JP2003294047A - 鉄道車両用軸受装置 - Google Patents
鉄道車両用軸受装置Info
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- F16C19/22—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
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- F16C19/385—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for both radial and axial load with two or more rows of rollers with tapered rollers, i.e. rollers having essentially the shape of a truncated cone with two rows, i.e. double-row tapered roller bearings
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- F16C2326/10—Railway vehicles
Landscapes
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Sealing Of Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベントの安定した通気性を長期間にわたって
維持することができる良好な鉄道車両用軸受装置を提供
する。 【解決手段】 本発明の鉄道車両用軸受装置は、ころ軸
受の軸方向両端部に設けられた密封装置40,40が、該こ
ろ軸受の外輪31aに固定されるシールケース41と、該シ
ールケース41内に嵌合されるオイルシール42とを備え
る。ころ軸受の軸受内部と軸受外部との間を連通する通
気弁50が、密封装置40のシールケース41内に嵌合された
オイルシール42の端面に設けられている。
維持することができる良好な鉄道車両用軸受装置を提供
する。 【解決手段】 本発明の鉄道車両用軸受装置は、ころ軸
受の軸方向両端部に設けられた密封装置40,40が、該こ
ろ軸受の外輪31aに固定されるシールケース41と、該シ
ールケース41内に嵌合されるオイルシール42とを備え
る。ころ軸受の軸受内部と軸受外部との間を連通する通
気弁50が、密封装置40のシールケース41内に嵌合された
オイルシール42の端面に設けられている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道車両用軸受装置
に関し、特に、軸受の軸方向端部に設けられる密封装置
の改良に関する。
に関し、特に、軸受の軸方向端部に設けられる密封装置
の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般的な鉄道車両用軸受装置としては、
例えば図６に示したものがある。この種の鉄道車両用軸
受装置は、車軸２の肩部２ａに嵌合した後部フリンガ
（油切り）４と車軸２の端部に嵌合した前部フリンガ３
との間に、複列のころ軸受１を配置したものであり、軸
端に螺着させた前蓋５を締め付けると、前記ころ軸受１
の内輪１ｂが前部フリンガ３及び後部フリンガ４により
軸方向の両側から挟持されて車軸２に固定される。
例えば図６に示したものがある。この種の鉄道車両用軸
受装置は、車軸２の肩部２ａに嵌合した後部フリンガ
（油切り）４と車軸２の端部に嵌合した前部フリンガ３
との間に、複列のころ軸受１を配置したものであり、軸
端に螺着させた前蓋５を締め付けると、前記ころ軸受１
の内輪１ｂが前部フリンガ３及び後部フリンガ４により
軸方向の両側から挟持されて車軸２に固定される。
【０００３】前記車軸２の端部には、凸部６を有する小
蓋７が、凸部６を車軸２の端部に設けた凹部８と係合さ
せた状態で装着されている。この小蓋７と前蓋５とをボ
ルト９を介して連結して一体化することにより、前蓋５
の緩み止めがなされる。前記ころ軸受１の軸方向の両端
部には、接触形式の密封装置１０，１０が配置されてい
る。
蓋７が、凸部６を車軸２の端部に設けた凹部８と係合さ
せた状態で装着されている。この小蓋７と前蓋５とをボ
ルト９を介して連結して一体化することにより、前蓋５
の緩み止めがなされる。前記ころ軸受１の軸方向の両端
部には、接触形式の密封装置１０，１０が配置されてい
る。
