JP2003277631A - 成形用樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

成形用樹脂組成物及び成形体

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JP2003277631A JP2002235165A JP2002235165A JP2003277631A JP 2003277631 A JP2003277631 A JP 2003277631A JP 2002235165 A JP2002235165 A JP 2002235165A JP 2002235165 A JP2002235165 A JP 2002235165A JP 2003277631 A JP2003277631 A JP 2003277631A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機充填材料を高濃度で配合することが可能
であり、しかも機械的強度と表面の平滑性、柔軟性に優
れた成形用樹脂組成物を提供することである。 【解決手段】 有機充填材料(A)20〜79重量%、
曲げ剛性率(ASTMD790A オルゼン式スティフ
ネス)が3〜60MPaの熱可塑性樹脂又はエラストマ
ー(B)70〜20重量%、不飽和カルボン酸変性樹脂
(C)1〜20重量%から成る成形用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、成形用樹脂組成物
に関し、より詳細には、機械的強度、表面平滑性、柔軟
性に優れた、有機充填材料を高濃度で含有する成形用樹
脂組成物、及びこの成形用樹脂組成物から成る成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】成形用樹脂組成物において、オレフィン
系樹脂に草木等を粉砕して得られる有機充填材料を配合
することの検討はあまり行われていないが、基本的に
は、有機充填材料とオレフィン系樹脂との親和性が乏し
いため、機械的強度が低下してしまうという問題を有し
ている。
【0003】このような問題を解決する方法として、上
記オレフィン系樹脂と有機充填材料に、変性ポリオレフ
ィン樹脂、有機過酸化物を配合することが行われてい
る。例えば、ポリプロピレン系樹脂、木粉(又は籾
殻)、変性ポリプロピレン系樹脂、有機過酸化物及び無
機充填剤を配合した樹脂組成物(特公昭62-5186
号公報、特公平5−60502号公報)等が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術によれば、有機充填材料を含むポリオレフィン樹
脂組成物の成形加工がある程度可能になり、また得られ
た成形品の機械的強度も改善されたものの、これらの方
法によっても溶融状態における有機充填材料とオレフィ
ン系樹脂の界面接合性は不十分であり、ポリオレフィン
系樹脂中に有機充填材料が取り込まれない。このため、
得られたシート状成形品の機械的強度は未だ十分満足し
得るものではなく、また押出成形時のエッジ部で樹脂切
れを起こしやすいという問題もある。このような傾向は
有機充填材料の配合割合が高くなるほど顕著であった。
【0005】従って本発明の目的は、有機充填材料を高
濃度で配合することが可能であり、しかも機械的強度と
表面の平滑性、柔軟性に優れた成形用樹脂組成物を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、有機充
填材料(A)20〜79重量%、曲げ剛性率(ASTM
D790A オルゼン式スティフネス)が3〜60M
Paの熱可塑性樹脂又はエラストマー(B)70〜20
重量%、及び不飽和カルボン酸変性樹脂(C)1〜20
重量%から成る成形用樹脂組成物が提供される。本発明
の成形用樹脂組成物においては、(1)前記有機充填材
料(A)が草木類、特に除草、伐採により得られた草木
類で、平均長さ0.01〜20mmに粉砕されたもので
あること (2)前記熱可塑性樹脂又はエラストマー(B)が、エ
チレン系重合体(B−1)、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー(B−2)であること (3)前記エチレン系重合体(B−1)が、エチレンを
50〜98重量%及び不飽和カルボン酸エステル又はビ
ニルエステルを2〜50重量%含有する共重合体である
こと、(4)前記エチレン系重合体(B−1)が、エチ
レン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー
であること、(5)前記エチレン系重合体(B−1)
が、密度0.900〜0.940g/cmのエチレン
/α−オレフィンランダム共重合体及び/又は非晶或い
は低結晶性の密度0.860〜0.900g/cm
エチレン/α−オレフィンランダム共重合体であるこ
と、(6)前記不飽和カルボン酸変性樹脂(C)が不飽
和カルボン酸グラフト変性樹脂であること、が好まし
い。
【0007】本発明によれば更にまた、上記成形用樹脂
組成物を成型して成る成形体が提供される。本発明の成
形体においては、シート状に成型されていることが特に
好ましい。
【0008】
【発明の実施形態】本発明の成形用樹脂組成物は、有機
充填材料(A)20〜79重量%、曲げ剛性率(AST
M D790A オルゼン式スティフネス)が3〜60
MPaの熱可塑性樹脂又はエラストマー(B)70〜2
0重量%、及び不飽和カルボン酸変性樹脂(C)1〜2
