JP2003292657A - 基板、及びカラーフィルタ - Google Patents

基板、及びカラーフィルタ

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JP2003292657A
JP2003292657A JP2002104121A JP2002104121A JP2003292657A JP 2003292657 A JP2003292657 A JP 2003292657A JP 2002104121 A JP2002104121 A JP 2002104121A JP 2002104121 A JP2002104121 A JP 2002104121A JP 2003292657 A JP2003292657 A JP 2003292657A
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substrate
temperature
heat
heat treatment
plastic film
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JP2002104121A
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English (en)
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Kensaku Suzuki
謙作 鈴木
Tomotaka Ishikawa
智隆 石川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱がされても、収縮が発生せず、パターン
精度の維持を図ることができる、基板、及びカラーフィ
ルタを提供する。 【解決手段】 透明プラスチックフィルム1の一面側に
透明セラミック層2を設けて基板を形成した後、基板の
熱処理を行い、熱処理の温度Ta℃は、透明プラスチッ
クフィルム材料のガラス転移温度をTg℃としたとき、
Ta<Tgの範囲にて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック基
板、そのプラスチック基板を備えたカラーフィルタ、及
び表示装置等並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在液晶表示装置では、主にガラス製基
板が使用されているが、薄型軽量化、耐衝撃性の向上、
製造原価低減等の観点から、基板材料としてプラスチッ
クの使用が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、基板上にカラ
ーフィルタの各画素やTFT等をパターン形成した後の
焼成処理(ポストベイク処理)では、200℃前後の高
温加熱が行われるため、プラスチックを基板として使用
した場合に、加熱後に冷却された際に、プラスチック基
板の収縮がおきて、当所意図して形成したパターンの精
度が維持できないという問題があった。例えば着色感材
法にてカラーフィルタを形成しようとする場合、第一色
目のパターンを露光現像後、200℃前後にて第一色目
を焼成処理した後、冷却すると基板フィルムの平面的収
縮が発生して、第二色目のパターン位置がずれてしまう
という問題があった。
【0004】そこで、本発明は、加熱がされても、収縮
が発生せず、パターン精度の維持を図ることができる、
基板、及びカラーフィルタを提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、上記課題を解決す
るために本発明においてどのような手段が用いられたか
について説明する。なお、本発明の理解を容易にするた
めに添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、そ
れにより本発明が図示の形態に限定されるものではな
い。
【0006】本発明の第一の態様は、透明プラスチック
フィルム(1)の一面側に透明セラミック層(2)を設
けて基板を形成した後、基板の熱処理を行う熱処理基板
の製造方法であって、熱処理の温度Ta℃は、透明プラ
スチックフィルム材料のガラス転移温度をTg℃とした
とき、 Ta<Tg の範囲にて行われること特徴とする熱処理基板の製造方
法を提供して前記課題を解決する。ここに「プラスチッ
ク」とは、大きな分子量を有する有機化合物から成り、
通常最終状態は固体であるが、それに至る途中に熱や圧
力などの作用で流動化し、自由に成形できる一群の材料
を総称していう。「セラミック」とは、非金属性無機物
を焼結または燃焼等してつくった材料をいう。また「透
明」とは、材料中を光が透過する性質をいい、どの程度
の透過率のものを透明というかは、その熱処理基板が使
用される用途により合理的に決せられるべきものであ
る。さらに「熱処理」とは、基板を所定雰囲気のもと所
定温度下に所定時間保持することをいう。また常温から
所定温度までの昇温処理、及び所定温度から常温までの
降温処理をも含めるものであってもよい。また、ガラス
転移温度とは、部分的に結晶化した高分子の非晶質領域
で、粘性あるいは弾性を有する状態から硬くて比較的も
ろい状態へ変化する温度をいう。
【0007】この第一態様の熱処理基板の製造方法によ
れば、プラスチック基板は熱処理により、熱履歴を受け
て、その後の加熱−冷却のサイクルを繰り返しても、同
一サイズを基準に膨張、収縮を繰り返す。また、一面側
に形成された透明セラミック層のアンカリング効果によ
り、強度的裏打ちがなされるので、より一層の寸法安定
性と形状安定性をはかることができる。また、透明プラ
スチックフィルムの熱処理はそのフィルムを構成する材
料プラスチックのガラス転移温度未満で行われるため、
プラスチックフィルムの非晶質領域での粘性や弾性に関
する大きな状態変化がおきることがないので、基板に過
剰な熱履歴が加えられることが防止される。
【0008】上記態様の熱処理基板の製造方法におい
て、熱処理の温度Ta℃は、透明プラスチックフィルム
材料の耐熱温度をTd℃としたとき、 Ta<Td の範囲にて行われることとしてもよい。ここに「耐熱温
度」とは、UL746Bに基づく最高使用温度をいう。
なお、「UL」規格は、Underwriters Laboratories In
