JP2003307914A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003307914A
JP2003307914A JP2002115394A JP2002115394A JP2003307914A JP 2003307914 A JP2003307914 A JP 2003307914A JP 2002115394 A JP2002115394 A JP 2002115394A JP 2002115394 A JP2002115394 A JP 2002115394A JP 2003307914 A JP2003307914 A JP 2003307914A
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charging
toner
image
forming apparatus
roller
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JP2002115394A
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Masaharu Miura
正治 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触帯電部材から転写残トナーを良好に吐き
出すことができるようにする。 【解決手段】 帯電バイアス電源12から帯電ローラ2
に直流電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを印加す
る際に、帯電バイアスの交流電圧(交流成分)を、感光
ドラム1の表面帯電電位方向に電界を強くし、その逆方
向を弱くするようにすることによって、帯電ローラ2か
ら感光ドラム1にトナー(転写残トナー)を良好に吐き
出すことができ、また、帯電ローラ2から吐き出される
トナーに起因するカブリの発生を防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式など
によって画像形成装置を行う複写機、プリンタ、ファク
シミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置では、被帯
電体としての電子写真感光体を所定の極性、電位に帯電
処理する帯電手段として、従来より一般にコロナ帯電器
が用いられていた。これは感光体にコロナ帯電器を非接
触に対向配置して、コロナ帯電器から放出されるコロナ
に感光体表面をさらして感光体表面を所定の極性、電位
に帯電させるものである。
【0003】また、近年、上記の非接触タイプのコロナ
帯電器による場合に比べて低オゾン、低電力等の利点を
有することから、被帯電体としての感光体に電圧(帯電
バイアス)を印加した帯電部材(接触帯電部材)を当接
させて感光体表面を所定の極性、電位に帯電させる接触
帯電方式の帯電装置も多く提案され、また実用化されて
いる。
【0004】このような接触帯電方式の帯電装置におい
て、被帯電体としての感光体に接触させる帯電部材には
ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ
型、ブレード型(帯電ブレード)など種々の形態があ
り、また様々な改善提案がある。
【0005】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、以下に述べる放電帯電系と直接注入帯
電系の2種類の帯電機構がある。
【0006】(a)放電帯電系 放電帯電系は、接触帯電部材と感光体(被帯電体)との
微小間隙に生じる放電現象により感光体表面を帯電する
系である。放電帯電系は、接触帯電部材と感光体に一定
の放電閾値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接
触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器
に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を
生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活
性イオンによる弊害は避けられない。
【0007】(b)直接注入帯電系 直接注入帯電系は、接触帯電部材から感光体(被帯電
体)に直接に電荷が注入されることで感光体表面が帯電
する系であり、直接帯電、注入帯電、あるいは電荷注入
帯電とも称される。より詳しくは、中抵抗の接触帯電部
材が感光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つま
り放電を基本的に用いないで感光体表面に直接電荷注入
を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧
が放電閾値以下の印加電圧であっても、感光体を印加電
圧相当の電位に帯電することができる。
【0008】この直接注入帯電系は、活性イオンの発生
を伴わないため放電生成物による弊害は生じないが、直
接注入帯電であるため、接触帯電部材の感光体への接触
性が帯電性に大きく効いてくる。そこで、より高い頻度
で感光体に接触する構成をとるため、接触帯電部材はよ
り密な接触点を持つ、感光体との速度差を大きくして接
触点の接触機会を多く持つ等の構成が必要となる。
【0009】この点において、接触帯電部材として導電
性ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電
の安定性という点で好ましく、広く用いられている。従
来のローラ帯電における帯電機構は、上記(a)の放電
帯電系が支配的である。
【0010】導電性ローラとしての帯電ローラは、導電
あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を用いて作製さ
れる。さらに、これらを積層して所望の特性を得たもの
もある。
【0011】帯電ローラ(導電性ローラ)は、感光体と
の一定の接触状態を得るために弾性を有しており、摩擦
抵抗が大きいため、多くの場合、感光体に従動あるいは
若干の速度差をもって駆動される。すると、接触機会が
少ないため直接注入帯電しようとしても、絶対的帯電能
力の低下、接触性の不足、ローラ形状による接触ムラ、
感光体の付着物による帯電ムラ等は避けられない。
【0012】図10は、接触帯電による帯電特性(直流
印加電圧と感光体の帯電電位との関係)の一例を示す図
である。図10において、横軸は帯電ローラ(接触帯電
部材)に印加したバイアス(直流印加電圧)、縦軸はそ
の時に得られた感光体の帯電電位である。
【0013】図10において、Aは放電による帯電の場
合の帯電特性である。即ち、−500Vの放電閾値を過
ぎてから帯電が始まる。従って、−500Vに帯電する
場合は−1000Vの直流電圧を印加するか、あるい
は、−500V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上
の電位差を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交
流電圧を印加して、感光体電位を帯電電位に収束させる
方法が一般的である。
【0014】更に具体的に説明すると、感光体に対して
帯電ローラを加圧当接させた場合には、ある一定以上の
電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ
以降は印加電圧に対して線形に感光体の表面電位が増加
する。この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0015】つまり、電子写真画像形成プロセスに必要
とされる感光体の表面電位Vdを得るためには、帯電ロ
ーラにはVd+Vthという必要とされる以上の直流電
圧が必要となる。このようにして、直流電圧のみを帯電
ローラに印加して帯電を行う方法を「直流帯電方式」と
称する。
【0016】ところで、この直流帯電方式においては、
環境変動等によって帯電ローラの抵抗値が変動するた
め、また、感光体表面が削れることによって膜厚が変化
するとVth(帯電開始電圧)が変動するため、感光体
の表面電位を所望の値にすることが難しかった。
【0017】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に、例えば特開昭63−149669号公報に開示され
ているように、所望のVdに相当する直流電圧に2×V
th以上のピーク間電圧を持つ交流電圧を重畳した電圧
を帯電ローラ(接触帯電部材)に印加する「交流帯電方
式」が用いられる。これは、交流による電位のならし効
果を目的としたものであり、感光体の電位は交流電圧の
ピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影
響されることはない。
【0018】ところが、このような交流帯電方式の接触
帯電装置においても、その本質的な帯電機構は、帯電ロ
ーラから感光体への放電現象を用いているため、上述し
たように帯電ローラに印加する電圧は感光体の表面電位
以上の値が必要とされることにより、微量のオゾンが発
生する。
【0019】また、帯電均一化のために交流帯電を行っ
た場合には、さらなるオゾンの発生、交流電圧の電界に
よる帯電ローラと感光体の振動騒音(交流帯電音)の発
生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0020】また、帯電ムラを防止して安定した均一帯
電を行うために、帯電ローラ(接触帯電部材)に感光体
表面との接触面に粉末を塗布する構成が、特公平7−9
9442号公報に開示されている。このような構成で
は、帯電ローラが感光体に従動回転(速度差なし)であ
り、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生
成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理
は上述したローラ帯電の場合と同様に依然として放電帯
電機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性
を得るためには直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印
加するので、放電によるオゾン生成物の発生はより多く
なってしまう。
【0021】よって、長期にわたって使用した場合に
は、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が生じやす
い。更に、転写残トナーを機械的にクリーニングするク
リーニング部材を有していないクリーナレスの画像形成
装置に適用した場合には、転写残トナーの混入のため塗
布した粉末が均一に帯電ローラに付着していることが困
難となり、均一帯電を行う効果が薄れてしまう。
【0022】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電方式を用いた画像形成装置において、長時
間画像形成を繰り返すうちにクリーニングブレードでク
リーニングしきれなかったトナー粒子やシリカ微粒子が
帯電ローラの表面に付着、蓄積することによる帯電阻害
を防止するために、トナー中に、少なくとも顕画粒子
と、顕画粒子より小さい平均粒径を有する導電性粒子を
含有することが開示されている。
【0023】しかしながら、ここで用いられた接触帯電
或いは近接帯電は上述した放電帯電系によるもので、直
接注入帯電系ではなく、放電帯電による前述の問題があ
る。更に、クリーナレスの画像形成装置へ適用した場合
には、クリーニング機構を有する場合と比較して、多量
の導電性微粉体及び転写残トナーが帯電ニップ部(帯電
領域)を通過することによる帯電性への影響、これら多
量の導電性微粉体及び転写残トナーの現像工程における
回収性、回収された導電性微粉体及び転写残トナーによ
るトナーの現像特性への影響に関して何ら考慮されてい
ない。
【0024】更に、接触帯電方式に直接注入帯電系を適
用した場合には、導電性微粉体が帯電ローラ(接触帯電
部材)に必要量供給されず、転写残トナーの影響による
帯電不良を生じてしまう。
【0025】また、近接帯電では、多量の導電性微粉体
及び転写残トナーにより感光体を均一帯電することが困
難であり、転写残トナーのパターンをならす効果が得ら
れないため、転写残トナーのパターン画像露光を遮光す
るためのパターンゴーストが生じる。更に、画像形成中
における電源の瞬断(OFF)或いはジャム(紙詰ま
り)時にはトナーによる画像形成装置内の汚染が著しく
なる。
【0026】一方、特開平10−307454号公報や
特開平10−307457号公報に開示されているよう
に、帯電ローラ(接触帯電部材)と感光体とに速度差を
設け、導電微粉体を介して直接注入帯電を行う構成が提
案されている。
【0027】これらの公報には、帯電ローラと感光体と
の速度差を得る具体的な方法として、帯電ローラ表面を
移動駆動して感光体との間に速度差を設ける手法が開示
されており、好ましくは帯電ローラを回転駆動し、さら
にその回転方向は感光体表面の移動方向とは逆方向に回
転するように構成するのが良い、との記載がある。
【0028】即ち、直接注入帯電系の帯電性は、感光体
の周速と帯電ローラの周速の比(周速比)に依存するた
め、逆方向と同じ周速差を得るには、順方向では帯電ロ
ーラの回転数が逆方向の時に比べて大きくなるためであ
る。そこで、従来、帯電ローラを逆方向に移動させる系
が用いられてきた。なお、上記の周速比は、 周速比(%)=((帯電ローラ周速−感光体周速)/感
光体周速)×100 である(帯電部材周速は、感光体との当接部(帯電ニッ
プ部)において帯電ローラ面が感光体表面と同じ方向に
移動する時に正の値である)。
【0029】一方、上記導電性微粉体は、帯電補助を目
的とした帯電促進粒子として使用されている。そして、
感光体と帯電ローラとの当接部(帯電ニップ部)にこの
帯電促進粒子が存在した状態で、感光体の直接注入帯電
が行なわれる。
【0030】この帯電促進粒子の存在により、感光体と
帯電ローラとの当接部(帯電ニップ部)において、帯電
ローラは比較的少ない摩擦抵抗で感光体と速度差を持っ
て接触できると同時に、帯電促進粒子を介して密に感光
体に接触する。
【0031】つまり、帯電ローラと感光体の当接部に存
在する帯電促進粒子が感光体表面を隙間無く摺擦するこ
とで、感光体に電荷を直接注入できるのである。即ち、
帯電ローラによる感光体の帯電は帯電促進粒子の存在に
より、直接注入帯電が支配的となる。
【0032】従って、直接注入帯電の場合には、図10
に示したBの帯電特性のように、従来のローラ帯電等で
は得られなかった高い帯電効率が得られ、帯電ローラ
(接触帯電部材)に印加した電圧と略同等の電位を感光
体に与えることができる。
【0033】ところで、従来の電子写真画像形成プロセ
スでは、感光体の帯電工程、感光体の露光工程、静電潜
像の現像工程、トナー像の転写材(用紙)への転写工
程、転写後の転写残トナーのクリーニング工程、感光体
表面の残留電荷の除電工程といったサイクルを繰り返す
ことが一般的であった。
【0034】このプロセスにおいては、転写後の感光体
表面に残存する転写残トナーはクリーナー(クリーニン
グ装置)によって感光体面から除去されて廃トナーとな
るが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが
望ましい。そこで、近年、クリーナーをなくし、転写後
の感光体上の転写残トナーを現像装置によって「現像同
時クリーニング」で感光体上から除去し、現像装置で回
収・再利用する構成にしたトナーリサイクルプロセスの
画像形成装置が提案され、また実用化されている。
【0035】上記した現像同時クリーニングとは、転写
後に感光体上に残留したトナーを次工程以降の現像時、
即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成
し、該静電潜像の現像時にかぶり取りバイアス(現像装
置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差
(以下、かぶり取り電位差(Vback)という)によ
って回収する方法である。この方法によれば、転写残ト
ナーは現像装置に回収されて次工程以後に再利用される
ため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせる
ことも少なくすることができる。また、クリーナレスで
あることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置
を大幅に小型化できるようになる。
【0036】図11を参照して、上記した現像同時クリ
ーニング(トナーリサイクルプロセス)を簡単に説明す
る。図11に示す画像形成装置では、帯電工程として帯
電ローラ101と感光体100との間に導電微粉体を介
した直接注入帯電を用いている。この帯電方式は上述し
たようにオゾンレス、あるいは高い帯電効率が得られる
という面で優れている。また、帯電ローラ(接触帯電部
材)101は感光体100との当接部(帯電ニップ部)
において、上述した理由より感光体100と逆方向に移
動するように回転している。
【0037】図11に示した画像形成装置では、感光体
100は帯電ローラ(接触帯電部材)101により電圧
を印加され、均一に帯電される。この場合は負帯電とな
