JP2003313499A - 親水性コーティング組成物並びにその製造方法及び使用方法 - Google Patents

親水性コーティング組成物並びにその製造方法及び使用方法

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JP2003313499A JP2002120959A JP2002120959A JP2003313499A JP 2003313499 A JP2003313499 A JP 2003313499A JP 2002120959 A JP2002120959 A JP 2002120959A JP 2002120959 A JP2002120959 A JP 2002120959A JP 2003313499 A JP2003313499 A JP 2003313499A
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憲二郎 新道
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信男 須田
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誠二 寺田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明度の高い膜が得られ、かつ、種々の材質
に対して密着力の高い膜が形成できる親水性コーティン
グ材を得る。 【解決手段】 アルコール系溶剤中にジルコニウムアル
コキシドを1〜30wt%混合した第1の液(A液)に、
アルコール系溶剤中に水を0.01〜10wt%及び沈殿
生成抑制剤である酸又はアルカリを0.01〜10wt%
混合した第2の液(B液)を滴下することで、アルコー
ル系溶剤中にジルコニウム酸化物(ジルコニア)を主成
分として含む親水性コーティング組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚機能材料等と
して使用される親水性コーティング組成物並びにその製
造方法及び使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】防汚機能材料等として使用される親水性
コーティング材の一つに酸化チタン等の光触媒コーティ
ング材があるが、光触媒コーティング膜では紫外線の照
射がなければ防汚などの機能を発揮することができな
い。これに対して、紫外線の照射がなくても防汚機能を
発揮し得る親水性コーティング材も開発されている。例
えば、特開2001−40294号公報には、ジルコニ
ル、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、ハロゲン化
ジルコニウム等のジルコニウム化合物と、ポリビニルア
ルコール等の吸水性有機ポリマーと、水、水含有有機溶
媒等の溶媒とからなるコーティング組成物が開示されて
いる。また、光触媒コーティング材として、特開200
1−89752号公報のように、酸化チタン等の光触媒
にジルコニア等を添加したコーティング組成物も知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
親水性コーティング組成物では、透明度が悪く、基材の
色彩や光の透過率を損ねるだけでなく、種々の材質の基
材に対して密着力の高い膜が形成できないという問題が
あった。また、酸化チタン等の光触媒コーティング材の
場合は、有機基材にコーティング膜を形成させたとき
に、光触媒が有機化合物を分解して基材の侵食等が発生
するおそれがあった。
【0004】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、親水性コーティングが低温で可能
であり、広範囲の材質の基材に高い密着力でコーティン
グすることができ、しかも、透明度が高いため、基材の
色彩や光の透過率を損ねることなく、基材表面の意匠性
も保持でき、紫外線の照射を要せずに基材を容易に親水
化することができる親水性コーティング組成物並びにそ
の製造方法及び使用方法を提供することにある。また、
本発明の目的は、基材を容易に親水化することで、表面
に水滴、汚れが付着するのを防止して優れた防汚機能を
発揮することができ、しかも、光触媒のような有機化合
物を分解する作用がなく、紫外線吸収剤、抗菌剤、防か
び剤等の第3成分の添加が容易で、さらに、有機基材へ
の光触媒コーティング膜作成におけるアンダーコート膜
としても利用可能な親水性コーティング組成物並びにそ
の製造方法及び使用方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の親水性コーティング組成物は、ジルコニ
ウム−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラメトキシ
ド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムイソプロポ
キシド及びジルコニウムブトキシドからなる群より選ば
れたジルコニウムアルコキシドが原料であって、アルコ
ール系溶剤中にジルコニウム酸化物(ジルコニア)を含
有させてなり、アルコール系溶剤中のジルコニウム酸化
物としてのジルコニウム原子の含有量が0.1〜10wt
%、望ましくは0.5〜7wt%、より望ましくは1〜5
wt%、さらに望ましくは2〜3wt%である構成とされて
いる。この場合、親水性コーティング組成物中のジルコ
ニウム酸化物(ジルコニア)の粒子径は、0.5〜10
0nm、望ましくは5〜50nm、より望ましくは10〜3
0nmである。
【0006】本発明の親水性コーティング組成物の製造
方法は、アルコール系溶剤中に、ジルコニウム−n−プ
ロポキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニ
ウムエトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド及びジ
ルコニウムブトキシドからなる群より選ばれたジルコニ
ウムアルコキシドを1〜30wt%、望ましくは5〜15
wt%添加した第1の液(A液)と、アルコール系溶剤中
に水を0.01〜10wt%、望ましくは0.1〜5wt%
及び沈殿生成抑制剤である酸又はアルカリを0.01〜
10wt%、望ましくは0.02〜8wt%、より望ましく
は0.05〜5wt%添加した第2の液(B液)とを混合
し、アルコール系溶剤中にジルコニウム酸化物(ジルコ
ニア)を主成分として含む親水性コーティング組成物を
得ることを特徴としている。
【0007】また、本発明の親水性コーティング組成物
の製造方法は、アルコール系溶剤中に、ジルコニウム−
n−プロポキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジ
ルコニウムエトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド
及びジルコニウムブトキシドからなる群より選ばれたジ
ルコニウムアルコキシドを1〜30wt%、望ましくは5
〜15wt%混合した第1の液(A液)に、アルコール系
溶剤中に水を0.01〜10wt%、望ましくは0.1〜
5wt%及び沈殿生成抑制剤である酸又はアルカリを0.
