JP2003270564A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JP2003270564A
JP2003270564A JP2002072209A JP2002072209A JP2003270564A JP 2003270564 A JP2003270564 A JP 2003270564A JP 2002072209 A JP2002072209 A JP 2002072209A JP 2002072209 A JP2002072209 A JP 2002072209A JP 2003270564 A JP2003270564 A JP 2003270564A
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control
light beam
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light amount
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JP2002072209A
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English (en)
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Kenji Onishi
健司 大西
Takaaki Sakakibara
崇晃 榊原
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ビームの光量制御を行うことで複数の発光
部の劣化度合いが特定の発光部に偏ることを防止する。 【解決手段】 n個の発光部を有する光源から射出され
るn本の光ビームの光量制御を順次行うに際し、APC
順序設定メモリ66には、n個の発光部のうちの発光部j
に対する光量制御を1番目に行わせ、発光部1に対する
光量制御をj番目に行わせるパターンjがj=1〜nだ
け記憶されており、制御部64は各回の主走査でAPCの
実行が指示される毎に、各発光部に対する光量制御をメ
モリ66に記憶されている特定のパターンに応じた順序で
行わせると共に、光ビームの主走査がN回(N≧1)行
われる毎に使用するパターンを順次切替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光走査装置に係り、
特に、複数の発光部を有する光源から射出されて被走査
体上を各々走査される複数本の光ビームにより被走査体
上に画像を形成させる光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成速度の高速化、形成画像の高画
質化を目的として、複数本の光ビームを各々偏向して感
光体等の被走査体上で同時に走査させる光走査装置を搭
載し、1回の主走査で複数本の走査線の走査を行うこと
で画像を形成する構成の画像形成装置は従来より知られ
ており、この種の画像形成装置に搭載可能な光走査装置
として、アレイ化が容易な面発光レーザ(VCSEL:
Vertical Cavity Emitting Laser)から成る光源を備
え、同時に走査させるレーザ光の本数(レーザ光によっ
て同時に走査される走査線の本数)を増加させること
で、更なる高速化、高画質化を実現する構成も提案され
ている(例えば特開平5−294005号公報等を参
照)。
【0003】ところで、複数本の光ビームによって画像
を形成する構成において高画質化を実現するためには、
個々の光ビームの光量を均一にする光量制御を行う必要
がある。この光量制御は、複数の発光部を有する光源か
ら光ビームを順次射出させ、光量センサからの信号を基
準信号と比較し、両者が等しくなるように光源駆動部が
光源に供給する駆動電流の大きさを制御する等によって
成されるが、光源から射出される光ビームの光量は外乱
や自己発熱などの影響を受けて時間と共に変化するの
で、光ビームの光量変動が画質に悪影響を及ぼすことを
回避するために、光量制御の実行時間間隔は短いほど好
ましく、光ビームの各回の主走査において、非画像部に
相当する領域を光ビームが走査している期間に光量制御
を実施することが多い。
【0004】一方、画像形成速度の高速化のためには光
ビームの主走査周期を短くすることが有効であり、これ
に伴い、光量制御に利用可能な期間(非画像部に相当す
る領域を光ビームが走査している期間)も短くなる傾向
にある。そして、被走査体上を同時に走査される光ビー
ムの本数が多くなるに従って、個々の光ビームの光量制
御に割り当て可能な時間も短くなる。従って、特に複数
本の光ビームによって画像を形成する構成においては、
各光ビームに対する光量制御を短時間で完了させること
が求められている。
【0005】複数本の光ビームに対する光量制御の一例
として、特開平10−190115号公報には、複数の
発光部(端面発光レーザ)から射出されるバックビーム
の光量を、複数の発光部から成る光源と一体化された光
検出器によって個々の発光部毎に検出し、光検出器の出
力信号を個々の発光部毎に予め独立に調整された基準電
圧と比較することで、個々の発光部から射出される光ビ
ームの光量を各々所望の光量に制御する技術が開示され
ている。
【0006】しかし、上記構成において、被走査体に照
射されて画像形成に供せられる光ビームは、発光部から
射出されて幾つかの光学部品を透過したフロントビーム
であるのに対し、上記技術ではフロントビームの光量を
検出していないため、経時的に光学部品の光透過率が変
化し、被走査体に照射される光ビームの光量が変化した
としても、この光量変化を補正することができず、光学
部品の光透過率の変化に伴う形成画像の画質低下を回避
することが困難である、という問題がある。また、前述
した面発光レーザ(VCSEL)は一方向にのみ光ビー
ムを射出する構成であり、バックビームが射出されない
ため、上記技術は光源として面発光レーザを用いた構成
