JP2003306835A - 気相成長炭素繊維及びその製造方法 - Google Patents

気相成長炭素繊維及びその製造方法

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JP2003306835A
JP2003306835A JP2002114235A JP2002114235A JP2003306835A JP 2003306835 A JP2003306835 A JP 2003306835A JP 2002114235 A JP2002114235 A JP 2002114235A JP 2002114235 A JP2002114235 A JP 2002114235A JP 2003306835 A JP2003306835 A JP 2003306835A
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carbon fiber
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grown carbon
metal chloride
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JP2002114235A
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Kazuo Muramaki
一男 村槇
Atsuo Nishimura
敦夫 西村
Kotaro Yano
幸太郎 矢野
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的で高い生産性で炭素繊維を製造するこ
と、経済的な触媒を用い、少ない触媒添加量で炭素繊維
を製造すること。 【解決手段】 有機化合物と無機遷移金属化合物を主原
料とし、これらの熱分解反応により気相成長炭素繊維を
製造する方法において、無機遷移金属化合物に遷移金属
塩化物を用い、有機化合物に対して遷移金属塩化物を
0.01〜20質量%用いることを特徴とする気相成長
炭素繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物を炭素
源とし、無機遷移金属化合物を触媒として、これらの熱
分解反応により気相成長炭素繊維を製造する方法及びそ
の炭素繊維、その用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細な炭素繊維の製造方法として、ベン
ゼン等の有機化合物を原料として、フェロセン等の有機
遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャ
リヤーガスとともに高温の反応炉内に導入し微細な炭素
繊維を、基板上に生成させる方法(特開昭60−277
00号公報)、浮遊状態で生成させる方法(特開昭60
−54998号公報)、あるいは反応炉壁に成長させる
方法(特許2778434)等が知られている。これら
の方法により製造された炭素繊維は、気相成長炭素繊維
と呼ばれている。触媒に比較的蒸発の容易な無機遷移金
属化合物を用いた方法(特公平4―13449号公報)
が開示されているが、この方法は用いる触媒の種類によ
っては、触媒を高濃度に添加させなければならず、触媒
の有効利用という観点から生産性に問題点がある。
【0003】触媒を高濃度に添加した場合、製品中に多
量の金属が混入することになり、反応後の熱処理工程に
おいても十分に除去し切れない問題点があり、電子材料
など用途によっては品質に影響を及ぼす。また、炭素繊
維を熱処理する必要がある場合には、多量の金属が混入
した炭素繊維を高温加熱することで不純物の金属が析出
し装置を損傷することになり、生産性を低下させる問題
点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】気相熱分解法炭素繊維
の製造に用いられる遷移金属触媒微粒子を発生する方法
としては、有機遷移金属化合物であるフェロセンを触媒
原料とする方法が一般に行われているが、この方法は、
フェロセンの昇華性を利用して、フェロセンを加熱する
ことにより蒸発させて、それをキャリヤーガスに同伴さ
せて反応装置(生成帯)へ供給し、ここでフェロセンの
熱分解により鉄触媒微粒子を発生させる方法、またはフ
ェロセンをあらかじめ原料(炭素源となる有機化合物)
に溶解させた後に蒸発させて反応装置に供給し、ここで
フェロセンの熱分解により鉄触媒微粒子を発生させる方
法、などがある。 これらの方法はフェロセンの昇華性
を利用してガス化させることにより、反応装置内に均一
に分散供給できる点にすぐれており、工業的に多く採用
されている。ただし、これらの方法で用いられるフェロ
センは高価であり、工業的に多量な炭素繊維を安価に製
造するためには、より安価な触媒原料を用いることが望
まれている。
【0005】遷移金属化合物としては、フェロセン以外
にもカルボニル化合物、カルボン酸化合物などがある
が、いずれも熱分解温度が低く、反応装置内で容易に分
解されるために微細な遷移金属微粒子の生成が困難で、
