JP2003304892A - 光学活性なハロフェニルエタノール誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性なハロフェニルエタノール誘導体の製造方法

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JP2003304892A
JP2003304892A JP2002109916A JP2002109916A JP2003304892A JP 2003304892 A JP2003304892 A JP 2003304892A JP 2002109916 A JP2002109916 A JP 2002109916A JP 2002109916 A JP2002109916 A JP 2002109916A JP 2003304892 A JP2003304892 A JP 2003304892A
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microorganism
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JP2002109916A
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Kazuya Mihashi
和也 三橋
Hiroaki Yamamoto
浩明 山本
Masatake Kudou
眞丈 工藤
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性なα-ハロフェニルエタノール誘導
体を酵素的に製造するための方法の提供。 【解決手段】 α-ハロアセトフェノン誘導体に、当該
化合物を立体選択的に還元しうる能力を有する微生物の
培養物、菌体またはその処理物を作用させ、生成する光
学活性な2-ハロフェニルエタノール誘導体を回収するこ
とにより、光学活性なα-ハロフェニルエタノール誘導
体(式II)が製造される。本発明によって得られる光学
活性なα-ハロフェニルエタノール誘導体は、医薬や農
薬の合成用中間体として有用である。 【化6】式(II)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性α-ハロ
フェニルエタノール誘導体の製造方法に関する。光学活
性α-ハロフェニルエタノール誘導体は、各種医薬品、
農薬の原料あるいは合成中間体として有用な光学活性ス
チレンオキサイド誘導体へときわめて容易に誘導するこ
とができる化合物であり、特に光学活性メタクロロスチ
レンオキサイドは、β3アドレノセプターアゴニストの
合成中間体として、極めて重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】一般的に医薬品や農薬、香料の原料とし
て光学活性化合物が重要である。これは光学異性体が生
理活性をまったく異にする場合があるためで、たとえば
アミノ酸においては、L-グルタミン酸が呈味性を有する
にも関わらず、逆の立体構造をもつD-グルタミン酸は無
味であることはよく知られている。さらに、対掌体の一
方が有効な生理活性を示す場合、もう一方の異性体が単
に全く活性を示さないだけでなく、有効な対掌体に対し
て競合阻害をもたらす結果、ラセミ体の生物活性が有効
な対掌体に対して1/2以下に激減してしまうこともあ
る。従って、光学的に純粋な対掌体をいかにして入手
(合成または分割)するかは、産業上重要な課題となっ
ている。この目的に対して、ラセミ体を合成した上で、
それを効果的に光学分割する手法が広く用いられてお
り、副生成物や多量の廃液を生じない酵素法による光学
分割が注目されている。
【0003】これまでにベンゼン環に置換基を有する光
学活性なα-ハロフェニルエタノール誘導体を製造する
方法として、以下のような方法が知られている。 ・酵母、バクテリアを用いた不斉還元(特開平 4-21838
4、特開平 11-215995)ベンゼン環に置換基を有しない
光学活性なα-ハロフェニルエタノール誘導体を製造す
る方法として、以下のような方法が知られている。 ・酵母、かびを用いた不斉還元(特開昭 61-239893、特
開昭 62-29998、特開昭62-65686、特開昭 62-65687)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、酵素
的な手法によってベンゼン環に置換基を有する光学活性
なα-ハロフェニルエタノール誘導体を効率よく製造す
るための方法を提供することである。そこで我々はバク
テリアを利用した不斉還元により製造することを考え
た。バクテリアは、一般に生育が早く、雑菌汚染のリス
クを軽減することができるうえ、培地として栄養源を多
くすることなく増殖し、反応後の廃棄物も減らせるとい
うメリットがある。
【0005】また、近年の遺伝子工学的手法を適用し、
遺伝子組換え菌による物質生産を行なうことも、多く報
告されている。特に大腸菌は、もっとも増殖の早い菌体
の一つであり、またその生化学的特性もよく解析されて
いる。一方、酵母、かびなどの真核生物に由来する酵素
には、糖などで修飾されることで活性を発現するものが
ある。大腸菌を宿主として真核生物の酵素を発現させる
と、糖鎖の修飾が不完全なことによってその活性が発現