に適用できない、という欠点もある。
【0007】このため、光源から射出されるフロントビ
ーム(画像形成に用いる光ビーム)の光量を検出して光
量制御を行う技術が提案されている。例えば特開平8−
330662号公報には、光源から射出された光ビーム
(フロントビーム)が通過する光路上に反射ミラーを配
置し、反射ミラーによって反射された一部の光ビームを
光検出器に入射させ、光検出器によって検出された光ビ
ームの光量に基づいて光量のフィードバック制御を行う
構成が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、画像形
成に用いる光ビーム(フロントビーム)の光量を検出し
て光量制御を行う方式では、光検出器と光源の物理的な
配置位置が隔たっているために、光検出器から光量制御
を行う制御部を経て光源駆動部へ至る信号の伝送経路が
長くなると共に、光ビームの光路の途中に光検出器を配
置しているため、光検出器の受光面を大面積化する必要
があることから、光検出器から出力される信号が信号線
を通って伝送される過程で減衰し、光検出器に光ビーム
が入射されるタイミングに対して、光検出器から制御部
に入力される光量検出信号のレベルが立ち上がるタイミ
ングに遅延が生ずる。
【0009】そして、光量検出信号のレベルが立ち上が
るタイミングの遅延が大きいと、光ビームの光量制御時
に、光ビームの光量の増加に対して光量検出信号に基づ
く光量のフィードバック制御が追いつかず、例として図
7(A)に示すように、光ビームの光量が過大となるオ
ーバシュートが発生するという問題がある。複数本の光
ビームの光量を順次制御する場合には、i本目の光ビー
ムの光量制御が終了して該当する発光部を消灯させる前
に、i+1本目の光ビームの光量制御を開始するように
すれば、図7(B)に示すように、2本目以降の光ビー
ムの光量制御で過大なオーバシュートが発生することを
抑制することは可能である。
【0010】しかし、従来の光走査装置は、各光ビーム
に対する光量制御の順序が常に一定となっているため、
最初に光量制御が行われる光ビームを射出する発光部に
は、光量制御が行われる度に他の発光部よりも過大な負
荷が加わることになり、他の発光部よりも著しく劣化す
る。このように、発光部の劣化度合いが特定の発光部に
偏ることが光源、ひいては光走査装置の寿命を縮めるこ
とに繋がるという問題があった。
【0011】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、光ビームの光量制御を行うことで複数の発光部の劣
化度合いが特定の発光部に偏ることを防止できる光走査
装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る光走査装置は、光ビームを
射出する複数の発光部を有する光源と、前記光源から射
出された光ビームの光量を検出する検出手段と、前記光
源の各発光部から射出され走査手段によって被走査体上
を各々走査される複数本の光ビームにより、前記被走査
体上に画像が形成されている期間以外の期間に、前記検
出手段によって検出された光量に基づき、前記各発光部
から射出される個々の光ビームの光量を順次制御する光
量制御手段と、少なくとも前記光量制御手段によって最
初に光量制御が行われる光ビームが定期的に切り替わる
ように、光量制御の実行順序を変更する順序変更手段
と、を含んで構成されている。
【0013】請求項1記載の発明では、複数の発光部を
有する光源を備えており、光源の各発光部から射出され
た複数本の光ビームが走査手段によって被走査体上を各
々走査されることにより、被走査体上に画像が形成され
る。また、請求項1記載の発明では、光源から射出され
た光ビームの光量を検出する検出手段が設けられてお
り、光量制御手段は、複数本の光ビームにより被走査体
上に画像が形成されている期間以外の期間(例えば走査
手段による各回の走査における画像形成期間の間に相当
する期間)に、検出手段によって検出された光量に基づ
き、各発光部から射出される個々の光ビームの光量を順
次制御する。
【0014】光量制御手段が上記の光量制御を行うこと
で、個々の光ビームの光量が各々所望の光量となるよう
に制御されるが、個々の光ビームに対して順次行われる
光量制御のうち最初の方に行われる光量制御では、光ビ
ームの光量が過大となるオーバシュートが発生するの
で、個々の光ビームに対する光量制御の実行順序が一定
の場合、個々の光ビームに対する一連の光量制御のうち
最初の方に光量制御が行われる光ビームを射出する発光
部が、その他の発光部と比較して著しく劣化することに
なる。
【0015】これに対して請求項1記載の発明では、少
なくとも光量制御手段によって最初に光量制御が行われ
る光ビームが定期的に切り替わるように、光量制御の実
行順序を変更する順序変更手段が設けられている。これ
により、個々の光ビームに対する一連の光量制御におい
て少なくとも最初に光量制御が行われる光ビームを射出
する発光部が、順序変更手段が光量制御の実行順序を変
更する度に切り替わることになるので、光ビームの光量
制御を行うことで複数の発光部の劣化度合いが特定の発
光部に偏ることを防止することができる。
【0016】なお、請求項1記載の発明において、順序
変更手段は、個々の光ビームに対する一連の光量制御が
行われる毎に光量制御の実行順序を変更するようにして
もよいし、前記一連の光量制御が複数回行われる毎に光
量制御の実行順序を変更するようにしてもよいし、光量
制御の実行順序を画像単位、或いはジョブ単位で変更す
るようにしてもよい。光量制御の実行順序を画像単位、
或いはジョブ単位で変更する場合、画像を形成している
途中で光量制御の実行順序を変更する必要がなくなるの
で、走査時間の短縮、画像形成速度の高速化に有利であ
る。
【0017】また、一連の光量制御のうち最初の光量制
御で過大なオーバーシュートが発生すると、それに続い
て行われる幾つかの光ビームに対する光量制御(例えば
2番目や3番目に行われる光量制御)が影響を受け、若