有効な炭素繊維生成反応触媒にはなり得ない。また無機
遷移金属化合物としては、酸化物、硝化合物、硫化合
物、フッ化物、臭化物、などが知られているが、いずれ
もガス化することが困難である。また、熱分解温度が蒸
発温度以下の化合物では、ガス化が起こる前に熱分解が
起こってしまうため、ガスとして反応装置に供給するこ
とが出来ず、炭素繊維生成反応触媒にはなり得ない。
【0006】本発明の課題は、経済的で高い生産性で炭
素繊維を製造すること、経済的な触媒を用い、少ない触
媒添加量で炭素繊維を製造することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
には、本発明者は触媒の種類や供給方法を鋭意検討した
結果、無機遷移金属塩化物、例えば塩化鉄を触媒として
用いることにより、触媒添加量を少なくする技術を完成
させ、高い生産性を達成した。本発明は以下の構成から
なる。
【0008】すなわち本発明は、 1) 有機化合物と無機遷移金属化合物を主原料とし、
これらの熱分解反応により気相成長炭素繊維を製造する
方法において、無機遷移金属化合物に遷移金属塩化物を
用い、有機化合物に対して遷移金属塩化物を0.01〜
20質量%用いることを特徴とする気相成長炭素繊維の
製造方法、 2) 有機化合物に遷移金属塩化物を溶解し、これを蒸
発させることによりこれらの混合ガスを得る工程、次い
でキャリヤーガスを混合して炭素繊維生成帯に供給する
工程、を含む上記1記載の気相成長炭素繊維の製造方
法、 3) キャリヤーガスと有機化合物の気化ガスとの混合
ガスを得る工程、次いで遷移金属塩化物の気化ガスを混
合して炭素繊維生成帯に供給する工程、を含む上記1記
載の気相成長炭素繊維の製造方法、 4) 遷移金属塩化物溶液を噴霧させることにより遷移
金属塩化物微粒子を生成する工程、キャリヤーガスと有
機物化合物の気化ガスとの混合ガスを得る工程、該遷移
金属塩化物微粒子と、キャリヤーガスと有機物化合物の
気化ガスとを炭素繊維生成帯に供給する工程、を含む上
記1記載の気相成長炭素繊維の製造方法、 5) 遷移金属塩化物が、鉄、ニッケル、コバルト、モ
リブデン、バナジウムからなる群から選ばれる少なくと
も1種の遷移金属塩化物であることを特徴とする上記1
〜4のいづれかひとつに記載の気相成長炭素繊維の製造
方法、 6) 遷移金属塩化物が、塩化鉄、塩化ニッケル、塩化
コバルトからなる群から選ばれる少なくとも1種である
上記5記載の気相成長炭素繊維の製造方法、 7) 有機化合物が、芳香族化合物、アセチレン、エチ
レン、ブタジエン、またはこれらの混合物である上記1
〜5のいづれかひとつに記載の気相成長炭素繊維の製造
方法、 8) 芳香族化合物が、ベンゼン、トルエン、キシレン
またはナフタレンである上記7記載の気相成長炭素繊維
の製造方法、 9) 有機化合物に遷移金属塩化物を溶解し、これを蒸
発させることによりこれらの混合ガスを得る工程におい
て、溶解助剤として、メタノール、エタノール、アセト
ン、を添加することを特徴とする上記2に記載の気相成
長炭素繊維の製造方法、 10) 上記1〜9のいずれかひとつに記載の製造方法
で製造された気相成長炭素繊維、 11) 繊維外径が1〜500nm、繊維長さが0.5
〜100μmである上記10に記載の気相成長炭素繊
維、 12) 遷移金属塩化物が塩化鉄である上記1記載の製
造方法で製造された気相成長炭素繊維であって、繊維外
径が1〜500nm、繊維長さが0.5〜100μmで
あり、該繊維中の鉄含有量が5質量%以下である気相成
長炭素繊維、 13) 樹脂に上記10〜12のいずれかひとつに記載
の気相成長炭素繊維を含む樹脂組成物、及び 14) 上記10〜12のいずれかひとつにに記載の気
相成長炭素繊維を含む電極材料を用いる二次電池。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の炭素繊維の製造に用いられる主原
料は炭素源としての有機化合物と遷移金属塩化物であ
る。
【0011】炭素源としては、気化する温度がその分解
温度より低く、炭素を含む有機化合物ならば何でも適用
できるが、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族化合物、アセチレン、エチレン、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタン、ブタジエン等の直鎖状の炭化水
素、脂環式炭化水素、メタノール、メタノール等のアル
コール類などを使用できるが、芳香族化合物が望まし
く、中でもベンゼン、キシレンがさらに望ましい。ま
た、これらの炭素源は単体でも2種類以上混合しても用
いることができる。
【0012】遷移金属塩化物を触媒原料として用いるこ
とが有効である。それは、鉄、ニッケル、コバルト、モ
リブデン、バナジウムなどの遷移金属塩化物は、これら
の酸化物、硝酸化物、硫酸化物、フッ化物、臭化物、な
どと比較して、昇華性があり、また沸点が低いため、容
易にガス化することが可能である。また、熱分解温度お
よび水素による還元反応温度も、有機遷移金属化合物の