できないことも多い。これに対して、バクテリア由来酵
素であれば、大腸菌で発現させる場合でも、翻訳後修飾
の違いによる活性低下の問題は生じにくい。したがって
バクテリアそのものを生産に利用しない場合において
も、その酵素源、遺伝子源としての利用価値は極めて大
きい。
【0006】このようなメリットがあるにも関わらず、
酵母、かびを使用した不斉還元によるα-ハロフェニル
エタノールの生成は、多くの種に見出すことができる
が、バクテリアではわずかな報告例しかない。わずか
に、S体を生成するシュードモナスおよびブレバンディ
モナス(特開平 11-215995)と、R体を生成するコリネ
バクテリウム(特開平10-94399)が見出されているにす
ぎない。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、このよ
うな高度な要求を満足する方法を鋭意検討した結果、目
的とする能力を有するバクテリアを見出した。そしてこ
のバクテリアの有する還元力を利用して、ベンゼン環に
置換基を有するα-ハロアセトフェノン誘導体(以下、
α-ハロアセトフェノン誘導体と記載する)を不斉還元
することによって、ベンゼン環に置換基を有する光学活
性なα-ハロフェニルエタノール誘導体(以下、α-ハロ
フェニルエタノール誘導体と記載する)に有利に導き得
ることを見出した。
【0008】既に述べたように、これまで光学活性なα
-ハロフェニルエタノールを生成するバクテリアの報告
は少ない。したがって、本発明者らが得た知見は、非常
に意外なことであった。更に驚くべきことに、本発明者
らが見出した微生物が生成する光学活性α-ハロフェニ
ルエタノール誘導体の光学純度は非常に高く、実用に際
し問題の無いレベルであった。これらの知見に基づい
て、本発明者らは本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、以下の光学活性α-
ハロフェニルエタノール誘導体の製造方法に関する。 〔1〕式(I)で示されるα-ハロアセトフェノン誘導体
に、当該化合物を立体選択的に還元しうる能力を有する
微生物の培養物、菌体またはその処理物を作用させ、生
成する式(II)で表される(R)-α-ハロフェニルエタノー
ル誘導体を回収する工程を含む、(R)-α-ハロフェニル
エタノール誘導体の製造方法であって、微生物が下記の
群から選択されるいずれかの属に属する微生物であるこ
とを特徴とする方法。 アミコラトプシス(Amycolatopsis)属 アルスロバクター(Arthrobacter)属 バシラス(Bacillus)属 エンテロバクター(Enterobacter)属 ロイコノストック(Leuconostoc)属 プロミクロモノスポラ(Promicromonospora)属 シュードモナス(Pseudomonas)属 ロドコッカス(Rhodococcus)属、および ストレプトマイセス(Streptomyces)属
【化3】式(I) (式中Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、Rはオル
ト位、メタ位またはパラ位が一個または複数個置換され
ていることを意味し、置換基は水素原子、アルコキシル
基、水酸基、アルキル基またはハロゲン原子を表す)。
【化4】式(II) (式中XとRは、それぞれ式(I)のXとRと同じ置換基を表
す) 〔2〕微生物が、下記の群から選択されるいずれかの微
生物である、〔1〕に記載の(R)-α-ハロフェニルエタ
ノール誘導体の製造方法。 アミコラトプシス・アズレア(Amycolatopsis azurea) アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis or
ientalis) アルスロバクター・グロビフォルミス(Arthrobacter g
lobiformis) アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxyda
ns) バシラス・プミラス(Bacillus pumilus) エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloaca
e) ロイコノストック・メセンテロイデス サブスピーシー
ズ デキストラニカム(Leuconostoc mesenteroides sub
sp. dextranicum) プロミクロモノスポラ・シトレア(Promicromonospora
citrea) プロモクロモノスポラ・スクモエ(Promicromonospora
sukumoe) プロミクロモノスポラ・エンテロフィラ(Promicromono
spora enterophila) シュードモナス・リボフラビナ(Pseudomonas riboflav
ina) ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulu
s) ロドコッカス・ルテウス(Rhodococcus luteus) ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrou
s)、および ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces grise
