JP2003273392A - GaN系半導体受光素子 - Google Patents

GaN系半導体受光素子

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JP2003273392A
JP2003273392A JP2002070683A JP2002070683A JP2003273392A JP 2003273392 A JP2003273392 A JP 2003273392A JP 2002070683 A JP2002070683 A JP 2002070683A JP 2002070683 A JP2002070683 A JP 2002070683A JP 2003273392 A JP2003273392 A JP 2003273392A
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JP2002070683A
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Yoichiro Ouchi
洋一郎 大内
Kazuyuki Tadatomo
一行 只友
Hiroaki Okagawa
広明 岡川
Takashi Tsunekawa
高志 常川
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長365nmの光よりも長い波長の光を検
出し得る、ショットキー障壁型のGaN系受光素子を提
供すること。 【解決手段】 GaNよりバンドギャップの小さいIn
xGayAlzNからなるi層1を受光層として用い、該
i層の上面にショットキー電極P1を設け、ショットキ
ー障壁型の受光素子とする。i層に対するショットキー
接触を改善するために、表面層を介在させることが好ま
しい。該表面層は、少なくともショットキー接触部分
に、i層よりもバンドギャップの大きいGaN系半導体
を用い、これによって、良好なショットキー接触を確保
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショットキー障壁
型のGaN系半導体受光素子に関するものであって、と
りわけ、365nmよりも長い波長の光に感度を有する
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN系半導体結晶(以下、GaN系結
晶ともいう)を受光層に用いたGaN系半導体受光素子
には、多くの受光原理に基づくものがあり、そのなかの
1つにショットキー障壁型の受光素子がある。
【0003】ショットキー障壁型の受光素子の従来の一
般的な構造は、図7に示すように、サファイア基板10
0上に、GaN系低温成長バッファ層101を介して、
n型GaN結晶層(Siドープ高キャリア濃度層)10
2、GaN結晶からなるi層(受光層)103が順に形
成され、該i層103がRIE(Reactive Ion Etchin
g)によって部分的に除去されてn型GaN結晶層102
が露出しており、i層102の上面にはショットキー電
極P10、n型GaN結晶層102の露出面にはオーミ
ック電極P20が各々形成された構造となっている。
【0004】受光対象とする光の入射方向は、基板側か
らであってもよいが、入射させるショットキー電極の形
態をクシ形電極や透明電極などとすることによって、光
を該電極の間隙や電極自体を通過させて受光層内に入射
させることもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のショッ
トキー障壁型のGaN系受光素子では、受光層であるi
層の材料に、もっぱらGaNが用いられており、それに
よって、波長365nm(=GaNのバンドギャップに
対応する波長)以下の短い波長の光しか検出できなかっ
た。即ち、従来のショットキー障壁型のGaN系受光素
子には、365nmよりも長い波長の光を検出し得るも
のはなかった。
【0006】本発明の目的は、上記問題を解決し、波長
365nmの光よりも長い波長の光を検出し得る、ショ
ットキー障壁型のGaN系受光素子を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の特徴を有
するものである。 (1)GaN系半導体結晶からなるi層を受光層として
有し、該i層の上面にショットキー電極が設けられた構
造を有するショットキー障壁型の半導体受光素子であっ
て、該i層が、GaNよりバンドギャップの小さいIn
xGayAlzN(0<x≦1、0≦y<1、0≦z<
1)からなることを特徴とする、GaN系半導体受光素
子。
【0008】(2)i層とショットキー電極との間に、
GaN系半導体結晶からなる表面層が介在しており、該
表面層のうち少なくともショットキー電極と接している
部分が、i層よりもバンドギャップの大きいGaN系半
導体結晶からなる、上記(1)記載のGaN系半導体受
光素子。
【0009】(3)表面層が、i層側からショットキー
