JP2003271312A - タッチパネル用透明電極板及びタッチパネル - Google Patents

タッチパネル用透明電極板及びタッチパネル

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JP2003271312A
JP2003271312A JP2002068540A JP2002068540A JP2003271312A JP 2003271312 A JP2003271312 A JP 2003271312A JP 2002068540 A JP2002068540 A JP 2002068540A JP 2002068540 A JP2002068540 A JP 2002068540A JP 2003271312 A JP2003271312 A JP 2003271312A
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transparent electrode
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transparent
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JP2002068540A
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Hidemasa Sugamoto
秀征 菅本
Osamu Kawai
治 川合
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、透明性及び薄膜密着性に優れた樹脂
基板を有するタッチパネル用透明電極板を提供する。 【解決手段】 透明基板と、該透明基板の少なくとも一
表面上に形成された透明導電性膜とを有するタッチパネ
ル用透明電極板であって、前記透明基板が、炭素数1〜
4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル
単位を含むモノエチレン性不飽和単量体単位12.5〜
65質量%と、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
する多官能(メタ)アクリレート単位35〜87.5質
量%とからなる共重合体(A)80〜98質量部と、炭
素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル
エステル単位を含むモノエチレン性不飽和単量体単位か
らなる(共)重合体(B)2〜20質量部とからなる樹
脂組成物100質量部から構成される透明基板であるタ
ッチパネル用透明電極板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、透明性、
導電性膜密着性に優れた透明基板を有するタッチパネル
用透明電極板及びこの透明電極板を含むタッチパネルに
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶やブラウン管等の表示装置上に透明
なタッチパネルを配置した表示装置一体型入力装置は、
その表示画面を入力ペンや指で触れることにより、タッ
チパネルが入力装置として作用して入力操作を容易に行
うことができるので、携帯情報端末や銀行等の現金自動
預払機の操作画面として使用されている。特に、抵抗膜
方式のアナログタッチパネルは、あらゆる操作画面に対
応できるため、最も広く使用されている。
【0003】抵抗膜方式のアナログタッチパネルは、一
般に、上部透明電極板と下部透明電極板とを備え、上部
及び下部透明電極板が、透明基板とこの透明基板上に形
成された透明導電性膜とを有する透明電極板であり、上
部及び下部透明電極板が、互いの透明導電性膜が対向す
るように間隔をおいて配置された構成を有する。
【0004】このような構成を有するタッチパネルの上
部透明電極板を入力ペン又は指で押圧すると、上部透明
電極板が撓んでその押圧点において上部及び下部透明電
極板の透明導電性膜同士が接触する。そして、この接触
点の座標が電気抵抗の測定によって検知されて、入力情
報が読み取られる。
【0005】このようなタッチパネルの透明電極板とし
ては、一般に、上部透明電極板には樹脂板を、下部透明
電極板にはガラス板又は樹脂板を透明基板として使用
し、これら透明基板の表面上に真空蒸着法、スパッタリ
ング法、CVD(chemical vapor deposition)法、イ
オンプレーティング法等の真空成膜法により透明導電性
膜を形成したものが使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
板を透明基板として使用した下部電極板は、タッチパネ