01〜10wt%、望ましくは0.02〜8wt%、より望
ましくは0.05〜5wt%混合した第2の液(B液)を
滴下することで、アルコール系溶剤中にジルコニウム酸
化物(ジルコニア)を主成分として含む親水性コーティ
ング組成物を得ることを特徴としている。
【0008】本発明の親水性コーティング組成物及びそ
の製造方法で使用するアルコール系溶剤としては、Cn
2n+1OHの構造式で表されるアルコール、例えば、メ
タノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピ
ルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソ
ブチルアルコール、ter−ブチルアルコール、1−ペ
ンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール等が
単独で又は複数組み合わせて用いられる。沈殿生成抑制
剤としては、塩酸、硝酸、硫酸、シュウ酸、酢酸などの
酸性物質が単独で又は複数組み合わせて用いられる。沈
殿生成抑制剤としてアルカリを用いる場合は、アンモニ
ア、アミン化合物などが単独で又は複数組み合わせて用
いられる。沈殿生成抑制剤である酸又はアルカリは、組
成物中に0.0003〜0.3wt%、望ましくは0.0
03〜0.3wt%、さらに望ましくは0.005〜0.
1wt%含まれるようにする。
【0009】本発明の組成物及びその製造方法において
は、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、ベンゼン、キシ
レン、トルエン等の芳香族化合物のいずれか又はこれら
を複数組み合わせた溶剤を添加して含有させることがで
きる。また、組成物の粘度が、例えば、10cp以下であ
る場合に、ヒドロキシプロピルセルロース等の増粘剤で
あるセルロース化合物や、アセチルアセトン等の10cp
より大きい粘度を持つ有機物を添加することもある。
【0010】また、本発明の組成物及びその製造方法に
おいては、Si、Al、Ti、Mn、Fe、Cu、Z
n、Y、Nb、Mo、Ag、Snなどの元素のハロゲン
化物、硝酸塩などの無機塩類や、アルコキシドなどの有
機金属化合物などを、前記元素の原子量としてジルコニ
ウム原子に対して0.01〜5wt%、望ましくは0.0
2〜1wt%、より望ましくは0.03〜0.5wt%添加
することも可能である。また、帯電防止剤として、ポリ
(オキシエチレン)アルキルアミン等の非イオン系、ア
ルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート等
のアニオン系、第4級アンモニウムクロライド等のカチ
オン系、アルキルベタイン型等の両性系などのいずれか
又はこれらを複数組み合わせた物質を添加して含有させ
ることも可能である。
【0011】また、フェニルサリシレート等のサリチル
酸系、2,4−ジヒドロベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジ
フェニルアクリレート等の紫外線吸収剤などのいずれか
又はこれらを複数組み合わせた物質を添加して含有させ
ることも可能である。また、細菌、バクテリア、かび等
の増殖抑制機能向上を目的として、ヨードプロパギル誘
導体、チオシアナト化合物、イソチアゾリン誘導体等の
有機系、ゼオライト、シリカゲル、燐酸カルシウム、燐
酸ジルコニウム等の無機系、キトサン等の天然材などの
いずれか又はこれらを複数組み合わせた物質を添加して
含有させることも可能である。
【0012】本発明の親水性コーティング組成物の使用
方法は、チタン、アルミニウム、ステンレス、鉄、銅な
どの金属もしくはこれらの金属の複合材からなる部材
(例えば、金属板)の表面、アクリル、ウレタン、エポ
キシ、フッ素などの有機系塗膜もしくはこれらを複合し
た有機系塗膜の表面、アクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などの樹脂
もしくはこれらを複合した樹脂の表面、又はガラス、タ
イル、石膏、セメント、コンクリートなどからなる部材
もしくはこれらを複合した部材の表面に、親水性コーテ
ィング組成物によるコーティング膜を形成させることを
特徴としている。すなわち、本発明の親水性コーティン
グ組成物は、広範囲の材質の基材にコーティングが可能
である。
【0013】また、本発明の使用方法は、親水性コーテ
ィング組成物を、スプレー法、刷毛塗り、ローラー塗
り、ディップ法、スピンコーター法、バーコーター法な
どのいずれか又はこれらを複数組み合わせた方法により
基材表面に固定化した後、50〜200℃、望ましくは
90〜140℃にて乾燥させることを特徴としている。
すなわち、本発明の親水性コーティング組成物は、各基
材に適した塗布方法を採用することができ、しかも、低
温でコーティングが可能である。
【0014】本発明の使用方法としては、親水性コーテ
ィング組成物によるコーティング膜を基材表面に形成さ
せ、基材表面の汚れ付着を低減することができる。すな
わち、本発明によるコーティング膜は親水性機能を有す
るので、防汚などの目的で使用することができる。ま
た、本発明の使用方法としては、親水性コーティング組
成物によるコーティング膜を下塗り層として基材表面に
