JP2003282135A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2003282135A
JP2003282135A JP2002084363A JP2002084363A JP2003282135A JP 2003282135 A JP2003282135 A JP 2003282135A JP 2002084363 A JP2002084363 A JP 2002084363A JP 2002084363 A JP2002084363 A JP 2002084363A JP 2003282135 A JP2003282135 A JP 2003282135A
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wall
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cell system
porous
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Susumu Aikawa
進 相川
Hisato Haraga
久人 原賀
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空室を構成する部材の肉厚を厚くすること
なく強度を備えた真空断熱構造を実現し、さらには容易
に燃料電池の温度分布に対応できる真空断熱構造を備え
た燃料電池システムを提供する。 【解決手段】 複数の燃料電池セルを接続してなる燃料
電池システムにおいて、燃料電池本体の外側に設けた第
一壁と、該第一壁の外側に設けた第二壁と、前記第一壁
と前記第二壁とで挟まれた空間に配設された多孔質部材
と、を有し、該空間が気密となるように気密空間を形成
し、該気密空間を真空とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池システムに
関し、さらに詳細には燃料電池システムの断熱構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池には、固体酸化物形燃料電池、
溶融炭酸塩形燃料電池、リン酸形燃料電池および固体高
分子形燃料電池等の種類があり、それぞれの運転温度は
この順に、約800℃〜1000℃、約650℃、約2
50℃および約80℃となっている。固体酸化物形燃料
電池および溶融炭酸塩形燃料電池を高温型燃料電池、リ
ン酸形燃料電池および固体高分子形燃料電池を低温型燃
料電池と言うこともある。
【0003】燃料電池を構成する燃料電池セルは、基本
的に電解質に対向するように空気極と燃料極が構成され
ており、空気極側に酸化剤ガスとして一般的に空気が供
給され、燃料極側に燃料ガスとして水素ガスあるいは水
素リッチガスが一般的に供給されることにより、電気化
学反応が起こり電力と熱を発生する。燃料電池の種類に
より上記の最適な運転温度があり、この運転温度を維持
しなければ所定の発電反応が行われず発電効率を低下さ
せることになる。
【0004】図7に従来の燃料電池システムの断熱構造
を例示するが、燃料電池システムの運転温度を維持する
ために、燃料電池本体1の外面に断熱材層100を設け
て、放熱ロスを低減する方法が取られている。燃料電池
本体1の運転温度とその設置環境の外気温度の関係など
から断熱材層100を構成する断熱材の選定と厚さの選
定がなされる。
【0005】しかしながら、運転温度が高温になればな
るほど断熱材層100が厚くなり、燃料電池システムの
占める容積を増大させる。また、断熱材層100が厚く
なることにより、燃料電池システムの表面積が増大し、
これにより放熱面積が増大し、放熱ロスを増加させると
いうことも引き起こしていた。この傾向は高温型燃料電
池において顕著であり、さらに燃料電池の規模が小さい
場合に顕著であった。
【0006】そこで、例えば特開2001−22994
9公報では、燃料電池本体の外部を真空断熱構造で包囲
することが提案されている。さらに同公報では、真空断
熱構造を複数の真空室に分割して、燃料電池の温度分布
に対応して真空室の真空度を調整することも提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の提案
では真空断熱構造の真空室を構成する各部材に大気圧と