干のオーバシュートが発生することがある。これを考慮
すると、順序変更手段は、光量制御手段によって最初に
光量制御が行われる光ビームのみならず、例えば2番目
や3番目に光量制御が行われる光ビームも定期的に切り
替わるように、光量制御の実行順序を変更することが好
ましい。
【0018】また、請求項1記載の発明において、順序
変更手段による光量制御の実行順序の変更方法として
は、劣化度合いが特定の発光部に偏ることを防止できる
変更方法であればよく、例えば光量制御手段によって最
初に光量制御が行われる光ビームが、光源の複数の発光
部から各々射出される光ビームのうちの一部の光ビーム
の中で順に切り替わるように、光量制御の実行順序を変
更してもよいが、この場合、前記一部の光ビームを射出
する発光部の劣化度合いが、その他の光ビームを射出す
る発光部の劣化度合いよりも大きくなる。
【0019】上記を考慮すると、順序変更手段は、例え
ば請求項2に記載したように、光量制御が最初に行われ
る確率が個々の光ビームについて略等しくなるように、
個々の光ビームに対する光量制御の実行順序を変更する
ことが好ましい。これにより、光源の複数の発光部の劣
化度合いを略均一にすることができるので、光源の更な
る長寿命化を実現することができる。
【0020】また、請求項2に記載したように光量制御
の実行順序を変更することは、例えば請求項3に記載し
たように、個々の光ビームに対する光量制御の相対的な
実行順序を予め定めておき、順序変更手段を、個々の光
ビームに対する光量制御の相対的な実行順序が変化する
ことなく、最初に光量制御が実行される光ビームが順次
切り替わるように、個々の光ビームに対する光量制御の
実行順序を変更するように構成することで実現すること
が好ましい。
【0021】請求項3に記載の光量制御の実行順序の変
更は、具体的には、個々の光ビームに対して光量制御の
実行順序を各々設定した後に、光量制御手段が光量制御
を行う毎に、個々の光ビームについて光量制御の実行の
順番を各々循環シフトさせる(例えば光ビームの総数を
n、光量制御の順番の初期値をiとすると、個々の光ビ
ームについて順番をi→i+1→…→n−1→n→1→
…→i−1→i…と各々変化させるか、或いはi→i−
1→…→1→n→n−1→…→i+1→i…と各々変化
させる:但しiの初期値は個々の光ビーム毎に異なる)
ことによって実現することができ、より詳しくは、例え
ば光量の相対的な実行順序を記憶すると共に、各回の光
量制御において光量制御を最初に行う光ビームを表す値
をシフト回路等に記憶しておき、光量制御手段が光量制
御を行う毎に、シフト回路等に記憶した値を循環シフト
させる、という簡単な処理によって実現できる。従っ
て、請求項3記載の発明によれば、順序変更手段の構成
を簡単にすることができる。
【0022】ところで、光量制御手段による個々の光ビ
ームに対する光量制御で過大なオーバーシュートが発生
すると、個々の光ビーム毎に予め割り当てられた光量制
御期間内に光ビームの光量が目標光量値に収束せず、光
量が目標光量値と相違している状態の光ビームが画像形
成に用いられることがある。また、光量制御におけるオ
ーバシュートは、最初に光量制御が行われる光ビームに
ついてのみ発生するとは限らず、光量制御手段による一
連の光量制御のうち最初の光量制御で過大なオーバーシ
ュートが発生すると、この影響により、それに続いて行
われる幾つかの光ビームに対する光量制御(例えば2番
目や3番目に行われる光量制御)でも若干のオーバシュ
ートが発生し、光量が光量制御期間内に目標光量値に収
束しないことがある。
【0023】そして、上記のように、一部の光ビームの
光量が目標光量値と相違している状態で画像形成時が行
われると、例として図8に示すように、主走査方向に沿
って延びる筋が形成画像上に周期的に現われるという画
質欠陥が生ずる。なお、図8では、一例として32個の
発光部を備えた光源を用い、個々の発光部から射出され
た光ビームを同時に走査させて画像を形成すると共に、
画像形成時の副走査方向に沿った光ビームの配列順序と
同一順序で光量制御を行った場合(第1番目及び第2番
目に光量制御が行われた光ビームの光量が他の光ビーム
の光量よりも大きくなっている)を示している。
【0024】このため、請求項4記載の発明は、請求項
1記載の発明において、順序変更手段は、光量制御手段
による光量制御において、特定の順番で光量制御が行わ
れた光ビームの光量が他の光ビームの光量と相違するこ
とに起因して生ずる、被走査体上に形成される画像上で
の濃度むらの周期が短くなるように、個々の光ビームに
対する光量制御の実行順序を変更することを特徴として
いる。
【0025】請求項4記載の発明に係る順序変更手段
は、特定の順番で光量制御が行われた光ビームの光量が
他の光ビームの光量と相違することに起因して生ずる、
被走査体上に形成される画像上での濃度むらの周期が短
くなるように、個々の光ビームに対する光量制御の実行
順序を変更している。これは、例えば1番目及び2番目
に光量制御を行った光ビームの光量が他の光ビームの光
量と相違する場合に、1番目及び2番目に光量制御を行
う光ビームとして、画像形成時の光ビームの走査位置が
比較的離間している光ビームを選択することによって実
現できる。これにより、形成画像上の濃度むら成分の空
間周波数(画像形成時の光ビームの光量分布の空間周波
数)が高くなることで濃度むらの視認性が低下する。
【0026】一例として、被走査体上での光ビームの副
走査方向に沿った光量分布の空間周波数をf(cycle/m
m)とすると、f>4となるように個々の光ビームに対
する光量制御の実行順序を変更すれば、図1に示すよう
に、視覚特性を表すVTF(Visual Transfer Functio
n)の値を約0.2以下(VTFが最大となる約1cycle
/mm時の約1/5以下)にすることができ、特定の順番
で光量制御が行われた光ビームの光量変動による濃度む
ら(画質欠陥)の視認性を低下させることができる。