形成させた後、該コーティング膜の表面に上塗り層とし
て光触媒コーティング膜を形成させることができる。す
なわち、本発明の親水性コーティング組成物は、有機基
材へ光触媒を塗布する際のアンダーコート剤としても使
用可能であり、この場合は、親水性コーティング膜の上
に光触媒コーティング膜を施すことで、有機基材を光触
媒機能の影響による劣化から保護することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。まず、親水性コーティング組成物の製造
方法について述べる。 (1)容器1で、Cn2n+1OHの構造式で表されるア
ルコール溶剤の中に、ジルコニウムアルコキシドを1〜
30wt%混合させ、十分に攪拌する(図1参照)。ここ
で調製した液を、以後、A液と称する。ジルコニウムア
ルコキシドとしては、例えば、ジルコニウム−n−プロ
ポキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウ
ムエトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコ
ニウムブトキシドなどが挙げられる。また、アルコール
溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、イソ
ブチルアルコール、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ter−
ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノー
ル、3−ペンタノールなどが挙げられる。またここで、
コーティング材を塗布する際の粘性や膜厚を大きくする
ために、0.01〜3wt%のヒドロキシプロピルセルロ
ース等の増粘剤や、0.01〜3wt%のアセチルアセト
ン等の有機物を添加することもある。
【0016】(2)別の容器2で、アルコール溶剤の中
に、加水分解に必要な水を0.01〜10wt%混合さ
せ、さらに沈殿生成抑制剤である酸又はアルカリを0.
01〜10wt%混合させ、十分に攪拌する(図2参
照)。ここで調製した液を、以後、B液と称する。アル
コール溶剤としては、上述したようなアルコールが挙げ
られるが、必ずしもA液と同じ溶剤とする必要はない。
また、沈殿生成抑制剤としては、塩酸、硝酸、硫酸、シ
ュウ酸、酢酸などの酸性物質、又はアンモニア、アミン
化合物などのアルカリ物質が用いられ、沈殿が生成する
pHの範囲よりも酸性側又はアルカリ性側に液のpHを調整
する。またここで、コーティング材を塗布する際の粘性
や膜厚を大きくするために、0.01〜3wt%のヒドロ
キシプロピルセルロース等の増粘剤や、0.01〜3wt
%のアセチルアセトン等の有機物を添加することもあ
る。
【0017】(3)容器1内の溶液(A液)中に、例え
ば、定量送液ポンプ3を用いて容器2の溶液(B液)を
滴下し、容器1内で加水分解反応を発生させてジルコニ
ウム酸化物(ジルコニア)を得る(図3参照)。この場
合、ジルコニアの粒子径は、例えば、0.5〜100nm
である。
【0018】(4)容器1内の溶液(A液)中に容器2
の溶液(B液)を滴下し終わった後、容器1内で得られ
た親水性コーティング組成物を密閉容器4に移し替えて
保管する。このとき溶液中には、加水分解反応により生
成した微細なジルコニウム酸化物(ジルコニア)、反応
の過程で生じる水酸化ジルコニウム、及び少量の未反応
のジルコニウムアルコキシドが共存する。また、この状
態でコーティング液内での過剰反応を抑えるために、ア
ルコール溶剤(容器5)を添加する場合もある(図4参
照)。アルコール溶剤としては、上述したようなアルコ
ールが挙げられるが、必ずしもA液又はB液と同じ溶剤
とする必要はない。
【0019】なお、上述のようにして得られる親水性コ
ーティング組成物には、他の種々の成分を含有させるこ
とが可能である。例えば、酢酸エチルなどのエステル系
溶剤、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族化合物
のいずれか又はこれらを複数組み合わせた溶剤を添加す
ることが可能である。また、Si、Al、Ti、Mn、
Fe、Cu、Zn、Y、Nb、Mo、Ag、Snなどの
元素のハロゲン化物、硝酸塩などの無機塩類や、アルコ
キシドなどの有機金属化合物などを添加することも可能
である。また、帯電防止剤として、ポリ(オキシエチレ
ン)アルキルアミン等の非イオン系、アルキルスルホネ
ート、アルキルベンゼンスルホネート等のアニオン系、
第4級アンモニウムクロライド等のカチオン系、アルキ
ルベタイン型等の両性系などのいずれか又はこれらを複
数組み合わせた物質を添加することも可能である。ま
た、フェニルサリシレート等のサリチル酸系、2,4−
ジヒドロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−エ
チルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリ
レート等の紫外線吸収剤などのいずれか又はこれらを複
数組み合わせた物質を添加することも可能である。ま
た、細菌、バクテリア、かび等の増殖抑制機能向上を目
