JP2003275789A - 有機性排液の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置 - Google Patents

有機性排液の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置

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JP2003275789A
JP2003275789A JP2002081159A JP2002081159A JP2003275789A JP 2003275789 A JP2003275789 A JP 2003275789A JP 2002081159 A JP2002081159 A JP 2002081159A JP 2002081159 A JP2002081159 A JP 2002081159A JP 2003275789 A JP2003275789 A JP 2003275789A
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JP
Japan
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sludge
anaerobic digestion
anaerobic
liquid
separated
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Application number
JP2002081159A
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English (en)
Inventor
Kazuya Komatsu
和也 小松
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥の存
在下でメタン発酵により処理するに当たり、発生する嫌
気性消化汚泥を効果的に減容化する。 【解決手段】 嫌気性消化槽1からの消化汚泥を引き抜
いて汚泥可溶化槽3で60℃以上の温度に加熱処理して
有機成分を優先的に可溶化した後固液分離し、無機成分
の比率を高めた分離汚泥を余剰汚泥として系外へ排出す
る。分離液は嫌気性消化槽1へ返送する。或いは、嫌気
性消化槽1に導入する有機性排液を予め原水可溶化槽で
60℃以上の温度に加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機性排液の嫌気性
消化方法及び嫌気性消化装置に係り、特に、有機性汚
泥、し尿等の有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥の
存在下でメタン発酵により処理するに当たり、発生する
嫌気性消化汚泥を効果的に減容化することができる嫌気
性消化方法及び嫌気性消化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機性汚泥、し尿、食品排水等のスラリ
ー状の高濃度有機性排液を嫌気性微生物の存在下にメタ
ン発酵することにより処理する嫌気性処理方法は、嫌気
性消化法とも呼ばれ、古くから行われている方法であ
る。
【0003】このような嫌気性消化処理においては、未
分解物質及び嫌気性微生物を主体とする汚泥(嫌気性消
化汚泥。以下単に「消化汚泥」と称す場合がある。)が
生成する。従来、この消化汚泥は、機械脱水した後、焼
却、埋立等により処理されている。
【0004】嫌気性消化処理により生成する汚泥を減容
化する装置として、特開平9−206785号公報に
は、消化汚泥をオゾン処理により改質した後、この改質
液を嫌気性消化槽に返送する嫌気性処理装置が記載され
ている。この装置は、消化汚泥をオゾン処理して易生物
分解性に改質した後、嫌気性消化槽に戻して嫌気性微生
物の基質として更に分解するものであり、汚泥の減容化
に有効な装置である。
【0005】この装置では、有機性排液から嫌気性消化
により生じる汚泥の減容化効果を高めるために、嫌気性
消化槽での汚泥の滞留時間を保って嫌気性消化処理の効
率を低下させないようにしながら改質処理する汚泥量を
増加させる必要がある。そのためには、消化汚泥の一部
を固液分離し、分離液を処理水として排出すると共に分
離された高濃度汚泥(濃縮汚泥)を嫌気性消化槽に返送
するように構成し、固形物の系外流出を抑え、嫌気性消
化槽での汚泥保持量及び汚泥濃度を高く保つ必要があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この装置で汚
泥中の有機成分は著しく減容化されるのに対して、無機
成分は減量されないため、固液分離した濃縮汚泥を嫌気
性消化槽に返送することによって無機成分が嫌気性消化
槽内に蓄積する。無機成分の蓄積により嫌気性消化槽の
汚泥濃度が高くなると、槽内液の粘性が急激に増加する
ため、嫌気性消化槽内が充分に撹拌混合されなくなり、
嫌気性消化の効率が低下してしまう。そのため、嫌気性
消化槽の汚泥濃度をある範囲(一般的には5〜6%)で
維持するように消化汚泥を余剰汚泥として適宜引き抜く
必要がある。そして、この無機成分の蓄積を防ぐための
汚泥の引き抜きで、本来なら減量されるはずの有機成分
が引抜汚泥中に含まれて系外へ排出され、このために、
有機成分の減量が制限されるという問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決し、嫌
気性消化処理系内に蓄積する汚泥中の無機成分を優先的
に引き抜くことによって、汚泥中の有機成分を大幅に減
量化することができる有機性排液の嫌気性消化方法及び
嫌気性消化装置を提供することを目的とする。
【0008】本発明は、また、有機性排液の嫌気性消化
処理により生じる汚泥を減少させて、嫌気性消化槽の汚
泥濃度を過度に高めることなく、嫌気性消化汚泥をオゾ
ン処理等の改質処理を行った後循環させることによっ
て、汚泥を大幅に減容化することができる有機性排液の
嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の有機性排液の
嫌気性消化方法は、有機性排液を、嫌気性微生物を含む
汚泥の存在下にメタン発酵させる嫌気性消化工程と、該