【0027】このように、請求項4記載の発明によれ
ば、特定の順番で光量制御が行われた光ビームの光量が
他の光ビームの光量と相違することに起因して生ずる形
成画像上の濃度むらの視認性が低下するため、形成画像
の画質を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。図2には本実施形態に
係る光走査装置10が示されている。
【0029】光走査装置10は、複数本の光ビームを射
出可能なマルチビーム光源として、略ガウシアン分布の
光ビームを射出する発光部が多数形成された面発光レー
ザアレイ(VCSEL)12を備えている。VCSEL1
2から射出された光ビームは、後述する走査光学系によ
って主走査方向に偏向された後に被走査体としての感光
体40に照射されることで、感光体40の軸線に平行な
方向(主走査方向)に沿って感光体40の周面上を走査
され、感光体40が回転することによって副走査が成さ
れる。VCSEL12は本発明に係る光源に対応してい
る。
【0030】VCSEL12は、ファーフィールドパタ
ーン(FFP)が、主走査方向及び副走査方向の拡がり
角が略均等なパターンとされている。また、VCSEL
12は、図3に示すようにパッケージ14の内部に単一
の発光素子16が固定されており、この単一の発光素子
16上に各々光ビームを射出する32個の発光部が2次
元的に形成されている。なお、図3には個々の発光部を
識別するために各発光部に付与された符号(数字)も示
している。発光素子16上の各発光部は、個々の発光部
から射出される光ビームの副走査方向に沿った位置が重
ならないように配置されており、各発光部から射出され
た光ビームの感光体40上での副走査走査方向に沿った
間隔が、光走査装置10によって形成される画像の副走
査方向の解像度となる。
【0031】本実施形態において、発光素子16上での
副走査方向に沿った光ビームの間隔が7μmとされてい
る一方、感光体40上での副走査方向に沿った光ビーム
の間隔が10.6μmになるように光学系の倍率が設定
されており、光走査装置10によって形成される画像の
副走査方向の解像度は2400dpiとされている。ま
た、発光素子16上での主走査方向に沿った光ビームの
間隔が28μmとされている一方で、感光体40上での
主走査方向に沿った光ビームの間隔が453μmとなる
ように光学系の倍率が設定されており、本実施形態で
は、画像形成時に個々の発光部から射出される光ビーム
の変調開始タイミングを相対的に変化させることで、感
光体40上での主走査方向に沿った光ビームの照射位置
のずれを補正している。
【0032】VCSEL12の光ビーム射出側には、V
CSEL12との間隔がコリメータレンズ18の焦点距
離に一致するように配置されたコリメータレンズ18、
スリット20、シリンドリカルレンズ22が順に配置さ
れている。VCSEL12から射出された光ビームはコ
リメータレンズ18によって略平行光束とされ、スリッ
ト20によって整形された後に、シリンドリカルレンズ
22へ入射される。シリンドリカルレンズ22は副走査
方向にのみパワーを有し、入射された光ビームを、後述
する回転多面鏡28の反射面上に主走査方向に細長い線
像として収束させる。
【0033】シリンドリカルレンズ22の光ビーム射出
側には、入射された光のうちの約30%の光を透過し残
りの光を反射するハーフミラー24が配置されており、
ハーフミラー24を透過した光ビームが射出される側に
はMPD(Monitor Photo Diode)26が配置されてい
る。なお、MPD26は本発明に係る検出手段に対応し
ている。ハーフミラー24の反射面の裏面は、主走査方
向のみに曲率を有するシリンドリカル形状となってお
り、ハーフミラー24を透過した光ビームは、主走査方
向についてはハーフミラー24の反射面の裏面のシリン
ドリカル面により、副走査方向についてはシリンドリカ
ルレンズ22により、MPD26の受光面上に光スポッ
トとして集光される。
【0034】ハーフミラー24で反射された光ビームの
射出側には、同一面幅の反射面(偏向面)が側面部に複
数形成された正多角柱形状とされ、図示しない駆動手段
により中心軸の回りに等角速度で回転される回転多面鏡
28が配置されており、ハーフミラー24で反射された
光ビームは、回転多面鏡28によって反射されると共に
回転多面鏡28の回転に伴って主走査方向に偏向・走査
される。回転多面鏡28の光ビーム射出側には、二枚組
のレンズ30A、30Bからなるfθレンズ30が配置
されている。fθレンズ30は、回転多面鏡28により
偏向・走査された光ビームを感光体40の周面上に光ス
ポットとして主走査方向に結像させると共に、該光スポ
ットを感光体40の周面上で主走査方向に略等速度で移
動させる機能を有している。
【0035】fθレンズ30の光ビーム射出側には、第
1のシリンドリカルミラー32、平面ミラー34、第2
のシリンドリカルミラー36、ウインドウ38が順に配
置されている。fθレンズ30を透過した光ビームは、
第1のシリンドリカルミラー32と平面ミラー34とに
よって光路が略コ字状に曲げられ、更に第2のシリンド
リカルミラー36で反射された後、ウインドウ38を透
過し、ウインドウ38の下方に配置された感光体40の
周面上に照射される。
【0036】第1のシリンドリカルミラー32及び第2
のシリンドリカルミラー36は、副走査方向にパワーを
有しており、回転多面鏡28の反射面と感光体40とを
略共役関係にすることで、回転多面鏡28の反射面のば
らつきにより生じる感光体40の周面上での副走査方向
に沿った光ビーム照射位置のずれ(面倒れ)を補正する
機能を有している。また、コリメータレンズ18、シリ
ンドリカルレンズ22、第1のシリンドリカルミラー3
2、第2のシリンドリカルミラー36の副走査方向の曲
率は、感光体40上での副走査方向に沿った光ビームの
間隔と、感光体40から数ミリ離れた位置での副走査方
向に沿った光ビームの間隔が等しい、テレセントリック
な関係となるように設定されている。