0重量%から成ることが重要な特徴である。上記構成を
有する成形用樹脂組成物が、有機充填材料(A)を高濃
度で含有しつつも、優れた機械的強度と表面平滑性及び
柔軟性を有する理由は明らかではないが、曲げ剛性率
(ASTM D790A オルゼン式スティフネス)が
3〜60MPaの熱可塑性樹脂又はエラストマー(B)
は柔軟で結晶性が少なく、フィラーローディング性に優
れていると共に、不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂
(C)が有機充填材料に対して成形加工中の溶融状態に
おいても優れた親和性を発揮し、溶融樹脂中に有機充填
材料が取り込まれた状態となって流動するため、機械的
強度、表面平滑性、柔軟性が向上されると考えられる。
しかも本発明の成形用樹脂組成物においては、樹脂切れ
を起こし難いので、成形品の表面に有機充填材料が露出
することもなく、表面平滑性に優れた成形品を得ること
が可能となるのである。
【0009】また本発明においては、エチレン・不飽和
カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーを含有してい
ることが特に好ましい。エチレン及び不飽和カルボン酸
共重合体又はそのアイオノマーは有機充填材料に対して
優れた親和性を有するので、これを含有させることによ
り、上記特性をより向上させることが可能となるのであ
る。
【0010】(A)有機充填材料 本発明において樹脂組成物中に配合する有機充填材料
は、20〜79重量%、特に、30〜68重量%の量で
配合することが重要である。すなわち、上記範囲よりも
有機充填材料の量が少ない場合には、当該樹脂組成物を
成形加工して得られる成形品の線膨張率が大きいばかり
か、天然質感にも乏しいものになり、一方上記範囲より
も有機充填材料の量が多い場合には、成形そのものが困
難となり、得られる成形品が脆くなるので好ましくな
い。本発明に用いられる有機充填材料としては、草、木
材等の草木類(例えば除草・伐採等によって得られる草
木類)、これらの草木類を一部又は完全に焼いたもの又
はエステル化木質系材料などを挙げることができるが、
このなかでは草木類が好ましく、特に除草により得られ
る草が好ましい。本発明に用いられる有機充填材料は、
乾燥された後一定の長さに粉砕されたものが、樹脂との
親和性、成形流動に優れているので好ましい。好適に
は、平均長さ0.01〜20mm、特に0.02〜10
mmの範囲の平均長さを有することが望ましい。
【0011】尚、有機充填材料として草木類を一部又は
完全に焼いたもの(A’)を用いた場合は、本発明の配
合組成である、充填材料(A’)20〜79重量%、曲
げ剛性率(ASTM D790A オルゼン式スティフ
ネス)が3〜60MPaの熱可塑性樹脂又はエラストマ
ー(B)70〜20重量%、及び不飽和カルボン酸変性
樹脂(C)(好ましくは不飽和カルボン酸グラフト変性
樹脂)1〜20重量%からなる樹脂組成物は勿論、充填
材料(A’)20〜80重量%と曲げ剛性率(ASTM
D790A オルゼン式スティフネス)が3〜60M
Paの熱可塑性樹脂又はエラストマー(B)80〜20
重量%から成る樹脂組成物、又は充填材料(A’)20
〜80重量%とエチレン及び不飽和カルボン酸共重合体
又はそのアイオノマー(D)80〜20重量%からなる
樹脂組成物も機械強度、表面平滑性、柔軟性を有してい
ることから、これらの樹脂組成物も本発明の成形用樹脂
組成物と同様に、有用な成形用樹脂組成物として提供さ
れる。
【0012】(B)曲げ剛性率(ASTM D790A
オルゼン式スティフネス)が3〜60MPaの熱可塑
性樹脂又はエラストマー 本発明に用いられる熱可塑性樹脂又はエラストマーは、
曲げ剛性率(ASTMD790A オルゼン式スティフ
ネス)が3〜60MPa、特に3〜40MPaにあるも
のであることが重要である。この曲げ剛性率(ASTM
D790A オルゼン式スティフネス)は、規定サイ
ズに切断された試験片の一方を固定し,もう一方を所定
の角度に折り曲げたときの曲げ硬さを示すものであり、
この曲げ剛性率が上記範囲内にある熱可塑性樹脂又はエ
ラストマーは、柔軟でフィラーローディング性に優れて
いるのである。曲げ剛性率(ASTM D790A オ
ルゼン式スティフネス)が3〜60MPaの熱可塑性樹
脂又はエラストマーとしては、エチレン系重合体(B−
1)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B−2)を
好適に用いることができる。また、本発明に用いること
のできる(B)成分として、ブレンド後の曲げ剛性率が
上記の範囲を満たす限りにおいては、要求される特性に
応じて(B−1)及び/又は(B−2)から選ばれる2
種類以上のポリマーを用いることもできる。本発明にお
いては、(B)曲げ剛性率(ASTM D790A オ
ルゼン式スティフネス)が3〜60MPaの熱可塑性樹
脂又はエラストマーは、樹脂組成物中に70〜20重量
%、特に好ましくは60〜40重量%配合する。
【0013】(B−1)エチレン系共重合体 エチレン系共重合体としては、エチレンと不飽和カルボ
ン酸エステル又はビニルエステルから成る共重合体(B
−1−1)、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又は
そのアイオノマー(B−1−2)、密度0.900〜
0.940g/cmのエチレン/α−オレフィンラン
ダム共重合体及び/又は非晶或いは低結晶性の密度0.
