吸熱用熱交
換器HEX1により潜熱蓄熱媒体であるマイクロエマル
ジョンMEへ吸熱され、冷却装置の内部全体に充填され
ているマイクロエマルジョンMEの温度がその融点Tm
以下の場合、マイクロエマルジョンMEは固相の状態で
温度上昇していき、潜熱蓄熱材料の融点Tmに達する
と、温度一定のまま固相から液相へと相変化が生じて潜
熱蓄熱材料の保有量に応じた潜熱量がマイクロエマルジ
ョンMEに蓄熱される。
【0043】即ち、発熱体CPUの発熱量がマイクロエ
マルジョンMEの有する最大蓄熱量以下の場合は、熱媒
体ポンプPM、及び送風ファンFNを運転することな
く、発熱体CPUの発熱処理を行うことができ、省エネ
ルギー化に寄与できる。
【0044】次に、発熱体CPUの発熱量が増加してマ
イクロエマルジョンMEの潜熱蓄熱材料が完全に液相へ
と変化し、その後、液相の状態で第1設定温度Ts1以
上に達した時点で熱媒体ポンプPM、及び送風ファンF
Nの運転を開始する。
【0045】これにより、マイクロエマルジョンMEが
吸熱熱交換器HEX1と放熱用熱交換器HEX2との間
を循環し、吸熱熱交換器HEX1で吸熱した熱を放熱用
熱交換器HEX2において管内/管外側強制対流熱伝達
によりマイクロエマルジョンMEから空気中へ放熱され
る。その結果、発熱体CPUからの発熱量増大に対し
て、発熱体CPUの温度上昇を抑制することができる。
【0046】また、潜熱蓄熱媒体であるマイクロエマル
ジョンMEとしては、水の中に、蓄熱材料としてアルカ
ン類材料であるオクタコサンを滴状に微細化して分散し
て作成したものを使用することにより、熱媒体として安
定な特性を有し、熱容量が増加するという利点を確保し
ながら、かつ水成分も有していることより熱輸送性も確
保でき、その結果、熱媒体ポンプPMによる潜熱搬送が
可能となる。
【0047】そして、水成分を連続相とし、潜熱蓄熱材
料を分散相とすることにより、発熱体CPUの温度が低
く、マイクロエマルジョンMEの温度が潜熱蓄熱材料の
融点Tmよりも低い場合においても、潜熱蓄熱材料オク
タコサンのみが固相となり、0℃以上である限り、水成
分が固相となることがない。
【0048】従って、潜熱蓄熱媒体マイクロエマルジョ
ンMEの温度が潜熱蓄熱材料の融点Tmよりも低い場合
においても、マイクロエマルジョンMEとしての流動性
は確保できるために、吸熱用熱交換器HEX1、放熱用
熱交換器HEX2、熱媒体ポンプPM、及びそれぞれを
連通する配管内部TBにおいて自然対流による熱移動が
可能となる。
【0049】更に、貯留容器TKを設置することによ
り、潜熱蓄熱媒体マイクロエマルジョンMEの温度変化
による体積変化が生じた場合においても、貯留容器TK
の内容積により、潜熱蓄熱媒体マイクロエマルジョンM
Eの体積変化を吸収することができる。
【0050】かつ、潜熱蓄熱材料であるアルカン類材料
の密度は一般に水より小さいため、貯留容器TK内部に
おいて、アルカン類材料と水成分WTが分離した場合、
貯留容器TK内の上部側にアルカン類材料が分布しやす
くなるが、貯留容器TKの底部から内側上部へ所定長さ
Lの接続配管TB2を突出させることにより、水成分W
Tのみが流出することなく、潜熱蓄熱材料であるアルカ
ン類材料を均一に含んだマイクロエマルジョンMEとし
て熱媒体ポンプPMへ流出させることが可能になる。
【0051】以上のように、実施の形態1の冷却装置
は、電子機器等の運転に際して、発熱体CPUの冷却に
必要なエネルギーを最小限に抑制しながら、発熱体CP
Uの温度上昇に対して冷却が必要な場合には潜熱蓄熱媒
体、及び空気Airの強制対流により放熱され、かつ発
熱体CPUの温度上昇を抑制することができる。
【0052】また、熱媒体としてマイクロエマルジョン