【0037】感光体40は、光ビームに感応する感光材
料が周面の全面に塗布された細長い円柱状とされてお
り、主走査方向が、感光体40の軸線と平行になるよう
に配置されており、感光体40の周面上に照射された光
スポットは、回転多面鏡28の回転に伴い主走査方向に
沿って感光体40の周面上を移動し、VCSEL12か
ら射出された光ビームの本数と同数の走査線が同時に形
成される(主走査)。また感光体40は、図示しない駆
動手段により軸線を中心として一定の回転速度で回転さ
れる。これにより、感光体40の周面上への光スポット
の照射位置が副走査方向へ順次移動される(副走査)。
【0038】また、平面ミラー34の光ビーム射出側に
は、光ビームの走査範囲のうち走査開始側の端部(SO
S:Start Of Scan)に相当する位置に平面ミラー42が
配置されており、平面ミラー42の光ビーム射出側に
は、副走査方向にビームを結像させるシリンドリカルレ
ンズ44、同期センサ46が順に配置されている。VC
SEL12から射出された光ビームは、回転多面鏡28
の各反射面のうちの光ビームを反射している面が、入射
ビームをSOSに相当する方向へ反射する向きとなった
ときに、平面ミラー42で反射されて同期センサ46に
入射される。
【0039】また図4に示すように、VCSEL12に
は、ビデオコントローラ52、レーザアレイ制御部54
及びレーザアレイ駆動部56が順に接続されて構成され
た駆動制御部50が接続されており、VCSEL12は
駆動制御部50によって駆動される。ビデオコントロー
ラ52には、同期センサ46が接続されており、同期セ
ンサ46から同期信号(SOS信号)が入力されると共
に、図示しない画像入力装置や画像処理装置、或いはネ
ットワークを介して接続されたPC等の他の装置から送
信された画像データが入力される。
【0040】ビデオコントローラ52は、同期センサ4
6から出力された同期信号(SOS信号)に基づいて、
光ビームの各回の主走査における画像形成期間(光ビー
ムが感光体40の周面上の画像形成領域を走査している
期間)に、VCSEL12に設けられている個々の発光
部の点消灯を各々独立に制御することで、感光体40の
周面上に画像を形成させるための画像信号を生成・出力
する(なお、図4(及び後出の図5)において、「n」
はVCSEL12に設けられている発光部の総数を表し
ている)。ビデオコントローラ52から出力された画像
信号は、レーザアレイ制御部54を介してレーザアレイ
駆動部56に入力され、VCSEL12の個々の発光部
の点消灯が各々独立に制御される。これにより、感光体
40の周面上の画像形成領域に画像が形成されることに
なる。
【0041】また、ビデオコントローラ52は、前述の
同期信号に基づいて、画像の形成が行われていない期間
(VCSEL12から射出された光ビームが画像形成領
域を走査していない期間)に、光ビームの光量制御を開
始させるためのAPC(AutoPower Control)信号を生成
し、レーザアレイ制御部54へ出力する。
【0042】図5に示すように、レーザアレイ制御部5
4は光量制御順序制御部58を備えており、ビデオコン
トローラ52から出力されたAPC信号は、光量制御順
序制御部58のカウンタ60及びマイクロコンピュータ
等から成る制御部64に各々入力される。カウンタ60
はメモリ62を介して制御部64に接続されている。ま
た、ビデオコントローラ52からはAPC順序制御信号
(詳細は後述)も出力され、このAPC順序制御信号
は、光量制御順序制御部58のAPC順序設定メモリ6
6に入力される。APC順序設定メモリ66は制御部6
4に接続されている。
【0043】また、ビデオコントローラ52からは、個
々の光ビームの基準光量値に相当する画質制御信号も出
力され、この画質制御信号はレーザアレイ制御部54の
基準値変更部68に入力される。基準値変更部68は基
準値記憶部70を介して制御増幅器72に接続されてお
り、画質制御信号が表す基準光量値は基準値記憶部70
に保持されると共に制御増幅器72に入力される。制御
増幅器72にはMPD26が接続されており、制御増幅
器72は光量制御時に、MPD26から入力された光量
検出信号が表す特定の光ビームの光量が基準光量値に一
致するように、特定の光ビームの光量を設定するための
光量設定信号を出力する。
【0044】レーザアレイ制御部54は、VCSEL1
2から射出される光ビームに対応して設けられたサンプ
ル・ホールド回路74を備えており(従って、サンプル
・ホールド回路74はVCSEL12の発光部の数と同
数だけ設けられている)、個々のサンプル・ホールド回
路74は制御増幅器72及び制御部64に各々接続され
ていると共に、レーザアレイ駆動部56(図4参照)に
接続されている。制御増幅器72から出力された光量設
定信号は、対応するサンプル・ホールド回路74に保持
されると共に、レーザアレイ駆動部56へ出力される。
【0045】レーザアレイ駆動部56は、VCSEL1
2の個々の発光部から射出される光ビームの光量が、対
応するサンプル・ホールド回路74から入力された光量
設定信号に対応する値となるように、個々の発光部に供
給する駆動電流の大きさを制御する。これにより、VC
SEL12の個々の発光部から射出される光ビームの光
量は、対応するサンプル・ホールド回路74に保持され
ている光量設定信号に対応する値とされることになる。
【0046】上述したように、レーザアレイ制御部54
の基準値記憶部70、制御増幅器72、サンプル・ホー
ルド回路74及びレーザアレイ駆動部56は本発明に係
る光量制御手段に対応している。なお、ビデオコントロ
ーラ52は画質制御信号によって基準光量値を調整する
ことで、VCSEL12の個々の発光部から射出される
光ビームの光量(感光体40に照射される光ビームの光
量)を調整し、形成画像の画質を制御する。
【0047】次に本実施形態の作用として、本実施形態
に係る光量制御について説明する。本実施形態では、光
量制御の実行に先立ってビデオコントローラ52からA
