JP2003292977A - 燃料油組成物 - Google Patents

燃料油組成物

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JP2003292977A JP2002097218A JP2002097218A JP2003292977A JP 2003292977 A JP2003292977 A JP 2003292977A JP 2002097218 A JP2002097218 A JP 2002097218A JP 2002097218 A JP2002097218 A JP 2002097218A JP 2003292977 A JP2003292977 A JP 2003292977A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温流動性に優れ、かつ通油性の問題のない
低硫黄燃料油組成物を提供する。 【解決手段】 炭素数20以上のn−パラフィンを含有
する燃料油および低温流動性向上剤からなる燃料油組成
物であって、低温流動性向上剤がエチレン(a)および
炭素数2〜24の脂肪族カルボン酸のビニルエステル
(b)を必須構成単量体としてなる共重合体(A)から
なり、燃料油中の炭素数20以上のn−パラフィンの炭
素数(x)とその含有量(y[重量%])の下記関係式
(1)における傾き(α)の絶対値(αa)と、燃料油
組成物中の共重合体(A)の含有量(WA[重量%])
が下式(2)の関係を満たすことを特徴とする燃料油組
成物。 y=αx+β (1) 0.04 ≦ WA÷(αa−0.17) ≦ 0.4 (2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料油組成物に関
する。詳しくは、ワックス含有燃料油と流動性向上剤を
含有する燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】石油中間留出油、例えば、ディーゼル燃
料油、A重油等は、冬期あるいは寒冷地において低温
(例えば0℃〜−20℃)にさらされると、その中に含
まれるワックスが析出し、配管系のフィルターを目詰ま
らせたり、又、配管系内にて固化することにより不具合
が発生している。これらの低温での流動性に関する問題
点を解決するために、従来、エチレン−飽和カルボン
酸ビニルエステル系共重合体を基油に添加する方法が数
多く提案されている。例えば、特公昭39−20069
2号公報、特公昭48−23165号公報、特開昭59
−136391号公報などに記載されている。また、こ
れらの低温流動性をより向上させるものとして、エチ
レン−カルボン酸ビニル共重合体の不飽和ジカルボン酸
エステルグラフト付加物及びそれら付加物とエチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体を併用して添加する方法[特公昭58−3947
2公報、特開平10−245574号公報]などが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら、
に開示されているものは、燃料油の低温での流動性を向
上させるものの、副作用として常温でフィルターの目詰
まりを起こす問題(通油性の低下)が生じる。従来の硫
黄含量が高い燃料油においては、比較的少量の流動性向
上剤で低温流動性を向上できたため、通油性の低下は大
きな問題とはならなかったが、低硫黄燃料油に対しては
低温流動性を向上させるのに必要な添加量が著しく増大
し、その結果、通油性の低下が問題となっている。近
年、環境問題から燃料油組成物中の硫黄含量の低減が望
まれており、低温流動性に優れ、かつ通油性の問題のな
い低硫黄燃料油組成物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、高硫黄含量の燃料油からなる燃料油組成物のみ
ならず、とりわけ低硫黄含量とした場合においても、低
温流動性に優れ、かつ通油性の問題のない燃料油組成物
を見いだし本発明に至った。すなわち本発明は、炭素数
20以上のn−パラフィンを含有する燃料油および低温
流動性向上剤からなる燃料油組成物であって、低温流動
性向上剤がエチレン(a)および炭素数2〜24の脂肪
族カルボン酸のビニルエステル(b)を必須構成単量体
としてなる共重合体(A)からなり、燃料油中の炭素数
20以上のn−パラフィンの炭素数(x)とその含有量
(y[重量%])の下記関係式(1)における傾き
(α)の絶対値(αa)と、燃料油組成物中の共重合体
(A)の含有量(WA[重量%])が下式(2)の関係
を満たすことを特徴とする燃料油組成物である。 y=αx+β (1) 0.04 ≦ WA÷(αa−0.17) ≦ 0.4 (2)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、炭素数20以上
のn−パラフィンを含有する燃料油としては、低硫黄原
油(たとえば、ミナス原油等、南方系の原油)の通常の
蒸留で得られるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JI
S3号軽油、JIS特3号軽油およびA重油;通常の原