的として、ヨードプロパギル誘導体、チオシアナト化合
物、イソチアゾリン誘導体等の有機系、ゼオライト、シ
リカゲル、燐酸カルシウム、燐酸ジルコニウム等の無機
系、キトサン等の天然材などのいずれか又はこれらを複
数組み合わせた物質を添加することも可能である。これ
らの成分は、組成物の製造過程でA液又は/及びB液に
添加するか、又は得られた組成物に添加する。
【0020】生成した親水性コーティング材は、スプレ
ー法、ディップ法、ハケ塗り法、ローラー塗り、スピン
コーター法、バーコーター法など、各基材に適した塗布
方法にて基材上に塗布することができる。塗布可能な基
材の材質は広範囲であり、例えば、チタン、アルミニウ
ム、ステンレス、鉄、銅などの金属もしくはこれらの金
属の複合材、アクリル、ウレタン、エポキシ、フッ素な
どの有機系塗膜もしくはこれらを複合した有機系塗膜、
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリオレフィン樹脂などの樹脂もしくはこれらを複
合した樹脂、ガラス、タイル、石膏、セメント、コンク
リート等もしくはこれらを複合した材料などが挙げられ
る。
【0021】基材に親水性コーティング材を塗布した後
は、アルコール系溶剤が揮発する温度で乾燥させる。例
えば、溶剤がイソプロピルアルコールやイソブチルアル
コールの場合は、それぞれ常圧での沸点である82.4
0℃、107.9℃以上の温度で30秒以上乾燥させ
る。このようにしてできたコーティング膜は親水性機能
を有し、防汚などの目的で使用することができる。ま
た、この親水性コーティング材は、有機基材へ光触媒を
塗布する際のアンダーコート剤としても使用可能であ
り、この場合は、親水性コーティング膜の上に光触媒コ
ーティング膜を施すことで、有機基材を光触媒機能の影
響による劣化から保護することができる。
【0022】
【実施例】実施例として、親水性コーティング組成物の
作成方法の一例を示す。 実施例1 イソプロピルアルコールの中にジルコニウム−n−プロ
ポキシドを11.7wt%混合させ、十分に攪拌した。こ
こで調製した液を、以後、A液と称する。別の容器で、
イソプロピルアルコールの中に水を0.5wt%、沈殿生
成抑制剤として2N塩酸を1.1wt%混合させ、十分に
攪拌した。ここで調製した液を、以後、B液と称する。
A液の中にB液をゆっくり滴下し、加水分解反応を緩や
かに発生させて微細なジルコニウム酸化物(ジルコニ
ア)を生成させた。滴下終了後、得られた組成物を密閉
容器に移し替えた。この際、コーティング液内での過剰
反応を抑えるためにイソプロピルアルコールを添加し
た。
【0023】実施例2 イソプロピルアルコールの中にジルコニウム−n−プロ
ポキシドを11.7wt%混合させ、十分に攪拌した(図
1参照)。ここで調製した液を、以後、A液と称する。
またここで、コーティング材を塗布する際の粘性や膜厚
を大きくするために、0.5wt%のヒドロキシプロピル
セルロースを添加した。別の容器で、イソプロピルアル
コールの中に水を0.5wt%、沈殿生成抑制剤として2
N塩酸を1.1wt%混合させ、十分に攪拌した(図2参
照)。ここで調製した液を、以後、B液と称する。また
ここで、コーティング材を塗布する際の粘性や膜厚を大
きくするために、0.5wt%のヒドロキシプロピルセル
ロースを添加した。A液の中にB液をゆっくり滴下し、
加水分解反応を緩やかに発生させて微細なジルコニウム
酸化物(ジルコニア)を生成させた(図3参照)。滴下
終了後、得られた組成物を密閉容器に移し替えた。この
際、コーティング液内での過剰反応を抑えるためにイソ
プロピルアルコールを添加した(図4参照)。
【0024】実施例3 イソブチルアルコールの中にジルコニウムテトラメトキ
シドを13.8wt%混合させ、十分に攪拌した(A
液)。またここで、コーティング材を塗布する際の粘性
や膜厚を大きくするために、0.5wt%のアセチルアセ
トンを添加した。別の容器で、イソブチルアルコールの
中に水を0.5wt%、沈殿生成抑制剤としてアンモニア
を0.5wt%混合させ、十分に攪拌した(B液)。また
ここで、コーティング材を塗布する際の粘性や膜厚を大
きくするために、0.5wt%のアセチルアセトンを添加
した。A液の中にB液をゆっくり滴下し、加水分解反応
を緩やかに発生させて微細なジルコニウム酸化物(ジル
コニア)を生成させた。滴下終了後、得られた組成物を
密閉容器に移し替えた。この際、コーティング液内での
過剰反応を抑えるためにイソブチルアルコールを添加し
た。
【0025】実施例4 イソプロピルアルコールの中にジルコニウムエトキシド
を10.2wt%混合させ、十分に攪拌した(A液)。別
の容器で、イソプロピルアルコールの中に水を0.5wt
%、沈殿生成抑制剤として2N塩酸を1.1wt%、さら
に少量の酢酸エチルを混合させ、十分に攪拌した(B
液)。A液の中にB液をゆっくり滴下し、加水分解反応
を緩やかに発生させて微細なジルコニウム酸化物(ジル
コニア)を生成させた。滴下終了後、得られた組成物を
密閉容器に移し替えた。この際、コーティング液内での
過剰反応を抑えるためにイソブチルアルコールを添加し
た。
【0026】実施例5 イソブチルアルコールの中にジルコニウムイソプロポキ
シドを12.3wt%混合させ、十分に攪拌した(A