PC順序制御信号が出力され、このAPC順序制御信号
がAPC順序設定メモリ66に入力されることで、個々
の光ビーム(発光部)を単位とする光量制御の実行順序
を定めたAPC順序情報がAPC順序設定メモリ66に
記憶される。
【0048】例として次の表1に示すように、本実施形
態に係るAPC順序情報は、個々の光ビーム(発光部)
を単位とする光量制御の実行順序のパターン(以下、順
序パターンと称する)を複数定めた情報であり(表1の
各行が個々の順序パターンに対応している)、表1に示
した#1〜#32の符号が個々の光ビーム(発光部)を単
位とする光量制御の実行の順番を表し、個々の符号の下
の欄に示した数字が該当する順番での光量制御の実行対
象の発光部(光ビーム)を表している(この数字は図3
に示した符号に対応している)。
【0049】
【表1】
【0050】すなわち「順序パターン1」は「発光部
1」(図3において左上に位置している発光部)から、
個々の発光部に付された符号の順に「発光部32」(図
3において右下に位置している発光部)まで光量制御を
行うように光量制御の実行順序が定められている。また
「順序パターン2」は「順序パターン1」に対して「発
光部1」と「発光部2」の光量制御の実行順序を入れ替
えたパターン、「順序パターン3」は「順序パターン
1」に対して「発光部1」と「発光部3」の光量制御の
実行順序を入れ替えたパターンとされている。
【0051】このように、表1に示した光量制御の実行
順序のパターン群は、個々のパターンの符号をjとする
と、「発光部j(から射出される光ビーム)」に対する
光量制御を1番目に行い、「発光部1(から射出される
光ビーム)」に対する光量制御をj番目に行うように、
光量制御の実行順序が定められている。
【0052】感光体40への画像形成時、ビデオコント
ローラ52は、VCSEL12から射出された光ビーム
の各回の主走査において、光ビームによる画像形成領域
の走査が完了する毎に、光ビームの光量制御を開始させ
るために、レーザアレイ制御部54へAPC信号を出力
し、このAPC信号はレーザアレイ制御部54のカウン
タ60及び制御部64に各々入力される。メモリ62に
はAPC信号の入力回数が記憶されており、カウンタ6
0はAPC信号が入力される毎に、メモリ62に記憶さ
れているAPC信号の入力回数を1だけインクリメント
する。また制御部64は、APC信号が入力されると光
量制御を開始する。
【0053】すなわち制御部64は、まずメモリ62に
記憶されているAPC信号の入力回数(カウンタ60に
よるインクリメント後の値)を予め設定された所定値と
比較することで、光量制御に用いる順序パターンを前回
と切替えるか否か判断する。例えば光ビームの主走査が
N回(N≧1)行われる毎に順序パターンを切替える場
合、前記所定値として「N」が設定され、メモリ62に
記憶されているAPC信号の入力回数がN以上であれば
順序パターンの切替えを行うと判断する。
【0054】そして、順序パターンの切替えを行わない
と判断した場合には、前回の光量制御で用いた順序パタ
ーンをAPC順序設定メモリ66から読み出し、順序パ
ターンの切替えを行うと判断した場合には、メモリ62
に記憶されているAPC信号の入力回数をリセット(0
に)すると共に、前回の光量制御で用いた順序パターン
の次の順序パターンをAPC順序設定メモリ66から読
み出す。
【0055】本実施形態では、或る回の主走査において
光ビームによる画像形成領域の走査が終了してから、次
回の主走査において光ビームによる画像形成領域の走査
が開始される迄の間に、VCSEL12の個々の発光部
(個々の光ビーム)に対する光量制御が完了するよう
に、個々の発光部(個々の光ビーム)に対する光量制御
の実行時間が予め定められており、制御部64は、VC
SEL12の個々の発光部を、APC順序設定メモリ6
6から読み出した順序パターンに規定されている順序
で、かつ上記の光量制御の実行時間に対応するタイミン
グで順次発光させると共に、発光させた発光部に対応す
るサンプル・ホールド回路74を順にアクティブにす
る。
【0056】なお、VCSEL12の個々の発光部の発
光時間は、2番目以降に行われる光ビームの光量制御に
おけるオーバシュートの発生を抑制するために、光量制
御の実行時間よりも若干長くされており、個々の発光部
の発光時間は若干オーバラップしている。
【0057】制御部64が上記処理を行うことにより、
次回の主走査における画像形成領域の走査が開始される
迄の間に、VCSEL12の個々の発光部(個々の光ビ
ーム)に対し、MPD26によって検出された光ビーム
の光量が基準値記憶部70に保持されている基準光量値
に一致するように光量設定信号を制御する光量制御が順
次行われ、個々の発光部(個々の光ビーム)に対応する
光量制御が終了した時点での光量設定信号が対応するサ
ンプル・ホールド回路74に各々保持されることにな
る。そして、次回の主走査において、個々の発光部から
射出される光ビームの光量が、対応するサンプル・ホー
ルド回路74に保持されている光量設定信号に従って制
御されることになる。
【0058】また、上述した光量制御において、1番目
に光量制御が行われる光ビームについては、MPD26
から入力される光量検出信号のレベルが立ち上がるタイ
ミングの遅延が大きく、MPD26→制御増幅器72→
サンプル・ホールド回路74→レーザアレイ駆動部56
→VCSEL12→MPD26から成る制御ループによ
る光量のフィードバック制御が、光量制御対象の光ビー
ムの光量の増加に追従し切れなくなることにより、光ビ
ームの光量が過大となるオーバシュートが発生する(例
として図7(A)参照)。
【0059】これに対して上述した光量制御では、光ビ
ームの主走査がN回(N≧1)行われる毎に光量制御の
実行順序のパターンが切替わることで、1番目に光量制
御が行われる光ビームが順次切り替わり、表1からも明
らかなように、1番目に光量制御が行われる確率が個々
の発光部(個々の光ビーム)について略等しくなる。従
