JP2003294105A - ねじ送り装置 - Google Patents

ねじ送り装置

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JP2003294105A JP2002096769A JP2002096769A JP2003294105A JP 2003294105 A JP2003294105 A JP 2003294105A JP 2002096769 A JP2002096769 A JP 2002096769A JP 2002096769 A JP2002096769 A JP 2002096769A JP 2003294105 A JP2003294105 A JP 2003294105A
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Eiji Hayashi
栄治 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転動体をねじ溝のリード角とほぼ一致した角
度ですくい上げて循環路内に案内する転動体案内路をデ
フレクタピース内に形成したねじ送り装置において、転
動体案内路の形成に要するコストを低減することを課題
とする。 【解決手段】 デフレクタピース１５，１６を夫々複数
の分割ピース１９Ａ，１９Ｂから構成し、これらの分割
ピース１９Ａ，１９Ｂに転動体案内路１７を形成する案
内溝２０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば工作機械の
ワークテーブルを送り駆動する手段として用いられるね
じ送り装置に係り、特に、転動体循環方式のねじ送り装
置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、チューブ循環方式のボールねじ
は、図６に示されるように、外径面にボールねじ溝ｂを
有するねじ軸ａと、このねじ軸ａの外径面と対向する内
径面にボールねじ溝ｄを有するナットｃとを備えてお
り、上記ねじ軸ａとナットｃの両ボールねじ溝ｂ，ｄ間
には多数のボールｅが転動自在に介装されている。ま
た、この種のボールねじはナットｃの外部にボールｅの
リターン路を形成するリターンチューブｆを備えてお
り、ねじ軸ａの回転に伴ってボールねじ溝ｂ，ｄ間を転
動した各ボールｅは、リターンチューブｆ内に形成され
たリターン路を通って元の位置に戻されるようになって
いる。
【０００３】このようなボールねじは、リターンチュー
ブｆの両端に舌片部ｇを設け、ボールねじ溝ｂ，ｄ間を
転動したボールｅを舌片部ｇに衝突させてリターンチュ
ーブｆ内にすくい上げるようにしている。このため、ボ
ールｅが舌片部ｇに衝突することによって騒音が発生し
たり、ボールｅが損傷したりするなどの難点がある。そ
こで、図７に示すように、リターンチューブｆ内に形成
されたリターン路とボールねじ溝ｂ，ｄ間に形成された
ボール転走路とを接続する複数のデフレクタピースｈを
ナットｃ内に設け、ボールｅをボールねじ溝ｂ，ｄのリ
ード角とほぼ一致した角度ですくい上げてリターンチュ
ーブｆ内に案内するボール案内路ｉをデフレクタピース
ｈ内に形成したボールねじが知られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記ボールねじでは、
ボールねじ溝ｂ，ｄ間を転動したボールｅがデフレクタ
ピースｈ内に形成されたボール案内路ｉによってボール
ねじ溝ｂ，ｄのリード角とほぼ一致した角度ですくい上
げられてリターンチューブｆ内に案内されるため、騒音
の発生やボールの損傷等を防止できるが、ボール案内路
ｉの形成が複雑形状のため困難であり、コストの上昇を
招くという問題があった。
【０００５】本発明は上述した問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、ボールをボール
ねじ溝のリード角とほぼ一致した角度ですくい上げてリ
ターンチューブ内に案内するなどの転動体案内路の形成
に要するコストを低減することのできるねじ送り装置を
提供することにある。また、本発明の他の目的は、転動
体掬い上げ部を含む複雑な形状の転動体案内路を容易に
形成でき、かつ部分的設計変更、型作成が可能なねじ送
り装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、外径面にねじ溝を有するねじ軸と、こ
