JP2003303593A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

Info

Publication number
JP2003303593A
JP2003303593A JP2002106449A JP2002106449A JP2003303593A JP 2003303593 A JP2003303593 A JP 2003303593A JP 2002106449 A JP2002106449 A JP 2002106449A JP 2002106449 A JP2002106449 A JP 2002106449A JP 2003303593 A JP2003303593 A JP 2003303593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
secondary battery
negative electrode
lithium secondary
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002106449A
Other languages
English (en)
Inventor
Naruaki Okuda
匠昭 奥田
Masao Kanzaki
昌郎 神崎
Hideyuki Nakano
秀之 中野
Yoshio Ukiyou
良雄 右京
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2002106449A priority Critical patent/JP2003303593A/ja
Publication of JP2003303593A publication Critical patent/JP2003303593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力特性が高く、高温下での保存特性やサイ
クル特性の良好なリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正極活物質を正極結着剤で結着させて形
成した正極と、負極活物質を負極結着剤で結着させて形
成した負極と、電解質材料を有機溶媒に溶解した電解液
とを備えるリチウム二次電池において、正極結着剤とし
て、重量平均分子量が5.0×105以上のポリフッ化
ビニリデンを用い、負極結着剤として、重量平均分子量
が3.0×105以下のポリフッ化ビニリデンを使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムの吸蔵・
脱離現象を利用したリチウム二次電池に関し、詳しく
は、リチウム二次電池を構成する電極に用いられる結着
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムの吸蔵・脱離現象を利用したリ
チウム二次電池は、高エネルギー密度であることから、
携帯電話、パソコン等の小型化に伴い、通信機器、情報
関連機器の分野で広く普及するに至っている。一方で、
環境問題、資源問題から、自動車の分野でも電気自動車
の開発が急がれており、この電気自動車用の電源として
も、リチウム二次電池が検討されている。
【0003】現在、リチウム二次電池は、電池電圧が高
い、容量が大きい等の理由から、正極活物質としてLi
CoO2等のリチウム遷移金属複合酸化物を、また負極
活物質として炭素材料を用いたものが主流となってい
る。そして、正極および負極の各電極は、粉末状の各活
物質材料に結着剤等を混合し、溶媒を加えてペースト状
にした各電極合材を、集電体の表面に塗布、乾燥するこ
とにより形成される。ここで、結着剤は、正極および負
極において、活物質どうし、および活物質と集電体とを
結着する役割を果たす。この結着剤の選択によりリチウ
ム二次電池のエネルギー密度を向上させる試みとして、
例えば、特開2000−260475号公報には、正極
結着剤として重量平均分子量が50万以上のポリフッ化
ビニリデンを使用したリチウム二次電池が開示されてい
る。また、特開2001−250557号公報には、負
極結着剤として重量平均分子量が50万以上のポリフッ
化ビニリデンを使用したリチウム二次電池が開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】リチウム二次電池は、
上述したように広い分野での利用が期待されることか
ら、様々な電池特性が要求される。例えば、電気自動車
等の電源とする場合には、短時間で大きな出力を取り出
すことができ、かつ、短時間で大きな電力を充電するこ
とができる、いわゆる出力特性が高いことが要求され
る。また、充電率を高く保持した状態で保存した場合に
も、容量が低下しない、電池の内部抵抗が上昇しないと
いった、いわゆる保存特性が良好であることも要求され
る。特に、電池の内部抵抗の上昇は、電池の出力特性の
低下を招くため、これを抑制することは重要となる。さ
らに、充放電を繰り返しても容量が低下しないといっ
た、いわゆるサイクル特性が良好であることも要求され
る。高温下では電池反応が活性化し内部抵抗の上昇も大
きいことから、例えば、屋外放置される可能性のある電
気自動車用電源等の用途にリチウム二次電池を使用する
ことを想定した場合には、高温下での保存特性およびサ
イクル特性が良好であることが重要となる。
【0005】上記各々の公報に開示されたリチウム二次
電池は、正極または負極の結着剤を高分子量化すること
により、活物質の結着に必要な結着剤の量を少なくし、
エネルギー密度の向上を図ったものである。しかし、リ
チウム二次電池に求められる上述した出力特性、保存特
性、充放電サイクル特性については、満足できるものと
はなっていない。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなされ
たものであり、出力特性が高く、高温下での保存特性や
サイクル特性の良好なリチウム二次電池を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池は、正極活物質を正極結着剤で結着させて形成した正
極と、負極活物質を負極結着剤で結着させて形成した負
極と、電解質材料を有機溶媒に溶解した電解液とを備え
るリチウム二次電池であって、前記正極結着剤は、重量
平均分子量が5.0×105以上のポリフッ化ビニリデ
ンからなり、前記負極結着剤は、重量平均分子量が3.
