JP2003269477A - 発電機付き転がり軸受 - Google Patents

発電機付き転がり軸受

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JP2003269477A
JP2003269477A JP2002073501A JP2002073501A JP2003269477A JP 2003269477 A JP2003269477 A JP 2003269477A JP 2002073501 A JP2002073501 A JP 2002073501A JP 2002073501 A JP2002073501 A JP 2002073501A JP 2003269477 A JP2003269477 A JP 2003269477A
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electric circuit
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rolling
yoke
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Koichi Okada
浩一 岡田
Masatoshi Mizutani
政敏 水谷
Toru Takahashi
亨 高橋
Hiroaki Oba
博明 大庭
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Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成が簡単で組立も容易な発電機付き転がり
軸受を提供する。 【解決手段】 この発電機付き転がり軸受は、互いに転
動体4を介して相対回転自在な一対の部材2,3と、両
部材の相対回転によって発電する発電機11とを備え
る。上記発電機11を構成するヨーク12の内部には、
発電機11の出力を用いる電気回路26を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転検出装置用
の電源等として利用される発電機を備え、ワイヤレスA
BSセンサ付き車輪用軸受など、種々の用途に用いられ
る発電機付き転がり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】この種の
発電機付き転がり軸受の一例として、図17(A)に示
すように転がり軸受71の固定側部材である内輪72の
一端部に設けたステータ74と、回転側部材である外輪
73の一端部に設けたロータ75とで発電機76を構成
し、発電機76の発電出力を回転検出信号として外部に
取り出すようにしたものが知られている。この場合、固
定側部材である内輪72の一端部には、ステータ74の
設置部から軸方向に延びて内輪端部の外側に電気回路部
77が設けられる。この電気回路部77は、例えば図1
7(B)に示すように金属製保護ケース78内に回路基
板79を配置して、この回路基板79に電気部品を実装
することにより、信号処理回路、電源回路、送信回路等
を構成したものである。ステータ74のコイル80と電
気回路部77とは電気配線81で接続される。このよう
な構成により、発電機76の発電出力は回転検出信号と
して取り出されると共に、電源回路により信号処理回路
や送信回路の電源として利用され、回転検出信号は送信
回路の送信アンテナ82から電波によってワイヤレスで
別に設けられた受信回路に送信される。
【0003】しかし、このような構成では、発電機76
から離れた外部に、電源回路、回転検出信号の処理回
路、送信回路等を備えた電気回路部77を別途配置する
必要があり、構成が複雑になるという問題点がある。ま
た、発電機ステータ74のコイル80と電気回路部77
とを電気配線81で接続する手間が必要となる。コイル
80の巻線には細い電線を使用するため、外部に取り出
すために端線処理を行った上で配線を行う必要があり、
その作業に手間がかかる。また、電気配線81による接
続部の断線を防止する対策や、電気回路部77を外部環
境から保護するために保護ケース78等が必要であるた
め、さらに構成が複雑になり組立が煩雑になる。
【0004】図18は、車輪用軸受装置に適用した発電
機付き転がり軸受の他の従来例を示す。この例は固定側
部材である外方部材83の一端部に設けたステータ84
と、内方部材82の一端部外径側に設けたロータ85と
で発電機86が構成される。内方部材82は、外方部材
83の内周側に複列の転動体88を介して配置されてい
る。ステータ84の外径側に図17の例と同様の電気回