真空との差圧に相当する約1kgf/cm2の圧力がか
かるため、各部材の肉厚を厚くして強度を保たなければ
ならなかった。そのため各部材の重量が増加して燃料電
池システム全体の重量を増加させるとともに、使用材料
の重量増加によるコスト増加につながるという問題を抱
えていた。さらに、複数の真空室ごとに真空度を調整す
るためには、真空室の数だけの真空度調整手段が必要と
なる。一般に真空度を調整するためには真空ポンプ等が
必要であるためシステムの複雑さを招くとともに、更な
るコスト増加の要因となっていた。
【0008】本発明は、これら従来技術の問題点を解決
するためになされたものであって、真空室を構成する部
材の肉厚を厚くすることなく、必要な強度を備えた真空
断熱構造を実現して、軽量で安価な燃料電池システムを
提供することを目的とする。さらに複雑な真空度調整手
段を必要とせず、燃料電池の温度分布に対応できる真空
断熱構造を備えた燃料電池システムを提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明では、複数の燃料電池セルを接続してな
る燃料電池システムにおいて、燃料電池本体の外側に設
けた第一壁と、該第一壁の外側に設けた第二壁と、前記
第一壁と前記第二壁とで挟まれた空間に配設された多孔
質部材と、を有し、該空間が気密となるように気密空間
を形成し、該気密空間を真空としたことを特徴とする燃
料電池システムを提供する。伝熱には,伝導伝熱、対流
伝熱、輻射伝熱の3要素があり、前記気密空間の内部の
伝熱はその中に存在する気体を媒体とした伝導伝熱と対
流伝熱によって行われている。従って前記気密空間を真
空にし、その中の気体による伝導伝熱と対流伝熱を防止
することによって断熱性能を飛躍的に向上させることが
可能であるが、第一壁と第二壁には外部の大気圧と内部
の真空との差圧に相当する圧力がかかるため、その圧力
に耐え得る強度を確保するために肉厚を厚くすることが
必要である。第一壁と第二壁の肉厚が薄く強度が不足す
る場合には、第一壁や第二壁は圧力に耐えきれずにつぶ
れてしまう。本発明は肉厚を厚くすることなく必要な強
度を確保することを目的とするものであって、第一壁と
第二壁に挟まれた気密空間に多孔質部材を配設して、多
孔質部材の強度によって第一壁と第二壁を補強するもの
である。従って本発明によれば、第1壁と第二壁の肉厚
を必要以上に厚くすることなく所要の強度を得ることが
可能となるため、低重量で低コストな経済性に優れる燃
料電池システムを実現することができる。
【0010】第2の発明では、前記多孔質部材が、金属
材料であることを特徴とする燃料電池システムを提供す
る。金属材料は高強度を有する材料であるため、第一壁
と第二壁に挟まれた気密空間に金属材料の多孔質部材を
配設することによって、外圧に耐え得る高強度な断熱構
造を実現することが可能となる。
【0011】第3の発明では、前記多孔質部材が、セラ
ミック系材料であることを特徴とする燃料電池システム
を提供する。セラミック系の多孔質部材は、一般的に断
熱材として使用されており耐熱性と断熱性に優れた材料
である。第一壁と第二壁に挟まれた気密空間に、耐熱性
と断熱性に優れたセラミック系材料の多孔質部材を配設
することによって、さらに耐熱性と断熱性に優れた断熱
構造を実現することが可能となる。
【0012】第4の発明では、前記多孔質部材が、鉱物
系材料であることを特徴とする燃料電池システムを提供
する。天然雲母、合成雲母、雲母、これらを含む複合材
料やガラス質材料などのような鉱物系材料は、耐熱性や
強度に優れた材料である。第一壁と第二壁に挟まれた気
密空間に、鉱物系材料の多孔質部材を配設することによ
って、耐熱性と強度に優れる断熱構造を実現することが
できる。
【0013】第5の発明では、前記多孔質部材が、熱伝
導率の異なる少なくとも2種類以上の多孔質部材の組合
せであって、前記燃料電池本体の高温側に熱伝導率の低
い多孔質部材を配設し、低温側に熱伝導率の高い多孔質
部材を配設したことを特徴とする燃料電池システムを提
供する。第一壁と第二壁に挟まれた気密空間に熱伝導率
の異なる多孔質部材を配設することによって、伝導伝熱
性能を変化させることができる。すなわち燃料電池各部
の温度に応じて、熱伝導率の異なる多孔質部材を配設す
ることによって、断熱性能を容易に調整することが可能
