JP2003276152A - 画像形成方法及び装置 - Google Patents

画像形成方法及び装置

Info

Publication number
JP2003276152A
JP2003276152A JP2002081663A JP2002081663A JP2003276152A JP 2003276152 A JP2003276152 A JP 2003276152A JP 2002081663 A JP2002081663 A JP 2002081663A JP 2002081663 A JP2002081663 A JP 2002081663A JP 2003276152 A JP2003276152 A JP 2003276152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
ink
recording
recording layer
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002081663A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Hiratsuka
弘行 平塚
Yasuo Katano
泰男 片野
Takashi Hara
敬 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd, Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP2002081663A priority Critical patent/JP2003276152A/ja
Publication of JP2003276152A publication Critical patent/JP2003276152A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクに対して地汚れしにくく、かつ、画像
部へのインク付着性が良好に保たれる記録体を提供す
る。 【解決手段】 基体上に、液体と接触した状態で加熱・
冷却すると液体との後退接触角が低下し、空気中で加熱
すると後退接触角の値が回復する性質を有する部材(F
材)と、ポリオルガノシロキサン構造を有する部材(S
材)とを独立分散した状態で含有する記録層を設けた記
録体を用い、該記録体の記録層を液体と接触した状態
で、F材単独からなる記録体における加熱処理温度より
も高い温度で、かつ該基体の耐熱温度以下の温度で加熱
し、冷却して該記録層全面を親インク状態とし、この全
面が親インク状態となった記録層に、空気中で非画像部
にあたる箇所を加熱して潜像を形成し、これににインク
を供給して画像部のみにインクを付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成方法及び画
像形成装置に関し、詳しくは、液体反発性の強い記録体
の表面に選択的に親インク領域(潜像領域)を形成し、
この領域にインクを供給して可視画像を形成し、これを
普通紙等の転写材へ転写し画像を得る画像形成方法、及
びこの方法の実施に適した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ上で組み版したデー
タをそのまま版に書きこむCTP版が注目されている。
CTP版として、湿し水を用いない水なし版は、特別な
印刷技術を持たないユーザでも使えこなせるため、次世
代CTP版のひとつの候補となっている。例えば、特開
平7−314934号公報に示すごとく、水なしCTP
版材として、最表層をシリコーン樹脂のコーティング層
で形成したものが提案されている。この技術は、油性イ
ンクに対して優れた離型性を示すシリコーン樹脂を用
い、画像部をレーザによるアブレーションにより機械的
にシリコーン樹脂被膜を破壊・除去する方式である。と
ころが、この方法は、簡便である反面、シリコーン樹脂
のカス(デブリ)が発生し、これを版上から除去するた
めの洗浄手段が必要となる問題点がある。
【0003】一方、本発明者らは、特開平3−1784
78号公報において、書き込み前後で何らの現像処理や
デブリ処理等のプロセスを必要としない版(記録体)を
提案した。本発明者らは、さらに研究を続け、インクに
対して地汚れしにくく、且つ、画像部へのインク付着性
が保たれる記録体を提案した(特願平2001−818
91号)。この記録体は、基体上に、液体と接触した状
態で加熱・冷却すると液体との後退接触角が低下し、空
気中で加熱すると後退接触角が回復する性質を有する材
料と、ポリオルガノシロキサン構造を有する材料とを独
立分散した状態で含有する記録層を設けたものである。
【0004】この記録体を用いて転写材上に画像を得る
には、例えば、記録層に液体を接触させた状態で記録信
号に基づいて選択的に加熱して後退接触角を示す領域
(画像部となる潜像領域)を形成し、これにインクを供
給して顕像化すればよく、必要に応じて、このインク画
像を転写材に転写すればよい。この画像形成法によれ
ば、良質のインク画像が転写材上に形成される。しか
し、この方法によったのでは、ベタ画像部の濃度が十分
に得られる半面、中間調画像部にインクが付着しにく
く、中間調画像が飛び気味になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
提案した記録体を用いて、インクに対して地汚れしにく
く、かつ、中間調画像部及びベタ画像部へのインク付着
性が保たれる記録体の親インク処理法を採用して良好な
画像が得られるようにした画像形成方法、及び、この画
像形成方法の実施に有用な画像形成装置を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は下記(1)〜(7)によって達成される。
【0007】(1)基体上に、液体と接触した状態で加
熱・冷却すると液体との後退接触角が低下し、空気中で
加熱すると後退接触角の値が回復する性質を有する部材
(F材)と、ポリオルガノシロキサン構造を有する部材
(S材)とを独立分散した状態で含有する記録層を設け
た記録体を用い、該記録体の記録層を液体と接触した状
態で、F材単独からなる記録体における加熱処理温度よ
りも高い温度で、かつ該基体の耐熱温度以下の温度で加
熱し、冷却して該記録層全面を親インク状態とし、全面
