JP2003286626A - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

Info

Publication number
JP2003286626A
JP2003286626A JP2002085132A JP2002085132A JP2003286626A JP 2003286626 A JP2003286626 A JP 2003286626A JP 2002085132 A JP2002085132 A JP 2002085132A JP 2002085132 A JP2002085132 A JP 2002085132A JP 2003286626 A JP2003286626 A JP 2003286626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
bag
air bag
occupant
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002085132A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Shikanuma
忠雄 鹿沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Plast Co Ltd
Original Assignee
Nihon Plast Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Plast Co Ltd filed Critical Nihon Plast Co Ltd
Priority to JP2002085132A priority Critical patent/JP2003286626A/ja
Publication of JP2003286626A publication Critical patent/JP2003286626A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 座席前方に配置され、乗員の脚部を保護する
極めて堅 牢で、コンパクトに収納できるエアバッグの
提供。 【解決手段】 二枚の本体基布を袋状に接合して形成さ
れた乗員の脚部 を保護するエアバッグであって、エア
バッグの外周がほぼ四辺形に袋織により接合されてお
り、該袋織物が950デシテックス以下の糸を使用し、
本体基布のカバーファクターが1700以上であり、好
ましくはエアバッグの膨張部が外周を構成する四辺のう
ち少なくとも一辺にほぼ平行に設けた接結帯により形成
される複数の中空部から成り、少なくとも片面に気密性
を付与する被覆材が施されている、乗員の膝部もしくは
足首を保護することを特徴とするエアバッグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の衝突時、
乗員を保護するためのエアバッグに係り、例えば、座席
前方に配置され、乗員の膝、足首などの下半身、脚部を
保護する極めて堅牢なエアバッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、乗員保護用安全装置としてエアバ
ッグシステムが普及してきており、運転席用から助手席
用、側突保護用、後部座席用と装着部位も増えてきてい
る。特に、前面衝突時の衝撃から乗員を保護するエアバ
ッグ、即ち前席用エアバッグ(運転席用、助手席用)
は、大半の乗用車に標準装備されるほど普及している。
これら前席用バッグは、車の衝突時に乗員の上半身、例
えば、頭部、顔面、胸部などと当接して衝撃を吸収緩和
して乗員を安全に保護する。
【0003】一方、乗員の下半身、例えば膝、足首、な
どの脚部を保護するものとして、従来は、ダッシュボー
ドやインストルメントパネルの下部に、脚部が当接して
も衝撃を吸収するニーボルスターやニーパネルなどの衝
撃吸収板、あるいはペダル類の周囲に設けられた衝撃吸
収材が取り付けられている。しかし、これらの衝撃吸収
体類は他の部位に用いられているエアバッグと比較する
と剛性が高く、乗員への衝撃は吸収するものの、乗員の
保護という点では必ずしも満足できるとは言い難かっ
た。
【0004】そこで、乗員の上半身を保護するエアバッ
グと同様に、下半身脚部、特に膝部や足首の保護にもエ
アバッグも用いて、更に乗員保護性能を高めようとする
試みもなされている。例えば、特開2000−2114
58号公報には、裏面同士を互いに接触させて重ね合わ
せた二枚の基布の周縁部を縫い合わせ、且つ、前記基布
の周縁部に複数の部分重ね縫いを形成したバッグが開示
されている。また、特開2000−289562号公報
には、乗員足部を載せる車室フロア部に配設され、足部
踏面とフロア部との間に膨張展開し、縫合、接着などに
より密着され袋状にしたエアバッグで、踵に当接する部
位の膨張部の厚さが爪先に当接する部位の膨張部の厚さ
より大きくしたフットエアバッグが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、乗員の下
肢、脚部を保護するエアバッグに適した、極めて高い内
圧、衝撃性に耐えることのできる、堅牢なエアバッグを