c.が制定する安全、試験にかかわる規格であり、「UL
746」は、樹脂材料の耐発火性、熱劣化性、電気的そ
の他の性質にかかわる性能評価の規格であり、それらの
うちUL746Bは耐熱性に関する規格である。
【0009】このようにした場合には、透明プラスチッ
クフィルムの熱処理はそのフィルムを構成する材料プラ
スチックの耐熱温度未満で行われるため、外部からの荷
重に対して変形しにくい温度領域の熱処理なので、基板
に過剰な熱履歴が加えられることが防止される。
【0010】上記態様の熱処理基板の製造方法におい
て、透明プラスチックフィルムの材料はPESであり、
前記熱処理の温度は160〜185℃であることとして
もよい。
【0011】ここに「PES」とは、ポリエーテルスル
ホンのことをさし、透明でかつ高いガラス転移温度、及
び耐熱温度を備えている。したがってPESにより透明
プラスチックフィルムを構成することにより、高温での
パターン焼成に耐えることができる熱処理基板の製造方
法を提供することができる。また、熱処理はPESのガ
ラス転移温度(225℃)、及び耐熱温度の直下におい
て行われるので、基板に過剰な熱履歴が加えられること
が防止される一方で、後の加熱に際してその後の加熱−
冷却のサイクルを繰り返しても、同一サイズを基準に膨
張、収縮を繰り返すことができるだけの熱履歴を受ける
ことができる。
【0012】本発明の第二の態様は、透明プラスチック
フィルムの一面側に透明セラミック層を設けて基板を形
成するステップと、基板に熱処理を行って熱処理基板を
生成するステップと、透明セラミック層が形成された面
とは反対側に位置する熱処理基板の他の一面にパターン
部の形成を行うステップと、を備えたことを特徴とする
基板の製造方法である。ここに、「パターン部」とは、
例えばカラーフィルタのブラックマトリクス、「R」、
「G」、及び「B」色の画素部、並びに回路、TFTお
よびLSI等の素子など、フォトリソ法等により所定の
パターンを形成されたのち、硬膜化処理の目的をもって
焼成が行われるものをいう。したがってここでの「パタ
ーン部の形成」はパターン部の焼成をも含む概念であ
る.この基板の製造方法によれば、事前に基板の熱処理
が行われるので、その後に焼成が行われても、焼成の前
後において基板の寸法に大きな変化が生じることがな
い。したがって、正確なパターン形成を行うことが可能
である。
【0013】上記基板の製造方法において、透明プラス
チックフィルム材料のガラス転移温度をTg℃、熱処理
の温度をTa℃、焼成可能最低温度をTb℃としたと
き、 Tb<Ta<Tg なる関係のもとに熱処理が行われることとしてもよい。
ここに「焼成可能最低温度」とは、フォトリソ法等によ
りレジスト等で構成されたパターン部を硬膜化処理する
際にパターン部を構成する材料が硬化を始める最も低い
温度をいう。
【0014】このように構成した場合には、透明プラス
チックフィルムの熱処理はそのフィルムを構成する材料
プラスチックのガラス転移温度未満で行われるため、基
板に過剰な熱履歴が加えられることが防止される一方、
焼成可能最低温度よりは高い温度にて熱処理が行われる
ので、実際に焼成が行われる際には、その温度になって
も寸法再現性が失われない程度の熱履歴は加えられてい
る。したがって、焼成後に室温まで冷却されたときに
は、基板の寸法は焼成前の寸法に戻ることができる。し
たがって、正確なパターンの形成を行うことができる。
【0015】上記基板の製造方法において、透明プラス
チックフィルム材料の耐熱温度をTd℃、熱処理の温度
をTa℃、焼成可能最低温度をTb℃としたとき、 Tb<Ta<Td なる関係のもとに熱処理が行われることとしてもよい。
【0016】このようにした場合には、透明プラスチッ
クフィルムの熱処理はそのフィルムを構成する材料プラ
スチックの耐熱温度未満で行われるため、基板に過剰な
熱履歴が加えられることが防止される一方、焼成可能最
低温度よりは高い温度にて熱処理が行われるので、実際
に焼成が行われる際には、その温度になっても寸法再現
性が失われない程度の熱履歴は加えられている。したが
って、焼成後に室温まで冷却されたときには、基板の寸
法は焼成前の寸法に戻ることができ、正確なパターンの
形成を行うことができる。
【0017】上記基板の製造方法において、透明プラス
チックフィルムの材料はPESであり、熱処理の温度は
160〜185℃であることとしてもよい。
【0018】このように構成した場合には、第二態様の
基板の製造方法にPESを使用することができる。PE
Sは、透明でかつ高いガラス転移温度、及びたわみ荷重
温度を備えている。したがってPESにより透明プラス
チックフィルムを構成することにより、高温でのパター
ン焼成に耐えることができる基板の製造方法を提供する
ことができる。また、熱処理はPESのガラス転移温度
(225℃)、及び耐熱温度の直下において行われるの
で、基板に過剰な熱履歴が加えられることが防止される
一方で、後の焼成において、加熱−冷却のサイクルを繰
り返しても、同一サイズを基準に膨張、収縮を繰り返す
ことができるだけの熱履歴を受けることができる。した
がって、正確なパターンの形成を行うことができる。
【0019】本発明の第三の態様は、透明プラスチック
フィルムの一面側に透明セラミック層を設けて基板を形
成するステップと、基板に熱処理を行い、熱処理基板を
生成するステップと、透明セラミック層が形成された面
とは反対側に位置する熱処理基板の他の一面にブラック
マトリクスをパターン形成するステップと、ブラックマ
トリクスの間に「R」、「G」、「B」のいずれかのエ
リアをパターン形成した後焼成する工程を、「R」、
「G」、「B」の各色について繰り返すステップと、を
備えたことを特徴とするカラーフィルタ(4)の製造方
法である。ここに、「R」、「G」、「B」はカラーフ
ィルタ各画素の色「赤」、「緑」、「青」をあらわして
おり、さらに具体的には、各画素を構成するレジスト中
に分散された顔料の色を示している。
【0020】この態様のカラーフィルタの製造方法によ
れば、事前に透明プラスチックの熱処理を行っているの
で、その後にブラックマトリクス、「R」、「G」、
「B」各色の画素部の焼成を行っても、焼成後冷却され
たときのパターンが露光時の位置からずれることがな