が親インク状態となった記録層に、空気中で非画像部に
あたる箇所を加熱して潜像を形成し、次いで、該記録層
の画像部にインクを供給して画像を得ることを特徴とす
る画像形成方法。
【0008】(2)親インク処理の際に、加熱時間がF
材単独からなる記録対における加熱処理時間よりも長く
する上記(1)記載の画像形成方法。
【0009】(3)接触液体の粘度が0.01〜1P
a.sである上記(1)又は(2)に記載の画像形成方
法。
【0010】(4)接触液体が水溶性液体である上記
(1)、(2)又は(3)記載の画像形成方法。
【0011】(5)基体上に、液体と接触した状態で加
熱・冷却すると液体との後退接触角が低下し、空気中で
加熱すると後退接触角の値が回復する性質を有する部材
(F材)と、ポリオルガノシロキサン構造を有する部材
(S材)とを独立分散した状態で含有する記録層を設け
た記録体を有し、該記録体の記録層を液体と接触した状
態で、F材単独からなる記録体における加熱処理温度よ
りも高い温度で、かつ該基体の耐熱温度以下の温度で加
熱し、冷却して該記録層全面を親インク状態とする手
段、全面が親インク状態となった記録層に、空気中で非
画像部にあたる箇所を加熱して潜像を形成する手段、お
よび該記録層にインクを供給して画像部のみにインクを
付着させる手段を有することを特徴とする画像形成装
置。
【0012】(6)記録層全面を親インク状態とする手
段が、液体と接触した状態で記録体表面を加熱した後、
該液体を記録層表面に保持したまま記録体表面を冷却
し、その後に液体を除去する機構を有する上記(5)記
載の画像形成装置。
【0013】(7)液体を記録体表面に保持したまま記
録体表面を冷却するためにシート状液体保持部材が用い
られる上記(6)記載の画像形成装置。
【0014】なお、これらの画像形成方法及び装置にお
いては、記録体上に形成されたインク画像は必要に応じ
て、紙等の転写材上に転写する方法、手段が採用されて
よい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。上記(1)の発明は、記録層に、液体と接触した
状態で加熱・冷却すると液体との後退接触角が低下し、
空気中で加熱すると後退接触角の値が回復する性質を有
する材料(以下、F材という)と、ポリオルガノシロキ
サン構造を有する材料(以下、S材という)とを独立分
散した状態で含有したことを特徴とする記録体である。
図1(a)に記録体断面の概念図を示す。図1(b)は
F材とS材とが独立分散した状態にあることを示す。イ
ンクが選択的に付着する機能はF材の性質を利用し、イ
ンクに対する離型性はS材の性質を利用する。インクに
対する離型性はS材の性質を利用する。
【0016】図2は、本発明で用いる記録体における記
録原理を示したものである。図2のごとく、予め、記録
体全面を液体に接触した状態で加熱・冷却し、記録層全
面をインク付着性状態とする。その後、画像書き込み時
に、非画像部(地肌部)のみ空気中で加熱し、潜像を形
成する。その後、インクの付着したインキングローラに
て画像部にインクを付着させ、紙に転写する。
【0017】このとき、図3(a)に示す如く、画像部
においてはF材の液体(インクを含めて)に対する後退
接触角が低いため、インクはF材に付着する。一方、図
3(b)に示すごとく、地肌部では、F材の液体(イン
クを含めて)に対する後退接触角が高いため、F材上で
はインクを弾き付着しない。さらに、S材は、ポリオル
ガノシロキサン構造を含有しているため、所謂WFBL
理論に基づき、インクの極薄層のインクオイル層をS材
表面に形成するため、インクが直接S材に接触しないた
め極めて強いインク離型性を示す。この結果、従来のF
材のみの記録体に比べて、地肌部に対してインク離型性
が増加し、地汚れを発生しにくくする。
【0018】ところで、記録層にF材とS材(インク離
型性材料)を含有すると、一般には、画像部では、後退
接触角が低下しインク付着性を示すF材とインク離型性
材料とのバランスによりインク付着性能が決まる。F材
の割合が多ければインク付着性が増加し、少なければイ
ンクは付着しなくなる。逆に、地肌部では、インク離型
性材料の割合が少なくなるとF材単独と性能が変わらな
い程度のインク離型性しか持たなくなる。即ち、地肌汚
れの低減と画像部へのインク付着性は相反する。本発明
者らはこの相反する性質を克服するために鋭意検討した
結果、記録体の親インク処理条件として、液体と接触し
た状態での記録体表面の加熱温度が、F材単独の記録体
の加熱温度よりも相対的に高ければ、画像部のインク付
着性を損なうことなく、地肌汚れに強い記録体と成りう
ることを発見した。本発明はこの知見に基づいてなされ
たものである。
【0019】F材は、前記のとおり、液体と接触した状
態で加熱・冷却すると液体との後退接触角が低下し、空
気中で加熱すると後退接触角の値が回復する性質を有す
る材料であるが、具体的には、(i)疎水基の表面自己
配向機能をもつ有機化合物、又は(ii)疎水基を有する
有機化合物であって疎水基が表面に配向されたものであ
る。
【0020】(i)にいう「表面自己配向機能」とは、
ある化合物を支持体上に形成した固体又は或る化合物自
体による固体を空気中で加熱すると、表面において疎水
基が空気側(自由表面側)に向いて配合する性質がある
ことを意味する。このことは(ii)においても同様にい
える。一般に、有機化合物では疎水基は疎水性雰囲気側
へ向きやすい現象をもっている。これは、固−気界面の
界面エネルギーが低くなるように配向する現象である。
この現象は疎水基の分子長が長くなるほどその傾向が強
くなるが、これは分子長が長くなると加熱による分子の
運動性が上がるためである。
【0021】更に具体的には、末端に疎水基を有する
(即ち表面エネルギーを低くする)分子であると、疎水
基は空気側(自由表面側)を向いて表面配向しやすい。
同様に−(CH2)n−(nは12以上の整数)を含む直
鎖状分子では−(CH2)n−の部分が結晶性を有するた
め分子鎖どうしが配向しやすい。また、フェニル基を含
む分子もフェニル基の部分が平面構造であり、分子鎖ど
うしが配向しやすい。さらに、弗素などの電気陰性度の
高い元素を含む直鎖状分子は自己凝集性が高く、分子鎖
どうしが配向しやすい。
【0022】これらの検討結果をまとめると、より好ま
しくは、自己凝集性の高い分子や平面構造をもつ分子を