る。そして、均一に負帯電された感光体100上に、露
光装置102から画像情報に対応した反転現像方式の露
光Lが与えられ、静電潜像を形成する。
【0038】そして、現像装置103から電荷を付与さ
れたトナーtが、静電潜像に応じた形で感光体100表
面に供給され、トナー像として顕像化される。この場合
のトナーは負帯電であり、現像方法としては、非接触の
ジャンピング現像法を用いている。そして、転写ローラ
(転写部材)104と感光体100との間の転写ニップ
部に搬送される転写材(用紙)Pに、転写バイアス(ト
ナーtと逆極性)が印加された転写ローラ104によっ
てトナー像が転写され、定着器(不図示)で定着されて
外部に排出される。
【0039】また、上記転写時に一部のトナーは転写残
トナーとして感光体100表面に残留し、更にその一部
は、トナーtと逆極性の転写バイアスが印加された転写
ローラ104によって本来の極性と逆極性の反転トナー
t1となる。
【0040】感光体100表面に残留した転写残トナー
は帯電ローラ101と感光体100との摺擦により、上
記反転トナーt1も含めて帯電極性と同じ極性(負極
性)に電荷を再付与され、感光体100上に再度吐き出
される。反転トナーt1を元の極性にそろえることを、
以後、「トナーの正規化」と呼ぶ。帯電極性と同極性の
電荷を再付与されたトナーtは、現像装置103の上記
したかぶり取り電位差Vbackにより、現像装置10
3に回収され、再利用される。
【0041】また、図11に示した画像形成装置におい
て、長期使用による耐久後の帯電ローラ101のトナー
による汚染を防ぐため、帯電ローラ101に交流成分を
重畳し転写残トナーの帯電ローラ101からの吐き出し
効率を上げるという手法が知られている。注入帯電性
は、感光体100に対する帯電促進粒子の接触面積に依
存するため、転写残トナーの存在で帯電ローラ101表
面における帯電促進粒子の割合が減少してしまうと、帯
電性が低下してしまい良好な帯電性が得られなくなって
しまう。
【0042】更に、帯電ローラ101に交流成分を重畳
することにより電位のならし効果が得られ、帯電均一性
も向上するという利点がある。一般に用いられる交流電
圧の波形としては、矩形波(duty50%)、正弦
波、三角波が挙げられる。図11に示した画像形成装置
の場合では、図12に示すように、duty50%の矩
形波で、放電しない領域のピーク間電圧:300Vpp
を用いている。また、周波数は1KHzとした。なお、
図12において、aは感光体100の表面帯電電位、b
は交流電圧(矩形波)のduty比(50%)を示して
いる。
【0043】矩形波の方が正弦波、三角波等に比べて電
圧の立ち上がりが早いため、感光体100の表面電位と
帯電ローラ101の電位間の電位差が瞬間的に大きくな
ることによって、トナーの吐き出し効率が高くなる。更
に、実効電流量も多くなるため、微少電位ムラ(ハキメ
ムラ)にも有利である。
【0044】また、帯電バイアスの交流電圧のピーク間
電圧Vpp値と転写残トナー吐出し量との関係は、図1
3に示すようになる。図13は、帯電バイアスとして直
流電圧のみを印加した時の吐き出し量に対する増加分を
示したものであり、交流電圧のピーク間電圧が100V
pp以上で吐き出し量の増加が確認された。
【0045】基本的に交流電圧の周波数が同じであるな
らば、ピーク間電圧を大きくした方が吐き出し性は向上
するが、大きくし過ぎると放電が生じたり、交流帯電音
のレベルが悪くなるため好ましくない。また、周波数は
低周波にし過ぎると感光体100の表面電位が周波数に
応じた帯電ムラを持ってしまい、画像に悪影響を及ぼす
可能性がある。逆に、周波数を大きくし過ぎるとトナー
が高周波電界に応答できなくなり、トナーの吐き出し性
が低下する。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11に示
した従来の構成の画像形成装置において、ベタ黒トナー
像を出力してそのベタ黒トナー像出力後に通常の画像比
率を有する画像を出力した際に、その白地部にカブリ現
象が発生した。このカブリ現象はいわゆる「現像の地か
ぶり」ではなく、帯電ローラ(接触帯電部材)101か
ら吐き出されたトナー(転写残トナー)が、上記した現
像同時クリーニングによって現像装置103で回収でき
なかったためか、あるいは回収不十分のために、それが
現像領域を通過して感光体100と転写ローラ104間
の転写ニップ部に至り、転写材の本来ならば白地部であ
るところに転写されて発生する現象である。
【0047】このときの帯電ローラ101から吐き出さ
れたトナーの帯電分布を測定したところ、ほぼゼロをピ
ークとし正負対称な分布となっていた。つまり、帯電ロ
ーラ101から吐き出されたトナーで正規化されていな
いものが多く存在するために、上記したかぶり取り電位
差(Vback)により静電的に回収されずにそのまま
転写ニップ部に到達していることが判明した。なお、こ
の時の転写されるトナーは静電的に転写されるのではな
く、転写ローラ104と感光体100との押し圧力によ
り転写されるものである。
【0048】本来、転写残トナーは、帯電ローラ101
と感光体100の当接部で摺擦され、その摩擦帯電によ
り正規化されるべきである。しかしながら、帯電バイア
スに交流電圧を重畳すると帯電ローラ101からのトナ
ーの吐出し量は増加するが、正規化されていないトナー
(図11の画像形成装置の場合はポジトナー)までもが
多く吐き出されてしまうことが確認された。
【0049】また、トナー(転写残トナー)がどのよう
な経路で帯電ローラ101を通過しているのかを調べた
ところ、図14に示すように通過していることが分かっ
た。即ち、大部分のトナー(転写残トナー)t1は、帯
電ローラ101表面に付着した状態で移動し、感光体1
00の回転方向(時計方向)に対して感光体100との
当接部(帯電ニップ部)の下流側に到達した後に、感光
体100側に再び吐き出される。
【0050】また、この場合における帯電ローラ101
への帯電印加バイアスと感光体100の表面電位との関
係は、上記した図12のようになる。これらのことから
帯電印加バイアスに交流電圧を重畳することにより正規
化されていないトナーを吐き出すのは、図12に示した
ように、注入帯電後の感光体の表面帯電電位と帯電印加
バイアスの関係で、ポジトナーも吐き出してしまう電位
差となる場合があるためであると考えられる。
【0051】しかしながら、上述したように帯電印加バ
イアスに交流電圧を重畳することにより帯電ローラ(接
触帯電部材)の長寿命化(トナーによる汚染防止)、ハ
キメムラ等の帯電不良にも絶大な効果があることから、
AC重畳は高耐久性を求めるならば必須であると考えら
れる。更に、トナーが正規化されるまで何度も帯電ロー
ラ(接触帯電部材)と感光体の間で摺擦を受けるとトナ
ー劣化を促進し、転写残トナーを再利用するにあたって
現像性を著しく低下してしまう。そういう面からも帯電
ローラからの転写残トナーの吐き出し性が高い構成が必
要である。
【0052】また、図11に示した従来の画像形成装置
は、現像方法として非接触ジャンピング現像法を用いた
現像装置103であったが、接触現像を用いた場合は現
像スリーブ上にコートされたトナーにより吐き出しトナ
ーは機械的に掻きとられるため、吐き出しトナーの帯電
量としてゼロから反対極性のものがあっても現像部で回
収されるが、図11に示した画像形成装置のように非接
触ジャンピング現像を用いた場合は、静電的に回収する
方法しかない。つまり、正規化されたトナーだけを帯電
ローラ(接触帯電部材)から吐き出させなければならな
いということである。
【0053】そこで本発明は、導電性粒子を介した直接
注入帯電、現像同時クリーニングを用いた画像形成装置
において、接触帯電部材の転写残トナーによる汚染を防
止すると共に、長期にわたって接触帯電部材から吐き出
されるトナーに起因するカブリの発生を防止することが
できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0054】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、移動自在な像担持体と、回転自在な接触帯
電部材上に導電性を有する導電性微粉体を保持し、前記
導電性微粉体を存在させて前記接触帯電部材を前記像担
持体に当接させ、直流成分に交流成分を重畳した帯電バ
イアスの印加により前記像担持体を帯電する帯電手段
と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成
する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像して
トナー像として顕像化する現像手段と、前記トナー像を
