JP2003309068A - 半導体膜の形成方法および半導体膜、並びに半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体膜の形成方法および半導体膜、並びに半導体装置の製造方法および半導体装置

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JP2003309068A
JP2003309068A JP2002111298A JP2002111298A JP2003309068A JP 2003309068 A JP2003309068 A JP 2003309068A JP 2002111298 A JP2002111298 A JP 2002111298A JP 2002111298 A JP2002111298 A JP 2002111298A JP 2003309068 A JP2003309068 A JP 2003309068A
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semiconductor film
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Keiichi Fukuyama
恵一 福山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセスが単純な結晶性半導体膜の形成方法
を提供する。 【解決手段】 結晶性半導体膜の形成方法は、半導体膜
形成工程と、加熱冷却抑制膜をキャップ領域溶融エネル
ギーがベア領域溶融エネルギーよりも大きくなるような
膜厚にて形成する加熱冷却抑制膜形成工程と、キャップ
領域溶融エネルギーよりも大きいエネルギーによって第
1レーザ光を照射する第1照射工程と、キャップ領域半
導体膜を、ベア領域半導体膜に基づいて結晶化させるキ
ャップ領域結晶化工程と、第2レーザ光をベア領域溶融
エネルギーよりも大きくキャップ領域溶融エネルギーよ
りも小さいエネルギーによって照射する第2照射工程
と、ベア領域半導体膜をキャップ領域半導体膜に基づい
て結晶化させるベア領域結晶化工程と、加熱冷却抑制膜
を半導体膜上から除去する除去工程とを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質絶縁基板上
に形成された非晶質の半導体膜を結晶化して得られる結
晶性半導体膜及びその形成方法、並びにその半導体膜を
使用した半導体装置及びその製造方法に関し、さらに詳
細には、非晶質絶縁基板上に形成された非晶質半導体膜
にレーザー光を照射することによる熱エネルギーを付与
して、非晶質半導体膜を結晶化して得られる結晶性半導
体膜及びその形成方法、並びにその半導体膜を使用した
半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質基板上あるいは非晶質絶縁膜上に
非晶質半導体薄膜を形成し、この半導体薄膜に対して局
所的に熱エネルギーを付与して溶融させ、溶融した部分
から結晶化して結晶性の半導体膜とする半導体膜の製造
方法は、既に30年近い研究の歴史がある。その中で、
熱エネルギー源としてレーザー光を非晶質半導体膜に照
射する方法は、1980年代のSOI基板を形成するた
めに研究が進められ、1990年代に入ってからは、低
温ポリシリコン技術による液晶パネルの製造方法の開発
及びその量産化に用いられており、最も実績のある方法
であるといえる。特に、ガラス基板等のように、高温プ
ロセスに耐えることができない安価な基板を用いる場合
には、極めて短時間内に熱エネルギーを付与する必要が
あり、このような熱エネルギー源としては、パルス発振
のレーザーを用いることが唯一の方法となっている。
【0003】IEEE Electron Dev.L
ett.,EDL−7,276,1986(鮫島ら、文
献1)には、大出力のエキシマレーザを、ガラス基板上
に形成された非晶質シリコン薄膜上に照射して結晶化す
る方法が開示されている。この文献1に開示された非晶
質シリコン薄膜の結晶化方法は、鮫島らによって始めら
れたものであり、この文献1の中で、非晶質シリコン薄
膜に照射されるレーザー光のエネルギー密度は、シリコ
ン薄膜の上部が部分的に溶融するような値に選択されて
いる。その後の研究により、照射されるレーザー光のエ
ネルギー密度と、形成される結晶半導体膜の結晶粒径と
の関係が詳細に検討され、レーザー光のエネルギー密度
が増加すると、これに伴って結晶粒径が増大することが
明らかにされた。
【0004】このような結晶粒径の増大については、
J.Appl.Phys.82,4086(文献2)で
詳細に検討されている。この文献2によると、特に、レ
ーザー光の照射によって非晶質半導体膜が溶融される深
さは、シリコン薄膜の膜厚と一致する直前、すなわち、
シリコン薄膜が下層の基板等に達する界面まで溶融する
直前である場合に、数ミクロンに達する巨大な結晶粒が
形成されるということが報告されている。これは、シリ
コン薄膜の下層との界面にわずかに残存する結晶粒が、
結晶固化を開始する際の結晶核となり、大粒径の結晶粒
の成長が可能となるからである。
【0005】しかし、文献2に記載された結晶化方法で
は、レーザー光のエネルギー密度が、シリコン薄膜の界
面直前まで溶融される値を超えて、シリコン薄膜の下層
に達するまで完全に溶融されると、急激な冷却過程が生
じて、ランダムな核発生が起こり、結晶粒は非常に小さ
いものとなるか、あるいは、再非晶質化が起こる。した
がって、実際上は、レーザー光の出力の揺らぎを考慮し
て、照射されるレーザー光は、完全溶融が起こるエネル
ギー密度よりわずかに小さい値のエネルギーに設定され
る。このため、このようなレーザー光の照射条件に応じ
て、得られる結晶粒の粒径も、数百nm程度になる。こ
の文献2に基づいたレーザー光の照射条件によって、現
在、低温ポリシリコン形成技術として量産が行われてい
る。この文献2の技術に基づいて製造されたTFTの典
型的なキャリアの移動度としては、nチャネル型TFT
では、150cm2/Vs、pチャネル型チャネルTF
Tで80cm2/Vsが得られている。
【0006】上記のようにパルスレーザー光の照射によ
って結晶化されたポリシリコン半導体膜を用いた半導体
装置を有する液晶パネルが実現されると、ポリシリコン
の半導体薄膜をより高性能にして、さらなる多機能な回
路素子を集積したアクティブマトリックスTFT基板を
実現するという要望が高くなっている。
【0007】このような要望に対して、レーザー光の照
射による結晶化を行う際、非晶質シリコン膜を完全に溶
融させ、尚且つ、結晶化にあたってランダム核が発生す
ることを抑制しつつ、横成長を制御することにより、単
結晶基板に匹敵するTFT特性を得る方法が報告されて
いる。
【0008】研究段階レベルでは、多種多様な方法が提
案されているが、これらは、シリコン薄膜において、完
全に溶融された領域に接するように、部分的に溶融され
た領域を存在させ、部分溶融された領域に存在する結晶
核を、完全溶融領域の溶融されたシリコン膜が結晶化を
開始する際の核とすることが、基本的な考え方として共
通する。以下、実用レベルに適用可能な方法の例とし
て、2つの方法について説明する。
【0009】第一の方法として、アスペクト比が極めて
高いレーザービームを形成し、このレーザービームが照
射される照射領域の半導体膜を完全に溶融させ、その
後、レーザービームの照射領域に隣接するレーザービー
ムが照射されない未照射領域に存在する結晶性の半導体
膜から横成長の結晶成長を誘起する方法が、Appl.