含み、かつ、末端に疎水基を有する直鎖状分子、或い
は、そうした直鎖状分子を含む化合物は表面自己配向機
能が高い化合物といえる。
【0023】これまでの記述から明らかなように、表面
自己配向機能と後退接触角とは関連があり、また、後退
接触角と液体付着性との間にも関係がある。即ち、固体
表面での液体の付着は、主に液体の固体表面でのタッキ
ングによって生じる。このタッキングはいわば液体が固
体表面を滑べる時の一種の摩擦力とみなすことができ
る。従って、本発明でいう“後退接触角”θrは、前記
摩擦力をγfとすると、下記の関係式が成立つ(斉藤、
北崎ら「日本接着協会誌」Vol.22、No.12,
No.1986号)。
【数1】 cosθr=(γ/γlV)・(γs-γsl-πe+γf) (但し、γ :真空中の固体の表面張力 γsl:固-液界面張力 γlV:液体がその飽和蒸気と接しているときの表面張力 πe:平衡表面張力 γf:摩擦張力 γs:吸着層のない固体の表面張力、である)
【0024】従って、θrの値が低くなるときγf値は大
きくなる。即ち、液体は固体面を滑べりにくくなり、そ
の結果、液体は固体面に付着するようになる。
【0025】これら相互の関連から推察しうるように、
液体付着性は後退接触角θrがどの程度であるかに左右
され、その後退接触角θrは表面自己配向機能を表面に
有する部材の何如により定められる。本発明の記録体
は、その表面に所望パターン領域の形成及び/又は記録
剤による顕像化の必要から、必然的に、表面自己配向機
能を表面に有する部材が選択される。
【0026】本発明の記録体の記録層はS材とともに
「加熱状態で液体と接触させたときに後退接触角θrが
低下し、空気中で再加熱すると後退接触角θrが回復す
る性質を有する材料」すなわちF材を含む層であるが、
ここでの「液体」は、当初から液体であるものの他、蒸
気あるいは後退接触角θrの低下開始温度以下で結果的
に液体を生じさせる固体であってもよい。ここで蒸気と
は、記録体の表面又は表面近傍で、少なくともその一部
が凝縮して液体を生じ、その液体が記録体の表面を濡ら
すものであれば充分である。一方、ここでの固体は、後
退接触角θrの低下開始温度以下で液体か、液体を発生
させるか、又は、蒸気を発生させるものである。固体か
ら発生した蒸気は記録体の表面又はその近傍で凝縮して
液体を生じる。
【0027】液体としては、水の他に、電解質を含む水
溶液;エタノール、n−ブタノール等のアルコール;グ
リセリン、エチレングリコール等の多価アルコール;メ
チルエチルケトン等のケトン類のごとき有極性液体や、
n−ノナン、n−オクタン等の直鎖状炭化水素;シクロ
ヘキサン等の環式状炭化水素;m−キシレン、ベンゼン
等の芳香族炭化水素のごとき無極性液体が好ましい。特
に有極性液体が好ましい。これらは混合体でもよく、各
種分散液や液状インクも使用できる。
【0028】結果的に液体を生じさせる蒸気としては、
水蒸気の外に、接触材料の液体の蒸気が使用できるが、
特にエタノールやm−キシレンなどの有機化合物の蒸気
(噴霧状態を含む)が好ましい。この有機化合物の蒸気
の温度は記録体の表面を形成する化合物の融点或いは軟
化点以下である。
【0029】結果的に液体を生じさせる固体としては、
高級脂肪酸、低分子量ポリエチレン、高分子ゲル(ポリ
アクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル)、シ
リカゲル、結晶水を含んだ化合物などがあげられる。
【0030】本発明で用いられるF材は、前記後退接触
角変化の性質を有するポリマーであるが、このものには
フッ素原子を含むポリマーが好ましく、特に側鎖にフッ
素原子を有するポリマー材料が好ましい。これらについ
ては特開平3−178478号公報に開示されている記
録層材料のうちのポリマー材料のすべてが使用できる。
【0031】また、フッ素原子を含まないポリマーとし
ては、ラウリル基またはステアリル基等の長鎖のアルキ
ル基側鎖を有するポリマーもあげられるが、本発明の記
録体においては、F材として側鎖にフッ素原子を含むポ
リマーを用いるのが特に好ましい。
【0032】F材のうち、フッ素を含むポリマー材料
(側鎖にフッ素を有するポリマーを含む)としては、下
記化合物(モノマー)の重合単位を含む共重合体が好ま
しい(式中のRは水素原子、メチル基、またはフッ素原
子、Rはフッ素原子含有有機基)。
【0033】 CH2=CRCOORf、 CH2=CROCORf、 CH2=CRC(O)Rf、 CH2=CRORf、 CH2=CRCONHRf、 CH2=C(CH2R)COORf、 CH2=CR(CH2nf。 Rfとしては下記(1)〜(15)が好ましい。 (1)−CH2CH2817、 (2)−CH2CH21021、 (3)−CH2CH21225、 (4)−CH2(CF210H、 (5)−(CF26−O−CF2CF3、 (6)−(CH24−NH−CF2CF3、 (7)−(CH210−C817、 (8)−CH2NHSO2817、 (9)−CH2CH2−(CF26CF(CF32、 (10)−CH2CF2CF2CF3、 (11)−CH2CH2CH2CH2CF3、 (12)−CH2(CF26CF3、 (13)−CH2(CF25CF3、 (14)−(CH23−CF3、 (15)−(CH22(CF25CF2Cl。
【0034】特に下記式(1)で表されるモノマーを重
合して得られる共重合体が好ましい。
【化1】 CH2=CRCOOR2(CF2mF (1) ただし式中の記号は下記の意味を示す。 R1:水素原子またはメチル基、 R2:−(CH2p−(p≧1の整数)または−(C
2q−N(R3)S02−(R3は−CH3または−C2
5、q≧1の整数)、m≧4の整数。
【0035】特に以下の具体的モノマーを重合して得ら
れる共重合体が好ましい。 CH2=C(CH3)COO(CH22(CF26F、 CH2=C(CH3)COO(CH22(CF28F、 CH2=C(CH3)COO(CH22(CF210F、 CH2=C(CH3)COO(CH22(CF212F、 CH2=CHCOO(CH22(CF26F、 CH2=CHCOO(CH22(CF28F、 CH2=CHCOO(CH22(CF210F、 CH2=CHCOO(CH22(CF212F、 CH2=CHCOO(CH22N(C25)SO2(CF
28F、 CH2=C(CH3)COO(CH22N(C25)SO
2(CF28F。