い。このため露光と焼成を繰り返しても正確な位置に各
パターンを形成することができる。
【0021】上記態様のカラーフィルタの製造方法にお
いて、透明プラスチックフィルム材料のガラス転移温度
をTg℃、熱処理の温度をTa℃、焼成可能最低温度を
Tb℃としたとき、 Tb<Ta<Tg なる関係のもとに前記熱処理が行われることとしてもよ
い。
【0022】このように構成した場合には、透明プラス
チックフィルムの熱処理はそのフィルムを構成する材料
プラスチックのガラス転移温度未満で行われるため、基
板に過剰な熱履歴が加えられることが防止される一方、
焼成可能最低温度よりは高い温度にてカラーフィルタを
構成する顔料を含むレジストの熱処理が行われるので、
実際に焼成が行われる際には、その温度になっても寸法
再現性が失われない程度の熱履歴は基板に加えられてい
る。したがって、焼成後に室温まで冷却されたときに
は、基板の寸法は焼成前の寸法に戻ることができる。し
たがって、「R」、「G」、「B」の各色について正確
なパターンの形成を行うことができる。
【0023】上記態様のカラーフィルタの製造方法にお
いて、透明プラスチックフィルム材料の耐熱温度をTd
℃、熱処理の温度をTa℃、焼成可能最低温度をTb℃
としたとき、 Tb<Ta<Td なる関係のもとに熱処理が行われるように構成してもよ
い。
【0024】このように構成した場合には、透明プラス
チックフィルムの熱処理はそのフィルムを構成する材料
プラスチックの耐熱温度未満で行われるため、基板に過
剰な熱履歴が加えられることが防止される一方、焼成可
能最低温度よりは高い温度にてカラーフィルタを構成す
る顔料を含むレジストの熱処理が行われるので、実際に
焼成が行われる際には、その温度になっても寸法再現性
が失われない程度の熱履歴は基板に加えられている。し
たがって、焼成後に室温まで冷却されたときには、基板
の寸法は焼成前の寸法に戻ることができる。したがっ
て、「R」、「G」、「B」の各色について正確なパタ
ーンの形成が可能である。
【0025】上記態様のカラーフィルタの製造方法にお
いて、透明プラスチックフィルムの材料はPESであ
り、熱処理の温度は160〜185℃であることとして
もよい。
【0026】このようにすれば、第三態様のカラーフィ
ルタの製造方法にPESを使用することができる。PE
Sは、透明でかつ高いガラス転移温度、及び耐熱温度を
備えている。したがってPESにより透明プラスチック
フィルムを構成することにより、高温でのパターン焼成
に耐えることができるカラーフィルタの製造方法を提供
することができる。また、熱処理はPESのガラス転移
温度(225℃)、及び耐熱温度の直下において行われ
るので、基板に過剰な熱履歴が加えられることが防止さ
れる一方で、後の焼成において、加熱−冷却のサイクル
を繰り返しても、同一サイズを基準に膨張、収縮を繰り
返すことをできるだけの熱履歴を受けることができる。
したがって、「R」、「G」、「B」の各色について正
確なパターンの形成を行うことができる。
【0027】本発明の第四の態様は、透明プラスチック
フィルムの一面側に透明セラミック層を備えた基板を熱
処理してなる熱処理基板であって、前記透明セラミック
層が形成された面とは反対側の、他の一面には、焼成が
行われたパターン部が形成されていることを特徴とする
熱処理基板である。
【0028】この第四の態様の熱処理基板によれば、プ
ラスチック基板は熱処理により、熱履歴を受けて、その
後の加熱−冷却のサイクルを繰り返しても、同一サイズ
を基準に膨張、収縮を繰り返す。また、一面側に形成さ
れた透明セラミック層のアンカリング効果により、強度
的裏打ちがなされるので、より一層の寸法安定性と形状
安定性をはかることができる。また、事前に熱処理が行
われた基板上にパターン形成を行い、その後に焼成を行
うことができるので、焼成の前後において基板の寸法に
大きな変化が生じることがない。したがって、正確なパ
ターンが形成された基板を得ることが可能である。
【0029】また、上記態様において、透明セラミック
層は、ITO、SnO、In 、SiO、Ti
O、Al、C(ダイアモンド)のうちのいずれか
一により、又はこれらのうちのを複数が組合わされて構
成されることとしてもよい。ここに「ITO」、「Sn
」、「In」、「SiO」、「TiO」、
「Al」、および「C(ダイアモンド)」はそれ
ぞれ「インジウムチンオキサイド」、「酸化錫」、「酸
化インジウム」、「酸化ケイ素」、「酸化チタン」、
「酸化アルミニウム」、及び「ダイアモンド晶質炭素」
をさす(以下同じ。)。
【0030】これらのように構成した場合には、IT
O、SnO、In、SiO、TiO、Al
、C(ダイアモンド)などを利用して上記態様の熱
処理基板を入手することができる。
【0031】さらに上記構成において、透明プラスチッ
クフィルムの材料はPESであることとしてもよい。
【0032】このようにすれば、「PES」は透明でか
つ高い耐熱温度を備えているので、PESにより透明プ
ラスチックフィルムを構成することにより、高温でのパ
ターン焼成に耐えることができる熱処理基板を提供する
ことができる。
【0033】本発明の第五の態様は、透明プラスチック
フィルムの一面側に透明セラミック層を備えた基板を熱
処理した熱処理基板を具備し、透明セラミック層が形成
された面とは反対側に位置する熱処理基板の他の一面に
は、ブラックマトリクス並びに焼成が行われた「R」、
「G」、及び「B」色の画素パターン部が、ブラックマ
トリクスの間に順に繰り返して配置されるように形成さ
れていることを特徴とするカラーフィルタ(4)であ
る。
【0034】この第五態様のカラーフィルタによれば、
プラスチック基板が熱処理により、熱履歴を受けて、そ
の後の加熱−冷却のサイクルを繰り返し受けても、同一
サイズを基準に膨張、収縮を繰り返す。また、一面側に
形成された透明セラミック層のアンカリング効果によ
り、強度的裏打ちがなされるので、より一層の寸法安定
性と形状安定性がはかられる。したがって、ブラックマ
トリクス及び「R」、「G」、「B」各画素の露光によ
るパターン形成と、焼成とを繰り返し行っても、二回目
以降の露光時にパターンの位置がずれてしまうような事
態が起きることが回避される。
【0035】上記態様において、透明セラミック層は、