電極側へと近づくにつれ、i層と同じ組成から、バンド
ギャップのより大きい組成へと、段階的または無段階的
に変化している層である、上記(2)記載のGaN系半
導体受光素子。
【0010】(4)上記i層と、該i層よりもバンドギ
ャップが大きくかつ低キャリア濃度とされたGaN系半
導体結晶層とが、交互に多重積層されて超格子構造が構
成され、該超格子構造中においてi層が受光層となって
いる、上記(1)または(2)記載のGaN系半導体受
光素子。
【0011】(5)上記超格子構造の最上層が、i層よ
りもバンドギャップが大きく低キャリア濃度とされた上
記GaN系半導体結晶層である、上記(4)記載のGa
N系半導体受光素子。
【0012】本発明でいうGaN系半導体とは、Ina
GabAlcN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、
a+b+c=1)で示される化合物半導体であって、組
成比(混晶比)は任意であるが、例えば、AlN、Ga
N、AlGaN、InGaNなどが重要な化合物として
挙げられる。本明細書では、「i層よりもバンドギャッ
プの大きい」などの条件をGaN系半導体に加えること
によって、組成比の範囲を限定している。
【0013】i層は、低キャリア濃度層の総称であっ
て、n型の低キャリア濃度層、またはp型の低キャリア
濃度層を意味する。低キャリア濃度とは、1×1013
-3〜1×1017cm-3程度である。GaN系半導体が
アンドープにてn型の導電性を示すことから、i層はn
型であることが好ましい。よって、以下では、i層をn
型のGaN系結晶からなる低キャリア濃度層として、当
該素子の構造を説明するが、これに限定されることはな
く、i層はp型であってもよい。
【0014】また、本明細書では、当該受光素子の構造
を明確に説明するために、「層の上面」など、上下方向
を示す語句を用いているが、これは、各層の層厚方向
や、各層の両面を明確に指し示して説明するためであっ
て、素子構造の絶対的な上下方向を限定するものではな
く、また素子の実装方向(実装時の姿勢)を限定するも
のでもない。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の受光素子は、図1に素子
構造の一例を概略的に示すように、GaN系結晶からな
るi層1を受光層として有し、該i層1の上面にショッ
トキー電極P1が設けられた素子構造を有する、ショッ
トキー障壁型のGaN系受光素子である。そして、該i
層1の材料として、GaNよりもバンドギャップが小さ
いように組成比が決定されたInxGayAlzN(0<
x≦1、0≦y<1、0≦z<1)が用いられている。
これによって、当該受光素子は、GaNのバンドギャッ
プに対応する波長365nmよりも、長い波長の光を検
出することができるものとなっている。
【0016】図1の例では、素子の積層構造自体は従来
のものと同様であって、サファイア基板B1上に、Ga
N系低温成長バッファ層B2を介して、n型GaN結晶
層(Siドープ高キャリア濃度層)2、i層(受光層)
1が、順に気相成長によって積層されており、i層1が
RIEによって部分的に除去されてn型GaN結晶層2
が露出しており、i層1の上面にはショットキー電極P
1、n型GaN系結晶層2の露出面にはオーミック電極
P2が、各々形成された構造となっている。検出対象の
光Lは、ショットキー電極P1を通過して、i層に入射
している。
【0017】i層の材料として用いるInxGayAlz
Nは、GaNよりもバンドギャップが小さくなるよう
に、(0<x≦1、0≦y<1、0≦z<1)の範囲か
ら各組成比x、y、zを選択すればよい。このなかで
も、特に好ましいi層の材料としては、Al組成比z=
0、Ga組成比y=1−xとして示されるInxGa1-x
N(0<x≦1)が挙げられる。該InxGa1-xNの実
際の結晶品質などを考慮すると、In組成比xの好まし
い範囲として、0<x≦0.5、より好ましくは0<x
≦0.2が挙げられる。具体的な数値を例示すると、i
層の材料としてIn0.1Ga0.9Nを用いた場合には、検
出し得る光の得る波長は、そのバンドギャップに対応す
る420nm、およびそれよりも短い波長である。
【0018】本発明者らは、上記のようなInxGay
zNをi層の材料として用いた場合に、次ののよ
うなさらなる問題が生じることを見出し、これを軽減す
ることをさらなる課題とした。 上記のようなInxGayAlzN、特にInxGa1-x
Nは、アンドープであってもn型のキャリア濃度が高い
ために、ショットキー接触がとり難い。即ち、オーミッ
ク接触となる可能性がある。 上記のようなInxGayAlzN、特にInxGa1-x
Nは、熱的に弱いため、成長終了後の高温時にN原子が
脱離し、n型がより促進される可能性がある。
【0019】本発明では、上記さらなる課題を解決すべ
く、図2に示すように、i層1とショットキー電極P1
との間に、GaN系半導体結晶からなる表面層Sをさら
