JP2003277870A - 曲げ加工性および塗装焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板および製造方法 - Google Patents
曲げ加工性および塗装焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板および製造方法Info
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- JP2003277870A JP2003277870A JP2002077795A JP2002077795A JP2003277870A JP 2003277870 A JP2003277870 A JP 2003277870A JP 2002077795 A JP2002077795 A JP 2002077795A JP 2002077795 A JP2002077795 A JP 2002077795A JP 2003277870 A JP2003277870 A JP 2003277870A
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Abstract
性、塗装焼付硬化性を有し、耐食性にも優れたアルミニ
ウム合金板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 Si:0.5 %〜2.0 %、Mg:0.2 〜1.
5 %を含有し、0.7Si %+Mg%≦2.2 %を満足し、残部
Alおよび不純物からなるアルミニウム合金板、または該
アルミニウム合金にZn:0.5 %以下、Cu:1.0 %以
下、Mn:1.0 %以下、Cr:0.3 %以下、V:0.2 %
以下、Zr:0. 2 %以下、Ti:0.1 %以下、B:50
ppm 以下の1種以上を含有するアルミニウム合金板であ
って、集合組織のCube方位の強度比が20以上の特
性を有する。鋳塊を450℃以上の温度で均質化処理
後、100℃/h以上の冷却速度で、350℃未満の所
定温度とし、該所定温度で熱間圧延を行い、さらに冷間
圧延した後、500℃以上の温度で溶体化処理、焼入れ
を行うことにより製造される。
Description
塗装焼付硬化性に優れ、とくに自動車用外板に適したア
ルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
自動車の燃費向上のために、軽量化を目的として自動車
部品用材料は従来の鋼鈑からアルミニウム合金板置換さ
れ使用されている。その中でも自動車外板に各種アルミ
ニウム合金が開発され、実用化されている。
形状凍結性(プレス加工時にプレス型の形状が正確に出
ること)、3)耐デント性、4)耐食性 5)製品面質
等が要求されている。これらの特性の中で形状凍結性
は、耐力が小さいほど良好となるのに対して、耐デント
性は耐力が大きいほど良好となり、耐力に関して両者は
相反する。この相反する課題の解決のために、6000
系(Al-Mg-Si系)アルミニウム合金においては、形状凍
結性に優れた耐力の低い段階でプレス成形を行い、その
後塗装焼付時に硬化させて耐力を高め、耐デント性を向
上させるという手法が行われている(特開平4-147951号
公報、特開平5-247610号公報、特開平5-279822号公報、
特開平6-17208 号公報)。
れる部位、とくにボンネットアウターでは、プレス加工
後、肌荒れやリジングマーク(塑性加工によって発生す
る圧延方向に長い筋状欠陥)が生じ製品面質が劣ること
がある。この様な製品面質は、化学成分や製造条件の調
整、管理により解決が図られており、例えば、リジング
マークの抑制のために、500℃以上の温度で均質化処
理した後、450〜350℃まで冷却し、この温度域で