860〜0.900g/cmのエチレン/α−オレフ
ィンランダム共重合体(B−1−3)を好適に用いるこ
とができるが、特にエチレンと不飽和カルボン酸エステ
ル又はビニルエステルとの共重合体が好ましい。
【0014】(B−1−1)エチレンと不飽和カルボン
酸エステル又はビニルエステルから成る共重合体 本発明に用いられるエチレンと不飽和カルボン酸エステ
ル又はビニルエステルとの共重合体としては、エチレン
含有量が50〜98重量%、不飽和カルボン酸エステル
又はビニルエステルの含有量が 2〜50重量%の範囲
にあることが好ましく、またフィラーローディング性か
ら、メルトフローレート(MFR)が0.1〜50g/
10分(2160g荷重、190℃)の範囲にあること
が好ましい。
【0015】不飽和カルボン酸エステルとしては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、ア
クリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ
エチル等を挙げることができる。この中では特にアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチルが好ましい。またビニルエステルと
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げるこ
とができる。この中では特に酢酸ビニルが好ましい。
【0016】エチレンと不飽和カルボン酸エステル又は
ビニルエステルから成る共重合体の具体例としては、エ
チレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体のよう
なエチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重
合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体を挙げることがで
きる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用す
る場合には、酢酸ビニル含有量が5〜49重量%、好適
には25〜33重量%で、メルトフローレート(MF
R)が1〜200g/10分、好適には10g/10分
以下(2160g荷重、190℃)のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を好適に使用することができる。
【0017】(B−1−2)エチレン・不飽和カルボン
酸共重合体又はそのアイオノマー 本発明の(B)成分として好適に用いることができるエ
チレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマ
ーとしては、不飽和カルボン酸共重合量が5〜30重量
%、好ましくは6〜25重量%のエチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体又はその金属塩である。ここで不飽和カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸が好適で
ある。本発明に用いるエチレン・不飽和カルボン酸共重
合体は、他の不飽和単量体、例えばアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルのような不飽和カルボン酸エ
ステル、酢酸ビニルのようなビニルエステル等が共重合
されたものでもよい。このような他の不飽和単量体が共
重合されている場合には、例えば30重量%以下、好ま
しくは25重量%以下の割合で配合されていてもよい
が、不飽和カルボン酸の総和が45重量%以下、特に4
0重量%以下となるような重量割合とすることが好まし
い。
【0018】上記共重合体の金属塩(アイオノマー)を
用いる場合、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、
カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属イオンの塩を
用いることができる。これら金属イオンによる中和度は
1〜100%、好ましくは5〜80%である。エチレン
及び不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーと
しては、エチレン含有量が70〜98重量%、特に75
〜95重量%、不飽和カルボン酸含有量が2〜30重量
%、特に5〜25重量%を含有するランダム共重合体で
あることが好ましい。またこのエチレン及び不飽和カル
ボン酸共重合体又はそのアイオノマーは、メルトフロー
レート(MFR)が0.1〜100g/10分、特に
0.5〜50g/10分(2160g荷重、190℃)
の範囲にあることが好ましい。
【0019】(B−1−3)密度0.900〜0.94
0g/cmのエチレン/α−オレフィンランダム共重
合体 本発明の(B)成分として用いるエチレン/α−オレフ
ィンランダム共重合体としては、密度(ASTM D1
505)が0.900〜0.940g/cmの範囲に
あり、メルトフローレート(ASTM D1238、1
90℃、荷重2.16Kg)が0.01〜200g/1
0分、好ましくは0.03〜100g/10分、特に好
ましくは0.05〜50g/10分の範囲にあるものが
望ましい。密度(ASTM D1505)は、190℃
における2.16Kg荷重のメルトフローレート(MF
R)測定時に得られるストランドを100〜125℃で
1時間熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷した後、密
度勾配管により測定したものである。本発明で用いるエ
チレン/α−オレフィンランダム共重合体は、エチレン
とα−オレフィンの共重合体であってもよいが、エチレ