ルの組立及び運搬の際、或いはペン又は手で押圧する際
に割れやすい、薄型化が困難である、軽量化が困難であ
る等の問題があった。
【0007】一方、樹脂板を透明基板として使用する
と、上記ガラス板を透明基板として使用した場合に生ず
る基板の破損、薄型化及び軽量化の問題は容易に解決で
きる。実際、樹脂板を透明基板として使用した上部及び
下部電極板も種々検討されている(特開2000−27
6301、特開2001−14951及び特開2001
−34418号公報等)。しかしながら、これらの公報
で開示されているポリエチレンテレフタレート樹脂等の
樹脂板を用いた透明基板は、透明性が不十分である。ま
た、耐熱性が不足しているため、透明基板上に透明導電
性膜を形成させる際に熱変形しやすい、透明導電性膜の
密着性が低く耐久性が不十分であるため、透明基板表面
を更に加工する必要があるなどの問題があった。
【0008】また、特公平5−6570号公報は、メタ
クリル酸メチルと、多官能(メタ)アクリレートであるネ
オペンチルグリコールジメタクリレートとを単量体とし
て重合したメタクリル系樹脂成形材料を開示する。しか
し、特公平5−6570号公報は、このメタクリル系樹
脂成形材料がタッチパネル用透明電極板の透明基板とし
て利用できることについて全く開示しておらず、この限
定された組成がタッチパネル用透明電極板として好適で
あることが示唆されていない。さらに、特公平5−65
70号公報に記載のメタクリル系樹脂成形材料は、重合
率が4〜62質量%と低いため、この成形材料を製品と
する際にはさらに圧縮成形、押出成形等の工程によって
重合率を高くすることが必要である。このためひずみが
発生し、タッチパネルには使用できない問題があった。
【0009】従って、本発明の目的は、上記問題を解決
し、耐熱性、透明性及び薄膜密着性に優れた樹脂基板を
有するタッチパネル用透明電極板及びこの透明電極板を
含むタッチパネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、透明基
板と、該透明基板の少なくとも一表面上に形成された透
明導電性膜とを有するタッチパネル用透明電極板であっ
て、前記透明基板が、炭素数1〜4のアルキル基を有す
るメタクリル酸アルキルエステル単位を含むモノエチレ
ン性不飽和単量体単位12.5〜65質量%と、2個以
上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)ア
クリレート単位35〜87.5質量%とからなる共重合
体(A)80〜98質量部と、炭素数1〜4のアルキル
基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位を含むモ
ノエチレン性不飽和単量体単位からなる(共)重合体
(B)2〜20質量部とからなる樹脂組成物100質量
部から構成される透明基板であるタッチパネル用透明電
極板にある。該組成の透明基板であれば、透明導電性膜
の密着性が高く、透明基板表面を何ら加工することなく
透明電極板を作製することができる。
【0011】また本発明の要旨は、上部透明電極板と下
部透明電極板とを備え、該上部透明電極板及び該下部透
明電極板が、透明基板と、該透明基板の少なくとも一表
面上に形成された透明導電性膜とを有する透明電極板で
あり、該上部透明電極板と該下部透明電極板が、互いの
透明導電性膜が対向するように間隔をおいて配置された
タッチパネルであって、上部透明電極板及び下部透明電
極板の少なくとも一方が、上記タッチパネル用透明電極
板であることを特徴とするタッチパネルにある。
【0012】前記タッチパネル用透明電極板は、荷重た
わみ温度が150℃以上であることが好ましい。
【0013】また前記多官能(メタ)アクリレート単位
は、下記一般式(1)で示される化合物であることが好
ましい。
【0014】
【化2】 (式中、R、RはH又はCH、R、RはH又
は炭素数3以下の炭化水素基、nは0〜4の整数を示
す。)また前記炭素数1〜4のアルキル基を有するメタ
クリル酸アルキルエステル単位は、メタクリル酸メチル
単位であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のタッチパネル用透明電極
板は、透明基板と、この透明基板の少なくとも一表面上
に形成された透明導電性膜とを有する。例えば、図1に
示すように、本発明のタッチパネル用透明電極板(1)
は、透明基板(2)と、この透明基板の上に設けられた透
明導電性膜(3)とを有する。
【0016】<透明基板>本発明のタッチパネル用透明
電極板を構成する透明基板は、炭素数1〜4のアルキル
基を有するメタクリル酸アルキルエステル単位を含むモ
ノエチレン性不飽和単量体単位12.5〜65質量%
と、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能