Phys.Lett 691(19),4 Novem
ber 1996(文献3)に提案されている。この方
法では、レーザー光は、一回の溶融によって結晶が横成
長できる距離と同程度の距離だけずらした領域に走査し
ながら照射することにより、レーザー光の走査方向に沿
って一方向に成長された結晶粒が得られる。このことか
ら、この結晶化方法は、文献3を記載したJ.Imらに
よって、SLS(Sequential Latera
l Solidification)と名づけられてい
る。
【0010】この第一の方法を用いた場合には、任意の
長さの結晶粒を全面に隙間なく形成することができると
いう利点がある。
【0011】第二の方法として、非晶質シリコン薄膜上
にビーム反射膜であるアルミニウム膜をストライプ状に
形成する方法が、IEEE Elctron Devi
ceMeeting,San Frncisco(文献
4)に記載されている。
【0012】図18(a)は、文献4に記載された結晶
成長方法を示す断面図、図18(b)は、この方法によ
り得られる結晶性の半導体膜の平面図をそれぞれ示して
いる。
【0013】この文献4の方法では、図18(a)に示
すように、絶縁ガラス基板5の表面に形成されたアモル
ファスシリコン薄膜(以下「a−Si膜」ともいう)2
上の全面にわたってレーザービームを照射した場合に、
ビーム反射膜91が設けられていない領域95では、照
射されるレーザー光に対して露出された状態になってい
るために、レーザー光の照射によって非晶質シリコン膜
が完全に溶融する完全溶融領域となり、ビーム反射膜9
1が設けられている領域96では、レーザー光が照射さ
れないため、非晶質シリコン膜2が溶融しない未溶融部
となる。このような完全溶解部と未溶融部とは、ビーム
反射膜91がストライプ状に設けられていることによっ
て、互いに繰り返して隣接するように配置される。完全
溶融する領域95にて溶融されたシリコンは、溶融しな
い領域96に存在する結晶核に基づいて横方向に結晶成
長がなされ、その結果、図18(b)に示すように、溶
融領域95の未溶融領域96に接する両端側から溶融領
域95の中央部に向かって、それぞれ結晶成長がなさ
れ、略中央部でそれぞれの結晶粒がぶつかり合った形状
に結晶粒が形成される。
【0014】また、AM−LCD 2000 Dige
st,p281(文献5)には、ビーム反射膜を設ける
代わりに、シリコン薄膜に部分的に厚く形成された領域
を形成する方法が記載されている。この文献5の方法で
は、シリコン薄膜の薄く形成された部分が完全溶融部と
なり、厚く形成された部分が、部分的に溶融する部分溶
融部となる。そして、完全溶融部にて完全溶融されたシ
リコン薄膜は、部分溶融部に存在する結晶核に基づいて
横方向に結晶成長がなされる。
【0015】これら第二の方法では、シリコン薄膜上に
反射膜を所望の形状にパターニングすることにより、ま
たは、シリコン薄膜に、厚膜に形成された領域を所望の
形状にパターニングすることによって、レーザービーム
の走査方向とは関係なく、結晶粒が伸長する方向を決め
ることができ、結晶粒が伸長する方向が互いに直交した
シリコン膜を同一基板上に混在して形成することが可能
であるという利点がある。
【0016】しかし、上記の第一及び第二の方法では、
以下で述べるような問題がある。
【0017】まず、第一の方法では、一回のレーザー光
の照射によって、結晶粒が成長する横成長の長さが、
0.5〜4μmと微細になるため、この程度の長さにあ
わせた高精細なレーザー光の走査が必要になり、この結
果、結晶化のための処理時間が長くなり、また、レーザ
ー光を照射するための特殊な構造を有する装置を準備す
る必要がある。また、この第一の方法では、レーザー光
の走査方向に沿って長くなった極めて細長い結晶粒が得
られ、このような結晶粒を有する結晶性のシリコン膜に
よってTFTを構成した場合、TFTのチャネルにおい
て、キャリアが流れる方向と結晶粒が延びる方向とが一
致する場合には、キャリアの移動度が非常に高くなるも
のの、キャリアが流れる方向が結晶粒が延びる方向に直
交する場合には、キャリアが流れる方向と結晶粒が延び
る方向とが一致している場合に比較して、キャリアの移
動度は、約1/3程度に劣化することが知られている。
この方法では、レーザービームの走査方向によって、結
晶粒が伸長する方向が決まるため、高い特性が得られる
のは一方向のみで、他の方向に伸長する結晶粒を同一の
基板上に混在させることができない。したがって、この
方法では、回路素子の設計上の制約を受け好ましくな
い。
【0018】一方、第二の方法では、結晶粒の長さが、
一回の横成長距離に限られるという問題があり、さら
に、この結晶化方法では、未溶融領域に残存する結晶核
に基づいて結晶成長が開始されるため、溶融領域に隣接
して、所定間隔毎に未溶融領域を形成する必要がある。
完全溶融部において横成長した結晶粒が、未溶融部を挟
んで隣接する他の完全溶融部の結晶粒と出来るだけ近接
するように、未溶融部を微小に形成し過ぎると、完全溶
融部における結晶成長開始時に必要な未溶融部の初期核
がレーザー光照射によって消失し、ランダムな核発生に
よる微小な結晶核が形成されるおそれがあるため、未溶
融部は、ある程度の大きさに形成する必要がある。この
ため、この結晶化方法では、未溶融部を形成するために
要する面積のために素子寸法が増大するという問題があ
る。
【0019】このような問題を解決するための構成が、
特願2001−292538号に開示されている。図1
9および図20は、従来の他の結晶性半導体膜の形成方
法を説明する断面図である。
【0020】図19を参照すると、まず、ガラス基板5
上にベースコート膜6を形成する。そして、ベースコー
ト膜6の上にa−Si膜2を形成する。その後、a−S
i膜2の上に、それぞれが一定の間隔を空けてストライ
プ状に複数の反射防止膜92を形成する。次に、各反射
防止膜92の上に反射膜93を積層する。
【0021】そして、反射膜93側からa−Si膜2へ
1回目のレーザ光を照射する。反射防止膜92によって
覆われない反射防止膜92の間のベア領域a−Si膜4
は、照射された1回目のレーザ光によって完全溶融す
る。反射防止膜92によって覆われたキャップ領域a−
Si膜3は、反射膜93によって1回目のレーザ光が反
射されるために溶融しない。照射された1回目のレーザ
光によって完全溶融したベア領域a−Si膜4は、反射
防止膜92によって覆われているために溶融していない
キャップ領域a−Si膜3を核として、ベア領域a−S
i膜4の両端からベア領域a−Si膜4の中央に向かっ
て横成長し、結晶粒を形成する。
【0022】図20を参照すると、次に、反射膜93を
除去する。そして、反射防止膜92側からa−Si膜2
へ2回目のレーザ光を照射する。照射された2回目のレ
ーザ光は、反射防止膜92によって反射が防止され、反
射防止膜92によって覆われたキャップ領域a−Si膜
3を完全溶融させる。完全溶融したキャップ領域a−S
i膜3は、1回目のレーザ光を照射したときに形成され
たベア領域a−Si膜4における結晶粒を核として、キ
ャップ領域a−Si膜3の両側から中央に向かって横成
長し、結晶粒を形成する。
【0023】このように上記従来技術によれば、1回の
横成長距離の2倍の長さを有する結晶粒を、すきまを空
けることなく形成することができるとともに、素子寸法
の増大を招くことなく、異なる方向に沿って伸長する結
晶流を同一基板上に形成することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図19お
よび図20を参照して前述した上記従来技術において
は、反射防止膜92の上にさらに反射膜93を積層しな
ければならないために、プロセスが複雑化しコストが増