us) 〔3〕微生物の培養物、菌体、またはその処理物を、β
-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元体、およ
び/またはβ-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
リン酸還元体の存在下で、式(I)で示されるα-ハロアセ
トフェノン誘導体に作用させる工程を含む、〔1〕に記
載の(R)-α-ハロフェニルエタノール誘導体の製造方
法。 〔4〕α-ハロアセトフェノン誘導体が、メタ位が置換
されたα-ハロアセトフェノン誘導体である〔1〕に記
載の光学活性なα-ハロフェニルエタノール誘導体の製
造方法。 〔5〕メタ位がハロゲン原子に置換されたα-ハロアセ
トフェノン誘導体である 〔4〕に記載の光学活性なα-ハロフェニルエタノール
誘導体の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、前記式(I)で示される
α-ハロアセトフェノン誘導体に、当該化合物を立体選
択的に還元しうる能力を有する微生物またはその処理物
を作用させ、生成する式(II)で表される(R)-α-ハロフ
ェニルエタノール誘導体を回収する工程を含む、(R)-α
-ハロフェニルエタノール誘導体の製造方法であって、
微生物が下記の群から選択されるいずれかの属に属する
微生物であることを特徴とする方法に関する。 アミコラトプシス(Amycolatopsis)属 アルスロバクター(Arthrobacter)属 バシラス(Bacillus)属 エンテロバクター(Enterobacter)属 ロイコノストック(Leuconostoc)属 プロミクロモノスポラ(Promicromonospora)属 シュードモナス(Pseudomonas)属 ロドコッカス(Rhodococcus)属、および ストレプトマイセス(Streptomyces)属
【0011】本発明において、立体選択的に還元しうる
能力とは、前記式(I)で示されるα-ハロアセトフェノン
誘導体を基質として、(R)体のα-ハロフェニルエタノー
ル誘導体を生成する能力を言う。本発明における微生物
は、上記の群から選択されるいずれかの属に属し、(R)
体のα-ハロフェニルエタノール誘導体を生成しうる微
生物であれば、任意の微生物を用いることができる。本
発明に用いる微生物は、上記の群から選択されるいずれ
かの属に属する微生物について、(R)体のα-ハロフェニ
ルエタノール誘導体を生成する能力を比較することによ
り得ることができる。
【0012】たとえば、化合物(I)を含む培地中で被験
微生物を培養し、その培養物中に蓄積される光学活性α
-ハロフェニルエタノール誘導体の光学純度を測定す
る。その結果、光学活性なα-ハロフェニルエタノール
誘導体の生成を確認することができれば、当該微生物を
本発明に用いることができる。
【0013】あるいは予め培地中で増殖させた被験微生
物を集菌し、適当な緩衝液中に懸濁させる。更に化合物
(I)であらわされるα-ハロアセトフェノン誘導体と接
触、反応させて、この緩衝液中に蓄積される光学活性α
-ハロフェニルエタノール誘導体の光学純度を測定す
る。光学活性なα-ハロフェニルエタノール誘導体の生
成が確認できれば、当該微生物を本発明に用いることが
できる。このとき、被験微生物の培養時に、培地中に化
合物(I)を加えておけば、この化合物を代謝するための
酵素の誘導が期待できる。更に反応時に還元エネルギー
を加えておけば、より生成物の蓄積が期待できる。還元
エネルギー源には、糖類、アルコール類、あるいは糖ア
ルコール類等を用いることができる。
【0014】光学純度の高い生成物を得るには、より選
択性の高い微生物を用いることが有利であることは言う
までも無い。具体的には、たとえば80%、通常95%以
上、好ましくは98%以上、更に好ましくは99%以上の
光学純度で光学活性な(R)体のα-ハロフェニルエタノー
ル誘導体を生成しうる微生物を用いることができる。
【0015】本発明における「光学活性なα-ハロフェ
ニルエタノール誘導体」とは、ある光学異性体が別の光
学異性体より多く含まれるα-ハロフェニルエタノール
誘導体を言う。本発明において、好ましい光学活性なα
-ハロフェニルエタノール誘導体は、通常50%ee以
上、好ましくは80%ee以上、より好ましくは90%ee
以上、更に好ましくは95%ee以上の光学純度(enanti
omeric excess; ee)を有する。光学活性なα-ハロフェ
ニルエタノール誘導体の光学純度は、たとえば光学分割
カラムなどを用いて確認することができる。本発明の
「光学異性体」は、一般的に「光学活性体」および「鏡
像異性体」と呼ばれる場合もある。
【0016】より具体的には、上記の群から選択された
属に属する微生物として、以下の微生物を示すことがで
きる。これらの微生物は、いずれも高い光学純度で(R)-
α-ハロフェニルエタノール誘導体を生成しうる。 アミコラトプシス・アズレア(Amycolatopsis azurea) アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis or
ientalis) アルスロバクター・グロビフォルミス(Arthrobacter g
lobiformis) アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxyda
ns) バシラス・プミラス(Bacillus pumilus) エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloaca
e) ロイコノストック・メセンテロイデス サブスピーシー
ズ デキストラニカム(Leuconostoc mesenteroides sub
sp. dextranicum) プロミクロモノスポラ・シトレア(Promicromonospora
citrea) プロモクロモノスポラ・スクモエ(Promicromonospora
sukumoe) プロミクロモノスポラ・エンテロフィラ(Promicromono
spora enterophila) シュードモナス・リボフラビナ(Pseudomonas riboflav
ina) ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulu
s) ロドコッカス・ルテウス(Rhodococcus luteus) ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrou
s)、および ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces grise
us)
【0017】本発明の方法に用いる微生物は、様々な寄
託機関から細胞株として入手することができる。表1に
は本発明における好ましい微生物の種名と、各種の寄託
機関における登録番号が記載されている。細胞の寄託機
関としては、たとえば以下に示すような機関を示すこと
ができる。あるいは、当業者であれば様々な試料、たと
えば土壌、河川、湖沼水などから、必要な微生物を分離
することもできる。 IFO: 財団法人発酵研究所 ATCC: American Type Culture Collection JCM: 理化学研究所微生物系統保存施設 NCIMB: National Collections of Industrial Food a
nd Marine Bacteria HUT: 広島大学大学院先端物質研究科分子生命機能科
学専攻 これら微生物は、醗酵学の分野で公知の情報に従って培
養することができる。培地としては炭素源、窒素源、無
機物およびその他の栄養素を適量含有する培地ならば、
合成培地または天然培地のいずれでも使用可能である。
培地は、液体培地または固体培地を使用することができ
る。
【0018】具体的には、炭素源として、次に示すよう
な一般的な炭素源より、使用する微生物の資化性を考慮
して、適宜一種または二種以上選択して使用する。 糖類:グルコース、フルクトース、マルトース、ガラク
トース、 天然炭水化物:澱粉、澱粉加水分解物、糖蜜、廃糖蜜、
麦、とうもろこしなど アルコール類:グリセロール、メタノール、エタノール
など 脂肪酸類:酢酸、グルコン酸、ピルビン酸、クエン酸な
ど アミノ酸類:グリシン、グルタミン、アスパラギンなど 炭化水素類:ノルマルパラフィンなど
【0019】窒素源としては、次に示すような一般的な
窒素源の中から、使用する微生物の資化性を考慮して、
適宜一種または二種以上選択して使用する。 有機窒素化合物:肉エキス、ペプトン、酵母エキス、大
豆加水分解物、ミルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミ
ノ酸、コーンスティープリカー、その他の動物、植物、
微生物の加水分解物など、 無機窒素化合物:アンモニア、硝酸アンモニウム、硫酸
アンモニウム、塩化ナトリウムなどのアンモニウム塩、
硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、尿素など
【0020】また、微生物の光学活性α-ハロフェニル
エタノール誘導体への変換能力を高めるために、誘導物
質を用いることができる。誘導物質としては、目的とす
る光学活性なα-ハロフェニルエタノール誘導体、フェ
ニルエタノール誘導体、もしくはα-ハロアセトフェノ
ン誘導体、またはアセトフェノン誘導体を、使用する微
生物に応じて使用することができる。
【0021】さらに、無機塩として微量のマグネシウ
ム、マンガン、カリウム、カルシウム、ナトリウム、
銅、亜鉛などのリン酸塩、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩等よ
り適宜一種または二種以上を選択して使用することがで
きる。また、必要に応じて植物油、界面活性剤、シリコ
ンなどの消泡剤を培養液中に添加してもよい。
【0022】培養は前記培地成分を含有する液体培地中
で振とう培養、通気攪拌培養、連続培養、流加培養など
の通常の培養方法を用いて行うことができる。培養条件
は、微生物の種類、培養の種類、培養方法により適宜選
択することができる。すなわち、該菌株が増殖し、α-
ハロアセトフェノン誘導体からα-ハロフェニルエタノ
ール誘導体への変換能力を有しうる条件であれば特に制
限はない。
【0023】培養条件としては、当該微生物の生育が良
好、あるいは当該微生物の有する還元活性を良好に発現
しうる条件を選択できるが、たとえば培養開始時のpHを
4から10、好ましくは6から8に調節し、15から60℃、好
ましくは20から40℃の温度条件下で培養することが望ま