MEを利用することより安定な特性を有し、熱容量が増
加するという利点を確保しながら、かつ水成分も有して
いることより流動性、及び熱輸送性も確保することが可
能となる。
【0053】更に、貯留容器TKを設置することによ
り、潜熱蓄熱媒体の温度変化による体積変化が生じた場
合においても、貯留容器TKの内容積により、潜熱蓄熱
媒体の体積変化を吸収し、かつ水成分と潜熱蓄熱材料と
の混合比率が均一な状態で循環させることが可能にな
る。
【0054】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2について図面を参照しながら説明するが、実施の形
態1と同一構成部分については同一符号を付して詳細な
説明を省略する。
【0055】図3は、本発明の実施の形態2による冷却
装置内部の要部概略図を示す。
【0056】本発明の実施の形態2は、構成面では実施
の形態1で示した潜熱蓄熱媒体が水/オクタコサン系の
マイクロエマルジョンMEであるに替わって、水とアル
カン類材料をメラミン樹脂等の非水溶性の高分子膜でカ
プセル化したマイクロカプセルとの混合溶液MCとす
る。
【0057】更に、本発明の実施の形態2は、実施の形
態1で示した構成に加えて、吸熱用熱交換器HEX1の
出口配管付近に熱的に接触して吸熱用熱交換器HEX1
の温度Tpを検出する第2温度検出手段Th2を吸熱用
熱交換器HEX1の出口配管に設置し、かつ第1制御装
置Cnt1に替わって、第1温度検出手段Th1による
検出温度Tcが第1設定温度Ts1以上に達した時点で
熱媒体ポンプPMの運転を開始し、さらに第2温度検出
手段Th2による検出温度Tpが第2設定温度Ts2以
上に達した時点で送風ファンFNの運転を開始するとい
う第2制御装置Cnt2を備えている点が異なる。
【0058】ここで、第1温度検出手段Th1より発熱
体CPUの表面温度Tcを検出し、潜熱蓄熱媒体である
水/マイクロカプセル混合溶液MCの潜熱蓄熱材料であ
るオクタコサンの融点Tmが61.5℃であることよ
り、第1設定温度Ts1=70℃、第2設定温度Ts2
=80℃とし、即ち潜熱蓄熱材料の融点Tmは第1設定
温度Ts1より低く、かつ潜熱蓄熱材料の融点Tmと第
1設定温度Ts1との差は20K以内としている。
【0059】以上のように構成された実施の形態2によ
る冷却装置の動作内容について図4に示すフローチャー
トを用いて説明する。
【0060】まず、ある電子機器において発熱体CPU
の冷却装置が運転開始された後、step11にて温度
検出時間間隔INTがΔτ以上となるまで繰り返しによ
り待機し、温度検出時間間隔INTがΔτ以上になった
時点でstep12において発熱体CPUの表面温度T
c、及び吸熱用熱交換器HEX1の温度Tpを検出す
る。
【0061】そして、step13において発熱体CP
Uの表面温度Tcと第1設定温度Ts1(=70℃)と
を比較し、Tc<Ts1の場合はstep14に移行し
て、熱媒体ポンプPM:停止(OFF)、送風ファンF
N:停止(OFF)としてstep11へ戻り、逆にT
c≧Ts1の場合はstep15に移行して、熱媒体ポ
ンプPMのみ:運転(ON)、送風ファンFN:停止
(OFF)のままとする。
【0062】次に、step16において吸熱用熱交換
器HEX1の温度Tpと第2設定温度Ts2(=80
℃)とを比較し、Tp<Ts2の場合は動作としては現
状維持しながら、step11へ戻り、逆にTp≧Ts
2の場合はstep17に移行して、熱媒体ポンプP
M:運転(ON)、送風ファンFN:運転(ON)とす
る。
【0063】そして、step18において、発熱体C
PUの表面温度Tcと上限温度Ts0(例えば、Ts0
=90℃)とを比較し、Tc<Ts0の場合は動作とし