油から水素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽油お
よびA重油;該脱硫軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前
の軽油)をブレンドして得られる軽油留分から製造され
るJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、
JIS特3号軽油およびA重油などが挙げられる。これ
らのうち、水素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽
油を50%以上ブレンドして製造される、JIS1号軽
油、JIS2号軽油、JIS3号軽油およびJIS特3
号軽油に対して有用であり、特にJIS2号軽油および
JIS3号軽油において本発明の燃料油組成物は有用で
ある。本発明における燃料油の曇り点は、下限が通常−
25℃、好ましくは−8℃、さらに好ましくは−6℃で
あり、上限が+5℃、好ましくは+2℃、さらに好まし
くは0℃である。曇り点が上記範囲の燃料油を使用する
と、本発明の燃料油組成物は低温流動性と通油性の両立
の観点で特に優れる。本発明における燃料油の硫黄含有
量は、通常0.05%以下、好ましくは0.005%以
下である。硫黄含量が低い燃料油ほど後述の(αa)が
大きくなる、すなわちワックスの析出温度がシャープに
なりやすいため、本発明の燃料油組成物は低温流動性と
通油性の両立の観点で優れる。
【0006】燃料油中の炭素数20以上の各n−パラフ
ィンの含有量は、以下のガスクロマトグラフィー法によ
って求めることができる。キャピラリーカラム(例えば
J&W Scientific社製DB−1HT、長さ30m、口
径0.25mm、膜厚0.1μm)を付した、キャピラリ
ーガスクロマトグラフ装置(例えば島津製作所製GC−
14B、FID検知器)を用い、ヘリウムをキャリアガ
スとし、インジェクション温度360℃、ディテクター
温度360℃にて、カラム温度を140から355℃ま
で毎分5℃の昇温させて、サンプル量0.5μlをスプリ
ット比1/60で注入し測定する。測定結果は、データ
処理装置(例えば島津製作所製クロマトパックCR−7
A)を用いて各ピークの面積%を求める。燃料油中の分
岐パラフィンおよびナフテン成分は異性体が多く、ピー
クが十分に分割できない。そのピークがn−パラフィン
のピークに一部重なるが、ピークを垂直に分割すること
で面積%を求める。なお、n−パラフィンの同定は、標
品を用い、そのリテンションタイムの比較から決定す
る。上記測定によって求めた各n−パラフィンのピーク
の、試料全体のピークの合計に対する面積%をもって各
n−パラフィンの含有量(重量%)とする。上記で求め
た炭素数20以上の各n−パラフィンについて、その炭
素数をx軸にして、その含有量(重量%)をy軸にして
プロットする。最小二乗法にて一次近似し、下記式
(1)を得て、その傾き(α)の絶対値(αa)を求め
る。 y=αx+β (1) なお、燃料油の種類によっては、上記n−パラフィンの
含油量分布が一次近似から外れ、相関係数(r2)が0.
94未満になる場合がある。その場合は、相関係数が
0.94以上になるように、含有量が少ない炭素数の大
きなものから順に最小二乗法から省いて算出する。本発
明において(α)の絶対値(αa)は、下限が好ましく
は0.2、さらに好ましくは0.23、特に好ましくは
0.27であり、上限は好ましくは0.5、さらに好ま
しくは0.45、特に好ましくは0.42である。
(αa)が上記範囲の燃料油に対して本発明を適用する
ことで、低温流動性と通油性の両立が図れる点で好まし
い。また、炭素数20以上のn−パラフィンの含有量の
総量は、好ましくは3〜10重量%、さらに好ましくは
4〜8重量%、特に好ましくは4.5〜7.5重量%であ
る。
【0007】本発明においては、前記(αa)と、後述
の共重合体(A)の含有量(WA[重量%])が以下の
関係を満たすことが重要である。 0.04 ≦ WA÷(αa−0.17) ≦ 0.4 (1 ) [WA÷(αa−0.17)]は、下限が通常0.04、
好ましくは0.05、さらに好ましくは0.06であ
り、上限が0.4、好ましくは0.3、さらに好ましく
は0.24、特に好ましくは0.21である。前記範囲と
することで、低温流動性と通油性の両立が図れる。
【0008】エチレン(a)とともに共重合体(A)を
構成する、炭素数2〜24の脂肪族カルボン酸のビニル
エステル(b)としては、炭素数2〜4(カルボニル炭
素も含む:以下同様)の飽和脂肪族カルボン酸のビニル
エステル(b1)および炭素数5〜24の脂肪族カルボン酸
のビニルエステル(b2)が挙げられる。(b1)としては、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸
ビニルなどが挙げられる。(b2)としては、分岐飽和脂肪
族カルボン酸のビニルエステル(b21)、直鎖飽和脂肪族
カルボン酸のビニルエステル(b22)、不飽和脂肪族カル
ボン酸のビニルエステル(b23)などが挙げられる。(b21)
としては、2級アルキル基を有する脂肪族カルボン酸ビ