嫌気性消化工程の流出液を汚泥と処理液とに固液分離す
る固液分離工程と、該固液分離工程の分離汚泥を前記嫌
気性消化工程に返送する汚泥返送工程とを含む有機性排
液の嫌気性消化方法において、該嫌気性消化工程におい
て生成する汚泥を引き抜いて60℃以上の温度で加熱処
理する汚泥熱処理工程と、該汚泥熱処理工程の加熱処理
汚泥を固液分離して分離汚泥を系外に排出する汚泥排出
工程と、該汚泥排出工程で分離された分離液を前記嫌気
性消化工程に返送する分離液返送工程を有することを特
徴とする。
【0010】請求項2の有機性排液の嫌気性消化装置
は、有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥の存在下に
メタン発酵させる嫌気性消化手段と、該嫌気性消化手段
の流出液を汚泥と処理液とに固液分離する固液分離手段
と、該固液分離手段の分離汚泥を前記嫌気性消化手段に
返送する汚泥返送手段とを含む有機性排液の嫌気性消化
装置において、該嫌気性消化手段及び/又は前記固液分
離手段から汚泥を引き抜いて60℃以上の温度で加熱処
理する汚泥熱処理手段と、該汚泥熱処理手段の加熱処理
汚泥を固液分離して分離汚泥を系外に排出する汚泥排出
手段と、該汚泥排出手段で分離された分離液を前記嫌気
性消化手段に返送する分離液返送手段を有することを特
徴とする。
【0011】消化汚泥を加熱処理することにより汚泥中
の有機成分を優先的に可溶化し、この加熱処理汚泥を固
液分離した分離汚泥を系外に引き抜くことによって無機
成分を優先的に引き抜き、これにより系内の無機成分の
蓄積を防止した上で、汚泥を大幅に減量化することがで
きると共に、消化ガス発生量を増加させることができ
る。
【0012】請求項3の有機性排液の嫌気性消化方法
は、有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥の存在下に
メタン発酵させる嫌気性消化工程と、該嫌気性消化工程
の流出液を汚泥と処理液とに固液分離する固液分離工程
と、該固液分離工程の分離汚泥を前記嫌気性消化工程に
返送する汚泥返送工程とを含む有機性排液の嫌気性消化
方法において、該嫌気性消化工程に送給する有機性排液
の少なくとも一部を、予め60℃以上の温度で加熱処理
する原水熱処理工程を有することを特徴とする。
【0013】請求項5の有機性排液の嫌気性消化装置
は、有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥の存在下に
メタン発酵させる嫌気性消化手段と、該嫌気性消化手段
において生成する汚泥を引き抜いて易生物分解性に改質
する改質手段と、該改質手段で改質された改質汚泥を前
記嫌気性消化手段に返送する改質汚泥返送手段とを含む
有機性排液の嫌気性消化装置において、該嫌気性消化手
段に送給する有機性排液の少なくとも一部を、予め60
℃以上の温度で加熱処理する原水熱処理手段を有するこ
とを特徴とする。
【0014】嫌気性消化処理に供する有機性排液を予め
加熱処理して可溶化することにより、嫌気性消化処理効
率が向上し、嫌気性消化処理で発生する汚泥量を減少さ
せることができ、これにより嫌気性消化槽の汚泥濃度を
過度に高めることなく、嫌気性消化汚泥をオゾン処理等
の改質処理を行った後循環させることによって、汚泥を
大幅に減容化することができると共に、消化ガス発生量
を増加させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0016】まず、図1を参照して請求項1,2の有機
性排液の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置の実施の形
態を説明する。
【0017】図1は請求項1,2の有機性排液の嫌気性
消化方法及び嫌気性消化装置の実施の形態を示す系統図
である。
【0018】この嫌気性消化装置は、嫌気性消化槽1
と、処理水取出手段としての遠心分離装置2と、汚泥熱
処理手段としての汚泥可溶化槽3と、汚泥排出手段とし
ての沈殿槽4とを備えている。1Aは撹拌機である。
【0019】この嫌気性消化装置では、嫌気性消化槽1
に原水路11から有機性排液を導入する。そして、返送
汚泥路12を通して遠心分離装置2から返送される返送
汚泥、分離液返送路14を通して返送される沈殿槽4の
分離液及び嫌気性消化槽1内の嫌気性微生物を含む汚泥
と該原水とを撹拌機1Aにより緩やかに攪拌混合しなが
ら嫌気性消化処理を行う。ここで行われる嫌気性消化処
理により、原水中の有機物の多くは酸生成菌及びメタン
生成菌により分解される。生成するメタンガスを含む消
化ガスは排ガス路15から排出される。
【0020】嫌気性消化槽1の流出液(消化汚泥)は移
送路16から遠心分離装置2に導入される。遠心分離装
置2では、移送路16から導入された消化汚泥が固形分
(濃縮汚泥)と分離液とに固液分離され、分離液は処理
水として処理水路17から系外に排出される。固形分
(濃縮汚泥)は返送汚泥路12より嫌気性消化槽1に返
送される。固形分の一部は、移送路19より汚泥可溶化
槽3に送給してもよい。
【0021】嫌気性消化槽1からは引抜汚泥路18より
消化汚泥が引き抜かれ、汚泥可溶化槽3に送給される。
【0022】汚泥可溶化槽3は、嫌気性消化槽1から引
き抜いた消化汚泥を60℃以上の温度で加熱することに
より可溶化させる槽であり、加熱処理によって、消化汚
泥中の有機成分が優先的に可溶化される。汚泥可溶化槽
3の加熱処理汚泥は、移送路21より沈殿槽4に送給さ
れて固液分離され、分離汚泥が余剰汚泥として排出汚泥
路22より系外へ排出され、分離液は分離液返送路14
より嫌気性消化槽1へ返送される。この分離液中には、
汚泥可溶化槽3で可溶化された有機成分が含まれている
ことから、これを嫌気性消化槽1で消化処理する。
【0023】汚泥熱処理工程即ち、汚泥可溶化槽3は、
嫌気性消化槽1から引き抜いた消化汚泥を60℃以上の
温度で加熱処理することにより可溶化させる工程であ
る。加熱処理によって消化汚泥中の有機成分が無機成分
に対し優先的に可溶化する。加熱処理温度は60℃以
上、好ましくは120〜180℃である。この加熱処理
時に、処理温度の飽和蒸気圧以上に加圧してから処理温
度に昇温して化学反応を起こさせることによって、可溶
化効率を向上させることができる。加熱処理時間は処理
温度にもよるが、例えば処理温度150℃の場合、0.