ては現状維持しながら、step11へ戻り、逆にTc
≧Ts0の場合は、運転継続は危険と判断し、step
19に移行して発熱体CPUを保護するべく電子機器の
運転を停止する。
【0064】以上の制御において、まず、発熱体CPU
による発熱の伴う電子機器等の冷却装置運転中におい
て、発熱体CPUの検出温度Tcが第1設定温度Ts1
より低い場合は、冷却の必要がないと判断し、送風ファ
ンFN、及び熱媒体ポンプPMを動作させることがな
い。
【0065】この時、発熱体CPUの発熱は吸熱用熱交
換器HEX1により潜熱蓄熱媒体である水/マイクロカ
プセル混合溶液MCへ吸熱され、冷却装置の内部全体に
充填されている水/マイクロカプセル混合溶液MCの温
度が潜熱蓄熱材料の融点Tm以下の場合、水/マイクロ
カプセル混合溶液MCは固相の状態で温度上昇してい
き、潜熱蓄熱材料の融点Tmに達すると、温度一定のま
ま固相から液相へと相変化が生じて潜熱蓄熱材料の保有
量に応じた潜熱量が水/マイクロカプセル混合溶液MC
に蓄熱される。
【0066】即ち、発熱体CPUの発熱量が水/マイク
ロカプセル混合溶液MCの有する最大蓄熱量以下の場合
は、熱媒体ポンプPM、及び送風ファンFNを運転する
ことなく、発熱体CPUの発熱処理を行うことができ、
省エネルギー化に寄与できる。
【0067】次に、発熱体CPUの発熱量が増加して水
/マイクロカプセル混合溶液MCの潜熱蓄熱材料が完全
に液相へと変化し、その後、液相の状態で第1設定温度
Ts1以上に達した時点で、まず熱媒体ポンプPMのみ
の運転を開始し、送風ファンFNは停止のままとする。
【0068】これにより、送風ファンFNを運転するこ
となく、熱媒体ポンプPMのみの運転により冷却装置内
部の全ての水/マイクロカプセル混合溶液MCがほぼ均
一な温度分布となり、最小電力にて潜熱蓄熱媒体の保有
し得る熱容量を有効に利用することができる。
【0069】更に、発熱体CPUの発熱量が増加して吸
熱用熱交換器HEX1の温度Tpが第2設定温度Ts2
以上に達した時点で送風ファンFNの運転を開始するこ
とにより、水/マイクロカプセル混合溶液MCが吸熱熱
交換器HEX1と放熱用熱交換器HEX2との間を循環
し、吸熱熱交換器HEX1で吸熱した熱を放熱用熱交換
器HEX2において管内/管外側強制対流熱伝達により
水/マイクロカプセル混合溶液MCから空気中へ放熱さ
れる。その結果、発熱体CPUからの発熱量増大に対し
て放熱用熱交換器HEX2からの放熱量を増大させるこ
とにより、発熱体CPUの温度上昇を抑制することがで
きる。
【0070】以上より、発熱体CPUからの発熱量増大
に対して、発熱体CPUの温度が比較的低い場合はでき
るだけ省電力にて発熱処理を行い、発熱体CPUの温度
が比較的高い場合のみ、熱媒体ポンプPM、及び送風フ
ァンFNを運転することにより、発熱体CPUの温度レ
ベルに応じた省エネルギー運転、かつ熱媒体ポンプP
M、及び送風ファンFNの長寿命化を実現できる。
【0071】また、潜熱蓄熱媒体である水/マイクロカ
プセル混合溶液MCは、水と、蓄熱材料であるアルカン
類材料をメラミン樹脂等の非水溶性の高分子膜でカプセ
ル化したマイクロカプセルとの混合溶液であることによ
り、熱媒体として安定な特性を有し、熱容量が増加する
という利点を確保しながら、かつ水成分も有しているこ
とより熱輸送性も確保でき、その結果、熱媒体ポンプP
Mによる潜熱搬送が可能となる。
【0072】なお、水/マイクロカプセル混合溶液MC
の場合、潜熱蓄熱材料であるアルカン類材料が直接、水
と接触することがないため、実施の形態2で示したマイ
クロエマルジョンの場合と比較して圧力損失が低くなる
という利点がある。
【0073】そして、水成分を連続相とし、潜熱蓄熱材