(メタ)アクリレート単位35〜87.5質量%とから
なる共重合体(A)80〜98質量部と、炭素数1〜4
のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル単
位を含むモノエチレン性不飽和単量体単位からなる
(共)重合体(B)2〜20質量部との混合物からな
る。
【0017】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位を含むモノエチレン性不飽
和単量体単位の含有量は、共重合体(A)中、12.5
〜65質量%の範囲である。12.5質量%以上である
と透明性が向上し、65質量%以下であると耐熱性が向
上する傾向がある。55質量%以下であることが好まし
い。
【0018】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位としては、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル
等が挙げられる。これらは併用することもできる。これ
らのなかでもメタクリル酸メチルが特に好ましい。
【0019】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位を含むモノエチレン性不飽
和単量体単位全量中の炭素数1〜4のアルキル基を有す
るメタクリル酸アルキルエステル単位の含有量は、50
質量%以上であることが好ましい。
【0020】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位以外のモノエチレン性不飽
和単量体単位としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステ
アリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベ
ンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸
エトキシエチル等が挙げられる。これらは併用すること
もできる。
【0021】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位以外のモノエチレン性不飽
和単量体単位の含有量は、炭素数1〜4のアルキル基を
有するメタクリル酸アルキルエステル単位を含むモノエ
チレン性不飽和単量体単位全量中、50質量%以下であ
ることが好ましい。炭素数1〜4のアルキル基を有する
メタクリル酸アルキルエステル単位以外のモノエチレン
性不飽和単量体単位が共重合体(A)と(共)重合体
(B)の混合物に対して20質量%以下であると、タッ
チパネル用透明電極板として充分な透明性を得ることが
でき、また、充分な耐熱性を得ることができるので好ま
しい。
【0022】本発明における2個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート単位と
は、2個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレ
ート単位、または2個以上のメタクリロイル基を有する
多官能メタクリレート単位のことである。これらのもの
を併用することもできる。これらは、一般式(1)で示
される化合物であることが好ましい。
【0023】一般式(1)で表される化合物としては、
エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコ
ールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタ
クリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、2,2’−ジメチル−1,4
−ブタンジオールジメタクリレート等が挙げられる。透
明性向上の点から最も好ましいのはネオペンチルグリコ
ールジメタクリレートである。一般式(2)において、
nが1以上の場合は外観が良好になり、nが4以下の場
合は耐熱性が向上する傾向がある。これらは併用するこ
とができる。
【0024】多官能(メタ)アクリレート単位の含有量
は、共重合体(A)中35〜87.5質量%の範囲であ
り、45〜87.5質量%の範囲であることが好まし
い。多官能(メタ)アクリレート単位が35質量%以上
の場合は耐熱性が向上し、87.5質量%以下の場合は
外観が良好になる傾向がある。
【0025】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位を含むモノエチレン性不飽
和単量体単位からなる(共)重合体(B)とは、2個以
上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)ア