0×105以下のポリフッ化ビニリデンからなることを
特徴とする。
【0008】リチウム二次電池が長期間の保存や充放電
を繰り返すことにより劣化する原因としては、活物質材
料の劣化、電解液の劣化、電極の劣化等種々の原因が考
えられる。本発明者は、特に電極の劣化に着目し、活物
質が集電体から剥離することがその劣化の一因であると
考えた。上述したように、正極および負極の各電極は、
各々の活物質が結着剤で結着されて形成される。結着剤
は、活物質粒子の表面に吸着して活物質どうしを結着さ
せ、活物質を集電体に繋ぎ止める役割を果たす。しか
し、高温下では結着剤が膨潤し、結着力、すなわち活物
質を拘束する力が低下する。特に、正極では、リチウム
の吸蔵・放出に伴い活物質が膨張・収縮するため、結着
剤による拘束力が低下すると、活物質が集電体から剥離
し易い。
【0009】本発明のリチウム二次電池では、正極結着
剤を、重量平均分子量が5.0×105以上のポリフッ
化ビニリデンとする。結着剤となるポリフッ化ビニリデ
ンは、その分子量が5.0×105以上と大きいため、
高温下でも膨潤し難く、結着力の低下は小さい。また、
通常使用される低分子量のものと比較して、ポリフッ化
ビニリデンの弾性率は大きくなる。このため、正極活物
質が膨張・収縮することにより変形した場合でも、その
変形は弾性変形となる。つまり、正極活物質が膨張・収
縮しても、それに応じて柔軟に変形することができるた
め、結着力はあまり低下しないと考えられる。このよう
に、正極結着剤として高分子量のポリフッ化ビニリデン
を用いることで、正極活物質の集電体からの剥離を抑制
することができる。すなわち、正極結着剤として高分子
量のポリフッ化ビニリデンを用いることで電極の劣化が
抑制されるため、高温下での保存特性やサイクル特性の
良好なリチウム二次電池を構成することができる。
【0010】また、本発明のリチウム二次電池では、負
極結着剤を、重量平均分子量が3.0×105以下のポ
リフッ化ビニリデンとする。負極では、負極活物質とし
て炭素材料を用いるため、正極のような活物質の膨張・
収縮はそれほど問題とはならない。したがって、電池の
内部抵抗をより小さくするという観点から、負極結着剤
として低分子量のポリフッ化ビニリデンを用いる。一般
に、リチウム二次電池では、電解液が電極に含浸され、
リチウムイオンが電解液を介して正極および負極の活物
質間を移動する。また、負極活物質粒子の表面には負極
活物質が吸着し、それにより負極活物質どうしが結着さ
れている。本発明のリチウム二次電池において負極結着
剤となるポリフッ化ビニリデンは、分子量が3.0×1
5以下と比較的小さいため、電解液が含浸し易い。つ
まり、負極結着剤が負極活物質粒子の表面を覆った状態
でも、負極活物質粒子に電解液がより含浸し易くなると
考えられる。その結果、負極活物質においてリチウムイ
オンの吸蔵・放出がスムーズに行われることとなり、電
池の内部抵抗は小さくなる。このように、負極結着剤と
して低分子量のポリフッ化ビニリデンを用いることで、
電池の内部抵抗を小さくすることができ、出力の大きな
電池を構成することができる。
【0011】以上より、正極結着剤として重量平均分子
量が5.0×105以上のポリフッ化ビニリデンを用
い、負極結着剤として重量平均分子量が3.0×105
以下のポリフッ化ビニリデンを用いた本発明のリチウム
二次電池は、出力特性が高く、高温下での保存特性やサ