熱間圧延を開始することにより粗大析出物の生成を防止
することは提案されている(特開平7-228956号公報)
が、この手法においては、Mg2Si の析出、凝集化が起こ
ることがあり、そのため、溶体化処理が高温で長時間必
要となり、工業的には能率を低下させるという問題があ
る。
ンブルする際にヘム加工が行なわれ、フラットヘムが可
能であることが望まれているが、アルミニウム合金は、
鋼鈑に比べ曲げ加工性に劣り、さらに従来の6000系
アルミニウム合金は、5000系アルミニウム合金より
曲げ加工性が劣り、プレス加工度が大きな部位では、フ
ラットヘムができないという課題がある。さらに成形形
状が厳しかったり、寸法精度の厳しい部位ではフラット
ヘム以上の曲げ(内側曲げ半径が0.5mm より小さい加
工)が望まれている。
i系)アルミニウム合金材の成形性、とくに曲げ加工性
に及ぼす要因について、試験、検討を重ねた結果、曲げ
加工性は集合組織のCube方位{100}〈001〉
の強度比(ランダム比)と相関があり、曲げ加工性を向
上させるためには、Cube方位の集積度の高い集合組
織とすることが必要であることを見出し、そのために
は、6000系アルミニウム合金の主要添加元素である
Si量、Mg量の最適化を図り、且つ製造工程の最適化、と
くに均質化処理後の冷却速度を適正に制御することが重
要であることを知見した。
(Al−Mg−Si系)アルミニウム合金板を自動車用
外板として適用する場合における上記従来の問題点を解
消するために、上記の知見をベースとして、さらに試
験、検討を行った結果としてなされたものであり、その
目的は、フラットヘム加工が可能な優れた曲げ加工性を
そなえ、耐デント性の問題を解決し得る優れた塗装焼付
硬化性を有し、耐食性にも優れたアルミニウム合金板お
よびその製造方法を提供することにある。
めの本発明の請求項1による曲げ加工性および塗装焼付
硬化性に優れたアルミニウム合金板は、Al−Mg−S
i系アルミニウム合金の圧延板であって、形成された集
合組織でのCube方位の強度比が20以上であること
を特徴とする。
硬化性に優れたアルミニウム合金板は、請求項1におい
て、Al−Mg−Si系アルミニウム合金が、Si:0.
5 %〜2.0 %(質量%、以下同じ)、Mg:0.2 〜1.5
%を含有し、0.7Si %+Mg%≦2.2 %を満足し、残部Al
および不純物からなるアルミニウム合金であることを特
徴とする。
け硬化性に優れたアルミニウム合金板は、請求項1また
は2において、アルミニウム合金板がさらに Zn:0.5
%以下を含有することを特徴とする。
け硬化性に優れたアルミニウム合金板は、請求項1〜3
にいずれかにおいて、アルミニウム合金板がさらに Cu
:1.0 %以下を含有することを特徴とする。
け硬化性に優れたアルミニウム合金板は、請求項1〜4
のいずれかにおいて、アルミニウム合金板がさらにM
n:1.0 %以下、Cr:0.3 %以下、V:0.2 %以下、
Zr:0.2 %以下のうちの1種または2種以上を含有す
ることを特徴とする。
け硬化性に優れたアルミニウム合金板は、請求項1〜5
のいずれかにおいて、アルミニウム合金板がさらに T
i:0.1 %以下、B :50ppm以下のうち少なくとも1
種を含有することを特徴とする。
求項7による曲げ加工性および焼付け硬化性に優れたア
ルミニウム合金板の製造方法は、請求項1〜6のいずれ
かに記載のアルミニウム合金板の製造方法であって、請
求項1〜6のいずれかに記載の組成を有するアルミニウ
ム合金の鋳塊を450 ℃以上の温度で均質化処理後、100
℃/h以上の冷却速度で350 ℃未満の所定温度まで冷却
し、該所定温度で熱間圧延を行い、さらに冷間圧延した
後、450 ℃以上の温度で溶体化処理、焼入れを行うこと
を特徴とする。