のねじ軸の外径面と対向する内径面にねじ溝を有するナ
ットと、前記ねじ軸とナットの両ねじ溝間に転動自在に
介装された多数の転動体と、前記ナットに前記転動体を
戻すための循環路とを備え、前記循環路と前記ねじ溝間
に形成されたボール転走路とを接続するデフレクタピー
スを前記ナット内に設けたねじ送り装置において、前記
デフレクタピースを複数の分割ピースから構成し、これ
らの分割ピースに前記転動体を前記循環路に案内する転
動体案内路を形成する転動体案内溝を設けたことを特徴
とする。
【０００７】このような構成であると、転動体案内路を
デフレクタピース内に容易に形成することが可能となる
ので、転動体案内路の形成に要するコストを低減するこ
とができる。本発明に係るねじ送り装置において、請求
項２記載の発明のように、各分割ピースに位置合せ用の
突起部と穴部をそれぞれ設けることが好ましく、このよ
うな構成とすることにより、転動体案内路をデフレクタ
ピース内に精度よく形成でき、案内路内でのボールの引
っ掛かりや詰まり等を防止できる。また、請求項３記載
の発明のように、デフレクタピースを焼結材または樹脂
材または金属と樹脂の複合材で形成することが好まし
く、このような構成とすることにより、デフレクタピー
スを型成形で形成すること可能となるので、安価で大量
生産することができる。また、樹脂の場合は騒音を低減
することができ、焼結材の場合はナットの比重バランス
を調整可能となる。特に、ナットの高速回転時の回転バ
ランスを調整可能となる。金属と樹脂の複合材の場合
は、上述した利点を両方備えたデフレクタピースを得る
ことができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１乃至図５に、本発明の一実施
形態を示す。図１において、本発明の一実施形態に係る
ボールねじ１０は、外径面に螺旋状のボールねじ溝１１
ａを有するねじ軸１１と、このねじ軸１１の外径面と対
向する内径面に螺旋状のボールねじ溝１２ａを有するナ
ット１２とを備えており、上記ねじ軸１１とナット１２
の両ボールねじ溝１１ａ，１２ａ間には、多数のボール
１３が転動自在に介装されている。
【０００９】また、ボールねじ１０はナット１２の外部
にボール１３のリターン路を形成するリターンチューブ
１４を備えており、ナット１２内には、上記リターンチ
ューブ１４内に形成されたリターン路とボールねじ溝１
１ａ，１２ａ間に形成されたボール転走路とを接続する
デフレクタピース１５，１６がそれぞれ所定位置に組み
込まれている。
【００１０】デフレクタピース１５，１６は通常の金属
加工したものでもよいが、焼結材または樹脂材で型成形
されており、これらのデフレクタピース１５，１６内に
は、ボール１３をボールねじ溝１１ａ，１２ａのリード
角とほぼ一致した角度ですくい上げてリターンチューブ
１４内に案内するボール案内路１７（図１参照）が形成
されている。また、デフレクタピース１５，１６はボー
ル１３をボールねじ溝１１ａ，１２ａからすくい上げる
ためのタング部１８（図３参照）を有しており、このタ
ング部１８ですくい上げられたボール１３は、デフレク
タピース１５，１６内に形成されたボール案内路１７を
通ってリターンチューブ１４内に送られるようになって
いる。
【００１１】また、デフレクタピース１５，１６は夫々
２つの分割ピース１９Ａ，１９Ｂ（図３参照）から形成
されており、これらの分割ピース１９Ａ，１９Ｂには、
図４及び図５に示すように、上記ボール案内路１７を形
成するボール案内溝２０が形成されているとともに、位
置合せ用の突起部２１と穴部２２が相対向して設けられ
ている。
【００１２】このように、デフレクタピース１５，１６
を夫々２つの分割ピース１９Ａ，１９Ｂから形成し、こ
れらの分割ピース１９Ａ，１９Ｂにボール案内路１７を
形成するボール案内溝２０を設けると、前述した従来例
に比較してボール案内路１７がデフレクタピース１５，
１６内に容易に形成されることになるので、ボール案内
路１７の形成に要するコストを低減することができる。
【００１３】また、上述した実施形態では分割ピース１
９Ａ，１９Ｂに位置合せ用の突起部２１と穴部２２が相
対向して設けたことにより、分割ピース１９Ａ，１９Ｂ
の位置ずれが防止され、これによりボール案内路１７を
デフレクタピース１５，１６内に精度よく形成でき、ボ
ール案内路１７内でのボール１３の引っ掛かり等を防止