ニルエステル[例えば、2-エチルヘキサン酸ビニル、
イソドデカン酸ビニル、イソステアリン酸ビニルなど]
および3級アルキル基を有する脂肪族カルボン酸ビニル
エステル[例えば、ネオペンタン酸ビニル、ネオノネン
酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ネオウンデカン酸ビニ
ルなど]が挙げられる。(b22)としては、n−ヘキサン
酸ビニル、n−デカン酸ビニル、n−ドデカン酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニル、ベヘン酸ビニルなどが挙げら
れる。(b23)としては、デセン酸ビニル、ドデセン酸ビ
ニル、ドデカジエン酸ビニル、テトラデセン酸ビニル、
ヘキサデセン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸
ビニル、リノレン酸ビニル、エイコセン酸ビニルなどが
挙げられる。これら(b)のうち、好ましいものは(b
1)、(b2)およびそれらの併用であり、さらに好ましいも
のは(b1)およびそれと(b2)の併用であり、特に好ましい
ものは(b1)およびそれと(b21)の併用であり、とりわけ
好ましいものは酢酸ビニルと炭素数5〜24の分岐3級
脂肪族カルボン酸ビニルエステルの併用である。
【0009】共重合体(A)は、(a)および(b)か
ら誘導される単位の他に必要により1種以上の(a)、
(b)以外のその他のビニル単量体(c)から誘導され
る単位を構成単位として含んでいてもよい。(c)とし
ては、アルキルアルコール(好ましくは炭素数1〜30
の直鎖または分岐アルキルアルコール)の不飽和カルボ
ン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸など]エステル[(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メ
タ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オク
タデシル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、マレイン酸モノ2-エチルヘキシル、マレイン酸モ
ノドデシル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ビス2-エチルヘ
キシル、マレイン酸ジドデシル、フマル酸モノメチル、
フマル酸モノブチル、フマル酸モノ2-エチルヘキシ
ル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ
ブチル、フマル酸ビス2-エチルヘキシル、フマル酸ジ
ドデシルイタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノ2-エチル
ヘキシル、イタコン酸モノドデシル、イタコン酸ジメチ
ル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコ
ン酸ビス2-エチルヘキシル、イタコン酸ジドデシルな
ど];脂環アルコールの不飽和カルボン酸エステル
[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)ア
クリル酸デカヒドロナフチル、(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシルエチルなど];芳香族アルコールの不飽和カ
ルボン酸エステル[(メタ)アクリル酸フェニル、(メ
タ)アクリル酸ベンジル、マレイン酸モノベンジル、マ
レイン酸ジフェニル、フマル酸ジベンジル、フマル酸モ
ノベンジル、フマル酸ジフェニル、フマル酸ジベンジ
ル、イタコン酸モノベンジル、イタコン酸ジフェニル、
イタコン酸ジベンジルなど];多価アルコール類の不飽
和カルボン酸エステル[エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
および(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)
ジ(メタ)アクリレートなど];炭素数3〜50の直鎖
または分岐の1-オレフィン[プロピレン、1-ブテン、1
-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチルペンテン-1、1-オク
テン、1-ドデセン、1-テトラデセンおよび1-オクタデセ
ンおよびその他のα−オレフィンなど];脂環式炭化水
素系ビニル単量体[シクロヘキセン、(ジ)シクロペン
タジエン、ノルボルネン、ピネン、インデン、ビニルシ
クロヘキセンなど];炭素数2〜4のアルケニル基を有
するアルキルアルケニルエーテル[炭素数1〜12の直
鎖又は分岐アルキル基を有するアルキルアルケニルエー
テル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ドデ
シルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルア
リルエーテル、ブチルアリルエーテル、オクチルアリル
エーテル、ドデシルアリルエーテルなど)、アリールビ