【０００４】この密封装置１０は、前記ころ軸受１の外
輪１ａの端部内周部に一端が嵌合された段付き円筒状の
シールケース１１と、該シールケース１１の内周側に嵌
合されて前記前部フリンガ３又は後部フリンガ４の外周
面に摺接するシールリップを有するオイルシール１２と
を備えており、ころ軸受１の軸受内部への異物の侵入や
軸受内部からの潤滑剤（グリース）の漏出を防止してい
る。
輪１ａの端部内周部に一端が嵌合された段付き円筒状の
シールケース１１と、該シールケース１１の内周側に嵌
合されて前記前部フリンガ３又は後部フリンガ４の外周
面に摺接するシールリップを有するオイルシール１２と
を備えており、ころ軸受１の軸受内部への異物の侵入や
軸受内部からの潤滑剤（グリース）の漏出を防止してい
る。
【０００５】ところで、上述の如き軸受装置では、前記
ころ軸受１の回転に伴なう温度上昇により軸受内部で膨
張した空気を軸受外部に排出して軸受内部の圧力均衡を
保つため、例えば軸受後方の密封装置１０にベント（エ
アーベント）１３が設けられる。このベント１３は、図
６に示した密封装置１０のように、後部フリンガ４に設
けた径方向に貫通する通気孔１４内に開閉自在の通気弁
１５を組み込んだり、或いは、図７に示した密封装置２
０のように、シールケース１１の外周部に前記通気弁１
５を直接装着して構成されている。
ころ軸受１の回転に伴なう温度上昇により軸受内部で膨
張した空気を軸受外部に排出して軸受内部の圧力均衡を
保つため、例えば軸受後方の密封装置１０にベント（エ
アーベント）１３が設けられる。このベント１３は、図
６に示した密封装置１０のように、後部フリンガ４に設
けた径方向に貫通する通気孔１４内に開閉自在の通気弁
１５を組み込んだり、或いは、図７に示した密封装置２
０のように、シールケース１１の外周部に前記通気弁１
５を直接装着して構成されている。
【０００６】しかしながら、図６及び図７に示した何れ
の密封装置１０，２０の構造においても、軸受内部のグ
リースが通気孔１４或いは通気弁１５に付着したり、ま
た、外部からの塵埃が後部フリンガ４やシールケース１
１の外周部に配置されたベント１３に堆積したりして、
該ベント１３の通気性が損なわれるおそれがあった。
の密封装置１０，２０の構造においても、軸受内部のグ
リースが通気孔１４或いは通気弁１５に付着したり、ま
た、外部からの塵埃が後部フリンガ４やシールケース１
１の外周部に配置されたベント１３に堆積したりして、
該ベント１３の通気性が損なわれるおそれがあった。
【０００７】そこで、このような問題を解決するため
に、例えば実開平６−７４５５６号公報等に開示された
軸受装置では、図８に示したように、密封装置２２が、
垂直部１１ａ及び水平部（外周部）１１ｂを一体に備え
るシールケース１１と、該シールケース１１に装着した
弾性体シール１６及びシールド板（仕切板）１８とで構
成されている。
に、例えば実開平６−７４５５６号公報等に開示された
軸受装置では、図８に示したように、密封装置２２が、
垂直部１１ａ及び水平部（外周部）１１ｂを一体に備え
るシールケース１１と、該シールケース１１に装着した
弾性体シール１６及びシールド板（仕切板）１８とで構
成されている。
【０００８】そして、前記密封装置２２のベント１３
は、図８に示したように、シールケース１１の垂直部１
１ａに設けた通気孔１９と弾性体シール１２に設けた弁
体１７とを重ね合わせて構成されており、該弁体１７
が、弾性体シール１２の一部を薄肉化させてこの薄肉部
分にスリットを形成することにより構成されている。
は、図８に示したように、シールケース１１の垂直部１
１ａに設けた通気孔１９と弾性体シール１２に設けた弁
体１７とを重ね合わせて構成されており、該弁体１７
が、弾性体シール１２の一部を薄肉化させてこの薄肉部
分にスリットを形成することにより構成されている。
【０００９】即ち、前記密封装置２２のシールド板１８
は、軸受内部との仕切板となり、軸受内部のグリースが
前記エアーベント１３に付着するのを防止する。また、
前記密封装置２２のベント１３は軸方向を向いているの
で、後部フリンガ４やシールケース１１の外周部に設け
られた上記密封装置１０，２０のベント１３と比較し
て、塵埃等が堆積し難くなり、通気性が長期間安定して
維持される。
は、軸受内部との仕切板となり、軸受内部のグリースが
前記エアーベント１３に付着するのを防止する。また、
前記密封装置２２のベント１３は軸方向を向いているの
で、後部フリンガ４やシールケース１１の外周部に設け
られた上記密封装置１０，２０のベント１３と比較し
て、塵埃等が堆積し難くなり、通気性が長期間安定して