転写部位にて転写材へ転写する転写手段と、を備え、前
記現像手段が、前記転写手段によりトナー像を転写材に
転写した後に前記像担持体上に残留した残トナーを前記
接触帯電部材に静電的に一旦回収させた後に前記像担持
体上に吐き出された残トナーを静電的に回収するクリー
ニング手段を兼ねるクリーナレスの画像形成装置におい
て、前記帯電バイアスの前記交流成分のデューティー比
が前記直流成分に対して、前記像担持体の帯電極性と同
じ極性側のピーク間電圧値がその逆極性側のピーク間電
圧値よりも大きいことを特徴としている。
【0055】また、前記帯電バイアスの前記交流成分
は、前記直流成分に対して前記像担持体の帯電極性と同
じ極性側のピーク間電圧値を前記接触帯電部材による前
記像担持体の表面帯電電位に対して絶対値で100V以
上高く設定し、かつ、その逆極性側のピーク間電圧値を
前記接触帯電部材による前記像担持体の表面帯電電位に
対して絶対値で50V以上低くならないように設定する
ことを特徴としている。
【0056】また、前記帯電バイアスの前記交流成分の
周波数f(Hz)は、前記像担持体の移動速度をVd
(mm/sec)とすると、1<(f/Vd)<(50
00/Vd)を満たすように設定されることを特徴とし
ている。
【0057】また、前記接触帯電部材は、前記像担持体
との当接部において前記像担持体の移動方向と逆方向に
移動するように回転されることを特徴としている。
【0058】また、前記接触帯電部材は、アスカーC硬
度が50度以下のローラ部材であることを特徴としてい
る。
【0059】また、前記ローラ部材の体積抵抗が10
Ω・cm以上10Ω・cm以下であることを特徴とし
ている。
【0060】また、前記導電性微粉体の体積抵抗が1×
10Ω・cm以下であることを特徴としている。
【0061】また、前記導電性微粉体は、トナーの外添
剤として含有されており、現像時に前記像担持体上に付
着して前記像担持体の移動に伴って少なくとも前記接触
帯電部材と前記像担持体との当接部に供給されることを
特徴としている。
【0062】また、前記現像手段による現像方法は、現
像バイアスの印加によりトナーを前記像担持体上の静電
潜像に転移させて現像する非接触ジャンピング現像法で
あることを特徴としている。
【0063】また、前記接触帯電部材上に摩擦帯電部材
を当接させることを特徴としている。
【0064】また、前記摩擦帯電部材は、正規の帯電極
性に対して逆極性に帯電したトナーが正規の帯電極性と
なるように摩擦帯電によって制御する材料から成ること
を特徴としている。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0066】〈実施の形態1〉図1は、本発明の実施の
形態1に係る画像形成装置を示す概略構成図である。本
実施の形態の画像形成装置は、上述した導電性粒子(帯
電促進粒子)を介した直接注入帯電で現像同時クリーニ
ングシステムを用いた電子写真画像形成プロセスの複写
機等の画像形成装置である。
【0067】この画像形成装置は、像担持体としてドラ
ム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムという)1を
備えており、この感光ドラム1は、駆動装置(不図示)
によって矢印方向(時計方向)に回転駆動される。感光
ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、接触
帯電部材としての帯電ローラ2を有する帯電装置20、
露光装置3、現像装置4、転写ローラ5、分離帯電器6
が配設されている。更に、転写材(用紙)Pの搬送方向
(矢印方向)に対して分離帯電器6の下流側には、定着
器7が配設されている。
【0068】そして、画像形成時には、感光ドラム1表
面は帯電ローラ2により、本実施の形態では負極性に一
様に帯電される。そして、露光装置3から発せられるレ
ーザ光により走査露光Lが行なわれ、レーザ光照射部分
の電荷が除去されて画像情報に応じた静電潜像が形成さ
れる。感光ドラム1上の静電潜像は、現像部で現像装置
4の帯電(負極性に帯電)したトナーtによって現像さ
れ、トナー像して顕像化される。
【0069】現像された感光ドラム1上のトナー像は、
所定のタイミングで感光ドラム1と転写ローラ5間の転
写ニップ部Nに搬送される用紙などの転写材Pに、転写
バイアス(トナーと逆極性)が印加された転写ローラ5
によって転写される。トナー像転写後の転写材Pは、分
離帯電器6によって感光ドラム1表面から分離され、定
着器7に搬送される。定着器7に搬送された転写材P
は、定着器7の定着ローラ7aと加圧ローラ7b間の定
着ニップ部で加熱、加圧されて、転写材Pの表面にトナ
ー像が定着され後に外部に排出される。
【0070】また、この画像形成装置は、転写材Pへの
トナー画像転写後の感光ドラム1表面に残留している転
写残トナーを除去する専用のクリーニング部材を有して
いない現像同時クリーニングシステムである。
【0071】即ち、転写材Pへのトナー画像転写後にお
いて、感光ドラム1はその表面に転写残トナーを付着し
たまま帯電ローラ2との当接部(帯電ニップ部)Aに到
達し、帯電ローラ2表面に担持されている帯電促進粒子
Mとの摩擦帯電により帯電極性が反転したトナー電荷
は、正規極性(負極性)に揃えられて感光ドラム1上に
吐き出されていくこととなる。吐き出されたトナーは、
現像装置4の上記したかぶり取り電位差Vbackによ
り、現像装置4に回収されて再利用される。
【0072】以下、上記の各部材(感光ドラム1、帯電
装置(帯電ローラ2)20、露光装置3、現像装置4、
転写ローラ5、定着器7)の詳細について説明する。
【0073】(感光ドラム1)本発明の実施の形態1に
おける感光ドラム1は、直接注入帯電方式で帯電され
る。直接注入帯電方式の感光ドラム1としては、通常用
いられている有機感光体等を用いることができるが、望
ましくは、有機感光体上にその抵抗が10〜1014
Ω・cmの材質を有する表面層を持つものや、アモルフ
ァスシリコン系感光体などを用いると、電荷注入帯電を
実現でき、オゾン発生の防止、並びに消費電力の低減に
効果がある。また、帯電性についても向上させることが
可能となる。
【0074】本実施の形態では、感光ドラム1として、
直径30mmの負極性のa−Si感光ドラムを用い、矢
印方向(時計方向)に210mm/secのプロセスス
ピード(周速度)をもって回転駆動される。この感光ド
ラム1は、負極帯電性アモルファスシリコン(a−S
i)で構成された感光層を有し、さらにその最表面層に
はa−Siよりもさらに硬度の高いアモルファスカーボ
ン(a−C)の保護膜を有している。
【0075】このa−Cの膜厚は、表面層の磨耗量と画
像形成装置の寿命との関係から最適な膜厚が決定できる
が、一般的には0.01μm〜10μm、好適には0.
1μm〜1μmの範囲が望ましい。表面層の膜厚が0.
01μm以下だと機械的強度が損なわれ、10μm以上
になると残留電位が高くなる場合がある。本実施の形態
では、透光性等の最適条件も考慮して0.2μmのa−
C表面層を用いた。
【0076】(露光装置3)露光装置3は、本実施の形
態ではレーザダイオード(半導体レーザ)、ポリゴンミ
ラー等を含むレーザビームスキャナ(露光装置)であ
り、目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対
応して強度変調されたレーザ光を出力し、このレーザ光
で感光ドラム1表面の一様帯電面を走査露光Lする。こ
の走査露光Lにより感光ドラム1表面に目的の画像情報
に対応した静電潜像が形成される。
【0077】露光装置3に用いる光源としては、上記の
レーザダイオード以外にもLEDアレイであっても良
く、この場合は、目的の画像情報に対応する位置のLE
Dを点灯し、感光ドラム1表面に静電潜像を形成する。
また、本実施の形態の画像形成装置(複写機)では、露
光装置は静電潜像の形成に用いる光源のみであり、除電
光は設けていない。
【0078】本実施の形態では、感光ドラム1表面は帯
電ローラ2により−400Vに一様帯電される。そし
て、露光装置3のレーザダイオード(半導体レーザ)か
ら発せられる波長680nmのレーザ光により、600
dpi(dot/inch)で走査露光が行なわれ、レ
ーザ光照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成され
る。
【0079】(現像装置4)現像装置4は、表面にトナ
ーtが薄層状に塗布される現像ローラ8と、現像装置4
内のトナーtを攪拌するとともに現像ローラ8に向けて
移動させる攪拌部材10a,10bと、現像ローラ8表
面に塗布されたトナーtの層厚を規制する規制ブレード
9とを有している。
【0080】現像ローラ8と規制ブレード9との間のギ