5〜1.0時間である。
【0024】嫌気性消化槽1から引き抜いて加熱処理す
る消化汚泥の量は、嫌気性消化槽1へ導入される固形無
機成分量の1〜5倍、好ましくは1.5〜3倍に相当す
る量とするのが好ましい。また、一日当たりに加熱処理
する消化汚泥の量は嫌気性消化槽1の全保有汚泥量の1
/15以下特に1/20〜1/40に相当する量とする
のが好ましい。一日当たりの加熱処理量を前記の量にす
ることにより、嫌気性消化処理に必要な微生物量を嫌気
性消化槽1内に保持することができ、嫌気性消化処理の
効率を高く保つことができる。
【0025】加熱処理汚泥の固液分離工程は、加熱処理
汚泥を固液分離し、分離液を嫌気性消化工程に返送する
と共に、分離汚泥を系外に排出する工程である。この工
程では、嫌気性消化槽1へ導入される無機成分と同量の
無機成分を含有する量の分離汚泥を余剰汚泥として系外
に排出することによって、嫌気性消化槽1における無機
成分の蓄積を防ぐことができる。加熱処理によって消化
汚泥中の有機成分が優先的に可溶化されているため、分
離汚泥はもとの消化汚泥に比べ無機成分の比率が高くな
っている。この無機成分の比率の高い分離汚泥を系外に
排出し、可溶化した有機成分を含む分離液を嫌気性消化
工程に返送することによって、有機成分の引き抜き量を
減少させ、系内で滞留させることにより、有機成分の減
量化効果を高めることができる。加熱処理汚泥の固液分
離には、図1に示す沈殿槽の他、遠心分離装置、浮上分
離装置、膜分離装置などの固液分離装置を用いることが
できる。分離汚泥は余剰汚泥としてそのまま脱水し、焼
却、埋め立て等を行っても良いし、好気性又は嫌気性生
物処理を行った後、脱水、焼却、埋め立て等を行っても
良い。この加熱処理汚泥は消化汚泥に比べ脱水性が改善
されており、脱水したときの嵩を著しく減らすことがで
きる。また、嫌気性消化工程に返送される分離液には加
熱処理により生成した易分解性成分が多く含まれてお
り、これらは嫌気性消化工程で速やかに分解され、処理
系から生じる余剰汚泥を更に減量化することができる。
【0026】次に図2を参照して請求項3〜6の有機性
排液の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置の実施の形態
を説明する。
【0027】図2は請求項3〜6の有機性排液の嫌気性
消化方法及び嫌気性消化装置の実施の形態を示す系統図
である。図2において、図1に示す部材と同一機能を奏
する部材には同一符号を付してある。
【0028】この嫌気性消化装置は、有機性排液の原水
熱処理手段としての原水可溶化槽1と、嫌気性消化槽1
と、処理水取出手段としての遠心分離装置2と、改質手
段としてのオゾン処理槽5と、該オゾン処理槽5にオゾ
ンを供給するオゾン発生器6等を備えている。1A,5
Aは撹拌機である。
【0029】この嫌気性消化装置では、原水可溶化槽7
に原水路10から有機性排液を導入して60℃以上の温
度に加熱処理した後移送路11から嫌気性消化槽1に導
入する。嫌気性消化槽1では、返送汚泥路12を通して
遠心分離装置2から返送される返送汚泥、オゾン処理槽
5から改質汚泥返送路13を通して返送される改質汚泥
及び嫌気性消化槽1内の嫌気性微生物を含む汚泥と該原
水とを撹拌機1Aにより緩やかに攪拌混合しながら嫌気
性消化処理を行う。ここで行われる嫌気性消化処理によ
り、原水中の有機物の多くは酸生成菌及びメタン生成菌
により分解される。生成するメタンガスを含む消化ガス
は排ガス路15から排出される。
【0030】嫌気性消化槽1の流出液(消化汚泥)は移
送路16から遠心分離装置2に導入される。遠心分離装
置2では、移送路16から導入された消化汚泥が固形分
(濃縮汚泥)と分離液とに固液分離され、分離液は処理
水として処理水路17から系外に排出される。固形分
(濃縮汚泥)は必要に応じて一部を余剰汚泥として余剰
汚泥取出路22から系外に排出し、残部を返送汚泥路1
2より嫌気性消化槽1に返送する。
【0031】嫌気性消化槽1からは引抜汚泥路18より
消化汚泥が引き抜かれ、オゾン処理槽5へ送給される。
【0032】オゾン処理槽5は、嫌気性消化槽1からの
消化汚泥に、オゾン注入管23よりオゾン発生器6のオ
ゾンを吹き込んで接触させてオゾン処理するように構成
されている。ここで行われるオゾン処理により、消化汚
泥中の有機物は易生物分解性に改質される。改質汚泥は
改質汚泥返送路13から嫌気性消化槽1に送られる。こ
の改質汚泥中にはオゾン処理槽5で改質された易生物分
解性の固形分が含まれているため、この固形分が嫌気性