に介在させる。該表面層Sは、該層全体のうち少なくと
も、ショットキー電極P1と接している部分(以下、
「ショットキー接触部」と呼ぶ)が、i層よりもバンド
ギャップの大きいGaN系半導体となるように構成す
る。即ち、該表面層S全体をi層よりもバンドギャップ
の大きいGaN系半導体によって均質に構成してもよい
し、i層側からショットキー電極側へと近づくにつれ、
i層と同じ組成から、バンドギャップのより大きい組成
へと、段階的または無段階的に変化するように構成して
もよい。
【0020】上記のように構成した表面層を介在させる
ことによって、図3にバンドダイヤグラムを示すよう
に、受光素子として十分なショットキー接触を確保する
ことが可能となる。表面層は、受光によってi層に発生
したホールに対して障壁となることが考えられるが、該
表面層を薄くすることによって、ホールはトンネルによ
り表面層を通過することができる。
【0021】図3(a)に示すダイヤグラムは、表面層
S全体をi層よりもバンドギャップの大きいGaN系半
導体によって均質に構成した場合の図である。Ecは伝
導帯下端のエネルギー、Evは価電子帯上端のエネルギ
ー、EFはフェルミ・レベルである。同図に示すよう
に、電極P1との界面において、十分なショットキー障
壁高さが確保されている。
【0022】図3(b)に示すダイヤグラムは、表面層
Sの構成として、i層側からショットキー電極側へと近
づくにつれ、i層と同じ組成から、バンドギャップのよ
り大きい組成へと連続的・無段階的に変化させた場合の
図であって、図3(a)の特徴に加えてさらに、表面層
Sとi層1との境界に段差(エネルギーギャップ)がな
く、i層に発生したホールは、よりスムーズにショット
キー電極へ到達することができるようになる。該表面層
の組成傾斜の変化は、直線的な変化であっても、任意の
曲線を描く変化であってもよい。また、表面層の組成傾
斜は、多段階的なステップ状の変化としても、無段階的
な変化と同様の作用効果が得られる。
【0023】上記表面層の材料のうち、少なくともショ
ットキー接触部に用いる材料は、i層の材料InxGay
AlzNの組成に応じて、それよりもバンドギャップが
大きくなるように選択されたIndGaeAlfN(0≦
d≦1、0≦e≦1、0≦f≦1)であればよい。しか
し、上記の問題が、In組成の存在に起因した問題
であることから、好ましい材料IndGaeAlfNとし
ては、(In組成比d=0、Ga組成比e=1−f)と
して示されるAlfGa1-fN(0<f≦1)が挙げられ
る。さらに、該AlfGa1-fNの結晶品質などを考慮す
ると、Al組成比fの好ましい範囲としては、0≦f≦
0.5、より好ましくは0≦f≦0.2が挙げられる。
なかでも、Al組成比f=0としたGaNは、良好な品
質の結晶が得られ易いことから表面層として好ましい材
料である。
【0024】表面層は、i層と同様の低キャリア濃度、
導電型の層として形成し、また層の厚さは、ホールのト
ンネル効果を得る点から、1nm〜50nm程度とする
のが好ましい。
【0025】本発明では、上記のとおり、i層の材料と
してInxGayAlzNを用いている。i層の厚さは、
5nm〜500nm程度、特に10nm〜100nm程
度が好ましい。しかし、In組成を含むGaN系結晶、
特にInxGa1-xNは、良好な品質の結晶層として厚膜
に成長させることは困難であり、層厚数十nm程度を超
えて成長させると組成変動が起こり結晶品質が低下す
る。このため、十分な厚さの受光層を良好な結晶品質で
確保することが困難である。
【0026】そこで、本発明では、上記i層を良好な結
晶品質でかつ十分な厚さを得るための好ましい態様とし
て、図4に模式的に示すように、該i層よりもバンドギ
ャップが大きくかつ結晶成長性の良好なGaN系半導体
結晶層(3a、3b、3c)と、i層(1a、1b、1
c)とを、交互に多重積層して、超格子構造とし、該超
格子構造中に分れて存在するi層を受光層としている。
該GaN系半導体結晶層のキャリア濃度は、i層と同様
の低キャリア濃度とする。これによって、i層をトータ
ルとして十分に厚くすることができ、キャリアをより多
く発生させて良好な感度を得ることが可能となる。
【0027】上記超格子構造に用いる〔i層よりもバン
ドギャップが大きくかつ結晶成長性の良好なGaN系半
導体〕としては、i層の材料InxGayAlzNの組成
に応じて、バンドギャップ条件を満たすようにInd
eAlfN(0≦d≦1、0≦e≦1、0≦f≦1)の
中から選択すればよいが、結晶成長性が良好であるとい
う条件をも満たす材料としては、GaNが挙げられる。
以下、i層とGaN層とによる交互積層を例として超格
子構造を説明するが、材料の組み合わせをこれに限定す
るものではない。
【0028】(i層/GaN層)による超格子ペアの数
に限定はないが、素子構造として2ペア〜500ペア程
度が好ましく、10ペア〜100ペア程度がより好まし
い。超格子構造であるための一層当たりの厚さは、0.