となる。
【0014】第6の発明では、前記多孔質部材が、空隙
率の異なる少なくとも2種類以上の多孔質部材の組合せ
であって、前記燃料電池本体の高温側に空隙率の大きい
多孔質部材を配設し、低温側に空隙率の小さい多孔質部
材を配設したことを特徴とする燃料電池システムを提供
する。多孔質部材の伝導伝熱性能はその空隙率に依存
し、空隙率が小さくなるに従って熱伝導率は大きくな
り、空隙率が大きくなるに従って熱伝導率は小さくな
る。従って、第一壁と第二壁に挟まれた気密空間に配設
される多孔質部材が同一の材質であっても、空隙率の異
なる多孔質部材を配設することによって、断熱性能を容
易に調整することが可能となる。
【0015】第7の発明では、前記多孔質部材がハニカ
ム部材であって、ハニカムの開口方向が前記第一壁と前
記第二壁に略垂直であることを特徴とする燃料電池シス
テムを提供する。ハニカム部材とは、蜂の巣の内部構造
のように、六角形が連続的につながった構造体の一般総
称であるが、本発明では六角形に限らず三角形、四角
形、円形などが連続的につながって構成される構造体も
含めてハニカム部材と言う。ハニカム部材は、その容積
の約90%以上が空間のため軽量であるにもかかわらず
非常に強度が高いという特徴を有する。従って第一壁と
第二壁に挟まれた気密空間に配設する多孔質部材をハニ
カム部材とすることによって軽量で高強度が得られる。
前述のようにハニカムは、多角形や円形の連続構造体の
ため、開口方向に加わる外力に対する強度の方が、開口
方向に直行する方向に加わる外力に対する強度よりも大
きいという特性を持っている。従って、ハニカムの開口
方向が第一壁と第二壁に略垂直であることによって、さ
らに非常に大きな強度を得ることができる。
【0016】第8の発明では、前記気密空間に輻射熱遮
蔽手段を設けたことを特徴とする燃料電池システムを提
供する。アルミニウムや銀などは輻射熱を反射し輻射伝
熱を遮蔽することが知られている。従って前記密閉空間
にアルミニウム箔、銀箔、アルミニウムメッキ箔、銀メ
ッキ箔などを積層することによって、輻射伝熱を防止す
ることができ断熱性能をさらに飛躍的に向上させること
ができる。
【0017】第9の発明では、前記第一壁および/また
は前記第二壁に熱応力緩和手段を設けたことを特徴とす
る燃料電池システムを提供する。燃料電池本体の運転温
度や、第一壁や第二壁の寸法によっては、その熱膨張に
よって熱応力が発生することがある。特に燃料電池本体
の運転温度が高温である場合や、燃料電池本体が大きく
第一壁や第二壁の寸法が大きい場合には熱応力の影響が
大きくなるため、第一壁や第二壁に熱応力緩和手段を設
けることによって熱応力を緩和し、その影響による歪
み、変形あるいは破壊を防止することができる。熱応力
緩和手段としては、熱膨張の方向に対して垂直方向に形
成された波状構造が代表的である。
【0018】第10の発明では、前記燃料電池本体が固
体酸化物形燃料電池であることを特徴とする燃料電池シ
ステムを提供する。前述のように固体酸化物形燃料電池
の運転温度は約800〜1000℃であり、燃料電池の
中では最も高温である。従って、燃料電池システムの断
熱本体の断熱層に真空断熱層を設置することにより断熱
層の厚みの削減効果は非常に大きなものとなり、システ
ムの容積を大幅に削減できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明をよ
り具体的に説明する。図1は、本発明の燃料電池システ
ムの一実施例を略示する図である。燃料電池本体1は、
燃料極と空気極を有する複数の燃料電池セルが接続され
て構成されている。燃料電池には、固体酸化物形燃料電
池、溶融炭酸塩形燃料電池、リン酸形燃料電池および固
体高分子形燃料電池等の種類があるが、いずれのタイ
プ、形態の燃料電池であっても必要な発電容量を得るた
めに必要な数の燃料電池セルを電気的に接続して構成さ
れる。
【0020】燃料電池本体1には、燃料ガスと酸化剤ガ
スが供給され燃料電池本体1の内部で、それぞれの燃料
電池セルの燃料極と空気極に供給されて発電が行われて
いる。燃料ガスは一般的に水素ガスや水素リッチガスで
あり、酸化剤ガスは空気である。燃料電池本体1では、
発電反応が起こり電力と熱を発生する。燃料電池本体1
の外側には、近接して第一壁2が設けられており、さら