消化槽1で消化され、処理系から生じる余剰汚泥量が減
容化される。
【0033】原水可溶化槽7等における有機性排液の加
熱処理工程は、有機性排液を嫌気性消化処理するに先立
って60℃以上の温度で加熱処理することにより可溶化
させる工程である。この加熱処理により、後段の嫌気性
消化の効率が向上して、嫌気性消化処理で生じる汚泥量
を減少させることができる。この加熱処理温度は60℃
以上、好ましくは120〜180℃である。加熱処理時
に、処理温度の飽和蒸気圧以上に加圧してから処理温度
に昇温し、化学反応を起こさせることによって、可溶化
効率を向上させることができる。加熱処理時間は処理温
度にもよるが、例えば処理温度150℃の場合、0.5
〜1.0時間である。
【0034】このような加熱処理を行う有機性排液量
は、嫌気性消化槽1に導入する有機性排液の全量である
ことが好ましいが、有機性排液の一部のみを加熱処理し
残部はそのまま嫌気性消化槽1に導入しても良い。
【0035】本発明において処理対象となる有機性排液
は、嫌気性処理によって処理される有機物を含有する排
液(汚泥を含む)であり、固形分を含むスラリー状のも
のでも、固形分を含まない液状のものでもよい。また、
難生物分解性の有機物、無機物、セルロース、紙、綿、
ウール、布、し尿中の固形物などが含有されていてもよ
い。このような有機性排液としては下水、下水初沈汚
泥、し尿、浄化槽汚泥、家畜糞尿、食品工場排水、ビー
ル廃酵母、その他の産業排液、これらの排液を処理した
際に生じる余剰汚泥等の汚泥が挙げられる。
【0036】本発明における嫌気性消化工程、即ち、嫌
気性消化槽1は、嫌気性微生物を含む汚泥の存在下に、
このような有機性排液をメタン発酵させる工程である。
嫌気性微生物を含む汚泥は酸生成菌とメタン生成菌を含
み、嫌気性消化槽1において、有機成分は嫌気性微生物
により液化→低分子化→有機酸生成→メタン生成のステ
ップによりメタンガスに転換される。
【0037】嫌気性消化工程におけるメタン発酵の条件
としては、35℃付近に最適温度がある中温メタン生成
菌、及び55℃付近に最適温度を有する高温メタン生成
菌が増殖するいずれの温度条件も採用可能である。中温
メタン生成菌は増殖が遅いため嫌気性消化槽1の滞留時
間(SRT)を長くする、即ち、嫌気性消化槽1の容量
を大きくする必要があるが、比較的低温での処理が可能
なため加温及び保温のための設備が簡単になる。これに
対し高温メタン生成菌の場合は加温及び保温の設備が必
要になるが、増殖が速いため滞留時間が短くてよく、嫌
気性消化槽1の容量を小さくすることができるという利
点がある。
【0038】中温メタン生成菌を主体とする場合は嫌気
性消化槽で汚泥の滞留時間は10日以上、好ましくは1
5〜30日程度必要である。これに対して高温メタン生
成菌を主体とする場合は上記範囲よりも短い滞留時間
(例えば2日以上)とすることが可能である。
【0039】嫌気性消化工程の有機物負荷は0.5〜
2.0kg−TVS/m・日、嫌気性消化槽1内のT
S濃度は5,000〜100,000mg/L、好まし
くは20,000〜60,000mg/L、温度は30
〜38℃又は45〜60℃の条件とすることが好まし
い。
【0040】嫌気性消化工程では、図1,2に示す如く
嫌気性消化汚泥の一部を固液分離し、分離液を処理水と
して排出するとともに濃縮汚泥を嫌気性消化工程に返送
するように構成するのが好ましく、このようにすること
により、固形物の系外流出を抑え、嫌気性消化工程での
汚泥保持量を高く保つことにより汚泥の減量効果を高め
ることができる。嫌気性消化汚泥の固液分離には、図
1,2に示す遠心分離装置の他、浮上分離装置、膜分離
装置、沈殿槽などの固液分離装置を用いることができ
る。固液分離した分離液は処理水としてそのまま下水等
へ放流することができるが、好気性生物処理その他の後
処理を行った後放流してもよい。
【0041】この消化汚泥の固液分離に当っては、凝集
剤を添加して消化汚泥を凝集させることによって、良好
な固液分離が行われ、清澄な分離水が得られると共に、
固形分の系外流出を抑えて、汚泥の減容化効果を高める
ことができる。
【0042】凝集剤としては、有機系、無機系のいずれ
のものを用いてもよいが、添加量が少なくてよいことか
ら有機高分子凝集剤、特に両性有機高分子凝集剤(両性
ポリマー)が好ましい。
【0043】両性ポリマーであれば、カチオン部とアニ
オン部が共存しており、カチオン部が汚泥粘質物の荷電
中和を行い、アニオン部はカチオン部と反応して見掛け
の高分子鎖を大きくして汚泥粒子を結びつける働きを強