大するという問題がある。
【0025】また、1回目のレーザ光を照射した後2回
目のレーザ光を照射する前に、反射防止膜92の上にさ
らに積層した反射膜93を除去しなければならないため
に、レーザ装置からガラス基板5を取り出し、反射膜9
3を除去し、反射膜93を除去したガラス基板5を再び
レーザ装置へセットしなければならない。従って、プロ
セスがさらに複雑化し、コストがさらに増大するという
問題がある。
【0026】さらに、1回目のレーザ光を照射したとき
に、金属によって構成された反射膜93が溶融してベア
領域a−Si膜4上に流れ落ち、または反射膜93が蒸
発、気化してベア領域a−Si膜4上に付着するため
に、a−Si膜2が汚染される結果、このような結晶性
半導体膜を使用して作製した薄膜トランジスタ(以下
「TFT」ともいう)の特性が低下し、または特性のば
らつきが増大するという問題がある。
【0027】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、その目的は、プロセスが単純な結
晶性半導体膜の形成方法および結晶性半導体膜、並びに
半導体装置の製造方法および半導体装置を提供すること
にある。
【0028】本発明の他の目的は、コストが低い結晶性
半導体膜の形成方法および結晶性半導体膜、並びに半導
体装置の製造方法および半導体装置を提供することにあ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明に係る結晶性半導
体膜の形成方法は、半導体膜を結晶化させた結晶性半導
体膜の形成方法であって、絶縁基板上に該半導体膜を形
成する半導体膜形成工程と、該半導体膜上にそれぞれが
等しい所定の膜厚の複数の加熱冷却抑制膜をそれぞれが
一定の間隔を空けてストライプ状に形成する加熱冷却抑
制膜形成工程と、該加熱冷却抑制膜によって覆われるキ
ャップ領域半導体膜と該加熱冷却抑制膜によって覆われ
ないベア領域半導体膜とが完全溶融するように第1レー
ザ光を該加熱冷却抑制膜側から該半導体膜へ照射する第
1照射工程と、完全溶融した該キャップ領域半導体膜を
該ベア領域半導体膜に基づいて結晶化させるキャップ領
域結晶化工程と、該キャップ領域結晶化工程の後で、該
ベア領域半導体膜のみが完全溶融するように第2レーザ
光を該加熱冷却抑制膜側から該半導体膜へ照射する第2
照射工程と、完全溶融した該ベア領域半導体膜を該キャ
ップ領域半導体膜に基づいて結晶化させるベア領域結晶
化工程と、該加熱冷却抑制膜を該半導体膜上から除去す
る除去工程とを包含することを特徴とし、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0030】各加熱冷却抑制膜の所定の膜厚は、前記キ
ャップ領域半導体膜を完全溶融させるために必要なキャ
ップ領域完全溶融エネルギーが、前記ベア領域半導体膜
を完全溶融させるために必要なベア領域完全溶融エネル
ギーよりも大きくなるような膜厚であり、前記第1レー
ザ光は、該キャップ領域完全溶融エネルギーよりも大き
いエネルギーを有しており、前記第2レーザ光は、該ベ
ア領域完全溶融エネルギーよりも大きく該キャップ領域
完全溶融エネルギーよりも小さいエネルギーを有してい
てもよい。
【0031】前記第1および前記第2レーザ光は、波長
λをそれぞれ有しており、前記加熱冷却抑制膜の屈折率
をnとすると、前記加熱冷却抑制膜の膜厚は、(3λ)
/(8n)以上になるように設定されていてもよい。
【0032】前記加熱冷却抑制膜は、シリコン酸化膜に
よって構成されていてもよい。
【0033】前記加熱冷却抑制膜は、シリコン窒化膜と
シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の積層膜とのいず
れかによって構成されていてもよい。
【0034】前記キャップ領域結晶化工程において結晶
化する前記キャップ領域半導体膜は、該キャップ領域半
導体膜を構成する半導体結晶粒が、前記キャップ領域半
導体膜が隣接するベア領域半導体膜に接する該キャップ
領域半導体膜の両端から該キャップ領域半導体膜の中央
に向かってそれぞれ横成長することによって結晶化し、
前記ベア領域結晶化工程において結晶化する前記ベア領
域半導体膜は、該ベア領域半導体膜を構成する半導体結
晶粒が、前記ベア領域半導体膜が、隣接するキャップ領
域半導体膜に接する該ベア領域半導体膜の両端から該ベ
ア領域半導体膜の中央に向かってそれぞれ横成長するこ
とによって結晶化してもよい。
【0035】本発明に係る結晶性半導体膜は、本発明に
係る結晶性半導体膜の形成方法によって形成され、その
ことにより上記目的が達成される。
【0036】本発明に係る半導体装置の製造方法は、半
導体膜を結晶化させた結晶性半導体膜をチャネル領域と
して構成する半導体装置の製造方法であって、絶縁基板
上に該半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、該半導
体膜上にそれぞれが等しい所定の膜厚の複数の加熱冷却
抑制膜をそれぞれが一定の間隔を空けてストライプ状に
形成する加熱冷却抑制膜形成工程と、該加熱冷却抑制膜
によって覆われるキャップ領域半導体膜と該加熱冷却抑
制膜によって覆われないベア領域半導体膜とが完全溶融
するように第1レーザ光を該加熱冷却抑制膜側から該半
導体膜へ照射する第1照射工程と、完全溶融した該キャ
ップ領域半導体膜を該ベア領域半導体膜に基づいて結晶
化させるキャップ領域結晶化工程と、該キャップ領域結
晶化工程の後で、該ベア領域半導体膜のみが完全溶融す
るように第2レーザ光を該加熱冷却抑制膜側から該半導
体膜へ照射する第2照射工程と、完全溶融した該ベア領
域半導体膜を該キャップ領域半導体膜に基づいて結晶化
させるベア領域結晶化工程と、該加熱冷却抑制膜を該半
導体膜上から除去する除去工程とを包含することを特徴
とし、そのことにより上記目的が達成される。
【0037】本発明に係る半導体装置の他の製造方法
は、半導体膜を結晶化させた結晶性半導体膜をチャネル
領域として構成する半導体装置の製造方法であって、絶
縁基板上に該半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、
該半導体膜上の第1領域にそれぞれが等しい所定の膜厚
の複数の第1加熱冷却抑制膜をそれぞれが一定の間隔を
空けてストライプ状に形成するとともに、該半導体膜上
の第2領域に該第1加熱冷却抑制膜と交差する方向に沿
ってそれぞれが等しい所定の膜厚の複数の第2加熱冷却
抑制膜をそれぞれが一定の間隔を空けてストライプ状に
形成する加熱冷却抑制膜形成工程と、該第1および該第
2加熱冷却抑制膜によって覆われるキャップ領域半導体
膜と該第1および該第2加熱冷却抑制膜のいずれによっ
ても覆われないベア領域半導体膜とが完全溶融するよう
に第1レーザ光を該第1および該第2加熱冷却抑制膜側
から該半導体膜へ照射する第1照射工程と、完全溶融し
た該キャップ領域半導体膜を該ベア領域半導体膜に基づ
いて結晶化させるキャップ領域結晶化工程と、該キャッ
プ領域結晶化工程の後で、該ベア領域半導体膜のみが完
全溶融するように第2レーザ光を該第1および該第2加
熱冷却抑制膜側から該半導体膜へ照射する第2照射工程
と、完全溶融した該ベア領域半導体膜を該キャップ領域
半導体膜に基づいて結晶化させるベア領域結晶化工程
と、該第1および該第2加熱冷却抑制膜を該半導体膜上
から除去する除去工程とを包含することを特徴とし、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0038】本発明に係る半導体装置は、本発明に係る