化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法は、請求項
1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金板の製造方
法であって、請求項1〜6のいずれかに記載の組成を有
するアルミニウム合金の鋳塊を450 ℃以上の温度で均質
化処理後、100 ℃/ h以上の冷却速度で350 ℃未満の温
度まで冷却し、さらに300 〜500 ℃の温度に再加熱して
圧延を開始する熱間圧延を行い、さらに冷間圧延した
後、450 ℃以上の温度で溶体化処理、焼入れを行うこと
を特徴とする。
化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法は、請求項
1〜6のいずれかに記載のアルミニウム合金板の製造方
法であって、請求項1〜6のいずれかに記載の組成を有
するアルミニウム合金の鋳塊を450 ℃以上の温度で均質
化処理後、100 ℃/ h以上の冷却速度で350 ℃未満の温
度まで冷却し、さらに室温まで冷却し、ついで300 〜50
0 ℃の温度に再加熱して圧延を開始する熱間圧延を行
い、さらに冷間圧延した後、450 ℃以上の温度で溶体化
処理、焼入れを行うことを特徴とする。
硬化性に優れたアルミニウム合金の製造方法は、請求項
7〜9のいずれかにおいて、熱間圧延の終了温度を300
℃以下とすることを特徴とする。
硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法は、請求
項7〜10のいずれかにおいて、溶体化処理後、120 ℃
までを5 ℃/ s以上の冷却速度で冷却する焼入れを行
い、焼入れ後60分以内に40〜120 ℃の温度で50h以内の
熱処理を行うことを特徴とする。
板における合金成分の意義および限定理由について説明
する。Si:強度および高BH性を得るために必要で、
Mg-Si 系化合物を形成して強度を高めるよう機能する。
好ましい含有量は0.5 〜2.0 %の範囲であり、0.5 %未
満では塗装焼付時の加熱で十分な強度が得らず、さらに
成形性が劣ることがあり、また、2.0 %を越えると、プ
レス加工時の耐力が高く、成形性及び形状凍結性が劣
り、塗装後の耐食性も劣化する。さらに好ましい含有量
は0.8 〜1.2 %の範囲である。
する。好ましい含有量は0.2 〜1.5%の範囲であり、0.2
%未満では塗装焼付時の加熱で十分な強度が得られな
い。また、1.5 %を越えると、溶体化処理後もしくは最
終熱処理完了後の耐力が高く成形性及び形状凍結性が劣
る。さらに好ましい含有量は、0.3 〜0.7 %の範囲であ
る。
g量との関係を0.7Si %+Mg%≦2.2 %とすることが重
要であり、この関係を満足するMgおよびSiの含有で、溶
体化処理後、集合組織が形成され、集合組織のCube
方位の強度比が大きくなり、適正な強度が得られ、曲げ
加工性が良好となる。さらに好ましいMgおよびSi量の関
係は、0.7Si %+Mg%≦1.8 %である。
上させるが、好ましい含有量は0.5%以下の範囲であ
り、0.5 %を越えると耐食性を劣化させる。さらに好ま
しくは、0.1 〜0.3 %の範囲で添加する。
い含有量は1.0 %以下であり、0.1%を越えると耐食性
を劣化させる。さらに好ましくは、0.3 〜0.8 %の範囲
で添加される。
晶粒を微細化して成形加工時の肌荒れを防止するよう機
能する。好ましい含有量は、Mn0.3 %以下、Cr0.3 %
以下、V0.2 %以下およびZr0.15%以下の範囲であり、
それぞれ上限を越えると、粗大な金属間化合物が生成し
て成形性が劣化する。さらに好ましくは、Mn:0.05〜
0.15%、Cr:0.05〜0.15%、V:0.05〜0.15%、Zr:0.