維持される。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図８に
示したような密封装置２２を備えた鉄道車両用軸受装置
においは、軸受内部のグリースがベント１３に付着する
事は防止できるものの、ベント１３の通気孔１９がシー
ルケース１１に開口しているため、該ベント１３は軸受
外部から塵埃等の影響を受ける可能性が残されている。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係
り、ベントの安定した通気性を長期間にわたって維持す
ることができる良好な鉄道車両用軸受装置を提供するこ
とである。
示したような密封装置２２を備えた鉄道車両用軸受装置
においは、軸受内部のグリースがベント１３に付着する
事は防止できるものの、ベント１３の通気孔１９がシー
ルケース１１に開口しているため、該ベント１３は軸受
外部から塵埃等の影響を受ける可能性が残されている。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係
り、ベントの安定した通気性を長期間にわたって維持す
ることができる良好な鉄道車両用軸受装置を提供するこ
とである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、軸
受の軸方向端部に設けられる密封装置が、該軸受の外輪
に固定されるシールケースと、該シールケース内に嵌合
されるオイルシールとを備えた鉄道車両用軸受装置であ
って、前記軸受の軸受内部と軸受外部との間を連通する
ベントが、前記オイルシールの端面に設けられているこ
とを特徴とする鉄道車両用軸受装置により達成される。
受の軸方向端部に設けられる密封装置が、該軸受の外輪
に固定されるシールケースと、該シールケース内に嵌合
されるオイルシールとを備えた鉄道車両用軸受装置であ
って、前記軸受の軸受内部と軸受外部との間を連通する
ベントが、前記オイルシールの端面に設けられているこ
とを特徴とする鉄道車両用軸受装置により達成される。
【００１２】上記構成によれば、密封装置のシールケー
ス内に嵌合されたオイルシールの端面に、ベントが設け
られているので、軸受外部からの塵埃等のベントへの堆
積は前記シールケースにより防止される。そこで、前記
ベントの通気性が、長期間にわたって安定して維持され
る。
ス内に嵌合されたオイルシールの端面に、ベントが設け
られているので、軸受外部からの塵埃等のベントへの堆
積は前記シールケースにより防止される。そこで、前記
ベントの通気性が、長期間にわたって安定して維持され
る。
【００１３】尚、好ましくは前記オイルシールが、軸受
内部側に仕切板を備えることにより、軸受内部のグリー
スがベントに付着する事を確実に防止できる。又、好ま
しくは前記シールケースの自由端が、軸受の内輪を固定
するフリンガとの間にラビリンスシールを構成すること
により、軸受外部からの塵埃等のベントへの堆積が更に
確実に防止される。
内部側に仕切板を備えることにより、軸受内部のグリー
スがベントに付着する事を確実に防止できる。又、好ま
しくは前記シールケースの自由端が、軸受の内輪を固定
するフリンガとの間にラビリンスシールを構成すること
により、軸受外部からの塵埃等のベントへの堆積が更に
確実に防止される。
【００１４】更に、好ましくは前記ベントが、オイルシ
ールの金属環に設けた通気孔と、オイルシールの弾性体
シールに設けた弁体とを重ね合わせて構成されると共
に、該弁体が、前記弾性体シールの一部を薄肉化させて
この薄肉部分にスリットを形成することにより構成され
る。この場合、前記スリットが開閉自在の通気弁として
の機能を果たすので、別部品としての通気弁が不要とな
り、比較的安価なベントの提供が可能となる。
ールの金属環に設けた通気孔と、オイルシールの弾性体
シールに設けた弁体とを重ね合わせて構成されると共
に、該弁体が、前記弾性体シールの一部を薄肉化させて
この薄肉部分にスリットを形成することにより構成され
る。この場合、前記スリットが開閉自在の通気弁として
の機能を果たすので、別部品としての通気弁が不要とな
り、比較的安価なベントの提供が可能となる。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態に係る鉄道車両用軸受装置を詳細に説明す
る。図１は本発明の第１実施形態に係る鉄道車両用軸受
装置の要部縦断面図、図２は図１に示した密封装置の要
部拡大断面図、図３は図２のＡ方向から見た正面図であ
る。
の一実施形態に係る鉄道車両用軸受装置を詳細に説明す