ニルエーテル(フェニルビニルエーテルなど)];芳香
族炭化水素系ビニル単量体[スチレン、ビニルトルエン
など];炭素数4〜12のアルカジエン[ブタジエン、
イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,7-オクタジエンな
ど];ビニルケトン類[メチルビニルケトン、ブチルビ
ニルケトン、フェニルビニルケトンなど];ハロゲン原
子含有ビニル単量体[塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭
化ビニルなど];アミド基もしくはイミド基含有ビニル
単量体{非置換もしくはアルキル(炭素数1〜4)置換
(メタ)アクリルアミド[(メタ)アクリルアミド、N-
メチル(メタ)アクリルアミド、N-i-プロピル(メタ)
アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド
など]、N-ビニルカルボン酸アミド[N-ビニルホルムア
ミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドンな
ど]、および非置換もしくは置換マレイミド[マレイミ
ド、フェニルマレイミド、エチルマレイミド、ドデシル
マレイミドなど]など};ヒドロキシル基含有ビニル単
量体{ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体[p-ヒド
ロキシスチレンなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数2
〜6)(メタ)アクリレート[2-ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートなど]、および炭素数2〜12のアル
ケノール[ビニルアルコール(カルボン酸ビニル単位の
加水分解により形成される)、(メタ)アリルアルコー
ル、(イソ)プロペニルアルコール、1-オクテノールな
ど]など};1〜3級アミノ基含有単量体{炭素数2〜
6のアルケニルアミン[ビニルアミン、アリルアミン、
クロチルアミンなど]、アミノアルキル(炭素数2〜
6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モル
ホリノエチル(メタ)アクリレートなど]、アミノアル
キル(炭素数2〜6)(メタ)アクリルアミド[アミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドなど]、アミノ基含有芳香族
ビニル単量体[N,N-ジメチルアミノスチレンなど]、含
窒素複素環含有ビニル単量体[ビニルピリジン、ビニル
カルバゾールなど]など};ニトリル基またはニトロ基
含有ビニル単量体[(メタ)アクロロニトリル、シアノ
スチレン、ニトロスチレンなど];エポキシ基含有ビニ
ル単量体[グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アリルエーテルなど];カルボキシル基含有
ビニルモノマー[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂
皮酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸および
(無水)イタコン酸、シトラコン酸およびアコニット酸
など];ポリオキシアルキレン鎖を有するビニルモノマ
ー[(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(重合度=
2〜100)グリコールモノエステル、(メタ)アクリ
ル酸ポリオキシプロピレン(重合度=2〜100)グリ
コールモノエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリ
オキシエチレン(重合度=2〜100)グリコールエス
テル、(メタ)アクリル酸ラウロキシポリオキシエチレ
ン(重合度=2〜100)グリコールエステルなど];
イソシアネート基含有ビニルモノマー[イソシアナトエ
チル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,
α−ジメチルメチルベンジルイソシアネートなど]など
が挙げられる。
【0010】(A)における構成単位のうち、エチレン
基(a)の割合は、好ましくは70〜95モル%、さら
に好ましくは75〜90モル%、特に好ましくは80〜
87モル%であり、重量%としては好ましくは40〜8
5重量%、さらに好ましくは45〜75、とくに好まし
くは50〜68重量%である。エチレン基の割合が70
モル%以上(または40重量%以上)であれば、低温流
動性向上効果に優れる点で好ましく、95モル%以下
(または85重量%以下)であれば通油性に優れる点で
好ましい。(b)の割合は、好ましくは2〜30モル
%、さらに好ましくは5〜25モル%、とくに好ましく
は10〜20モル%である。また、必要により併用され
る(c)の割合は、好ましくは全構成単位のうちの10
モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下、特