1nm〜50nm、より好ましくは0.5nm〜20n
mである。
【0029】超格子構造とショットキー電極との間に
は、上記した表面層を別途介在させてもよいが、超格子
構造の最上層をGaN層として、該GaN層と表面層と
を兼用してもよい。また、超格子構造の最上層をi層と
し、その上に該i層の組成からGaNへと組成傾斜する
表面層を形成してもよい。
【0030】本発明の受光素子に共通する各部の説明を
行う。結晶基板上に素子構造を形成する場合、該基板は
GaN系結晶が成長可能なものであればよく、サファイ
ア(C面、A面、R面)、SiC(6H、4H、3
C)、Si、スピネル、ZnO,GaAs、NGO、G
aN系(特にGaN)などを用いることができるが、本
発明の目的に対応するならばこのほかの材料を用いても
よい。なお、基板の面方位は特に限定されず、更にジャ
スト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良
い。
【0031】図1、2に示すように、高キャリア濃度層
などのGaN系結晶層を結晶基板上に形成する際には、
必要に応じてバッファ層を介在させてもよい。バッファ
層材料や成膜法に限定はないが、GaN、AlNなどを
同じ結晶成長装置にて低温で成長させるGaN系低温バ
ッファ層が好ましいものとして挙げられる。
【0032】また、結晶基板上に、高キャリア濃度層、
i層などのGaN系結晶層を成長させる際には、転位密
度を低減させるための種々の手法を適宜導入してよく、
例えば次の構造を結晶基板面に付与してよい。 (い)従来公知の選択成長法(ELO法)を実施し得る
ように、結晶基板上にマスク層(SiO2などが用いら
れる)をストライプパターンなどとして形成した構造。 (ろ)GaN系結晶がラテラル成長やファセット成長を
し得るように、結晶基板上に、ドット状、ストライプ状
の凹凸加工を施した構造。 これらの構造とバッファ層とは、適宜組合せてよい。
【0033】転位密度低減のための構造のなかでも、上
記(ろ)は、マスク層を用いない好ましい構造であっ
て、特に、ストライプ状の凹凸加工を施した構造が好ま
しい。そのストライプの長手方向は任意であってよい
が、これを埋め込んで成長するGaN系結晶にとって
〈11−20〉方向とした場合、横方向成長が抑制さ
れ、{1−101}面などの斜めファセットが形成され
易くなる。この結果、基板側からC軸方向に伝搬した転
位がこのファセット面で横方向に曲げられ、上方に伝搬
し難くなり、低転位密度領域が形成される。
【0034】一方、ストライプの長手方向を、成長する
GaN系結晶にとって〈1−100〉方向にした場合、
凸部の上部から成長を開始したGaN系結晶は、横方向
に高速成長し、凹部を空洞として残した状態でGaN系
結晶層となる傾向を示す。
【0035】GaN系結晶層の成長方法としては、HV
PE法、MOVPE法、MBE法などが挙げられる。厚
膜を作製する場合はHVPE法が好ましいが、薄膜を形
成する場合はMOVPE法やMBE法が好ましい。
【0036】図1、2、4の素子構造例に示す高キャリ
ア濃度層2は、オーミック電極を形成するためのコンタ
クト層であり、i層と同じ導電型であって、キャリア濃
度は、1×1017cm-3〜1×1020cm-3程度、特に
1×1018cm-3〜1×10 19cm-3程度が好ましい。
【0037】ショットキー電極は、受光素子として機能
するようショットキー障壁が生じた状態の電極であれば
よく、電極の形成方法や、クシ形電極・透明電極などの
電極の形態などは公知技術を参照すればよい。また、受
光すべき光を結晶基板を通して入射させる場合には、不
透明な電極であってもよい。ショットキー電極の材料
は、限定はされないが、Au、Pt、Ni、Pbなどが
挙げられる。また、これらの材料を組み合わせて用いて
もよい。また、オーミック電極の材料は、限定はされな
いが、Al/Ti、Au/Ti、Tiなどが挙げられ
る。また、これらの材料を組み合わせて用いてもよい。
【0038】
【実施例】実施例1 本実施例では、図2の受光素子を実際に製作した。C面
サファイア基板(直径2インチウエハ:後の分断によっ
て図2の基板B1となる)をMOVPE装置に装着し、
水素雰囲気下で1100℃まで昇温し、サーマルエッチ