半導体装置の製造方法によって製造され、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0039】本発明の半導体膜は、横成長された半導体
結晶粒の結晶粒界の一部が、非結晶半導体膜と接してい
ることを特徴とする。
【0040】また、本発明の半導体膜は、横成長された
半導体結晶粒同士が結晶粒界において接しており、隣接
する結晶粒界の距離が、半導体結晶粒が横成長する距離
の2倍以下になっていることを特徴とする。
【0041】本発明の半導体装置は、非晶質絶縁性基板
上に、該非晶質絶縁性基板の表面に沿って半導体結晶粒
が横成長された結晶性半導体膜が設けられており、該結
晶性半導体膜を活性領域として構成される半導体装置で
あって、該結晶性半導体膜は、横成長された半導体結晶
粒の結晶粒界の一部が非結晶半導体膜と接していること
を特徴とする。
【0042】また、本発明の半導体装置は、非晶質絶縁
性基板上に、該非晶質絶縁性基板の表面に沿って半導体
結晶粒が横成長された結晶性半導体膜が設けられてお
り、該結晶性半導体膜を活性領域として構成される半導
体装置であって、該結晶性半導体膜は、横成長された半
導体結晶粒同士が結晶粒界において接しており、隣接す
る結晶粒界の距離が、半導体結晶粒が横成長する距離の
2倍以下になっていることを特徴とする。
【0043】前記半導体結晶粒の横成長の方向が直交す
る複数の領域が設けられている。
【0044】
【発明の実施の形態】本実施の形態に係る結晶性半導体
膜の形成方法においては、ガラス基板上に多結晶シリコ
ン膜を形成する。
【0045】(実施の形態1)図1は、実施の形態1に
係る結晶性半導体膜の形成方法においてアモルファスシ
リコン膜を形成する工程を説明する断面図である。ま
ず、ガラス基板5上に、シリコン酸化膜によって構成さ
れるベースコート膜6をP−CVD法によって300n
mの厚さに形成する。ガラス基板5は、Cournin
g1737によって構成されている。そして、ベースコ
ート膜6上にa−Si膜2をP−CVD法によって45
nmの厚さに形成する。次に、a−Si膜2およびベー
スコート膜6が形成されたガラス基板5を電気炉の中の
窒素雰囲気中において500℃で1時間加熱することに
よって、a−Si膜2の脱水素を行う。
【0046】図2は、結晶性半導体膜の形成方法におい
て加熱冷却抑制膜を形成する工程を説明する断面図であ
り、図3は、その斜視図である。脱水素が行われたa−
Si膜2上に、シリコン酸化膜をP−CVD法によって
形成する。その後、a−Si膜2上に形成されたシリコ
ン酸化膜をBHF110を使用したエッチングによって
パターニングすることによって、膜幅2ミクロンの複数
の加熱冷却抑制膜1を2ミクロンの間隔を空けてストラ
イプ状に形成する。
【0047】ここで、加熱冷却抑制膜1によって覆われ
た領域におけるa−Si膜2をキャップ領域a−Si膜
3と呼び、加熱冷却抑制膜1によって覆われない加熱冷
却抑制膜1の間のa−Si膜2をベア領域a−Si膜4
と呼ぶことにする。
【0048】図4は、加熱冷却抑制膜の膜厚とキャップ
領域完全溶融エネルギーとの関係を示すグラフである。
横軸は、a−Si膜2上に形成された加熱冷却抑制膜1
の膜厚を示しており、縦軸は、シリコン酸化膜によって
構成された加熱冷却抑制膜1によって覆われたキャップ
領域a−Si膜3を完全溶融させるために必要なレーザ
エネルギー(以下「キャップ領域完全溶融エネルギー」
という)を示している。
【0049】加熱冷却抑制膜1の反射率はその膜厚によ
って変化するため、加熱冷却抑制膜1によって覆われた
キャップ領域a−Si膜3へ到達するレーザ光のエネル
ギーは加熱冷却抑制膜1の膜厚によって変化する。この
ため、キャップ領域完全溶融エネルギーは、加熱冷却抑
制膜1の膜厚によって変化する。キャップ領域完全溶融
エネルギーは、加熱冷却抑制膜1の反射率の膜厚に対す
る変化を反映して、加熱冷却抑制膜1の膜厚に対してコ
サインカーブ状に変化する。
【0050】シリコン酸化膜のような熱容量の大きな材
料によって加熱冷却抑制膜1を構成すると、加熱冷却抑
制膜1の膜厚が厚くなるに従って、照射されたレーザ光
のエネルギーのうち加熱冷却抑制膜1に吸収されて加熱
冷却抑制膜1の温度上昇に費やされるエネルギーが増え
る。このため、図4に示すように、コサインカーブ状に
変化するキャップ領域完全溶融エネルギーは加熱冷却抑
制膜1の膜厚が厚くなるに従って右肩上がりとなる曲線
によって表される。右肩上がりとなる曲線によって表さ
れるキャップ領域完全溶融エネルギーは、加熱冷却抑制
膜1の膜厚が厚くなるに従って、加熱冷却抑制膜1によ
って覆われないベア領域a−Si膜4を完全溶融させる
ために必要なレーザエネルギー(以下「ベア領域完全溶
融エネルギー」という)を超える場合がある。
【0051】このようにキャップ領域完全溶融エネルギ
ーがベア領域完全溶融エネルギーよりも大きくなるため
の条件は、加熱冷却抑制膜1の膜厚dが、(3λ)/
(8n)以上になることである。ここで、 λ:照射するレーザ光の波長、 n:加熱冷却抑制膜1の屈折率、 である。
【0052】a−Si膜2上に形成する加熱冷却抑制膜
1の膜厚は、キャップ領域完全溶融エネルギーがベア領
域完全溶融エネルギーよりも大きくなるような膜厚、例
えば、約203nmの厚さにて形成する。このような約
203nmの厚さの加熱冷却抑制膜1によって覆われた
キャップ領域a−Si膜3をXeClレーザによって完
全溶融させるためのキャップ領域完全溶融エネルギー
は、予備実験によれば、約550mJ/cm2であっ
た。加熱冷却抑制膜1によって覆われないベア領域a−
Si膜4をXeClレーザによって完全溶融させるため
のベア領域完全溶融エネルギーは、予備実験によれば、
約440mJ/cm2であった。
【0053】図5は、第1レーザ光を照射する工程を説
明する断面図である。キャップ領域完全溶融エネルギー
550mJ/cm2よりも大きい590mJ/cm2のエ
ネルギー密度を有する1回目のレーザ光7を308nm
の波長を有するXeClレーザによって加熱冷却抑制膜
1側からa−Si膜2へ照射する。レーザ光7のビーム
サイズは0.5mm×100mmであり、Repeti
tion Retioは80Hzであり、ステージ送り
速度は40mm/秒である。
【0054】キャップ領域完全溶融エネルギーよりも大
きいエネルギーを有する第1レーザ光7が照射される
と、加熱冷却抑制膜1によって覆われたキャップ領域a
−Si膜3と加熱冷却抑制膜1によって覆われないベア
領域a−Si膜4とは共に完全融解する。
【0055】図6は、キャップ領域結晶化工程を説明す
る斜視図であり、図7は、その平面図である。図5、図
6および図7を参照すると、加熱冷却抑制膜1は熱容量
の大きいシリコン酸化膜によって構成されているため
に、完全融解したキャップ領域a−Si膜3は、キャッ
プ領域a−Si膜3を覆う加熱冷却抑制膜1によって冷
却が抑制される。このため、ベア領域a−Si膜4は加
熱冷却抑制膜1によって冷却が抑制されたキャップ領域
a−Si膜3よりも先に固化する。
【0056】キャップ領域Si膜3を構成する結晶粒
は、先に固化したベア領域Si膜4に存在する結晶核に
基づいて、図5〜図7に示すように、キャップ領域Si
膜3の両側から中央に向かって横方向に結晶成長して結
晶化する。
【0057】図8は、第2レーザ光を照射する工程を説
明する断面図である。ベア領域完全溶融エネルギー44
0mJ/cm2よりも大きくキャップ領域完全溶融エネ
ルギー550mJ/cm2よりも小さい450mJ/c
2のエネルギー密度を有する2回目のレーザ光8を3
08nmの波長を有するXeClレーザによって加熱冷
却抑制膜1側からSi膜2へ照射する。レーザ光8のビ
ームサイズは、前述した1回目のレーザ光7と同様に、