に好ましくは3モル%以下である。
【0011】本発明において共重合体(A)は、その全
量もしくは、一部に対してさらに前述の(c)をグラフ
ト重合することもできる。エチレン含量が多い(A)に
グラフト重合したもの(A')を(A)と併用すること
で通油性を悪化させることなく低温流動性を向上できる
点で好ましい。(A)中の(A')の比率は、通常0〜
30重量%、好ましくは0〜20重量%、さらに好まし
くは5〜15重量%である。グラフト重合する(c)と
して好ましいものは、アルキルアルコールの不飽和カル
ボン酸エステルであり、さらに好ましいものはフマル酸
ジアルキルエステルおよびマレイン酸ジアルキルエステ
ルである。グラフト重合体(A')中のグラフト重合す
る(c)の比率は、(A')の全重量に基づいて好まし
くは0〜60%、さらに好ましくは10〜50%であ
る。また本発明においては、共重合組成の異なる2種以
上の(A)を併用することもできる。2種以上の(A)
を併用することで低温流動性が向上する点で好ましく、
とりわけ燃料油の(αa)が小さい場合に有効である。
【0012】本発明においては、共重合体(A)は、特
定の温度でのヘキサン不溶分が特定の範囲であることが
好ましい。(A)の+10℃におけるヘキサン不溶分
(IH)は、好ましくは30%以下(以下において特に
断りのない限り%は重量%を表す)、さらに好ましくは
20%以下、特に好ましくは15%以下、とりわけ好ま
しくは10%以下である。IHを30%以下にすること
で低温流動性、通油性のいずれもが向上する点で好まし
い。また、(A)の−20℃におけるヘキサン不溶分
(IL)は、好ましくは40%以上、より好ましくは6
0%以上、さらに好ましくは65%以上、特に好ましく
は70%以上である。ILを60%以上にすることで低
温流動性が向上する点で好ましい。+10℃および−2
0℃におけるヘキサン不溶分は、以下の方法により測定
することができる。まず、試料100gを500mlの
ビーカーに採り取り、これを150℃、10mmHgで
2時間減圧乾燥することにより揮発成分を蒸発させる。
これを約30g精秤し(重量を(W)[g]とする)、その
20%濃度のn-ヘキサン溶液を作製する(必要により加
温して均一透明になるまで溶解する)。これを400m
lの遠沈管に入れ、+10℃の恒温槽中にて4時間静置
する。これを+10℃に温調した遠心分離機にて10,
000rpmで30分間遠心分離した後、不溶分と可溶
分をデカンテーションして分離する。遠沈管内の不溶分
を120℃、10mmHgで2時間減圧乾燥することに
より残存ヘキサンを蒸発させ、その重量(Wi)[g]から
+10℃におけるヘキサン不溶分(Wi/W×100[%])
を算出する。一方、+10℃におけるヘキサン可溶分と
して分離した溶液を再度遠沈管中に入れ、−20℃の恒
温槽中にて4時間静置する。これを−20℃に温調した
遠心分離機にて前述と同様の条件で遠心分離し、不溶分
と可溶分を分離する。得られた可溶分を減圧エバポレー
タにて濃縮後前述と同様の条件で減圧乾燥し、その重量
(Ws)[g]から−20℃におけるヘキサン不溶分{100
−(Ws/W)×100}[%]を算出する。
【0013】また、IHと燃料油のαaは下式(3)の関
係を満たすことが好ましい。 −4 ≦ (IH−5)×(αa−0.14) ≦ 5 (3) (IH−5)×(αa−0.14)は、より好ましくは−
1.8〜3、さらに好ましくは−1.6〜2.5、特に好
ましくは−1.2〜1.5である。αaが大きくなるのに
従って流動性向上剤の添加量は増大するが、その際の通
油性が向上する点から、上記範囲が好ましい。さらに、
(IH)と(WA)が下式(4)の関係を満たすことが好
ましい 250×WA+IH ≦ 35 (4) 250×WA+IHは、より好ましくは30以下、さらに
好ましくは25以下、特に好ましくは20以下である。
上記範囲とすることで通油性が向上する点で好ましい。
【0014】(A)の分岐度は、好ましくは4%以下、
さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは2.5%以
下、とりわけ好ましくは2.2%以下である。尚、分岐
度とは、(a)および(b)のビニル基由来のメチレン
基、メチン基の総個数に対する枝分かれによって生じた
メチル基の個数の百分率である。分岐度は1H-NMRに
よって求めることができる。たとえばエチレンと酢酸ビ
ニルの共重合体の場合は、0.8〜0.9ppmのピー
ク強度[1](分岐メチル基由来)と、1.0〜1.9p
pmのピーク強度[2](エチレン由来のビニルメチレン
およびメチン、ならびに酢酸ビニルのビニルメチレン由
来)と、2.0ppm付近のピーク強度[3](酢酸ビニ
ルのアセチルメチル基由来)と4.7〜5.0ppmの
ピーク強度[4](酢酸ビニルのビニルメチン由来)から
下式のよって算出する。 分岐度(%) = [1]/3÷{([2]−[1]/3)/2+
[1]/3+[4]}×100 酢酸ビニル以外のカルボン酸ビニルを含有する場合は、
カルボン酸基由来のピークが[1]および[2]と重なる場合
がある。その場合はカルボン酸基のカルボニル基の隣の
炭素に結合しているプロトンのピークの強度[5](2.