ャップは200μmに設定されている。また、現像ロー
ラ8の表面は、バインダーであるフェノール樹脂と、ピ
グメントであるカーボン及びグラファイトからなる樹脂
によりコートされており、その組成重量比(バインダ
ー:ピグメント)は、2.5:1.0である。
【0081】本実施の形態の現像装置4では、トナーt
が現像ローラ8表面に塗布され、現像ローラ8表面のコ
ート樹脂と摩擦帯電しながら規制ブレード9によってロ
ーラ塗布量を約1.0mg/cmに層厚規制されたト
ナーtは、現像ローラ8の表面に担持され、矢印方向
(反時計方向)の回転に伴って、感光ドラム1表面に対
向する現像位置(現像部)に搬送される。
【0082】本実施の形態の現像装置4は、現像位置に
おける現像ローラ8と感光ドラム1との間にはギャップ
(以下、SDギャップという)を有しており、非接触現
像であるジャンピング現像方式とした。このSDギャッ
プは、現像ローラ8の回転軸(不図示)に回転可能に支
持された感光ドラム突き当てコロ(不図示)によって、
180〜300μmに設定されている。
【0083】また、本実施の形態におけるトナーtとし
て、疎水化処理されたシリカ及び帯電促進粒子を外添し
た体積平均粒径7μmの磁性一成分絶縁トナー(ネガト
ナー)を用いた。
【0084】本実施の形態の現像装置4による現像時に
は、現像ローラ8に印加される現像バイアスのうちの交
番バイアス電圧の絶対値が500V以上、好ましくは感
光ドラム1へのリークを考慮して、500〜1,500
Vとするのが良い。ただし、このリークは、現像ローラ
8と感光ドラム1との間のギャップ(間隙)の設定によ
り変動する。
【0085】また、上記の交番バイアスの周波数は、
1,000〜5,000Hzの範囲とすることが好まし
い。即ち、交番バイアスの周波数が1,000Hz未満
になると、得られる画像の階調性はよくなるものの、地
カブリを解消するのが困難となる。これは、トナーの往
復運動回数が少ない低周波数領域では、非画像部におい
ても現像バイアス電界による感光ドラム1へのトナーの
押しつけ力が強くなり過ぎるので、逆現像側バイアス電
界によるトナーの剥ぎ取り力によっても、非画像部に付
着したトナーを完全には除去できないためであると考え
られる。
【0086】一方、交番バイアスの周波数が5,000
Hzを超えると、トナーが感光ドラム1に充分接触しな
いうちに、逆現像側のバイアス電界が印加されることに
なるので、現像性が低下する。つまり、トナー自身が高
周波数電界に応答できなくなる。本発明者の検討によれ
ば、本実施の形態においては、交番バイアスの周波数を
1,500〜3,000Hzとすると、最適な画像性を
示すことが確認された。
【0087】本実施の形態では、上記の理由を考慮し、
2000Hz、ピーク間電圧800Vpp、Duty5
0%の交流電圧に、−280Vの直流電圧を重畳させた
現像バイアスを現像ローラ8に印加する。これにより、
感光ドラム1表面の静電潜像は反転現像され、トナーが
付着されてトナー像として顕像化される。なお、トナー
の飛散を抑制するため、紙間、前回転時等の非画像形成
時での感光ドラム1及び現像ローラ8の回転駆動時に
は、交流バイアスを印加しないようにした。
【0088】(転写ローラ5)転写ローラ5は、中抵抗
のローラ部材であり、感光ドラム1に圧接させて転写ニ
ップ部Nを形成している。この転写ニップ部Nに給紙部
(不図示)から所定のタイミングで用紙などの転写材P
を給紙し、かつ転写ローラ5に所定の転写バイアス電圧
を印加することで、感光ドラム1表面のトナー像が転写
材P表面に静電気力と押圧力にて転写される。
【0089】(定着器7)定着器7は、ヒータ(不図
示)を内蔵した定着ローラ7aと加圧ローラ7bを有し
ており、定着器7に搬送された転写材Pは、定着ローラ
7aと加圧ローラ7b間の定着ニップ部で加熱、加圧さ
れて、転写材Pの表面にトナー像が定着される。
【0090】(帯電装置20)帯電装置20は、帯電ロ
ーラ2と帯電バイアス電源12を備えており、帯電ロー
ラ2は、感光ドラム1に所定の押圧力をもって接触させ
て配設した可撓性を有する接触帯電部材としての導電性
弾性ローラである。
【0091】帯電ローラ2は当接部(帯電ニップ部)A
で感光ドラム1に圧接し、所定の接触幅を形成してい
る。帯電ローラ2には、予めその外周面に帯電促進粒子
Mをコートして担持させてあり、この当接部Aにも帯電
促進粒子Mが存在している。また、帯電ローラ2は、当
接部Aにおいて感光ドラム1と逆方向に回転するように
構成されており、帯電ローラ2は、感光ドラム1に対し
て所定の速度差を持って接触する。
【0092】そして、この帯電ローラ2に帯電バイアス
電源12から所定の帯電バイアスが印加されることによ
り、感光ドラム1の外周面が注入帯電方式で所定の極性
・電位に一様に接触帯電処理される。本実施の形態で
は、帯電ローラ2には感光ドラム1の外周面が略−40
0Vに一様に帯電処理されるように、帯電バイアス電源
12から帯電バイアスを印加する。
【0093】本実施の形態の画像形成装置では、極性が
反転した転写残トナーは帯電ローラ2と感光ドラム1と
の当接部Aにおいて、摩擦帯電によりトナー電荷を正規
に揃えられて感光ドラム1上に再度吐き出される。
【0094】また、帯電ローラ2と感光ドラム1の当接
部(帯電ニップ部)Aの当接幅は、帯電ローラ2のロー
ラ硬度とローラ径、及び感光ドラム1に対する押圧力に
よって決まる。この当接部幅は、大きい方が帯電促進粒
子Mと接触する面積が大きくなるため帯電性は良くな
る。また、帯電均一性は帯電ローラ2の感光ドラム1に
対する周速比に依存し、この周速比が大きい方が帯電均
一性は向上する。
【0095】一方、感光ドラム1表面の削れは、帯電ロ
ーラ2と感光ドラム1の当接部(帯電ニップ部)Aの当
接幅、及び前記周速比の増加に対し線形的に増加する傾
向にあるため、それぞれの値をむやみに大きくするのは
好ましくない。本実施の形態では、初期の状態で良好な
帯電性が得られる条件で、帯電ローラ2と感光ドラム1
の当接部(帯電ニップ部)Aの当接幅が1mmとなるよ
うに設定し、周速比は100%とした(帯電ローラ2は
感光ドラム1との当接部にて逆方向に移動)。
【0096】以下、本実施の形態における帯電ローラ
2、帯電促進粒子M、注入帯電、帯電促進粒子Mの補
給、転写残トナーの正規化について、更に詳細に説明す
る。
【0097】本実施の形態における接触帯電部材として
の帯電ローラ2は、芯金上にゴムあるいは発泡体の中抵
抗層を形成することにより構成されている。中抵抗層
は、樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカー
ボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯
金の上にローラ状に形成した。その後、必要に応じて表
面を研磨した。
【0098】本実施の形態の帯電ローラ2のローラ抵抗
を測定したところ、100kΩであった。ローラ抵抗
は、帯電ローラ2の芯金に9.8Nの加重がかかるよう
外径30mmのアルミ基体に帯電ローラ2を圧着した状
態で、芯金とアルミ基体との間に100Vを印加して計
測した。
【0099】上記した帯電ローラ2は電極として機能す
ることが重要である。つまり、弾性を持たせて感光ドラ
ム1との十分な接触状態を得ると同時に、移動する感光
ドラム1を充電するに十分低い抵抗を有する必要があ
る。また、一方では感光ドラム1にピンホールなどの低
耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する
必要がある。
【0100】このため、帯電ローラ2のローラ抵抗は、
十分な帯電性と耐リークを得るために10〜10Ω
が望ましい。更に、帯電ローラ2の表面は帯電促進粒子
Mを保持できるようミクロな凹凸があるものが望まし
い。
【0101】帯電ローラ2の硬度は、硬度が高すぎると
感光ドラム1との間に当接部(帯電ニップ部)Aを確保
できないだけでなく、感光ドラム1表面へのミクロな接
触性が悪くなるので、アスカーC硬度で50度以下が好
ましい範囲である。
【0102】また、帯電ローラ2の材質としては、弾性
発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料として、
EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR
等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等
の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡さ
せたものが挙げられる。なお、特に導電性物質を分散せ
ずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすること
も可能である。
【0103】(帯電促進粒子M)本実施の形態では、帯
電促進粒子Mとして、比抵抗が10Ω・cm、平均粒
径が1.5μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いた。帯電促
進粒子Mは、一次粒子の状態で存在するばかりでなく、
二次粒子の凝集した状態で存在することもなんら問題は
ない。どのような凝集状態であれ、凝集体として帯電促
進粒子Mとしての機能が実現できればその形態は重要で
はない。
【0104】帯電促進粒子Mの粒径は、粒子が凝集体を
構成している場合は、その凝集体としての平均粒径とし
て定義した。粒径の測定には、光学あるいは電子顕微鏡
による観察から100個以上抽出し、水平方向最大弦長
をもって体積粒度分布を算出し、その50%平均粒径を
もって決定した。
【0105】また、帯電促進粒子Mの抵抗値が2×10
12Ω・cm以上であると、帯電性が損なわれた。その
ため、抵抗値が1×1012Ω・cm以下である必要が
あり、さらに好ましくは1×10Ω・cm以下である
必要がある。本実施の形態では、1×10Ω・cmの
ものを用いた。
【0106】抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化し
て求めた。即ち、底面積2.26cmの円筒内に約
0.5gの粉体試料を入れ、上下電極に147Nの加圧
を行うと同時に100Vの電圧を印加して抵抗値を計測
し、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0107】また、帯電促進粒子Mは、静電潜像の露光
時に妨げにならないように、白色または透明に近いこと
が望ましく、よって非磁性であることが好ましい。更
に、帯電促進粒子Mが感光ドラム1上から転写材Pに一
部転写されてしまうことを考えると、カラー画像形成で
は無色、あるいは白色のものが望ましい。また、粒径も
トナー(現像剤)の粒径に対して1/2以下程度でない
と、露光装置3の走査露光Lを遮ることがあった。
【0108】そのため、帯電促進粒子Mの粒径は、トナ
ーの粒径の1/2よりも小さいことが望ましい。帯電促
進粒子Mの粒径の下限値としては、粒子として安定に得
られるものとして10nmが限界と考えられる。また、
帯電促進粒子Mの材料としては、本実施の形態では酸化
亜鉛を用いたが、これに限るものではなく、その他、酸
化チタンやアルミナなど他の金属酸化物の導電性無機粒
子や有機物との混合物、あるいは、これらに表面処理を
施したものなど各種導電粒子が使用可能である。
【0109】(注入帯電)本実施の形態のように、感光
ドラム1と帯電ローラ2との当接部(帯電ニップ部)A
に帯電促進粒子Mを介在させることで、帯電促進粒子M
の滑剤効果により、摩擦抵抗が大きくてそのままでは感
光ドラム1に対して速度差を持たせて接触させることが
困難であった帯電ローラ2であっても、それを感光ドラ
ム1表面に対して無理なく容易に効果的に速度差を持た
せて接触させた状態にすることが可能となると共に、帯
電ローラ2が帯電促進粒子Mを介して感光ドラム1表面
に密に接触して、より高い頻度で感光ドラム1表面に接
触する構成となる。
【0110】このように、帯電ローラ2と感光ドラム1
との間に速度差を設けることにより、帯電ローラ2と感
光ドラム1の当接部(帯電ニップ部)Aにおいて帯電促
進粒子Mが感光ドラム1に接触する機会を格段に増加さ
せ、高い接触性を得ることができる。よって、帯電ロー
ラ2と感光ドラム1の当接部Aに存在する帯電促進粒子
Mが感光ドラム1表面を隙間なく摺擦することで感光ド
ラム1に電荷を直接注入できるようになり、帯電ローラ
2による感光ドラム1の接触帯電は帯電促進粒子Mの介
存により注入帯電機構が支配的となる。
【0111】従って、従来のローラ帯電等では得られな
かった高い帯電効率が得られ、帯電ローラ2に印加した
電圧と略同等の帯電電位を感光ドラム1に与えることが
できる。このように、接触帯電部材として帯電ローラ2
を用いた場合でも、帯電ローラ2に対する帯電に必要な
帯電印加バイアスは感光ドラム1に必要な帯電電位相当
の電圧で十分であり、放電現象を用いない安定、かつ安
全な接触帯電を実現することができる。
【0112】また、帯電ローラ2と感光ドラム1の当接
部(帯電ニップ部)Aや帯電ローラ2表面に帯電促進粒
子Mを予め担持させておくことで、画像形成装置を最初
に使用する際の初期から良好な帯電性能を得ることがで
きる。
【0113】(帯電促進粒子Mの当接部(帯電ニップ
部)Aと帯電ローラ2への補給)初期時に、感光ドラム
1と帯電ローラ2との当接部Aに十分量の帯電促進粒子
Mを介在させても、あるいは帯電ローラ2に十分量の帯
電促進粒子Mを塗布しておいても、画像形成装置の画像
形成動作に伴って帯電促進粒子Mが当接部Aや帯電ロー
ラ2から減少したり、帯電促進粒子Mが劣化したりする
ことで、帯電性の低下が生じる。そのため、帯電性の低
下が生じた際には、当接部Aや帯電ローラ2に対して帯
電促進粒子Mを補給する必要がある。
【0114】このため、帯電ローラ2表面に対して帯電
促進粒子Mを供給する帯電促進粒子供給装置(不図示)
を設けてもよいが、本実施の形態では、現像装置4内に
トナーと共に帯電促進粒子Mを供給する構成とし、現像
装置4から感光ドラム1表面を介して帯電促進粒子Mを
補給している。現像装置4内では帯電促進粒子Mはトナ
ーに対する帯電補助剤としての外添剤であり、現像時に
現像ローラ8への現像バイアスの印加によって感光ドラ
ム1側へ供給し、帯電ローラ2へ到達するものである。
【0115】(転写残トナーの正規化)転写後に感光ド
ラム1表面に残留した転写残トナーは、感光ドラム1と
帯電ローラ2との当接部Aで摺擦され、その摩擦帯電に
より元の帯電極性(負極性)に戻される(正規化)。本
実施の形態では、ネガトナーを用いた反転現像であるの
で、トナーtと帯電促進粒子Mの摩擦帯電特性としては
両者が摩擦することにより、トナーtが負極性となるよ
うな関係となっている。
【0116】そして、本実施の形態に係る画像形成装置
では、以下に述べるような帯電バイアスを帯電ローラ2
に印加するようにした。
【0117】本実施の形態における帯電バイアス電源1
2から帯電ローラ2への印加帯電バイアスは、図2に示
すように、直流電圧に交流電圧(矩形波、duty50
%)を重畳したバイアスであり、その交流電圧は感光ド
ラム1の表面帯電電位(図のa)に対して帯電電位方向
に大きなピーク電圧値を持ち(150V)、逆側のピー
ク電圧値が小さくなる(30V)ようなバイアスであ
る。なお、図2のbは、交流電圧(矩形波)のduty
50%を示している。
【0118】この交流電圧の周波数は、本実施の形態の
プロセススピードが210mm/secであることから
感光ドラム1の表面帯電電位に周波数ムラが生じない範
囲とする必要があり、本実施の形態では、交流電圧の周
波数を1KHzとした。
【0119】周波数ムラはプロセススピードに依存し、
プロセススピードが速いほど周波数は高くする必要があ
る。また、周波数(f)とプロセススピード(Vd)を
振って調べたところ、f/Vd=1となる条件が、周波
数ムラが見え始める周波数の下限であることが分かっ
た。
【0120】また、周波数を高くし過ぎると、今度はト
ナーが高周波電界に追従しきれずにトナーの吐き出し性
の低下が見られるようになる(トナーが感光ドラム1に
しっかりと付着する前に引き戻される)。本発明者の実
験では、f=5KHz以上でトナーの吐き出し性の低下
が見られ始めたため、ここを上限とした。
【0121】図3は、本実施の形態におけるプロセスス
ピードと前記交流電圧の周波数の関係を表したもので、
周波数として図中の斜線部内のものを用いれば、トナー
の吐き出し性の低下は認められなかった。
【0122】また、本実施の形態では、感光ドラム1表
面の非画像部電位(ベタ白電位)を−400V、現像電
圧VDCを−280Vとし、かぶり取り電位差(Vba
ck)を120Vに設定した。
【0123】帯電ローラ2に直流電圧のみ印加する場合
は転写残トナーの吐き出し性は悪く、転写残トナーは帯
電ローラ2に付着したまま帯電ローラ2上を連れ回る成
分が比較的多くなるのに対し、直流電圧に交流電圧を重
畳した場合は、トナーに振動電界が加わり、帯電ローラ
2から感光ドラム1に吐き出されるトナー量が増加し、
帯電ローラ2上に連れ回る成分が減少する。
【0124】つまり、帯電ローラ2に直流電圧に交流電
圧を重畳した帯電バイアスを印加することによって、帯
電ローラ2表面のトナーの蓄積を防ぎ、常にきれいな状
態に保持することができる。更に、交流電圧を重畳する
ことにより電位のならし効果が得られ、帯電均一性も向
上するという利点がある。
【0125】また、本実施の形態では、図2に示したよ