0.5mm×100mmであり、Repetition
Retioは80Hzであり、ステージ送り速度は4
0mm/秒である。
【0058】ベア領域完全溶融エネルギーよりも大きく
キャップ領域完全溶融エネルギーよりも小さいエネルギ
ーを有する2回目のレーザ光8が照射されると、キャッ
プ領域Si膜3への加熱が加熱冷却抑制膜1によって抑
制されるために、ベア領域Si膜4のみが完全溶融す
る。
【0059】図9はベア領域結晶化工程を説明する斜視
図であり、図10はその平面図である。図8、図9およ
び図10を参照すると、完全融解したベア領域Si膜4
は、加熱冷却抑制膜1によって加熱が抑制されたキャッ
プ領域Si膜3に存在する結晶核に基づいて、図8〜図
10に示すように、ベア領域Si膜4の両側から中央に
向かって横方向に結晶成長して結晶化する。
【0060】そして、BHF110を使用したエッチン
グによって加熱冷却抑制膜1をSi膜2から除去する。
【0061】図11は、実施の形態1に係る結晶性半導
体膜を模式的に示す平面図である。図11は、加熱冷却
抑制膜1を除去した後、SEMによって観察した結晶性
シリコン膜9の結晶状態を示している。キャップ領域S
i膜3を構成する結晶粒は、キャップ領域Si膜3が隣
接するベア領域Si膜4に接するキャップ領域Si膜3
の両端からキャップ領域Si膜3の中央に向かってそれ
ぞれ横成長している。キャップ領域Si膜3の両端から
中央に向かって成長した結晶粒は、キャップ領域Si膜
3の中央において互いにぶつかりあい、キャップ領域S
i膜3の中央において、キャップ領域Si膜3の長手方
向に沿って結晶粒界を形成する。
【0062】ベア領域Si膜4を構成する結晶粒は、ベ
ア領域Si膜4が隣接するキャップ領域Si膜3に接す
るベア領域Si膜4の両端からベア領域Si膜4の中央
に向かってそれぞれ横成長している。ベア領域Si膜4
の両端から中央に向かって成長した結晶粒は、ベア領域
Si膜4の中央において互いにぶつかりあい、ベア領域
Si膜4の中央において、ベア領域Si膜4の長手方向
に沿って結晶粒界を形成する。
【0063】このように、結晶性シリコン膜9には、横
方向に成長した結晶粒がすきまなく形成されている。
【0064】次に、このようにして形成された結晶性シ
リコン膜9を使用して、幅方向に沿ってチャネルが配置
されたnチャネル薄膜トランジスタおよび結晶成長方向
に沿ってチャネルが配置されたnチャネル薄膜トランジ
スタを作製する。幅方向に沿ってチャネルが配置された
nチャネル薄膜トランジスタにおいては、キャリアの移
動度が110cm2/Vsであった。
【0065】結晶成長方向に沿ってチャネルが配置され
たnチャネル薄膜トランジスタにおいては、キャリアの
移動度が300cm2/Vsであった。閾値電圧のばら
つきによって定義される不良率は、0/100であり、
結晶成長方向に沿ってチャネルが配置された100個の
nチャネル薄膜トランジスタの閾値電圧を測定した結
果、不良はなかった。
【0066】以上のように実施の形態1に係る結晶性半
導体膜の形成方法は、ガラス基板5上にa−Si膜2を
形成する半導体膜形成工程と、それぞれが一定の間隔を
空けてストライプ状にa−Si膜2上に配置される複数
の加熱冷却抑制膜1を、加熱冷却抑制膜1によって覆わ
れるキャップ領域a−Si膜3を完全溶融させるために
必要なキャップ領域完全溶融エネルギーが、加熱冷却抑
制膜1によって覆われないベア領域a−Si膜4を完全
溶融させるために必要なベア領域完全溶融エネルギーよ
りも大きくなるような膜厚にて形成する加熱冷却抑制膜
形成工程と、キャップ領域a−Si膜3とベア領域a−
Si膜4とが完全溶融するように、キャップ領域完全溶
融エネルギーよりも大きいエネルギーを有するレーザ光
7を加熱冷却抑制膜1側からa−Si膜2へ照射する第
1照射工程と、完全溶融したキャップ領域a−Si膜3
を、加熱冷却抑制膜1によって冷却が抑制されたキャッ
プ領域a−Si膜3よりも先に固化したベア領域Si膜
4に基づいて結晶化させるキャップ領域結晶化工程と、
キャップ領域結晶化工程の後で、キャップ領域Si膜3
への加熱が加熱冷却抑制膜1によって抑制されることに
よってベア領域Si膜4のみが完全溶融するように、ベ
ア領域完全溶融エネルギーよりも大きくキャップ領域完
全溶融エネルギーよりも小さいエネルギーを有するレー
ザ光8を加熱冷却防止膜1側からSi膜2へ照射する第
2照射工程と、完全溶融したベア領域Si膜4をキャッ
プ領域Si膜3に基づいて結晶化させるベア領域結晶化
工程と、加熱冷却抑制膜1をSi膜2から除去する除去
工程とを包含している。
【0067】このため、Si膜2の上には加熱冷却抑制
膜1のみを設ければよく、図19および図20を参照し
て前述した従来技術のように反射防止膜92と反射膜9
3とをa−Si膜2の上に積層する必要がない。従っ
て、結晶性半導体膜の形成方法におけるプロセスを単純
にすることができ、コストを低く抑えることができる。
【0068】さらに、1回目のレーザ光を照射した後2
回目のレーザ光を照射する前に、反射防止膜92の上に
積層した反射膜93を除去するために、レーザ装置から
ガラス基板5を取り出し、反射膜93を除去し、反射膜
93を除去したガラス基板5を再びレーザ装置へセット
する必要もない。従って、結晶性半導体膜の形成方法に
おけるプロセスをさらに単純にすることができ、コスト
をさらに低く抑えることができる。
【0069】なお、前述した実施の形態1においては、
加熱冷却抑制膜1をシリコン酸化膜によって構成する例
を示したが、本発明はこれに限定されない。加熱冷却抑
制膜1は、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜およびシリ
コン窒化膜の積層膜とのいずれかによって構成してもよ
い。
【0070】次に、実施の形態1に係る結晶性半導体膜
の他の形成方法を説明する。図1〜図11を参照して前
述した結晶性半導体膜の形成方法と異なる点は、加熱冷
却抑制膜1の膜厚を101nmとした点、加熱冷却抑制
膜1の膜厚を101nmとしたためにキャップ領域完全
溶融エネルギーが約480mJ/cm2となる点、およ
び1回目のレーザ光7のエネルギー密度がキャップ領域
完全溶融エネルギー480mJ/cm2よりも大きい5
10mJ/cm2である点であり、その他の点は前述し
た結晶性半導体膜の形成方法と同一であるので、詳細な
説明は省略する。
【0071】このような結晶性半導体膜の他の形成方法
によって形成された結晶性シリコン膜をSEMによって
観察すると、前述した結晶性半導体膜の形成方法によっ
て形成された結晶性シリコン膜9と同様に、図11に示
すように、キャップ領域Si膜3を構成する結晶粒は、
キャップ領域Si膜3が隣接するベア領域Si膜4に接
するキャップ領域Si膜3の両端からキャップ領域Si
膜3の中央に向かってそれぞれ横成長していた。キャッ
プ領域Si膜3の両端から中央に向かって成長した結晶
粒は、キャップ領域Si膜3の中央において互いにぶつ
かりあい、キャップ領域Si膜3の中央において、キャ
ップ領域Si膜3の長手方向に沿って結晶粒界を形成し
ていた。
【0072】ベア領域Si膜4を構成する結晶粒は、ベ
ア領域Si膜4が隣接するキャップ領域Si膜3に接す
るベア領域Si膜4の両端からベア領域Si膜4の中央
に向かってそれぞれ横成長していた。ベア領域Si膜4
の両端から中央に向かって成長した結晶粒は、ベア領域
Si膜4の中央において互いにぶつかりあい、ベア領域
Si膜4の中央において、ベア領域Si膜4の長手方向
に沿って結晶粒界を形成していた。
【0073】このように、結晶性シリコン膜には、横方
向に成長した結晶粒がすきまなく形成されていた。
【0074】次に、このようにして形成された結晶性半