化するため、消化汚泥のように無機成分の多い汚泥に特
に有効に働き、良好な固液分離が行われる。
【0044】使用する両性ポリマーは、カチオン性モノ
マーとアニオン性モノマーとの共重合により、或いは、
必要に応じて、更にノニオン性モノマーを共重合させる
ことにより製造することができる。
【0045】ここで、カチオン性モノマーとしては、例
えばジメチルアミノメチルアクリレート又はメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルアクリレート又はメタクリ
レート、ジメチルアミノプロピルアクリレート又はメタ
クリレート、ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル
アクリレート又はメタクリレート、ジエチルアミノメチ
ルアクリレート又はメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルアクリレート又はメタクリレート、ジエチルアミノ
プロピルアクリレート又はメタクリレート、ジエチルア
ミノ−2−ヒドロキシアクリレート又はメタクリレー
ト、ジメチルアミノメチルアクリルアミド又はメタクリ
ルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド又はメ
タクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド又はメタクリルアミド、ジメチルアミノ−2−ヒドロ
キシプロピルアクリルアミド又はメタクリルアミド、ジ
エチルアミノメチルアクリルアミド又はメタクリルアミ
ド、ジエチルアミノエチルアクリルアミド又はメタクリ
ルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド又は
メタクリルアミド、ジエチルアミノ−2−ヒドロキシプ
ロピルアクリルアミド又はメタクリルアミドなどの第三
級塩や四級化物などが挙げられる。第三級塩に用いられ
る酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸な
どが挙げられ、一方、四級化剤としては、例えば塩化メ
チル、ヨウ化メチル、塩化ベンジル、ジメチル硫酸、ジ
エチル硫酸、塩化エチル、ヨウ化エチルなどが挙げられ
る。これらのカチオン性モノマーは1種を用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】また、アニオン性モノマーとしては、例え
ばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸(α−エチ
ルアクリル酸)などの不飽和カルボン酸及びそれらのナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、さらにはビ
ニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸及びそのナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩などが挙げられる。これらのアニオン性モ
ノマーは1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0047】また、ノニオン性モノマーとしては、例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアク
リルアミド、ジメチルメタクリルアミドなどのビニル基
含有アミド類、アクリロニトリルやメタクリロニトリル
などのシアン化ビニル系化合物、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チルなどの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、
酢酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル類、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどの
芳香族ビニル化合物などが挙げられる。これらのノニオ
ン性モノマーは1種を用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0048】有機高分子凝集剤は0.05〜0.3重量
%、特に0.1重量%程度の濃度に溶解して添加するの
が好ましく、その添加量は、嫌気性消化槽1からの消化
汚泥のSSに対して、0.2〜1.5重量%、特に0.