って、光量制御時に過大なオーバーシュートが発生する
ことで発光部に加わる負荷をVCSEL12の各発光部
に分散させることができるので、発光部の劣化が特定の
発光部に偏ることを防止することができ、光走査装置1
0の長寿命化を実現できる。このように、ビデオコント
ローラ52、レーザアレイ制御部54の光量制御順序制
御部58(詳しくは、制御部64、カウンタ60、メモ
リ62及び順序設定メモリ66)は本発明に係る順序制
御手段に対応している。
【0060】なお、先の表1に示した光量制御の実行順
序のパターン群に代えて、次の表2に示すパターン群を
用いてもよい。
【0061】
【表2】
【0062】すなわち、表2の「順序パターン1」は先
の表1における「順序パターン1」と同様に、「発光部
1」から個々の発光部に付された符号の順に「発光部3
2」まで光量制御を行うように光量制御の実行順序が定
められており、表2の「順序パターン2」は「発光部
2」(図3において「発光部1」の右斜め下に位置して
いる発光部)から順に「発光部32」まで光量制御を行
った後に、「発光部1」の光量制御を行うように光量制
御の実行順序が定められている。また、表2の「順序パ
ターン3」は「発光部3」(図3において「発光部2」
の右斜め下に位置している発光部)から順に「発光部3
2」まで光量制御を行った後に、「発光部1」「発光部
2」の光量制御を順次行うように光量制御の実行順序が
定められている。
【0063】このように、表2に示した光量制御の実行
順序のパターン群は、個々の発光部(個々の光ビーム)
に対する光量制御の相対的な実行順序が変化することな
く、最初に光量制御が実行される発光部(光ビーム)が
順次切り替わり、これに伴って全ての発光部(光ビー
ム)に対する光量制御の実行の順番も毎回切り替わるよ
うに、光量制御の実行順序が定められている。
【0064】表2に示したパターン群を用いて光量制御
の実行順序を変更することにより、1番目に光量制御が
行われる確率のみならず、表2からも明らかなように、
2番目〜n番目に光量制御が行われる確率についても、
個々の発光部(個々の光ビーム)について略等しくな
る。従って、光量制御時に過大なオーバーシュートが発
生することで発光部に加わる負荷を、VCSEL12の
各発光部により精度良く分散させることができ、光走査
装置10の更なる長寿命化を実現できる。なお、表2に
示したように光量制御の実行順序を変更することは、請
求項2(詳しくは請求項3)に記載の順序変更手段に対
応している。
【0065】また、本実施形態では、光量制御の実行順
序の全てのパターンをAPC順序設定メモリ66に記憶
させる構成を例に説明しているが、個々の発光部(個々
の光ビーム)に対する光量制御の実行順序を表2に示す
ように制御することは、上記の構成以外に、循環シフト
が可能なシフト回路を用いた単純な構成の回路によって
実現することも可能であり、本発明に係る順序変更手段
の構成を簡単にすることができる。
【0066】また、上記ではAPC信号の入力回数(す
なわち光ビームの主走査の回数)をカウントし、光ビー
ムの主走査がN回(N≧1)行われる毎に光量制御の実
行順序(のパターン)を切替える例を説明したが、これ
に限定されるものではなく、例えばページ単位やジョブ
単位等のより長い周期を単位として光量制御の実行順序
を変更するようにしてもよい。この場合、単一のページ
に相当する画像を形成している途中で光量制御の実行順
序を切替えを行う必要がなくなり、光量制御の実行順序
を切替えに要する時間を除外して主走査の周期を定める
ことができるので、主走査の周期を短くすることで画像
形成速度を高速化できる。
【0067】また、1番目に行われた光量制御で過大な
オーバーシュートが発生すると、この影響により、図8
に示すように、2番目に行われる光量制御でも若干のオ
ーバシュートが発生し、光ビームの光量が光量制御の実
行時間内に目標光量値に収束せず、形成画像上に周期的
に筋状の濃度むらが現れるという画質欠陥が生ずる。図
8に示す例では、副走査方向の解像度が2400dpi
の画像の形成を行った結果、1番目の光量制御で発生す
るオーバーシュートの影響で、1番目及び2番目に光量
制御が行われた光ビームの光量が基準光量値よりも高く
なり、主走査方向に沿って延びる筋状の濃度むらが副走
査方向に沿って339μm間隔で周期的に発生してい
る。このとき、空間周波数は2.9cycle/mmであり、
図1からも明らかなようにVTF値は0.36となる。
このような画質欠陥が生ずる場合には、次の表3に示す
ような光量制御の実行順序のパターン群を用いることが
望ましい。
【0068】
【表3】
【0069】表3に示す光量制御の実行順序のパターン
群は、VCSEL12の発光部を、感光体40の周面上
での光ビームの走査位置が互いに近接している発光部か
ら成る2個のグループ(「発光部1」〜「発光部16」
から成る第1のグループと、「発光部17」〜「発光部
32」から成る第2のグループ)に分け、1番目に光量
制御が行われる光ビームと2番目に光量制御が行われる
光ビームが、感光体40の周面上での光ビームの走査位
置が離間している光ビームとなるように、1番目に光ビ
ームの光量制御を行う発光部を第1のグループの中から
選択し、2番目に光ビームの光量制御を行う発光部を第
2のグループの中から選択すると共に、各グループ内の
個々の発光部(光ビーム)に対する光量制御の相対的な
実行順序が変化することなく、1番目及び2番目に光量
制御が実行される発光部(光ビーム)が順次切り替わる
ように、光量制御の実行順序が定められている。
【0070】表3に示したパターン群を用いて光量制御
の実行順序を変更することにより、表1や表2に示した
パターン群を用いた場合と同様に、光量制御時に過大な
オーバーシュートが発生することで発光部に加わる負荷
をVCSEL12の各発光部に分散させることができ、
光走査装置10の更なる長寿命化を実現できる。また、
例として図6に示すように、筋状の濃度むらの出現周期
が169μm、副走査方向の光量分布の空間周波数5.