液)。別の容器で、イソプロピルアルコールの中に水を
0.5wt%、沈殿生成抑制剤として2N塩酸を1.1wt
%、さらに少量のポリ(オキシエチレン)アルキルアミ
ン(帯電防止剤)を混合させ、十分に攪拌した(B
液)。A液の中にB液をゆっくり滴下し、加水分解反応
を緩やかに発生させて微細なジルコニウム酸化物(ジル
コニア)を生成させた。滴下終了後、得られた組成物を
密閉容器に移し替えた。この際、コーティング液内での
過剰反応を抑えるためにイソプロピルアルコールを添加
した。
【0027】実施例6 イソプロピルアルコールの中にジルコニウムブトキシド
を13.1wt%混合させ、十分に攪拌した(A液)。別
の容器で、イソブチルアルコールの中に水を0.5wt
%、沈殿生成抑制剤として2N塩酸を1.1wt%、さら
に少量の2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジ
フェニルアクリレート(紫外線吸収剤)、少量のヨード
プロパギル誘導体(抗菌・防かび剤)を混合させ、十分
に攪拌した(B液)。A液の中にB液をゆっくり滴下
し、加水分解反応を緩やかに発生させて微細なジルコニ
ウム酸化物(ジルコニア)を生成させた。滴下終了後、
得られた組成物を密閉容器に移し替えた。この際、コー
ティング液内での過剰反応を抑えるためにイソプロピル
アルコールを添加した。
【0028】つぎに、実施例2で作成した親水性コーテ
ィング組成物を用いて、これをアクリル基板及びポリカ
ーボネート基板に塗布したときの光沢値、色彩値、Ha
ze値を測定した結果を表1に示す。塗布条件は、ディ
ップ法により引き上げ速度を20cm/minとして行っ
た。塗布後の乾燥は、ドライヤーにより90℃にて1分
間実施した。なお、比較のため、親水性コーティングを
施さないアクリル基板及びポリカーボネート基板につい
ても光沢値、色彩値、Haze値を測定している。
【0029】
【表1】
【0030】光沢値は、JIS K5400に準拠する
スガ試験器HG−268を使用して、20゜、60゜、
80゜の光沢を測定した。色彩値は、JIS Z872
2に準拠するミノルタ製CR−300にて、明度を表す
*、色度を示すa*、b*を測定した。Haze値は、
JIS K7105に準拠する日本電色工業製NDH−
2000にて、濁度を測定した。
【0031】表1の結果からわかるように、アクリル基
板及びポリカーボネート基板ともに、親水性コーティン
グ処理を施しても、ほとんど無処理の基板と変わらない
光沢値、色彩値及びHaze値を示している。また、親
水性コーティング処理した基板では、5Hの鉛筆硬度を
有しており、十分な硬度(硬さ)を示している。さら
に、親水性コーティング処理した基板では、粘着性テー
プの貼付・剥脱による碁盤目試験でもコーティング層の
剥離はみられず、十分な密着性が確認された。そして、
親水性コーティング処理した基板では、親水コート処理
によって表面が親水化されたことが確認されている。な
お、親水性の評価については、試験片を水平にしたの
ち、水10mlをスプレーにて噴霧し、試験片全面にわた
り、水が広がり、水滴がない場合のみを親水性発現と評
価した。
【0032】また、実施例2で作成した親水性コーティ
ング組成物を用いて、旧土木研究所において提案されて
いる防汚評価試験(一般用)にて試験片の防汚性能を評
価した。試験片としては、アルミニウム基板に親水性コ
ーティング処理を施したものを使用した。塗布条件は、
ディップ法により引き上げ速度を40cm/minとして行
った。塗布後の乾燥は、ドライヤーにより90℃にて1
分間実施した。試験で用いる模擬汚れとしては、カーボ
ンブラック(FW−200)を脱イオン水に5wt%分散
させたものを使用した。模擬汚れとなるカーボンブラッ
クの懸濁溶液は、エアスプレーにより試験片の表面に均
一に塗布した。この試験片を60℃にて1時間乾燥させ
た後、室温まで放冷した。模擬汚れが付着した試験片
は、流水下にて汚れが落ちなくなるまで、縦、横、縦の
順にそれぞれガーゼを取り替えて洗浄した。洗浄後の試
験片は水分を拭き取った後、室温で3時間乾燥させた。
試験前後の汚れの程度を表す尺度として明度差(Δ
*)を使用し、防汚性能を評価した。その結果、試験
前の試験片のL*は88.71、試験後の試験片のL*
86.81で、ΔL*=86.81−88.71=−
1.90であり、十分な防汚性能があることが確認でき
た。
【0033】さらに、実施例2で作成した親水性コーテ
ィング組成物を用いて、光触媒の下塗り材としての性能
を評価した。アクリル板(10cm角)を基材として、親
水性コーティング組成物を下塗りし、上塗りに光触媒で
ある酸化チタンコーティング材(NS300C、日本曹
達製)を10mg塗布したものと、酸化チタンコーティン
グ材のみを同量塗布したものとで、促進耐候性をメタリ
ングウエザーメータで比較した。なお、下塗り材である
親水性コーティング組成物及び光触媒コーティング材の
塗布条件は、ディップ法により引き上げ速度を20cm/
minとして行った。塗布後の乾燥は、ドライヤーにより
90℃にて1分間実施した。メタリングウエザーメータ
においては、A条件(紫外線強度0.75kW/m2、湿度
50%RH、温度63℃(ブラックパネル))、B条件
(紫外線強度0.75kW/m2、水噴霧量200cc/分、