導体膜の他の形成方法に係る結晶性シリコン膜を使用し
て、幅方向に沿ってチャネルが配置されたnチャネル薄
膜トランジスタおよび結晶成長方向に沿ってチャネルが
配置されたnチャネル薄膜トランジスタを作製した。幅
方向に沿ってチャネルが配置されたnチャネル薄膜トラ
ンジスタにおいては、キャリアの移動度が100cm2
/Vsであった。
【0075】結晶成長方向に沿ってチャネルが配置され
たnチャネル薄膜トランジスタにおいては、キャリアの
移動度が295cm2/Vsであった。閾値電圧のばら
つきによって定義される不良率は、0/100であり、
結晶成長方向に沿ってチャネルが配置された100個の
nチャネル薄膜トランジスタの閾値電圧を測定した結
果、不良はなかった。
【0076】次に、比較例に係る結晶性半導体膜の形成
方法を説明する。図12は、比較例に係る結晶性半導体
膜を模式的に示す平面図である。図1〜図11を参照し
て前述した実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方
法と異なる点は、加熱冷却抑制膜1の膜厚をキャップ領
域完全溶融エネルギーがベア領域完全溶融エネルギーよ
りも小さくなるような膜厚である53nmとした点、お
よび、このためにキャップ領域完全溶融エネルギーがベ
ア領域完全溶融エネルギー440mJ/cm2よりも小
さい約360mJ/cm2となる点である。1回目のレ
ーザ光7のエネルギー密度は、ベア領域完全溶融エネル
ギー440mJ/cm2とキャップ領域完全溶融エネル
ギー360mJ/cm2とのいずれよりも大きい450
mJ/cm2とし、2回目のレーザ光8のエネルギー密
度は、キャップ領域完全溶融エネルギー360mJ/c
2よりも大きくベア領域完全溶融エネルギー440m
J/cm2よりも小さい400mJ/cm2とした。その
他の点は前述した結晶性半導体膜の形成方法と同一であ
るので、詳細な説明は省略する。
【0077】このような比較例に係る結晶性半導体膜の
形成方法によって形成された結晶性シリコン膜をSEM
によって観察すると、図12に示すように、キャップ領
域Si膜3を構成する結晶粒は、キャップ領域Si膜3
が隣接するベア領域Si膜4に接するキャップ領域Si
膜3の両端からキャップ領域Si膜3の中央に向かって
それぞれ横成長していた。
【0078】しかしながらベア領域Si膜4において
は、結晶粒が横成長していない微結晶領域となってい
た。この理由は、以下に述べるとおりである。加熱冷却
抑制膜1の膜厚53nmが実施の形態1に係る加熱冷却
抑制膜1の膜厚203nm、101nmよりも薄いの
で、1回目のレーザ光7を照射した後に、加熱冷却抑制
膜1がキャップ領域a−Si膜3の冷却抑制膜として機
能しない。このため、ベア領域a−Si膜4がキャップ
領域a−Si膜3よりも先に固化せず、キャップ領域a
−Si膜3は、先に固化したベア領域Si膜4に基づい
て横成長することができない。この状態において、キャ
ップ領域完全溶融エネルギーよりも大きくベア領域完全
溶融エネルギーよりも小さいエネルギーを有する2回目
のレーザ光を照射すると、キャップ領域Si膜3のみが
完全溶融する。完全溶融したキャップ領域Si膜3は、
ベア領域Si膜4に基づいて横成長する。このような理
由によって、図12に示すように、キャップ領域Si膜
3においてのみ結晶粒が横成長し、ベア領域Si膜4に
おいては結晶粒が横成長していない微結晶領域となり、
結晶粒が横成長した領域と微結晶領域とが交互に形成さ
れた。
【0079】次に、他の比較例に係る結晶性半導体膜の
形成方法を説明する。図13および図14は、他の比較
例に係る結晶性半導体膜の形成方法を説明する断面図で
ある。図13を参照すると、まず、ガラス基板5上にシ
リコン酸化膜によって構成されるベースコート膜6をP
−CVD法によって300nmの厚さに形成する。そし
て、ベースコート膜6上にa−Si膜2をP−CVD法
によって45nmの厚さに形成する。次に、a−Si膜
2およびベースコート膜6が形成されたガラス基板5を
電気炉の中の窒素雰囲気中において500℃で1時間加
熱することによって、a−Si膜2の脱水素を行う。
【0080】図14を参照すると、その後、a−Si膜
2の上にP−CVD法によってシリコン酸化膜を53n
mの厚さに形成する。そして、シリコン酸化膜の上にス
パッタ法によってアルミニウム膜を300nmの厚さに
蒸着する。次に、BCl3を使用したドライエッチング
によってシリコン酸化膜の上に形成されたアルミニウム
膜をパターニングして反射膜93を形成する。その後、
パターニングして形成された反射膜93をマスクとして
BHF110を使用したエッチングによってシリコン酸
化膜をパターニングして反射防止膜92を形成する。こ
のようにして、反射防止膜92と反射膜93との積層膜
が、それぞれが2ミクロンの間隔を空けて2ミクロンの
幅を有するストライプ状にa−Si膜2の上に形成され
る。
【0081】次に、450mJ/cm2のエネルギー密
度を有する1回目のレーザ光を308nmの波長を有す
るXeClレーザによって反射防止膜92と反射膜93
との積層膜側からa−Si膜2へ照射する。その後、燐
酸と酢酸とを使用したSLAエッチャントによって、反
射膜93をエッチングして除去する。そして、390m
J/cm2のエネルギー密度を有する2回目のレーザ光
を反射防止膜92側からa−Si膜2へ照射する。1回
目レーザ光および2回目のレーザ光ともに、ビームサイ
ズは0.5mm×100mmであり、Repetiti
on Retioは80Hzであり、ステージ送り速度
は40mm/秒である。そして、BHF110を使用し
たエッチングによって反射防止膜92をa−Si膜2か
ら除去する。
【0082】図15は、他の比較例に係る結晶性半導体
膜を模式的に示す平面図である。図15は、反射防止膜
92を除去した後、SEMによって観察した結晶性シリ
コン膜の結晶状態を示している。キャップ領域Si膜3
を構成する結晶粒は、キャップ領域Si膜3の両端から
中央に向かってそれぞれ横成長している。ベア領域Si
膜4を構成する結晶粒は、ベア領域Si膜4の両端から
中央に向かってそれぞれ横成長している。しかしなが
ら、シミ状の斑点94が所々に形成されている。これ
は、1回目のレーザ光を照射したときに、金属によって
構成された反射膜93が溶融してベア領域Si膜4上に
流れ落ち、または反射膜93が蒸発、気化してベア領域
Si膜4上に付着するために、Si膜2が汚染された結
果である。
【0083】次に、このようにして形成された結晶性シ
リコン膜9を使用して、幅方向に沿ってチャネルが配置
されたnチャネル薄膜トランジスタおよび結晶成長方向
に沿ってチャネルが配置されたnチャネル薄膜トランジ
スタを作製する。幅方向に沿ってチャネルが配置された
nチャネル薄膜トランジスタにおいては、キャリアの移
動度が100cm2/Vsであった。結晶成長方向に沿
ってチャネルが配置されたnチャネル薄膜トランジスタ
においては、キャリアの移動度が295cm2/Vsで
あった。
【0084】しかしながら、閾値電圧のばらつきは実施
の形態1に係る薄膜トランジスタの閾値電圧のばらつき
よりも大きく、閾値電圧のばらつきによって定義される
不良率は、13/100であり、結晶成長方向に沿って
チャネルが配置された100個のnチャネル薄膜トラン
ジスタの閾値電圧を測定した結果、13個の不良があっ
た。
【0085】(実施の形態2)実施の形態2において
は、実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法によ
って形成された結晶性半導体膜をチャネル領域として構
成する半導体装置の製造方法を説明する。図16は、実
施の形態2に係る結晶性半導体膜をチャネル領域として