ITO、SnO、In、SiO、TiO、A
、C(ダイアモンド)のうちのいずれか一、に
より構成されることとしてもよい。あるいは、透明セラ
ミック層は、ITO、SnO 、In、Si
、TiO、Al、C(ダイアモンド)のうち
のいずれかから、複数を組み合わせて構成されることと
してもよい。
【0036】これらのように構成した場合には、IT
O、SnO、In、SiO、TiO、Al
、C(ダイアモンド)などを利用して上記態様のカ
ラーフィルタを入手することができる。
【0037】上記態様のカラーフィルタにおいて、透明
プラスチックフィルムの材料はPESであることとして
もよい。
【0038】PESは、前記したように透明でかつ高い
耐熱温度を備えている。したがってPESにより透明プ
ラスチックフィルムを構成することにより、高温でのパ
ターン焼成に耐えることができるカラーフィルタを提供
することができる。
【0039】本発明の第六の態様は、一面側に上記諸態
様のいずれかのカラーフィルタを備えるとともに、他の
一面側には基板を備え、カラーフィルタと基板との間に
電気光学素子を挟持してなる表示装置である。また本発
明の第七の態様は一面側に上記諸態様のいずれかのカラ
ーフィルタを備えるとともに、他の一面側には駆動回路
基板を備え、カラーフィルタと駆動回路基板との間に液
晶層を挟持してなる表示装置(100)である。
【0040】これらの表示装置によれば、上記諸態様の
カラーフィルタの利点を表示装置に生かすことができ
る。
【0041】本発明のこのような作用及び利得は、次に
説明する実施の形態から明らかにされる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下本発明をカラーフィルタの製
造工程及びこのカラーフィルタを使用して構成した表示
装置を例にとって図面に示す実施形態に基づき説明す
る。
【0043】<基板材料>本実施形態においては、薄型
軽量化、耐衝撃性の向上等の観点から、従来のガラス基
板に代えてプラスチック基板が採用されている。ここで
のプラスチック基板の材料は、透明であること及び耐熱
性を有することなどの観点からPES(ポリエーテルス
ルホン)が使用されている。PESは、市中では住友化
学工業(株)の「スミカエクセル(登録商標)PES」
等として、分子量に応じて数グレードを入手することが
可能である。その基本物性を以下の表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1からも明らかなように、PESは、透
明プラスチック材料として、高い耐熱温度、及びガラス
転移温度を備えている。特にガラス転移温度はグレード
(分子量)に依存せず常に一定値225℃である。この
ように、PESは、表示装置に使用される基板としてガ
ラス基板を代替し得る可能性あるプラスチック材料であ
る。本実施形態においては、図1(a)に示すように、
厚さ0.1mmのPESフィルム1を所定の大きさにカ
ットして、薄板状の基板としている。
【0046】<熱処理基板>PESは、上記したように
表示装置に使用される基板としてガラス基板を代替し得
る可能性を持つプラスチック材料であるが、プラスチッ
クなるがゆえ、単独で耐熱温度、又はガラス転移温度付
近の温度に熱せられると、反りや、不可逆的な膨張収縮
がおきやすい。例えば基板上にフォトリソ法によりパタ
ーン形成された顔料分散カラーレジストを硬膜化処理
(ポストベイク)する際に、これが大きな問題となるこ
とがある。ここにフィルム平面方向をX−Y、厚さ方向
をZとしたとき、「反り」とはZ方向の変形、「不可逆
的な膨張収縮」とは、加熱前後の常温において、フィル
ムX−Y方向の長さが変化することをいう。
【0047】この不可逆的な膨張収縮の欠点を解決する
ため、本実施形態においては、図1(b)に示されるよ
うにPESフィルム1の一面側にITO層2を形成した
うえ、さらに積極的に熱処理を加えている。本願では、
熱処理が加えられた基板を「熱処理基板」という。この
ITO層2は、低温スパッタ法により約0.1μmの厚
さに形成されている。このようにPESフィルム1の一
面側にITO層2を形成し、所定条件の熱処理を加える
ことにより、後に行う焼成等の加熱の前後にX−Y方向
の長さが変化するのを防止することができる。熱処理の
条件、特に温度をどのように設定するかについては、P
ES自体の耐熱特性(例えばガラス転移温度や耐熱温
度)とともに、PESフィルム1上にパターン形成され
るレジストの焼成(ポストベイク)温度が密接な関係を
持っている。これについては後に詳しく説明する。
【0048】このITO層2は、いわばPESフィルム
1の補強部材として機能するものと考えられるので、I
TOに代えて、他の透明セラミック材料、例えばSnO
、In、SiO、TiO、Al、C
(ダイアモンド)などを単独で、又は複数組み合わせて
(ITOを含んでもよい。)使用することができる。た
だし、製造工程中に発生する静電気を回避して、コンタ
ミナントによる問題を発生させないという観点からは、
ITOやSnO、Inなどの導電性を備える透
明セラミック材料を使用することが好ましい。
【0049】加熱によるX−Y方向の長さの変化は上記
のように、PESフィルム1の一面側に透明セラミック
層を形成して、所定の熱処理を加えることにより解決さ
れるが、このようにしても、Z方向の変形(反り)がし
ばしば発生する。この問題に対しては図2に示す方法に
て解決を図ることが可能である。すなわち、加熱の際に
基板5を載置する基台7と基板との間にポリイミドシー
ト6を配置するのである。このようにすることにより、
PESフィルムのZ方向の反りを防ぐことができる。ま
た、ポリイミドに代えて、PEEK(ポリエーテルエー
テルケトン)、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)、P
FA(パーフルオロアルコキシルアルカン)などを単独
で、又はこれらを組み合わせて(ポリイミドを含んでも
よい。)シートを構成してもよい。本願発明者の知見に
よれば、ポリイミドシートの場合70μmの膜厚があれ
ばZ方向の反りが発現しないことが確認されている。こ
のように、基板と基台との間にポリイミドシートを配置
して、Z方向の変形(反り)を防止する方法は、熱処理