うに、帯電バイアスの交流電圧(交流成分)を感光ドラ
ム1の表面帯電電位方向に電界を強くし、逆方向を弱く
しているため、正規化されたトナーを有効に吐き出し
て、正規化されていないトナー、あるいは帯電促進粒子
Mを保持することができる。即ち、本実施の形態では、
帯電バイアスの交流電圧(交流成分)は、感光ドラム1
の表面帯電電位に対して感光ドラム1の帯電極性と同じ
極性側のピーク間電圧値がその逆極性側のピーク間電圧
値よりも大きくなるように設定した。
【0126】上記のように設定した帯電バイアスを帯電
ローラ2に印加する本実施の形態(実施の形態1)の画
像形成装置における、帯電ローラ2から吐き出しトナー
量と、帯電ローラ2から吐き出されるトナーに起因する
カブリの評価実験を行った。図9は、この評価結果であ
る。
【0127】なお、トナーの吐き出し量の評価は、ベタ
黒トナー画像出力後に吐き出されるトナーを感光ドラム
1表面からテーピングし、その濃度を比較した(画像比
率が低いものだと転写残トナー量が少ないため、吐き出
しトナー量の比較は難しい)。トナーの吐き出し量の評
価において、◎は大変良い(トナーが良好に吐き出され
る)、○は良い(実用レベルでは問題なし)、△は悪
い、である。
【0128】また、カブリの評価は、カブリ反射濃度計
による反射光量測定によりカブリとして数値化して%で
表し、そのレベルを○(カブリ数値が1.0%未満)、
△(カブリ数値が1.0〜1.5%)、×(カブリ数値
が1.5%超)で示した。
【0129】図9に示した評価結果から明らかなよう
に、本実施の形態(実施の形態1)では、吐き出しトナ
ー量評価、カブリ評価とも良好であり、吐き出しトナー
の平均帯電量は−6μC/gであった。
【0130】また、図9に示した評価結果において、
「従来例」は図11に示した従来の帯電バイアスを印加
する構成の従来の画像形成装置であり、吐き出しトナー
の平均帯電量は−0.5μC/gであった。この「従来
例」では、吐き出しトナー量評価は良かったが、カブリ
評価は悪かった。
【0131】また、図9に示した評価結果において、
「比較例1」、「比較例2」は、図4、図5にそれぞれ
示すような交流電圧を重畳した帯電バイアスを用いた。
なお、図4、図5において、aは感光ドラム1の表面帯
電電位、bは、交流電圧(矩形波)のduty50%を
示している。
【0132】図4に示した「比較例1」の帯電バイアス
の交流電圧(交流成分)は、感光ドラム1の表面帯電電
位(図のa)に対して帯電電位方向に80Vのピーク電
圧値を持ち、逆方向側に10Vのピーク電圧値を有して
いる。その他の条件及び構成は実施の形態1と同様であ
る。「比較例1」では、吐き出しトナー量評価は悪かっ
たが、カブリ評価はよかった。また、吐き出しトナーの
平均帯電量は−5.5μC/gであった。
【0133】また、図5に示した「比較例2」の帯電バ
イアスの交流電圧(交流成分)は、感光ドラム1の表面
帯電電位(図のa)に対して帯電電位方向に110Vの
ピーク電圧値を持ち、逆方向側に60Vのピーク電圧値
を有している。その他の条件及び構成は実施の形態1と
同様である。「比較例2」では、吐き出しトナー量評価
は良かったが、カブリ評価はあまり良くなかった。ま
た、吐き出しトナーの平均帯電量は−3μC/gであっ
た。
【0134】このように本実施の形態では、帯電ローラ
2に直流電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを印加
する構成とし、かつ、帯電バイアスの交流電圧(交流成
分)を、感光ドラム1の表面帯電電位方向に電界を強く
し、逆方向を弱くすることによって、帯電ローラ2から
感光ドラム1にトナー(転写残トナー)を良好に吐き出
すことができ、また、帯電ローラ2から吐き出されるト
ナーに起因するカブリの発生を防止することができるの
で、長期にわたって良好な画像形成を行うことができ
る。
【0135】〈実施の形態2〉本実施の形態では、図6
に示すように、帯電ローラ2への印加帯電バイアスの重
量する交流電圧(矩形波、duty50%)は、感光ド
ラム1の表面帯電電位(図のa)に対して帯電電位方向
に大きなピーク電圧値を持ち(100V)、逆方向側の
ピーク電圧値が小さくなる(10V)ようなバイアスで
ある。その他の条件及び構成は実施の形態1と同様であ
る。なお、図6のbは、交流電圧(矩形波)のduty
50%を示している。
【0136】本実施の形態(実施の形態2)における吐
き出しトナー量評価とカブリ評価は、図9に示すよう
に、吐き出しトナー量評価、カブリ評価とも良好であ
り、吐き出しトナーの平均帯電量は−6μC/gであっ
た。
【0137】このように本実施の形態においても、実施
の形態1と同様に、帯電ローラ2から感光ドラム1にト
ナー(転写残トナー)を良好に吐き出すことができ、ま
た、帯電ローラ2から吐き出されるトナーに起因するカ
ブリの発生を防止することができるので、長期にわたっ
て良好な画像形成を行うことができる。
【0138】〈実施の形態3〉本実施の形態では、図7
に示すように、帯電ローラ2への印加帯電バイアスの重
量する交流電圧(矩形波、duty50%)は、感光ド
ラム1の表面帯電電位(図のa)に対して帯電電位方向
に大きなピーク電圧値を持ち(100V)、逆方向側の
ピーク電圧値が小さくなる(50V)ようなバイアスで
ある。その他の条件及び構成は実施の形態1と同様であ
る。なお、図7のbは、交流電圧(矩形波)のduty
50%を示している。
【0139】本実施の形態では、逆方向側のピーク電圧
値を50Vとしたが、図12に示したように、交流電圧
(交流成分)のピーク間電圧が100V以上で交流電圧
の吐き出し効果が見られ始めることから、片側の振幅が
50V以上でその効果が得られるということである。即
ち、本実施の形態では、正規化されていないトナー(ポ
ジトナー)を吐き出す方向のピーク間電圧が50Vであ
るので、このトナー(ポジトナー)は帯電ローラ2から
感光ドラム1に吐き出されずに、ネガトナーだけが吐き
出されることになる。
【0140】本実施の形態(実施の形態3)における吐
き出しトナー量評価とカブリ評価は、図9に示すよう
に、吐き出しトナー量評価、カブリ評価とも良好であ
り、吐き出しトナーの平均帯電量は−6μC/gであっ
た。
【0141】このように本実施の形態においても、実施
の形態1と同様に、帯電ローラ2から感光ドラム1にト
ナー(転写残トナー)を良好に吐き出すことができ、ま
た、帯電ローラ2から吐き出されるトナーに起因するカ
ブリの発生を防止することができるので、長期にわたっ
て良好な画像形成を行うことができる。
【0142】〈実施の形態4〉ベタ黒トナー画像等の画
像比率の高い画像を大量に連続出力する場合において、
実施の形態1(又は実施の形態2、3)における画像形
成装置においても、極めて稀に帯電ローラ2からの転写
残トナーの吐き出し能力が追いつかず、帯電能の低下が
生じる場合があった。
【0143】そこで本実施の形態では、図8に示すよう
に、帯電ローラ2の表面に摩擦帯電部材11を当接させ
る構成とした。その他の条件及び構成は実施の形態1と
同様である。
【0144】摩擦帯電部材11の材質としては、反転帯
電したトナーを正規化(現像トナーと同極性)する能力
を有するものであれば何でも良い。本実施の形態では、
摩擦帯電部材11として、シート状のウレタンにカップ
リング処理をし、トナーに対しネガ付与性があるものを
用いた。
【0145】上記した実施の形態1乃至3の構成の画像
形成装置では、正規化されているトナーは帯電ローラ2
から感光ドラム1に有効に吐き出されるが、正規化され
ていないトナーは正規化されるまで、帯電ローラ2と感
光ドラム1との当接部(帯電ニップ部)Aで摺擦を繰り
返す。
【0146】そして、ベタ黒トナー画像等の画像比率の
高い画像を連続出力すると転写残トナー量も多くなるた
め、正規化されないトナーが帯電ローラ2表面に蓄積す
ることによって、帯電ローラ2表面での帯電促進粒子M
の占有面積が低下し、十分な注入帯電性能が得られなく
なる。更に、帯電ローラ2表面におけるトナー占有面積
が増加すると、転写残トナーが帯電ローラ2と摩擦を受
ける確率が低下するために正規化がされにくくなり、転
写残トナーが帯電ローラ2から吐き出されにくくなると
いう悪循環に陥る可能性が考えられる。
【0147】そこで、本実施の形態のように、摩擦帯電
部材11を帯電ローラ2表面に当接させることで、積極
的に帯電ローラ2表面のトナーを正規化させることがで
きるため、実施の形態1における帯電バイアスを印加す
ることによって、優れたトナーの吐き出し性を得ること
が可能となる。
【0148】本実施の形態(実施の形態4)における吐
き出しトナー量評価とカブリ評価は、図9に示すよう
に、吐き出しトナー量評価は大変良好であり、カブリ評
