JP2003305489A - 洗車排水のリサイクル処理装置およびリサイクル処理方法 - Google Patents

洗車排水のリサイクル処理装置およびリサイクル処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗車機から排出される洗車排水を受け入れて
処理したのち、この処理水を洗車機へ供給し洗浄水とし
てリサイクルするに際し、洗浄水に好適な水質の処理水
を得るのに有効な洗車排水のリサイクル処理技術を提供
する。 【解決手段】 リサイクル処理装置100は、加圧浮上
装置110、生物処理装置130、リサイクル水槽15
0等を有する。加圧浮上装置110は、洗車機300か
ら排出された洗車排水を空気とともに加圧したのち低圧
領域へ吐出し、この低圧領域に生成した浮上物(フロ
ス)を除去する。生物処理装置130は、加圧浮上装置
110で得られた1次処理水を、さらに好気性微生物を
用いて好気分解する。生物処理装置130で得られた2
次処理水は、リサイクル水槽150に一旦貯留されたの
ち洗浄水として洗車機300へリサイクルされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗車機から排出さ
れた洗車排水を受け入れて処理したのち、その処理水を
洗車機へ供給し洗浄水としてリサイクルする洗車排水の
リサイクル処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水資源の有効利用の観点から、ガ
ソリンスタンド等に設置される洗車機から排出される洗
車排水を洗車機の洗浄水としてリサイクルする技術が見
直されている。そこでこの種の洗車排水のリサイクル処
理技術が、例えば、特開平9−314161号公報に提
案されている。この公報に記載のリサイクル処理装置
は、油水分離槽、反応槽等を備えている。油水分離槽で
は洗車排水から油分および固形分を取り除く処理が行わ
れる。反応槽には好気性微生物が付着する担体が充填さ
れ、この反応槽では好気性微生物による生物処理が行わ
れる。このような油水分離槽および反応槽で順次処理さ
れた処理水は、洗車機へ供給され洗浄水としてリサイク
ルされるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成のリサ
イクル処理装置は、確かに水の使用量が増大するのを抑
制することができるという点において有効である。とこ
ろが、このようなリサイクル処理装置では、洗車排水中
に含まれる浮遊物質などを除去するのに限界があり、処
理水が黒ずむ場合がある。このような場合には、洗車機
のノズルが詰まる、洗車布が汚れる、洗車時の泡立ちや
仕上がりが悪くなる等の問題が懸念される。また、浮遊
物質などの除去に限界があるゆえ、残留した浮遊物質が
反応槽に混入すると生物処理を行う微生物が円滑に機能
しない場合がある。このような場合には、処理水中の生
物化学的酸素要求量、いわゆるBOD(Biochemical Ox
ygenDemand)を上昇させる成分の除去が円滑に行われな
いため、水温が高くて微生物が繁殖しやすいような夏季
に処理水が腐敗し、装置から臭気が発生することがあ
る。このように、上記従来の構成のリサイクル処理装置
では、洗車排水を処理して洗車機における洗浄水として
リサイクルするに際し、リサイクルに好適な水質の処理
水を得るのが難しいという問題を抱えている。そこで、
本発明者らは洗車排水のリサイクルに好適な水質の処理
水を得るべく、この種の排水処理技術について鋭意検討
した。その検討の結果本発明者らは、洗車排水中に含ま
れる浮遊物質などを生物処理の前処理において極力除去
することによって、その下流の生物処理を円滑に機能さ
せ、これにより処理水の黒ずみや臭気の発生の問題を合
理的に解決できることをも見出すことに成功した。本発
明では、洗車機から排出される洗車排水を受け入れて処
理したのち、この処理水を洗車機へ供給し洗浄水として
リサイクルするに際し、洗浄水に好適な水質の処理水を
得るのに有効な洗車排水のリサイクル処理技術を提供す
ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の洗車排水のリサイクル処理装置は請求項1
〜4に記載の通りに構成される。また、本発明の洗車排
水のリサイクル処理方法は請求項5に記載の通りであ
る。なお、これら各請求項に係る発明は、洗車機から排
出された洗車排水を空気とともに加圧したのち低圧領域
へ吐出し、この低圧領域に生成した浮上物を除去する第
1の処理と、この第1の処理で得られた処理水を好気性
微生物を用いて生物処理する第2の処理とを用い、第2
の処理で得られた処理水を洗車機へ供給し洗浄水として
リサイクルすることで、洗浄水の水質を維持することが
できるようにした技術である。ここでいう「リサイク
ル」とは、洗車排水に起因する処理水を、洗車機におけ
る洗浄水の一部ないし全部に使用する態様をいう。
【0005】請求項1に記載の洗車排水のリサイクル処
理装置には、少なくとも第1の処理部、第2の処理部、
供給手段が設けられている。第1および第2の処理部で
は、洗車機から排出された洗車排水が順次処理され、こ
れらの処理によって得られた処理水は供給手段を介して
洗車機へ供給される。洗車機へ供給された処理水は洗車
機において洗浄水としてリサイクルされる。このような
リサイクル化により、洗車機における水の使用量が増大
するのを抑制することができる。洗車機では、洗浄水の
全部または一部を第2の処理部で得られた処理水によっ
て賄う。例えば、洗車機における仕上げ洗いの際に、洗
浄水の供給元を処理水側から上水側へ切り換える構成を
用いる。これら第1の処理部、第2の処理部、供給手段
等の運転は、例えば個別ないし一括して設けられた制御