提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願は、乗員の脚部、特
に膝部が当接した際の圧縮圧力、あるいは足首に加わる
内曲げの力を緩和するための踵部の押上げ圧力など、極
めて高い内圧にも耐える脚部保護用エアバッグを得るた
めの基布について開示するものであり、本発明により従
来の剛性の高いパネルなどに比較して極めて衝撃吸収性
が高く、しかも乗員への損傷も少ない脚部衝撃吸収装置
を合理的に提供することができる。
【0007】すなわち、本発明は、(1)二枚の本体基
布を袋状に接合して形成された乗員の脚部を保護するエ
アバッグであって、エアバッグの外周がほぼ四辺形に袋
織により接合されており、該袋織物が950デシテック
ス以下の糸を使用し、本体基布のカバーファクターが1
700以上であることを特徴とするエアバッグ、(2)
エアバッグの膨張部が、エアバッグの外周を構成する四
辺のうち少なくとも一辺にほぼ平行に設けた袋織の接結
帯により形成される複数の中空部から成ることを特徴と
する前記(1)記載のエアバッグ、(3)エアバッグの
少なくとも片面に気密性を付与するための被覆材が施さ
れていることを特徴とする前記(1)または(2)記載
のエアバッグ、(4)エアバッグが乗員の膝部を保護す
るニーバッグであることを特徴とする前記(1)〜
(3)記載のエアバッグ、(5)エアバッグが乗員の足
首を保護するフットバッグであることを特徴とする前記
(1)〜(3)記載のエアバッグ、に関する。
【0008】本発明のエアバッグは、外周がほぼ四辺形
に袋織により接合されたものである。乗員の下半身を保
護するエアバッグは、上半身を保護するために搭載され
た前部座席用バッグや側部用バッグ、後部座席用バッグ
などに比較して容量、形状が小さいものであり、一枚の
基布を裁断して縫製する従来の方法に比較して、外周を
袋織により形成することにより、極めて簡便に袋体を得
ることが出来る。また、外周をほぼ四辺形とすることに
より、円形バッグや窓部に展開するカーテンバッグなど
の複雑な形状のバッグに使用するジャカ−ド織機を用い
ることなく、簡易な装備であるドビー織機によってもエ
アバッグが得られる。外周をほぼ四辺形に袋織で形成し
たエアバッグの膨張部は、接合部を設けなくても良い
が、接合部を設ける場合は、袋織以外の接合法、すなわ
ち、縫製、接着、溶着などの方法により接合し膨張部を
複数の中空部に分割してもよい。ここでいう四辺形と
は、外周がほぼ四辺の直線で構成された形状をいうが、
部分的に曲率の大きな曲線を含んでもよく、隣り合う二
辺の交点である角部の角度は、鋭角、直角、鈍角などい
ずれでも良い。また四辺は相互に平行であっても、平行
でなくてもいずれでも良く、四辺の長さも、等しくて
も、等しくなくてもいずれでも良い。
【0009】該袋織は、950デシテックス以下の糸を
使用し、本体基布のカバーファクターが1700以上で
あることが肝要である。本発明では、950デシテック
ス以下、好ましくは235〜950デシテックス、さら
に好ましくは350〜950デシテックスの太さの糸を
使用することで、堅牢でコンパクトなエアバッグを得る
ことができる。950デシテックスを超える太さの糸を
用いると堅牢ではあるが、折り畳んだバッグの嵩が大き
くなるだけでなく、バッグ重量も大きくなる。また、糸
の強度については、7.0〜9.5cN/dtexの糸を用い
るのが好ましい。
【0010】また、本体基布のカバーファクターCFは
1700以上、好ましくは1800〜2600、さらに
好ましくは1900〜2600であることが必要であ
る。カバーファクターが1700未満の場合は堅牢なエ
アバッグが得られにくい。ここで、カバーファクターは
経糸および緯糸の太さ(デシテックス)と経糸および緯
糸の織物密度(本/吋)との積で求められる織物構造の
粗密をあらわすパラメーターで、下式にて表される。 CF=√Dw×Nw+√Df×Nf ここで、Dw およびDfは、経糸および緯糸の太さ
(d tex) NwおよびNfは、経糸および緯糸の織物密度(本/
吋) 本発明ではエアバッグの膨張部を、エアバッグの外周を
構成する四辺のうち少なくとも一辺にほぼ平行に設けた
袋織の接結帯により形成させた複数の中空部から形作っ
てもよい。すなわち、エアバッグの外周部と膨張する中
空部をいずれも袋織の接結帯により形成させることによ
り、製織工程だけでほぼ完成したエアバッグを得ること
ができる。
【0011】本発明の好ましい態様として、エアバッグ
本体を構成する袋織物の少なくとも片面に気密性を付与
するための被覆材を施しても良い。被覆材を施すことに
よりエアバッグのガス漏洩性を低減することができ、長
時間に亘りクッション性を保持することができる。本発
明のエアバッグは、乗員の膝部を保護するニーバッグに
用いてもよく、乗員の足首を保護するフットバッグとし
て用いてもよい。
【0012】本発明のエアバッグ本体は袋織により形成
される。袋織は、ジャカード装置、ドビー装置を備えた
織機により製織されるが、これらの装置は、通常用いら
れている、例えば電子式ジャカード、機械式ジャカー
ド、クランクドビー、積極ドビー、消極カムドビー、高
速消極カムドビー、ロータリー式ドビーなどの中から選
定すればよい。また、織機も例えば、シャトル織機、ウ
ォータージェット織機(WJL)、エアージェット織機