【0036】共重合体は上記モノマーの2種以上の共重
合体であるか、上記モノマーと他の共重合性モノマーと
の共重合体である。特に、共重合体中のフッ素含有量を
調節する等の目的で上記フッ素含有モノマーとフッ素を
含有しないモノマーとの共重合体が好ましい。フッ素含
有モノマーの割合は全モノマーに対して50重量%以上
が好ましい。
【0037】他の共重合性のモノマーとしては、ラジカ
ル重合性の不飽和結合を有する化合物を1種以上用いる
のが好ましい。そのようなモノマーとしては下記のよう
なモノマーがある。なお、以下において、アクリレート
とメタクリレートをまとめて(メタ)アクリレートと記
す。
【0038】エチレン等のオレフィン;酢酸ビニル等の
カルボン酸ビニル;塩化ビニル、弗化ビニル等のハロゲ
ン化ビニル;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリル酸;メチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリ
レート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート等の水
酸基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミ
ド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類;アル
キルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレン等のジエン類、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレート等の上記
以外の(メタ)アクリレート;無水マレイン酸、ジアル
キルマレート等のマレイン酸類;N−ビニルカルバゾー
ル等。
【0039】また、F材としては、CH2=CRCOO
CH2CH2(CF2mF(Rは水素原子またはメチル
基、mは4以上の整数であり6〜14が好ましい。)で
表わされるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリ
レートの重合単位を含む共重合体が好ましい。パーフル
オロアルキル基含有(メタ)アクリレートの重合単位を
含む共重合体は、上記のようなフッ素を含まないモノマ
ーの重合単位を含むのが好ましい。
【0040】パーフルオロアルキル基含有(メタ)アク
リレートの重合単位を含む共重合体中のフッ素原子の割
合は、30〜50重量%が好ましい。パーフルオロアル
キル基含有(メタ)アクリレートの重合単位を含む共重
合体は市販品を用いることができる。
【0041】上記のモノマーから共重合体を得る方法と
しては、溶液重合、電解重合、乳化重合、光重合、放射
線重合、プラズマ重合、グラフト重合、プラズマ開始重
合、蒸着重合等、材料により適当な方法が選択される
が、本発明においては乳化重合が好ましい。
【0042】本発明においては、微粒子状となったF材
を用いて記録層を形成するのが好ましい。微粒子状F材
の製造方法は、下記の方法が採用できる。
【0043】[F材を乾燥し粉砕する方法]たとえば、
トリクロロトリフルオロエタンを溶媒として、パーフル
オロアルキル基含有(メタ)アクリレートを溶液重合
し、溶剤を留去した後、得られた固体を粉砕する。粉砕
したF材を塗布液に分散させる。
【0044】[強制乳化によりF材の水分散液を得る方
法]たとえば、F材をメチルイソブチルケトン(MIB
K)等のF材を溶解し得る有機溶剤に溶解させ、溶液と
する。これに、水と必要に応じて乳化剤を加え、高圧ホ
モジナイサーにより乳化し、有機溶剤を除去してF材の
水分散体を得る。
【0045】[前記モノマーを乳化重合させて直接F材
の水分散液を得る方法]たとえば、重合しようとするモ
ノマーを乳化剤の存在下に水媒体中に乳化させ、撹枠下
に重合させる方法である。重合開始剤としては、有機過
酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の重合開始剤、さらに
γ−線等の電離性放射線等が採用されうる。また、乳化
剤としては、陰イオン性、陽イオン性または非イオン性
の各種乳化剤のほとんど全てが使用でき、中でも後で説
明する水溶性の乳化剤が好ましい。
【0046】微粒子状F材の製造方法としては、F材を
強制乳化する方法またはF材を乳化重合法によって得る
方法が好ましく、特に後者が好ましい。この微粒子状F
材は乳化重合液として市販されており、容易に入手する
ことができる。
【0047】S材は、下記一般式(2)に記載のごと
く、ポリオルガノシロキサン構造を有する部材である。
ここで、R1、R2は炭素数1〜3のアルキル基、nは1
00〜10000の整数である。また、これらアルキル
基の変わりに、フェノール変性、エポキシ変性、アミノ
変性した構造でもよい。
【化2】
【0048】このS材はシリコーン樹脂分散液として市
販されており、容易に入手することができる。
【0049】記録層において、これらのF材及びS材
は、おのおの独立に分散していることが望ましく、それ
ぞれのドメインの大きさは、1μm〜5μm程度が望ま
しい。1μmよりも小さい場合、画像部において、F材
にインクが付着しにくくなり、5μm以上では、地肌部
でのインク離型性が落ちてしまう。また、記録層におけ
るF材/S材の重量割合は4/6〜7/3が適当であ
る。
【0050】上記の記録層は一般にフィルム基板上に形
成される。記録層は、F材として例えば含フッ素アクリ
レート重合体の乳化重合液、S材として例えばシリコー
ン樹脂分散液を混合してコート液をつくり、これをフィ
ルム基板上に塗布し、自然乾燥後120〜150℃で熱
キュアを行うことにより形成できる。記録層の厚みは1
〜5μmくらいが適当である。
【0051】本発明におけるフィルム基板としては、公
知の合成樹脂フィルムが挙げられる。合成樹脂フィルム
としては、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、トリアセチルセルロースフィルム、セロハンフ
ィルム、ポリアミドフィルム、ポリフェニレンスルフィ
ドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、芳香族ポリ
アミドフィルム、ポリスルホンフィルム、およびポリオ