できる。
【００１４】また、加工の容易性を利用してチューブに
沿うような形状とすることにより、従来例の図７に示す
ようなスキマｊがナット内に生じるようなことがないの
で、リターンチューブ１４の安定性を良好なものとする
ことができる。さらに、デフレクタピース１５，１６を
分割式とすることによってボール１３のすくい上げ角度
をボールねじ溝１１ａ，１２ａのリード角とほぼ一致し
た角度にすることができ、これによりボール１３がデフ
レクタピース１５，１６のタング部１８に衝突すること
がないので、騒音や振動の発生を抑制することができ
る。また、デフレクタピース１５，１６を回路の端とな
るナット１２内の任意の位置に設置して、従来のチュー
ブ循環式ボールねじと同等に回路数を設定することが可
能となる。
【００１５】なお、上述した実施形態ではデフレクタピ
ース１５，１６を夫々２つの分割ピース１９Ａ，１９Ｂ
から構成したが、例えば３つ以上の分割ピースからデフ
レクタピースを構成してもよい。また、ボール間に保持
ピースを介在させたボールねじに本発明を適用すること
により、すくい上げ部での保持ピースの引っ掛かりを防
止できる。なお、保持ピースは保持ピース同士が連結さ
れたものでもよい。
【００１６】また、上述した実施形態では本発明をボー
ルねじに適用した場合を例示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、たとえば転動体にローラを用い
たローラねじ等にも適用できる。
【００１７】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るねじ
送り装置によれば、転動体をねじ溝のリード角とほぼ一
致した方向にすくい上げて循環路に案内する転動体案内
路をデフレクタピース内に容易に形成することが可能と
なるので、転動体案内路の形成に要するコストを低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態に係るボールねじの軸方向
に沿う断面図である。
【図２】図１に示すボールねじの径方向に沿う断面図で
ある。
【図３】図２に示すデフレクタピースの側面図である。
【図４】デフレクタピースを構成する一方の分割ピース
を示す図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。
【図５】デフレクタピースを構成する他方の分割ピース
を示す図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。
【図６】第１の従来例を示す図である。
【図７】第２の従来例を示す図である。
【符号の説明】
１０ ボールねじ（ねじ送り装置） １１ ねじ軸 １１ａ ねじ溝 １２ ナット １２ａ ねじ溝 １３ ボール（転動体） １４ リターンチューブ（循環路） １５，１６ デフレクタピース １７ ボール（転動体）案内路 １８ タング部 １９Ａ，１９Ｂ 分割ピース ２０ ボール（転動体）案内溝 ２１ 位置合せ用突起部 ２２ 位置合せ用穴部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 外径面にねじ溝を有するねじ軸と、この
    ねじ軸の外径面と対向する内径面にねじ溝を有するナッ
    トと、前記ねじ軸とナットの両ねじ溝間に転動自在に介
    装された多数の転動体と、前記ナットに前記転動体を戻
    すための循環路とを備え、前記循環路と前記ねじ溝間に
    形成されたボール転走路とを接続するデフレクタピース
    を前記ナット内に設けたねじ送り装置において、 前記デフレクタピースを複数の分割ピースから構成し、
    これらの分割ピースに前記転動体を前記循環路に案内す
    る転動体案内路を形成する転動体案内溝を設けたことを
    特徴とするねじ送り装置。
  2. 【請求項２】 前記各分割ピースに位置合せ用の突起部
    と穴部をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項１記載
    のねじ送り装置。
  3. 【請求項３】 前記デフレクタピースを焼結材または樹
    脂材または金属と樹脂の複合材で形成したことを特徴と
    する請求項１記載のねじ送り装置。
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