手段によって制御される。第1の処理部には、加圧ポン
プ、浮上物除去手段等が設けられている。加圧ポンプ
は、洗車排水を空気とともに加圧したのちこの加圧水
を、この加圧水よりも相対的に低圧である低圧領域へ向
けて吐出する構成を有する。例えば、低圧領域である槽
内へ貯留された洗車排水を、加圧ポンプによって循環さ
せる構成を用いる。この加圧ポンプとしては、吸入部に
ガス吸入ノズルを有する構成のポンプ、いわゆるイジェ
クター型の加圧ポンプを好適に用いる。これにより、ポ
ンプの吸入過程において洗車排水はガス吸入ノズルから
導入された大気圧空気とともに加圧ポンプ内へ吸入さ
れ、ポンプの加圧過程において洗車排水に空気が溶解し
た加圧水が生成する。この加圧水は、その加圧水の圧力
よりも低圧領域へ吐出される。このとき、加圧水が低圧
化されることでこの加圧水に溶け込んでいた空気が微細
気泡となって遊離する。そして、この微細気泡が洗車排
水中の浮遊物質、いわゆるSS(Suspended Solid)、
難分解性の発泡成分、油分等の非溶解成分に付着し液面
に浮上物、いわゆるフロスを形成させる。このフロス
は、浮上物除去手段、例えばフロススキマ等によって除
去されるようになっている。これにより、第1の処理部
では、黒ずみの原因となる洗車排水中の浮遊物質(S
S)、難分解性の発泡成分、油分等の非溶解成分が極力
除去された処理水を得ることができる。また、この第1
の処理部では、洗車排水に空気を付与することで好気的
な状態が形成されるため、洗車排水が嫌気化して臭気が
発生するのを防止することができる。さらに、第2の処
理部における担体充填領域での処理負荷を軽減させるこ
とが可能となる。なお、第1の処理部ないし第1の処理
部の上流に、洗車排水の油水分離を行う油水分離槽を適
宜設けてもよい。第2の処理部には、担体充填領域、散
気装置、逆洗装置等が設けられている。担体充填領域に
は、好気性微生物が付着する担体が充填された構成を有
する。この担体としては、中空円筒形状の粒状担体を好
適に用いる。この担体充填領域は、1つの生物処理槽を
用いた構成であってもよいし、あるいは複数の生物処理
槽を並列的ないし直列的に組み合わせた構成であっても
よい。散気装置は、通常運転時に担体充填領域へ散気空
気を供給するものであり、例えば生物処理槽に設置され
た散気管、この散気管に接続された散気ブロワを用いて
構成される。また、この散気管を生物処理槽に設けるか
わりにこの生物処理槽の上流に配置した曝気槽に散気管
を設けることもできる。逆洗装置は、逆洗運転時に担体
充填領域へ逆洗空気および逆洗水を供給するものであ
り、例えば生物処理槽に設置された逆洗管、この逆洗管
に接続された逆洗ブロワ、生物処理槽へ逆洗水を供給す
る逆洗ポンプを用いて構成される。この逆洗ポンプとし
ては、エアリフトポンプ、水中ポンプ等を好適に用い
る。なお、担体充填領域へ供給される逆洗水には、通常
運転時に生物処理槽において処理された処理水を用いて
もよいし、あるいはそれ以外の処理水を用いてもよい。
通常運転時に、散気装置によって担体充填領域へ散気空
気が供給されることにより、好気性微生物に空気が付与
され、処理水中の有機汚濁物質(泡沫や汚泥など)が好
気分解される。また、この好気分解等によって生成した
浮遊物質(SS)は担体充填領域の担体によって濾過さ
れる。このとき、好気性微生物が好気分解する処理水
は、第1の処理部において浮遊物質等が極力除去された
ものであるゆえ、好気性微生物が浮遊物質等に阻害され
ることなく円滑に機能する。これにより、処理水中の生
物化学的酸素要求量、いわゆるBOD(Biochemical Ox
ygenDemand)を上昇させる成分の円滑な除去が可能とな
る。従って、水温が高くて微生物が繁殖しやすいような
夏季に処理水が腐敗し、装置から臭気が発生するのを極
力阻止することができる。このようにして、第1の処理
部および第2の処理部によって順次処理された処理水
は、洗車機における洗浄水として好適な黒ずみや臭気の
発生を抑えた水質となる。逆洗運転では、通常運転時に
浮遊物質を捕捉した担体に対し逆洗空気および逆洗水を
作用させることによってこの担体から浮遊物質が剥離す
る。剥離した浮遊物質を含む水は、逆洗排水として汚泥
領域、例えば下水や、汚泥処理装置のフィードを貯留す
る構成の汚泥貯留槽へ向けて排出される。供給手段は、
第2の処理部で処理された後の処理水を、第2の処理部
の下流側と洗車機とを接続する接続径路を通じて洗車機
側へ供給する構成であり、圧送の原理を利用したエアリ
フトポンプや水中ポンプ、またいわゆる押し出し流れの
原理を用いた移送配管等を好適に用いる。以上のように
請求項1に記載した洗車排水のリサイクル処理装置によ
れば、洗車機における洗浄水として好適な水質の処理水
を得ることができる。なお、洗車機およびこの洗車機に
付帯する設備は、本発明におけるリサイクル処理装置に
含んでもよいし含まなくてもよい。
【0006】ここで、請求項1に記載の洗車排水のリサ
イクル処理装置では、請求項2に記載のように第2の処
理部に処理水排出手段が設けられるのが好ましい。この
処理水排出手段は、担体充填領域の逆洗運転後に、この
担体充填領域で処理された処理水を一時的に汚泥領域へ
排出するものであり、担体充填領域と汚泥領域とを接続
する接続径路等を用いて構成される。これにより、逆洗
運転後に担体充填領域で処理された処理水は、一時的に
接続径路を通じて下水や、汚泥などを貯留する汚泥貯留
槽等の汚泥領域へ排出される。なお、ここでいう「一時
的」とは、例えば、逆洗運転終了時から予め設定された
一定時間が経過するまでの間、また逆洗運転終了時から
予め設定された一定処理量が処理されるまでの間をい
う。これにより、逆洗運転後の水質が安定化していない