構成する薄膜トランジスタの製造方法を説明する平面図
である。図17は、結晶性半導体膜をチャネル領域とし
て構成する薄膜トランジスタの平面図である。
【0086】まず、前述した実施の形態1と同様に、ガ
ラス基板上に、ベースコート膜を形成する。そして、ベ
ースコート膜上にa−Si膜を形成する。次に、a−S
i膜およびベースコート膜が形成されたガラス基板を電
気炉の中において加熱することによって、a−Si膜の
脱水素を行う。
【0087】a−Si膜は、図16に示すように、互い
に隣接するように設けられた略長方形状をした領域10
および領域11を有している。領域10には、図16に
おける左右方向に沿ってストライプ状に一定の間隔を空
けて配置される複数の加熱冷却抑制膜1を形成する。領
域11には、領域10に形成された加熱冷却抑制膜1の
長手方向に垂直な図16における上下方向に沿ってスト
ライプ状に一定の間隔を空けて配置される複数の加熱冷
却抑制膜1を形成する。
【0088】このように、領域10に形成された加熱冷
却抑制膜1が延伸する方向は、領域11に形成された加
熱冷却抑制膜1が延伸する方向と直交している。領域1
0におけるキャップ領域Si膜およびベア領域Si膜の
結晶粒が成長する方向は、領域10に形成された加熱冷
却抑制膜1が延伸する図16における左右方向に対して
垂直な上下方向である。領域11におけるキャップ領域
Si膜およびベア領域Si膜の結晶粒が成長する方向
は、領域11に形成された加熱冷却抑制膜1が延伸する
図16における上下方向に対して垂直な左右方向であ
る。従って、領域11における結晶粒は、領域11にお
ける結晶粒が成長する方向と垂直な方向に沿って成長す
る。
【0089】このため、図17に示すように、領域10
においては領域10における結晶粒が成長する上下方向
に沿ってソース領域13およびドレイン流域14を設け
たTFT12を形成し、領域11においては領域11に
おける結晶粒が成長する左右方向に沿ってソース領域1
3およびドレイン領域14を設けたTFT12を形成す
ると、キャリア移動度の高いチャネル領域を有するTF
Tを形成することができる。このため、高い性能のTF
Tを得ることができる。
【0090】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プロセス
が単純な結晶性半導体膜の形成方法および結晶性半導体
膜、並びに半導体装置の製造方法および半導体装置を提
供することができる。
【0091】また本発明によれば、コストが低い結晶性
半導体膜の形成方法および結晶性半導体膜、並びに半導
体装置の製造方法および半導体装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
においてアモルファスシリコン膜を形成する工程を説明
する断面図である。
【図2】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
において加熱冷却抑制膜を形成する工程を説明する断面
図である。
【図3】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
において加熱冷却抑制膜を形成する工程を説明する斜視
図である。
【図4】実施の形態1に係る加熱冷却抑制膜の膜厚とキ
ャップ領域完全溶融エネルギーとの関係を示すグラフで
ある。
【図5】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
において第1レーザ光を照射する工程を説明する断面図
である。
【図6】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
においてキャップ領域結晶化工程を説明する斜視図であ
る。
【図7】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
においてキャップ領域結晶化工程を説明する平面図であ
る。
【図8】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
において第2レーザ光を照射する工程を説明する断面図
である。
【図9】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方法
においてベア領域結晶化工程を説明する斜視図である。
【図10】実施の形態1に係る結晶性半導体膜の形成方
法においてベア領域結晶化工程を説明する平面図であ
る。
【図11】実施の形態1に係る結晶性半導体膜を模式的
に示す平面図である。
【図12】実施の形態1における比較例に係る結晶性半
導体膜を模式的に示す平面図である。
【図13】実施の形態1における他の比較例に係る結晶
性半導体膜の形成方法を説明する断面図である。
【図14】実施の形態1における他の比較例に係る結晶
性半導体膜の形成方法を説明する断面図である。
【図15】実施の形態1における他の比較例に係る結晶
性半導体膜を模式的に示す平面図である。
【図16】実施の形態2に係る結晶性半導体膜をチャネ
ル領域として構成する薄膜トランジスタの製造方法を説
明する平面図である。
【図17】実施の形態2に係る結晶性半導体膜をチャネ
ル領域として構成する薄膜トランジスタの平面図であ
る。
【図18】(a)は、従来の結晶性半導体膜の形成方法
を説明する断面図であり、(b)は、その平面図であ
る。
【図19】従来の他の結晶性半導体膜の形成方法を説明
する断面図である。
【図20】従来の他の結晶性半導体膜の形成方法を説明
する断面図である。
【符号の説明】
1 加熱冷却抑制膜 2 アモルファスシリコン膜 3 キャップ領域アモルファスシリコン膜 4 ベア領域アモルファスシリコン膜 5 ガラス基板 6 ベースコート膜 7、8 レーザ光 9 多結晶シリコン膜

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体膜を結晶化させた結晶性半導体膜
    の形成方法であって、 絶縁基板上に該半導体膜を形成する半導体膜形成工程
    と、 該半導体膜上にそれぞれが等しい所定の膜厚の複数の加
    熱冷却抑制膜をそれぞれが一定の間隔を空けてストライ
    プ状に形成する加熱冷却抑制膜形成工程と、 該加熱冷却抑制膜によって覆われるキャップ領域半導体
    膜と該加熱冷却抑制膜によって覆われないベア領域半導
    体膜とが完全溶融するように第1レーザ光を該加熱冷却
    抑制膜側から該半導体膜へ照射する第1照射工程と、 完全溶融した該キャップ領域半導体膜を該ベア領域半導
    体膜に基づいて結晶化させるキャップ領域結晶化工程
    と、 該キャップ領域結晶化工程の後で、該ベア領域半導体膜
    のみが完全溶融するように第2レーザ光を該加熱冷却抑
    制膜側から該半導体膜へ照射する第2照射工程と、 完全溶融した該ベア領域半導体膜を該キャップ領域半導
    体膜に基づいて結晶化させるベア領域結晶化工程と、 該加熱冷却抑制膜を該半導体膜上から除去する除去工程
    とを包含することを特徴とする結晶性半導体膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 各加熱冷却抑制膜の所定の膜厚は、前記
    キャップ領域半導体膜を完全溶融させるために必要なキ
    ャップ領域完全溶融エネルギーが、前記ベア領域半導体
    膜を完全溶融させるために必要なベア領域完全溶融エネ
    ルギーよりも大きくなるような膜厚であり、 前記第1レーザ光は、該キャップ領域完全溶融エネルギ
    ーよりも大きいエネルギーを有しており、 前記第2レーザ光は、該ベア領域完全溶融エネルギーよ
    りも大きく該キャップ領域完全溶融エネルギーよりも小