料を分散相とすることにより、発熱体CPUの温度が低
く、水/マイクロカプセル混合溶液MCの温度が潜熱蓄
熱材料の融点Tmよりも低い場合においても、潜熱蓄熱
材料オクタコサンのみが固相となり、0℃以上である限
り、水成分が固相となることがない。
【0074】従って、潜熱蓄熱媒体である水/マイクロ
カプセル混合溶液MCの温度が潜熱蓄熱材料の融点Tm
よりも低い場合においても、水/マイクロカプセル混合
溶液MCとしての流動性は確保できるために、吸熱用熱
交換器HEX1、放熱用熱交換器HEX2、熱媒体ポン
プPM、及びそれぞれを連通する配管内部TBにおいて
自然対流による熱移動が可能となる。
【0075】更に、貯留容器TKを設置することによ
り、潜熱蓄熱媒体である水/マイクロカプセル混合溶液
MCの温度変化による体積変化が生じた場合において
も、貯留容器TKの内容積により、水/マイクロカプセ
ル混合溶液MCの体積変化を吸収することができる。
【0076】かつ、潜熱蓄熱材料であるアルカン類材料
の密度は一般に水より小さいため、貯留容器TK内部に
おいて、アルカン類材料と水成分WTが分離した場合、
貯留容器TK内の上部側にアルカン類材料が分布しやす
くなるが、貯留容器TKの底部から内側上部へ所定長さ
Lの接続配管TB2を突出させることにより、水成分W
Tのみが流出することなく、潜熱蓄熱材料であるアルカ
ン類材料を均一に含んだ水/マイクロカプセル混合溶液
MCとして熱媒体ポンプPMへ流出させることが可能に
なる。
【0077】以上のように、実施の形態2の冷却装置
は、電子機器等の運転に際して、発熱体CPUの冷却に
必要なエネルギーを最小限に抑制しながら、発熱体CP
Uの温度上昇に対して熱媒体ポンプPM、及び送風ファ
ンFNを順次、運転開始することにより、発熱体CPU
の冷却が必要な場合には、潜熱蓄熱媒体の強制循環、及
び空気Airの強制対流により放熱量増大が図れ、発熱
体CPUの温度上昇を抑制することができる。
【0078】また、熱媒体として水/マイクロカプセル
混合溶液MCを利用することより熱容量が増加するとい
う利点を確保しながら、かつ水成分も有していることよ
り流動性、及び熱輸送性も確保することが可能となる。
【0079】更に、貯留容器TKを設置することによ
り、潜熱蓄熱媒体の温度変化による体積変化が生じた場
合においても、貯留容器TKの内容積により、潜熱蓄熱
媒体の体積変化を吸収し、かつ水成分と潜熱蓄熱材料と
の混合比率が均一な状態で循環させることが可能にな
る。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明は、潜熱蓄熱媒体を循環させる熱媒体循環手段と、発
熱体に対して熱的に接触して、発熱体の発生熱を潜熱蓄
熱媒体へ熱移動させる吸熱用熱交換手段と、吸熱用熱交
換手段を介して発熱体より吸熱した潜熱蓄熱媒体の熱を
空気中へ熱移動させる放熱用熱交換手段と、放熱用熱交
換手段の近傍に設置した送風手段とが設置され、熱媒体
循環手段、吸熱用熱交換手段、及び放熱用熱交換手段は
順次連通されて閉回路を形成して内部を潜熱蓄熱媒体が
循環し、また、発熱体の温度を検出する第1温度検出手
段と、検出した温度信号を処理する温度信号処理手段
と、送風手段の運転/停止を行う送風手段制御装置と、
熱媒体搬送手段の運転/停止を行う熱媒体搬送手段制御
装置と、第1温度検出手段により検出した温度が第1所
定温度以上に達した時点で熱媒体循環手段、及び送風手
段の運転を開始する第1制御装置より構成されているも
のである。
【0081】これにより、発熱体の発熱量が潜熱蓄熱媒
体の有する最大蓄熱量以下の場合は、熱媒体循環手段、
及び送風手段を運転することなく、発熱体の発熱処理を