処理水が洗浄水として洗車機へ供給されるのを防止する
ことができる。従って請求項2に記載した洗車排水のリ
サイクル処理装置によれば、担体充填領域の逆洗運転後
の水質の変動をも考慮した合理的な洗車排水のリサイク
ル処理装置を実現することができる。
【0007】また、請求項3に記載の洗車排水のリサイ
クル処理装置では、例えば槽形状の貯留部が設けられ、
この貯留部に第2の処理部で処理された処理水が貯留さ
れるようになっている。この貯留部の処理水は、通常運
転時には供給手段を介して洗浄水として洗車機へ供給さ
れる。また、この貯留部の処理水は、逆洗運転時には逆
洗装置を介して逆洗水として担体充填領域へ供給され
る。すなわち、洗車機への洗浄水と担体充填領域への逆
洗水の供給元が1つの貯留部によって兼用されている。
これにより、リサイクル処理装置の省スペース化を図る
ことが可能となる。こような省スペース化は、設置スペ
ースの限られたガソリンスタンド等において特に有効で
ある。
【0008】また、請求項4に記載の洗車排水のリサイ
クル処理装置では、第2の処理部に、担体充填領域を有
する複数の生物処理槽と、第1の接続径路および第2の
接続径路が設けられている。第1の接続径路は、通常運
転時に複数の生物処理槽と第1の処理部の下流側とを並
列的に接続可能な構成を有する。第2の接続径路は、逆
洗運転時に複数の生物処理槽へ逆洗水を並列的に供給可
能な構成を有する。これにより、通常運転時には第1の
処理部で処理された処理水を複数の生物処理槽において
並列的に生物処理することができる。また、生物処理槽
を複数設ける構成としたため、通常運転時においていず
れかの生物処理槽が閉塞したような場合であっても他の
生物処理槽によって処理を継続することができ、信頼性
を高めることができる。また、逆洗運転時には逆洗水を
各生物処理槽へ個別に供給し各生物処理槽の逆洗を個別
に行うことができる。従って、逆洗空気を供給する逆洗
ブロワの風量を各生物処理槽に対応した風量で賄うこと
が可能となり、複数の生物処理槽を一度に逆洗する場合
に比して逆洗ブロワを小型化することができる。この逆
洗ブロワの小型化は、装置コストの削減、逆洗ブロワ設
置スペースの削減、逆洗ブロワに関する維持管理作業の
削減につながる。また、逆洗運転を行っている生物処理
槽以外の生物処理槽は、通常運転時の生物処理を継続す
ることが可能となるため合理的である。さらには、逆洗
運転を個別に行うことで1度に使用する逆洗水量を低減
させることができ、逆洗水を貯留する貯留部を小型化す
ることができる。
【0009】請求項5に記載の洗車排水のリサイクル処
理方法では、第1の処理行程と第2の処理行程を行い、
この第2の処理行程で得られた処理水を洗車機へ供給し
洗浄水としてリサイクルする。第1の処理行程では、洗
車機から排出された洗車排水を空気とともに加圧したの
ち低圧領域へ吐出する。例えば、洗車排水を空気ととも
に加圧したのちこの加圧水を低圧領域へ向けて吐出する
構成の加圧ポンプを用いる。加圧水が低圧領域で低圧化
されることでこの加圧水に溶け込んでいた空気が微細気
泡となって遊離する。そして、この微細気泡が洗車排水
中の浮遊物質(SS)、難分解性の発泡成分、油分等の
非溶解成分に付着し液面に浮上物、いわゆるフロスを形
成させる。また、第1の処理行程では、このフロスをフ
ロススキマ等を用いて除去する。これにより、黒ずみの
原因となる洗車排水中の浮遊物質(SS)、難分解性の
発泡成分、油分等の非溶解成分が極力除去された処理水
を得ることができる。また、第2の処理行程における担
体充填領域での負荷を軽減させることが可能となる。第
2の処理行程では、第1の処理行程で得られた処理水を
好気性微生物を用いて生物処理する。第1の処理行程で
得られた処理水を、例えば、好気性微生物が付着する担
体が充填された構成の担体充填領域へ供給するととも
に、この担体充填領域の好気性微生物へ散気空気を供給
する構成を用いる。これにより、処理水中の有機汚濁物
質(泡沫や汚泥など)を好気性微生物によって好気分解
することができ、処理水中の生物化学的酸素要求量、い
わゆるBOD(Biochemical Oxygen Demand)を上昇さ
せる成分の円滑な除去が可能となる。従って、水温が高
くて微生物が繁殖しやすいような夏季に処理水が腐敗
し、装置から臭気が発生するのを極力阻止することがで
きる。このようにして、第1の処理行程および第2の処
理行程によって順次処理された処理水は、洗車機におけ
る洗浄水として好適な黒ずみや臭気の発生を抑えた水質
となる。第2の処理行程で得られた処理水は、圧送の原
理を利用したエアリフトポンプや水中ポンプ、またいわ
ゆる押し出し流れの原理を用いた移送配管等を用いて洗
車機へ供給する。以上のように請求項5に記載した洗車
排水のリサイクル処理方法によれば、洗車機における洗
浄水として好適な水質の処理水を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明における洗車排水
のリサイクル処理装置の一実施の形態を図面に基づいて
説明する。また、本実施の形態のリサイクル処理装置1
00の構成を図1および図2を参照しながら説明する。
ここで、図1は本実施の形態のリサイクル処理装置10
0の概略処理フローを示す図である。図2は本実施の形
態のリサイクル処理装置100の概略構成を示す図であ
る。なお、本実施の形態では、リサイクル処理装置10
0を用いることによって、洗車機300から排出された
洗車排水を加圧浮上装置110へ受け入れて処理し、さ
らに生物処理装置130へ受け入れて処理したのちリサ
イクル水槽150を介して洗車機300へリサイクルす
るリサイクル処理技術について説明する。
【0011】図1に示すように、本実施の形態のリサイ
