JP2003302190A - コルゲートフィン型熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複パスに被冷却流体10が流通するコルゲート
フィン型熱交換器において、その流体の折り返しの境部
でコアの一方側から他方側に熱移動が生ずることを防止
すること。 【解決手段】 ヘッダ４に仕切部５を設け、その仕切部
５の位置でコア３内に断熱板６を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一対のヘッダ間にコ
アが配置され、流体がコア内を複パスで蛇行状に流通す
る熱交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】被冷却流体の温度をより低下させる手段
として、複パス型の熱交換器が知られている。これは一
対のヘッダ間にコアが配置されたものにおいて、ヘッダ
の長手方向の一部に仕切部を設け、その仕切部の一方側
から被冷却流体を流入させ、一対のヘッダ間を折り返
し、蛇行状に流通させて、流体の流通路を長くしたもの
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような複パス型の
熱交換器において、仕切部の位置でそれを境として流体
の入口側のチューブに流通する流体温度は、出口側を流
通する流体温度よりも高くなる。すると、フィンを介し
高温側チューブから低温側チューブに熱が移動し、下流
側では放熱効果が低下する。このように流体が蛇行流通
して、それが複数回繰り返され、熱交換器の出口に至る
と充分な熱交換性能を発揮できない欠点がある。そこで
本発明は、係る問題点を解決することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、定間隔で互いに平行に並列された多数の偏平チュー
ブ(1) を有し、隣り合う偏平チューブ(1) 間に夫々コル
ゲートフィン(2) が配置されたコア(3) と、夫々の偏平
チューブ(1) の両端が連通する一対のヘッダ(4) と、を
具備するコルゲートフィン型熱交換器において、少なく
とも一方のヘッダ(4) の長手方向中間に、そのヘッダ内
を分割する仕切部(5) が設けられて、その一方のヘッダ
(4) に導入される流体が一対のヘッダ間を全体として折
り返して流通するように構成され、その仕切部(5) の位
置で前記コア(3) 内に、断熱板(6) が前記偏平チューブ
(1) に平行に介装されたことを特徴とするコルゲートフ
ィン型熱交換器である。

【０００５】請求項２に記載の本発明は、請求項１にお
いて、前記ヘッダ(4) がヘッダプレート(4a)と、それに
被嵌される一端開放の細長い箱状のヘッダ本体(4b)とか
らなり、そのヘッダプレート(4a)に熱応力吸収用の曲折
部(7) が形成されたコルゲートフィン型熱交換器であ
る。請求項３に記載の本発明は、請求項１または請求項
２において、前記偏平チューブ(1) に熱応力吸収用の折
り曲げ部(1a)が形成されたコルゲートフィン型熱交換器
である。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて本発明の実
施の形態につき説明する。図１は本発明のコルゲートフ
ィン型熱交換器の正面図であり、図２はそのII部拡大図
である。この熱交換器は、一対のヘッダ４間にコア３が
配置されている。コア３は、多数の偏平チューブ１が定
間隔で互いに平行に並列され、隣り合う偏平チューブ１
間に夫々コルゲートフィン２が配置され、両者間がろう
付け等の手段で固定されたものである。夫々のヘッダ４
は、一端開口の細長い箱状のヘッダ本体４ｂとその開口
を液密に閉塞するヘッダプレート４ａとからなる。

【０００７】そしてヘッダ４内には図１において上側の
それに２つの仕切部５がその長手方向に離間して配置さ
れ、下側のヘッダ４の長手方向中央位置に仕切部５が配
置されている。そして夫々の仕切部５が配置された位置
には、偏平チューブ１の代わりに断熱板６が配置されて
いる。この断熱板６は、一例としてセラミックの薄板の
両面に金属を蒸着または圧延等の手段で接合したものを
用いることができる。そしてその表面にコルゲートフィ
ン２の曲折部を接触させ、その接触部をろう付けまたは
ハンダ付けにより接合することができる。

【０００８】また、上側のヘッダ４の一端部には入口パ
イプ８の端部が連通され、他端部には出口パイプ９の一
端が連通されている。そして被冷却流体10が入口パイプ
８から流入し、コア３の右部分の偏平チューブ１を下方
に流下し、下端のヘッダ４でＵターンしその中央にある
仕切部５の右側部分の偏平チューブ１を上昇し、上側の
ヘッダ４で再びＵターンして被冷却流体10は蛇行状にコ
ア３の各部を流通する。そしてコア３に対向して図示し
ないファン等を設け、偏平チューブ１及びコルゲートフ
ィン２の外面側に冷却風を流通させて被冷却流体10との
間に熱交換を行うものである。被冷却流体10は、蛇行状
に流通する間に下流側程温度が低下する。その境となる
位置には断熱板６が夫々存在するため、温度差の異なる
部分で熱が移動することを防止できる。