イクル特性の良好なリチウム二次電池となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のリチウム二次電
池の実施の形態について、正極、負極、電解液等の項目
に分け、詳しく説明する。なお、説明する実施形態は一
実施形態にすぎず、本発明のリチウム二次電池は、下記
の実施形態に限定されるものではない。下記実施形態を
始めとして、当業者が行い得る変更、改良等を施した種
々の形態にて実施することができる。
【0013】〈正極〉正極は、正極活物質を正極結着剤
で結着させて形成する。正極活物質には、例えば、4V
級の二次電池を構成できるという観点から、基本組成を
LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2等とする層状
岩塩構造のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることが
できる。なかでも、基本組成をLiNiO2とする層状
岩塩構造のリチウム遷移金属複合酸化物は、Coを中心
金属としたリチウム遷移金属複合酸化物より低価格であ
り、単位重量あたりの放電容量が大きい二次電池を構成
できることから好適である。なお、基本組成とは、上記
各リチウム遷移金属複合酸化物の代表的な組成という意
味である。したがって、上記組成式で表されるものの
他、リチウムサイトや遷移金属サイトが他の一種または
二種以上の元素で一部置換されたものも含まれる。ま
た、必ずしも化学量論組成のものに限定されるわけでは
なく、例えば、製造上不可避的に生じるリチウムや酸素
等の一部の元素が欠損または過剰となる非化学量論組成
のものも含まれる。さらに、リチウム遷移金属複合酸化
物のうち一種類のものを単独で、また、二種類以上のも
のを混合して用いることもできる。
【0014】正極活物質として、基本組成をLiNiO
2とする層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物を採
用する場合、その組成が、組成式LiNiab2(M
はCo、Mn、Al、Mgから選ばれる少なくとも一
種;0.5≦a≦0.88、0.12≦b≦0.5)で
表されるものを用いることが望ましい。Niサイトの一
部を他の元素Mで置換することにより、リチウムニッケ
ル複合酸化物の結晶構造を安定化し、また熱安定性を向
上させることができる。したがって、このようなリチウ
ムニッケル複合酸化物を正極活物質とすることで、正極
活物質自体の劣化が抑制され、より保存特性やサイクル
特性の優れたリチウム二次電池を構成することができ
る。
【0015】例えば、Co、Mnは、主に、リチウムニ
ッケル複合酸化物の結晶構造を安定化する役割を果た
す。また、Coには、元素置換による容量低下を抑える
とともに、Li(Co,Ni)O2は全固溶型であり、
結晶性の低下を最小限にとどめるという利点がある。こ
のことを考慮した場合には、置換元素MにCoを用いる
ことが望ましい。Al、Mgは、主に、酸素放出に伴う
活物質の分解反応を抑え、熱安定性を向上させるという
役割を果たす。また、Alには、熱安定性を向上させつ
つ、容量低下を最小限に抑えるという利点がある。この
ことを考慮した場合には、置換元素MにAlを用いるこ
とが望ましい。
【0016】上記組成式LiNiab2で表されるリ
チウムニッケル複合酸化物において、置換されずに残存
するNiの割合、つまり組成式におけるaの値は、0.