クル処理装置100は、ガソリンスタンド等に設置され
る洗車機300から排出された洗車排水を受け入れて処
理する構成を有する。このリサイクル処理装置100
は、大別して加圧浮上装置110、生物処理装置13
0、リサイクル水槽150等を有する。洗車排水は、加
圧浮上装置110で処理されて1次処理水となり、次い
で生物処理装置130で処理されて2次処理水となる。
この2次処理水は、リサイクル水槽150に一旦貯留さ
れたのち洗浄水として洗車機300へリサイクルされる
ようになっている。
【0012】図2に示すように、洗車機300は、自動
車に洗車処理を施す洗車機本体302、この洗車機本体
302へ上水を供給するための上水給水タンク304等
を備えている。この上水給水タンク304へは供給配管
306を通じて上水が供給される。この上水給水タンク
304に貯留された上水は、洗車機300の仕上げ洗い
運転のときに使用される。洗車機300から排出される
洗車排水は、洗車機300の下方に埋設された排水ピッ
ト310へ流入し一旦貯留される。この排水ピット31
0へ流入した洗車排水は、排水ピット310内に設置さ
れた流入ポンプ312、流入配管316を介してリサイ
クル処理装置100へ供給されるようになっている。こ
の排水ピット310の所定の水位には下水へ通じるオー
バーフロー配管314が設けており、一時的なピーク流
入時に過剰な洗車排水がリサイクル処理装置100側へ
流入し処理性能が悪化するのを極力回避する構成になっ
ている。
【0013】流入ポンプ312は、水中ポンプを用いた
構成である。この流入ポンプ312は、排水ピット31
0の水位を検出する水位センサ(図示省略)を備え、洗
車機300が使用された後に運転を開始し、排水ピット
310が所定の水位になるまで運転を継続するように制
御される。すなわち、流入ポンプ312が洗車機300
と連動した構成になっている。このように洗車機300
が使用された後に流入ポンプ312の運転を開始する構
成によって、排水ピット310へ流入した雨水がリサイ
クル処理装置100へ供給されて処理されるのを防止す
ることが可能となる。
【0014】リサイクル処理装置100は、加圧浮上装
置110の上流に、洗車排水に所定量の比率で凝集剤を
添加する凝集剤添加装置210が設けられている。この
凝集剤添加装置210は、凝集剤を貯留する凝集剤タン
ク212、この凝集剤タンク212の凝集剤を流入配管
316へ圧送する凝集剤ポンプ214を備えている。洗
車排水に凝集剤が添加されることにより、後述する加圧
浮上槽112におけるスラッジの沈殿を容易にする。
【0015】加圧浮上装置110は、加圧浮上槽11
2、加圧ポンプ114等を備え、加圧浮上槽112内に
は、フロススキマ116、傾斜部材118が設けられて
いる。加圧浮上槽112は、流入配管316通じて凝集
剤とともに流入した洗車排水を受け入れて貯留する。加
圧ポンプ114は、いわゆるイジェクター型の気液混合
用ポンプであり、吸入過程において洗車排水とともに吸
入ノズル(図示省略)を通じて大気圧空気を吸入する構
成になっている。この加圧ポンプ114は、加圧浮上槽
112内の洗車排水を空気とともに加圧したのちこの加
圧水を加圧浮上槽112内(本発明における低圧領域に
対応している)へ吐出する。すなわち、加圧浮上槽11
2内に貯留された洗車排水は、加圧ポンプ114によっ
て循環される。このとき、加圧水の圧力が常圧に戻され
ることによって、加圧水に溶け込んでいた空気が微細気
泡となって遊離する。そして、この微細気泡が洗車排水
中に含まれる浮遊物質(SS)、難分解性の発泡成分、
油分等の非溶解成分に付着し、この非溶解成分を加圧浮
上槽112の水面へ浮上させる。これにより、加圧浮上
槽112の水面に層状のフロス(本発明における浮上物
に対応している)が形成される。またこの加圧浮上槽1
12では、洗車排水に空気を付与することで好気的な状
態が形成されるため、洗車排水が嫌気化して臭気が発生
するのを防止することができる。なお、加圧ポンプ11
4の運転は、加圧浮上槽112への洗車排水流入時にあ
わせて開始される構成であるのが好ましい。
【0016】加圧浮上槽112の水面に形成されたフロ
スは、加圧浮上槽112内に設置されたフロススキマ1
16によって回収され排出配管117を通じて下水へ排
出される。なお、フロススキマ116の運転は、加圧浮
上槽112への洗車排水流入後一定時間経過した後に開
始される構成であるのが好ましい。このフロススキマ1
16が本発明における浮上物排出手段に対応している。
また、凝集剤添加装置210から添加された凝集剤によ
って水面へ浮上しないで沈殿したスラッジは、加圧浮上
槽112の槽底部からエアリフトポンプ等の排出手段
(図示省略)によって引き抜かれ排出配管119を通じ
て下水へ排出される。本実施の形態では、この加圧浮上
槽112の底部には、スラッジの円滑な排出を可能とす
る構成の傾斜部材118が設けられている。なお、排出
手段の運転は、加圧浮上槽112への洗車排水の流入が
ない時間帯ないし後述する生物処理装置130の逆洗運
転時にあわせて行われる構成であるのが好ましい。
【0017】加圧浮上槽112においてフロスやスラッ
ジ等が除去された処理水(1次処理水)は、いわゆる押
し出し流れの原理によって移流配管120を通じて生物
処理装置130へ移流するようになっている。移流配管
120は、加圧浮上槽112と各生物処理槽132とを
並列的に接続可能な構成であり、したがってこの移流配
管120が本発明における第1の接続径路に対応してい
る。この1次処理水は、黒ずみの原因となる洗車排水中
の浮遊物質(SS)、難分解性の発泡成分、油分等の非
溶解成分が加圧浮上装置110によって極力除去された
状態のものである。このような水質の1次処理水は、生