ン単独重合体であることが好ましく、特に、メタロセン
系オレフィン重合用触媒を用いて調製されたポリエチレ
ンであることが好ましい。すなわち本発明に用いるエチ
レン/α−オレフィンランダム共重合体においては、エ
チレンから誘導される構成単位が、50〜100重量
%、好適には70〜100重量%、より好適には80〜
100重量%の量で存在し、α−オレフィンから誘導さ
れる構成単位は0〜50重量%、特に0〜30重量%、
特には0〜20重量%の量で存在することが好ましい。
本発明に用いるα−オレフィンとしては、炭素原子数が
3〜20のものが好ましく、例えば、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エキコセン等を挙げることができる。α−
オレフィンは1種又は2種以上の組み合わせで用いるこ
とができる。
【0020】(B−1−4)非晶或いは低結晶性の密度
0.850〜0.900g/cmのエチレン−α−オ
レフィンランダム共重合体 本発明の(B)成分として用いる非晶或いは低結晶性の
密度0.860〜0.900g/cmのエチレン−α
−オレフィンランダム共重合体は、エチレンとα−オレ
フィンを共重合したものであり、密度(ASTM D1
505)が0.850g/cm以上0.900g/c
未満、好適には、0.855g/cm以上0.8
95g/cm以下の範囲にあることが好ましい。また
メルトフローレート(ASTM D1238、190
℃、荷重2.16Kg)は0.5〜50g/10分、特
に0.2〜20g/10分の範囲にあることが好まし
い。本発明に用いるα−オレフィンは、上述した炭素原
子数が3〜20のα−オレフィンを用いることができる
が、好適には炭素原子数4〜10、より好適には炭素原
子数4〜8のα−オレフィンを用いることが望ましい。
α−オレフィンは、1種又は2種以上の組み合わせて用
いることでができる。
【0021】本発明に用いることができるエチレン−α
−オレフィンのランダム共重合体は、エチレンから誘導
される構成単位が30〜95モル%、特に、40〜95
モル%の範囲にあることが好ましい。また非晶或いは低
結晶性であり、X線回折法による結晶化度が40%以
下、特に30%以下であり、その融点(ASTM D3
418)が通常100℃以下である。非晶或いは低結晶
性の密度0.860〜0.900g/cmのエチレン
・α−オレフィンランダム共重合体は、従来公知の方法
により、例えばチーグラー系オレフィン重合用触媒を用
い、中低圧下で製造することができるし、また特開平6
−9724号公報、特開平6−136195号公報、特
開平6−136196号公報、特開平6−207057
号公報等に記載されているメタロセン触媒成分を含む、
いわゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下
に、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンと
を共重合させることによって製造することができる。エ
チレン−α−オレフィンランダム共重合体の組成は、通
常10mmΦの試料管中で約200mgの重合体を1m
lのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の
13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定
周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、
パルス繰り返し時間4.2sec、パルス幅6μsec
の測定条件下で測定して決定される。
【0022】(B−2)オレフィン系熱可塑性エラスト
マー 本発明の(B)成分として用いることができるオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーとしては、ペルオキシド分解
型ポリオレフィン樹脂であるか、少なくともペルオキシ
ド分解型ポリオレフィン樹脂を含有するポリオレフィン
樹脂混合物とエチレン・α−オレフィン系共重合ゴムを
必須成分として含有し、その少なくとも一方が、通常は
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム単独か或いは
該ゴムとポリオレフィン樹脂の両方が部分的に架橋され
てなるものが好ましい。具体的には、 (a)エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム100〜
20重量部 (b)ポリオレフィン樹脂0〜80重量部(a+bは1
00重量部になるように選ぶ) (c)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質 (d)鉱油系軟化剤から選ばれた少なくとも一種の成分
0〜100重量部 から成る混合物を架橋剤の存在下に動的に熱処理(融解
状態で混練すること)して得られる部分架橋ゴム組成物
(I)100〜30重量部とポリオレフィン樹脂(II)
0〜70重量部とから成る混合物(ただし、最終混合物
100重量部当たり5〜70重量部になるように選び、
且つ少なくともその一部にはペルオキシド分解型ポリオ
レフィン樹脂が含有されているものとする)を挙げるこ
とができる。
【0023】本発明に用いることができる熱可塑性エラ
ストマーの原料であるエチレン・α−オレフィン系共重
合ゴム(a)としては、エチレン・プロピレン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン三元或いは多
元重合ゴム、エチレン−ブタジエン共重合ゴム、エチレ
ン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン非共
役ジエン多元重合体ゴム等のエチレンと炭素数3〜14
のα−オレフィンを主成分とする実質的に非晶質のエラ