にその外側には第二壁3が設けられている。
【0021】第一壁2と第二壁3の距離は概ね10mm
〜100mmの範囲が好適であるが、必ずしもこの範囲
に限ることなく対象となる燃料電池システムの種類や温
度条件などに応じて選択することができる。
【0022】第一壁2、第二壁3の材料としては、金属
材料、セラミック材料などの緻密性の高い材料を使用す
ることができるが、加工性、耐久信頼性および経済性に
優れていることも必要であることから、ステンレス材、
ニッケル材、ニッケル基合金材をはじめとする金属材料
が好適である。
【0023】第一壁2と第二壁3とで挟まれた空間4に
は、多孔質部材5が配設されている。多孔質部材5とし
ては、金属材料、セラミック系材料、鉱物系材料などや
これらの複合材料が使用できる。また多孔質部材5の形
態としては、ハニカム体、発泡体、焼結体、不織布や不
織紙などの積層体やこれらの複合部材が使用できる。多
孔質部材5の材料、形態については、対象となる燃料電
池の種類、温度、運転条件などに応じて選択を行うこと
ができる。
【0024】第一壁2と第二壁3とで挟まれた空間4
は、気密となるように構成されている。燃料ガス供給ラ
インや酸化剤ガス供給ラインの他、排気ガス排出ライン
(図示しない)や電力取り出しケーブル(図示しない)
などのように、第一壁2や第二壁3を貫通する部分は、
気密空間4の気密が損なわれないように溶接、ろう接、
拡散接合、接着、溶着、その他の気密を保ち得る適切な
方法によって接合されている。
【0025】この気密空間4は、真空ポンプなどの減圧
手段を用いて真空状態に保たれている。もしくは、ノズ
ルを設けて減圧した上でノズルを封止して真空を維持す
るような構造としても良い。気密空間4の真空度は、一
般に中真空と言われる10 Torr〜10−7To
rr(0.1Pa〜10μPa)以上の真空度領域が用
いられるが、燃料電池の種類や温度条件などによって適
切な真空度を選択することができる。燃料電池本体1が
低温型燃料電池(固体高分子型燃料電池やリン酸型燃料
電池)の場合には、さらに真空度の低い数Torr〜1
−3Torrの真空度領域でも構わない。逆に高温型
燃料電池(溶融炭酸塩型燃料電池や固体酸化物形燃料電
池)の場合には、10−7Torr以上の高真空領域を
採用することが好ましい。
【0026】このように構成された燃料電池システムに
おいては、燃料電池本体1の周囲は真空断熱構造によっ
て包囲されているため放熱ロスが減少し、燃料電池本体
1に最適な温度を維持し高効率な発電ができることは言
うまでもない。加えて多孔質部材5が配設されているこ
とによって第一壁2と第二壁3を補強することができる
ため、第一壁2と第二壁3の肉厚を薄くすることがで
き、燃料電池システムの重量削減やコスト削減を達成す
ることができる。
【0027】図2は、本発明の燃料電池システムの他の
実施例を略示する図である。燃料電池セル101は、有
底筒状の固体酸化物形燃料電池セルであり、所要の発電
容量に応じた複数本の燃料電池セル101が電気的に接
続されている。それぞれの燃料電池セル101の内側に
は、空気を供給するための細長い空気導入管102が内
挿されており、その下端は燃料電池セル101の底近く
にまで達している。この空気導入管102の下端から、
空気が燃料電池セル101の底に供給される。燃料電池
セル101の底に供給された空気は、発電反応に寄与し
つつ燃料電池セル101の内側を上方に向かい、排空気
として排出される。燃料電池セル101の外側には、下
方から燃料ガス(H2、CO、CH4等)が供給される。
燃料ガスは、発電反応に寄与しつつ燃料電池セル101
の外側を上方に向かう。
【0028】燃料電池セル101や空気導入管102な
どで構成された燃料電池本体1の外側には、近接して第
一壁12が、さらに第一壁12の外側には第二壁13が
形成されている。本実施例では、燃料電池本体1の4つ
の側面、下面および上面にそれぞれ第一壁12、22、
32と第二壁13、23、33が形成された例を示して
いるが、ここでは側面を例にとって以下詳細に説明す
る。固体酸化物形燃料電池の反応温度は約800〜10
00℃であるため、第一壁12はSUS310Sなどの
耐熱性ステンレス材やインコネルやハステロイなどの耐
熱性ニッケル基合金材で形成されている。一方、外側は
常温に近い温度雰囲気のため第二壁13はSUS304