物処理装置130における処理負荷の軽減を可能とす
る。なお、この加圧浮上装置110における洗車排水の
処理行程が、本発明における第1の処理行程に対応して
いる。
【0018】生物処理装置130は、計4つの生物処理
槽132、各生物処理槽132に対応した散気装置およ
び逆洗装置を備えている。生物処理槽132は、各々に
担体充填領域133を有しこの担体充填領域133に、
例えば中空円筒形状の担体Cが充填されている。この担
体Cに好気性微生物が付着する。この担体Cは、その材
質としては、例えばパーライト、シラスバルーン、発泡
コンクリート、活性炭、多孔質セラミック、多孔質硝子
等の無機担体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリウレタン等の合成樹脂担体を広く用いる
ことができる。
【0019】散気装置は、各生物処理槽132において
担体充填領域133の下方に設置された計4つの散気管
134と、これら各散気管134へ散気空気を供給する
計4つの散気ブロワ136とを有する。散気管134を
担体充填領域133の下方に設置し、散気空気を担体充
填領域133全体に供給する構成を用いているため、処
理水の好気的な状態を形成させ易くなる。例えば、担体
充填領域133内に散気管134を設置するような場合
に比して、散気空気が供給されにくい領域を極力減らす
ことができる。したがって臭気が発生するのを極力防止
する効果がある。一方、逆洗装置は、各生物処理槽13
2において担体充填領域133の下方に設置された計4
つの逆洗管144と、これら各逆洗管144へ逆洗空気
を共通して供給する1つの逆洗ブロワ146と、後述す
る逆洗ポンプ等を有する。また、各生物処理槽132に
は、逆洗運転時における逆洗排水を下水へ排出する排出
配管142が設けられている。通常運転時に生物処理槽
132へ受け入れた1次処理水は、担体充填領域133
を図2中の矢印で示すように降流したのち、生物処理装
置130の底部から抜き出され、いわゆる押し出し流れ
の原理によって移流配管140を通じてリサイクル水槽
150へ移流するようになっている。この生物処理装置
130等によって本発明における第2の処理部が構成さ
れ、リサイクル水槽150が本発明における貯留部に対
応している。
【0020】リサイクル水槽150には、槽内に洗浄水
供給ポンプ152、循環ポンプ154、逆洗ポンプ15
6が設置されている。これら各ポンプでは、水中ポンプ
ないしエアリフトポンプの構成が用いられている。洗浄
水供給ポンプ152は、その吐出部が供給配管162に
よって洗車機本体302に接続されており、リサイクル
水槽150に貯留された2次処理水を通常運転時に供給
配管162を通じて洗車機本体302へ供給する構成に
なっている。この洗浄水供給ポンプ152、供給配管1
62等によって本発明における供給手段が構成されてい
る。循環ポンプ154は、その吐出部が供給配管164
によって加圧浮上槽112に接続されており、リサイク
ル水槽150に貯留された2次処理水を供給配管164
を通じて加圧浮上槽112へ循環させる構成になってい
る。この循環ポンプ154は、2次処理水がリサイクル
水槽150に長期間滞留するような場合に適宜運転され
る。逆洗ポンプ156は、その吐出部が逆洗配管166
によって各生物処理槽132の底部に接続されており、
リサイクル水槽150に貯留された2次処理水を逆洗運
転時に逆洗配管166を通じて各生物処理槽132へ供
給する構成になっている。すなわち、本実施の形態で
は、洗車機300への洗浄水と生物処理槽132への逆
洗水の供給元が1つのリサイクル水槽150によって兼
用されているため、リサイクル処理装置100の省スペ
ース化を図ることが可能となる。
【0021】逆洗配管166は、各生物処理槽132と
リサイクル水槽150とを並列的に接続可能な構成であ
り、したがってこの逆洗配管166が本発明における第
2の接続径路に対応している。この逆洗配管166に
は、下水と連通する1パス排出配管170が接続されて
いる。この1パス排出配管170は、生物処理槽132
で処理された処理水をリサイクル水槽150よりも上流
から直接下水へ排出するものであり、後述する暫時運転
において処理水の水質を安定化させるのに用いられる。
すなわち、ここでいう「1パス」とは、生物処理槽13
2で処理された処理水をリサイクルすることなく排出す
る態様を示すものである。この1パス排出配管170等
によって本発明における処理水排出手段が構成されてい
る。
【0022】このリサイクル水槽150には、槽内の2
次処理水に所定量の比率で次亜塩素酸を添加する次亜塩
素酸添加装置220が設けられている。この次亜塩素酸
添加装置220は、次亜塩素酸を貯留する次亜塩素酸タ
ンク222、この次亜塩素酸タンク222の次亜塩素酸
をリサイクル水槽150へ圧送する次亜塩素酸ポンプ2
24を備えている。これにより、2次処理水は次亜塩素
酸により薬品処理される。
【0023】また、このリサイクル水槽150には、上
水を供給する供給配管180が接続されている。逆洗運
転時などにリサイクル水槽150の水位が低下すると、
この供給配管180を通じてリサイクル水槽150へ上
水が補給されるようになっている。このような構成によ
れば、リサイクル水槽150の処理水の一部が上水と入
れ替わり、リサイクル水槽150の処理水を洗車機30
0の洗浄水として繰返しリサイクルする際の水質の悪化
を防止することができる。また、このリサイクル水槽1
50には、槽上部にオーバーフロー配管168が設けら
れ、槽底部にドレン配管169が設けられている。これ
らオーバーフロー配管168およびドレン配管169は
いずれも下水に接続されており、下水へのオーバーフロ