    さいエネルギーを有している、請求項1記載の結晶性半
    導体膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第1および前記第2レーザ光は、波
    長λをそれぞれ有しており、前記加熱冷却抑制膜の屈折
    率をnとすると、 前記加熱冷却抑制膜の膜厚は、(3λ)/(8n)以上
    になるように設定されている、請求項1記載の結晶性半
    導体膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱冷却抑制膜は、シリコン酸化膜
    によって構成されている、請求項1記載の結晶性半導体
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱冷却抑制膜は、シリコン窒化膜
    とシリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の積層膜とのい
    ずれかによって構成されている、請求項1記載の結晶性
    半導体膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記キャップ領域結晶化工程において結
    晶化する前記キャップ領域半導体膜は、該キャップ領域
    半導体膜を構成する半導体結晶粒が、前記キャップ領域
    半導体膜が隣接するベア領域半導体膜に接する該キャッ
    プ領域半導体膜の両端から該キャップ領域半導体膜の中
    央に向かってそれぞれ横成長することによって結晶化
    し、 前記ベア領域結晶化工程において結晶化する前記ベア領
    域半導体膜は、該ベア領域半導体膜を構成する半導体結
    晶粒が、前記ベア領域半導体膜が、隣接するキャップ領
    域半導体膜に接する該ベア領域半導体膜の両端から該ベ
    ア領域半導体膜の中央に向かってそれぞれ横成長するこ
    とによって結晶化する、請求項1記載の結晶性半導体膜
    の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の結晶性半導体膜の形成方
    法によって形成された結晶性半導体膜。
  8. 【請求項8】 半導体膜を結晶化させた結晶性半導体膜
    をチャネル領域として構成する半導体装置の製造方法で
    あって、 絶縁基板上に該半導体膜を形成する半導体膜形成工程
    と、 該半導体膜上にそれぞれが等しい所定の膜厚の複数の加
    熱冷却抑制膜をそれぞれが一定の間隔を空けてストライ
    プ状に形成する加熱冷却抑制膜形成工程と、 該加熱冷却抑制膜によって覆われるキャップ領域半導体
    膜と該加熱冷却抑制膜によって覆われないベア領域半導
    体膜とが完全溶融するように第1レーザ光を該加熱冷却
    抑制膜側から該半導体膜へ照射する第1照射工程と、 完全溶融した該キャップ領域半導体膜を該ベア領域半導
    体膜に基づいて結晶化させるキャップ領域結晶化工程
    と、 該キャップ領域結晶化工程の後で、該ベア領域半導体膜
    のみが完全溶融するように第2レーザ光を該加熱冷却抑
    制膜側から該半導体膜へ照射する第2照射工程と、 完全溶融した該ベア領域半導体膜を該キャップ領域半導
    体膜に基づいて結晶化させるベア領域結晶化工程と、 該加熱冷却抑制膜を該半導体膜上から除去する除去工程
    とを包含することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 半導体膜を結晶化させた結晶性半導体膜
    をチャネル領域として構成する半導体装置の製造方法で
    あって、 絶縁基板上に該半導体膜を形成する半導体膜形成工程
    と、 該半導体膜上の第1領域にそれぞれが等しい所定の膜厚
    の複数の第1加熱冷却抑制膜をそれぞれが一定の間隔を
    空けてストライプ状に形成するとともに、該半導体膜上
    の第2領域に該第1加熱冷却抑制膜と交差する方向に沿
    ってそれぞれが等しい所定の膜厚の複数の第2加熱冷却
    抑制膜をそれぞれが一定の間隔を空けてストライプ状に
    形成する加熱冷却抑制膜形成工程と、 該第1および該第2加熱冷却抑制膜によって覆われるキ
    ャップ領域半導体膜と該第1および該第2加熱冷却抑制
    膜のいずれによっても覆われないベア領域半導体膜とが
    完全溶融するように第1レーザ光を該第1および該第2
    加熱冷却抑制膜側から該半導体膜へ照射する第1照射工
    程と、 完全溶融した該キャップ領域半導体膜を該ベア領域半導
    体膜に基づいて結晶化させるキャップ領域結晶化工程
    と、 該キャップ領域結晶化工程の後で、該ベア領域半導体膜
    のみが完全溶融するように第2レーザ光を該第1および
    該第2加熱冷却抑制膜側から該半導体膜へ照射する第2
    照射工程と、 完全溶融した該ベア領域半導体膜を該キャップ領域半導
    体膜に基づいて結晶化させるベア領域結晶化工程と、 該第1および該第2加熱冷却抑制膜を該半導体膜上から
    除去する除去工程とを包含することを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の半導体装置の製造方法
    によって製造された半導体装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の半導体装置の製造方法
    によって製造された半導体装置。
  12. 【請求項12】 横成長された半導体結晶粒の結晶粒界
    の一部が、非結晶半導体膜と接していることを特徴とす
    る半導体膜。
  13. 【請求項13】 横成長された半導体結晶粒同士が結晶
    粒界において接しており、隣接する結晶粒界の距離が、
    半導体結晶粒が横成長する距離の2倍以下になっている
    ことを特徴とする半導体膜。
  14. 【請求項14】 非晶質絶縁性基板上に、該非晶質絶縁
    性基板の表面に沿って半導体結晶粒が横成長された結晶
    性半導体膜が設けられており、該結晶性半導体膜を活性
    領域として構成される半導体装置であって、 該結晶性半導体膜は、横成長された半導体結晶粒の結晶
    粒界の一部が非結晶半導体膜と接していることを特徴と
    する半導体装置。
  15. 【請求項15】 非晶質絶縁性基板上に、該非晶質絶縁
    性基板の表面に沿って半導体結晶粒が横成長された結晶
    性半導体膜が設けられており、該結晶性半導体膜を活性
    領域として構成される半導体装置であって、 該結晶性半導体膜は、横成長された半導体結晶粒同士が
    結晶粒界において接しており、隣接する結晶粒界の距離
    が、半導体結晶粒が横成長する距離の2倍以下になって
    いることを特徴とする半導体装置。
  16. 【請求項16】 前記半導体結晶粒の横成長の方向が直
    交する複数の領域が設けられている請求項14または1
    5に記載の半導体装置。
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JP2006310445A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法
JP2012064954A (ja) * 2004-01-06 2012-03-29 Samsung Electronics Co Ltd 結晶化用光マスク及びこれを利用した薄膜トランジスタ表示板の製造方法

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