5≦a≦0.88とすることが望ましい。Niの割合が
0.5未満の場合は、本来の層状岩塩構造のものだけで
なくスピネル構造等の副相が生成し、電池の容量が低下
するからである。また、Niの割合が0.88を超える
と、置換効果が少ないため、上記置換効果があまり発揮
されないからである。特に、0.7≦a≦0.8とする
と好適である。
【0017】正極結着剤には、重量平均分子量が5.0
×105以上のポリフッ化ビニリデンを用いる。ポリフ
ッ化ビニリデンの分子量は、5.0×105以上であれ
ばその上限が特に限定されるものではない。ポリフッ化
ビニリデンは、分子量が大きくなると粘度が大きくな
る。このため、後述する正極合剤の調製において正極活
物質を均一に分散させること等を考慮すると、ポリフッ
化ビニリデンの分子量を8.0×105以下とすること
が望ましい。なお、ポリフッ化ビニリデンの重量平均分
子量の測定は、通常の分子量測定方法に従えばよく、例
えば、GPC(Gel Permeation Chromatography)等を
用いて測定すればよい。本明細書では、GPCによる測
定値を採用するものとする。
【0018】正極は、上記正極活物質に上記正極結着剤
および導電材を混合し、適当な溶媒を加えてペースト状
の正極合材としたものを、アルミニウム等の金属箔製の
集電体表面に塗布、乾燥し、その後プレスによって活物
質密度を高めることによって形成することができる。導
電材は、正極を形成した場合の正極活物質層の電気伝導
性を確保するためのものであり、例えば、カーボンブラ
ック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質を単独
で、またはそれらの二種以上を混合したものを用いれば
よい。溶媒は、正極結着剤を溶解または乳化し、正極活
物質等を分散させる役割を果たすものであり、例えば、
N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いればよ
い。正極合材における上記各材料の配合割合は、各々使
用する材料の種類によって異なるが、例えば、正極活物
質を70〜90重量部、正極結着剤を3〜10重量部、
導電材を5〜20重量部程度とし、これらに所定量の溶
媒を加えればよい。溶媒の配合量は、正極活物質等が均
一に分散できる量であって、集電体へ塗布し易い粘度等
を考慮して適宜決めればよい。
【0019】〈負極〉負極は、負極活物質を負極結着剤
で結着させて形成する。負極活物質には、リチウムを吸
蔵・脱離できる炭素材料を用いることが望ましい。炭素
材料としては、天然あるいは人造の黒鉛、フェノール樹
脂等の有機化合物焼成体、コークス等の粉状体が挙げら
れる。なかでも、結晶性が高く、高エネルギー密度の電
池を構成できることから人造黒鉛を用いることが望まし
い。
【0020】負極結着剤には、重量平均分子量が3.0
×105以下のポリフッ化ビニリデンを用いる。ポリフ
ッ化ビニリデンの分子量は、3.0×105以下であれ
ばその下限が特に限定されるものではない。ポリフッ化
ビニリデンの低分子量化による電解液への溶解性を考慮
した場合には、ポリフッ化ビニリデンの分子量を2.0
×105以上とすることが望ましい。
【0021】負極は、正極と同様、上記負極活物質に上
記負極結着剤を混合し、N−メチル−2−ピロリドン等
の溶媒を加えてペースト状の負極合材としたものを、銅
等の金属箔集電体の表面に塗布乾燥し、その後プレスに
よって活物質密度を高めることによって形成することが
できる。負極合材における上記各材料の配合割合は、例
えば、負極活物質を90〜97重量部、負極結着剤を3
〜10重量部程度とし、これらに所定量の溶媒を加えれ
ばよい。溶媒の配合量は、負極活物質等が均一に分散で
きる量であって、集電体へ塗布し易い粘度等を考慮して
適宜決めればよい。
【0022】〈電解液〉電解液は、電解質材料を有機溶
媒に溶解したものである。有機溶媒としては、非プロト
ン性の有機溶媒、具体的には、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリ
ル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソ
ラン、塩化メチレン等の一種、またはこれらの二種以上
の溶媒を用いることができる。また、電解質としては、
有機溶媒に溶解することによりリチウムイオンを生じる
LiPF6、LiI、LiClO4、LiAsF6、Li
BF4等を用いることができる。特に、電解質能が高い
という理由からLiPF6を用いることが望ましい。
【0023】〈その他の構成要素等〉本発明のリチウム
二次電池では、上記正極と上記負極とを対向させること
により電極体を形成する。正極と負極との間にはセパレ
ータを挟装することが望ましい。このセパレータは、正
極と負極とを隔離しつつ電解液を保持してイオンを通過
させるものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
薄い微多孔膜を用いることができる。
【0024】本発明のリチウム二次電池は、その形状を
特に限定するものではなく、円筒型、積層型、コイン型
等、種々のものとすることができる。いずれの形状を採
る場合であっても、電池形状に応じて形成した上記電極
体を、所定の電池ケースに収納し、正極集電体および負
極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子まで
の間を集電用リード等を用いて接続し、この電極体に上
記電解液を含浸させ電池ケースに密閉し、リチウム二次
電池を完成することができる。
【0025】
【実施例】分子量の異なる種々のポリフッ化ビニリデン
(以下、実施例において「PVdF」と表す。)を正極
結着剤および負極結着剤に用いて種々のリチウム二次電
池を作製した。そして、作製したリチウム二次電池につ
いて、高温下で充放電サイクル試験および保存試験を行
い、サイクル特性、保存特性、出力特性を評価した。以
下、各項目について順に説明する。
【0026】〈リチウム二次電池の作製〉 (1)#11の二次電池 正極結着剤として、分子量が5.0×105のPVdF
を、負極結着剤として、分子量が3.0×105のPV
dFをそれぞれ使用してリチウム二次電池を作製した。
【0027】正極は、まず、正極活物質となるLiNi
0.8Co0.15Al0.052の85重量部に、導電材として
のカーボンブラックを10重量部、正極結着剤としての
上記PVdFを5重量部混合し、溶媒として適量のN−
メチル−2−ピロリドンを添加して、ペースト状の正極
合材を調製した。次いで、調製した正極合材を厚さ20
μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布し、乾燥さ
せ、その後ロールプレスにて圧縮し、正極合材の厚さが
片面当たり40μmのシート状のものを作製した。この
シート状の正極は54mm×450mmの大きさに裁断
して用いた。
【0028】対向させる負極は、人造黒鉛を活物質とし
て用いた。まず、負極活物質となる人造黒鉛の95重量
部に、負極結着剤としての上記PVdFを5重量部混合
し、溶媒として適量のN−メチル−2−ピロリドンを添
加して、ペースト状の負極合材を調製した。次いで、調
製した負極合材を厚さ10μmの銅箔集電体の両面に塗
布し、乾燥させ、その後ロールプレスにて圧縮し、負極
合材の厚さが片面当たり30μmのシート状のものを作
製した。このシート状の負極は56mm×500mmの
大きさに裁断して用いた。
【0029】上記それぞれ正極および負極を、それらの
間に厚さ25μm、幅58mmのポリエチレン製セパレ
ータを挟んで捲回し、ロール状の電極体を形成した。そ
して、その電極体を18650型円筒形電池ケース(外
径18mmφ、長さ65mm)に挿設し、電解液を注入
し、その電池ケースを密閉して円筒型リチウム二次電池
を作製した。なお、電解液は、エチレンカーボネートと
ジエチルカーボネートとを体積比で1:1に混合した混
合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解したものを用
いた。このように作製したリチウム二次電池を#11の
二次電池とした。