ストマー又はそれらの混合物である。中でも好ましいも
のはエチレン・プロピレン重合ゴム、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン三元共重合体ゴムである。ここで非
共役ジエンとは、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキ
サジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等をいい、中で
もジシクロペンタジエン、及び5−エチリデン−2−ノ
ルボルネンを第三成分とする共重合体が好ましい。
【0024】また、エチレン・α−オレフィン系共重合
ゴムと動的処理の際に混合するポリオレフィン樹脂
(b)としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、
ヘキセン−1,4−メチル−1−ペンテン等の1−オレ
フィンの単独重合体、その2種以上の共重合体、或いは
α−オレフィンと15モル%以下の他の重合性単量体と
の共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸
メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタ
クリル酸メチル共重合体等であって、樹脂状高分子物質
のものが挙げられる。特に好ましいポリオレフィン樹脂
としては、メルトフローレート(ASTMD1238)
が0.1〜50g/10分、X線回折測定法による結晶
化度が40%以上のペルオキシド分解型ポリオレフィン
樹脂(ペルオキシドと混合し、加熱下で混練することに
より熱分解して分子量を減じ、樹脂の流動性が増加する
ポリオレフィン樹脂)、具体的には、アイソタクティッ
クポリプロピレン、或いはプロピレンと15モル%以下
の他のα−オレフィンとの共重合体、例えばプロピレン
−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合
体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−
4−メチル−1−ペンテン共重合体を例示することがで
きる。また、上記ペルオキシド分解型ポリオレフィン樹
脂とペルオキシド架橋型ポリオレフィン樹脂(ペルオキ
シドと混合し、加熱下で混練することにより、架橋して
樹脂の流動性が低下するポリオレフィン樹脂)、例え
ば、密度0.910〜0.940g/cmの低、中密
度ポリエチレンとの混合物をポリオレフィン樹脂として
好適に用いることができる。
【0025】ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物
質(c)は、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、
プロピレン70モル%以上のプロピレン−エチレン共重
合ゴム、プロピレン−1−ブテン共重合ゴム、アタクチ
ックポリプロピレン等の如くペルオキシドと混合し加熱
下に混練しても架橋せず、流動性が低下しない炭化水素
系のゴム状物質をいう。これらの中では、ポリイソブチ
レン及びプロピレン−1−ブテン共重合ゴムを好適に用
いることができる。
【0026】鉱物油系軟化剤(d)は、通常ゴムをロー
ル加工にする際ゴムの分子間作用力を弱め加工を容易に
すると共に、加硫ゴムの硬さを低下せしめ柔軟性、弾性
を増す目的で使用されている高沸点の石油留分であり、
パラフィン系、ナフテン系、或いは芳香族系等に区別さ
れているものである。熱可塑性エラストマーの調製にお
いて、これらのペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状
物質(c)及び/又は鉱物油系軟化剤(d)は必ずしも
配合する必要はないが、流れ特性、ひいては成形加工性
を一層向上させるためには、エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム(a)とポリオレフィン樹脂(b)の合計量
100重量部に対して、(c)及び/又は(d)を10
0重量部まで、特に5〜100重量部加えることが好ま
しい。
【0027】動的処理後に必要に応じて混合されるポリ
オレフィン樹脂(II)は動的熱処理の際に加えられるポ
リオレフィン樹脂(b)と同様の樹脂を用いることがで
きる。或いはα−オレフィンと15モル%以下の他の重
合性単量体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メ
チル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エ
チレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル
酸メチル共重合体等であって、樹脂状高分子物質の物が
挙げられる。
【0028】部分架橋のために使用される架橋剤として
は、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペル
オキシド、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン等の有機ペルオキシド、硫黄、
アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、トリアジン
−ホルムアルデヒド樹脂等のフェノール系加硫剤、オキ
シム類、ポリアミン等を挙げることができ、これらの中
では有機ペルオキシド及びフェノール系加硫剤が好まし
い架橋剤である。
【0029】(C)不飽和カルボン酸変性樹脂 本発明において不飽和カルボン酸変性樹脂(C)は、樹
脂組成物中に1〜20重量%、特に2〜15重量%の量
で配合することが重要である。本発明で用いる不飽和カ