湿度95%RH、温度38℃(乾球))の2つの条件で
試験を行い、A条件を48分の後にB条件を12分とす
るサイクルを1サイクルとして、このサイクルを50回
繰り返して試験を実施した。その結果、親水性コーティ
ング組成物を下塗りした基材では剥離がみられなかった
のに対し、光触媒のみを塗布した基材では剥離がみられ
た。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 本発明の親水性コーティング組成物は、広範囲
の材質の基材に高い密着力でコーティングすることがで
き、しかも、透明度が高いため、基材の色彩や光の透過
率を損ねることなく、基材表面の意匠性も保持でき、基
材を容易に親水化することができる。また、親水性コー
ティングが低温で可能である。 (2) 親水性コーティング材の一つに光触媒コーティ
ング材があるが、光触媒コーティング膜では紫外線の照
射を必要とするのに対し、本発明の組成物に基づいて作
成したコーティング膜では特に紫外線の照射を必要とし
ない。 (3) 光触媒のような有機化合物を分解する作用が無
いため、紫外線吸収剤、抗菌剤、防かび剤、帯電防止剤
等の第3成分の添加が容易である。 (4) 本発明の組成物に基づいて作成したコーティン
グ膜により基材が親水化されると水滴、汚れが付着しに
くくなるため、優れた防汚機能が発揮される。 (5) 本発明の組成物に基づいて作成したコーティン
グ膜は、無機膜であって、かおかつ、有機化合物を分解
する作用が無いため、有機基材への光触媒コーティング
膜作成におけるアンダーコート膜としても利用すること
ができ、有機基材を光触媒機能の影響による劣化から保
護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態及び実施例におけるA液の
調製過程を示す概略説明図である。
【図2】本発明の実施の形態及び実施例におけるB液の
調製過程を示す概略説明図である。
【図3】本発明の実施の形態及び実施例において、A液
にB液を滴下する過程を示す概略説明図である。
【図4】本発明の実施の形態及び実施例において、得ら
れた親水性コーティング組成物を密閉容器に移し替える
過程を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1、2、5 容器 3 定量送液ポンプ 4 密閉容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 明宏 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 新道 憲二郎 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 井村 達哉 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 須田 信男 東京都港区浜松町2丁目4番1号 川崎重 工業株式会社東京本社内 (72)発明者 寺田 誠二 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 荒西 義人 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 Fターム(参考) 4J038 BA022 DM001 HA106 HA23 HA246 HA306 JA03 JA17 JA55 JB01 JC38 KA06 NA05 NA06 NA20 PC02 PC03 PC04 PC08

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウム−n−プロポキシド、ジル
    コニウムテトラメトキシド、ジルコニウムエトキシド、
    ジルコニウムイソプロポキシド及びジルコニウムブトキ
    シドからなる群より選ばれたジルコニウムアルコキシド
    が原料であって、アルコール系溶剤中にジルコニウム酸
    化物を含有させてなり、アルコール系溶剤中のジルコニ
    ウム酸化物としてのジルコニウム原子の含有量が0.1
    〜10wt%であることを特徴とする親水性コーティング
    組成物。
  2. 【請求項2】 ジルコニウム酸化物の粒子径が0.5〜
    100nmである請求項1記載の親水性コーティング組成
    物。
  3. 【請求項3】 アルコール系溶剤がCn2n+1OHの構
    造式で表されるアルコールであって、メタノール、エタ
    ノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、
    1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコー
    ル、ter−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2
    −ペンタノール及び3−ペンタノールの少なくともいず
    れかである請求項1又は2記載の親水性コーティング組
    成物。
  4. 【請求項4】 エステル系溶剤及び芳香族化合物の少な
    くともいずれかをアルコール系溶剤に含有させた請求項
    1、2又は3記載の親水性コーティング組成物。