【0030】(2)#12の二次電池 上記#11の二次電池の作製において、負極結着剤を変
更し、分子量が2.0×105のPVdFを使用した以
外は、上記#11の二次電池を作製したのと同様にリチ
ウム二次電池を作製した。作製したリチウム二次電池を
#12の二次電池とした。
【0031】(3)#21の二次電池 上記#11の二次電池の作製において、正極結着剤およ
び負極結着剤を変更した。すなわち、正極結着剤として
分子量が3.0×105のPVdFを、負極結着剤とし
て分子量が5.0×105のPVdFを使用した以外
は、上記#11の二次電池を作製したのと同様にリチウ
ム二次電池を作製した。作製したリチウム二次電池を#
21の二次電池とした。
【0032】(4)#22の二次電池 上記#11の二次電池の作製において、負極結着剤を変
更し、分子量が5.0×105のPVdFを使用した以
外は、上記#11の二次電池を作製したのと同様にリチ
ウム二次電池を作製した。作製したリチウム二次電池を
#22の二次電池とした。
【0033】(5)#23の二次電池 上記#11の二次電池の作製において、正極結着剤を変
更し、分子量が3.0×105のPVdFを使用した以
外は、上記#11の二次電池を作製したのと同様にリチ
ウム二次電池を作製した。作製したリチウム二次電池を
#23の二次電池とした。
【0034】〈充放電サイクル試験およびサイクル特性
の評価〉上記#11、#12、#21〜#23の各リチ
ウム二次電池について充放電サイクル試験を行った。ま
ず、コンディショニングとして、温度20℃下にて、電
流密度0.2mA/cm2の定電流で4.1Vまで充電
した後、電流密度0.2mA/cm2の定電流で3.0
Vまで放電を行う充放電を3サイクル行った。コンディ
ショニングの後、充放電サイクル試験として、温度60
℃下にて、500サイクルの充放電を行った。その充放
電条件は、電流密度2mA/cm2の定電流で充電上限
電圧4.1Vまで充電を行い、電流密度2mA/cm2
の定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電
を1サイクルとするものである。そして、各リチウム二
次電池について、サイクルごとの放電容量を測定し、正
極活物質の単位重量あたりの放電容量を求めた。また、
1サイクル目の放電容量と500サイクル目の放電容量
とから、式[500サイクル目放電容量/1サイクル目
放電容量×100]により容量維持率を算出した。各二
次電池における1サイクル目放電容量、500サイクル
目放電容量、容量維持率の値を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1より、本発明のリチウム二次電池であ
る#11および#12の二次電池では、初期放電容量と
なる1サイクル目の放電容量が大きく、容量維持率も高
くなった。一方、正極結着剤であるPVdFの分子量が
小さい#21および#23の二次電池は、容量維持率が
低くなった。これは、正極結着剤であるPVdFの分子
量が小さいため、高温下で充放電を繰り返した場合に結
着力が低下して、正極の劣化を招いたためと考えられ
る。また、負極結着剤であるPVdFの分子量が小さい
ほど、1サイクル目の放電容量は大きくなった。これ
は、負極結着剤であるPVdFの分子量が小さいため、
負極活物質に電解液が含浸し易く、リチウムイオンの吸
蔵・放出がスムーズに行われたためと考えられる。以上
より、分子量が5.0×105以上のPVdFを正極結
着剤として用いたリチウム二次電池は、高温におけるサ
イクル特性が良好であることが確認できた。
【0037】〈保存試験および出力特性、保存特性の評
価〉上記#11、#12、#21〜#23の各リチウム
二次電池について保存試験を行った。まず、上記同様に
コンディショニングを行った。コンディショニングの
後、初期容量を測定するために、温度20℃下にて、1
サイクルの充放電を行った。その充放電条件は、電流密
度0.1mA/cm2の定電流で充電上限電圧4.1V
まで充電を行い、さらに4.1Vの定電圧で2時間充電
を続け、その後、電流密度0.1mA/cm2の定電流
で放電下限電圧3.0Vまで放電を行うものである。こ