(AJL)、レピア織機、プロジェクタイル織機などか
ら選べばよい。本体基布織物の組織も、平織、斜子織
(バスケット織)、綾織、格子織(リップ・ストップ
織)、あるいはこれらの複合組織など、いずれでもよ
い。また、袋織物の外周および中空部を形成する内部の
接結部の織組織は、平織でもよいが、畝織、斜子織など
の粗い組織を接結部に隣接する部分に使用し、その外側
に平織を併用しても良い。さらに、本体基布2枚を構成
する主たる糸条(第1、第2)とは別の、第3あるいは
第4の糸条を用いて、本体基布の膨張時に応力が掛かり
やすい部分、例えば外周の角部周辺やインフレーター取
付け口周囲を補強したり、膨張部の間隔を制御するため
に膨張部を構成する本体基布を相互に連結して吊紐の代
替としてもよい。
【0013】気密性を向上させるために用いる被覆材と
しては、力学的な補強、耐熱性、気密性などを付与する
ために通常エアバッグに用いられているもの、例えば、
シリコーン樹脂またはシリコーンゴム、ポリウレタン樹
脂またはポリウレタンゴム(シリコーン変性、フッ素変
性を含む)、クロロプレンゴムやハイパロンゴムなどの
含塩素系ゴム、フッ素系ゴム、および塩素系、ポリエス
テル、ポリアミド、などの樹脂を片面または両面に施し
たものを用いてもよい。樹脂またはゴムは溶剤型、無溶
剤型、水分散型、水溶性型、などいずれのタイプを用い
ても良い。
【0014】これらの被覆材の付与方法は、1)コーテ
ィング法(ナイフ、キス、リバース、コンマなど)、
2)浸漬法、3)印捺法(スクリーン、ロール、ロータ
リーなど)、4)ラミネート法、などの加工法によれば
よく、被覆材の性状は、溶剤系、エマルジョン系、水溶
液系、微粉末系、フィルム状またはシート状など、いず
れでも良い。また、付与量は、例えばm当り20〜1
00g、または厚み15〜120μmの範囲から選定す
れば良い。また、被覆材には、加工性、接着性、表面特
性あるいは耐久性などを改良するために通常使用される
各種の添加剤、例えば、架橋剤、反応促進剤、反応遅延
剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止
剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油
剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可
塑剤、などの一種または二種以上を選択、混合を使用し
てもよい。被覆材は、本体基布の少なくとも一方の表
面、基布の間隙部あるいは繊維糸条の間隙など、いずれ
に介在させてもよい。
【0015】また、被覆材には基布との密着性を向上す
るための各種前処理剤、接着向上剤などを添加してもよ
いし、予め基布表面にプライマー処理などの前処理を施
してもよい。更に、該エラストマーに耐熱性、老化防止
性、耐酸化性などを付与するため、エラストマーを織物
に付与した後、乾燥、架橋、加硫などを熱風処理、接触
熱処理、高エネルギー処理(高周波、電子線、紫外線)
などによっても良い。
【0016】本発明で、袋体の外周部以外の接合には、
袋織以外の手段、縫合、接着、溶着などを用いてもよい
が、例えば縫合による接合の場合、縫仕様は、本縫い、
二重環縫いなど通常のエアバッグに適用されている縫い
目により行えば良い。また、縫い糸の太さは630d
(20番相当)〜2520d(0番相当)、運針数は2
〜10針/cmとすれば良い。複数列の縫い目線が必要
な場合は、縫い目間の距離は2〜8mm程度として、多
針型のミシンを用いれば良いが、1本針ミシンで複数回
縫合しても良い。また、場合によっては縫い目からのガ
ス抜けを防ぐため、接着剤、シール剤などを、縫い目の
上および/または下、縫い目の間、縫い代部などに塗
布、積層しても良い。
【0017】縫合に使用する縫糸は、一般に化合繊縫糸
と呼ばれるものや工業用縫糸として使用されているもの
の中から適宜選定すればよく、例えば、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン46、ポリエステル、ビニロン、
アラミド、カーボン、ガラスなどがあり、紡績糸、フィ
ラメント合撚糸、フィラメント樹脂加工糸のいずれでも
よい。
【0018】また、本発明ではインフレーター取付け用
の開口部は、袋織によりバッグ本体を製造した後、裁
断、溶断などにより開口してもよく、予め開口部に相当
する部分の織物組織を極めて粗にして糸を破断するか、
全く糸を組織させないで当該部の糸を四方に分けて開口
部を作成すればよい。
【0019】さらに使用するインフレーター特性によっ
ては、インフレーターからの熱ガスから保護する為の耐
熱保護布や力学的な補強布を設けても良い。これらの保
護布や補強布は、布自体が耐熱性の材料、例えば全芳香
族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイ
ミド繊維、含フッ素系繊維などの耐熱性繊維材料を用い
ても良いし、バッグ本体と同じか別途作成した本体基布
より太い糸を用いた織物に耐熱性被覆材を被覆した材料
を用いても良いし、被覆材を施さずに用いても良い。
【0020】また、本発明の本体基布を構成する繊維糸
条は特に限定するものではなく、例えば、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロ
ン612などの単独またはこれらの共重合、混合により
得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロ
ン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の
共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、
ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独または
これらの共重合、混合により得られるポリエステル繊
維、パラフェニレンテレフタルアミド、およびこれと芳
香族エーテルとの共重合物などに代表されるアラミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、ビニロン繊維、超高分
子量ポリエチレン系繊維、ポリテトラフルオロエチレン
を含むフッ素系繊維、ポリサルフォン繊維、ポリフェニ
レンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)系繊維、ポリイミド(PI)繊
維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、高強力レーヨ
ンを含むセルロース系繊維、アクリル系繊維、炭素繊
維、ガラス繊維、シリコーンカーバイド(SiC)繊
維、アルミナ繊維、などから適宜選定すればよく、場合
によっては、スチールに代表される金属繊維などの無機
繊維を含んでもよい。これらの繊維糸条には紡糸性や加
工性、材質の耐久性を改善するために通常使用されてい
る各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐
光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水
剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難
燃剤、可塑剤などの一種または二種以上を使用してもよ
い。また、場合によっては、加撚、嵩高加工、捲縮加
工、捲回加工などの加工を施してもよい。さらに糸条の
形態は、長繊維のフィラメント、短繊維の紡績糸、これ
らの複合糸など、特に限定するものでない。
【0021】本発明になるエアバッグの仕様は、設置適
用される部位の構造や、乗員とのスペースなどに応じて
選定すればよく、展開時の外周形状はほぼ四辺形である
が、例えば、枕型、ボックス型、菱形、台形など四辺で
構成されたもの以外に、角部が必ずしも鋭角ではない場
合も含むものとする。バッグ容量も、収納スペース、乗
員衝撃の吸収性能、インフレーターの出力などに応じて
適宜選定すればよく、例えば2〜20リットルの範囲と
すればよい。
【0022】インフレーターは、インフレーターおよび
取付け板の形状に従い、円形、楕円形、長円形、矩形、
多角形などに開口した取付け口に固定するが、取付け口
には補強のため、本体基布と同じ太さの糸から構成され
た基布あるいは本体基布より細い糸から構成された基布
などの一枚もしくは複数枚を縫着などにより用いても良
い。これらの基布には場合によっては、シリコーン樹脂
・ゴム、ウレタン樹脂・ゴム、などの耐熱性材料を被覆
してもよい。また、バッグに乗員の膝部あるいは足首が
当接した際のエネルギー吸収のため、一個または複数の
排気穴、例えばφ5mm〜φ25mmの円形またはそれ
に相当する面積の穴を設けても良く、排気穴の周囲に
は、補強布を接合してもよい。さらに、バッグの膨張時
厚みを制御するために内部に吊り紐、調整布などを設け
ても良い。
【0023】バッグを収納する際の折畳み法も、ロール
折り、蛇腹折り、屏風状のつづら折り、あるいはこれら
の併用や、運転席バッグのように中心から左右対称の屏
風折り、シート内蔵型サイドバッグのようなアリゲータ
折り、などにより折り畳めば良い。本発明のエアバッグ
は、従来、使用されていた剛性の高い衝撃吸収板に替わ
る袋体として用いられるが、袋体単独を膨張させても良
いし、袋体と衝撃吸収板を連接させ、膨張した袋体が衝
撃吸収体を押し出す構造として用いても良い。
【0024】本発明は、乗員の下半身脚部、特に膝部、
足首などを保護するための堅牢なバッグを得るためのも
のであるが、これらの保護部位以外の用途、例えば、座
席シート内蔵型のサイドバッグ、追突保護用のヘッドレ
ストバッグ、フットバッグ、乳幼児保護用(チャイルド
シート)のミニバッグ、エアーベルト用袋体、など乗用
車、トラック・バス、二輪車などの各用途の他、機能的
に満足するものであれば、船、列車、飛行機、遊園地設
備、など他用途に適用しても良い。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき本願発明を
さらに具体的に説明する。なお、実施例の中でエアバッ
グの性能評価は以下の方法によった。 (1)破裂強度 エアバッグ用破裂試験機(保土ヶ谷技研社製)により破
裂強度を測定した。 (2)収納性 エアバッグの四辺形の長辺に沿って、それぞれの長辺部
を対称に蛇腹状に内側に1回、外側に1回折り曲げ、2
回目の折れ線で両方の曲げ部を合わせ、同様に短辺側を
2回蛇腹状に折り曲げ、2回目の折れ線で両方の曲げ部