クリレート単位を含有しないものであって、炭素数1〜
4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル
の単独重合体(B)あるいは炭素数1〜4のアルキル基
を有するメタクリル酸アルキルエステルおよびこれと共
重合し得るモノエチレン性不飽和単量体との共重合体
(B)である。(この単独重合体(B)あるいは共重合
体(B)を適宜、「(共)重合体(B)」という)
(共)重合体(B)中、メタクリル酸アルキルエステル
単位の含有量は50質量%以上であることが好ましい。
【0026】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位としては、前述のものが挙
げられる。
【0027】炭素数1〜4のアルキル基を有するメタク
リル酸アルキルエステル単位以外のモノエチレン性不飽
和単量体単位としては、前述のものが挙げられる。
【0028】本発明のタッチパネル用透明電極板におけ
る透明基板は、前述の共重合体(A)80〜98質量部
と、前述の(共)重合体(B)2〜20質量部とからな
る樹脂組成物100質量部から構成される透明基板であ
る。(共)重合体(B)が2質量部以上の場合は外観が
向上し、20質量部以下の場合は耐熱性が向上する傾向
がある。
【0029】タッチパネル用透明電極板は、荷重たわみ
温度が150℃以上であることが好ましい。荷重たわみ
温度が150℃以上であると、銀ペーストを硬化する際
に樹脂基板が変形しにくくなる傾向がある。なお透明電
極板の荷重たわみ温度は、透明導電性膜の厚みが1μm
以下の薄い場合は、透明電極板を構成する透明基板の荷
重たわみ温度と同じとなり、該透明基板の荷重たわみ温
度を測定し透明電極板の荷重たわみ温度としても差し支
えない。
【0030】<透明基板の製造方法>本発明のタッチパ
ネル用透明電極板を構成する透明基板の製造方法として
は、塊状重合による製造方法が挙げられる。好ましく
は、重合と成形とを同時に行う鋳込重合により本発明の
透明基板を製造することが好適である。鋳込重合は、一
般に、鋳型に重合性混合物を注入して重合し、得られた
重合体を鋳型から剥離して製品を得る方法である。炭素
数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエ
ステルとしてメタクリル酸メチルを使用する鋳込重合の
方法を以下に例示するが、これに限定されない。
【0031】はじめにメタクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル単位を含有する(共)重合体(B)、多官能
(メタ)アクリレート、更に、必要により共重合可能な
他のモノエチレン性不飽和単量体を吸引瓶中に仕込み攪
拌して重合性混合物とする。その重合性混合物に重合開
始剤を添加した後、真空脱気を行って、一対の強化ガラ
スシートにガスケットを挟んで構成された鋳型に注入
し、加熱炉に入れて40〜70℃で2〜5時間、100
〜150℃で1〜6時間重合硬化を行い、鋳型から剥離
して、樹脂基板として使用し得る樹脂板を得ることがで
きる。
【0032】ここで、重合開始剤としては、公知の重合
開始剤を用いることができる。本発明で使用し得る重合
開始剤としては、例えば、t−ブチルペルオキシピバレ
ート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチル
ペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシ
ネオデカノエート、2,2’−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート等が挙げられる。これらは併
用することもできる。
【0033】重合性混合物100質量部当たり、重合開
始剤は0.001〜1質量部の範囲であることが好まし
く、0.01〜0.5質量%の範囲であることがより好
ましい。
【0034】なお、強化ガラスシートに代えて、鏡面S
USシート、表面に細かな凹凸を付けたガラスシート、
対向して走行する鏡面SUS製のエンドレスベルトを鋳
型として使用することもできる。また、重合温度、時間
は適宜選択できる。
【0035】なお、重合性混合物には必要に応じて、着
色剤、離型剤、酸化防止剤、安定剤、帯電防止剤、抗菌
剤、難燃剤、耐衝撃改質剤、光安定剤、紫外線吸収剤、
光拡散剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、重合調節剤等を添
加することができる。
【0036】<透明導電性膜>本発明のタッチパネル用
透明電極板は、上記透明基板の少なくとも一表面上に透
明導電性膜を形成してなる。ここで透明導電性膜として
