JP2003268419A - 高融点焼結材料微粉末の製造方法とその装置 - Google Patents

高融点焼結材料微粉末の製造方法とその装置

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JP2003268419A JP2002070786A JP2002070786A JP2003268419A JP 2003268419 A JP2003268419 A JP 2003268419A JP 2002070786 A JP2002070786 A JP 2002070786A JP 2002070786 A JP2002070786 A JP 2002070786A JP 2003268419 A JP2003268419 A JP 2003268419A
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molten
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Akihisa Inoue
明久 井上
Akira Yotsutsuji
晃 四つ辻
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KOOKI ENGINEERING KK
Hori Glass Co Ltd
Dijet Industrial Co Ltd
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KOOKI ENGINEERING KK
Hori Glass Co Ltd
Dijet Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 従来法で得られた高融点焼結材料の
粗大粉末を簡単に微粉化させて粉末原材料の付加価値を
高めることができるようにする方法の開発を課題とす
る。 【解決手段】 流動する冷媒の液膜(2)を回転する
ディスク(1)の表面に形成し、高融点焼結材料の粗大粉
末(S1)をプズマ気相(P)中に通過させてこれを溶融した
後、この溶融した高融点焼結材料の溶融粗大粒(S2)を前
記液膜(2)に供給し、前記溶融粗大粒(S2)を前記冷媒液
膜(2)で急冷して微細化させた後、ディスク(1)の遠心力
で液膜(2)を構成する冷媒と共に溶融***粒(S3)をディ
スク(1)から放出し、ディスク(1)の溶融***粒放出部位
(1a)に対応するように配設され且つ回転している粉砕体
(3)に溶融***粒(S3)を衝突させて微粉砕する事を特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速で回転するディス
クと、これに向けてプラズマ気相を形成し、そのプラズ
マ気相中に高融点焼結材料の粗大粉末を通過させてこれ
を溶融するプラズマ発生装置と、前記ディスクの周囲を
囲繞するように配設され、且つ回転して溶融粗大粉末を
粉砕する粉砕体とを利用して、大量生産にて高融点焼結
材料の粗大粉末を微粉末にする方法とその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高融点焼結材料、例えばタングステンカ
ーバイドはその優れた切削能を始めとする機械的性質に
より超硬部材(一般的にはバイトやドリルなど切削工具)
の原材料として現在大量に消費されている。そして、現
在では加工方法の高速化に伴って、このような超硬部材
に対してより高度な性能(靱性や耐衝撃性)が要求されて
いる。そのために原材料であるタングステンカーバイド
に対して、より過酷な切削条件に耐えられるものとして
粒形の球形化と微粉化が要求されている。
【0003】このような用途に使用されるタングステン
カーバイドの製造方法を簡単に説明すると、パラタング
ステン酸アンモニウムを分解・焙焼して酸化物とした
後、これを還元し且つミルのようなもので機械的に粉砕
して純タングステン粉末を得る。そしてこの純タングス
テン粉末を炭化させて、炭化タングステン粉末を得る。
このようにしてられた炭化タングステン粉末の粒度は
0.2μmの超微粉から2μm程度の微粉及び7μmの
粗大粉末の広範囲にわたるので、これを分級し、用途に
応じて使い分けをしている。
【0004】このように分級されたタングステンカーバ
イド粉末は、超微粉になるほど高級な切削工具の原材料
として使用され評価が高くなるので、その分高価に取引
され、粒度が粗くなるほど安価となる。従って、微粉或
いは超微粉のタングステンカーバイド粉末の収量を多
く、粗大粉末の収量を少なくすればそれだけ原材料の付
加価値が高くなることになる。
【0005】ところが、前述のような方法で製造された