熱分解反応温度と比較して高いため、反応装置内で微細
な遷移金属微粒子が生成され、これが炭素繊維生成反応
触媒として有効に機能する。
【0013】例えば、ベンゼンを炭素(クラスター)
源、塩化第二鉄を触媒源、水素ガスをキャリヤーガスと
する場合では、これらの混合ガスを反応装置へ供給する
と、約350℃で塩化第二鉄が水素ガスで還元されて、
鉄原子が放出される。この鉄原子は、衝突・凝集を繰り
返して徐々に大きくなり、数ナノメータの微粒子に成長
すると炭素繊維生成反応の触媒として機能するようにな
る。同時に、ベンゼンの熱分解反応による炭素クラスタ
ーの生成が進行し、これが上記の鉄微粒子を核として成
長し、炭素繊維が形成されてゆく。
【0014】塩化鉄は、塩化第一鉄(FeCl2)、塩
化第二鉄(FeCl3)を用いることができ、これらは
単体でも併用でもよい。また、水和物、無水和物でもよ
い。
【0015】また原料に硫黄源を添加することにより生
産性を更に向上させることが可能である。硫黄源として
は、元素状の硫黄、チオフェン等有機硫黄化合物、硫化
水素等無機硫黄化合物を用いることができるが、硫黄ま
たはチオフェンが望ましい。取り扱いの容易さから硫黄
が更に望ましい。これらの硫黄、硫黄化合物は単体でも
2種類以上の併用も可能である。
【0016】遷移金属塩化物を反応装置へ供給する方法
としては、例えば、 有機化合物に遷移金属塩化物を
溶解し、これを蒸発させることによりこれらの混合ガス
を得て、次いでキャリヤーガスの水素と混合して炭素繊
維生成炉に供給する方法、遷移金属塩化物をガス化し
てキャリヤーガスの水素と混合して炭素繊維生成炉に供
給する方法、遷移金属塩化物溶液を噴霧して得た微粒
子をキャリヤーガスと有機化合物の気化ガスと供に炭素
繊維生成炉に供給する方法 とがある。
【0017】(遷移金属塩化物を有機化合物に溶解して
供給する方法)遷移金属塩化物を原料有機化合物に溶解
して、これを蒸発装置へ送り、ここで蒸発させた混合ガ
スを反応装置へ送り炭素繊維を得る方法は、遷移金属塩
化物の供給装置が不要なこと、遷移金属塩化物を原料有
機化合物と均一な状態で反応装置へ供給できること、な
どにすぐれている。ただし、遷移金属塩化物の原料有機
化合物への溶解度はそれほど大きくはない。この場合、
溶解助剤として、メタノール、エタノール、アセトン、
などを添加すると溶解度を上げるのに効果がある。たと
えば、ベンゼンに塩化第二鉄を溶解する場合では、ベン
ゼンにエタノールを1質量%添加することにより、塩化
第二鉄を約0.9質量%溶解することができる。この混
合液を蒸発器へ供給し、ここで常圧下で、約80℃に加
熱することにより、この混合液を蒸発させることが出来
る。この場合、蒸発器を攪拌して伝熱をよくするため
に、キャリヤーガスの一部を蒸発器へ供給すると効果的
である。ここで蒸発した混合ガスは、ラインミキサーで
残りのキャリヤーガスと混合されたのち、反応装置へ送
られる。また、反応装置内でなるべく均一な温度分布が
得られるように、キャリヤーガスを予熱しておいてもよ
い。反応装置では、遷移金属塩化物と水素ガスとの還元
反応がおこり、遷移金属原子が放出され、これが衝突・
凝集を繰り返して、微細な遷移金属微粒子が形成されて
ゆく。同時に、原料有機化合物の熱分解反応が進行し
て、炭素クラスターが発生し、これが遷移金属微粒子を
核として炭素繊維が形成されてゆく。
【0018】(遷移金属塩化物をガス化して供給する方
法)上述の遷移金属塩化物を原料有機化合物に溶解して
供給する方法は、遷移金属塩化物の原料有機化合物への
溶解度に限度があるため、遷移金属微粒子を多量に得る
必要がある場合には不適である。この場合には、遷移金
属塩化物の有する物理的な性質を利用する方法が有利で
ある。すなわち、遷移金属塩化物の沸点は、他の遷移金
属化合物と比較してその沸点は低い。例えば常圧下で
は、塩化第二鉄は319℃、二塩化ニッケルは987
℃、二塩化コバルトは1049℃である。これらの遷移
金属塩化物をガスで供給する場合には、必ずしも、これ
らの遷移金属塩化物の沸点まで加熱する必要はなく、こ
れらの遷移金属塩化物を所定の温度に加熱した状態で、
キャリヤーガスを供給することにより、沸点以下の温度
で遷移金属塩化物のガス供給が可能となる。すなわち、
遷移金属塩化物を入れた加熱器の操作圧力、操作温度、
キャリヤーガスの供給量を変えることにより、任意の量
の遷移金属塩化物を供給することができる。例えば、塩
化第二鉄を使用する場合では、キャリヤーガスとしてア
ルゴンをもちいて、操作圧力0.15MPaで操作する
場合では、260℃に加熱することにより、塩化第二鉄
を0.37g/minで供給することができる。この場
合、遷移金属塩化物と水素ガスとの還元反応が問題とな
る場合では、キャリヤーガスとして、窒素、アルゴン、
ヘリウムなどの不活性ガスを用いると良い。加熱器でガ
ス化した遷移金属塩化物は、ラインミキサー等でキャリ
ヤーガスの水素と混合されたのち、反応装置へ送られ
る。また、反応装置内でなるべく均一な温度分布が得ら
れるように、キャリヤーガスを予熱しておいてもよい。
反応装置では、遷移金属塩化物と水素ガスとの還元反応