基板を熱処理する場合のほか、熱処理基板上にパターン
形成されたレジストを焼成処理する場合などにおいても
有効である。
【0050】さらに、プラスチックのフィルムはある一
定の割合で気体や水蒸気を通す性質があるので、これら
を負圧のかかった液晶層へ侵入させないために、プラス
チックフィルムの少なくとも一面側にバリア層を設ける
ことが望ましい。本実施形態においては、ITO層2が
形成された面とは反対側の一面にバリア層3が形成され
ている(図1(c)参照)。カラーフィルタを構成する
場合にはこのバリア層3側にブラックマトリクス、及び
R、G、Bの各画素4を形成することになる(図1
(d)参照)。バリア層は、PVA又はPEとPVAと
の共重合体によりポリマー層を形成することができる。
またこのポリマー層とプラスチックフィルムとの間にS
iO層を介在させて二層構造のバリア層としても良
い。上記ポリマー層はスリットコートや、ダイコートな
どの湿式コート法により形成することができる。また、
SiO層はスパッタ蒸着法により形成することが可能
である。
【0051】(実施例1)本願発明者は、上記ITO層
の効果を確認するため以下に示す試験を行った。まず、
1辺10cmの正方形PESフィルム(厚さ0.1m
m)試片を作製した。このように調製された試片を2枚
用意し、そのうち一枚の一面側に低温スパッタ法によっ
て、厚さ0.1μmのITO層を形成した。その後上記
2枚の試片を炉中に置いて、180℃の温度のもと30
分間熱履歴を加えた。その後炉中から試片を取り出し、
室温まで自然冷却した。試片が室温まで完全に冷却され
たことを確認したのち、図3に示されるように、マーク
間の距離が同一となるように周辺部に近い2点にアライ
メントマークを付しマーク間の距離を測定した。その後
再び2枚の試片を炉中に置いて、180℃の温度のもと
30分間熱履歴を加えた。その後炉中から試片を取り出
し、室温まで自然冷却した。そして再び上記アライメン
トマーク間の距離を測定した。なお、以上の一連の試験
において、Z方向の形状変化(反り)の影響をなくすた
めに、図2において示したように、試片(例えばPES
フィルム基板5)を炉中に載置する際に、試片5を載置
する基台7と試片5との間にポリイミド等、PESより
ガラス転移温度の高いプラスチックシート6を配置する
ことが望ましい。表2にその結果を示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2からも明らかなように、ITO層を備
えたPESフィルムは、一度熱履歴を加えると、その後
に同様の熱履歴を受けても、加熱前後の常温における寸
法はほとんど変化しない。これに対し、PES単独のフ
ィルムでは、熱履歴を受けるたびに常温における寸法が
変化する傾向がある。
【0054】<BMの形成>上記試験結果等を踏まえ、
本実施形態では、一面側にITO層を備えたPESフィ
ルムを、180℃にて30分間熱処理した熱処理基板を
カラーフィルタの基板として使用している。また、IT
O層が形成された面の反対側の面にはバリア層が形成さ
れている。
【0055】なお、熱処理基板上にブラックマトリクス
を形成するが、ブラックマトリクスを金属(クロム)B
Mとせず、以下に説明する着色感材法によって、
「R」、「G」、「B」に加えた他の一色「黒」とし
て、カーボンブラック等の顔料を分散させた着色感材を
利用して形成する。
【0056】<着色感材によるフォトリソ工程>図4
は、着色感材によるフォトリソ工程を示すフローチャー
トである。この工程により、基板上に「R」、「G」、
「B」の各画素、また場合によっては上記したようにブ
ラックマトリクスをも形成して、カラーフィルタを作製
することが可能である。
【0057】ステップS1においては、基板の調製が行
われる。本実施形態においては、PESフィルムを所定
のサイズにカットし、一面側にITO層、他の一面側に
バリア層を形成する。
【0058】ステップS2では、上記調整が行われた基
板に所定条件の熱処理を行って熱処理基板を作製する。
【0059】続くステップS3においては、熱処理基板
上に着色感材が塗布され、ステップS4ではプリベイク
が行われる。プリベイクについては後に詳しく説明す
る。ステップS5においては、フォトマスクを介した露
光が行われ、続くステップS6では、感光した着色感材
の現像が行われる。次いでステップS7においては、現
像にて残された着色感材を硬化させるポストベイクと呼
ばれる焼成が行われる。続くステップS8では、
「R」、「G」、「B」(ブラックマトリクスも本工程
にて形成する場合には「黒」も含めて)全ての色につい
て上記工程が終了したかを判断する。ステップS8にお
いて否定判断された場合には処理はステップS3に戻さ
れまだ処理が行われていない他の一色について上記処理
が繰り返される。
【0060】ステップS8において、肯定判断されたと
きすなわち全ての色についてS3からS7までの処理が
終了したときは、続くステップS9においてそのカラー
フィルタについて平坦化が要求されているかどうかが判
断される。ステップS9において肯定判断された場合す
なわちカラーフィルタに平坦化が要求されている場合に
は、保護膜が形成され(ステップS10)、その後共通
電極としてのITO膜が保護膜上に形成される(ステッ
プS11)。ステップS9において否定判断された場合
すなわちカラーフィルタに平坦化が要求されていない場
合には、保護膜形成(ステップS10)がスキップさ
れ、直接ITO膜が各画素上に形成される(ステップS
11)。
【0061】図5は、着色感材法によりカラーフィルタ
を作製する工程を具体的に示す図である。なお、ここで
はブラックマトリクスはすでに熱処理基板上に形成され
ている(図5(a))。まず、熱処理基板のブラックマ
トリクスが形成されている側に、第一色目である「R」
顔料が分散された着色感材が、スピンコータ法により塗
布される(図5(b))。
【0062】<プリベイク>プリベイクは塗布された着
色感材に所定の硬さを与えるために行われる熱処理であ
り、上記熱処理基板を80℃に昇温保持したホットプレ
ート上に3分間保持することにより行われる(図5にお
いてB1)。なお、プリベイクの温度はPESの耐熱温
度やガラス転移温度などと比較した場合に相対的に低い
温度なので、基台との間にポリイミドのシートを配置し