ルボン酸変性樹脂としては不飽和カルボン酸グラフト変
性樹脂であっても、不飽和カルボン酸成分を共重合して
主鎖中に導入して変性した樹脂であってもよいが、本発
明では特に不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂が好まし
い。変性剤(不飽和カルボン酸)の含有量はベースポリ
マー成分に対して0.01〜10重量%が好ましい。本
発明で用いる不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂は、不
飽和カルボン酸又はその誘導体によりベースポリマーを
グラフト変性した樹脂であり、不飽和カルボン酸又はそ
の誘導体のグラフト量は変性前(未変性)のベースポリ
マーに対して0.01〜10重量%、好ましくは0.0
5〜5重量%の不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂であ
ることが好ましい。この不飽和カルボン酸変性樹脂のグ
ラフト変性前あるいは共重合による変性前のベースポリ
マーとしてはオレフィンの単独重合体又は共重合体を挙
げることができ、具体的には例えば高圧法ポリエチレ
ン、中・高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン、メタロセン系エチレン重合
体のようなポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−
ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレンと
ビニルエステルの共重合体、たとえばエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンとα,β−アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルのような不飽和カルボン酸エ
ステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エステル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸
ジメチルなどとの共重合体を挙げることができる。本発
明ではこの中で、ポリエチレン、エチレンとビニルエス
テル(特に酢酸ビニル)との共重合体が好ましい。
【0030】また不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル、ナジック酸(登録商
標)等を挙げることができ、特にマレイン酸、ナジック
酸(登録商標)又はこれらの酸無水物を好適に使用でき
る。不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂は、メルトフロ
ーレート(MFR)が0.1〜50g/10分(216
0g荷重、190℃)、好ましくは0.2〜30g/1
0分の範囲にあることが好ましい。
【0031】本発明の成形用樹脂組成物においては、本
発明の目的を損なわない範囲で上記(A)〜(C)成分
に必要に応じて更に、(A)〜(C)成分以外の従来公
知のポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ
ステル樹脂を配合したり、また各種発泡剤を配合して発
泡成形に供することも可能である。また、タルク、炭酸
カルシウム、マイカ、ガラス繊維等の無機系の充填剤、
ポリエステル、ポリアミド繊維等の有機系の充填剤、難
燃剤、各種安定剤、滑剤等の各種添加剤、染料、顔料等
の着色剤等を添加することも可能である。
【0032】滑剤としては、特にステアリン酸アミド、
オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルリン酸エステルなどの混合リン
酸エステルが好ましく、その添加量は樹脂組成物100
重量に対して0.05〜10重量部、特に0.1〜5重
量部の量で添加することが好ましい。
【0033】本発明の成形用樹脂組成物は、押出成形、
射出成形等の通常の成形手段を用いて成形加工すること
により、シート等の各種成形体に成形できる。成形加工
条件としては、当該組成物の温度が200℃を超えない
ように注意するのが好ましい。200℃を超えると、有
機充填材料(A)の分解、焼け等が発生する恐れがある
ため好ましくない。尚、本発明において(A)〜(C)
成分やその他添加剤を直接成形加工機に投入して成形加
工することも勿論可能であるが、予めブレンダー、ニー
ダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、一軸或
いは二軸の押出機等の加熱装置を用いてコンパウンド化
しておくことが望ましい。特に、その後の成形加工にお
ける取り扱いが容易になるので、冷却コントロール機能
を有する二軸押出機を用いてコンパウンド化しておくこ
とが好ましい。
【0034】本発明の成形用樹脂組成物から得られる成
形品の利用分野は特に制限されないが、特に土木、建築
材料等の分野に好適に利用できる。例えば、土木フィル
ム・シート、止水・遮水フィルム・シート、建築フィル
ム・シート、養生フィルム・シート、雑草等の育成防止
フィルム・シート、一般雑貨用フィルム・シート、文具
用基材フィルム、シート、その他産業用フィルム・シー
ト等に好適に利用できる。中でも土木用資材、住宅水周
り用部材の原料として特に好適に利用できる。
【0035】
【実施例】本発明を次の実施例で詳細に説明するが、本
発明は以下の実施例に制限されるものではない。
【0036】(使用材料) (A)有機充填材料 一般に除草、伐採作業により排出された草木を乾燥する
と共に、カッター、ボールミル、クラッシャー等の粉砕
機器により粉砕された、水分5重量%以下で平均長さ5
mmの粉砕品(A−1)、平均長さ20μmの粉砕品