がおこり、遷移金属原子が放出され、これが衝突・凝集
を繰り返して、微細な遷移金属微粒子が形成されてゆ
く。同時に、原料有機化合物の熱分解反応が進行して、
炭素クラスターが発生し、これが遷移金属微粒子を核と
して炭素繊維が形成されてゆく。
【0019】(遷移金属塩化物溶液を噴霧して得た微粒
子を供給する方法)上述の遷移金属塩化物を原料有機化
合物をガス化して供給する方法は、遷移金属微粒子の粒
径制御をするのが困難であり、触媒の利用効率を高める
ためには触媒として作用する粒径の遷移金属粒子の寿命
を長くする必要がある。遷移金属塩化物溶液、好ましく
は水溶液として遷移金属塩化物水溶液を噴霧して遷移金
属塩化物微粒子を生成し、それを反応装置に送り込んで
水素ガスとの還元反応により、遷移金属塩化物微粒子の
表面から遷移金属が生成してくる。前述までの方法にく
らべ触媒の寿命が長くなる。
【0020】反応によって得られた炭素繊維はそのまま
でも使用できるが、品質向上のため不純物を低減させた
させたり、結晶性を向上させるために100〜1500
℃好ましくは500〜1400℃、更に好ましくは10
00〜1300℃で焼成した後、2000℃以上、好ま
しくは2400℃以上、さらに好ましくは2700℃以
上、特に好ましくは2900℃以上の熱処理で黒鉛化す
ることもできる。更に分級を行い粒状黒鉛等の不純物を
除去することも可能である。本発明の製造方法では、触
媒として無機遷移金属塩化物を用いることで、触媒の添
加量を減少させることができる。無機遷移金属塩化物の
添加量は原料の有機化合物に対して0.01〜20質量
%、好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは
0.2〜5質量%用いるのがよい。従って、少量の無機
遷移金属塩化物から得られる炭素繊維は不純物として含
まれる遷移金属の量が少量となる。例えば、遷移金属塩
化物として塩化鉄を用いる場合では、約1000℃での
熱処理(焼成)後、炭素繊維中に含まれる鉄の含有量は
約3質量%以下となる。
【0021】熱処理の昇温速度については、公知の装置
における最速昇温速度及び最低昇温速度の範囲内では特
に性能に大きく影響しない。しかし、コスト的な観点か
らも昇温速度は早いほうがよい。常温から最高到達温度
までの到達時間は好ましくは12時間以下、さらに好ま
しくは6時間以下、特に好ましくは2時間以下である。
【0022】焼成のための熱処理装置は、アチソン炉、
直接通電加熱炉など公知の装置が利用できる。また、こ
れらの装置はコスト的にも有利である。しかし、窒素ガ
スの存在が粉体の抵抗を低下させたり、酸素による酸化
によって炭素材料の強度が低下することがあるため、好
ましくは炉内雰囲気をアルゴン、ヘリウムなどの不活性
ガスに保持できるような構造の炉が好ましい。例えば容
器自体を真空引き後ガス置換可能なバッチ炉や、管状炉
で炉内雰囲気をコントロール可能なバッチ炉あるいは連
続炉などである。
【0023】炭素繊維の結晶化度を向上させる方法とし
て、必要に応じて公知のホウ素、ベリリウム、アルミニ
ウム、ケイ素、その他の黒鉛化触媒を使用することがで
きる。
【0024】中でもホウ素は黒鉛網面結晶の中に炭素原
子と置換して入ることが可能であり、その際、炭素炭素
結合が一度切断され、再度結合するというような結晶構
造の再構築が起こると考えられる。従って、黒鉛結晶が
やや乱れた部分についても、結晶構造の再構成により、
高い結晶性の粒子にすることが可能となると考えられ
る。炭素皮膜層にホウ素(ホウ素元素)が含まれると
は、ホウ素が一部固溶して、炭素表面、炭素六角網面の
積層体層間に存在したり、炭素原子とホウ素原子が一部
置換した状態をいう。
【0025】ホウ素化合物としては、加熱によりホウ素
を生成する物質であればよく、ホウ素、炭化ホウ素、ホ
ウ素酸化物、有機ホウ素酸化物等の固体、液体、さらに
は気体でもよい、例えば、B単体、ホウ酸(H3
3)、ホウ酸塩、酸化ホウ素(B 23)、炭化ホウ素
(B4C)、BN等使用できる。
【0026】ホウ素化合物の添加量は、用いるホウ素化
合物の化学的特性、物理的特性に依存するために限定さ
れないが、例えば炭化ホウ素(B4C)を使用した場合
には、熱処理する炭素粉体に対して0.05〜10質量
%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲がよい。
【0027】また、本発明の気相成長炭素繊維の好まし
い形態として、分岐状繊維があるが、分岐部分はその部
分を含めて繊維全体が互いに連通した中空構造を有して
いる。そのため繊維の円筒部分を構成している炭素層が
連続している。中空構造とは炭素層が円筒状に巻いてい
る構造であって、完全な円筒でないもの、部分的な切断
箇所を有するもの、積層した2層の炭素層が1層に結合
したもの、などを含む。また、円筒の断面は完全な円に
限らず楕円や多角化のものを含む。なお、炭素層の結晶
性について炭素層の面間隔d002は限定されない。因み
に、好ましいものはX線回折法によるd002が0.33
9nm以下、より好ましくは0.338nm以下であっ
て、結晶のC軸方向の厚さLcが40nm以下のもので