は、透明かつ導電性の薄膜であればよいが、例えば、無
機薄膜及び有機高分子薄膜が使用される。
【0037】無機薄膜に使用される材料としては、例え
ば、酸化錫、酸化インジウム、錫添加酸化インジウム
(以下ITOと省略する)等の透明金属酸化物が挙げら
れる。中でも好ましくは、ITOである。
【0038】また、有機高分子薄膜に使用される材料と
しては、ポリイソチアナフテン等が挙げられる。
【0039】<タッチパネル用透明電極板>本発明のタ
ッチパネル用透明電極板は、上記透明基板と、この透明
基板の少なくとも一表面上に形成された透明導電性膜と
を有する。透明基板の上に上記透明導電性膜を成膜する
方法としては、公知の成膜法を使用することができる
が、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD
法、イオンプレーティング法等の各種真空成膜法が挙げ
られる。例えば、ITO薄膜のスパッタリング法による
成膜は、以下のように行われる。まず、洗浄工程におい
て水(純水)又はアルカリ水で透明基板を洗浄し、大気
中で120℃以上、好ましくは、120〜130℃の温
度で1〜4時間乾燥する。そして、真空下、100〜1
40℃、好ましくは120℃の温度においてITOのス
パッタリング処理が施される。この後、電極及びリード
電極を銀ペーストにて塗布し、130〜170℃、好ま
しくは150℃の温度において硬化する。この際、使用
する透明基板の耐熱性が充分でないと樹脂基板が変形を
起こし、タッチパネル用透明電極板として使用すること
ができない。
【0040】本発明のタッチパネル用透明電極板に使用
される透明基板の厚さは、例えば、0.1〜2mm、好
ましくは、0.2〜1mmであることが適当である。
【0041】また、本発明のタッチパネル用透明電極板
に使用される透明導電性膜の厚さは、例えば、10〜5
0nm、好ましくは、25〜40nmであることが適当
である。
【0042】このような範囲内のタッチパネル用透明電
極板であれば、ガラス基板を使用した透明電極板と比
べ、軽量化、薄肉化を図ることができるので好適であ
る。
【0043】本発明のタッチパネル用透明電極板を構成
する樹脂基板は無着色であることが好ましい。また、透
明導電性膜のない側に反射防止膜を形成させることもで
きる。
【0044】本発明のタッチパネル用透明電極板の厚み
が1mmである場合、その全光線透過率は、JIS−K
7105に示される全光線透過率の測定法に準拠した値
で、91%以上、例えば、91〜95%、好ましくは、
92〜95%であることが好ましい。全光線透過率が9
1%以上であれば、タッチパネル用透明電極板として充
分な透明性を得ることができる。
【0045】<タッチパネル>以下、本発明のタッチパ
ネル用透明電極板が好ましく使用されるタッチパネルの
例を、図1〜3に沿って説明する。
【0046】本発明のタッチパネルは、下部透明電極板
(1)と上部透明電極板(7)とがスペーサー(6)を介して
対向して配置された構造を有する。下部透明電極板(1)
は、透明基板(2)と、この透明基板(2)上に形成された
透明導電性膜(3)と、透明導電製膜(3)上の端部に電
極(4)を有する。電極(4)にはリード電極(5)が
接続されている。また、上部透明電極板(7)も下部透明
電極板(1)と同様な構造を有している。次に下部透明
電極板(1)と上部透明電極板(7)とを、下部透明導電性
膜(3)と上部透明導電性膜(9)を内側にし、両透明電極
板の間にドットスペーサー(11)を介在させ、かつ電
極の方向が交差するように、スペーサー(6)を介して一
定の間隔をおいて配置する。このような構成を有するタ
ッチパネルは、上部透明電極板(7)の上からペンや指で
押圧すると、上部透明電極板(7)が変形して下部透明導
電性膜(3)と上部透明導電性膜(9)が接触導通し、入力
が完了する。
【0047】ここで、本発明のタッチパネル用透明電極
板は、上記下部透明電極板(1)及び/又は上部透明電極
板(7)として使用される。本発明のタッチパネル用透明
電極板は、透明性が高く、且つ剛性も高いため、下部透
明電極板(1)として使用されることが好適である。
【0048】以下、実施例によりこの発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
【実施例】以下、実施例によりこの発明を具体的に説明
する。耐熱性はJIS−K7207に示された荷重たわ
み温度の測定法に準拠して、透明基板について測定し
た。
【0050】<透明基板の製造> [実施例1]メタクリル酸メチル重合体7.5質量%と
メタクリル酸メチル92.5質量%とからなる混合物5
0質量部、ネオペンチルグリコールジメタクリレート5
0質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)0.03