【０００９】次に、図３はヘッダプレート４ａの要部平
面図であり、図４は図３のIV−IV矢視断面略図である。
この例は、ヘッダプレート４ａのチューブ挿通孔の周縁
に断面Ｕ字状の曲折部７を形成したものである。これは
コア各部において被冷却流体10の流体温度が異なること
に伴い、コア各部における偏平チューブ１の熱膨張が異
なるので、その熱応力を吸収するものである。即ち、曲
折部７により偏平チューブ１の伸縮を容易にするもので
ある。

【００１０】なお、曲折部７の断面は図５の如く断面Ｖ
字状に形成してもよい。さらには図６の如く、ヘッダプ
レート４ａ全体を波形にした曲折部７を形成し、ヘッダ
プレート４ａ各部においてその変形を容易にすることも
できる。さらには図７，図８の如く、偏平チューブ１の
付根部に折り曲げ部１ａを形成し、偏平チューブ１自体
がある程度伸縮できるようにしてもよい。

【００１１】

【発明の作用・効果】本発明のコルゲートフィン型熱交
換器は、少なくとも一方のヘッダ４の中間にそれを分割
する仕切部５が設けられて、流体が一対のヘッダ間を全
体として折り返し流通するように構成され、その仕切部
５の位置でコア３内に断熱板６が介装されたものであ
る。このような熱交換器においては、流体が折り返し流
通する境において、コアの一方側の流体温度は他方側の
流体温度と異なる。本発明では、その境に断熱板６が存
在することにより両者間で熱的影響を受け合うことを防
止できる。即ち、断熱板６の表面側と裏面側とでは夫々
の偏平チューブ１に流通する流体の方向が異なり且つ両
者に温度差が生じるが、その境となる断熱板６の存在に
より両者間の温度差の影響を遮断し熱交換性能を向上す
ることができる。また、熱交換性能の向上に伴い熱交換
器全体をコンパクト化することもできる。

【００１２】上記構成において、ヘッダ４のヘッダプレ
ート４ａに熱応力吸収用の曲折部７を形成することがで
きる。その場合には、仕切部５を境とするコア各部の温
度差に基づく熱応力を吸収し、耐久性の高い熱交換器を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコルゲートフィン型熱交換器の正面
図。

【図２】図１のII部拡大図。

【図３】同熱交換器に用いられるヘッダプレート４ａの
一例を示す平面図。

【図４】図３のIV−IV矢視断面略図。

【図５】同他の例を示す縦断面図。

【図６】同ヘッダプレート４ａの他の例を示す縦断面略
図。

【図７】同熱交換器の偏平チューブ１に折り曲げ部１ａ
を設けた説明図。

【図８】図７のVIII−VIII断面略図。

【符号の説明】

１ 偏平チューブ １ａ 折り曲げ部 ２ コルゲートフィン ３ コア ４ ヘッダ ４ａ ヘッダプレート ４ｂ ヘッダ本体 ５ 仕切部 ６ 断熱板 ７ 曲折部 ８ 入口パイプ ９ 出口パイプ 10 被冷却流体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 定間隔で互いに平行に並列された多数の
   偏平チューブ(1) を有し、隣り合う偏平チューブ(1) 間
   に夫々コルゲートフィン(2) が配置されたコア(3) と、 夫々の偏平チューブ(1) の両端が連通する一対のヘッダ
   (4) と、を具備するコルゲートフィン型熱交換器におい
   て、 少なくとも一方のヘッダ(4) の長手方向中間に、そのヘ
   ッダ内を分割する仕切部(5) が設けられて、その一方の
   ヘッダ(4) に導入される流体が一対のヘッダ間を全体と
   して折り返して流通するように構成され、 その仕切部(5) の位置で前記コア(3) 内に、断熱板(6)
   が前記偏平チューブ(1) に平行に介装されたことを特徴
   とするコルゲートフィン型熱交換器。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記ヘッダ(4) がヘッダプレート(4a)と、それに被嵌さ
   れる一端開放の細長い箱状のヘッダ本体(4b)とからな
   り、そのヘッダプレート(4a)に熱応力吸収用の曲折部
   (7) が形成されたコルゲートフィン型熱交換器。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２において、 前記偏平チューブ(1) に熱応力吸収用の折り曲げ部(1a)
   が形成されたコルゲートフィン型熱交換器。