る。図１は本発明の第１実施形態に係る鉄道車両用軸受
装置の要部縦断面図、図２は図１に示した密封装置の要
部拡大断面図、図３は図２のＡ方向から見た正面図であ
る。
【００１６】本第１実施形態に係る鉄道車両用軸受装置
３０は、図１に示したように、車軸３２の肩部３２ａに
嵌合した後部フリンガ（油切り）３４と車軸３２の端部
に嵌合した前部フリンガ３３との間に、複列のころ軸受
（本実施形態においては、円錐ころ軸受）３１を配置し
たものであり、軸端に螺着させた前蓋３５を締め付ける
と、前記ころ軸受３１の内輪３１ｂが前部フリンガ３３
及び後部フリンガ３４により軸方向の両側から挟持され
て車軸３２に固定される。
３０は、図１に示したように、車軸３２の肩部３２ａに
嵌合した後部フリンガ（油切り）３４と車軸３２の端部
に嵌合した前部フリンガ３３との間に、複列のころ軸受
（本実施形態においては、円錐ころ軸受）３１を配置し
たものであり、軸端に螺着させた前蓋３５を締め付ける
と、前記ころ軸受３１の内輪３１ｂが前部フリンガ３３
及び後部フリンガ３４により軸方向の両側から挟持され
て車軸３２に固定される。
【００１７】前記車軸３２の端部には、小蓋３７が装着
されており、この小蓋３７と前蓋３５とをボルト３９を
介して連結して一体化することにより、前蓋３５の緩み
止めがなされる。前記ころ軸受３１の軸方向の両端部に
は、前記ころ軸受３１の軸受内部への異物の侵入や軸受
内部からの潤滑剤（グリース）の漏出を防止するための
接触形式の密封装置４０，４０が配置されている。
されており、この小蓋３７と前蓋３５とをボルト３９を
介して連結して一体化することにより、前蓋３５の緩み
止めがなされる。前記ころ軸受３１の軸方向の両端部に
は、前記ころ軸受３１の軸受内部への異物の侵入や軸受
内部からの潤滑剤（グリース）の漏出を防止するための
接触形式の密封装置４０，４０が配置されている。
【００１８】図２により、後部フリンガ３４側の密封装
置４０について説明する。この密封装置４０は、図２に
示したように、前記ころ軸受３１の外輪３１ａの端部内
周部に一端が嵌合される段付き円筒状のシールケース４
１と、該シールケース４１内に嵌合されて前記後部フリ
ンガ３４の外周面に摺接するシールリップを有するオイ
ルシール４２とを備えている。
置４０について説明する。この密封装置４０は、図２に
示したように、前記ころ軸受３１の外輪３１ａの端部内
周部に一端が嵌合される段付き円筒状のシールケース４
１と、該シールケース４１内に嵌合されて前記後部フリ
ンガ３４の外周面に摺接するシールリップを有するオイ
ルシール４２とを備えている。
【００１９】前記シールケース４１の一端は、大径部４
１ａとされて前記外輪３１ａの端部内周部に圧入嵌合さ
れている。又、自由端となる前記シールケース４１の他
端は、小径部４１ｃとされて前記後部フリンガ３４の環
状溝３４ａ内に隙間をもって先端が挿入され、ラビリン
スシールを構成している。更に、これら大径部４１ａと
小径部４１ｃとの間は、中径部４１ｂとされて内周部に
前記オイルシール４２が嵌合される。
１ａとされて前記外輪３１ａの端部内周部に圧入嵌合さ
れている。又、自由端となる前記シールケース４１の他
端は、小径部４１ｃとされて前記後部フリンガ３４の環
状溝３４ａ内に隙間をもって先端が挿入され、ラビリン
スシールを構成している。更に、これら大径部４１ａと
小径部４１ｃとの間は、中径部４１ｂとされて内周部に
前記オイルシール４２が嵌合される。
【００２０】前記オイルシール４２は、補強の為の金属
環４４に一体成形された合成ゴム製の弾性体シール４５
から成り、前記後部フリンガ３４の外周面に弾性的に摺
接するシールリップ４５ａ，４５ｂを有している。又、
前記オイルシール４２の軸受内部側には、仕切板４３を
備えている。前記仕切板４３は、断面略Ｌ字状をなし、
その外周部４３ａが前記中径部４１ｂの内側に装着され
ると共に、内周端４３ｂが前記内輪３１ｂの外周面近傍
まで延びて内輪３１ｂとの間でラビリンスシールを構成
しており、軸受内部とオイルシール４２との間を仕切っ
ている。
環４４に一体成形された合成ゴム製の弾性体シール４５
から成り、前記後部フリンガ３４の外周面に弾性的に摺
接するシールリップ４５ａ，４５ｂを有している。又、
前記オイルシール４２の軸受内部側には、仕切板４３を
備えている。前記仕切板４３は、断面略Ｌ字状をなし、
その外周部４３ａが前記中径部４１ｂの内側に装着され
ると共に、内周端４３ｂが前記内輪３１ｂの外周面近傍
まで延びて内輪３１ｂとの間でラビリンスシールを構成