4〜1.0重量%とするのが好ましい。
【0049】有機高分子凝集剤は、嫌気性消化槽1から
遠心分離装置2に消化汚泥を移送する移送路16に供給
して混合してもよく、遠心分離装置2その他の固液分離
手段に供給して装置内部で混合しても良い。また、嫌気
性消化槽1と遠心分離装置2等の固液分離手段との間に
消化汚泥と凝集剤とを混合して凝集させる混合槽を設け
ても良い。
【0050】改質工程、即ち、オゾン処理槽5は、嫌気
性消化槽1から引き抜いた消化汚泥をオゾン処理によっ
て改質する工程である。オゾン処理はこの消化汚泥をオ
ゾンと接触させることにより行う。
【0051】オゾンとの接触方法としては、オゾン処理
槽5に消化汚泥を導入してオゾンを吹き込む方法、機械
攪拌による方法、充填層を利用する方法などが採用でき
る。
【0052】オゾンとしてはオゾン含有ガスの他、オゾ
ン含有水などが使用でき、オゾンの使用量は通常0.0
1〜0.08g−O/g−TVS、好ましくは0.0
2〜0.05g−O/g−TVSである。
【0053】このようなオゾン処理を行うことにより、
消化汚泥中の菌体は死滅し、その他の有機物と共に易生
物分解性に改質される。従って、このオゾン処理槽5で
改質された改質汚泥を嫌気性消化槽1に返送することに
より、改質汚泥中の易生物分解性成分が嫌気性消化槽1
で分解され、処理系から生じる余剰汚泥が減量化する。
【0054】嫌気性消化槽1から引き抜いてオゾン処理
する消化汚泥の量は、汚泥の減容効果を十分に確保する
ため、引き抜いた消化汚泥中に含まれる固形物(TV
S)の量として、嫌気性消化槽1へ導入される固形物
(TVS)量の1/3〜5倍、好ましくは1/2〜3倍
に相当する量とするのが好ましい。また、一日当たりに
オゾン処理する消化汚泥の量は嫌気性消化槽1の全保有
汚泥量の1/5〜1/50に相当する量とするのが好ま
しい。一日当たりのオゾン処理量を上記の量にすること
により、嫌気性消化処理に必要な微生物量を嫌気性消化
槽1内に保持することができ、嫌気性消化処理の効率を
高く保つことができる。
【0055】なお、消化汚泥の改質手段としては、オゾ
ン処理槽の他、過酸化水素等の酸化力の強い酸化剤や、
酸、アルカリなどによる化学的処理、ミルによる磨砕の
ような物理的処理、熱的処理のいずれであっても良い。
【0056】図2に示す請求項3〜6の有機性排液の嫌
気性消化方法及び嫌気性消化装置においても、図1に示
す如く、嫌気性消化槽1の消化汚泥を引き抜いて、これ
を60℃以上の温度で加熱することにより、消化汚泥中
の有機成分を優先的に可溶化し、加熱処理汚泥を固液分
離して、分離汚泥を余剰汚泥として系外に排出すると共
に、分離液を嫌気性消化槽1に返送するようにしても良
い。このようにすることにより、無機成分の比率の多い
汚泥を系外に排出し、系内での無機成分の蓄積を防止し
た上で、良好な汚泥の減量化を図ることができる。
【0057】この場合の消化汚泥の加熱条件、加熱処理
のための消化汚泥の引き抜き量は前述の通りである。
【0058】なお、このようにして消化汚泥の加熱処理
及び固液分離を行った場合は、この分離汚泥を余剰汚泥
として排出し、前述の遠心分離装置2の濃縮汚泥は全量
を嫌気性消化槽1に返送することが好ましい。
【0059】嫌気性消化工程において発生した消化ガス
は、発電のエネルギー源として用い電力を得ると共に、
発電に伴って生じた蒸気及び又は温水を、前記有機性排
液の加熱処理や上記消化汚泥の加熱処理及び嫌気性消化
工程の加温の熱源として用いることもできる。
【0060】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0061】実施例1 下水処理場より採取した混合生汚泥(TS濃度2%,T
VS濃度1.6%)を原水として、図1の嫌気性消化装
置により80L/dayの処理量で処理を行った。 [嫌気性消化槽の処理条件] 嫌気性消化槽容量:2m 有機物負荷量:0.64kg−TVS/m・日 水理学的滞留時間:25日 温度:35℃
【0062】また、原水の投入に先立ち、嫌気性消化槽
から嫌気性消化汚泥200Lを引き抜き、そのうち50
Lをオートクレーブにて121℃で30分加熱処理した
後、30分重力沈降させた沈澱物10Lを余剰汚泥とし
て系外へ引き抜き、残部は嫌気性消化槽に返送した。こ
の加熱処理に供した消化汚泥量は、嫌気性消化槽の全汚
泥保有量の1/20に相当する。また、引き抜いた嫌気
性消化汚泥の残り150Lを遠心濃縮機(2,100
G)で固液分離して分離液100Lを処理水として系外
に排出し、濃縮汚泥は嫌気性消化槽に返送した。なお、
遠心濃縮機には、0.2%に溶解した有機高分子凝集剤
を汚泥1Lあたり0.2L添加した。この操作により、
嫌気性消化槽の汚泥濃度を5%に維持することができ
た。
【0063】このときの全余剰汚泥発生量(余剰汚泥と
して系外へ排出したTS量と処理水として系外に排出し
た固液分離液中に含まれるTS量との合計)と、汚泥減
量率及び嫌気性消化槽からの消化ガス発生量と処理水水
質を調べ、結果を表1に示した。
【0064】比較例1 実施例1において、原水の投入に先立ち、消化汚泥の加
熱処理は行わず、嫌気性消化槽から嫌気性消化汚泥16
8Lを引き抜き、そのうち18Lを余剰汚泥として系外
へ引き抜き、残り150Lを遠心濃縮機(2,100