を中心線上で合わせた。次いで、荷重1kgを載せた厚
さ1mm、大きさ15cm×15cmの金属板をバッグ
の上に載せ、1分後のバッグ厚さを測定し、実施例1を
100として相対値で表した。
【0026】実施例1 エアバッグ本体基布として、ナイロン66繊維700d
tex/108f(原糸強度8.5cN/dtex)の
糸を用い、ジャカード装置付きのレピア織機により、図
1に示す外周がほぼ矩形(縦20cm、横30cm)
で、織密度が経43.5本/吋、緯44本の平織の袋織
物を作成した。外周部の接合部の幅は2cm、四ヶ所の
角部は半径6cmの円形、バッグの膨張部に設けた接結
帯(二ヶ所)は縦6cm、横2cm、とした。この織物
を、精錬、熱セットし、次いで、付加型の熱硬化性シリ
コーン樹脂を80g/m(固型分換算)で塗布し、1
20℃で乾燥、160℃で熱処理を施した。塗布後の織
物密度は、経、緯いずれも45本/吋であった。このコ
ーティング織物から袋体を外周接合部に沿って裁断する
とともに、袋体の一方の本体基布の中央部に直径6cm
の円形の開口部、ならびにこの開口部の上部に直径2c
mの排気孔を1個設けた。上記ジャカード織機にて袋体
の外側で併行して織った平織布から内径6cm、外径1
2cmのドーナツ形状布1枚を裁断し、裁断片を中央の
開口部の上にシリコーン樹脂面同士を重ねて、常温硬化
性のシリコーン接着剤で接着、固定した。得られたエア
バッグの特性を評価した。破裂強度は高く、折り畳み性
も問題がなかった。
【0027】実施例2 本体基布として470dtex/72f(原糸強度8.
5cN/dtex)の糸からなる、経、緯の織密度がい
ずれも51本/吋である袋織物とした以外は、実施例1
に準じてエアバッグを作成した。得られたエアバッグの
特性を評価した。表1に示すように、破裂強度は若干低
いものの、折り畳み性は極めて良好であった。
【0028】比較例1 本体基布として1400dtex/210f(原糸強度
8.0cN/dtex)糸から成る、経、緯の織密度が
いずれも20本/吋である袋織物を用いた以外は、実施
例1に準じてエアバッグを作成した。得られたエアバッ
グの破裂強度は高いが、折り畳み性が劣り、本発明の脚
部保護用エアバッグとしては満足するものではない。
【0029】
【表1】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、展
開時の衝撃や乗員の脚部が当接した際の高いバッグ内圧
に耐え、コンパクトに収納できる脚部保護用エアバッグ
を得ることができる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグを前方から見た展開前の説
明図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】本発明の別の実施例のエアバッグを前方から見
た展開前の説明図。
【図4】本発明のさらに別の実施例のエアバッグを前方
から見た展開前の説明図。
【図5】本発明のさらに別の実施例のエアバッグを前方
から見た展開前の説明図。
【符号の説明】
1,21、31、41 エアバッ
グ本体の袋織物 2、22、32、42 エアバッ
グの中空部 3,23,33,43 外周接合
部 4a,4b;24a,24b;34a,34b;44
a,44b 接結帯 5、6 本体基布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA02 AA03 AA06 AA07 AA08 AA25 CC04 CC15 CC26 CC27 CC35 CC36 CC45 4L033 AA07 AA08 AB05 AC15 CA14 CA18 CA45 CA50 CA55 CA59 CA68 4L048 AA20 AA21 AA34 AA48 AA49 AB11 AC09 AC10 BA13 CA01 CA02 CA11 CA15 DA25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚の本体基布を袋状に接合して形成さ
    れたエアバッグであって、エアバッグの外周がほぼ四辺
    形に袋織により接合されており、該袋織物が950デシ
    テックス以下の糸を使用し、本体基布のカバーファクタ
    ーが1700以上であることを特徴とするエアバッグ。
  2. 【請求項2】 エアバッグの膨張部が、エアバッグの外
    周を構成する四辺のうち少なくとも一辺にほぼ平行に設
    けた袋織の接結帯により形成される複数の中空部から成
    ることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 【請求項3】 エアバッグの少なくとも片面に気密性を
    付与するための被覆材が施されていることを特徴とする
    請求項1または2に記載のエアバッグ。
  4. 【請求項4】 エアバッグが乗員の膝部を保護するニー
    バッグであることを特徴とする請求項1〜3に記載のエ
    アバッグ。
  5. 【請求項5】 エアバッグが乗員の足首を保護するフッ
    トバッグであることを特徴とする請求項1〜3に記載の
    エアバッグ。