などの汎用ステンレス材で形成されている。金属材料以
外では、緻密質セラミック系材料も使用することができ
る。
【0029】燃料ガスは下方から供給されて上方へ向か
うが、下方では燃料濃度が濃いため活発な発電反応が起
こり、発電に伴って発生する発熱量が多く、燃料電池本
体1の温度は約1000℃の高温となっている。燃料ガ
スは上方に向かうに従って消費され燃料ガス濃度は薄く
なっていくため、発電反応は下方ほど活発ではなく発熱
量が少なく、燃料電池本体1の温度は下方に比べて低い
約800℃の温度となっている。
【0030】第一壁12と第二壁13で挟まれた空間は
気密に構成されている。この気密空間内には、ハニカム
部材14、15が配設されている。下方の高温部に面し
てハニカム部材14が、上方の低温部に面してハニカム
部材15が配設されている。ハニカム部材とは、蜂の巣
の内部構造のように、六角形が連続的につながった構造
体の一般総称であるが、本実施例では六角形に限らず三
角形、四角形、円形などが連続的につながって構成され
る構造体が使用できる。ハニカム部材は、その容積の約
90%以上が空間のため空隙率が大きいにもかかわらず
非常に強度が高いため、第一壁12と第二壁13に挟ま
れた気密空間に配設することすることによって軽量で高
強度を得ることが可能である。さらに、多角形や円形の
開口方向に加わる外力に対する強度の方が、開口方向に
直行する方向に加わる外力に対する強度よりも大きいと
いう特性を持っているため、ハニカム部材の開口方向が
第一壁12と第二壁13に略垂直であることによって、
さらに非常に大きな強度を得ることができる。
【0031】ハニカム部材14、15としては、金属材
料、セラミック材料、鉱物系材料の他、カーボン、プラ
スチックなどの材料やこれらの複合材料が使用でき、工
業的にも様々なハニカム部材が提供されている。ハニカ
ム部材は、多角形や円形の大きさを変更することによっ
て、空隙率を自由に変化させることができる。また、多
角形や円形の構造体の肉厚を変更することによっても空
隙率を自由に変化させることができる。
【0032】第一壁12に接して輻射熱遮蔽手段16が
設けられている。アルミニウムや銀などは輻射熱を反射
し輻射伝熱を遮蔽することが知られている。従って、第
一壁12と第二壁13に挟まれた気密空間内にアルミニ
ウム箔、銀箔、アルミニウムメッキ箔、銀メッキ箔など
の輻射熱を遮蔽する材料の箔材を配設することによっ
て、輻射伝熱を防止することができ断熱性能をさらに飛
躍的に向上させることができる。
【0033】次にこのように構成された燃料電池システ
ムにおいて、燃料電池本体1の温度分布に対応して断熱
性能を調整する手段について説明する。燃料電池本体1
の下方は、前述のように約1000℃となっているため
断熱性能を高めて放熱ロスを低減することが必要であ
る。従って、ハニカム部材14としては、断熱性能の高
い部材、すなわち熱伝導率が小さい部材を使用すること
が好ましい。一般的に、アルミナ、ムライト、コージェ
ライトなどのセラミック系材料や雲母などの鉱物系材料
は熱伝導率が小さいため好ましい。また、多孔質部材の
空隙率が大きく多孔質部材の固体部分に起因する伝導伝
熱が小さい部材を使用しても良い。これは多孔質部材の
熱伝導率と空隙率の関係が、「多孔質部材の熱伝導率=
多孔質部材の固体部分の熱伝導率×(1−空隙率)」で
表されることからも明らかである。一方、燃料電池本体
1の上方は、前述のように約800℃となっているため
断熱性能を低くすることが可能である。従って、多孔質
部材15としては、断熱性能の低い部材、すなわち熱伝
導率が大きい部材を使用することができる。一般的に、
金属材料は熱伝導率が大きいため好ましい。特にステン
レス系の金属材料は加工性や経済性に優れることから好
適である。また、多孔質部材の空隙率が小さく多孔質部
材の固体部分の伝導伝熱が大きい部材を使用しても良
い。
【0034】燃料電池本体1の下面の第一壁22と第二
壁23で挟まれた空間に配設される多孔質部材24や上
面の第一壁32と第二壁33で挟まれた空間に配設され
る多孔質部材35も同様に、内部の温度に応じて適切な
熱伝導率を有する多孔質部材を配設すれば良い。
【0035】これらの説明から明らかなように、熱伝導
率や空隙率の異なる多孔質部材を任意に組合せることに