9cycle/mmとなり、濃度むらの出現周期が約1/2、
光量分布の空間周波数が約2倍になる。そして、図1か
らも明らかなようにVTF値は0.03となるので、画
質欠陥の視認性を約1/10に低減することができる。
なお、表3に示すように光量制御の実行順序を変更する
ことは、請求項4に記載の順序変更手段に対応してい
る。
【0071】なお、上記ではビデオコントローラ52に
よってAPC順序設定メモリ66に記憶されたAPC順
序情報に基づいて光量制御の実行順序を判断する例を説
明したが、これに限定されるものではなく、制御部64
が光量制御の実行順序を内部に記憶しておいてもよい。
【0072】また、表3に示した光量制御の実行順序
は、VCSELの各発光部を2つのグループに分けてい
たが、これに限定されるものではなく、例えば1番目に
行われた光量制御で発生した過大なオーバーシュートの
影響で、3番目に行われる光量制御でも若干のオーバシ
ュートが発生し、光ビームの光量が光量制御の実行時間
内に目標光量値に収束しない等の場合には、VCSEL
の各発光部を3つのグループに分け、1番目〜3番目に
光量制御が行われる光ビームが、感光体40の周面上で
の走査位置が比較的離間している光ビームとなるよう
に、1番目〜3番目に光量制御が行われる光ビームを互
いに異なるグループの中から選択するようにしてもよ
い。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、光源の複数の発光部から射出されて被走査体上を各
々走査される複数本の光ビームにより被走査体上に画像
が形成されている期間以外の期間に、各発光部から射出
される個々の光ビームの光量を順次制御するにあたり、
少なくとも最初に光量制御が行われる光ビームが定期的
に切り替わるように光量制御の実行順序を変更するの
で、光ビームの光量制御を行うことで複数の発光部の劣
化度合いが特定の発光部に偏ることを防止できる、とい
う優れた効果を有する。
【0074】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、光量制御が最初に行われる確率が個々の光
ビームについて略等しくなるように、個々の光ビームに
対する光量制御の実行順序を変更するので、上記効果に
加え、光源の更なる長寿命化を実現できる、という効果
を有する。
【0075】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、個々の光ビームに対する光量制御の相対的
な実行順序が変化することなく、最初に光量制御が実行
される光ビームが順次切り替わるように、個々の光ビー
ムに対する光量制御の実行順序を変更するので、上記効
果に加え、順序変更手段の構成を簡単にすることができ
る、という効果を有する。
【0076】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、特定の順番で光量制御が行われた光ビーム
の光量が他の光ビームの光量と相違することに起因して
生ずる形成画像上での濃度むらの出現周期が短くなるよ
うに、個々の光ビームに対する光量制御の実行順序を変
更するので、上記効果に加え、特定の順番で光量制御が
行われた光ビームの光量が他の光ビームの光量と相違す
ることに起因して生ずる形成画像上の濃度むらの視認性
を低下させ、形成画像の画質を向上させることができ
る、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項4記載の発明の作用を説明するため
の、VTFの空間周波数特性を示す線図である。
【図2】 本実施形態に係る光走査装置の斜視図であ
る。
【図3】 VCSELの発光部の平面図である。
【図4】 駆動制御部の概略ブロック図である。
【図5】 本実施形態に係るレーザアレイ制御部の構成
を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施形態に係わる副走査方向VTF
の低減方法を説明する図である。
【図7】 光量制御時のオーバシュートを説明するため
の線図である。
【図8】 従来の問題を説明するための、画像形成時の
光ビームの光量分布と形成画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 光走査装置 12 VCSEL 26 MPD 52 ビデオコントローラ 54 レーザアレイ制御部 56 レーザアレイ駆動部 58 光量制御順序制御部 60 カウンタ 62 メモリ 64 制御部 66 順序設定メモリ 70 基準値記憶部 72 制御増幅器 74 サンプル・ホールド回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/113 H04N 1/04 104A Fターム(参考) 2C362 AA07 AA13 AA55 AA56 AA75 BA04 BA58 BA60 2H045 AA01 BA22 BA32 CA88 CB33 5C051 AA02 CA07 DB22 DB24 DB30 DE02 DE30 5C072 AA03 DA02 DA04 HA02 HA06 HA09 HA13 HB02 UA09 UA11 UA14 XA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを射出する複数の発光部を有す
    る光源と、 前記光源から射出された光ビームの光量を検出する検出
    手段と、 前記光源の各発光部から射出され走査手段によって被走
    査体上を各々走査される複数本の光ビームにより、前記
    被走査体上に画像が形成されている期間以外の期間に、
    前記検出手段によって検出された光量に基づき、前記各
    発光部から射出される個々の光ビームの光量を順次制御
    する光量制御手段と、 少なくとも前記光量制御手段によって最初に光量制御が
    行われる光ビームが定期的に切り替わるように、光量制
    御の実行順序を変更する順序変更手段と、 を含む光走査装置。
  2. 【請求項2】 前記順序変更手段は、光量制御が最初に
    行われる確率が個々の光ビームについて略等しくなるよ
    うに、個々の光ビームに対する光量制御の実行順序を変
    更することを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記個々の光ビームに対する光量制御の
    相対的な実行順序が予め定められており、 前記順序変更手段は、前記個々の光ビームに対する光量
    制御の相対的な実行順序が変化することなく、最初に光
    量制御が実行される光ビームが順次切り替わるように、
    前記個々の光ビームに対する光量制御の実行順序を変更
    することを特徴とする請求項2記載の光走査装置。
  4. 【請求項4】 前記順序変更手段は、前記光量制御手段
    による光量制御において、特定の順番で光量制御が行わ
    れた光ビームの光量が他の光ビームの光量と相違するこ
    とに起因して生ずる、前記被走査体上に形成される画像
    上での濃度むらの出現周期が短くなるように、前記個々
    の光ビームに対する光量制御の実行順序を変更すること
    を特徴とする請求項1記載の光走査装置。
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