  5. 【請求項5】 塩酸、硝酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸の
    少なくともいずれかの酸性物質を0.0003〜0.3
    wt%含有させた請求項1〜4のいずれかに記載の親水性
    コーティング組成物。
  6. 【請求項6】 アンモニア及びアミン化合物の少なくと
    もいずれかのアルカリ性物質を0.0003〜0.3wt
    %含有させた請求項1〜4のいずれかに記載の親水性コ
    ーティング組成物。
  7. 【請求項7】 増粘剤であるセルロース化合物及び粘度
    の大きい有機物の少なくともいずれかを含有させた請求
    項1〜6のいずれかに記載の親水性コーティング組成
    物。
  8. 【請求項8】 Si、Al、Ti、Mn、Fe、Cu、
    Zn、Y、Nb、Mo、Ag及びSnの少なくともいず
    れかの元素のハロゲン化物、無機塩類又は/及び有機金
    属化合物を、前記元素の原子量としてジルコニウム原子
    に対して0.01〜5wt%含有させた請求項1〜7のい
    ずれかに記載の親水性コーティング組成物。
  9. 【請求項9】 非イオン系のポリ(オキシエチレン)ア
    ルキルアミン、アニオン系のアルキルスルホネート、ア
    ルキルベンゼンスルホネート、カチオン系の第4級アン
    モニウムクロライド及び両性系のアルキルベタイン型の
    少なくともいずれかの帯電防止剤を含有させた請求項1
    〜8のいずれかに記載の親水性コーティング組成物。
  10. 【請求項10】 サリチル酸系のフェニルサリシレー
    ト、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロベンゾフェノ
    ン、及び2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジ
    フェニルアクリレートの少なくともいずれかの紫外線吸
    収剤を含有させた請求項1〜9のいずれかに記載の親水
    性コーティング組成物。
  11. 【請求項11】 細菌、バクテリア、かび等の増殖抑制
    機能向上を目的として、有機系のヨードプロパギル誘導
    体、チオシアナト化合物及びイソチアゾリン誘導体、無
    機系のゼオライト、シリカゲル、燐酸カルシウム及び燐
    酸ジルコニウム、並びに天然材であるキトサンの少なく
    ともいずれかを含有させた請求項1〜10のいずれかに
    記載の親水性コーティング組成物。
  12. 【請求項12】 アルコール系溶剤中に、ジルコニウム
    −n−プロポキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、
    ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムイソプロポキシ
    ド及びジルコニウムブトキシドからなる群より選ばれた
    ジルコニウムアルコキシドを1〜30wt%添加した第1
    の液と、アルコール系溶剤中に水を0.01〜10wt%
    及び沈殿生成抑制剤である酸又はアルカリを0.01〜
    10wt%添加した第2の液とを混合し、アルコール系溶
    剤中にジルコニウム酸化物を主成分として含む親水性コ
    ーティング組成物を得ることを特徴とする親水性コーテ
    ィング組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 アルコール系溶剤中に、ジルコニウム
    −n−プロポキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、
    ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムイソプロポキシ
    ド及びジルコニウムブトキシドからなる群より選ばれた
    ジルコニウムアルコキシドを1〜30wt%混合した第1
    の液に、アルコール系溶剤中に水を0.01〜10wt%
    及び沈殿生成抑制剤である酸又はアルカリを0.01〜
    10wt%混合した第2の液を滴下することで、アルコー
    ル系溶剤中にジルコニウム酸化物を主成分として含む親
    水性コーティング組成物を得ることを特徴とする親水性
    コーティング組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 アルコール系溶剤として、メタノー
    ル、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアル
    コール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチル
    アルコール、ter−ブチルアルコール、1−ペンタノ
    ール、2−ペンタノール及び3−ペンタノールの少なく
    ともいずれかのCn2n+1OHの構造式で表されるアル
    コールを用いる請求項12又は13記載の親水性コーテ
    ィング組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 沈殿生成抑制剤である酸として、塩