路部87が配置されている。発電機86の回転信号は、
電気回路部87に設けられたアンテナからワイヤレス送
信され、自動車のアンチロックブレーキシステム(AB
S)の制御等に用いられる。この例の場合も、発電機8
6と電気回路部87とが分離して設置されているため、
図17の構成の場合と同様の問題点を有する。
【0005】この発明の目的は、構成が簡単で組立も容
易な発電機付き転がり軸受を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の発電機付き転がり軸受は、互いに転動体
を介して相対回転自在な一対の部材と、両部材の相対回
転によって発電する発電機とを備え、上記発電機を構成
するヨークの内部に、発電機の出力を用いる電気回路を
設けたことを特徴とする。この構成によると、ヨークの
内部に電気回路が配置されるため、外部に電気回路を別
途に実装する必要がなくなる。外部に電気回路を別途に
搭載する場合に必要であった保護ケースも必要でなくな
るため、コンパクト化が可能である。また発電機のコイ
ルと電気回路とを電気的に接続する処理が容易となる。
これらのため、構成が簡単となり組立も容易に行うこと
ができる。コイルの電線は直接に上記電気回路の回路基
板に接続することも可能であり、その場合、電線の端線
処理も不要となる。外部に取り出す電線は回路基板から
取れるため、配線が容易になる。上記電気回路として、
発電機の特性に合わせた整流回路や出力保護回路までを
設けてヨークに内蔵すれば、安定した電源として使用で
きる発電機ユニットとなる。
【0007】この発明の他の発電機付き転がり軸受は、
互いに転動体を介して相対回転自在な内方部材および外
方部材と、両部材の相対回転によって発電する発電機と
を備え、上記発電機を構成するヨークの内部に、発電機
の出力を用いる電気回路を設けたことを特徴とする。こ
の発明はラジアル軸受に適用した例であり、この構成の
場合も、上記発明と同様に構成が簡単となり組立も容易
に行うことができる。
【0008】この発明において、上記発電機は、円周方
向に磁極が並ぶ多極磁石、およびコイルを収容して上記
多極磁石に対面するヨークである磁性体リングにより構
成されて上記多極磁石が内方部材および外方部材のうち
の一方の部材に取付けられ、上記磁性体リングが他方の
部材に取付けられたものであっても良い。このように多
極磁石を用いると、回転数の検出を精度良く行え、また
小型で効率の良い発電が行える。
【0009】これらの発明において、発電機が出力する
回転数信号、または上記発電機を電源とするセンサの出
力をワイヤレスで送信するワイヤレス送信手段を有する
ものとしても良い。上記ヨークの内部に設ける電気回路
は、発電電力の整流回路、信号処理回路、およびワイヤ
レス送信手段の送信回路のうちのいずれかを含むものと
する。このように構成した場合には、ワイヤレス送信の
ための特別な電源を設けることなく、回転数信号等の検
出信号を軸受外部に断線の恐れなく送信できる。
【0010】これらの発明において、上記電気回路を設
けた電気回路基板が発電機のコイルボビンに取付けられ
たものとしても良い。このように電気回路基板をコイル
ボビンに取付けると、発電機コイルと電気回路との電気
接続をさらに容易に行うことができる。
【0011】これらの発明において、上記電気回路を設
けた電気回路基板が、発電機のコイルボビンの一部を構
成するものとしても良い。このように電気回路基板とコ
イルボビンを一体化させると、発電機の軸方向寸法を短
くでき、発電機のコンパクト化が可能となる。
【0012】これらの発明において、上記電気回路を設
けた電気回路基板は円弧状またはドーナツ状の形状をし
ていても良い。このように円弧状またはドーナツ状の形
状とすると、電気回路がコイルボビンの外径側にはみ出
さないように、コイルボビンに電気回路をコンパクトに
設けることができる。
【0013】これらの発明において、コイルおよび電気
回路基板が設けられたコイルボビンを、弾性接着剤また
は弾性を有するモールド樹脂からなる弾性材層を介して
ヨーク内に嵌合状態に設けても良い。弾性材層を介在さ
せると、ヨークの変形や振動がコイルに直接伝わるのを
防止できる。
【0014】これらの発明において、コイルおよび電気
回路基板が設けられたコイルボビンとヨークの内壁面と
の間に弾性スペーサを介在させても良い。この弾性スペ
ーサにより、電気回路基板の軸方向への固定を補助する
ことができる。
【0015】この発明の発電機付き車輪用軸受は、この
発明における上記いずれかの構成の発電機付き転がり軸
受を用いたものであって、内周に複列の転走面を有する