ングを行った後、温度を450℃まで下げ、Ga原料ト
リメチルガリウム(以下TMG)、およびN原料アンモ
ニアを流し、GaN低温成長バッファ層B2を厚さ30
nm成長させた。
【0039】(高キャリア濃度層2の形成)温度を10
00℃に昇温し、TMG、アンモニアに加え、ドーパン
ト材料シランを流し、高キャリア濃度層2としてn型G
aN層を厚さ4.5μmまで成長させた。高キャリア濃
度層のキャリア濃度は2×1018cm-3とした。
【0040】(i層の形成)温度を700℃とし、In
原料トリメチルインジウム(以下TMI)、TMG、ア
ンモニアを流し、アンドープのIn0.1Ga0.9N結晶層
(受光波長420nm)を厚さ50nmまで成長させ、
i層1とした。該i層のキャリア濃度は1×1016cm
-3以下とした。
【0041】(表面層の形成)温度を1000℃とし、
TMG、アンモニアを流し、アンドープのGaN結晶層
を厚さ10nmまで成長させ、表面層Sとした。
【0042】上記積層体を装置から取り出し、1.2m
m角チップとすべき部分の外周部分に対して、素子の中
央部分が直径900μmの円柱状として残るように上面
からエッチングし、高キャリア濃度層2を部分的に露出
させた。
【0043】その後、i層上面にフォトリソグラフィー
技術、蒸着法によりAu/Niからなる幅2μm、間隔
2μmのくし形のショットキー電極P1を形成した。ま
た、露出した高キャリア濃度層上面には、Al/Tiか
らなるオーミック電極P2を形成した。以上の工程によ
って、サファイアウエハ上に、マトリクス状に繰り返し
形成された受光素子構造を得、これを1.2mm角の個
々のベアチップへと分断し、本発明による受光素子を得
た。当該受光素子の評価は、他の実施例品と共に後述す
る。
【0044】実施例2 本実施例では、図3(b)のバンドダイヤグラムに示す
とおり、表面層を組成傾斜させたこと以外は、上記実施
例1と同様に、当該受光素子を製作した。表面層の厚さ
は20nmとし、i層の形成完了時から連続的に、原料
供給量・温度などの成長条件を制御することによって、
i層の組成In0.1Ga0.9Nからショットキー接触部の
組成GaNまで無段階的かつ直線的に変化させる構成と
した。当該受光素子の評価は、他の実施例品と共に後述
する。
【0045】実施例3 本実施例では、図4に示すとおり、In0.1Ga0.9
(i層)と、低キャリア濃度のGaN層とからなる超格
子構造を形成したこと以外は、上記実施例1と同様に、
当該受光素子を製作した。超格子構造は、GaN高キャ
リア濃度層2上に、i層を下層側として形成し、(In
0.1Ga0.9N:2nm/GaN層:5nm)のペア数を
50とし、最上層をGaN層として、該最上層を表面層
として兼用した。当該受光素子の評価は、他の実施例品
と共に後述する。
【0046】実施例4 本実施例では、上記実施例3の超格子構造の最上層であ
るGaN層を、厚さ10nmの表面層とし、その層厚内
で、i層の組成In0.1Ga0.9Nからショットキー接触
部の組成GaNまで無段階的かつ直線的に変化させる構
成としたこと以外は、上記実施例3と同様に、当該受光
素子を製作した。当該受光素子の評価は、他の実施例品
と共に後述する。
【0047】(受光素子の評価)上記実施例1〜4によ
って得られた各受光素子の受光感度を各波長について測
定した。各実施例の受光素子の受光感度特性を、図5、
図6のグラフに示す。実施例1の受光素子は、図5
(a)に示すとおり、受光ピーク波長は410nmであ
り、受光感度は0.04A/Wであった。実施例2の受
光素子は、図5(b)に示すとおり、受光ピーク波長は
410nmであり、受光感度は0.06A/Wであっ
た。この結果から、表面層の組成傾斜によって、受光感
度がさらに向上したことがわかる。実施例3の受光素子
は、図6(a)に示すとおり、受光ピーク波長は410
nmであり,受光感度は0.08A/Wであった。この
結果から、超格子構造によって、受光感度がさらに向上
したことがわかる。実施例4の受光素子は、図6(b)
に示すとおり、受光ピーク波長は410nmであり、受
光感度は0.12A/Wであった。この結果から、表面
層の組成傾斜と、受光層の超格子構造とを組み合わせる