G)で固液分離して分離液100Lを処理水として系外
に排出し、濃縮汚泥は嫌気性消化槽に返送したこと以外
は同様にして嫌気性消化処理を行った。この操作によ
り、嫌気性消化槽の汚泥濃度を5%に維持することがで
きた。
【0065】このときの全余剰汚泥発生量と、汚泥減量
率及び消化ガス発生量と処理水水質を調べ、結果を表1
に示した。
【0066】
【表1】
【0067】表1より明かなように、消化汚泥を加熱処
理した後固液分離し、分離汚泥を余剰汚泥として系外へ
排出した実施例1では、比較例1に対して、全余剰汚泥
発生量が低減され、汚泥減量率は16%の向上が達成さ
れ、消化ガス発生量は1.4倍に増加した。
【0068】なお、前記実施例1において、嫌気性消化
汚泥と、これを加熱処理した加熱処理汚泥と、この加熱
処理汚泥を固液分離して得られた分離汚泥、即ち余剰汚
泥として系外へ排出した汚泥について、汚泥性状を調べ
たところ、表2に示す通り加熱処理により固形分中の有
機分が優先的に可溶化し、加熱処理汚泥を沈降分離した
余剰汚泥では、TVS/TSが低減されることを確認す
ることができた。
【0069】
【表2】
【0070】実施例2 下水処理場より採取した混合生汚泥(TS濃度2%,T
SS濃度1.6%)を原水として、図2の嫌気性消化装
置により80L/dayの処理量で処理を行った。
【0071】嫌気性消化槽の処理条件は次の通りとし、
原水は温度150℃で1時間加熱処理した後嫌気性消化
槽に導入した。嫌気性消化槽からは1日当たり50Lの
消化汚泥(嫌気性消化槽の全保有汚泥量の1/40を引
き抜き、オゾン処理槽にて0.04g−O/g−TV
Sのオゾン使用量でオゾン処理した後嫌気性消化槽に返
送した。 [嫌気性消化槽の処理条件] 嫌気性消化槽容量:2m 有機物負荷量:0.64kg−VSS/m・日 水理学的滞留時間:25日 温度:35℃
【0072】なお、原水の投入に先立ち、嫌気性消化槽
から嫌気性消化汚泥100Lを引き抜き、遠心分離機
(2,100G)で固液分離して分離液を処理水として
系外に排出した。一方、分離汚泥のうち、一部を嫌気性
消化槽のTS濃度が5%を超えないように系外に引き抜
き、残部は嫌気性消化槽に返送した。なお、遠心濃縮機
には、0.2%に溶解した有機高分子凝集剤を汚泥1L
あたり0.2L添加した。
【0073】このときの全余剰汚泥発生量(余剰汚泥と
して系外へ排出したTS量と処理水として系外に排出し
た固液分離液中に含まれるTS量との合計)と、汚泥減
容率及び嫌気性消化槽からの消化ガス発生量と処理水水
質を調べ、結果を表3に示した。
【0074】比較例2 実施例2において、嫌気性消化槽に導入する原水の加熱
処理を行わなかったこと以外は同様にして嫌気性消化処
理を行った。
【0075】このときの全余剰汚泥発生量と、汚泥減容
率及び消化ガス発生量と処理水水質を調べ、結果を表3
に示した。
【0076】実施例3 実施例2において、原水の投入に先立ち、嫌気性消化槽
から嫌気性消化汚泥100Lを引き抜いて固液分離する
代りに、次のような操作を行った。即ち、嫌気性消化槽
から嫌気性消化汚泥200Lを引き抜き、そのうち50
Lをオートクレーブにて121℃で30分加熱処理した
後、30分重力沈降させた沈澱物5Lを余剰汚泥として
系外へ引き抜き、分離液は嫌気性消化槽に返送した。こ
の加熱処理に供した消化汚泥量は、嫌気性消化槽の全汚
泥保有量の1/40に相当する。また、引き抜いた嫌気
性消化汚泥の残り150Lを遠心濃縮機(2,100
G)で固液分離して分離液100Lを処理水として系外
に排出し、濃縮汚泥は嫌気性消化槽に返送した。なお、
遠心濃縮機には、0.2%に溶解した有機高分子凝集剤
を汚泥1Lあたり0.2L添加した。この操作により、
嫌気性消化槽の汚泥濃度を5%以下で維持することがで
きた。
【0077】このときの全余剰汚泥発生量と、汚泥減容
率及び消化ガス発生量と処理水水質を調べ、結果を表3
に示した。
【0078】
【表3】
【0079】表3より明らかなように、原水を予め加熱
処理した実施例2では比較例2に比べて全余剰汚泥発生
量が低減され、汚泥減容率は16%の向上が達成され、
消化ガス発生量は1.3倍に増加した。更に、消化汚泥
を加熱処理した後固液分離し、分離汚泥を余剰汚泥とし
て系外に排出した実施例3によれば、全余剰汚泥発生
量、汚泥減容率及び消化ガス発生量のより一層の改善が
認められた。
【0080】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1,2の有機
性排液の嫌気性消化方法及び嫌気性消化装置によれば、
有機性汚泥、し尿等の有機性排液を、嫌気性微生物を含
む汚泥の存在下でメタン発酵により処理するに当たり、
嫌気性消化処理系内に蓄積する汚泥中の無機成分を優先
的に引き抜くことによって、汚泥を大幅に減量化するこ
とができると共に、消化ガス発生量を増加させることが
できる。
【0081】また、請求項3〜6の有機性排液の嫌気性
消化方法及び嫌気性消化装置によれば、有機性汚泥、し
尿等の有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥の存在下
でメタン発酵により処理するに当たり、嫌気性消化槽の
汚泥濃度を過度に高めることなく、嫌気性消化汚泥をオ
ゾン処理して循環させることによって、汚泥を大幅に減