外方部材と、これら転走面にそれぞれ対面する転走面を
有する内方部材と、両転走面間に収容される複列の転動
体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持するも
のとしている。車輪用軸受は、路面に曝される厳しい環
境下にあり、回転検出器の出力用や電源用の配線を行う
と、その断線の問題が生じ易い。また泥水に対する防水
処理も必要になる。このため、この発明の発電機付き転
がり軸受における組立が容易で簡単な構成でありなが
ら、発電機能を備えるという利点が効果的に発揮され
る。
【0016】
【発明の実施形態】図1はこの発明の第1の実施形態に
かかる発電機付き転がり軸受の一例である車輪用軸受装
置を示す。この車輪用軸受装置の固定部材1は、外方部
材2とナックル10よりなる。外方部材2はフランジ2
aを介してナックル10に取付けられる。そのナックル
10は車体に固定される。回転部材7は、内方部材3と
その内径面に固定された等速自在継手15の外輪15a
より構成される。外方部材2は、内周に複列の転走面5
a,5bを有し、これら転走面5a,5bにそれぞれ対
向する転走面6a,6bが内方部材3の外周に設けられ
ている。内方部材3は、ハブ輪3aと、他の内輪構成部
材3bを組み合わせたものとされ、ハブ輪3aおよび内
輪構成部材3bのそれぞれに上記複列の転走面6a,6
bのうちの各列の転走面6a,6bが形成されている。
複列の転動体4は、転走面5a,6a間、および転走面
5b,6b間に収容される。転動体4は各列毎に保持器
8で保持されている。外方部材2,内方部材3,転動体
4および保持器8により転がり軸受が構成され、外方部
材2および内方部材3はその軌道輪となる。アウター側
の転動体4の外側において、外方部材2と内方部材3と
の間の環状空間がシール部材9によりシールされてい
る。
【0017】発電機11は、コイルを収容したヨークで
ある磁性体リング12の内周側に対峙させて多極磁石1
3を設けたものである。磁性体リング12は、外径面が
小径部分と大径部分とでなる段付の円筒面形状とされ、
小径部分で外方部材2の内径面に嵌合している。磁性体
リング12は発電機11のステータとなる。多極磁石1
3は、周方向に等間隔に磁極が並ぶように多極に着磁さ
れている。多極磁石13は内方部材3に装着され,この
実施形態では発電機11のロータとなる。
【0018】図3に示すように、磁性体リング12は、
軸方向に対面する2つの強磁性体リング30a,30b
と、これら両リング30a,30bの外径部で挟まれる
他の1つの強磁性体リング30cとを備える。強磁性体
リング30a,30b,30cは,同図(A)に示す断
面形状を持った環状部材であり、最外周部35,36,
37で互いに嵌合している。強磁性体リング30a,3
0bの一端には,側面部32,33から対向する側面へ
折れ曲がった櫛歯状の複数の爪31a,31bが形成さ
れている。櫛歯状の爪31a,31bは、周方向に互い
に所定の間隔をもって交互に配置されている。この櫛歯
状の爪31a,31bが多極磁石13と所定の間隔をお
いて対向してクローポール型発電機となる。強磁性体リ
ング30a,30b,30cには、フェライト系のステ
ンレス鋼(JIS 規格のSUS430系等)などの防錆性を有す
る磁性体が用いられる。
【0019】図2に示すように、発電機11のヨークで
ある磁性体リング12の内部には、ボビン24に巻き付
けられたコイル25が収容されている。ボビン24は、
断面が外径側に開放された溝形のリング部材で、その両
側壁24a,24bで挟まれる溝部内にコイル25が巻
き付けられている。ボビン24の溝底部24cは側壁2
4bから軸方向に延長して突出円筒部24caとされお
り、側壁24bと突出円筒部24caとで囲まれる環状
空間に発電機11の出力を用いる電気回路26が設置さ
れている。コイルボビン24は弾性接着剤などからなる
弾性材層63(図5)により磁性体リング部材12に固
定され、その弾性材層63によってボビン24と磁性体
リング12の軸方向隙間28、および径方向隙間29が
埋められている。弾性材層63は、弾性を有するモール
ド樹脂であっても良い。このように、コイルボビン24
を磁性体リング12に弾性材層63を介して弾性的に固
定することで、磁性体リング12の変形や振動がコイル
25に直接伝わるのを防止している。電気回路26は、
電気回路基板27に電気部品を実装して構成され、その
電気回路基板27が前記ボビン24の側壁24bに取付
けられる。図4は磁性体リング12の1つの構成部材で
ある強磁性体リング30aと、これに取付けられるコイ