ことによって、受光感度がさらに向上したことがわか
る。
【0048】
【発明の効果】上記のように、本発明による受光素子
は、波長365nmの光よりも長い波長の光を検出し得
るものであり、GaN系のショットキー型受光素子とし
ては、従来に無いものである。また、表面層の介在、i
層の多重化(超格子構造)などの好ましい構成を付与す
ることによって、i層にIn組成を含有させながらも、
より受光感度の高い受光素子とすることが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による受光素子の構造例を示す模式図で
ある。ハッチングは、領域を区別するために適宜施して
いる。以下の図も同様である。
【図2】表面層を加えた本発明の受光素子の構造例を示
す模式図である。
【図3】本発明の受光素子に表面層を加えた場合の、シ
ョットキー接合付近のバンドダイヤグラムを示す図であ
る。
【図4】本発明において、i層をGaN系結晶層と共に
交互成長させ超格子構造とした場合の素子構造例を示す
模式図である。図示した超格子構造の各層の厚さやペア
数は、説明のために実際のものとは異なっている。
【図5】本発明の実施例で製作した受光素子の受光感度
特性を示す図である。図5(a)は実施例1の受光素子
の受光感度特性を示し、図5(b)は実施例2の受光素
子の受光感度特性を示している。
【図6】本発明の実施例で製作した受光素子の受光感度
特性を示す図である。図6(a)は実施例3の受光素子
の受光感度特性を示し、図6(b)は実施例4の受光素
子の受光感度特性を示している。
【図7】従来のショットキー障壁型GaN系受光素子の
構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 i層 2 高キャリア濃度層 P1 ショットキー電極 P2 オーミック電極 L 検出すべき光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡川 広明 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 常川 高志 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 5F049 MA05 MB07 NA01 PA04 QA16 QA20 SE05 SE11 SS01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN系半導体結晶からなるi層を受光
    層として有し、該i層の上面にショットキー電極が設け
    られた構造を有するショットキー障壁型の半導体受光素
    子であって、 該i層が、GaNよりバンドギャップの小さいInx
    yAlzN(0<x≦1、0≦y<1、0≦z<1)か
    らなることを特徴とする、GaN系半導体受光素子。
  2. 【請求項2】 i層とショットキー電極との間に、Ga
    N系半導体結晶からなる表面層が介在しており、 該表面層のうち少なくともショットキー電極と接してい
    る部分が、i層よりもバンドギャップの大きいGaN系
    半導体結晶からなる、請求項1記載のGaN系半導体受
    光素子。
  3. 【請求項3】 表面層が、i層側からショットキー電極
    側へと近づくにつれ、i層と同じ組成から、バンドギャ
    ップのより大きい組成へと、段階的または無段階的に変
    化している層である、請求項2記載のGaN系半導体受
    光素子。
  4. 【請求項4】 上記i層と、該i層よりもバンドギャッ
    プが大きくかつ低キャリア濃度とされたGaN系半導体
    結晶層とが、交互に多重積層されて超格子構造が構成さ
    れ、該超格子構造中においてi層が受光層となってい
    る、請求項1または2記載のGaN系半導体受光素子。
  5. 【請求項5】 上記超格子構造の最上層が、i層よりも
    バンドギャップが大きく低キャリア濃度とされた上記G
    aN系半導体結晶層である、請求項4記載のGaN系半
    導体受光素子。
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