質量部、t−ヘキシルパーオキシピバレート0.01質
量部、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
0.01質量部、重合調節剤としてテルピノレン0.0
05質量部を混合し、吸引瓶中に仕込み攪拌し、真空脱
気を行い重合性混合物を得た。次にその重合性混合物
を、間隔1.7mmの一対の強化ガラスシートにガスケ
ットを挟んで構成された鋳型に注入し気泡を除いた後、
加熱炉に入れて55℃で1時間、50℃で1時間、続い
て130℃で2時間重合を行い厚みが1mmの樹脂板を
製造した。冷却後この樹脂板を剥離して取り出した。こ
の樹脂板、即ち、透明基板の荷重たわみ温度は185℃
であった。原料の組成の一部と加重たわみ温度を表1に
示す。
【0051】
【表1】 [実施例2、比較例1]表1に示す原料の組成以外は実
施例1と同様にして樹脂板を製造した。原料の組成の一
部と加重たわみ温度を表1に示す。
【0052】<タッチパネル用透明電極板の製造>実施
例1、実施例2及び比較例1で得られた透明基板を、純
水で洗浄し、熱風乾燥炉に入れて大気中で120℃、2
時間乾燥した。次いで樹脂基板上にスパッタリング法に
よりITOを成膜して透明導電性膜を形成した。膜厚は
約30nmに調整した。スパッタリングは、質量比95
/5のIn/SnOをターゲットとし、10
−3Paまで排気し、体積比92.5/7.5のアルゴ
ン/酸素を導入ガスとし、120℃の加熱下でRFスパ
ッタリングを行った。次いで電極及びリード電極を銀ペ
ーストにて塗布し、150℃の加熱下において硬化し
た。電極及びリード電極の膜厚は約10μmに調整し
た。以上のようにして、タッチパネル用透明電極板を得
た。
【0053】[評価] 1)肉眼による観察 透明導電性膜の製造における上記2時間の乾燥、及びス
パッタリング法による成膜、銀ペースト硬化後における
透明基板の変形の有無、及び成膜されたITO膜の状態
を肉眼で観察し、タッチパネル用透明電極板の外観を評
価した。成膜されたITO膜の状態は、光学的な歪み
や、クラック等が認められない場合には良好であると判
断し、光学的な歪みやクラックが認められる場合には不
良と判断した。
【0054】2)透明性の評価 実施例1、実施例2及び比較例1の透明基板を用いて製
造した各タッチパネル用透明電極板について、全光線透
過率を測定し、透明性を評価した。全光線透過率は、J
IS−K7105に示される全光線透過率の測定法に準
拠して測定した。全光線透過率が大きい程、透明性が高
く、良好なタッチパネル用透明電極板であるといえる。
【0055】3)密着性の評価 実施例1、実施例2及び比較例1の透明基板を用いて製
造した各タッチパネル用透明電極板について、透明導電
性膜の密着性を評価した。まず、カッターを使用して1
mm間隔で縦・横11本づつ格子状に、樹脂基板まで達
するように傷を入れ、1×1mmの升目100個を作製
した。この升目の上に粘着テープ(ニチバン製、セロハ
ンテープ)をよく密着させ、45゜手前方向に急激に剥
した。このとき、透明導電性膜が剥離せずに残存した升
目の数(n)をn/100として表示した。nの値は、
好ましくは、96個以上、より好ましくは、100個で
あることが適当である。nの値が大きい程、透明導電性
膜の密着性が高く、良好なタッチパネル用透明電極板で
あるといえる。
【0056】これらの評価結果を表1に示す。
【0057】<タッチパネル>図3に示すタッチパネル
を作製し、タッチパネルの作動性について評価した。下
部透明電極板(1)として、実施例1、実施例2及び比較
例1のタッチパネル用透明電極板を横250mm×縦1
80mmに切り取って使用した。上部透明電極板(7)と
して、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(帝人(株)製、製品名テトロンフィルム)上
に、上記透明導電性膜の製造の項に記載の方法と同一の
方法で膜厚約25nmのITO膜を成膜したものを用い
た。スペーサー(6)は、100μm厚の両面テープを使
用した。また高さ10μm、直径50μmのドットスペ
ーサー(11)を、下部透明導電性膜(3)に3mmピ
ッチで千鳥状になるように光硬化型アクリル系樹脂を塗
布し、紫外線照射して硬化した。そして絶縁膜を電極
(4)及び電極(10)上に形成し、12型に相当する
大きさ、即ち、横250mm×縦180mmのタッチパ
ネルを作製した。実施例1及び2のタッチパネル用透明
電極板を用いたタッチパネルは正常に動作した。比較例
1のタッチパネル用透明電極板を用いた透明電極板は、
先の150℃の加熱下における硬化時に変形が見られ、
タッチパネル用としては不適当なものであった。
【0058】
【発明の効果】本発明のタッチパネル用透明電極板及び