しい。培養時間はα-ハロアセトフェノン誘導体からα-
ハロフェニルエタノール誘導体への変換能力を有する菌
体が得ることができれば特に制限はなく、通常は1日か
ら7日、このましくは1日から3日培養する。
【0024】また、かかる微生物菌体の処理物として
は、例えば、上記微生物の凍結乾燥菌体、アセトン乾燥
菌体、菌体自己消化物、菌体抽出物、菌体磨砕物、菌体
の超音波処理物などがあげられ、さらに菌体抽出物から
公知の方法を組み合わせて精製取得した酵素も用いるこ
とができる。このとき、酵素は精製酵素であっても部分
精製酵素であってもよい。
【0025】また、本発明の微生物菌体あるいは菌体処
理物は、たとえばポリアクリルアミド法、含硫多糖ゲル
法(κ-カラギーナンゲル法など)、アルギン酸ゲル
法、寒天ゲル法、イオン交換樹脂法などの公知方法によ
り固定化して使用することもできる。
【0026】本発明における微生物による不斉還元方法
は、微生物を酵素が誘導される適切な前記培養条件にお
いて培養を行い、得られた培養液、あるいは培養液から
採取した菌体や該菌体処理物に反応基質を加えて、不斉
還元反応を行なうことができる。また、前記培養条件と
同じpH、温度範囲で、1日から7日間、培養と並行しても
不斉還元反応を行うことができる。
【0027】反応条件としては、たとえば以下の条件を
示すことができる。pH 4.0から9.0、好ましくはpH 6.0
から8.0、温度15から50℃、好ましくは20から35℃、反
応時間は、4時間から7日間接触させる一般に、微生物の
培養と不斉還元反応とは、別に行った方が良好な結果を
期待できる。培養と不斉還元反応を別に行うことは、精
製の際に、培養液由来不純物を減らすことができるとい
う点でも有利である。
【0028】本発明の製造方法において、微生物、その
菌体またはその処理物を反応基質に作用させる方法は任
意である。たとえば、両者を混合することにより、微生
物、その菌体またはその処理物を作用させることができ
る。あるいは、反応基質の交換が可能な膜を介して微生
物、その菌体またはその処理物を作用させることもでき
る。膜を利用することによって、反応生成物の回収にお
ける微生物菌体の分離を省略することができる。あるい
は両者を混合する場合には、固定化された微生物、その
菌体またはその処理物を用いることによって、反応生成
物を容易に分離することができる。
【0029】本発明の(R)-α-ハロフェニルエタノール
誘導体の製造方法において、上記微生物の培養物、菌
体、またはその処理物は、β-ニコチンアミドアデニン
ジヌクレオチド還元体(NADH)、および/またはβ-ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元体(NADP
H)の存在下で、基質化合物に作用させることができる。
一般に微生物による基質の還元反応は、還元エネルギー
源を供給することにより増強される。β-ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド還元体、またはβ-ニコチン
アミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元体は、本発明
の製造方法のための還元エネルギー源として望ましい。
【0030】本発明において、β-ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド還元体、またはβ-ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチドリン酸還元体は、これらの化合
物を添加することによって供給することができる。ま
た、上記反応に伴って生成する、これら還元エネルギー
源の酸化体を、還元体に再生するための反応系を組み合
せることもできる。
【0031】上記還元反応に付随して還元エネルギー源
から生成する酸化体の、還元体への再生は、微生物の持
つNAD還元能(解糖系、メチロトローフのC1化合
物資化経路など)を用いて行うことができる。これらN
AD還元能は、反応系にグルコースやエタノール、ギ
酸などを添加することにより増強することが可能であ
る。また、NADからNADHを生成する能力を有す
る微生物やその処理物、酵素を反応系に添加することに
よっても行うことができる。たとえば、グルコース脱水
素酵素、ギ酸脱水素酵素、アルコール脱水素酵素、アミ
ノ酸脱水素酵素、有機酸脱水素酵素(リンゴ酸脱水素酵
素など)などを含む微生物、その処理物、ならびに部分
精製もしくは精製酵素を用いてNADHの再生を行うこ
とができる。これらのNADH再生に必要な反応を構成
する成分は、本発明によるアルコールの製造のための反
応系に添加する、固定化したものを添加する、あるいは
NADHの交換が可能な膜を介して接触させることがで
きる。
【0032】また還元エネルギー源として、糖類、アル
コール類、あるいは糖アルコール類などの存在下で不斉
還元反応を行うことにより、さらに効率的な反応が期待
できる。使用する還元エネルギーとしては、該微生物が
還元エネルギーとして使用できるものであれば、特に制
限はなく、例えば糖類としては、グルコース、フルクト
ース、シュクロース等を用いることができる。アルコー
ル類としては、エタノール、イソプロパノール、グリセ