レフィンフィルム等が挙げられる。これらのうち、機械
的特性、熱的特性、または価格などの理由から、ポリエ
ステルフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムが
好ましく、特にポリエステルフィルムが好ましい。
【0052】上記の「ポリエステルフィルム」は、エス
テル結合を主鎖の主要な結合鎖とするポリエステルのフ
ィルムを総称している。ポリエステルとしては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレ
ート、ポリエチレンα,β−ビス(2−クロロフェノキ
シ)エタン4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等が挙げられ、品質および経済性等か
ら、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0053】フィルム基板表面はそのままであってもよ
いが、本発明においては、該表面を粗面化しておくのが
好ましい。粗面化の方法としては、特に限定されず、た
とえば、サンドブラストによりフィルム面を削るサンド
マット加工や、あらかじめフィルムに微粒子を混ぜるダ
イレクトマット加工や、フィルム面に微粒子を混ぜた樹
脂層をコートするコーティングマット加工のいずれでも
よい。フィルム基板の形状は、ベルト状、板状、ドラム
状のいずれでもよく、装置の使用用途に応じて選定す
る。フィルム基板の厚さは10〜200μmが好まし
く、特にコスト面から、20〜100μmが好ましい。
【0054】この記録体による画像の形成方法において
用いる加熱源としては、サーマルヘッドのごとき接触加
熱体やレーザのごとき非接触加熱源が望ましい。インク
としては、S材としてのポリオルガノシロキサンに対し
て優れた離型性を示す油性インクが望ましい。画像記録
装置としては、オフセット印刷機や凸版印刷機のごとく、高
粘度インクを用いた印字が可能な装置が望ましい。イン
クの粘度は、10Pa・s〜300Pa・s程度が望ま
しい。
【0055】この記録体による画像の形成方法を図4
(a)及び(b)に示す。図4(a)は、予め、記録層
全面を液体に接触した状態で加熱し、記録層全面をイン
ク付着性状態とする。その後、画像書き込み時に、非画
像部(地肌部)のみ空気中で加熱し、潜像を形成する。
その後、インクの付着したインキングローラにて画像部
にインクを付着させ、紙に転写する。一方、図4(b)
は、最初の状態がインク離型性のままで、液体に接触し
た状態で画像部のみ選択的に加熱する。これにより画像
部はインク付着性を示し、画像形成が可能となる。
【0056】上記の記録層をインク付着性とするための
加熱温度、即ち、親インク処理時の液体と接触した状態
での加熱温度としては、S材を加えないでF材単独から
なる記録体における加熱温度をTfとすると、本発明に
用いる記録体における加熱温度は、おおむねTfs>T
f+30℃が望ましい。また、基板の耐熱温度(Tc)
以上に加熱すると記録体が熱変形してしまい記録層にク
ラック等が発生し撥インク性能が劣化する。このため、
親インク処理温度は基板の耐熱温度以下が望ましい。親
インク処理手段は、記録体の製造装置に組み込まれても
よく、また、印刷機上に組み込まれていてもよい。
【0057】また、親インク処理時の液中での加熱時間
は、F材単独の記録体における加熱時間より長いことが
好ましい(F材単独の記録体の加熱時間の3倍以上が望
ましく、更に量産性を考慮すると6倍以上がより望まし
い)。これはF材が、親インク処理時の液中での加熱時
間を長くするほど後退接触角が低くなり、ある一定時間
を過ぎると後退接触角の低下が飽和する、という性質を
有しているからである。
【0058】本発明の親インク処理時に用いられる液体
は、特に、沸点が液中加熱温度以上で、かつ、融点が液
中加熱温度以下である液体が望ましい。液体の粘度とし
ては、0.01Pa・s未満であると冷却される前に液
体が表面から流れやすくなり、1Pa・sより高粘度で
あると冷却後の液体の除去が困難になるため、0.01
〜1Pa・sの液体が望ましい。
【0059】また、本発明の親インク処理時に用いられ
る液体は、特に、水溶性であるのが好ましい。これは、
記録体上に付着した液体は洗浄する必要があるが、記録
体材料を劣化させる性質の液体は好ましく、この点、水
溶性液体であればそうした不具合を生じさせないからで
ある。水溶性液体の好ましい具体例としては、エチレン
グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなど
のグリコール系溶剤や、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルブチラールなどの水溶性樹
脂を溶解した水溶液があげられる。
【0060】記録体を液体に接触した状態で全面加熱す
る手段としては、加熱する手段を有する液体容器を用い
予め加熱した液体を接触させる手段や、液体と接触状態
で赤外線ランプで照射する手段や、ローラ状ヒータを接
触させる手段が適当である。
【0061】上記の記録体を液体に接触した状態で全面
加熱する手段にあって、液中加熱された記録体が、まだ
熱を持った状態において接触液体を除去すると、空気中
加熱されている状態となり、記録層表面は撥インク性を
示し、十分な親インク性が得られない。上記状態を防ぐ
ため、記録体が液中にて十分冷却された後、接触液体を
除去することが望ましい。そこで、本発明の親インク処
理手段においては、液体と接触した状態で記録体表面を
加熱した後、該液体を記録体表面に保持したまま記録体
表面を冷却し、その後に接触液体を除去する機構を有す
ることが望ましい(図5)。液中加熱後の液中冷却温度
としては、40℃以下が望ましい。
【0062】しかし、液中加熱後の液中の冷却では、液
体の冷却に時間がかかり量産性に欠ける。また、記録体
を液中から引き上げた時に、液体が記録体の両端から流
れ落ち、液体付着状態での記録体表面の冷却が十分行わ
れず、満足するインク付着性が得られないことが心配さ
れる。そこで、図6、図7または図8に示したように、
接触液体を保持する部材を設け、これに記録体表面(記
録層)を当接させることが好ましい、。
【0063】図6は液体保持部材として中空のアルミニ
ウム、真ちょう、ステンレスなどの金属シリンダーを用