0〜2.3ppm)および4.7〜5.0ppmのピー
ク強度[4](脂肪酸ビニルのビニルメチン由来)からカ
ルボン酸ビニルの含有量を求め、そのモル比から[1]お
よび[2]と重なっているカルボン酸基の吸収を減じて算
出する。α-オレフィンを含有している場合は、1H-N
MRでは分岐とα-オレフィンの区別が困難なので、重
合時の仕込量と反応率からα-オレフィンの共重合比を
算出し、そのモル比から[1]および[2]と重なっているα
-オレフィン側鎖の吸収を減じて算出する。
【0015】(A)の重量平均分子量は好ましくは1,
000〜100,000、さらに好ましくは3,000
〜50,000である。重量平均分子量は標準物質にポ
リスチレンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により、ポリスチレン換算分子量とし
て測定することが出来る。
【0016】(A)の5%ケロシン溶液の曇点は、好ま
しくは+30〜−10℃、さらに好ましくは+25〜−
5℃、特に好ましくは+25〜0℃である。低温流動性
の観点から−10℃以上が好ましく、通油性の観点から
+30℃以下が好ましい。なお(A)の曇点は、(A)
を5%の濃度になるようにケロシンに溶解(必要により
加温して溶解)した後、徐々に冷却(0.5℃/分)
し、溶液が白濁し始める温度を読み取ることにより測定
できる。(A)の溶解度パラメーター(SP値)は、低
温流動性および溶解性の観点から、好ましくは8.4〜
9.7、さらに好ましくは8.6〜9.5、特に好まし
くは8.9〜9.3である。8.4以上にすることで流
動性向上効果に優れる点で好ましく、9.7以下にする
ことで通油性が向上する点で好ましい。なお、本発明の
SP値は、Fedors法[Poym.Eng.Sc
i.14(2)152,(1974)]によって算出さ
れる値である。
【0017】(A)は、公知の方法によって得ることが
できる。例えば前記ビニル単量体類を溶剤中もしくは無
溶剤下にラジカル重合することにより得られる。この場
合、重合開始剤としては、アゾ系開始剤(例えば、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルな
ど)や過酸化物系開始剤(例えば、ジイソプロピルパー
カーボネート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオ
キシド、ラウリルパーオキシド、ジt-ブチルパーオキサ
イドなど)を用いることができる。重合溶剤としては、
脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シク
ロヘキサンなど)、芳香族炭化水素[トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、炭素数9の芳香族混合溶剤(トリ
メチルベンゼン、エチルトルエンなどの混合物)、炭素
数10〜11の芳香族混合溶剤など]、ケトン(アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
ど)などが挙げられる。これらの重合溶剤は重合完了後
留去することもできるが、そのまま(A)を溶液状にす
るための溶剤として使用することもできる。また、共重
合組成分布を小さくするために、重合中に各単量体の比
率が一定になるように重合率の進行に合わせてモノマー
を滴下することも有効である。分岐度を小さくするため
には、重合温度を低く(通常30〜300℃、好ましく
は30〜160℃)するとともに、連鎖移動剤を併用す
ることも有効である。連鎖移動剤としては公知のメルカ
プタン類(ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン
など)、2級アルコール(イソプロピルアルコール、s-
ブタノールなど)、置換芳香族化合物(トルエン、キシ
レン、クメンなど)、アルデヒド類(プロピオンアルデ
ヒドなど)などが使用できる。また、必要によりヘキサ
ン不溶分を特定の範囲にするために、重合体の一部が析
出する温度で、必要な重合体を分別して(A)を得るこ
ともできる。例えば、重合体をヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサンなどの溶剤に溶解した後、所定温度に温調
し遠心分離器を用いて可溶分と不溶分を分離する。その
後脱溶剤することで所望のヘキサン不溶分に分別した重
合体(A)が得られる。
【0018】(A)の具体例としては以下のものなどが
挙げられる。 エチレン/酢酸ビニル(モル比82/18)共重合体 エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル(モル比
82/17/1)共重合体 エチレン/酢酸ビニル/2-エチルヘキサン酸ビニル
(モル比83/15/2)共重合体、 エチレン/4-メチルペンテン-1共重合体、 エチレン/酢酸ビニル/4-メチルペンテン-1共重合
体、 エチレン/アクリル酸メチル共重合体、 前記〜のヘキサンによる分別物。
【0019】本発明の燃料油組成物においては、(A)
以外のその他の添加剤を含有させることもできる。その