の時の放電容量から正極活物質の単位重量あたりの放電
容量を求め、初期容量とした。
【0038】次いで、初期の内部抵抗を算出するため
に、入出力パワー測定を行い、入出力時の内部抵抗を算
出した。入出力パワー測定は以下の条件で行った。ま
ず、各リチウム二次電池の初期容量の50%まで充電し
た状態(SOC50%)で、1Aの電流で10秒間放電
させ、10秒目の電圧を測定した。再びSOC50%の
状態に充電した後、3Aの電流で10秒間放電させ、1
0秒目の電圧を測定した。さらに、SOC50%の状態
に充電した後、5Aの電流で10秒間放電させ、10秒
目の電圧を測定した。そして、電圧の電流依存性を求
め、電流−電圧直線の勾配を出力時の内部抵抗とした。
また、同様の手順で充電を行い、各10秒目の電圧を測
定して、電流−電圧直線の勾配から入力時の内部抵抗を
求めた。求めた入出力時の内部抵抗の平均値を初期内部
抵抗とした。
【0039】次に、保存試験を行った。保存試験は、電
流密度0.2mA/cm2の定電流で電圧が4.1Vに
到達するまで充電を行った後、さらに4.1Vの定電圧
で2時間充電を続けることにより、各二次電池をSOC
100%の状態とした後、60℃の恒温槽に3ヶ月間保
存するものである。そして、保存後に、残存容量と回復
容量を測定するとともに、上記と同様にして入出力時の
内部抵抗を求め、その平均値を保存後内部抵抗とした。
【0040】ここで、残存容量は、保存試験後の各二次
電池を温度20℃下にてそれぞれ放電した時の容量とし
た。また、回復容量は、残存容量を測定した後の各二次
電池について、温度20℃下にて3サイクルの充放電を
行い、その3サイクル目の放電容量とした。なお、充放
電条件は、電流密度0.1mA/cm2の定電流で充電
上限電圧4.1Vまで充電を行い、さらに4.1Vの定
電圧で2時間充電を続け、その後、電流密度0.1mA
/cm2の定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行
う充放電を1サイクルとするものである。そして、式
[残存容量/初期容量×100]から容量残存率を、ま
た、式[回復容量/初期容量×100]から容量回復率
を求めた。さらに、保存試験の前後における内部抵抗の
値から、式[{(保存後内部抵抗/初期内部抵抗)−
1}×100]を用いて内部抵抗増加率を計算した。各
二次電池における初期容量、容量残存率、容量回復率、
初期内部抵抗、および内部抵抗増加率の値を表2に示
す。
【0041】
【表2】
【0042】表2より、本発明のリチウム二次電池であ
る#11および#12の二次電池では、初期内部抵抗が
小さく、保存後の内部抵抗増加率も小さくなった。内部
抵抗が小さいほど、電池の出力および入力は大きくな
る。したがって、#11および#12の二次電池は、出
力特性の高い二次電池であることがわかる。一方、負極
結着剤であるPVdFの分子量が大きい#21および#
22の二次電池は、初期内部抵抗が大きくなった。これ
は、負極結着剤であるPVdFの分子量が大きいため、
負極活物質に電解液が含浸し難く、リチウムイオンの吸
蔵・放出がスムーズに行われなかったためと考えられ
る。また、正極結着剤であるPVdFの分子量が小さい
#21および#23の二次電池は、保存後に内部抵抗が
大きく上昇した。これは、正極結着剤であるPVdFの
分子量が小さいため、高温下での保存によりその結着力
が低下して、正極の劣化を招いたためと考えられる。以
上より、分子量が5.0×105以上のPVdFを正極
結着剤とし、分子量が3.0×105以下のPVdFを
負極結着剤としたリチウム二次電池は、出力特性が高い
ことに加え、高温における保存特性も良好であることが
確認できた。また、高温下での電池の劣化を抑制するた
めには、正極結着剤であるPVdFの高分子量化が有効
であり、出力特性の向上には負極結着剤であるPVdF
の低分子量化が有効であることがわかった。
【0043】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池は、正極を形
成するための正極結着剤として、重量平均分子量が5.