容化することができると共に、消化ガス発生量を増加さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,の有機性排液の嫌気性消化方法及び
嫌気性消化装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】請求項3〜6の有機性排液の嫌気性消化方法及
び嫌気性消化装置の実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1 嫌気性消化槽 2 遠心分離装置 3 汚泥可溶化槽 4 沈殿槽 5 オゾン処理槽 6 オゾン発生器 7 原水可溶化槽
フロントページの続き Fターム(参考) 4D040 AA12 AA23 AA27 AA55 4D059 AA01 AA02 AA04 AA05 AA08 AA23 BA12 BA21 BA56 BB03 BE31 BE38 BE49 BE56 BE58 BF02 BF20 BJ01 BK12 CA22 DA43 DB08 DB24 DB25 DB26 DB28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥
    の存在下にメタン発酵させる嫌気性消化工程と、該嫌気
    性消化工程の流出液を汚泥と処理液とに固液分離する固
    液分離工程と、該固液分離工程の分離汚泥を前記嫌気性
    消化工程に返送する汚泥返送工程とを含む有機性排液の
    嫌気性消化方法において、 該嫌気性消化工程において生成する汚泥を引き抜いて6
    0℃以上の温度で加熱処理する汚泥熱処理工程と、該汚
    泥熱処理工程の加熱処理汚泥を固液分離して分離汚泥を
    系外に排出する汚泥排出工程と、該汚泥排出工程で分離
    された分離液を前記嫌気性消化工程に返送する分離液返
    送工程を有することを特徴とする有機性排液の嫌気性消
    化方法。
  2. 【請求項2】 有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥
    の存在下にメタン発酵させる嫌気性消化手段と、該嫌気
    性消化手段の流出液を汚泥と処理液とに固液分離する固
    液分離手段と、該固液分離手段の分離汚泥を前記嫌気性
    消化手段に返送する汚泥返送手段とを含む有機性排液の
    嫌気性消化装置において、 該嫌気性消化手段及び/又は前記固液分離手段から汚泥
    を引き抜いて60℃以上の温度で加熱処理する汚泥熱処
    理手段と、該汚泥熱処理手段の加熱処理汚泥を固液分離
    して分離汚泥を系外に排出する汚泥排出手段と、該汚泥
    排出手段で分離された分離液を前記嫌気性消化手段に返
    送する分離液返送手段を有することを特徴とする有機性
    排液の嫌気性消化装置。
  3. 【請求項3】 有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥
    の存在下にメタン発酵させる嫌気性消化工程と、該嫌気
    性消化工程の流出液を汚泥と処理液とに固液分離する固
    液分離工程と、該固液分離工程の分離汚泥を前記嫌気性
    消化工程に返送する汚泥返送工程とを含む有機性排液の
    嫌気性消化方法において、 該嫌気性消化工程に送給する有機性排液の少なくとも一
    部を、予め60℃以上の温度で加熱処理する原水熱処理
    工程を有することを特徴とする嫌気性消化方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、該嫌気性消化工程に
    おいて生成する汚泥を引き抜いて60℃以上の温度で加
    熱処理する汚泥熱処理工程と、該汚泥熱処理工程の加熱
    処理汚泥を固液分離して分離汚泥を系外に排出する汚泥
    排出工程と、該汚泥排出工程で分離された分離液を前記
    嫌気性消化工程に返送する分離液返送工程を有すること
    を特徴とする有機性排液の嫌気性消化方法。
  5. 【請求項5】 有機性排液を、嫌気性微生物を含む汚泥
    の存在下にメタン発酵させる嫌気性消化手段と、該嫌気
    性消化手段において生成する汚泥を引き抜いて易生物分
    解性に改質する改質手段と、該改質手段で改質された改
    質汚泥を前記嫌気性消化手段に返送する改質汚泥返送手
    段とを含む有機性排液の嫌気性消化装置において、 該嫌気性消化手段に送給する有機性排液の少なくとも一
    部を、予め60℃以上の温度で加熱処理する原水熱処理
    手段を有することを特徴とする嫌気性消化装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、該嫌気性消化手段に
    おいて生成する汚泥を引き抜いて60℃以上の温度で加
    熱処理する汚泥熱処理手段と、該汚泥熱処理手段の加熱
    処理汚泥を固液分離して分離汚泥を系外に排出する汚泥
    排出手段と、該汚泥排出手段で分離された分離液を前記
    嫌気性消化手段に返送する返送手段を有することを特徴
    とする有機性排液の嫌気性消化装置。
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