行うことができ、省エネルギー化に寄与できる。
【0082】そして、発熱体の発熱量が増加して潜熱蓄
熱媒体が完全に液相へと変化し、その後、液相の状態で
第1所定温度以上に達した時点で熱媒体循環手段、及び
送風手段の運転を開始することにより、潜熱蓄熱媒体が
放熱用熱交換手段へ搬送され、そこで放熱用熱交換手段
を介して強制対流熱伝達により潜熱蓄熱媒体から空気中
へ放熱される。その結果、発熱体からの発熱量増大に対
して、発熱体の温度上昇を抑制することができる。
【0083】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
記載の発明に加えて、吸熱用熱交換手段の出口配管付近
に対して熱的に接触して吸熱用熱交換手段の温度を検出
する第2温度検出手段を設置し、第1制御装置に替わっ
て、第1温度検出手段による検出温度が第1所定温度以
上に達した時点で熱媒体搬送手段の運転を開始し、さら
に第2温度検出手段による検出温度が第2所定温度以上
に達した時点で送風手段の運転を開始する第2制御装置
を備えたものである。
【0084】これにより、発熱体の発熱量が増加して潜
熱蓄熱媒体が完全に液相へと変化し、その後、液相の状
態で第1所定温度以上に達した時点で熱媒体循環手段の
運転を開始することにより、送風手段を運転することな
く、熱媒体循環手段のみにより冷却装置内部の全ての潜
熱蓄熱媒体がほぼ均一な温度分布となり、最小電力にて
潜熱蓄熱媒体の保有し得る熱容量を有効に利用すること
ができる。
【0085】更に、発熱体の発熱量が増加して潜熱蓄熱
媒体の温度が第2所定温度以上に達した時点で送風手段
の運転を開始することにより、潜熱蓄熱媒体が放熱用熱
交換手段へ強制的に搬送され、そこで放熱用熱交換手段
を介して強制対流熱伝達により潜熱蓄熱媒体から空気中
へ放熱される。その結果、発熱体からの発熱量増大に対
して放熱量を増大させることにより、発熱体の温度上昇
を抑制することができる。
【0086】以上より、発熱体からの発熱量増大に対し
て、発熱体の温度が比較的低い場合はできるだけ省電力
にて発熱処理を行い、発熱体の温度が比較的高い場合の
み、熱媒体循環手段、及び送風手段を運転することによ
り、発熱体の温度レベルに応じた省エネルギー運転、か
つ熱媒体循環手段、及び送風手段の長寿命化を実現でき
る。
【0087】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2のいずれか一項に記載の発明における潜
熱蓄熱媒体として、水の中に、蓄熱材料であるアルカン
類材料を滴状に微細化して分散したマイクロエマルジョ
ン、または水と、蓄熱材料であるアルカン類材料をメラ
ミン樹脂等の非水溶性の高分子膜でカプセル化したマイ
クロカプセルとの混合溶液を用ものである。
【0088】これにより、潜熱蓄熱媒体として安定な特
性を有し、熱容量が増加するという利点を確保しなが
ら、かつ水成分も有していることより熱輸送性も確保で
き、その結果、熱媒体循環手段による搬送が可能とな
る。
【0089】また、潜熱蓄熱媒体の温度が潜熱蓄熱材料
の融点よりも低い場合においても、潜熱蓄熱媒体として
の流動性は確保できるために、吸熱用熱交換手段、放熱
用熱交換手段、熱媒体搬送手段、及びそれぞれを連通す
る配管内部において自然対流による熱移動が可能とな
る。
【0090】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の発明に加えて、上部に入口配管を設置し、底部
から内側上部へ所定長さの出口配管を突出させた、潜熱
蓄熱媒体を貯留する熱媒体貯留手段を、放熱用熱交換手
段と吸熱用熱交換手段とを連通する配管中に設置するも
のである。