05〜0.12%の範囲で添加する。
向上させる。好ましい含有量は、Ti0.1 %以下、B50
ppm 以下の範囲であり、それぞれ上限を越えて含有する
と、粗大な金属間化合物が増加して成形性が低下する。
なお、その他不純物として、Feを0.5 %以下、好ましく
は0.3 %以下に規制することが望ましい。
工程について説明する。均質化処理条件:450 ℃以上の
温度で行うことが必要であり、加熱温度が450℃未満で
は、鋳塊偏析の除去や均質化が不十分で、強度に寄与す
るMg2Si 成分の固溶が不十分となり、成形性が劣ること
がある。
以上、より好ましくは、300 ℃/h以上の冷却速度で冷却
とすることにより良好な特性が得られる。冷却速度を早
めるためには大がかりな設備が必要とすることから、実
用上は300 〜1000℃/hで管理することが望ましい。冷却
速度が遅いとMg-Si 系化合物が析出し、凝集化する。従
来の冷却方法では、大型スラブの場合、冷却速度は30℃
/ h程度であり、このような低い冷却速度では、冷却中
にMg-Si 系化合物が析出、凝集粗大化し、Cube方位
の大きな材料を得ることはできない。粗大な析出物とな
ると溶体化処理時の再結晶が抑制され、Cube方位の
集積度が低くなる。
域までを100 ℃/ ℃以上、好ましくは300 ℃/ ℃以上の
冷却速度で冷却する必要があり、部分的でも350 ℃以上
の場所があると特性に影響する。このため、全体が250
℃以下になるまで上記の速度で冷却するのが、さらに好
ましい。均質化処理された鋳塊の冷却方法は、水冷、フ
ァン冷却、ミスト冷却、ヒートシンク接触など、必要冷
却速度が得られるものであればよく、とくに限定されな
い。
度である必要はなく、析出が顕著に起こらない温度まで
徐冷した後、100 ℃/h以上の冷却速度での冷却を開始し
ても、同様の効果を得ることができる。例えば、500 ℃
以上の温度で均質化処理を行った場合には、500 ℃まで
の冷却は遅くてもよい。
温度から350 ℃未満の所定温度まで冷却し、当該所定温
度で開始する。または、350 ℃未満の温度まで冷却し、
350〜500 ℃の温度に再加熱して熱間圧延を開始するこ
ともできる。300 ℃未満の温度まで冷却し、さらに室温
まで冷却した後、300 〜500 ℃の温度に再加熱して熱間
圧延を開始してもよい。
が大きくなり、圧延能率が悪化するため好ましくない。
500 ℃越えると圧延中の結晶粒が粗大化し、リジングマ
ークが発生し易い材料となるため、圧延開始温度は300
〜500 ℃に規制する必要がある。変形抵抗や加工組織の
均一性を考慮すると、圧延開始温度は380 〜450 ℃が好
ましい。
系化合物の析出が起こり易く、成形性が低下し易いとと
もに再結晶粒が粗大となり、リジングマークの原因とな
ることがあるため、熱間圧延の終了温度は300 ℃以下と
するのが望ましく、熱間圧延時の材料の変形抵抗、クー
ラントによるオイルステン残留などを考慮すると200℃
以上とするのが好ましい。
0 ℃以上である。450 ℃未満では、Mg−Si系析出物
の固溶が不十分となり十分な強度、成形性が得られない
か、必要な強度、成形性を得るために、非常に長時間の
熱処理が必要となり工業的に好ましくない。溶体化処理
時間は、強度が得られる範囲で行われればよく、とくに
限定されないが、工業的には通常120 s以内の保持が一
般的である。
0 ℃以下までを5 ℃/s以上で冷却することが必要でであ
り、10℃/s以上の冷却速度で冷却するのが望ましい。焼
入れ速度が遅すぎると溶出元素の析出が起こり、強度、
BH性、成形性が劣化するとともに耐食性も低下する。
℃で50h以内の熱処理を行う。この処理によってBH化
性が向上する。40℃未満では、BH性の向上が不十分
で、120 ℃を超える温度もしくは50hを越える時間で
は、初期耐力が高くなり過ぎ成形性の低下もしくは塗装
焼付硬化性が低下することがある。
上記の製造工程を適用することにより、溶体化処理、焼
入れ後、Cube方位の集積度の高い集合組織返られ、
集合組織のCube方位の強度比(ランダム比)が20
以上となり、優れた曲げ加工性をそなえた板材が得られ
る。さらに好ましくは、合金成分、とくにSi、Mg量
の調整、製造条件の調整により、Cube方位の強度比
を50以上とする。当該アルミニウム合金板は、例えば
ヘム加工が行われる自動車用フード、トランクリッド,
ドアなど、形状が複雑でかつ軽量な自動車用部材として
好適に使用され、またヘム加工が行われないフェンダ
ー、ルーフなどに適用した場合においても、曲げ加工性
が優れていることで、複雑形状にプレス加工した後、曲