タッチパネルは、アクリル系樹脂共重合体の優れた光学
特性を維持したまま、無機薄膜の成膜工程、電極の熱硬
化工程に耐え得る耐熱性を持つものである。また薄膜密
着性が極めて優れたものであり、これまで樹脂板を基板
として使用する際に必要であった表面処理を不要にする
ことができたものである。またタッチパネル用透明電極
板の基板に樹脂板が使用できることで、タッチパネルの
破損防止、軽量化、薄肉化を容易にすることができ、従
来のガラス板の使用においては成し得なかった用途、形
状への適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタッチパネル用透明電極板(下部)の
一例を示す断面図である。
【図2】本発明のタッチパネル用透明電極板(下部)の
一例を示す平面図である。
【図3】本発明のタッチパネルの一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明電極板(下部) 2 透明基板(下部) 3 透明導電性膜(下部) 4 電極(下部) 5 リード電極(下部) 6 スペーサー 7 透明電極板(上部) 8 透明基板(上部) 9 透明導電性膜(上部) 10 電極(上部) 11 ドットスペーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B087 AA04 CC14 CC17 CC36 5G006 AA01 AZ01 FB17 FB30 FB39 JA01 JB05 JD01 LG02 5G023 AA12 CA08 CA41 5G307 FA02 FC09 FC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板と、該透明基板の少なくとも一
    表面上に形成された透明導電性膜とを有するタッチパネ
    ル用透明電極板であって、前記透明基板が、炭素数1〜
    4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステル
    単位を含むモノエチレン性不飽和単量体単位12.5〜
    65質量%と、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
    する多官能(メタ)アクリレート単位35〜87.5質
    量%とからなる共重合体(A)80〜98質量部と、炭
    素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル
    エステル単位を含むモノエチレン性不飽和単量体単位か
    らなる(共)重合体(B)2〜20質量部とからなる樹
    脂組成物100質量部から構成される透明基板であるタ
    ッチパネル用透明電極板。
  2. 【請求項2】 荷重たわみ温度が150℃以上である請
    求項1に記載のタッチパネル用透明電極板。
  3. 【請求項3】 多官能(メタ)アクリレート単位が、下
    記一般式(1)で示される化合物である請求項1または
    2に記載のタッチパネル用透明電極板。 【化1】 (式中、R、RはH又はCH、R、RはH又
    は炭素数3以下の炭化水素基、nは0〜4の整数を示
    す。)
  4. 【請求項4】 炭素数1〜4のアルキル基を有するメタ
    クリル酸アルキルエステル単位がメタクリル酸メチル単
    位である請求項1〜3のいずれかに記載のタッチパネル
    用透明電極板。
  5. 【請求項5】 透明導電性膜が、ITO膜である、請求
    項1〜4のいずれかに記載のタッチパネル用透明電極
    板。
  6. 【請求項6】 上部透明電極板と下部透明電極板とを備
    え、該上部透明電極板及び該下部透明電極板が、透明基
    板と、該透明基板の少なくとも一表面上に形成された透
    明導電性膜とを有する透明電極板であり、該上部透明電
    極板と該下部透明電極板が、互いの透明導電性膜が対向
    するように間隔をおいて配置されたタッチパネルであっ
    て、上部透明電極板及び下部透明電極板の少なくとも一
    方が、請求項1〜5のいずれかに記載のタッチパネル用
    透明電極板であることを特徴とするタッチパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012198879A (ja) * 2011-03-08 2012-10-18 Fujifilm Corp 抵抗膜式マルチタッチパネル及び抵抗膜式マルチタッチパネルに用いる電極シート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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