【0091】これにより、潜熱蓄熱媒体の温度変化によ
る体積変化が生じた場合においても、熱媒体貯留手段の
保有する内容積により、潜熱蓄熱媒体の体積変化を吸収
することができる。
【0092】また、潜熱蓄熱材料であるアルカン類材料
の密度は一般に水より小さいため、熱媒体貯留手段内部
において、アルカン類材料と水成分が分離した場合、熱
媒体貯留手段内の上部側に分布しやすくなるが、熱媒体
貯留手段の底部から内側上部へ所定長さの配管を突出さ
せることにより、水成分のみが流出することなく、潜熱
蓄熱材料であるアルカン類材料を含んだ潜熱蓄熱媒体と
して熱媒体循環手段へ流出させることが可能になる。
【0093】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の発明に加えて、潜熱蓄熱媒体を構成する潜熱蓄
熱材料の融点は第1所定温度より低く、かつ潜熱蓄熱材
料の融点と第1所定温度との差を略20K以内とするも
のである。
【0094】これにより、発熱体の発熱量が増加した場
合において、潜熱蓄熱媒体の温度が潜熱蓄熱材料の融点
より低い時点で熱媒体循環手段のみを運転させることに
より、潜熱蓄熱媒体の温度分布を均一にしておくことが
できる。
【0095】一方、潜熱蓄熱媒体の温度が潜熱蓄熱材料
の融点より大幅に低い時点、例えば融点より略20Kを
越える低い温度レベルでは発熱体にとって支障のない程
度であり、このような僅かな温度上昇においては発熱体
を冷却する必要はない。
【0096】従って、発熱体の発熱量が増加して冷却の
必要性が発生した場合のみにおいて、熱媒体循環手段を
運転させることにより、省エネルギー化、及び熱媒体循
環手段の長寿命化を図りながら発熱体の冷却を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷却装置の実施の形態1の要部概
略図
【図2】同実施の形態の冷却装置における動作を示すフ
ローチャート
【図3】本発明による冷却装置の実施の形態2の要部概
略図
【図4】同実施の形態の冷却装置における動作を示すフ
ローチャート
【図5】従来技術の冷却装置の要部概略構成図
【符号の説明】
Air 空気 Cnt1 第1制御装置 Cnt2 第2制御装置 CPU 発熱体 FN 送風ファン FNcnt 送風ファン制御装置 HEX1 吸熱用熱交換器 HEX2 放熱用熱交換器 L 所定長さ MC 水/マイクロカプセル混合溶液 ME マイクロエマルジョン PM 熱媒体ポンプ PMcnt 熱媒体ポンプ制御装置 TB 接続配管 TB1 入口配管 TB2 出口配管 Th1 第1温度検出手段 Th2 第2温度検出手段 Thcal 温度信号処理手段 TK 貯留容器 Ts1 第1設定温度 Ts2 第2設定温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/473 C09K 5/00 L H05K 7/20 G06F 1/00 360A 360D Fターム(参考) 3L044 AA01 AA04 BA06 CA14 DB02 DC03 DD02 EA04 FA02 FA03 FA04 HA01 HA03 HA04 JA01 KA03 KA04 KA05 5E322 DB06 DB12 FA01 FA03 5F036 AA01 BB35 BB56 BF03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜熱蓄熱媒体を循環させる熱媒体循環手
    段と、集積回路部品からなる発熱体に対して熱的に接触
    して、前記発熱体における発生熱を内部に存在する前記
    潜熱蓄熱媒体へ熱移動させる吸熱用熱交換手段と、前記
    吸熱用熱交換手段を介して前記発熱体より吸熱した前記