ある。本発明の気相成長炭素繊維は、繊維外径500n
m以下及びアスペクト比10以上の炭素繊維であって、
好ましくは繊維外径50〜500nm、繊維長1〜10
0μm(アスペクト比2〜2000)、あるいは繊維外
径2〜50nmであって繊維長0.5〜50μm(アス
ペクト比10〜25000)のものである。気相炭素繊
維製造後、2000℃以上の熱処理を行うことでさらに
結晶化度を上げることができ、導電性を増すことができ
る。また、この場合に於いても、黒鉛化度を促進させる
働きのあるホウ素などを熱処理前に添加しておくことが
有効である。
【0028】(二次電池の作製)本発明の炭素材料を用
いてリチウム二次電池を作製する場合には公知の方法が
使用できる。
【0029】まず、電極作製であるが、通常のように結
合材(バインダー)を溶媒で希釈して負極材と混練し、
集電体(基材)に塗布することで作製できる。
【0030】バインダーについては、ポリフッ化ビニリ
デンやポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマ
ーや、SBR(スチレンブタジエンラバー)等のゴム系
等公知のものが使用できる。溶媒には、各々のバインダ
ーに適した公知のもの、例えばフッ素系ポリマーならト
ルエン、N−メチルピロリドン等、SBRなら水等、公
知のものが使用できる。
【0031】バインダーの使用量は、負極炭素材を10
0質量部とした場合、1〜30質量部が適当であるが、
特に3〜20質量部程度が好ましい。
【0032】負極材とバインダーとの混錬はリボンミキ
サー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、
レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサ
ー等、公知の装置が使用できる。
【0033】混錬後、集電体に塗布する場合には、公知
の方法により実施できるが、例えばドクターブレードや
バーコーターなどで塗布後、ロールプレス等で成形する
方法等が上げられる。
【0034】集電体は、銅、アルミニウム、ステンレ
ス、ニッケル及びそれらの合金など公知の材料が使用で
きる。
【0035】セパレーターは公知のものが使用できる
が、特にポリエチレンやポリプロピレン性の不織布が好
ましい。
【0036】本発明におけるリチウム二次電池における
電解液及び電解質は公知の有機電解液、無機固体電解
質、高分子固体電解質が使用できる。好ましくは、電気
伝導性の観点から有機電解液がよい。
【0037】有機電解液としては、ジエチルエーテル、
ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールフェニルエーテル等のエーテル;ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホ
ルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミ
ド、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド;ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物;メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキル
ケトン;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テト
ラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン等の
環状エーテル;エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート等のカーボネート;γ−ブチロラクトン;N−
メチルピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン等の
有機溶媒の溶液が好ましい。さらに、好ましくはエチレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ビニレンカーボネート、γ-ブチロラクトン等の
エステル類、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジエト
キシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル、テトラヒドロフラン等が上げられ、特に
好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができ
る。これらの溶媒は、1種または2種以上の混合を行っ
て使用することができる。
【0038】これらの溶媒の溶質(電解質)には、リチ
ウム塩が使用される。一般的に知られているリチウム塩
にはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlC
4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3
SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22等があ
る。
【0039】高分子固体電解質としては、ポリエチレン
オキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、ポリプロ
ピレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、リ
ン酸エステル重合体、ポリカーボネート誘導体及び該誘
導体を含む重合体等が挙げられる。
【0040】本発明における負極材料を使用したリチウ
ム二次電池において、正極活物質にリチウム含有遷移金
属酸化物(化学式LiXMO2、ただし、MはCo、N
i、Mn、Feから選ばれる1種以上の遷移金属、Xは
0≦X≦1.2の範囲)を用いることにより安全性や高
率充放電特性に優れるリチウム二次電池を得ることがで
きる。正極活物質は特にLiXCoO2、LiXNiO2
LiXMn24、及びそれらのCo、Ni、Mnの一部
を他の遷移金属などの元素で置換したものが好適であ
る。
【0041】上記以外の電池構成上必要な部材の選択に
ついてはなんら制約を受けるものではない。
【0042】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示し、さ
らに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単
なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるも
のではない。
【0043】(実施例1)図1に示す装置を用いて炭素
繊維を製造した。図1において、1はキャリヤーガス加
熱炉、2は有機化合物蒸発器、3は反応管、4は捕集
器、5は遷移金属塩化物加熱器である。11、21、3
3、51はそれぞれヒーターで炉内を所定の温度に加熱
するものである。炭素繊維の原料となるベンゼンと、こ
の蒸発伝熱向上のために供給する水素ガスは送入口22
より送入した。キャリヤーガスの水素は水素ガス送入口
12より送入した。また触媒原料となる遷移金属塩化物
53としては塩化第二鉄を使用し、これを遷移金属塩化
物加熱器5に充填してヒーター51で加熱し、アルゴン
ガスを送入口52より供給した。ここで蒸発した塩化第
二鉄は、原料ベンゼンおよび水素ガスとラインミキサー
6により瞬時に混合させて、拡大管32、整流板31を
経由して、反応管3へ供給した。反応管3にて生成した
炭素繊維42は捕集器4に入り、フィルター41により
捕集した。キャリヤーガスはガス排出口43より排出し
た。
【0044】運転条件および結果は以下の通りである。 (1)キャリヤーガス加熱炉 温度 300〜1200℃ 水素ガス送入量 150NL/min (2)有機化合物加熱炉 有機化合物の種類 ベンゼン 温度 200〜300℃ 有機化合物送入量 10g/min (3)遷移金属塩化物加熱器 加熱温度 250〜280℃ 操作圧力 0.15〜0.25MPa 遷移金属塩化物の種類 塩化第二鉄 塩化第二鉄供給量 0.6g/min アルゴンガス供給量 1〜2NL/min (4)反応条件 反応温度 1000〜1300 ℃ 反応時間 0.5〜10 sec (5)結果 炭素繊維収得量 0.92g/min(収率*10%) 炭素繊維の形状 太さ0.01μm,長さ10μm (*収率はベンゼン中の炭素に対するもの)
【0045】(実施例2)反応器は炭化珪素焼結体で内
径90mm、長さ260mmのものを用いた。原料液の
調製は、塩化第二鉄20gをエタノール20gに溶解し
溶液1を調製し、ベンゼン2000gに硫黄を2g溶解
し溶液2を調製し、溶液1と溶液2を混合することによ
り行った。調製した原料液は原料容器に保持した。原料
液中の塩化第二鉄の割合は0.9質量%、硫黄の割合は
0.1質量%であった。系内に窒素ガスを流通し、酸素
ガスを追い出した後、水素ガスを流通し、系内を水素ガ
ス雰囲気に置換した。その後、反応器の昇温を開始し1
200℃まで温度を上げた。
【0046】原料液をポンプで流量10g/minにて
気化器に供給し、全量気化させ水素ガス20L/min
に搬送され、また反応器直前で400℃に加熱された水
素ガス60L/minと混合し、反応器に供給した。こ
の状態で3時間反応させ、炭素繊維を得た。
【0047】生成した炭素繊維を電子顕微鏡で観察した
ところ、平均繊維径21nmであった。質量を測定した
ところ、炭化回収率(=得られた炭素繊維の質量/供給
したベンゼンの質量)は3%であった。 炭素繊維を1
000℃で熱処理(焼成)させた後、得られた繊維中の
鉄含有量は3.2質量%であった。
【0048】(実施例3)反応器はアルミナ焼結体で内
径90mm、長さ260mmのものを用いた。原料液の
調製は、塩化第一鉄26gをエタノール20gに溶解し
溶液1を調製し、ベンゼン2000gに硫黄を2g溶解
し溶液2を調製し、溶液1と溶液2を混合することによ
り行った。調製した原料液は原料容器に保持した。原料
液中の塩化第一鉄の割合は1.3質量%、硫黄の割合は
0.1質量%であった。系内に窒素ガスを流通し、酸素