げ半径の小さい厳しい加工が可能となり、自動車用材料
へのアルミニウム材の適用の範囲が広がり、車体の軽量
化に寄与することが可能となる。
明する。これらの実施例は、本発明の一実施態様を示す
ものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
より造塊し、得られた鋳塊を、550 ℃で6 hの均質化処
理した後、200 ℃まで450 ℃/hの冷却速度で冷却した。
さらに室温まで冷却し、420 ℃の温度に再加熱して熱間
圧延を開始し、厚さ4.5 mmまで圧延した。熱間圧延の
終了温度は250 ℃とした。
とし、さらに、540 ℃で20s の溶体化処理を行い、30℃
/sの冷却速度で120 ℃まで焼入した。焼き入れ後、3min
後に100 ℃で3hの熱処理を施した。
板について、引張試験を行い、以下の方法で、塗装焼付
硬化性(BH性)、Cube方位の強度比(ランダム
比)、曲げ加工性を評価した。結果を表2に示す。
使用し、Bungeの提唱した級数展開法により偶数項
の展開次数を22次、奇数項の展開次数を19次として
計算する。
形を加え、170 ℃-20minの加熱処理を行った後、耐力を
測定し200MPa以上を合格とする。 曲げ加工性:15%引張予歪後に、限界曲げ半径を調査す
る180 ゜曲げ試験を行い、内側限界曲げ半径0.2mm 以下
を合格とした。
材No.1〜7はいずれも、強度、BH性に優れ、Cu
be方位の強度比は20を越えており、優れた限界曲げ
特性をそなえている。
より造塊し、得られた鋳塊を、実施例1と同一の工程で
処理し、最終熱処理から10日後のアルミニウム合金板に
ついて、実施例1と同じ方法で、引張性能、塗装焼付硬
化性(BH性)、Cube方位の強度比、曲げ加工性を
評価した。結果を表4に示す。
量が少なく、また試験材No.10はMg量が少ないた
め、いずれも強度が低く、BH性が劣る。試験材No.
9はSi量が多く、また試験材No.11はMg量が多
く、0.7 Si%+Mg%の値が2.2%を越えるため、
いずれも強度が高く、Cube方位の集積度が低くな
り、曲げ加工性が劣っている。
量、Cr量、V 量、Zr量が多すぎるため、Cube方位の
集積度が低くなり、曲げ加工性が劣っている。
℃で5 hの均質化処理後、表5に示す冷却速度で250 ℃
まで冷却し、続いて、表5に示す温度に加熱して熱間圧
延を行ない、厚さ4.4 mmまで圧延した。熱間圧延の終
了温度は250 ℃であった。さらに冷間圧延を経て、厚さ
1 mmの板とした。条件26のみ熱間圧延後に400 ℃-2h
の中間焼鈍を行った。
30℃/sの冷却速度で120 ℃まで焼入した。焼き入れ後3
min 後に100 ℃で3hの熱処理を施した。以上の工程によ
り製造したアルミニウム合金板について、実施例1と同
様の方法で、引張性能、BH性、Cube方位の強度
比、曲げ加工性の評価を行った。
延90°方向に引張試験片を採取し、10%引張変形を加
え、電着塗装後のリジングマークの有無を判定した。こ
れらの結果を第6表に示す。
o.17〜21はいずれも、強度、BH性に優れ、Cu
be方位の強度比は20を越えており、優れた限界曲げ
特性をそなえている。
は、熱間圧延温度が高いため、リジングマークが発生し
た。試験材No.24は均質化処理後の冷却速度が小さ
いため、Cube方位の集積度が低くなり、曲げ加工性
が劣る。試験材No.25は、熱間圧延温度が高く、均
質化処理後の冷却速度が小さいため、リジングマークが
発生し、Cube方位の集積度が低くなって曲げ加工性
が劣る。試験材No.26は、中間焼鈍を行ったため、
Cube方位の集積度が低くなり、曲げ加工性が劣る。
能な優れた曲げ加工性、塗装焼付硬化性を有し、耐食性
にも優れたアルミニウム合金板およびその製造方法が提
供される。当該アルミニウム合金板は、例えばヘム加工
が行われる自動車用フード、トランクリッド,ドアな
ど、形状が複雑でかつ軽量な自動車用部材として好適に
使用される。
Claims (11)
- 【請求項1】 Al−Mg−Si系アルミニウム合金の
圧延板であって、形成された集合組織でのCube方位
の強度比が20以上であることを特徴とする曲げ加工性
および塗装焼付硬化性に優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項2】 前記Al−Mg−Si系アルミニウム合
金が、Si:0.5 %〜2.0 %(質量%、以下同じ)、M
g:0.2 〜1.5 %を含有し、0.7Si %+Mg%≦2.2 %を