JP2002085132A 2002-03-26 2002-03-26 エアバッグ Pending JP2003286626A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002085132A JP2003286626A (ja) 2002-03-26 2002-03-26 エアバッグ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002085132A JP2003286626A (ja) 2002-03-26 2002-03-26 エアバッグ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003286626A true JP2003286626A (ja) 2003-10-10

Family

ID=29232197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002085132A Pending JP2003286626A (ja) 2002-03-26 2002-03-26 エアバッグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003286626A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006044480A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Hino Motors Ltd エアバッグ装置
US7744117B2 (en) 2006-11-07 2010-06-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Knee airbag device for vehicle
JP2011508828A (ja) * 2007-12-28 2011-03-17 コーロン インダストリーズ インク 膨張性織物及びエアバッグ
JP2016137769A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 株式会社東海理化電機製作所 エアベルト装置
JP2018016163A (ja) * 2016-07-27 2018-02-01 日本プラスト株式会社 エアバッグ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006044480A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Hino Motors Ltd エアバッグ装置
US7744117B2 (en) 2006-11-07 2010-06-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Knee airbag device for vehicle
JP2011508828A (ja) * 2007-12-28 2011-03-17 コーロン インダストリーズ インク 膨張性織物及びエアバッグ
JP2016137769A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 株式会社東海理化電機製作所 エアベルト装置
JP2018016163A (ja) * 2016-07-27 2018-02-01 日本プラスト株式会社 エアバッグ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2181917C (en) Air bag
JP2004082762A (ja) エアバッグ
JP2010203023A (ja) エアバッグ用織物およびエアバッグ
JP2009167551A (ja) エアバッグ用織物
JP7284704B2 (ja) ノンコートエアバッグ用織物およびエアバッグ
JP2003286626A (ja) エアバッグ
JP5060387B2 (ja) エアバッグ用縫い糸およびそれを用いたエアバッグ
JP2011225139A (ja) 乗員保護用エアバッグおよびその製造方法
WO2018164106A1 (ja) 袋織基布
JP2003025946A (ja) 側部用エアバッグ
JP2007320511A (ja) エアバッグ
JP2009227017A (ja) エアバッグおよびその製造方法
JP2006027373A (ja) エアバッグ
JP2005138704A (ja) エアバッグ
JP2008255532A (ja) エアバッグ用基布
JP4444092B2 (ja) エアバッグ
JP2006062590A (ja) エアバッグ
JP4980858B2 (ja) エアバッグ用織物およびエアバッグ
JP2003048505A (ja) 側部用エアバッグ
JP2002145001A (ja) 側部用エアバッグ
JP2000052902A (ja) エアバッグ
JP2003286625A (ja) 高耐圧エアバッグ
JP3085790B2 (ja) 基布排気式エアバッグ
JP4604359B2 (ja) エアバッグ基布およびエアバッグ
JP2967134B2 (ja) エアバッグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090121