しており、軸受内部とオイルシール４２との間を仕切っ
ている。
【００２１】前記金属環４４は、仕切板４３における外
周部４３ａの内側に嵌合される水平部４４ａと、該水平
部４４ａの端部から径方向内方に延びる垂直部４４ｂと
を備えた断面略Ｌ字状をなしており、該垂直部４４ｂの
内径端側に弾性体シール４５が一体成形されている。
周部４３ａの内側に嵌合される水平部４４ａと、該水平
部４４ａの端部から径方向内方に延びる垂直部４４ｂと
を備えた断面略Ｌ字状をなしており、該垂直部４４ｂの
内径端側に弾性体シール４５が一体成形されている。
【００２２】更に、前記オイルシール４２の端面である
前記金属環４４の垂直部４４ｂに穿設された取付穴４４
ｃには、ころ軸受３１の軸受内部と軸受外部との間を連
通するベントとしての通気弁５０が装着されている。合
成ゴム等の弾性部材から成る通気弁５０は、図３に示し
たように、スリット５１が開閉自在な弁体として機能す
る。
前記金属環４４の垂直部４４ｂに穿設された取付穴４４
ｃには、ころ軸受３１の軸受内部と軸受外部との間を連
通するベントとしての通気弁５０が装着されている。合
成ゴム等の弾性部材から成る通気弁５０は、図３に示し
たように、スリット５１が開閉自在な弁体として機能す
る。
【００２３】即ち、ころ軸受３１の回転に伴って、ころ
軸受３１の軸受内部の空気が膨張すると、この空気の圧
力によってスリット５１が押し広げられ、膨張空気がス
リット５１を通って軸受外部に排出され、軸受内部の圧
力均衡が保たれる。そして、膨張空気の排出が終了する
と、スリット５１が閉じて外部からの異物の侵入を防止
する。
軸受３１の軸受内部の空気が膨張すると、この空気の圧
力によってスリット５１が押し広げられ、膨張空気がス
リット５１を通って軸受外部に排出され、軸受内部の圧
力均衡が保たれる。そして、膨張空気の排出が終了する
と、スリット５１が閉じて外部からの異物の侵入を防止
する。
【００２４】従って、本第１実施形態に係る鉄道車両用
軸受装置３０によれば、通気弁５０が、密封装置４０の
シールケース４１内に嵌合されたオイルシール４２の端
面に設けられているので、軸受外部からの塵埃等の該通
気弁５０への堆積は前記シールケース４１により防止さ
れる。また、本実施形態におけるシールケース４１は、
自由端である小径部４１ｃの先端が前記後部フリンガ３
４の環状溝３４ａとの間にラビリンスシールを構成して
いるので、塵埃等が軸受外部から侵入し難く、通気弁５
０への堆積が更に確実に防止される。
軸受装置３０によれば、通気弁５０が、密封装置４０の
シールケース４１内に嵌合されたオイルシール４２の端
面に設けられているので、軸受外部からの塵埃等の該通
気弁５０への堆積は前記シールケース４１により防止さ
れる。また、本実施形態におけるシールケース４１は、
自由端である小径部４１ｃの先端が前記後部フリンガ３
４の環状溝３４ａとの間にラビリンスシールを構成して
いるので、塵埃等が軸受外部から侵入し難く、通気弁５
０への堆積が更に確実に防止される。
【００２５】更に、前記オイルシール４２は、軸受内部
側に仕切板４３を備えているので、ころ軸受３１の軸受
内部のグリースが通気弁５０の内側に付着する事を確実
に防止でき、グリースの付着によりスリット５１の通気
性が損なわれることも無い。従って、前記通気弁５０
は、良好な通気性を長期間にわたって安定して維持する
ことができる。
側に仕切板４３を備えているので、ころ軸受３１の軸受
内部のグリースが通気弁５０の内側に付着する事を確実
に防止でき、グリースの付着によりスリット５１の通気
性が損なわれることも無い。従って、前記通気弁５０
は、良好な通気性を長期間にわたって安定して維持する
ことができる。
【００２６】尚、本発明の鉄道車両用軸受装置における
軸受や、シールケース、オイルシール及びベント等の密
封装置の構成は、上記実施形態の構成に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りう
ることは言うまでもない。例えば、上記第１実施形態で
は、金属環４４の垂直部４４ｂに弾性体シール４５とは
別体の通気弁５０を装着してオイルシール４２の端面に
ベントを設けたが、本発明の鉄道車両用軸受装置はこれ
に限定されるものではなく、弾性体シール４５と通気弁
５０を一体として設けてもよい。
軸受や、シールケース、オイルシール及びベント等の密
封装置の構成は、上記実施形態の構成に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りう
ることは言うまでもない。例えば、上記第１実施形態で