(A−2)の有機充填材料、(A−1)の一部を焼くこ
とによって得られる充填材料(A−3) (B)曲げ剛性率(ASTM D790A オルゼン式
スティフネス)が3〜60MPaの熱可塑性樹脂又はエ
ラストマー、(C)不飽和カルボン酸グラフト変性樹
脂、(D)エチレン不飽和カルボン酸共重合体又はその
アイオノマー、及び(E)オレフィン系樹脂については
下記表1に示す。尚、表1中、EVAはエチレン酢酸ビ
ニル共重合体、VAは酢酸ビニル、EMAAはエチレン
・メタクリル酸共重合体、MAAはメタクリル酸、iB
Aはアクリル酸イソブチル、IOはアイオノマー、LL
DPEは線状低密度ポリエチレンをそれぞれ示す。
【0037】
【表1】
【0038】(有機充填材料組成物の物性評価用コンパ
ウンド及びシートの製造)窒素雰囲気下、140℃、6
0分間、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)を用い
て混練した後、140℃の温度で加熱プレスし、1mm
厚のシートに成形した。
【0039】(物性評価方法)上記の方法により得られ
たシートを下記方法で測定する。 引張強度:JIS K−6760 引裂強度:JIS K−6781 曲げ剛性:JIS K−7106 MFR:190℃、2160g、10分 折り曲げ白化性:90°及び180°曲げにて目視によ
り判定 ○:変化なし △:多少変化する ×:白化する ××:
折れる
【0040】(実施例1及び比較例1〜4)有機充填材
料(A)、曲げ剛性率(ASTM D790A オルゼ
ン式スティフネス)が3〜60MPaの熱可塑性樹脂又
はエラストマーとしてエチレン・酢酸ビニル共重合体
(B)、及び不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂(C)
を表2に示す割合で配合した成形用樹脂組成物(実施例
1)、及び有機充填材料(A)、エチレン・酢酸ビニル
共重合体(B)を表2に示す割合で配合した成形用樹脂
組成物(比較例1及び2)、有機充填材料(A)、エチ
レン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー
(D)から成る成形用樹脂(比較例3及び4)につき、
強度、柔軟性について評価した結果を同じく表2に示
す。表2から明らかなように、本発明の実施例1に係る
樹脂組成物は強度が高く、柔軟で曲げ白化をせず優れて
いるのに対して、不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂
(C)を配合していない高酢酸ビニル含量のエチレン酢
酸ビニル共重合体(B)から成る比較例1の樹脂組成物
は、柔軟性には優れるが、強度の低下が著しい。また、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノ
マー(D)を配合して成る比較例3及び4の樹脂組成物
は、強度には優れるものの柔軟性が乏しく、曲げ白化が
起こった。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例2及び3、比較例5〜7)有機充
填材料(A)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)、
不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂(C)、エチレン・
不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマー
(D)、及びオレフィン系樹脂(E)を表3に示す割合
で配合した成形組成物につき、強度、柔軟性について評
価した結果を同じく表3に示す。表3から明らかなよう
に、本発明の実施例2及び3に係る樹脂組成物は実施例
1より更に強度が高く、柔軟で曲げ白化をせず優れてい
るのに対し、不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂(C)
を配合していない比較例5,6,7に係る樹脂組成物の
物性は、強度が低く、硬くなり曲げ白化が起こりやすくな
った。
【0043】
【表3】
【0044】(参考例1、2、3)有機充填材料(A−
1)を少なくとも一部焼くことによって得られた充填材
(A−3)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)を表
4に示す割合で配合した成形樹脂組成物(参考例1)、及
び有機充填材(A−3)、エチレン・酢酸ビニル共重合
体(B)及び不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂(C)
を表4に示す割合で配合した成形樹脂組成物(参考例
2)、更にエチレン・不飽和カルボン酸(D)を表4に
示す割合で配合した成形樹脂組成物(参考例3)につき
強度、柔軟性について評価した結果を同じく表4に示
す。表4から明らかな様に、参考例2の方が強度は高い
ものの、同一柔軟性を有していることが分かる。一方、
参考例3では、有機充填材料(A−1)配合同様に強度
が高く、柔軟で曲げ白化せず優れている。
【0045】
【表4】
【0046】(実施例4及び5、比較例8及び9)有機充
填材料(A)、エチレン/α−オレフィンランダム共重
合体及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)、不
飽和カルボン酸グラフト変性樹脂(C)を表5の割合で
配合した成形組成物につき、強度、柔軟性について評価
した結果を同じく表5に示す。表5から明らかなよう
に、本発明の実施例4及び5に係る樹脂組成物が、実施
例1より曲げ白化は劣るものの、柔軟性に優れているの
に対し、不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂(C)を配合