ロール等が利用できる。またソルビトールなどを糖アル
コール類として示すことができる。還元エネルギーのた
めに添加する化合物は、反応基質であるα-ハロアセト
フェノン誘導体量に応じて添加することができる。
【0033】還元エネルギー源の消費に伴って、反応液
のpHに変化が見られる場合には、適当な酸、アルカリを
用いてpHを一定範囲内に調節することで、さらに良好な
反応性を維持して、反応を行なうことも可能である。
【0034】本発明において生菌体を使用した場合、反
応液中に界面活性剤を添加しておけば反応時間の短縮を
はかることができ好ましい。この目的に用いられる界面
活性剤としては、生菌体の細胞壁の透過性をあげるもの
であれば特に制限はなく、臭化セチルピリミジウム、臭
化セチルトリメチルアンモニウム、トリトンX-100、パ
ライソオクチルフェニルエーテル、トゥイーン80、スパ
ン60等があげられ、反応液に対して、0.0001〜1%程度
使用することが好ましい。
【0035】また、菌体を集菌後、界面活性剤および有
機溶媒を含む水もしくはバッファーで前処理することに
より、細胞壁の透過性を上げた菌体を用いてもよい。こ
の目的に用いられる界面活性剤としては、生菌体の細胞
壁の透過性をあげるものであれば特に制限はなく、先に
あげた界面活性剤が用いられる。また、同じく、この目
的に用いられる界面活性剤としては、生菌体の細胞壁の
透過性をあげるものであれば特に制限はなく、トルエ
ン、キシレンなどがあげられ、0.0001〜1%程度に調整
したものを使用すればよい。
【0036】本発明の方法では、下記式(I)で表される
α-ハロアセトフェノン誘導体を基質として用いる。
【化5】式(I) (式中Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、Rはオル
ト位、メタ位またはパラ位が一個または複数個置換され
ていることを意味し、置換基は水素原子、アルコキシル
基、水酸基、アルキル基またはハロゲン原子を表す)。
式(I)の化合物におけるXが表すハロゲン原子としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。式(I)の化
合物におけるRが表すアルコキシル基としては、メトキ
シ基、エトキシ基などが、アルキル基としてはメチル
基、エチル基、イソプロピル基などが、ハロゲン原子と
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。こ
れら置換基は複数導入されていても良い。
【0037】本発明において、式(I)の化合物として、
たとえば2,3'-ジクロロアセトフェノン(メタ位のRとし
てCl)や、2-クロロ-3'-ブロモアセトフェノンなどのメ
タハロゲン化化合物を用いることができる。
【0038】これらの基質化合物は、公知の方法によっ
て製造することができる。たとえば実施例に示した2,3'
-ジクロロアセトフェノンは、メタクロロアセトフェノ
ンを塩化チオニルを用いて塩素化することで、合成する
ことができる。
【0039】本発明における反応基質であるα-ハロア
セトフェノン誘導体は、目的とする生成物を効率的に生
成できるように、反応を阻害しない範囲で、適切な濃度
で用いることができる。α-ハロアセトフェノン誘導体
の反応液中における濃度として、たとえば0.1から5
0%w/v、好ましくは1から20%w/vを示すことができ
る。
【0040】α-ハロアセトフェノン誘導体は、一般に
水に対する溶解度が低い。したがって高濃度の基質を加
えても、溶解した基質しか反応しないため、基質の添加
量に比べて反応速度が低くなることがある。基質の溶解
度を高めるために、メタノール、エタノール、アセト
ン、テトラハイドロフラン、ジメチルスルホキシドなど
の水溶性溶媒を添加することもできる。
【0041】α-ハロアセトフェノン誘導体は、一括
(バッチ法)、分割添加(フェドバッチ法)あるいは連
続添加(フィード法)等の任意の方法で添加することが
できる。α-ハロアセトフェノン誘導体は菌体に対して
毒性を有することから、その毒性を低く抑えながら反応
させるためには、バッチ法は避けたほうがよい。また、
基質、生成物の菌体に対する毒性を低減、回避すること
を目的として、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピル
エーテル、トルエンなどの水に不溶な有機溶媒を添加す
ることは効果的である。
【0042】本発明の不斉還元反応においては、好気的
条件下では通常副生成物が多くなることもある。この場
合には、嫌気的、あるいは酸素の制限条件下で反応を行
うことにより、高い収率を期待できる。具体的には、た
とえば窒素を液中もしくは気相中に通じて反応させるこ
とにより、収率の向上を期待できる。
【0043】かくして、本発明の反応により、α-ハロ
アセトフェノン誘導体は不斉還元され光学活性なα-ハ
ロフェニルエタノール誘導体が生成する。生成した光学
活性α-ハロフェニルエタノール誘導体は、常法に従っ
て容易に単離することができる。たとえば、反応液か
ら、直接もしくは菌体などの不溶性物質を除去した後、
酢酸エチル、ヘキサン、ジエチルエーテルなどで抽出
後、これを減圧濃縮することにより、光学活性α-ハロ
フェニルエタノール誘導体を結晶として、採取すること
ができる。さらに反応生成物の純度を上げるには、この