なくともZ方向の反りが生じることはない。
【0063】プリベイクの後は、所定のパターンが形成
されたフォトマスクを介して露光処理が行われる(図5
(c))。この露光処理により着色感材の所定部分が感
光されて、次の現像処理により「R」の画素パターンに
相当する部分が形成される(図5(d))。
【0064】<ポストベイク>ポストベイク処理(図5
においてB2)は、現像処理により形成された各
「R」、「G」、「B」の画素部分のパターンを硬化さ
せる処理である。本実施形態においては、循環式クリー
ンオーブンを使用して、各色について、全て180℃の
温度のもと、30分間のポストベイク処理を行った。こ
のような処理を各「R」、「G」、「B」について繰り
返すことにより、「赤」、「緑」、「青」の画素を所定
ピッチで繰り返し備えたカラーフィルタが形成される。
【0065】<パターン形成時の位置合わせ>「R」に
ついてのポストベイクの後、今度は「G」の着色感材が
熱処理基板上面に塗布される。そして、熱処理基板上に
事前に描かれているアライメントマークを基準として、
「G」に対応するフォトマスクの位置が決定される。前
記したように熱処理基板にあらかじめ所定の熱履歴を与
えておけば、ポストベイク処理(焼成)により新たな熱
履歴が加えられても、ポストベイクの前後で、熱処理基
板のX−Y方向の寸法が変化しない。したがってアライ
メントマークを基準にして、正確なフォトマスクの位置
合わせを行うことができ、しかるべき位置に「G」の画
素パターンを形成することができる。以下に示す実施例
2は、PESに与える熱履歴に関して、その温度をどの
ように設定するかを示唆するものである。具体的には、
第一色目と第二色目との相対位置精度に関して、PES
フィルムの熱処理温度を変化させたときに、上記位置精
度がどのような影響を受けたかについての試験結果を示
している。
【0066】(実施例2)実施例1の場合と同様にま
ず、1辺10cmの正方形PESフィルム(厚さ0.1
mm)試片を作製した。このように調製された試片を複
数用意し、全ての試験片の一面側にはITO層を他の一
面側にはバリア層を形成した。これらの試験片を、炉中
に置いて、155℃〜200℃までの間の、5℃刻みの
それぞれの温度において30分間熱履歴を加えた。その
後炉中から試片を取り出し、室温まで自然冷却した。そ
して、フォトリソ法により第一色目のパターンを形成
し、ベイク処理を行った。引き続き同様の手順にて第二
色目のパターンを、アライメントマークを基準にマスク
露光付にて形成し、ベイク処理を行った。そして、2色
間の位置のずれを測定して記録した。なおこの場合にお
いても、Z方向の形状変化(反り)の影響をなくすため
に、試片を炉中に載置する際に、試片を載置する基台と
試片との間にポリイミドシートを配置した。表3にその
試験結果を示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3からも確認できるように、基板として
PESを使用する場合、X−Y方向の寸法再現性を得る
ための熱処理温度は、160〜185℃に設定すればよ
いことがわかる。なお、上記試験において、各試片の熱
処理後の変形度合い(うねり)を目視にて観察したが、
上記160〜185℃の温度範囲においては、いずれも
許容範囲内であった。
【0069】<熱処理温度適温範囲の検討>図6は、基
板材料としてPESを使用し、かつ硬化可能最低温度が
160℃のレジストを使用した場合におけるPESの熱
処理温度をどのように定めるかを検討するための図であ
る。まず、熱処理温度として、熱処理基板上にパターン
形成されたレジストを焼成する温度と同程度以上の温度
であることが必要であると思われる。焼成時に大幅に熱
処理温度以上となれば、熱処理基板は熱処理により事前
に受けた熱履歴より過大な熱履歴を焼成により新たに受
けることとなり、新たな寸法変化や変形が発生する可能
性が大となるからである。
【0070】一方、熱処理温度をPESの耐熱温度や、
ガラス転移温度より高く設定した場合、これらの温度範
囲はPESの分子構造そのものに影響する大きな変化を
与えるものであると考えられる。このような温度では、
一面側にITO層を設けた程度では基板の変形を防止す
ることは困難であると考えられる。したがって、PES
の熱処理温度適温範囲として、ガラス転移温度(225
℃)、または耐熱温度(180〜185℃)付近より低
く、レジスト硬化可能最低温度(160℃)前後より高
い温度が要求されるものと考えられる。さらに実際にレ
ジストを硬化させる焼成温度に一致させることがより望
ましいものと考えられる。
【0071】<表示装置の構成>図7は、熱処理基板に
より作成されたカラーフィルタを備えた液晶表示装置1
00の構成を示す図である。本実施形態の液晶表示装置
100は、カラーフィルタを主体とした第一基板10
と、薄膜トランジスタ(TFT)アレイを主体とした第
二基板20とを備え、両基板10、20に挟持されるよ
うに液晶層30が配置されている。観察者は図において
上方に位置し、図下方には液晶表示装置100のバック
ライト40が配置されている。第一基板10の観察者
側、及び第二基板20のバックライト40側には、それ
ぞれ偏光板50、60が配置されている。
【0072】第一基板10では、熱処理されたPESフ
ィルム12の上面側に構造材としてのITO層11が形
成されている。PESフィルム12の下面側にはバリア
層13が形成されていて、観察者側から液晶層30への
水蒸気やガスの侵入を阻んでいる。バリア層30の下面
には、ブラックマトリックス及び「R」、「G」、
「B」の各画素層14が形成されている。これらのさら
に下面には共通電極としてのITO層15が形成されて
いる。そしてこのITO層15は配向膜16を介して液
晶層30上面に接している。
【0073】一方、第二基板20では、熱処理されたP
ESフィルム24の下面側に構造材としてのITO層2
5が形成されている。また、PESフィルム24の上面
側にはバリア層23が形成されていて、バックライト4
0側から液晶層30への水蒸気やガスの侵入を阻んでい
る。バリア層23の上面には、薄膜トランジスタ(TF
T)や透明電極(ITO)の他、走査線やデータ線とい
った配線がTFTアレイ22を形成している。そしてこ