は、金属環４４の垂直部４４ｂに弾性体シール４５とは
別体の通気弁５０を装着してオイルシール４２の端面に
ベントを設けたが、本発明の鉄道車両用軸受装置はこれ
に限定されるものではなく、弾性体シール４５と通気弁
５０を一体として設けてもよい。
【００２７】図４及び図５に示した本発明の第２実施形
態に係る鉄道車両用軸受装置における密封装置６０は、
上記第１実施形態における密封装置４０と同様に、ころ
軸受３１の軸受内部への異物の侵入や軸受内部からのグ
リースの漏出を防止するための接触形式の密封装置であ
る。尚、上記第１実施形態における密封装置４０と同様
の構成部材については、同符号を付して詳細な説明を省
略する。
態に係る鉄道車両用軸受装置における密封装置６０は、
上記第１実施形態における密封装置４０と同様に、ころ
軸受３１の軸受内部への異物の侵入や軸受内部からのグ
リースの漏出を防止するための接触形式の密封装置であ
る。尚、上記第１実施形態における密封装置４０と同様
の構成部材については、同符号を付して詳細な説明を省
略する。
【００２８】本第２実施形態の密封装置６０は、シール
ケース４１内に嵌合されて前記後部フリンガ３４の外周
面に摺接するシールリップを有するオイルシール６２を
備えている。前記オイルシール６２は、補強の為の金属
環６４に一体成形された合成ゴム製の弾性体シール６５
から成り、前記後部フリンガ３４の外周面に弾性的に摺
接するシールリップ６５ａ，６５ｂを有している。又、
前記オイルシール６２の軸受内部側には、仕切板４３を
備えている。
ケース４１内に嵌合されて前記後部フリンガ３４の外周
面に摺接するシールリップを有するオイルシール６２を
備えている。前記オイルシール６２は、補強の為の金属
環６４に一体成形された合成ゴム製の弾性体シール６５
から成り、前記後部フリンガ３４の外周面に弾性的に摺
接するシールリップ６５ａ，６５ｂを有している。又、
前記オイルシール６２の軸受内部側には、仕切板４３を
備えている。
【００２９】前記金属環６４は、仕切板４３における外
周部４３ａの内側に嵌合される水平部６４ａと、該水平
部６４ａの端部から径方向内方に延びる垂直部６４ｂと
を備えた断面略Ｌ字状をなしており、該垂直部６４ｂの
内側及び内径端側に弾性体シール６５が一体成形されて
いる。そして、前記密封装置６０のベント７０は、図４
及び図５に示したように、金属環６４の垂直部６４ｂに
設けた通気孔６４ｃと弾性体シール６５に設けた弁体７
１とを重ね合わせて構成されており、該弁体７１が、弾
性体シール６５の一部を薄肉化させてこの薄肉部分にス
リットを形成することにより構成されている。
周部４３ａの内側に嵌合される水平部６４ａと、該水平
部６４ａの端部から径方向内方に延びる垂直部６４ｂと
を備えた断面略Ｌ字状をなしており、該垂直部６４ｂの
内側及び内径端側に弾性体シール６５が一体成形されて
いる。そして、前記密封装置６０のベント７０は、図４
及び図５に示したように、金属環６４の垂直部６４ｂに
設けた通気孔６４ｃと弾性体シール６５に設けた弁体７
１とを重ね合わせて構成されており、該弁体７１が、弾
性体シール６５の一部を薄肉化させてこの薄肉部分にス
リットを形成することにより構成されている。
【００３０】即ち、ころ軸受３１の回転に伴って、ころ
軸受３１の軸受内部の空気が膨張すると、この空気の圧
力によって弁体７１のスリットが押し広げられ、膨張空
気がスリットを通って軸受外部に排出され、軸受内部の
圧力均衡が保たれる。そして、膨張空気の排出が終了す
ると、弁体７１のスリットが閉じて外部からの異物の侵
入を防止する。
軸受３１の軸受内部の空気が膨張すると、この空気の圧
力によって弁体７１のスリットが押し広げられ、膨張空
気がスリットを通って軸受外部に排出され、軸受内部の
圧力均衡が保たれる。そして、膨張空気の排出が終了す
ると、弁体７１のスリットが閉じて外部からの異物の侵
入を防止する。
【００３１】従って、本第２実施形態に係る鉄道車両用
軸受装置によれば、上記第１実施形態に係る鉄道車両用
軸受装置３０と同様の作用効果を得ることができると共
に、前記弁体７１のスリットが開閉自在の通気弁として
の機能を果たすので、別部品としての通気弁５０が不要
となり、比較的安価なベントの提供が可能となる。又、
前記弁体７１が金属環６４の内部に形成されているの
で、他部品との接触によって弁体７１が破損する虞も少
なくなる。
軸受装置によれば、上記第１実施形態に係る鉄道車両用
軸受装置３０と同様の作用効果を得ることができると共
に、前記弁体７１のスリットが開閉自在の通気弁として