ものを少量の溶媒に溶解し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーを行なうことで高度に精製することができ
る。
【0044】このようにして得られた光学活性なα-ハ
ロフェニルエタノール誘導体は、苛性ソーダなどのアル
カリを等モル以上存在させ、加熱あるいは室温放置する
ことで容易に閉環し、光学活性なスチレンオキサイド誘
導体に変換されうる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。また、表
中菌株の株名の示す保存機関は以下のとおりである。 IFO: 財団法人発酵研究所 ATCC: American Type Culture Collection JCM: 理化学研究所微生物系統保存施設 NCIMB: National Collections of Industrial Food a
nd Marine Bacteria HUT: 広島大学大学院先端物質研究科分子生命機能科
学専攻
【0046】[実施例1](α-クロロアセトフェノン
還元菌のスクリーニング) ブイヨン培地(日水製薬株式会社製)を、18mmφ試験管
に3mLずつ分注し、オートクレーブ中121℃、15分間加熱
滅菌した。ここに、下表1中のバクテリアを一白金耳接
種し、30℃、48時間振とう培養した。
【0047】また、MRS培地(Lactobacilli MRS brot
h、Difco Laboratories製)を用い、18mmφ試験管に3mL
ずつ分注し、オートクレーブ中121℃、15分間加熱滅菌
した。ここに、下表1中の乳酸菌を一白金耳接種し、25
℃、48時間振とう培養した。
【0048】得られた培養液 2mLより遠心分離によって
集めた菌体に、10mg α-クロロアセトフェノン、30mgグ
ルコースを含む 100mMリン酸バッファー(pH 7.0) 1mL
を加え、30℃、48時間振とう反応した。
【0049】生成した2-クロロ-1-フェニルエタノール
は、反応液に酢酸エチル2mLを添加することで抽出を行
い、得られた酢酸エチル相中に含まれる量をガスクロマ
トグラフィーにより定量した。カラムはSilicone OV-17
3% Uniport HP, 80-100mesh,3.2mm x 210 cm(信和加
工株式会社製)を使用し、カラム温度は120℃とし、FID
(水素炎イオン化検出装置)で検出することで定量を行
った。
【0050】また、この酢酸エチル相から脱溶媒を行
い、光学分割カラムを用いた液体クロマトグラフィーに
よりその光学純度を測定した。光学分割カラムは、ダイ
セル化学工業株式会社製キラルセル OD-H(CHIRALCEL O
D-H 4.6mm x 150mm)を用い、n-ヘキサン:イソプロパ
ノール = 98:2 の溶離液を流速1.0mL/minで通じ、254
nmにおけるUV吸収を検出することで測定を行った。分析
結果を表1に示す。その結果、光学活性な(R)-2-クロロ
-1-フェニルエタノールが生成していることが確認でき
た。
【0051】
【表1】
【0052】[実施例2](2,3'-ジクロロアセトフェ
ノン還元菌のスクリーニング) 実施例1と同様にして、菌体を培養した。得られた培養
液 2mLより遠心分離によって集めた菌体に、10mg 2,3'-
ジクロロアセトフェノンおよび30mgグルコースを含む10
0mMリン酸バッファー(pH 7.0)1mLを加え、25℃、48時
間振とう反応した。
【0053】生成した2,3'-ジクロロ-1-フェニルエタノ
ールは、反応液に酢酸エチル2mLを添加することで抽出
を行い、得られた酢酸エチル相中に含まれる量をガスク
ロマトグラフィーにより定量した。カラムはSilicone O
V-210 20% Chromosorb W(AW-DMCS), 60-80 mesh, 3.2mm
x 210 cm(信和加工株式会社製)を使用し、カラム温
度は150℃とし、FID(水素炎イオン化検出装置)で検出
することで定量を行った。
【0054】また、この酢酸エチル相から脱溶媒を行
い、光学分割カラムを用いた液体クロマトグラフィーに
よりその光学純度を測定した。光学分割カラムは、ダイ
セル化学工業株式会社製キラルセル OF(CHIRALCEL OF
4.6mm x 250mm)を用い、n-ヘキサン:イソプロパノー
ル = 98:2 の溶離液を流速1.0mL/minで通じ、254nmに
おけるUV吸収を検出することで測定を行った。分析結果
を表2に示す。その結果、光学活性な(R)-2,3'-ジクロ
ロ-1-フェニルエタノールが生成していることが確認で
きた。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明により、光学活性なα-ハロフェ
ニルエタノール誘導体を、微生物を用いた不斉還元反応
によって、効率的に製造することができる。本発明の方
法は、高い収率を期待できるので、工業的にも有利であ
る。本発明によって製造される光学活性なα-ハロフェ
ニルエタノール誘導体は、光学活性な医薬や農薬の合成
原料として有用である。より具体的には、光学活性なα
-ハロフェニルエタノール誘導体は、抗肥満薬やβ3アド
レノレセプターアゴニスト等の合成中間体として使用さ
れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 7/22 C12R 1:545 C12R 1:07) (C12P 7/22 C12R 1:38) (C12P 7/22 C12R 1:545)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I)で示されるα-ハロアセトフェノン誘
    導体に、当該化合物を立体選択的に還元しうる能力を有
    する微生物の培養物、菌体またはその処理物を作用さ
    せ、生成する式(II)で表される(R)-α-ハロフェニルエ
    タノール誘導体を回収する工程を含む、(R)-α-ハロフ
    ェニルエタノール誘導体の製造方法であって、微生物が
    下記の群から選択されるいずれかの属に属する微生物で
    あることを特徴とする方法。 アミコラトプシス(Amycolatopsis)属 アルスロバクター(Arthrobacter)属 バシラス(Bacillus)属 エンテロバクター(Enterobacter)属 ロイコノストック(Leuconostoc)属 プロミクロモノスポラ(Promicromonospora)属 シュードモナス(Pseudomonas)属 ロドコッカス(Rhodococcus)属、および ストレプトマイセス(Streptomyces)属 【化1】式(I) (式中Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、Rはオル
    ト位、メタ位またはパラ位が一個または複数個置換され
    ていることを意味し、置換基は水素原子、アルコキシル
    基、水酸基、アルキル基またはハロゲン原子を表す)。 【化2】式(II) (式中XとRは、それぞれ式(I)のXとRと同じ置換基を表
    す)
  2. 【請求項2】微生物が、下記の群から選択されるいずれ
    かの微生物である、請求項1に記載の(R)-α-ハロフェ
    ニルエタノール誘導体の製造方法。 アミコラトプシス・アズレア(Amycolatopsis azurea) アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis or
    ientalis) アルスロバクター・グロビフォルミス(Arthrobacter g
    lobiformis) アルスロバクター・オキシダンス(Arthrobacter oxyda
    ns) バシラス・プミラス(Bacillus pumilus) エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloaca
    e) ロイコノストック・メセンテロイデス サブスピーシー
    ズ デキストラニカム(Leuconostoc mesenteroides sub
    sp. dextranicum) プロミクロモノスポラ・シトレア(Promicromonospora
    citrea) プロモクロモノスポラ・スクモエ(Promicromonospora
    sukumoe) プロミクロモノスポラ・エンテロフィラ(Promicromono
    spora enterophila) シュードモナス・リボフラビナ(Pseudomonas riboflav
    ina) ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulu
    s) ロドコッカス・ルテウス(Rhodococcus luteus) ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrou
    s)、および ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces grise
    us)
  3. 【請求項3】微生物の培養物、菌体、またはその処理物
    を、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元
    体、および/またはβ-ニコチンアミドアデニンジヌク
    レオチドリン酸還元体の存在下で、式(I)で示されるα-
    ハロアセトフェノン誘導体に作用させる工程を含む、請
    求項1に記載の(R)-α-ハロフェニルエタノール誘導体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】α-ハロアセトフェノン誘導体が、メタ位
    が置換されたα-ハロアセトフェノン誘導体である請求
    項1に記載の光学活性なα-ハロフェニルエタノール誘
    導体の製造方法。
  5. 【請求項5】メタ位がハロゲン原子に置換されたα-ハ
    ロアセトフェノン誘導体である請求項4に記載の光学活
    性なα-ハロフェニルエタノール誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018537126A (ja) * 2015-11-17 2018-12-20 プレミア リサーチ ラボズ, リミテッドパートナーPremier Research Labs, LP ジヒドロリポ酸の生成・抽出プロセス

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