いた例で冷却は大気中で行うものである。図7は液体保
持部材として、ポリエステル、ポリイミド、ニッケルな
どの材質からなるエンドレスベルトの内側に冷却ファン
を設けたものを用いた例である。また、図8は液体保持
部材として、長尺のエンドレスベルトを用いた例であ
る。
【0064】
【実施例】次に実施例、比較例をあげて本発明を具体的
に説明する。ここでの部は重量基準である。
【0065】(実施例1) F材:含フッ素アクリレート重合体の乳化重合液(固形
分20wt%、旭硝子社製(商品名:アサヒガードLS
317) S材:シリコーン樹脂分散液(東レダウコーニングシリ
コーン社製、SE1950、固形分50wt%の液をイ
オン交換水にて希釈し、固形分20wt%とした液) 基板:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚み100μm)F材とS材を固形分比1/1にて混
合したコート液を調合し、ワイヤーバー(ワイヤー径
0.35mm)にてPETフィルム上にコート(固形分
厚み3μm)し、自然乾燥後150℃で1分間熱キュア
を行って記録体を作製した。接触液体(ポリエチレング
リコール)中にて記録層表面の加熱温度を100〜18
0℃の範囲で実施(加熱時間:10秒)し、液中にて冷
却した後に液体を記録層表面より除去して親インク処理
を行った。
【0066】(比較例1) F材:含フッ素アクリレート重合体の乳化重合液(固形
分20wt%) 基板:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚み100μm)F材液のみをワイヤーバー(ワイヤ
ー径0.35mm)にてPETフィルム上にコート(固
形分厚み3μm)し、自然乾燥後150℃で1分間熱キ
ュアを行って記録体を作成した。これに実施例1と同様
な親インク処理を行った(加熱温度:100℃、加熱時
間:10秒)。
【0067】[印刷評価]これら実施例1、比較例1で
親インク処理が施された記録体に画像書き込み、印刷を
行った。 インク:市販水なし平版インク 印刷機:市販オフセット印刷機 画像書き込み:600dpiサーマルヘッドにて書き込
み(図4(a)の書き込み方法にて) 紙:市販コート紙(王子製紙社製、NPIダルコート) 画像書き込み後の記録体を印刷機の版ドラムに張りつけ
て印刷評価を実施した。
【0068】(実施結果)実施結果を図9に示す。上記
のごとく、F材単独の加熱温度よりも+30℃以上、か
つ基板の耐熱温度以下とすることで、良好な中間調の画
像再現性が得られた。また、170℃以上では、基板が
熱変形し記録体への書き込みができなかった。
【0069】(実施例2) F材:含フッ素アクリレート重合体の乳化重合液(固形
分20wt%、旭硝子社製(商品名:アサヒガードLS
317) S材:シリコーン樹脂分散液(信越化学社製、X52−
195、固形分40wt%の液をイオン交換水にて希釈
し、固形分20wt%とした液) 基板:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚み100μm)F材とS材を固形分比1/1にて混
合したコート液を調合し、ワイヤーバー(ワイヤー径
0.35mm)にてPETフィルム上にコート(固形分
厚み3μm)し、自然乾燥後150℃で1分間熱キュア
を行って記録体を作成した。接触液体(ポリエチレング
リコール)中にて記録層表面の加熱時間を10、30、
60秒(130℃)とし、液中にて冷却した後に液体を
記録層表面より除去して親インク処理を行った。
【0070】(比較例2) F材:含フッ素アクリレート重合体の乳化重合液(固形
分20wt%、旭硝子社製(商品名:アサヒガードLS
317) 基板:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚み100μm)F材液のみをワイヤーバー(ワイヤ
ー径0.35mm)にてPETフィルム上にコート(固
形分厚み3μm)し、自然乾燥後150℃1分間熱キュ
アを行って記録体を作製した。これに実施例2と同様な
親インク処理を行った(加熱温度:100℃、加熱時
間:10秒)。
【0071】[印刷評価]これら実施例2、比較例2で
親インク処理が施された記録体に画像書き込み、印刷を
行った。 インク:市販水なし平版インク 印刷機:市販オフセット印刷機 画像書き込み:600dpiサーマルヘッドにて書き込
み(図4(a)の書き込み方法にて) 紙:市販コート紙(王子製紙社製、NPIダルコート)
【0072】(実施結果)実施結果を図10に示す。上
記のごとく、F材単独の加熱時間の3倍以上とすること
で、良好な中間調の画像再現性が得られた。
【0073】(実施例3) F材:含フッ素アクリレート重合体の乳化重合液(固形
分20wt%、旭硝子社製(商品名:アサヒガードLS
317) S材:シリコーン樹脂分散液(信越化学社製、X52−
195、固形分40wt%の液をイオン交換水にて希釈
し、固形分20wt%とした液) 基板:表面にカーボン層を5μmコートしたポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム(厚み100μ
m) F材とS材を固形分比1/1にて混合したコート液を調
合し、ワイヤーバー(ワイヤー径0.35mm)にてP
ETフィルム上にコート(固形分厚み3μm)し、自然
乾燥後150℃で1分間熱キュアを行って記録体を作製
した。接触液体(ポリエチレングリコール)中にて記録
層表面の加熱温度を130℃(30秒)とし、液中にお
いて30℃〜60℃に冷却した後に液体を記録層表面よ
り除去して親インク処理を行った。
【0074】[印刷評価] インク:市販水なし平版インク 印刷機:市販オフセット印刷機 画像書き込み:600dpiサーマルヘッドにて書き込
み(図4(a)の書き込み方法にてレーザ光の代わりに
サーマルヘッドを使用) 紙:市販コート紙(王子製紙社製、NPIダルコート) 画像書き込み後の記録体を印刷機の版ドラムに張りつけ
て印刷評価を実施した。実施結果を表1に示す。
【0075】
【表1】 表1のごとく、録体が液中にて十分冷却された(40℃
以下)後に接触液体を除去することで、十分なベタ画像
が得られた。
【0076】(実施例4)実施例1の記録体を用いた下
記の条件で親インク処理を行った。 記録体の搬送速度:1m/分 接触液体:ポリエチレングリコール 保持部材:中空シリンダー(内部水冷、25℃)、アル