のTFTアレイ22は配向膜21を介して液晶層30下
面に接している。
【0074】ITO層15(共通電極)には基準電圧が
供給されている。また、第一基板10と第二基板20と
の間には液晶層30が設けられている。液晶には印加電
圧に応じて液晶分子の配向が変化する性質がある。薄膜
トランジスタ(TFT)のオン・オフとデータ線に供給
する電圧とを制御することによって画素電極と共通電極
との間に所定の電圧を印加するようになっている。そし
て、薄膜トランジスタをオンして液晶層30に電圧を印
加すると液晶層30は入射光の振動方向にねじれを与え
ない。一方、薄膜トランジスタをオフして液晶層30に
電圧を印加しないと液晶層30は入射光の振動方向に所
定のねじれを与えるようになっている。
【0075】また、第二基板20の下部には水平偏光板
60が設けられている。水平偏光板60は、バックライ
ト40側から入射する光のうち水平方向に振動する光だ
けを透過する。この例では、電圧が印加されている状態
の液晶層30によって水平方向に振動する光が第一基板
10(カラーフィルタ14)側に透過され、一方、電圧
が印加されていない状態の液晶層30によっては、振動
方向が水平方向から所定のねじれを持った光が第一基板
10側に透過される。
【0076】一方、第一基板10の観察者側に配置され
た偏光板50は、振動方向が水平方向から所定のねじれ
を持った光のみを観察者側に透過する。したがって、液
晶層30に電圧が印加されて以内状態では光が透過する
一方、液晶層30に電圧が印加されている状態では光が
透過しない。以上のように構成することにより、フレキ
シブルな液晶表示装置100において、画素ごとに輝度
を調整することができる。
【0077】以上、現時点において、もっとも、実践的
であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して
本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示さ
れた実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲お
よび明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に
反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を
伴う基板、及びカラーフィルタもまた本発明の技術的範
囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0078】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明における
第一態様である熱処理基板の製造方法によれば、プラス
チック基板は熱処理により、熱履歴を受けて、その後の
加熱−冷却のサイクルを繰り返しても、同一サイズを基
準に膨張、収縮を繰り返す。また、一面側に形成された
透明セラミック層のアンカリング効果により、強度的裏
打ちがなされるので、より一層の寸法安定性と形状安定
性をはかることができる。
【0079】また、本発明における第二態様である基板
の製造方法によれば、事前に基板の熱処理が行われるの
で、その後に焼成が行われても、焼成の前後において基
板の寸法に大きな変化が生じることがない。したがっ
て、正確なパターン形成を行うことが可能である。
【0080】本発明における第三態様であるカラーフィ
ルタの製造方法によれば、事前に透明プラスチックの熱
処理を行っているので、その後にブラックマトリクス、
「R」、「G」、「B」各色の画素部の焼成を行って
も、焼成後冷却されたときのパターンが露光時の位置か
らずれることがない。このため露光と焼成を繰り返して
も正確な位置に各パターンを形成することができる。
【0081】本発明の第四態様の熱処理基板によれば、
プラスチック基板は熱処理により、熱履歴を受けて、そ
の後の加熱−冷却のサイクルを繰り返しても、同一サイ
ズを基準に膨張、収縮を繰り返す。また、一面側に形成
された透明セラミック層のアンカリング効果により、強
度的裏打ちがなされるので、より一層の寸法安定性と形
状安定性をはかることができる。
【0082】本発明の第五態様のカラーフィルタによれ
ば、プラスチック基板が熱処理により、熱履歴を受け
て、その後の加熱−冷却のサイクルを繰り返し受けて
も、同一サイズを基準に膨張、収縮を繰り返す。また、
一面側に形成された透明セラミック層のアンカリング効
果により、強度的裏打ちがなされるので、より一層の寸
法安定性と形状安定性がはかられる。したがって、ブラ
ックマトリクス及び「R」、「G」、「B」各画素の露
光によるパターン形成と、焼成とを繰り返し行っても、
二回目以降の露光時にパターンの位置がずれてしまうよ
うな事態が起きることが回避される。
【0083】本発明の第六態様の表示装置、または本発
明の第七態様の表示装置によれば、上記諸態様のカラー
フィルタの利点を表示装置に生かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理基板によるカラーフィルタの形成を示す
図である。
【図2】熱処理における炉中での基板の載置を示す図で
ある。
【図3】基板上に表示されたアライメントマークを示す
図である。
【図4】着色感材によるフォトリソ工程を示すフローチ
ャートである。
【図5】着色感材法によりカラーフィルタを形成する工
程を示す図である。
【図6】熱処理温度の適温範囲を検討するための図であ
る。
【図7】熱処理基板を用いた液晶表示装置の構成を示す
図である。
【符号の説明】
1 透明プラスチックフィルム(PES) 2 透明セラミック層(ITO) 4 カラーフィルタ 100 表示装置(液晶表示装置)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 2H048 BA03 BA42 BB02 BB15 BB42 2H090 JB03 JD15 JD17 JD19 LA15 2H091 FA02X FA02Y FA02Z GA01 LA04 4F006 AA40 AB74 BA00 CA05 DA01

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明プラスチックフィルムの一面側に透