ガスを追い出した後、水素ガスを流通し、系内を水素ガ
ス雰囲気に置換した。その後、反応器の昇温を開始し1
200℃まで温度を上げた。
【0049】原料液をポンプで流量10g/minで搬
送し、反応器直前で400℃に加熱された水素ガス60
L/minと混合し、反応器に供給した。この状態で3
時間反応させ、炭素繊維を得た。生成した炭素繊維を電
子顕微鏡で観察したところ、平均繊維径40nmであっ
た。質量を測定したところ、炭化回収率(=得られた炭
素繊維の質量/供給したベンゼンの質量)は4%であっ
た。炭素繊維を1000℃で熱処理(焼成)させた後、
得られた繊維中の鉄含有量は3.0質量%であった。
【0050】(実施例4)反応器はアルミナ焼結体で内
径90mm、長さ260mmのものを用いた。原料液の
調製は、ベンゼン2000gに硫黄を2g溶解すること
により行った。調製した原料液は原料容器に保持した。
原料液中の硫黄の割合は0.1質量%であった。
【0051】系内に窒素ガスを流通し、酸素ガスを追い
出した後、水素ガスを流通し、系内を水素ガス雰囲気に
置換した。その後、反応器の昇温を開始し1200℃ま
で温度を上げた。
【0052】原料液をポンプで流量10g/minにて
気化器に供給し、全量気化させ水素ガス20L/min
に搬送され、また反応器直前で400℃に加熱された水
素ガス60L/minと混合し、反応器に供給した。ま
た、気化器中に塩化第二鉄を500g配置し、300℃
に保持し、発生蒸気を水素ガス1L/minに搬送させ
反応器に供給した。
【0053】この状態で3時間反応させ、炭素繊維を得
た。生成した炭素繊維を電子顕微鏡で観察したところ、
平均繊維径22nmであった。質量を測定したところ、
炭化回収率(=得られた炭素繊維の質量/供給したベン
ゼンの質量)は2%であった。炭素繊維を1000℃で
熱処理(焼成)させた後、得られた繊維中の鉄含有量は
2.5質量%であった。
【0054】(参考例1)反応器は炭化珪素焼結体で内
径90mm、長さ260mmのものを用いた。
【0055】原料液の調製は、フェロセン23gとベン
ゼン2000gに硫黄を2g溶解することにより行っ
た。調製した原料液は原料容器に保持した。原料液中の
フェロセンの割合は1.1質量%、硫黄の割合は0.1
質量%であった。系内に窒素ガスを流通し、酸素ガスを
追い出した後、水素ガスを流通し、系内を水素ガス雰囲
気に置換した。その後、反応器の昇温を開始し1200
℃まで温度を上げた。
【0056】原料液をポンプで流量10g/minにて
気化器に供給し、全量気化させ水素ガス20L/min
に搬送され、また反応器直前で400℃に加熱された水
素ガス60L/minと混合し、反応器に供給した。こ
の状態で3時間反応させ、黒色粉末を得た。
【0057】生成した黒色粉末を電子顕微鏡で観察した
ところ、繊維は殆どなく、粒子が大半であった。実施例
2と同濃度の鉄を供給したことになるが、触媒化合物の
種類により繊維の生成に影響することがわかった。
【0058】(比較例1)反応器は炭化珪素焼結体で内
径90mm、長さ260mmのものを用いた。原料液の
調製は、Fe2(SO4349gと硫黄2gをベンゼン
2000gに溶解することにより行った。調製した原料
液は原料容器に保持した。原料液中のFe2(SO43
の割合は2.4質量%、硫黄の割合は0.1質量%であ
った。系内に窒素ガスを流通し、酸素ガスを追い出した
後、水素ガスを流通し、系内を水素ガス雰囲気に置換し
た。その後、反応器の昇温を開始し1200℃まで温度
を上げた。
【0059】原料液をポンプで流量10g/minにて
気化器に供給し、全量気化させ水素ガス20L/min
に搬送され、また反応器直前で400℃に加熱された水
素ガス60L/minと混合し、反応器に供給した。こ
の状態で3時間反応させ、黒色粉末を得た。
【0060】生成した黒色粉末を電子顕微鏡で観察した
ところ、繊維は殆どなく、粒子が大半であった。
【0061】実施例2と同濃度の鉄を供給したことにな
るが、触媒化合物の種類により繊維の生成に影響するこ
とがわかった。
【0062】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば微細で均一な
径を有する気相成長炭素繊維が得られ、従来、用いられ
てきた有機遷移金属化合物であるフェロセンよりも、よ
り安価に入手しやすい無機遷移金属塩化物、例えば塩化
第二鉄を触媒源として使用することが可能となった。
【0063】また、本発明の製造方法では、少量の触媒
添加量で炭素繊維を高い生産性で製造することができ
る。
【0064】本発明の炭素繊維は、触媒として用いた遷
移金属、例えば鉄の含有量が少ないものが得られ、樹脂