満足し、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金
であることを特徴とする曲げ加工性および塗装焼付け硬
化性に優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項3】 前記アルミニウム合金板がさらに Zn:
0.5 %以下(0 %を含まず、以下同じ)を含有すること
を特徴とする請求項1または2に記載の曲げ加工性およ
び塗装焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項4】 前記アルミニウム合金板がさらに Cu :
1.0 %以下を含有することを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載の曲げ加工性および塗装焼付け硬化性に
優れたアルミニウム合金板。 - 【請求項5】 前記アルミニウム合金板がさらにMn:
1.0 %以下、Cr:0.3 %以下、V:0.2 %以下、Z
r:0.2 %以下のうちの1種または2種以上を含有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の曲げ
加工性および塗装焼付け硬化性に優れたアルミニウム合
金板。 - 【請求項6】 前記アルミニウム合金板がさらに Ti:
0.1 %以下、B :50ppm以下のうち少なくとも1種を
含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
載の曲げ加工性および焼付け硬化性に優れたアルミニウ
ム合金板。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のアルミ
ニウム合金板の製造方法であって、請求項1〜6のいず
れかに記載の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊を45
0 ℃以上の温度で均質化処理後、100 ℃/h以上の冷却速
度で350 ℃未満の所定温度まで冷却し、該所定温度で熱
間圧延を行い、さらに冷間圧延した後、450 ℃以上の温
度で溶体化処理、焼入れを行うことを特徴とする曲げ加
工性および焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金板の
製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のアルミ
ニウム合金板の製造方法であって、請求項1〜6のいず
れかに記載の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊を45
0 ℃以上の温度で均質化処理後、100 ℃/ h以上の冷却
速度で350 ℃未満の温度まで冷却し、さらに300 〜500
℃の温度に再加熱して圧延を開始する熱間圧延を行い、
さらに冷間圧延した後、450 ℃以上の温度で溶体化処
理、焼入れを行うことを特徴とする曲げ加工性および焼
付け硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載のアルミ
ニウム合金板の製造方法であって、請求項1〜6のいず
れかに記載の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊を45
0 ℃以上の温度で均質化処理後、100 ℃/ h以上の冷却
速度で350 ℃未満の温度まで冷却し、さらに室温まで冷
却し、ついで300 〜500 ℃の温度に再加熱して圧延を開
始する熱間圧延を行い、さらに冷間圧延した後、450 ℃
以上の温度で溶体化処理、焼入れを行うことを特徴とす
る曲げ加工性および焼付け硬化性に優れたアルミニウム
合金板の製造方法。 - 【請求項10】 前記熱間圧延の終了温度を300 ℃以下
とすることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載
の曲げ加工性および焼付け硬化性に優れたアルミニウム
合金板の製造方法。 - 【請求項11】 前記溶体化処理後、120 ℃までを5 ℃
/ s以上の冷却速度で冷却する焼入れを行い、焼入れ後
60分以内に40〜120 ℃の温度で50h以内の熱処理を行う
ことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の曲
げ加工性および焼付け硬化性に優れたアルミニウム合金
板の製造方法。
Priority Applications (20)
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