よって、燃料電池本体1の温度分布に応じて断熱性能を
容易に調整することが可能となる。また、温度分布に応
じて適切な断熱性能や適切なコストの多孔質部材を設定
することができるため、コスト競争力に優れる真空断熱
構造を有する燃料電池システムを実現することができ
る。
【0036】図3は、本発明の燃料電池システムの他の
実施例の詳細図である。燃料電池本体1の外側(図3に
おいては右側)に第一壁2が、その外側に第二壁3が形
成されており、第一壁2と第二壁3で挟まれた空間は気
密に構成され真空に保たれている。この気密空間内に
は、多孔質部材7、8が配設されている。燃料電池本体
1は温度分布を持っており、図3下方の高温部に面して
多孔質部材7が、上方の低温部に面して多孔質部材8が
配設されている。
【0037】高温部に配設される多孔質部材7には断熱
性能の高い多孔質部材(熱伝導率が小さい多孔質部材ま
たは空隙率が大きい多孔質部材)を選定し、低温部に配
設される多孔質部材8には断熱性能の低い多孔質部材
(熱伝導率が大きい多孔質部材または空隙率が小さい多
孔質部材)を選定することによって、燃料電池本体1の
温度分布に対応した好適な断熱構造を構成することがで
きる。
【0038】図4は、本発明の燃料電池システムの他の
実施例の詳細図である。燃料電池本体1の外側(図4に
おいては右側)に第一壁2が、その外側に第二壁3が形
成されており、第一壁2と第二壁3で挟まれた空間は気
密に構成され真空に保たれている。この気密空間内に
は、多孔質部材7、8が配設されている。燃料電池本体
1は温度分布を持っており、図4下方の高温部に面して
多孔質部材7が、上方の低温部に面して多孔質部材8が
配設されているが、多孔質部材7と多孔質部材8は傾斜
的に構成され、高温部から低温部になるに従って多孔質
部材7の容積が減少し、多孔質部材8の容積が増加して
いる。
【0039】高温部に配設される多孔質部材7には断熱
性能の高い部材(熱伝導率が小さい多孔質部材または空
隙率が大きい多孔質部材)を選定し、低温部に配設され
る多孔質部材8には断熱性能の低い多孔質部材(熱伝導
率が大きい多孔質部材または空隙率が小さい多孔質部
材)を選定することによって、燃料電池本体1の温度分
布に対応した好適な断熱構造を構成することができる。
【0040】図5は、本発明の燃料電池システムの他の
実施例の詳細図である。燃料電池本体1の外側(図5に
おいては右側)に第一壁2が、その外側に第二壁3が形
成されており、第一壁2と第二壁3で挟まれた空間は気
密に構成され真空に保たれている。この気密空間内に
は、多孔質部材7、8が配設されている。内側の第一壁
2に面する温度が高い部位には多孔質部材7が、その外
側の温度が低い部位には多孔質部材8が配設されてい
る。燃料電池本体1が高温型燃料電池の場合、多孔質部
材7には断熱性能に優れかつ耐熱性に優れる高級材料が
必要とされるが、一般にこのような高級材料は高価であ
る。従って、外側の温度が低い部位の多孔質部材8には
断熱性能が低くかつ安価な汎用材料を使用することによ
って、コスト低減を実現することができる。
【0041】図6は、本発明の燃料電池システムの他の
実施例の詳細図である。燃料電池本体1の外側(図6に
おいては右側)に第一壁2が、その外側に第二壁3が形
成されている。第一壁12はSUS310Sなどの耐熱
性ステンレス材やインコネルやハステロイなどの耐熱性
ニッケル基合金材で形成されている。一方、外側は常温
に近い温度雰囲気のため第二壁13はSUS304など
の汎用ステンレス材で形成されている。
【0042】第一壁2と第二壁3で挟まれた空間は気密
に構成され真空に保たれている。この気密空間内には、
多孔質部材7が配設されている。第一壁2および第二壁
3には波状構造の熱応力緩和手段9が設けられている。
特に燃料電池本体1が高温型燃料電池の場合、その運転
開始時や運転停止時などの温度変化によって、第一壁2
および第二壁3に熱膨張または熱収縮による熱応力が発
生するが、熱応力緩和手段9を設けることによって発生
する熱応力を緩和し、その影響による歪み、変形あるい
は破壊を防止して、信頼性に優れる燃料電池システムを
実現することができる。
【0043】本発明において、断熱性能の高低は相対的
なものであれば良く、前述のように、材料固有の熱伝導
率が異なる多孔質部材を組合せることによって、断熱性
能の高低を実現し断熱性能を調整することができる。ま