の機能を果たすので、別部品としての通気弁５０が不要
となり、比較的安価なベントの提供が可能となる。又、
前記弁体７１が金属環６４の内部に形成されているの
で、他部品との接触によって弁体７１が破損する虞も少
なくなる。
【００３２】尚、上記各実施形態においては、仕切板４
３を備えた密封装置２０，６０を例に採ったが、場合に
よっては、仕切板４３を省略したタイプの密封装置に本
発明を適用してもよく、また、シールケース４１を外輪
間座等の他の部材を介して外輪３１ａに固定してもよ
く、更には、弾性体シール４５，６５のシールリップを
後部フリンガ３４以外の部材に摺接させたタイプの密封
装置にも適用可能である。
３を備えた密封装置２０，６０を例に採ったが、場合に
よっては、仕切板４３を省略したタイプの密封装置に本
発明を適用してもよく、また、シールケース４１を外輪
間座等の他の部材を介して外輪３１ａに固定してもよ
く、更には、弾性体シール４５，６５のシールリップを
後部フリンガ３４以外の部材に摺接させたタイプの密封
装置にも適用可能である。
【００３３】
【発明の効果】以上、上述した本発明の鉄道車両用軸受
装置によれば、密封装置のシールケース内に嵌合された
オイルシールの端面に、ベントが設けられる。そこで、
軸受外部からの塵埃等のベントへの堆積は前記シールケ
ースにより防止され、前記ベントの通気性が、長期間に
わたって安定して維持される。又、前記オイルシール
が、軸受内部側に仕切板を備える場合には、軸受内部の
グリースがベントに付着する事を確実に防止できる。
装置によれば、密封装置のシールケース内に嵌合された
オイルシールの端面に、ベントが設けられる。そこで、
軸受外部からの塵埃等のベントへの堆積は前記シールケ
ースにより防止され、前記ベントの通気性が、長期間に
わたって安定して維持される。又、前記オイルシール
が、軸受内部側に仕切板を備える場合には、軸受内部の
グリースがベントに付着する事を確実に防止できる。
【図１】本発明の第１実施形態に係る鉄道車両用軸受装
置の要部縦断面図である。
置の要部縦断面図である。
【図２】図１に示した密封装置の要部拡大断面図であ
る。
る。
【図３】図２のＡ方向から見た正面図である。
【図４】本発明の第２実施形態に係る鉄道車両用軸受装
置における密封装置の要部拡大断面図である。
置における密封装置の要部拡大断面図である。
【図５】図４のＢ方向から見た正面図である。
【図６】従来の鉄道車両用軸受装置の要部縦断面図であ
る。
る。
【図７】従来の他の鉄道車両用軸受装置の要部拡大断面
図である。
図である。
【図８】従来の他の鉄道車両用軸受装置の要部拡大断面
図である。
図である。
【符号の説明】
３０ 鉄道車両用軸受装置
３１ ころ軸受（軸受）
３１ａ 外輪
３１ｂ 内輪
３２ 車軸
３３ 前部フリンガ（フリンガ）
３４ 後部フリンガ（フリンガ）
４０ 密封装置
４１ シールケース
４２ オイルシール
４３ 仕切板
５０ 通気弁（ベント）
Claims (4)
- 【請求項１】 軸受の軸方向端部に設けられる密封装置
が、該軸受の外輪に固定されるシールケースと、該シー
ルケース内に嵌合されるオイルシールとを備えた鉄道車
両用軸受装置であって、 前記軸受の軸受内部と軸受外部との間を連通するベント
が、前記オイルシールの端面に設けられていることを特
徴とする鉄道車両用軸受装置。 - 【請求項２】 前記オイルシールが、軸受内部側に仕切
板を備えていることを特徴とする請求項１に記載の鉄道
車両用軸受装置。 - 【請求項３】 前記シールケースの自由端が、軸受の内
輪を固定するフリンガとの間にラビリンスシールを構成
することを特徴とする請求項１又は２に記載の鉄道車両
用軸受装置。 - 【請求項４】 前記ベントが、オイルシールの金属環に
設けた通気孔と、オイルシールの弾性体シールに設けた
弁体とを重ね合わせて構成されると共に、該弁体が、前
記弾性体シールの一部を薄肉化させてこの薄肉部分にス
リットを形成することにより構成されることを特徴とす
る請求項１乃至３の何れか一項に記載の鉄道車両用軸受
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002098683A JP2003294047A (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 鉄道車両用軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002098683A JP2003294047A (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 鉄道車両用軸受装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003294047A true JP2003294047A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29240578