    明セラミック層を設けて基板を形成した後、前記基板の
    熱処理を行う熱処理基板の製造方法であって、前記熱処
    理の温度をTa℃、前記透明プラスチックフィルム材料
    のガラス転移温度をTg℃としたとき、前記熱処理の温
    度Ta℃は、 Ta<Tg の範囲にて行われることを特徴とする熱処理基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理の温度Ta℃は、前記透明プ
    ラスチックフィルム材料の耐熱温度をTd℃としたと
    き、 Ta<Td の範囲にて行われることを特徴とする請求項1に記載の
    熱処理基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記透明プラスチックフィルムの材料は
    PESであり、前記熱処理の温度は160〜185℃で
    あることを特徴とする請求項1に記載された熱処理基板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 透明プラスチックフィルムの一面側に透
    明セラミック層を設けて基板を形成する工程と、 前記基板に熱処理を行い、熱処理基板を生成する工程
    と、 前記透明セラミック層が形成された面とは反対側の、前
    記熱処理基板の他の一面に、パターン部の形成を行う工
    程と、 備えたことを特徴とするパターン形成基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記透明プラスチックフィルム材料のガ
    ラス転移温度をTg℃、前記熱処理の温度をTa℃、前
    記焼成可能最低温度をTb℃としたとき、 Tb<Ta<Tg なる関係のもとに前記熱処理が行われることを特徴とす
    る請求項4に記載の基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記透明プラスチックフィルム材料の耐
    熱温度をTd℃、前記熱処理の温度をTa℃、前記焼成
    可能最低温度をTb℃としたとき、 Tb<Ta<Td なる関係のもとに前記熱処理が行われることを特徴とす
    る請求項4又は5のいずれかに記載の基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記透明プラスチックフィルムの材料は
    PESであり、前記熱処理の温度は160〜185℃で
    あることを特徴とする請求項4に記載の基板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 透明プラスチックフィルムの一面側に透
    明セラミック層を設けて基板を形成する工程と、 前記基板に熱処理を行い、熱処理基板を生成する工程
    と、 前記透明セラミック層が形成された面とは反対側の、前
    記熱処理基板の他の一面にブラックマトリクスを形成す
    る工程と、 前記ブラックマトリクスの間に「R」、「G」、「B」
    のいずれかのエリアをパターン形成した後焼成する工程
    を、前記「R」、「G」、「B」の各色について繰り返
    す工程と、 を備えたことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記透明プラスチックフィルム材料のガ
    ラス転移温度をTg℃、前記熱処理の温度をTa℃、前
    記焼成可能最低温度をTb℃としたとき、 Tb<Ta<Tg なる関係のもとに前記熱処理が行われることを特徴とす
    る請求項8に記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記透明プラスチックフィルム材料の
    耐熱温度をTd℃、前記熱処理の温度をTa℃、前記焼
    成可能最低温度をTb℃としたとき、 Tb<Ta<Td なる関係のもとに前記熱処理が行われることを特徴とす
    る請求項8又は9のいずれかに記載のカラーフィルタの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記透明プラスチックフィルムの材料
    はPESであり、前記熱処理の温度は160〜185℃
    であることを特徴とする請求項8に記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  12. 【請求項12】 透明プラスチックフィルムの一面側に
    透明セラミック層を備えた基板を熱処理してなる熱処理
    基板であって、前記透明セラミック層が形成された面と
    は反対側の、他の一面には、焼成が行われたパターン部
    が形成されていることを特徴とする熱処理基板。
  13. 【請求項13】 前記透明セラミック層は、ITO、S
    nO、In、SiO、TiO、Al
    C(ダイアモンド)のうちのいずれか一、又は複数を組
    み合わせて構成されることを特徴とする請求項12に記
    載の熱処理基板。
  14. 【請求項14】 前記透明プラスチックフィルムの材料
    はPESであることを特徴とする請求項12または13
    のいずれかに記載された熱処理基板。
  15. 【請求項15】 請求項12〜14のいずれかの熱処理
    基板の前記パターン部として、ブラックマトリクス並び
    に焼成された「R」、「G」、及び「B」色の画素パタ
    ーン部が、前記ブラックマトリクスの間に順に繰り返し
    て配置されるように形成されていることを特徴とするカ
    ラーフィルタ。
  16. 【請求項16】 一面側に請求項15に記載されたカラ
    ーフィルタを備えるとともに、他の一面側には基板を備
    え、前記カラーフィルタと、前記基板との間に電気光学
    素子を挟持してなる表示装置。
  17. 【請求項17】 一面側に請求項15に記載されたカラ
    ーフィルタを備えるとともに、他の一面側には駆動回路
    基板を備え、前記カラーフィルタと、前記駆動回路基板
    との間に液晶層を挟持してなる表示装置。
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