ミニウムφ200mm
【0077】(比較例4)実施例1の記録体を用いた下
記の条件で親インク処理を行った。 記録体の搬送速度:1m/分。 接触液体:ポリエチレングリコール
【0078】[印刷評価] インク:市販水なし平版インク 印刷機:市販オフセット印刷機 画像書き込み:600dpiサーマルヘッドにて書き込
み(図4(a)の書き込み方法にて) 紙:市販コート紙(王子製紙、NPIダルコート) 画像書き込み後の記録体端部を印刷機の版ドラムに張り
つけて印刷評価を実施。実施結果を表2に示す。
【0079】
【表2】 表2のごとく、液体保持手段を設けることで、良好なベ
タ画像が得られた。
【0080】(実施例5) F材:含フッ素アクリレート重合体の乳化重合液(固形
分20wt%、旭硝子社製(商品名:アサヒガードLS
317) S材:シリコーン樹脂分散液(信越化学社製、X52−
195、固形分40wt%の液をイオン交換水にて希釈
し、固形分20wt%とした液) 基板:表面にカーボン層を5μmコートしたポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム(厚み100μ
m) F材とS材を固形分比1/1にて混合したコート液を調
合し、ワイヤーバー(ワイヤー径0.35mm)にてP
ETフィルム上にコート(固形分厚み3μm)し、自然
乾燥後150℃で1分間熱キュアを行って記録体を作成
した。接触液体(ポリビニルアルコールを増粘剤とした
水溶液)の粘度をポリビニルアルコールの濃度を調整し
て0.001Pa・s、0.01Pa・s、0.1Pa
・s、1Pa・s、10Pa・sとし、これらの液中に
て記録層表面の加熱温度を130℃、30秒とし、次い
で大気中で冷却して親インク処理を行った。
【0081】[印刷評価] インク:市販水なし平版インク 印刷機:市販オフセット印刷機 画像書き込み:半導体レーザにて書き込み(図4(a)
において、波長780nm、出力50mWの半導体レー
ザを用いて、解像度2400dpiにて書き込み) 紙:市販コート紙(王子製紙、NPIダルコート) 画像書き込み後の記録体端部を印刷機の版ドラムに張り
つけて印刷評価を実施。実施結果を表3に示す。
【0082】
【表3】 表3のごとく、接触液体の粘度が0.01Pa・s〜1
Pa・sにおいて、接触液体が除去し易く良好なベタ画
像が得られろことがわかった。
【0083】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、画像部への良
好なインク付着性が得られ、これまであった中間調画像
の階調飛びを改善する。請求項2の発明によれば、請求
項1に比べさらに中間調画像の階調飛びを改善し、安定
したインク付着性が得られる。請求項3の発明によれ
ば、記録体表面へ液体を保持しやすく、安定したインク
付着性が得られる。請求項4の発明によれば、記録体の
劣化が防止でき、信頼性が向上する。請求項5の発明に
よれば、画像部への良好なインク付着性が得られ、これ
まであった中間調画像の階調飛びを改善した記録体の供
給が可能となる。請求項6の発明によれば、記録層表面
に液体を確実に保持することによりインク付着不良が改
善できる。請求項7の発明によれば、製造ラインの省ス
ペース化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明で用いられる記録体の断面の概
念図であり、(b)はこれを紙面上方からみた場合の図
である。
【図2】記録層に親インク状態が形成され、さらにイン
クが選択的に付着するまでの様子を説明するための図で
ある。
【図3】(a)及び(b)はインクが付着する様子を説
明するための記録体の断面の概念図である。
【図4】(a)は本発明の画像書込み方を説明するため
の概念図であり、(b)は別の画像書込み方を説明する
ための概念図である。
【図5】本発明の親インク処理を説明するための図であ
る。
【図6】本発明の別の親インク処理を説明するための図
である。
【図7】本発明の別の親インク処理を説明するための図
である。
【図8】本発明の別の親インク処理を説明するための図
である。
【図9】本発明の親インク処理における加熱温度の効果
を説明するための図である。
【図10】本発明の親インク処理における加熱時間の効
果を説明するための図である。
【符号の説明】
F材:液体と接触した状態で加熱・冷却すると液体との
後退接触角が低下し、空気中で加熱すると後退接触角の
値が回復する性質を有する材料。 S材:ポリオルガノシロキサン構造を有する材料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片野 泰男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 原 敬 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H084 AA13 AA25 CC05 2H111 HA00 HA18 HA23 HA35 2H114 AA04 AA22 AA24 AA27 BA05 DA62 EA01 EA02 EA04 EA08 FA06 GA01 GA38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、液体と接触した状態で加熱・
    冷却すると液体との後退接触角が低下し、空気中で加熱
    すると後退接触角の値が回復する性質を有する部材(F
    材)と、ポリオルガノシロキサン構造を有する部材(S
    材)とを独立分散した状態で含有する記録層を設けた記
    録体を用い、 該記録体の記録層を液体と接触した状態で、F材単独か
    らなる記録体における加熱処理温度よりも高い温度で、
    かつ該基体の耐熱温度以下の温度で加熱し、冷却して該
    記録層全面を親インク状態とし、 全面が親インク状態となった記録層に、空気中で非画像
    部にあたる箇所を加熱して潜像を形成し、 次いで、該記録層の画像部にインクを供給して画像を得
    ることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 親インク処理の際に、加熱時間がF材単
    独からなる記録体における加熱処理時間よりも長くする