ー水およびドレンの排出を可能とする。なお、図示しな
いものの上記構成のリサイクル処理装置100の各箇所
には、必要に応じて流路切換弁、仕切弁、流量計等が適
宜設けられている。
【0024】次に、上記構成のリサイクル処理装置10
0の運転態様を図3〜図5を参照しながら説明する。こ
こで、図3は通常運転時における生物処理装置130の
状態を示す図である。また、図4は逆洗運転時における
生物処理装置130の状態を示す図である。また、図5
は逆洗運転後の暫時運転時における生物処理装置130
の状態を示す図である。これらの図において、白抜きの
表示の弁はその弁が開放状態にあることを示し、黒塗り
表示の弁はその弁が閉止状態にあることを示している。
このリサイクル処理装置100では、通常運転と、逆洗
運転と、逆洗運転後の暫時運転との3つの運転態様があ
る。なお、リサイクル処理装置100を構成する各装置
等の運転は、個別ないし一括して設けられた制御盤(制
御手段)によって制御される。
【0025】通常運転では、加圧浮上装置110で処理
された1次処理水を生物処理装置130において生物処
理する。図3に示すように、この通常運転では、加圧浮
上装置110で処理された処理水が移流配管120を通
じて4つの生物処理槽132へ並列的に移流する。ま
た、各生物処理槽132に対応した4つの散気ブロワ1
36が運転され、散気管134から槽内へ所定量の散気
空気が供給される。これにより、各生物処理槽132に
おいて担体充填領域133の好気性微生物に散気空気が
付与され、1次処理水中の有機汚濁物質(泡沫や汚泥な
ど)が好気分解される。このとき、好気性微生物が好気
分解する1次処理水は、加圧浮上装置110において浮
遊物質等が極力除去されたものであるゆえ、好気性微生
物が浮遊物質等に阻害されることなく円滑に機能する。
これにより、処理水中の生物化学的酸素要求量、いわゆ
るBOD(Biochemical Oxygen Demand)を上昇させる
成分の円滑な除去が可能となる。従って、水温が高くて
微生物が繁殖しやすいような夏季に処理水が腐敗し、リ
サイクル処理装置100や洗車機300から臭気が発生
するのを極力阻止することができる。また、この通常運
転では、好気分解等によって生成した浮遊物質(SS)
等が担体充填領域133の担体Cによって濾過され捕捉
される。すなわち、本実施の形態では、この担体Cは散
気管134から散気空気が供給されたときの流動化を抑
えることができるような重量になっており、したがって
この担体Cによって濾過領域が形成されることとなる。
このようにして、加圧浮上装置110および生物処理装
置130によって順次処理されることで得られた2次処
理水は、移流配管140を通じてリサイクル水槽150
へ送られる。この2次処理水は、洗車機300における
洗浄水として好適な黒ずみや臭気の発生を抑えた水質を
有する。なお、この通常運転における生物処理装置13
0での処理行程が、本発明における第2の処理行程に対
応している。
【0026】逆洗運転では、通常運転を予め設定された
所定時間継続したのち、各生物処理槽132の洗浄処理
を行う。図4に示すように、この逆洗運転では、4つの
うちの3つの生物処理槽132については運転を継続
し、逆洗処理対象の所定の生物処理槽132のみを洗浄
する。逆洗ブロワ146が運転され、逆洗処理対象の生
物処理槽132の逆洗管144から槽内へ所定量の逆洗
空気が供給される。この逆洗空気の風量は、通常運転時
の散気空気の風量よりも多いのが好ましい。また、逆洗
ポンプ156の運転が開始され、リサイクル水槽150
に貯留された2次処理水は、逆洗水として逆洗配管16
6を通じて逆洗処理対象の生物処理槽132へ供給され
る。この逆洗水は生物処理槽132の底部から供給され
るため、担体充填領域133を上方へ流れる。このよう
な逆洗空気および逆洗水の作用によって、通常運転時に
担体Cに捕捉された浮遊物質(SS)等は担体Cから剥
離し、逆洗排水として排出配管142を通じて下水へ排
出される。この処理を予め設定された所定時間継続した
のち、この生物処理槽132は後述する暫時運転に切り
換え、今度は別の生物処理槽132を逆洗運転へ切り換
える。このようにして、4つの生物処理槽132の逆洗
運転を順次行う。このような逆洗運転によれば、各生物
処理槽132を複数回に分けて個別に洗浄できるので、
逆洗空気を供給する逆洗ブロワ146の風量を各生物処
理槽132に対応した風量で賄うことが可能となり、複
数の生物処理槽を一度に逆洗する場合に比して逆洗ブロ
ワを小型化することができる。この逆洗ブロワの小型化
は、装置コストの削減、逆洗ブロワ設置スペースの削
減、逆洗ブロワに関する維持管理作業の削減につなが
る。また、各生物処理槽132を複数回に分けて個別に
洗浄できるので、1度に使用する逆洗水量を低減させる
ことができ、逆洗水として用いる2次処理水を貯留する
リサイクル水槽150の大型化、リサイクル水槽150
での滞留時間増加による臭気発生といった問題を極力回
避することができる。
【0027】暫時運転は、逆洗運転が終了した生物処理
槽132について行う。図5に示すように、この暫時運
転では、所定の生物処理槽132の下流径路を、移流配
管140側から1パス排出配管170側へ切り換える。
これにより、加圧浮上装置110から受け入れた1次処
理水は所定の生物処理槽132を降流したのち、1パス
排出配管170を通じて下水へ排出される。これによ
り、逆洗運転後の水質が安定化していない処理水がリサ
イクル水槽150へ流出して洗車機300へ供給される
のが防止される。この暫時運転は、例えば逆洗運転終了
時から予め設定された一定時間が経過するまでの間、ま
た逆洗運転終了時から予め設定された一定処理量が処理
されるまでの間継続される。