ルボビン24との関係を示す断面図であり、図5はその
拡大図を示す。図5に示すように、コイル25の電線3
8は、電気回路基板27の入力端子39に直接に接続さ
れる。これにより、従来例の場合のようにコイルの電線
を他の太い電線と接続するなどの端線処理が不要とな
る。電気回路基板27は、ボビン24の側壁24bに沿
うように、図6(A)のような円弧状、あるいは図6
(B)のようなドーナツ状の形状とされる。これによ
り、電気回路26がコイルボビン24の外径側にはみ出
さないように、ボビン24に電気回路26をコンパクト
に設けることができる。
【0020】電気回路26は、図7にブロック図で示す
ように、発電機11の発電出力を処理して回転検出信号
として取り出す信号処理回路40と、この回路で処理さ
れた回転検出信号を電波としてワイヤレスで送信する送
信回路42と、発電機11の発電出力を信号処理回路4
0や送信回路42の電源として供給する電源回路43と
を備えている。送信回路42は発振・変調回路からな
る。送信回路42と送信アンテナ44とでワイヤレス送
信手段41の送信部41Aが構成される。ワイヤレス送
信手段41は、上記送信部41Aと受信部41Bとで構
成される。受信部41Bは、受信アンテナ52と、受信
信号を同調して復調する同調・復調回路からなる受信回
路53とで構成される。なお、車輪回転信号の検出に
は、この実施形態の場合のように発電機11の発電出力
を用いるのに代えて、専用のセンサを別に設けても良
い。受信部41Bで受信した車輪回転信号は、アンチロ
ックブレーキシステムの制御等に利用される。
【0021】送信部41Aの送信アンテナ44は、図2
に示すように、磁性体リング12の構成部材の1つであ
る強磁性体リング30cにおける小径部30caの外周
側に、他の外部部材54と共に配置されている。この送
信アンテナ44と、電気回路26における送信回路42
とは、磁性体リング12の一側面部33に貫通させた小
径孔に挿通される配線(図示せず)によって接続されて
いる。磁性体リング側面部33における配線挿通用の小
径孔には、送信アンテナ44と共に設けられる外部部材
54の取付け時に防水処理が施され、これにより外部か
ら前記小径孔を経て磁性体リング12内に泥水などが浸
入するのを防止している。
【0022】図8は上記電源回路43の一例を示す。発
電機11で発電された電流は、整流回路47と平滑用コ
ンデンサ48とで整流・平滑され、ダイオード49を介
して電源出力端子VCCから出力される。ダイオード4
9よりも後段で、プラス側の電源出力端子VCCおよび
アース端子GNDの間には、スーパーキャパシタ50が
介在させてある。スーパーキャパシタ50のプラス側と
出力電源端子VCCとの間には、ダイオードと抵抗の並
列回路51が介在させてある。
【0023】図2に示すように、多極磁石13は、多極
の磁石部材16と環状の芯金17より形成される。磁石
部材16は、例えばゴム磁石とされ、芯金17に加硫接
着される。芯金17を設ける場合、芯金17は磁性体,
特に強磁性体で形成するのが望ましい。芯金17は断面
がL字型の環状部材でもよく、断面凹字型の環状部材で
もよい。環状の芯金17は内方部材3の外径面に締まり
嵌め状態に嵌合して固定される。多極磁石13は、プラ
スチック磁石や焼結磁石で形成されたものであっても良
く、また接着剤などで内方部材3の外径面に装着されて
もよい。多極磁石13を、プラスチック磁石または焼結
磁石とする場合、芯金17は必ずしも設けなくても良
い。
【0024】磁性体リング12の一構成部材である強磁
性体リング30cにおける小径部30caの内周側には
シール部材18が装着される。シール部材18は、芯金
19に弾性材料でなるシール20を接合一体化したもの
である。芯金19は、L字形の断面形状とされている。
シール20はリップを有している。リップの枚数は任意
でよいが,図の例では,1つのラジアルリップ21と2
つのサイドリップ22を設けている。シール部材18に
対向して、回転部材7に、シール接触部となるスリンガ
23が設けられている。スリンガ23はステンレス鋼製
である。
【0025】上記構成の作用を説明する。発電機11の
発電出力は発電機ヨークである磁性体リング12内に設
けられた電気回路26に入力され、その信号処理回路4
0によって回転検出信号として取り出される。また、発
電機11の発電出力は電源回路43にも入力されて整流
・平滑化され、信号処理回路40や送信回路42の電源
として供給される。得られた回転検出信号は、送信回路
42から送信アンテナ44を経て電波として受信部41
Bに送信される。
【0026】電源回路43では、充電回路としてスーパ