た、多孔質部材の空隙率によっても断熱性能を調整する
ことが可能である。
【0044】上述の実施の形態はいずれも本発明の一実
施例を示すものであって、燃料電池システムの種類、規
模、用途、運転形態などに応じて、本発明の主旨を逸脱
しない範囲で様々な実施形態を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の燃料電池システムの一実施例を略示
する図である。
【図2】 本発明の燃料電池システムの他の実施例を略
示する図である。
【図3】 本発明の燃料電池システムの他の実施例の詳
細図である。
【図4】 本発明の燃料電池システムの他の実施例の詳
細図である。
【図5】 本発明の燃料電池システムの他の実施例の詳
細図である。
【図6】 本発明の燃料電池システムの他の実施例の詳
細図である。
【図7】 従来の燃料電池システムの断熱構造を例示す
る図である。
【符号の説明】
1 燃料電池本体 2、12、22、32 第一壁 3、13、23、33 第二壁 4 気密空間 5、7、8 多孔質部材 9 熱応力緩和手段 14、15、24、35 ハニカム部材 16 輻射熱遮蔽手段 100 断熱材層 101 燃料電池セル 102 空気導入管

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の燃料電池セルを接続してなる燃料
    電池システムにおいて、燃料電池本体の外側に設けた第
    一壁と、 該第一壁の外側に設けた第二壁と、 前記第一壁と前記第二壁とで挟まれた空間に配設された
    多孔質部材と、 を有し、 該空間が気密となるように気密空間を形成し、該気密空
    間を真空としたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 前記多孔質部材が、金属材料であること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 【請求項3】前記多孔質部材が、セラミック系材料であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記多孔質部材が、鉱物系材料であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 【請求項5】 前記多孔質部材が、熱伝導率の異なる少
    なくとも2種類以上の多孔質部材の組合せであって、前
    記燃料電池本体の高温側に熱伝導率の低い多孔質部材を
    配設し、低温側に熱伝導率の高い多孔質部材を配設した
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    燃料電池システム。
  6. 【請求項6】 前記多孔質部材が、空隙率の異なる少な
    くとも2種類以上の多孔質部材の組合せであって、前記
    燃料電池本体の高温側に空隙率の大きい多孔質部材を配
    設し、低温側に空隙率の小さい多孔質部材を配設したこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃
    料電池システム。
  7. 【請求項7】 前記多孔質部材がハニカム部材であっ
    て、ハニカムの開口方向が前記第一壁と前記第二壁に略
    垂直であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の燃料電池システム。
  8. 【請求項8】 前記気密空間に輻射熱遮蔽手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 前記第一壁および/または前記第二壁に
    熱応力緩和手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8
    のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 【請求項10】 前記燃料電池本体が固体酸化物形燃料
    電池であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の燃料電池システム。
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