価も良好であった。また、吐き出しトナーの平均帯電量
は−7μC/gであった。
【0149】このように本実施の形態では、ベタ黒トナ
ー画像等の画像比率の高い画像を連続出力する場合で
も、帯電ローラ2から感光ドラム1にトナー(転写残ト
ナー)を良好に吐き出すことができ、また、帯電ローラ
2から吐き出されるトナーに起因するカブリの発生を防
止することができるので、長期にわたって良好な画像形
成を行うことができる。
【0150】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば、帯電
バイアスの交流成分のデューティー比が直流成分に対し
て、像担持体の帯電極性と同じ極性側のピーク間電圧値
がその逆極性側のピーク間電圧値よりも大きくなるよう
に設定したことにより、接触帯電部材から像担持体に残
トナーを良好に吐き出すことができ、また、接触帯電部
材から吐き出されるトナーに起因するカブリの発生を防
止することができるので、長期にわたって良好な画像形
成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示
す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態1における帯電バイアスの
交流電圧の波形を示す図。
【図3】本発明の実施の形態1におけるプロセススピー
ドに対する帯電バイアスの交流成分周波数の適正範囲を
示す図。
【図4】本発明の比較例1における帯電バイアスの交流
電圧の波形を示す図。
【図5】本発明の比較例2における帯電バイアスの交流
電圧の波形を示す図。
【図6】本発明の実施の形態2における帯電バイアスの
交流電圧の波形を示す図。
【図7】本発明の実施の形態3における帯電バイアスの
交流電圧の波形を示す図。
【図8】本発明の実施の形態4に係る画像形成装置の要
部を示す概略構成図。
【図9】本発明の実施の形態1乃至4における評価結果
を示す図。
【図10】帯電ローラへの直流印加電圧(帯電バイア
ス)と感光体帯電電位(感光ドラムの帯電表面電位)と
の関係を示す図。
【図11】従来例における画像形成装置を示す概略構成
図。
【図12】従来例における帯電バイアスの交流電圧の波
形を示す図。
【図13】帯電ローラへの交流印加電圧(帯電バイアス
交流成分ピーク間電圧)に対する吐き出しトナー量の増
加量を示す図。
【図14】転写残トナーが帯電ローラを通過する際の経
路を説明するための図。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体) 2 帯電ローラ(接触帯電部材) 3 露光装置 4 現像装置 5 転写ローラ 6 分離帯電器 7 定着器 8 現像ローラ 9 規制ブレード 11 摩擦帯電部材 12 帯電バイアス電源 20 帯電装置 t トナー M 帯電促進粒子(導電性微粉体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H073 AA03 BA04 BA13 BA43 CA02 CA14 2H077 AA37 AB03 AB14 AB18 AC16 AD06 AD13 AD31 AD36 DB08 DB12 EA11 EA16 GA04 2H200 FA08 FA14 FA18 GA16 GA18 GA23 GA30 GA33 GA46 GA49 GB37 HA03 HA21 HA29 HB17 HB45 HB46 HB47 HB48 LB03 LB15 MA03 MA08 MA14 MB04 MC02 NA06 PA05 PA08 PA09 PB14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動自在な像担持体と、回転自在な接触
    帯電部材上に導電性を有する導電性微粉体を保持し、前
    記導電性微粉体を存在させて前記接触帯電部材を前記像
    担持体に当接させ、直流成分に交流成分を重畳した帯電
    バイアスの印加により前記像担持体を帯電する帯電手段
    と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成
    する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像として顕像化する現像手段と、前記トナー像を
    転写部位にて転写材へ転写する転写手段と、を備え、前
    記現像手段が、前記転写手段によりトナー像を転写材に
    転写した後に前記像担持体上に残留した残トナーを前記
    接触帯電部材に静電的に一旦回収させた後に前記像担持
    体上に吐き出された残トナーを静電的に回収するクリー
    ニング手段を兼ねるクリーナレスの画像形成装置におい
    て、 前記帯電バイアスの前記交流成分のデューティー比が前
    記直流成分に対して、前記像担持体の帯電極性と同じ極
    性側のピーク間電圧値がその逆極性側のピーク間電圧値
    よりも大きい、ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記帯電バイアスの前記交流成分は、前
    記直流成分に対して前記像担持体の帯電極性と同じ極性
    側のピーク間電圧値を前記接触帯電部材による前記像担
    持体の表面帯電電位に対して絶対値で100V以上高く
    設定し、かつ、その逆極性側のピーク間電圧値を前記接
    触帯電部材による前記像担持体の表面帯電電位に対して
    絶対値で50V以上低くならないように設定する、 ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記帯電バイアスの前記交流成分の周波
    数f(Hz)は、前記像担持体の移動速度をVd(mm
    /sec)とすると、 1<(f/Vd)<(5000/Vd) を満たすように設定される、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記接触帯電部材は、前記像担持体との
    当接部において前記像担持体の移動方向と逆方向に移動
    するように回転される、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記接触帯電部材は、アスカーC硬度が
    50度以下のローラ部材である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記ローラ部材の体積抵抗が10Ω・
    cm以上10Ω・cm以下である、 ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記導電性微粉体の体積抵抗が1×10
    Ω・cm以下である、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記導電性微粉体は、トナーの外添剤と
    して含有されており、現像時に前記像担持体上に付着し
    て前記像担持体の移動に伴って少なくとも前記接触帯電
    部材と前記像担持体との当接部に供給される、 ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記現像手段による現像方法は、現像バ
    イアスの印加によりトナーを前記像担持体上の静電潜像
    に転移させて現像する非接触ジャンピング現像法であ
    る、 ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記接触帯電部材上に摩擦帯電部材を
    当接させる、 ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画
    像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記摩擦帯電部材は、正規の帯電極性
    に対して逆極性に帯電したトナーが正規の帯電極性とな
    るように摩擦帯電によって制御する材料から成る、 ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015165271A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 株式会社リコー 帯電装置および画像形成装置
CN106527073A (zh) * 2015-09-15 2017-03-22 佳能株式会社 图像形成装置
JP2017058661A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 キヤノン株式会社 画像形成装置

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