0×105以上のポリフッ化ビニリデンを用い、負極を
形成するための負極結着剤として、重量平均分子量が
3.0×105以下のポリフッ化ビニリデンを用いたも
のである。正極結着剤として高分子量のポリフッ化ビニ
リデンを用いることで、正極活物質の集電体からの剥離
が抑制され、電極の劣化が抑制される。また、負極結着
剤として低分子量のポリフッ化ビニリデンを用いること
で、負極活物質におけるリチウムイオンの吸蔵・放出が
よりスムーズに行われることとなり、電池の内部抵抗が
小さくなる。したがって、本発明のリチウム二次電池
は、出力特性が大きく、かつ高温における保存特性やサ
イクル特性の良好なリチウム二次電池となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 秀之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 右京 良雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ04 AJ05 AJ06 AJ11 AK03 AL06 AL07 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 DJ08 EJ12 HJ11 5H050 AA07 AA08 AA10 AA12 AA14 BA17 CA08 CA09 CB07 CB08 DA11 EA10 EA24 HA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質を正極結着剤で結着させて形
    成した正極と、負極活物質を負極結着剤で結着させて形
    成した負極と、電解質材料を有機溶媒に溶解した電解液
    とを備えるリチウム二次電池であって、 前記正極結着剤は、重量平均分子量が5.0×105
    上のポリフッ化ビニリデンからなり、 前記負極結着剤は、重量平均分子量が3.0×105
    下のポリフッ化ビニリデンからなることを特徴とするリ
    チウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記正極活物質は、基本組成をLiNi
    2とするリチウムニッケル複合酸化物を含む請求項1
    に記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記負極活物質は人造黒鉛を含む請求項
    1に記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記電解質材料はLiPF6である請求
    項1に記載のリチウム二次電池。
JP2002106449A 2002-04-09 2002-04-09 リチウム二次電池 Pending JP2003303593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002106449A JP2003303593A (ja) 2002-04-09 2002-04-09 リチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002106449A JP2003303593A (ja) 2002-04-09 2002-04-09 リチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003303593A true JP2003303593A (ja) 2003-10-24

Family

ID=29390770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002106449A Pending JP2003303593A (ja) 2002-04-09 2002-04-09 リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003303593A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005243486A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2005251684A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2007311096A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Seiko Epson Corp 二次電池、二次電池の製造方法、電子機器
JPWO2015186517A1 (ja) * 2014-06-05 2017-04-20 ソニー株式会社 二次電池用電解液、二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器
CN111106302A (zh) * 2019-11-25 2020-05-05 深圳市卓能新能源股份有限公司 一种圆柱型锂离子电池及其制备方法
CN111542950A (zh) * 2018-02-19 2020-08-14 株式会社Lg化学 正极和包括所述正极的二次电池
JP7510496B2 (ja) 2020-03-25 2024-07-03 三井化学株式会社 リチウム二次電池

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005243486A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2005251684A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2007311096A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Seiko Epson Corp 二次電池、二次電池の製造方法、電子機器
JPWO2015186517A1 (ja) * 2014-06-05 2017-04-20 ソニー株式会社 二次電池用電解液、二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器
CN111542950A (zh) * 2018-02-19 2020-08-14 株式会社Lg化学 正极和包括所述正极的二次电池
CN111106302A (zh) * 2019-11-25 2020-05-05 深圳市卓能新能源股份有限公司 一种圆柱型锂离子电池及其制备方法
JP7510496B2 (ja) 2020-03-25 2024-07-03 三井化学株式会社 リチウム二次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100583541C (zh) 电池
JP2007250433A (ja) 非水電解質電池
JP2001110418A (ja) リチウム二次電池用正極およびそれを用いたリチウム二次電池
JP2005340165A (ja) リチウム二次電池用正極材料
JP2003077458A (ja) リチウム二次電池電極及びリチウム二次電池
JP2002260634A (ja) リチウム二次電池
JP3691987B2 (ja) リチウム二次電池
CN101315975A (zh) 电池正极和使用该正极的锂离子电池及它们的制备方法
JP2006004739A (ja) リチウム二次電池と該電池に備えられる正極及びその製造方法
JPH1173943A (ja) 非水系電解液二次電池
JP2006066298A (ja) リチウム二次電池
JP2002151154A (ja) リチウム二次電池
JP4780361B2 (ja) リチウム二次電池
JP2003303593A (ja) リチウム二次電池
JP4120439B2 (ja) リチウムイオン2次電池
JPH09289022A (ja) 非水電解質二次電池
JP2003331840A (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法,並びにリチウムイオン二次電池
Park et al. High temperature stable lithium-ion polymer battery
JP2002025626A (ja) リチウム二次電池のエージング処理方法
JP3329161B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2000348729A (ja) リチウム二次電池用正極板、この製造方法及びこれを用いて製造したリチウム二次電池。
JP3512543B2 (ja) 非水電解液二次電池
JPH10334888A (ja) 非水電解質二次電池用負極および該負極を使用した非水電解質二次電池
JP3124749B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2004022239A (ja) 正極活物質および非水電解質二次電池