    請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 接触液体の粘度が0.01〜1Pa.s
    である請求項1又は2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 接触液体が水溶性液体である請求項1〜
    3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 基体上に、液体と接触した状態で加熱・
    冷却すると液体との後退接触角が低下し、空気中で加熱
    すると後退接触角の値が回復する性質を有する部材(F
    材)と、ポリオルガノシロキサン構造を有する部材(S
    材)とを独立分散した状態で含有する記録層を設けた記
    録体を有し、 該記録体の記録層を液体と接触した状態で、F材単独か
    らなる記録体における加熱処理温度よりも高い温度で、
    かつ該基体の耐熱温度以下の温度で加熱し、冷却して該
    記録層全面を親インク状態とする手段、 全面が親インク状態となった記録層に、空気中で非画像
    部にあたる箇所を加熱して潜像を形成する手段、 および該記録層にインクを供給して画像部のみにインク
    を付着させる手段を有することを特徴とする画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 記録層全面を親インク状態とする手段
    が、液体と接触した状態で記録体表面を加熱した後、該
    液体を記録層表面に保持したまま記録体表面を冷却し、
    その後に液体を除去する機構を有する請求項5記載の画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 液体を記録体表面に保持したまま記録体
    表面を冷却するためにシート状液体保持部材が用いられ
    る請求項6記載の画像形成装置。
JP2002081663A 2002-03-22 2002-03-22 画像形成方法及び装置 Pending JP2003276152A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002081663A JP2003276152A (ja) 2002-03-22 2002-03-22 画像形成方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002081663A JP2003276152A (ja) 2002-03-22 2002-03-22 画像形成方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003276152A true JP2003276152A (ja) 2003-09-30

Family

ID=29206607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002081663A Pending JP2003276152A (ja) 2002-03-22 2002-03-22 画像形成方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003276152A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4117720B2 (ja) 記録体
US9283795B1 (en) Imaging member for offset printing applications
CA2875529C (en) Methods for ink-based digital printing with high ink transfer efficiency
JP2016148031A (ja) 制御された寸法変化および低エネルギー硬化用の高分岐インク組成物
JPS63120680A (ja) 印刷方法
JP7399736B2 (ja) 画像形成ブランケット及び画像形成ブランケットを使用する可変データリソグラフィシステム
JPH06344676A (ja) 保護された二元画像およびその製造方法
JP3250879B2 (ja) 画像支持体の再生方法および該再生方法に使用する再生装置
JP2678399B2 (ja) 記録方法
US6387588B1 (en) Plate material for printing method based on wettability change
JP2003276152A (ja) 画像形成方法及び装置
JPH1034868A (ja) 湿し水不要平版印刷版の形成方法
EP3159741A1 (en) Digital lithographic image forming surface incorporating a carbon black polymeric filler
JP3928122B2 (ja) 記録体
JP2006321090A (ja) 平版印刷方法および湿し水
JP3219299B2 (ja) 記録体
JP3066603B2 (ja) 記録装置
CN1882877A (zh) 生产柔性印刷版的方法
JP3506351B2 (ja) 像保持体の繰り返し使用方法
US9469143B1 (en) Digital lithographic image forming surface incorporating a carbon black polymeric filler
JP3998890B2 (ja) 印刷用版材
JPH01146785A (ja) インクジエツト記録シート
JPH1016176A (ja) 感光性平版印刷版原版および平版印刷版の画像形成方法
JP2000052691A (ja) 転写シート及びそれを用いた画像形成方法並びに転写方法
JP2967531B2 (ja) 記録体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050323

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050506

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20050712

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20050913