ーキャパシタ50を組み込んでいるので、回転部材7の
高速回転時に発電電力を充電しておいて、回転部材7が
低速回転になって発電電力が電源として不十分になった
ときに、充電電力を電源として供給することにより低速
回転時の電源不足を補うことができる。図9(A)は高
速回転時の充電動作を示し、図9(B)は低速回転時の
放電動作を示す。すなわち、高速回転時には、整流回路
47と平滑用コンデンサ48で発電電圧が直流電圧に整
流・平滑化され、その直流電圧が電源として供給される
共に、直流電圧の一部は図9(A)のように並列回路5
1の抵抗を経てスーパーキャパシタ50に充電される。
低速回転時には、図9(B)のようにスーパーキャパシ
タ50から並列回路のダイオードを経て電力が供給され
る。このようにして、発電電力の不十分な低速回転時に
も回転検出信号を確実に送信することができる。
【0027】特に、この実施形態では、発電機11のヨ
ークである磁性体リング12の内部に発電機11の出力
を用いる電気回路26を設けているので、発電機11の
コイル25と電気回路26とを電気的に接続する処理が
容易で、その配線の断線を防止する特別な措置も、電気
回路26を外部環境から保護する保護ケースも不要とな
り、構成が簡単で組立も容易に行うことができる。しか
も、電気回路26を設けた電気回路基板27が発電機1
1のコイルボビン24に取付けられているので、発電機
コイル25と電気回路26との電気接続をさらに容易に
行うことができる。
【0028】また、発電機11は、円周方向に磁極が並
ぶ多極磁石13、およびコイル25を収容した磁性体リ
ング12により構成されているため、多極化により回転
数の検出を精度良く行え、また小型で効率の良い発電が
行える。磁性体リング12が多数の磁極の爪31a,3
1bを持つクローポール型とされているため、多極磁石
13の使用とあいまって、より一層の多極化による回転
検出精度の向上効果を得ることができる。
【0029】さらに、発電機11が出力する車輪回転数
信号、または発電機11を電源とする回転センサの出力
をワイヤレスで送信するワイヤレス送信手段41を設
け、発電機ヨークである磁性体リング12の内部に設け
る電気回路26は、発電電力の整流回路47や、信号処
理回路40や、ワイヤレス送信手段41の送信回路42
を含むものとしているので、ワイヤレス送信のための特
別な電源を設けることなく、車輪回転数信号を軸受外部
に断線の恐れなく送信できる。
【0030】図10〜図16は、それぞれコイルボビン
24へ電気回路26を取付ける取付構造の各種変形例を
示す。これらの変形例は、いずれも第1の実施形態に適
用することができる。図10の例では、ボビン24にお
ける突出円筒部24caの外周側に回路基板固定用の突
起55を設けている。この突起55により、ボビン側壁
24bに沿わせて配置した電気回路基板27の軸方向の
固定を行っている。
【0031】図11の例では、ボビン24における側壁
24bの外径側端部に、回路基板固定用の係合爪56を
設け、この係合爪56によりボビン側壁24bに取付け
る電気回路基板27の軸方向の固定を行っている。係合
爪56は、側壁24bの外径側端部から電気回路基板2
7の略厚さ分だけ軸方向へ延び、先端が内径側に突出し
たものとしてある。
【0032】図12の例では、電気回路基板27の内径
端の一部に位置決め用の切欠57を設け、ボビン24に
おける側壁24bの基端に、上記切欠57に対応する回
り止め突起部58を設けている。突起部58に切欠57
を係合させることにより、電気回路基板27の回転方向
の位置決めが行われる。
【0033】図13の例では、電気回路基板27に固定
用の係合穴59を設け、ボビン24の側壁24bに、係
合穴59に対応する位置決め用突起60を設けている。
突起60に係合穴59を係合させることにより、電気回
路基板27の回転方向の位置決めと軸方向の固定が同時
に行われる。
【0034】図14の例では、第1の実施形態における
ボビン24の一方の側壁24bを省略し、ドーナツ状と
した電気回路基板27を、側壁24bの代用としてい
る。換言すると、電気回路基板27がボビン24の一部
を構成する。この場合、ボビン24の突出円筒円筒部2
4caの外周に設けた突起61と、コイル25の側面と
で電気回路基板27をボビン24に固定する。このよう
に、電気回路基板27でボビン24の側壁24bを代用
することにより、発電機11の全体の軸方向寸法を短く
することができる。
【0035】図15の例では、ボビン24の側壁24b
に電気回路26の配線パターンを直接に形成し、この側
壁24bに電気部品を実装することで電気回路26を構