他の添加剤としては、たとえば、ワックス分散剤(フマ
ル酸ジアルキル/酢酸ビニル共重合体、フマル酸ジアル
キル/プロピレン共重合体など)、腐食防止剤(ドデシ
ルアミンのエチレンオキサイド付加物、オクチルアミ
ン、脂肪族アミンおよびその塩、有機リン酸エステル、
有機スルホン酸塩、アルケニルコハク酸系防錆剤、アル
ケニルコハク酸のエステル系防錆剤など)、清浄分散剤
(ジブチルアミンのエチレンオキサイド付加物、ブタノ
ールのエチレンオキサイド付加物など)、潤滑性向上剤
(高級脂肪酸およびそのグリセリンエステル、ソルビタ
ンモノオレート、グリセリンモノオレートなど)、セタ
ン価向上剤(アルキル硝酸エステル類、アミルナイトレ
ート、イソプロピルナイトレートなど)、酸化防止剤
(ヒンダードフェノール類、サリチリデン誘導体な
ど)、その他消泡剤、燃焼性向上剤、導電性付与剤、お
よび他の流動性向上剤(ポリアルキルメタクリレート、
ポリオールの脂肪酸エステルなど)などが挙げられる。
その他の添加剤の使用量は、燃料油組成物の全重量に基
づいて、通常0〜10,000ppm、好ましくは10
〜5,000ppmになるような量である。
【0020】
【実施例】以下に実施例および製造例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、部はいずれも重量部を表す。
【0021】製造例1 温度計および撹拌装置の付いたガラス製フラスコに、エ
チレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル共重合体(8
3/16/1モル%、分岐度2.9、Mn4000、M
w7300)200部とヘキサン800部を加え、60
℃にて撹拌し溶解した。次いで、これを−20℃にて4
時間静置後、−20℃にて遠心分離(10,000rpm×
30分間)し、不溶分を単離した。得られた不溶分を1
50℃にて減圧乾燥し、重合体(1)124部を得た。重
合体(1)の分析値を表1に示す。撹拌装置、加熱装置お
よび温度計を備えたガラス製容器に、重合体(1)650
部、および希釈剤として炭素数10〜11の石油系芳香
族混合溶剤(初留点182℃〜終点204℃)350部
を加え、100℃にて均一溶解して、流動性向上剤組成
物(T1)を得た。
【0022】製造例2 耐圧管状反応器に、エチレン533部、酢酸ビニル36
0部、ネオデカン酸ビニル107部、プロピオンアルデ
ヒド40部および「パーロイルIPP−50」0.5部
の混合物を供給し、120℃、110MPa、滞留時間
3分の条件下で重合した。重合終了後、未反応のモノマ
ーを減圧乾燥により除去し、重合体(2)を得た。重合体
(2)の分析値を表1に示す。重合体(2)を実施例1と同
様に炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤に均一溶
解して、流動性向上剤組成物(T2)を得た。
【0023】製造例3 原料モノマーの比率を、エチレン506部、酢酸ビニル
312部、ネオデカン酸ビニル182部に代える以外は
製造例2と同様にして重合し、重合体(3)を得た。重合
体(3)の分析値を表1に示す。重合体(3)を実施例1と
同様に炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤に均一
溶解して、流動性向上剤組成物(T3)を得た。
【0024】製造例4および5 撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた
ガラス製反応器に、エチレン/酢酸ビニル共重合体(9
6.5/3.5モル%、分岐度3.4、Mn2600、
Mw6600)500部およびジ2-エチルヘキシルフマ
レート500部を加え、窒素雰囲気とし、155℃に昇
温した。これに155℃にてジータシャリーブチルパー
オキサイド20部およびラウリルメルカプタン1.7部
を2時間で滴下した。滴下終了後さらに2時間155℃
で反応し、重合体(3)を得た。重合体(4)は上記エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体にジ2-エチルヘキシルフマレー
トがグラフトした共重合体であった。重合体(4)の分析
値を表1に示す。市販のエチレン/酢酸ビニル/ネオデ
カン酸ビニル共重合体[84/14/2モル%、分岐度
4.2、Mn3200、Mw7500、+10℃におけ
るヘキサン不溶分7重量%、−20℃におけるヘキサン
不溶分43重量%]を重合体(5)とする。重合体(5)の
分析値を表1に示す。重合体(4)65部、重合体(5)5
85部および炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤
(初留点182℃〜終点204℃)350部を実施例1
と同様に均一溶解し、流動性向上剤組成物(T4)を得
た。重合体の比率を重合体(4)195部、重合体(5)4
55部に変える以外は同様にして、流動性向上剤組成物
(T5)を得た。
【0025】製造例6 市販のエチレン/酢酸ビニル共重合体[85/15モル
%、分岐度3.2、Mn3300、Mw8300、+1
0℃におけるヘキサン不溶分18重量%、−20℃にお