組成物、二次電池の電極材料に好適である。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の実施に用いられる装置の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1 キャリアガス加熱炉 2 原料容器 3 反応器 4 捕集器 5 遷移金属塩化物加熱器 6 ラインミキサー 11、21、33、51 ヒーター 12、22、52 ガス送入口 31 整流板 32 拡大管 41 フィルター 42 炭素繊維 43 ガス排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 幸太郎 神奈川県川崎市川崎区大川町5−1 昭和 電工株式会社研究開発センター内 Fターム(参考) 4G146 AA01 AB06 AC03A AC03B AD37 BA12 BC08 BC43 BC44 4L037 CS03 FA02 PA09 PA13 UA04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機化合物と無機遷移金属化合物を主原
    料とし、これらの熱分解反応により気相成長炭素繊維を
    製造する方法において、無機遷移金属化合物に遷移金属
    塩化物を用い、有機化合物に対して遷移金属塩化物を
    0.01〜20質量%用いることを特徴とする気相成長
    炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機化合物に遷移金属塩化物を溶解し、
    これを蒸発させることによりこれらの混合ガスを得る工
    程、次いでキャリヤーガスを混合して炭素繊維生成帯に
    供給する工程、を含む請求項1記載の気相成長炭素繊維
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 キャリヤーガスと有機化合物の気化ガス
    との混合ガスを得る工程、次いで遷移金属塩化物の気化
    ガスを混合して炭素繊維生成帯に供給する工程、を含む
    請求項1記載の気相成長炭素繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 遷移金属塩化物溶液を噴霧させることに
    より遷移金属塩化物微粒子を生成する工程、キャリヤー
    ガスと有機物化合物の気化ガスとの混合ガスを得る工
    程、該遷移金属塩化物微粒子と、キャリヤーガスと有機
    物化合物の気化ガスとを炭素繊維生成帯に供給する工
    程、を含む請求項1記載の気相成長炭素繊維の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 遷移金属塩化物が、鉄、ニッケル、コバ
    ルト、モリブデン、バナジウムからなる群から選ばれる
    少なくとも1種の遷移金属塩化物であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいづれかひとつに記載の気相成長炭素
    繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 遷移金属塩化物が、塩化鉄、塩化ニッケ
    ル、塩化コバルトからなる群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項5記載の気相成長炭素繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機化合物が、芳香族化合物、アセチレ
    ン、エチレン、ブタジエン、またはこれらの混合物であ
    る請求項1〜5のいづれかひとつに記載の気相成長炭素
    繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 芳香族化合物が、ベンゼン、トルエン、
    キシレンまたはナフタレンである請求項7記載の気相成
    長炭素繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 有機化合物に遷移金属塩化物を溶解し、
    これを蒸発させることによりこれらの混合ガスを得る工
    程において、溶解助剤として、メタノール、エタノー
    ル、アセトン、を添加することを特徴とする請求項2に
    記載の気相成長炭素繊維の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかひとつに記載
    の製造方法で製造された気相成長炭素繊維。
  11. 【請求項11】 繊維外径が1〜500nm、繊維長さ
    が0.5〜100μmである請求項10に記載の気相成
    長炭素繊維。
  12. 【請求項12】 遷移金属塩化物が塩化鉄である請求項
    1記載の製造方法で製造された気相成長炭素繊維であっ
    て、繊維外径が1〜500nm、繊維長さが0.5〜1
    00μmであり、該繊維中の鉄含有量が5質量%以下で
    ある気相成長炭素繊維。
  13. 【請求項13】 樹脂に請求項10〜12のいずれかひ
    とつに記載の気相成長炭素繊維を含む樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項10〜12のいずれかひとつに
    に記載の気相成長炭素繊維を含む電極材料を用いる二次
    電池。
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