【0028】以上のように本実施の形態によれば、加圧
浮上装置110と生物処理装置130とを好適に組み合
わせることで、洗車排水中の浮遊物質等を極力除去する
ことができる。しかも、浮遊物質等を極力除去すること
で生物処理装置130の好気性微生物が浮遊物質等によ
って阻害されることがなく、この好気性微生物を円滑に
機能させることができる。すなわち、加圧浮上装置11
0は、黒ずみの原因となる洗車排水中の浮遊物質(S
S)、難分解性の発泡成分、油分等の非溶解成分の除
去、洗車排水の好気的な状態を形成することによる臭気
防止、生物処理装置130での処理負荷の軽減などを可
能とする。また、生物処理装置130は、1次処理水中
の有機汚濁物質(泡沫や汚泥など)の好気分解、この好
気分解等によって生成した浮遊物質(SS)は担体充填
領域の濾過および洗浄、処理水の好気的な状態を形成す
ることによる臭気防止などを可能とする。これにより、
洗車機における洗浄水として好適な黒ずみや臭気の発生
を抑えた水質の処理水を得ることができ、洗車機のノズ
ルが詰まる、洗車布が汚れる、洗車時の泡立ちや仕上が
りが悪くなる等の問題を回避することができる。また、
本実施の形態によれば、逆洗運転後の暫時運転におい
て、水質が安定化していない処理水を下水へ排出する構
成としたため、逆洗運転後の水質が安定化していない処
理水がリサイクル水槽150へ流出し洗車機300へ供
給されるのを防止することができる。また、本実施の形
態によれば、洗車機300への洗浄水と生物処理装置1
32への逆洗水の供給元が1つのリサイクル水槽150
によって兼用されているため、リサイクル処理装置の省
スペース化を図ることが可能となる。こような省スペー
ス化は、設置スペースの限られたガソリンスタンド等に
おいて特に有効である。また、本実施の形態によれば、
生物処理槽132を複数設ける構成としたため、いずれ
かの生物処理槽が閉塞したような場合であっても他の生
物処理槽によって処理を継続することができ、信頼性を
高めることができる。また、逆洗運転時に各生物処理槽
132を複数回に分けて個別に洗浄することで、逆洗ブ
ロワ146の小型化、これによる装置コストの削減、逆
洗ブロワ設置スペースの削減、逆洗ブロワに関する維持
管理作業の削減が可能となる。さらには、逆洗運転時に
1度に使用する逆洗水量を低減させることができ、逆洗
水として用いる2次処理水を貯留するリサイクル水槽1
50の大型化、リサイクル水槽150での滞留時間増加
による臭気発生といった問題を極力回避することができ
る。
【0029】〔他の実施の形態〕なお、本発明は上記の
実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用
や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用し
た次の各形態を実施することもできる。
【0030】(A)上記実施の形態では、加圧浮上装置
110を、洗車排水とともに大気空気を吸入する構成の
加圧ポンプ114を用いて構成したが、圧縮空気を供給
する圧縮機、洗車排水と空気とを混合するラインミキサ
等を用いて加圧浮上装置を構成することもできる。
【0031】(B)また、上記実施の形態では、通常運
転時に4つの生物処理槽132を並列的に用い、また逆
洗運転時に4つの生物処理槽132を切り換えて使用す
る場合について記載したが、生物処理槽の数、使用形態
等は必要に応じて種々変更可能である。例えば、逆洗運
転時に4つの生物処理槽132を同時に逆洗する形態を
用いることもできる。
【0032】(C)また、上記実施の形態では、暫時運
転時に使用する1パス排出配管170を逆洗配管166
から分岐させる場合について記載したが、この1パス排
出配管170は移流配管140から分岐した構成や、生
物処理槽132自体に設置された構成であってもよい。
【0033】(D)また、上記実施の形態では、リサイ
クル処理装置100で除去された除去物を下水へ排出す
る構成について記載したが、この除去物を汚泥処理装置
のフィードを貯留する構成の汚泥貯留槽へ向けて排出す
るように構成することもできる。
【0034】(E)また、上記実施の形態のリサイクル
処理装置100を構成する各装置や各槽に加え、別の機
構を有する装置や槽を追加することもできる。例えば、
加圧浮上装置110ないしこの加圧浮上装置110の上
流に、洗車排水の油水分離を行う油水分離槽を適宜設け
てもよい。また、生物処理装置132内に散気管134
を設ける構成にかえて、生物処理装置132の上流に予
備曝気槽を設けた構成を用いてもよい。この場合、生物
処理装置132で処理された処理水を予備曝気槽ないし
その予備曝気槽よりも上流へ循環可能な構成を好適に用
いる。
【0035】(F)また、上記実施の形態では、生物処
理装置132において処理水の好気的な状態を形成させ
易くすることを考慮して散気管134を担体充填領域1
33の下方に設け、担体Cによる濾過領域を形成させる
ことを考慮して担体Cの重量を散気空気による流動化を
抑えることができるように設定する場合について記載し
たが、散気管134の設置位置および担体Cの重量はこ
れに限定されるものではなく、相互の関係を考慮したう
えで種々変更可能である。例えば、散気管134を担体
充填領域133内に設置し、担体Cの重量を上記実施の
形態よりも軽くすることができる。このような場合は、
散気管134よりも上方に担体Cが流動化した生物処理
領域を形成し、散気管134よりも下方に担体Cによる
濾過領域を形成する。このような構成によれば、散気ブ
ロワ136の所要風量を低減させるのに有効である。
【0036】(G)また、上記実施の形態の生物処理槽
132では、通常運転時において処理水が担体充填領域
133を下向きに降流する場合について記載したが、処