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002098683A Pending JP2003294047A (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 鉄道車両用軸受装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003294047A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005299753A (ja) * | 2004-04-08 | 2005-10-27 | Ntn Corp | 鉄道車両車軸用軸受の密封装置 |
| WO2006087876A1 (ja) * | 2005-02-21 | 2006-08-24 | Ntn Corporation | 気体抜き栓、軸受装置、および軸受 |
| JP2008051284A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-03-06 | Nsk Ltd | 軸受ユニット用密封装置及び軸受ユニット |
| JP2008232301A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Ntn Corp | 鉄道車両車軸用軸受装置 |
| JP2011122729A (ja) * | 2011-02-04 | 2011-06-23 | Nsk Ltd | 軸受ユニット |
| CN106168257A (zh) * | 2016-08-31 | 2016-11-30 | 苏州哥特机械有限公司 | 一种农机轮毂轴承单元用密封装置 |
| JP2017026127A (ja) * | 2015-07-28 | 2017-02-02 | Ntn株式会社 | 接触式シール及び転がり軸受 |
| JP2018117497A (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | 住友電装株式会社 | 防水カバー及びワイヤーハーネス |
| WO2018166391A1 (zh) * | 2017-03-13 | 2018-09-20 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 水泵轴承 |
-
2002
- 2002-04-01 JP JP2002098683A patent/JP2003294047A/ja active Pending
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US7845856B2 (en) | 2005-02-21 | 2010-12-07 | Ntn Corporation | Gas vent plug, bearing device, and bearing |
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| CN110235325A (zh) * | 2017-01-20 | 2019-09-13 | 住友电装株式会社 | 防水盖及线束 |
| US10886719B2 (en) | 2017-01-20 | 2021-01-05 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Waterproof cover and wire harness |
| WO2018166391A1 (zh) * | 2017-03-13 | 2018-09-20 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 水泵轴承 |
| CN108571463A (zh) * | 2017-03-13 | 2018-09-25 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 水泵轴承 |
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