成している。すなわち、ボビン側壁24bを電気回路基
板27として用いている。これにより、発電機11の全
体の軸方向寸法を短くすることができる。
【0036】図16の例は、第1の実施形態において、
3つの強磁性体リング30a,30b,30cを組み合
わせて磁性体リング12を組み立てる際に、電気回路基
板27と磁性体リング12の側面部33との間に弾性材
料からなるスペーサ62を周方向の数カ所にわたって配
置し、電気回路基板27の軸方向への固定を補助したも
のである。この場合、電気回路基板27の表面におい
て、スペーサ62を配置する部分に、電気部品を実装し
ない領域を設けておくようにする。
【0037】なお、上記各実施形態では、電気回路26
の全体を発電機ヨークである磁性体リング12内に設置
する例について示したが、その電気回路26における調
整の必要のある高周波回路部などについては、送信アン
テナ44や外部部材54と共に、磁性体リング12の外
部に設けても良い。例えば、磁性体リング12を構成す
る強磁性体リング30cにおける小径部30caの外周
側に高周波回路部や送信アンテナ44を配置する。調整
不要の電源回路43や信号処理回路40などは磁性体リ
ング12内に設置する。このように構成した場合、電源
回路内蔵の発電機ユニットとして、ワイヤレス送信に限
らず他の用途にも使用可能となる。
【0038】
【発明の効果】この発明の発電機付き転がり軸受は、互
いに転動体を介して相対回転自在な一対の部材と、両部
材の相対回転によって発電する発電機とを備え、上記発
電機を構成するヨークの内部に、発電機の出力を用いる
電気回路を設けたため、外部に電気回路を別途に実装す
る必要がなくなり、構成が簡単で組立も容易なものとな
る。ワイヤレス送信手段の送信回路もヨークに内蔵すれ
ば、ヨークの外部に出すのは送信アンテナだけで済み、
ワイヤレス送信機能を備えながら、簡素な構成となる。
コイルと共に、上記電気回路を設けた電気回路基板をヨ
ーク内部に固定した場合は、ヨークが回路の保護ケース
となり、泥水からの保護や振動からの保護をコイルと一
体で行え、保護のための構成が簡素となる。特に、この
発明を車輪用軸受装置に適用した場合は、車輪用軸受装
置に要求さる各種の厳しい条件に対して、この発明の発
電機付き転がり軸受における構成が簡単で組立が容易と
いう効果が、効果的に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる発電機付き転が
り軸受の断面図である。
【図2】その発電機の拡大断面図である。
【図3】(A),(B)はそれぞれ同発電機における磁
性体リングの断面図および正面図である。
【図4】同磁性体リングの一構成部材とコイルボビンと
の関係を示す断面図である。
【図5】図4の部分拡大断面図である。
【図6】(A),(B)はそれぞれ発電機に設ける電気
回路基板の各例を示す平面図である。
【図7】発電機および発電機に設ける電気回路の構成を
示すブロック図である。
【図8】前記電気回路における電源回路の一例を示す回
路図である。
【図9】(A),(B)はそれぞれ同電源回路の充電動
作および放電動作を示す説明図である。
【図10】コイルボビンへの電気回路の取付け構造の他
の例を示す断面図である。
【図11】コイルボビンへの電気回路の取付け構造のさ
らに他の例を示す断面図である。
【図12】(A),(B)はそれぞれコイルボビンへの
電気回路の取付け構造のさらに他の例を示す断面図およ
び部分正面図である。
【図13】(A),(B)はそれぞれコイルボビンへの
電気回路の取付け構造のさらに他の例を示す断面図およ
び部分正面図である。
【図14】コイルボビンへの電気回路の取付け構造のさ
らに他の例を示す断面図である。
【図15】コイルボビンへの電気回路の取付け構造のさ
らに他の例を示す断面図である。
【図16】コイルボビンへの電気回路の取付け構造のさ
らに他の例を示す断面図である。
【図17】(A)は従来例の断面図、(B)の(A)に
おける電気回路部の詳細を示す断面図である。
【図18】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