    酸、硝酸、硫酸、シュウ酸及び酢酸の少なくともいずれ
    かを用いる請求項12、13又は14記載の親水性コー
    ティング組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 沈殿生成抑制剤であるアルカリとし
    て、アンモニア及びアミン化合物の少なくともいずれか
    を用いる請求項12、13又は14記載の親水性コーテ
    ィング組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】 エステル系溶剤及び芳香族化合物の少
    なくともいずれかを第1の液又は/及び第2の液に添加
    する請求項12〜16のいずれかに記載の親水性コーテ
    ィング組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】 増粘剤であるセルロース化合物及び粘
    度の大きい有機物の少なくともいずれかを第1の液又は
    /及び第2の液に添加する請求項12〜17のいずれか
    に記載の親水性コーティング組成物の製造方法。
  19. 【請求項19】 Si、Al、Ti、Mn、Fe、C
    u、Zn、Y、Nb、Mo、Ag及びSnの少なくとも
    いずれかの元素のハロゲン化物、無機塩類又は/及び有
    機金属化合物を第1の液又は/及び第2の液に添加する
    請求項12〜18のいずれかに記載の親水性コーティン
    グ組成物の製造方法。
  20. 【請求項20】 非イオン系のポリ(オキシエチレン)
    アルキルアミン、アニオン系のアルキルスルホネート、
    アルキルベンゼンスルホネート、カチオン系の第4級ア
    ンモニウムクロライド及び両性系のアルキルベタイン型
    の少なくともいずれかの帯電防止剤を第1の液又は/及
    び第2の液に添加する請求項12〜19のいずれかに記
    載の親水性コーティング組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】 サリチル酸系のフェニルサリシレー
    ト、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロベンゾフェノ
    ン、及び2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジ
    フェニルアクリレートの少なくともいずれかの紫外線吸
    収剤を第1の液又は/及び第2の液に添加する請求項1
    2〜20のいずれかに記載の親水性コーティング組成物
    の製造方法。
  22. 【請求項22】 細菌、バクテリア、かび等の増殖抑制
    機能向上を目的として、有機系のヨードプロパギル誘導
    体、チオシアナト化合物及びイソチアゾリン誘導体、無
    機系のゼオライト、シリカゲル、燐酸カルシウム及び燐
    酸ジルコニウム、並びに天然材であるキトサンの少なく
    ともいずれかを第1の液又は/及び第2の液に添加する
    請求項12〜21のいずれかに記載の親水性コーティン
    グ組成物の製造方法。
  23. 【請求項23】 チタン、アルミニウム、ステンレス、
    鉄及び銅のいずれかの金属もしくはこれらの金属の複合
    材からなる部材の表面、アクリル、ウレタン、エポキシ
    及びフッ素のいずれかの有機系塗膜もしくはこれらを複
    合した有機系塗膜の表面、アクリル樹脂、ポリカーボネ
    ート樹脂、塩化ビニル樹脂及びポリオレフィン樹脂のい
    ずれかの樹脂もしくはこれらを複合した樹脂の表面、又
    はガラス、タイル、石膏、セメント及びコンクリートの
    いずれかからなる部材もしくはこれらを複合した部材の
    表面に、請求項1〜11のいずれかに記載の親水性コー
    ティング組成物によるコーティング膜を形成させること
    を特徴とする親水性コーティング組成物の使用方法。
  24. 【請求項24】 請求項1〜11のいずれかに記載の親
    水性コーティング組成物を、スプレー法、刷毛塗り、ロ
    ーラー塗り、ディップ法、スピンコーター法及びバーコ
    ーター法のいずれか又はこれらを複数組み合わせた方法
    により基材表面に固定化した後、50〜200℃にて乾
    燥させることを特徴とする親水性コーティング組成物の
    使用方法。
  25. 【請求項25】 請求項1〜11のいずれかに記載の親
    水性コーティング組成物によるコーティング膜を基材表
    面に形成させ、基材表面の汚れ付着を低減する請求項2
    3又は24記載の親水性コーティング組成物の使用方
    法。
  26. 【請求項26】 請求項1〜11のいずれかに記載の親
    水性コーティング組成物によるコーティング膜を下塗り
    層として基材表面に形成させた後、該コーティング膜の
    表面に上塗り層として光触媒コーティング膜を形成させ
    る請求項23又は24記載の親水性コーティング組成物
    の使用方法。
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