    潜熱蓄熱媒体の熱を空気中へ熱移動させる放熱用熱交換
    手段と、前記放熱用熱交換手段の近傍に設置した送風手
    段とが設置され、前記熱媒体循環手段、前記吸熱用熱交
    換手段、及び前記放熱用熱交換手段は順次連通されて閉
    回路を形成して内部を前記潜熱蓄熱媒体が循環し、ま
    た、前記発熱体に対して熱的に接触して前記発熱体の温
    度を検出する第1温度検出手段と、検出した温度信号を
    処理する温度信号処理手段と、前記送風手段の運転/停
    止を行う送風手段制御装置と、前記熱媒体搬送手段の運
    転/停止を行う熱媒体搬送手段制御装置とからなり、前
    記第1温度検出手段により検出した温度が第1所定温度
    以上に達した時点で前記熱媒体循環手段、及び前記送風
    手段の運転を開始する第1制御装置を備えたことを特徴
    とする冷却装置。
  2. 【請求項2】 潜熱蓄熱媒体を循環させる熱媒体循環手
    段と、集積回路部品からなる発熱体に対して熱的に接触
    して、前記発熱体における発生熱を内部に存在する前記
    潜熱蓄熱媒体へ熱移動させる吸熱用熱交換手段と、前記
    吸熱用熱交換手段を介して前記発熱体より吸熱した前記
    潜熱蓄熱媒体の熱を空気中へ熱移動させる放熱用熱交換
    手段と、前記放熱用熱交換手段の近傍に設置した送風手
    段とが設置され、前記熱媒体循環手段、前記吸熱用熱交
    換手段、及び前記放熱用熱交換手段は順次連通されて閉
    回路を形成して内部を前記潜熱蓄熱媒体が循環し、ま
    た、前記発熱体に対して熱的に接触して前記発熱体の温
    度を検出する第1温度検出手段と、前記吸熱用熱交換手
    段の出口配管付近に対して熱的に接触して前記吸熱用熱
    交換手段の温度を検出する第2温度検出手段と、検出し
    た温度信号を処理する温度信号処理手段と、前記送風手
    段の運転/停止を行う送風手段制御装置と、前記熱媒体
    搬送手段の運転/停止を行う熱媒体搬送手段制御装置と
    からなり、前記第1温度検出手段による検出温度が第1
    所定温度以上に達した時点で前記熱媒体搬送手段の運転
    を開始し、さらに前記第2温度検出手段による検出温度
    が第2所定温度以上に達した時点で前記送風手段の運転
    を開始する第2制御装置を備えたことを特徴とする冷却
    装置。
  3. 【請求項3】 前記潜熱蓄熱媒体として、水の中に、蓄
    熱材料であるアルカン類材料を滴状に微細化して分散し
    たマイクロエマルジョン、または前記水と、前記蓄熱材
    料である前記アルカン類材料をメラミン樹脂等の非水溶
    性の高分子膜でカプセル化したマイクロカプセルとの混
    合溶液を用いることを特徴とする請求項1または請求項
    2のいずれか一項記載の冷却装置。
  4. 【請求項4】 上部に入口配管を設置し、底部から内側
    上部へ所定長さの出口配管を突出させた、前記潜熱蓄熱
    媒体を貯留する熱媒体貯留手段を、前記放熱用熱交換手
    段と前記吸熱用熱交換手段とを連通する配管中に設置し
    たことを特徴とする請求項3記載の冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記潜熱蓄熱媒体を構成する前記潜熱蓄
    熱材料の融点は前記第1所定温度より低く、かつ前記潜
    熱蓄熱材料の融点と前記第1所定温度との差を略20K
    以内としたことを特徴とする請求項3記載の冷却装置。
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