2…外方部材 3…内方部材 4…転動体 5a,5b,6a,6b…転走面 11…発電機 12…磁性体リング 13…多極磁石 24…ボビン 25…コイル 26…電気回路 27…電気回路基板 40…信号処理回路 41…ワイヤレス送信手段 42…送信回路 47…整流回路 62…スペーサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 5/173 H02K 5/173 A 5H622 B 11/00 21/14 H 21/14 11/00 X (72)発明者 高橋 亨 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 大庭 博明 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J101 AA02 AA32 AA43 AA54 AA62 AA77 FA23 FA26 GA02 GA03 5H604 AA08 BB05 BB10 BB14 CC01 CC04 CC19 DB01 DB16 DB18 5H605 AA08 BB01 BB10 CC01 CC04 CC09 DD16 EB10 EB18 EB33 FF06 GG01 GG18 5H611 AA01 BB02 BB06 PP05 QQ01 RR01 TT01 TT03 UA01 UB00 UB02 5H621 BB07 BB08 GA07 GB08 HH01 JK08 JK15 5H622 CA05 CA10 DD01 DD04 DD05 PP03 PP19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに転動体を介して相対回転自在な一
    対の部材と、両部材の相対回転によって発電する発電機
    とを備え、上記発電機を構成するヨークの内部に、発電
    機の出力を用いる電気回路を設けたことを特徴とする発
    電機付き転がり軸受。
  2. 【請求項2】 互いに転動体を介して相対回転自在な内
    方部材および外方部材と、両部材の相対回転によって発
    電する発電機とを備え、上記発電機を構成するヨークの
    内部に、発電機の出力を用いる電気回路を設けたことを
    特徴とする発電機付き転がり軸受。
  3. 【請求項3】 上記発電機は、円周方向に磁極が並ぶ多
    極磁石、およびコイルを収容して上記多極磁石に対面す
    るヨークである磁性体リングにより構成されて上記多極
    磁石が内方部材および外方部材のうちの一方の部材に取
    付けられ、上記磁性体リングが他方の部材に取付けられ
    たものである請求項2に記載の発電機付き転がり軸受。
  4. 【請求項4】 発電機が出力する回転数信号、または上
    記発電機を電源とするセンサの出力をワイヤレスで送信
    するワイヤレス送信手段を有し、上記ヨークの内部に設
    ける電気回路は、発電電流の整流回路、信号処理回路、
    およびワイヤレス送信手段の送信回路のうちのいずれか
    を含む請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発電
    機付き転がり軸受。
  5. 【請求項5】 上記電気回路を設けた電気回路基板が発
    電機のコイルボビンに取付けられた請求項1ないし請求
    項4のいずれかに記載の発電機付き転がり軸受。
  6. 【請求項6】 上記電気回路を設けた電気回路基板が、
    発電機のコイルボビンの一部を構成する請求項1ないし
    請求項4のいずれかに記載の発電機付き転がり軸受。
  7. 【請求項7】 上記電気回路を設けた電気回路基板が円
    弧状またはドーナツ状の形状をしている請求項5または
    請求項6に記載の発電機付き転がり軸受。
  8. 【請求項8】 コイルおよび電気回路基板が設けられた
    コイルボビンを、弾性接着剤または弾性を有するモール
    ド樹脂からなる弾性材層を介してヨーク内に嵌合状態に
    設けた請求項5ないし請求項7のいずいれかに記載の発
    電機付き転がり軸受。
  9. 【請求項9】 コイルおよび電気回路基板が設けられた
    コイルボビンとヨークの内壁面との間に弾性スペーサを
    介在させた請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の
    発電機付き転がり軸受。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれかに
    記載の発電機付き転がり軸受であって、内周に複列の転
    走面を有する外方部材と、これら転走面にそれぞれ対面
    する転走面を有する内方部材と、両転走面間に収容され
    る複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在
    に支持する発電機付き車輪用軸受。
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