理水が担体充填領域133を上向きに流れるような構成
を用いてもよい。
【0037】(H)また、上記実施の形態では、リサイ
クル処理装置100と洗車機300とを区別して記載し
たが、リサイクル処理装置100と洗車機300等をあ
わせて本発明のリサイクル処理装置を構成してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
洗車機から排出される洗車排水を受け入れて処理したの
ち、この処理水を洗車機へ供給し洗浄水としてリサイク
ルするに際し、洗浄水に好適な水質の処理水を得るのに
有効な洗車排水のリサイクル処理技術を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のリサイクル処理装置100の概
略処理フローを示す図である。
【図2】本実施の形態のリサイクル処理装置100の概
略構成を示す図である。
【図3】通常運転時における生物処理装置130の状態
を示す図である。
【図4】逆洗運転時における生物処理装置130の状態
を示す図である。
【図5】逆洗運転後の暫時運転時における生物処理装置
130の状態を示す図である。
【符号の説明】
100…リサイクル処理装置 110…加圧浮上装置(第1の処理部) 112…加圧浮上槽 114…加圧ポンプ 116…フロススキマ(浮上物除去手段) 118…傾斜部材 130…生物処理装置(第2の処理部) 132…生物処理槽 133…担体充填領域 134…散気管 136…散気ブロワ 140…移流配管(第1の接続径路) 144…逆洗管 146…逆洗ブロワ 150…リサイクル水槽(貯留部) 152…洗浄水供給ポンプ 154…循環ポンプ 156…逆洗ポンプ 166…逆洗配管(第2の接続径路) 170…1パス排出配管(処理水排出手段) 210…凝集剤添加装置 220…次亜塩素酸添加装置 300…洗車機 310…排水ピット
フロントページの続き (72)発明者 松尾 康一 愛知県知立市山屋敷町山鼻33番地 フジク リーン工業株式会社水環境研究所内 (72)発明者 藤田 早百合 愛知県知立市山屋敷町山鼻33番地 フジク リーン工業株式会社水環境研究所内 Fターム(参考) 3D026 AA17 4D003 AA01 AB02 BA02 CA02 CA04 DA08 DA22 DA29 EA15 EA19 EA22 EA23 EA24 EA25 EA30 FA01 FA05 FA06 4D037 AA13 AB02 AB06 BA02 BB03 BB07 CA07 CA08 CA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗車機から排出された洗車排水を処理す
    る処理部を有し、この処理部で処理した処理水を供給手
    段を介して前記洗車機へ供給し洗浄水としてリサイクル
    する洗車排水のリサイクル処理装置であって、 前記処理部は、前記洗車排水を順次処理する第1および
    第2の処理部を有し、 前記第1の処理部には、前記洗車排水を空気とともに加
    圧したのち低圧領域へ吐出する加圧ポンプと、前記低圧
    領域に生成した浮上物を除去する浮上物除去手段が設け
    られ、 前記第2の処理部には、好気性微生物が付着する担体が
    充填された担体充填領域と、通常運転時にこの担体充填
    領域へ散気空気を供給する散気装置と、逆洗運転時にこ
    の担体充填領域へ逆洗空気および逆洗水を供給する逆洗
    装置が設けられていることを特徴とする洗車排水のリサ
    イクル処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した洗車排水のリサイク
    ル処理装置であって、 前記第2の処理部には、前記担体充填領域の逆洗運転後
    に、この担体充填領域で処理された処理水を一時的に汚
    泥領域へ排出する処理水排出手段が設けられていること
    を特徴とする洗車排水のリサイクル処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載した洗車排水の
    リサイクル処理装置であって、 前記第2の処理部で処理された処理水を貯留する貯留部
    を備え、この貯留部の処理水は、通常運転時には前記供
    給手段を介して前記洗浄水として前記洗車機へ供給さ
    れ、逆洗運転時には前記逆洗装置を介して前記逆洗水と
    して前記担体充填領域へ供給されるように構成されてい
    ることを特徴とする洗車排水のリサイクル処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載した洗車
    排水のリサイクル処理装置であって、 前記第2の処理部には、前記担体充填領域を有する複数
    の生物処理槽と、通常運転時にこれら生物処理槽と前記
    第1の処理部の下流側とを並列的に接続可能な第1の接
    続径路と、逆洗運転時にこれら生物処理槽へ前記逆洗水
    を並列的に供給可能な第2の接続径路が設けられている
    ことを特徴とする洗車排水のリサイクル処理装置。
  5. 【請求項5】 洗車機から排出された洗車排水を空気と
    ともに加圧したのち低圧領域へ吐出し、この低圧領域に
    生成した浮上物を除去する第1の処理行程と、前記第1
    の処理行程で得られた処理水を好気性微生物を用いて生
    物処理する第2の処理行程とを有し、 前記第2の処理行程で得られた処理水を前記洗車機へ供
    給し洗浄水としてリサイクルすることを特徴とする洗車
    排水のリサイクル処理方法。
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