しない、比較例8及び9は柔軟性には優れるが、曲げ白
化が起こりやすくなった。
【0047】
【表5】
【0048】(実施例6)有機充填材料(A−2)、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体(B−v)、不飽和カルボ
ン酸グラフト変性樹脂(C)、及び滑剤として混合リン
酸エステル(東邦化学工業(株)製フォスファノールR
L−210)を表6の割合でドライブレンドし、6イン
チロールを用い、ロール温度140℃、ロール回転比
1:1で10分間混練した後、直接1mm厚みのシート
を作成した。この配合の離ロール性は良好であり、発煙
もなくシート外観も平滑であった。得られた成形組成物
につき、強度、柔軟性について評価した結果を同じく表
6に示す。ロール成形シートの場合、引裂強度は実施例
1と殆ど変わらないが、引張強度が向上し、伸びが出や
すくなることが判った。
【0049】(比較例10)不飽和カルボン酸グラフト
変性樹脂(C)を用いない以外は実施例6と同様にし
て、表6に記載の配合から1mm厚みのシートを作成し
た。この配合の離ロール性は、実施例6とほぼ同等であ
った。得られた成形組成物につき、強度、柔軟性につい
て評価した結果を同じく表6に示す。表6から明らかな
ように、不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂(C)を配
合しない場合には、引張強度や引裂強度が不充分とな
る。
【0050】
【表6】
【0051】
【発明の効果】本発明の成形用樹脂組成物においては、
有機充填材料(A)20〜79重量%、曲げ剛性率(A
STM D790A オルゼン式スティフネス)が3〜
60MPaの熱可塑性樹脂又はエラストマー(B)70
〜20重量%、不飽和カルボン酸グラフト変性樹脂
(C)1〜20重量%から成ることにより、有機充填材
料を高濃度で配合することが可能になり、しかも機械的
強度と表面の平滑性、柔軟性に優れた成形用樹脂組成物
を提供することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA15X AA20X AA21X AA28X AA31X AA73 AA78 AA82 AD06 AE17 AF14 AF17Y AF26 AF27 AH03 AH19 BC01 4J002 AH00W BB05X BB06X BB07X BB08X BB10X BB12X BB14X BB15X BB17X BB213 BB23X BN053 BN073 FD01W FD010 FD170 GC00 GL00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機充填材料(A)20〜79重量%、
    曲げ剛性率(ASTMD790A オルゼン式スティフ
    ネス)が3〜60MPaの熱可塑性樹脂又はエラストマ
    ー(B)70〜20重量%、及び不飽和カルボン酸変性
    樹脂(C)1〜20重量%から成る成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸変性樹脂(C)が不飽
    和カルボン酸グラフト変性樹脂である請求項1記載の成
    形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記有機充填材料(A)が草木類である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の成形用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記有機充填材料(A)が、除草、伐採
    により得られた草木類で、平均長さ0.01〜20mm
    に粉砕されたものであることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の成形用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂又はエラストマー
    (B)が、エチレン系重合体(B−1)、オレフィン系
    熱可塑性エラストマー(B−2)であることを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れかに記載の成形用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記エチレン系重合体(B−1)が、エ
    チレンを50〜98重量%及び不飽和カルボン酸エステ
    ル又はビニルエステルを2〜50重量%含有する共重合
    体であることを特徴とする請求項5に記載の成形用樹脂
    組成物。
  7. 【請求項7】 前記エチレン系重合体(B−1)が、エ
    チレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマ
    ーである請求項5に記載の成形用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記エチレン系重合体(B−1)が、密
    度0.900〜0.940g/cmのエチレン/α−
    オレフィンランダム共重合体及び/又は非晶或いは低結
    晶性の密度0.860〜0.900g/cmのエチレ
    ン/α−オレフィンランダム共重合体である請求項5に
    記載の成形用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れかに記載の成形用
    樹脂組成物を成型して成る成形体。
  10. 【請求項10】 前記成形用樹脂組成物がシート状に
    成型されていることを特徴とする請求項9記載の成形
    体。
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