けるヘキサン不溶分52重量%]を重合体(6)とする。
重合体(6)の分析値を表1に示す。重合体(6)を実施例
1と同様に炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤に
均一溶解し、流動性向上剤組成物(T6)を得た。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例1〜20、比較例1〜4 表3に示す性状の燃料1〜燃料5のいずれかの燃料油
(軽油)に、表2に示した添加剤組成物を表4に示した
添加量加えて、40℃にて均一に混合することにより、
本発明の燃料油組成物および比較燃料油組成物を得た。
各燃料油組成物について以下の評価を行うことにより、
低温流動性と通油性を評価した。低温流動性は、PP
[流動点(℃):JIS K2269 3に記載の方
法]とCFPP[低温濾過器目詰まり点(℃):JIS
K2288に記載の方法]を測定することにより評価
した。また、通油性は、メンブランフィルター(孔径5
μm、フィルター径13mmφ)を付した加圧濾過器
に、5℃に温調した評価油をポンプにて毎分20mLの
流量で送液し、その濾過圧が0.1MPaに到達するま
での通油時間をもって評価した。その結果を表5に示
す。これから明らかなように本発明の燃料油組成物は、
非常に優れた低温流動性を示すとともに、通油性にも優
れる。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】本発明による燃料油組成物は、高硫黄含
量の燃料油からなる燃料油組成物のみならず、とりわけ
低硫黄含量の燃料油からなる燃料油組成物であっても、
低温流動性に優れ、かつ通油性の問題のない燃料油組成
物である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数20以上のn−パラフィンを含有
    する燃料油および低温流動性向上剤からなる燃料油組成
    物であって、低温流動性向上剤がエチレン(a)および
    炭素数2〜24の脂肪族カルボン酸のビニルエステル
    (b)を必須構成単量体としてなる共重合体(A)から
    なり、燃料油中の炭素数20以上のn−パラフィンの炭
    素数(x)とその含有量(y[重量%])の下記関係式
    (1)における傾き(α)の絶対値(αa)と、燃料油
    組成物中の共重合体(A)の含有量(WA[重量%])
    が下式(2)の関係を満たすことを特徴とする燃料油組
    成物。 y=αx+β (1) 0.04 ≦ WA÷(αa−0.17) ≦ 0.4 (2)
  2. 【請求項2】 (αa)が0.2〜0.5である請求項1
    記載の燃料油組成物。
  3. 【請求項3】 (A)の+10℃におけるヘキサン不溶
    分(IH[重量%])と(αa)が下式(3)の関係を満
    たす請求項1または2記載の燃料油組成物。 −4 ≦ (IH−5)×(αa−0.14) ≦ 5 (3)
  4. 【請求項4】 (IH)と(WA)が下式(4)の関係を
    満たす請求項1〜3のいずれか記載の燃料油組成物。 250×WA+IH ≦ 35 (4)
  5. 【請求項5】 燃料油中の炭素数20以上のn−パラフ
    ィンの含有量の総量が3〜10重量%である請求項1〜
    4のいずれか記載の燃料油組成物。
  6. 【請求項6】 燃料油の曇り点(CP)が−8〜+2℃
    である請求項1〜5のいずれか記載の燃料油組成物。
  7. 【請求項7】 燃料油の硫黄含量が0.005重量%以
    下である請求項1〜6のいずれか記載の燃料油組成物。
  8. 【請求項8】 (A)中のエチレン(a)単位のモル%
    が70〜95モル%である請求項1〜7のいずれか記載
    の燃料油組成物。
  9. 【請求項9】 (A)が、炭素数2〜4の飽和脂肪族カ
    ルボン酸のビニルエステル(b1)を必須構成単量体とする
    共重合体である請求項1〜8のいずれか記載の燃料油組
    成物。
  10. 【請求項10】 (A)が、炭素数5〜24の脂肪族カ
    ルボン酸のビニルエステル(b2)を必須構成単量体とする
    共重合体である請求項1〜8のいずれか記載の燃料油組
    成物。
  11. 【請求項11】 (b2)が炭素数8〜15の分岐飽和脂肪
    族カルボン酸のビニルエステルである請求項10記載の
    燃料油組成物。
  12. 【請求項12】 (A)の1H-NMRで測定される分岐
    度が4%以下である請求項1〜11のいずれか記載の燃
    料油組成物。
  13. 【請求項13】 (A)の+10℃におけるヘキサン不
    溶分(IH)が30重量%以下であり、かつ(A)の−
    20℃におけるヘキサン不溶分(IL)が60重量%以
    上である請求項1〜12のいずれか記載の燃料油組成
    物。
  14. 【請求項14】 (A)の5%ケロシン溶液の曇点が+
    30℃〜−10℃である請求項1〜13のいずれか記載
    の燃料油組成物。
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