タングステンカーバイド粉末の超微粉(平均粒径0.2μ
m)や微粉(平均粒径2μm)の収量は、必ずしも多いも
のでなく大量の粗大粉末(平均粒径7〜10μm)が発生
する。タングステンカーバイド粉末は、ダイヤモンドに
次ぐほどの硬さを有するため、前記粗大粉末を微粉化す
るにはコストがかかるので、現在では付加価値の低い用
途に使用しているのが実情である。
【0006】また前述のように、高級切削工具としての
用途として用いられるタングステンカーバイドの粒形も
非常に重要な要素であるが、前述の従来方法で製造され
たタングステンカーバイド粉末は破砕粉状で球形ではな
いので、一般の用途の場合は兎も角、高切削能を要求さ
れるような切削工具の用途には好ましくないとされてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来例
に鑑みてなされたもので、従来法で得られたタングステ
ンカーバイド粉末を始めとする高融点焼結材料の粗大粉
末を簡単に微粉化させて粉末原材料の付加価値を高める
ことかできるようにする方法及びその装置の開発をその
解決課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】『請求項1』は高融点焼
結材料微粉末の製造方法に関し、「流動する冷媒の液膜
(2)を回転するディスク(1)の表面に形成し、高融点焼結
材料の粗大粉末(S1)をプラズマ気相(P)中に通過させて
これを溶融した後、この溶融した高融点焼結材料の溶融
粗大粒(S2)を前記液膜(2)に供給し、前記溶融粗大粒(S
2)を前記冷媒液膜(2)で急冷して微細化させた後、ディ
スク(1)の遠心力で液膜(2)を構成する冷媒と共に溶融分
裂粒(S3)をディスク(1)から放出し、ディスク(1)の溶融
***粒放出部位(1a)に対応するように配設され且つ回転
している粉砕体(3)に溶融***粒(S3)を衝突させて微粉
砕する」事を特徴とする。
【0009】ここで超微粉化または微粉化する対象原料
の粗大粉末(S1)は従来方法で分級された平均粒径7〜1
0μmのタングステンカーバイドである(勿論、タング
ステンカーバイド粉に限られず、ボロンカーバイド粉等
の炭化物粉末の他、SiO2粉(石英粉やセラミック
粉)等の酸化物粉末、窒化チタン粉末などの窒化物、硼
化物など)。
【0010】この方法によれば、高融点焼結材料の融点
より高温のプラズマ気相(P)中を、高融点焼結材料の粗
大粉末(S1)を高速で通過させることにより瞬間的に融点
以上或いはその近くまで加熱して溶融・球状化させ、こ
れを回転ディスク(1)の表面に形成された冷媒の液膜(2)
中に投入することで、ディスク(1)の表面に流動する冷
媒の液膜(2)に接触させて***微粉化させる。即ち、デ
ィスク(1)の遠心力によって流動している液膜(2)が、そ
の中に入る溶融粗大粉末(S1)に対して相対的に運動して
いるので、溶融粗大粉末(S1)の先に液膜(2)に入った部
分は、まだ入っていない部分から剪断分離してそのまま
流され、それぞれ別の粒子を形作る。
【0011】しかしこの場合の造粒は***時における各
溶融粒の表面張力に依存するだけであるので、粒径は必
然的に不揃いでその粒度分布は広範囲に広がる事にな
る。そして、ここでは形成された粒子が冷媒の液膜(2)
中に分散した状態となっているので、粒子間に液膜(2)
の冷媒が充満して粒子同士が再度付着して大きな粒子に
なる事を防ぐ。
【0012】ディスク(1)の表面に供給される冷媒とし
て使用されるものの例を挙げると、液体窒素、液体二酸
化炭素、水、バートレル、工業用油、液体酸素、有機溶
剤などがある。本実施例では、対象粉末(S1)がタングス
テンカーバイドの場合は液体窒素が冷媒として好まし
い。尚、図2に示すように回転するディスク(1)の表面
に供給され***した溶融***粉末(S3)は、瞬間的にディ
スク(1)の遠心力によって溶融***粒放出部位(1a)の接
線方向に跳ね飛ばされるので、この時点では***粒子(S
3)はその表面部分のみが冷却によって凝固しているだけ
と考えられる。
【0013】これに続く微粉化の第2段として、ディス
ク(1)の溶融***粒放出部位(1a)に対応するように配設
した回転粉砕体(10)に衝突して更に微粉化されるもので
あるが、図1、2の実施例では、ディスク(1)の周囲を
囲繞するように配設された円筒の粉砕面(10i)を有する
粉砕体の例が、図3の場合は摺鉢状の粉砕面(10i1)〜が
複数重にて設置されている例が示されている。勿論、図
示しないが1重の場合も当然含まれる。ここで得られる
微粉末(S4)は平均粒径2〜3μm程度のものである。
【0014】図3の第2実施例では、ディスク(1)の周
囲を囲繞して回転するように配設された摺鉢状の第1粉
砕面(10i1)に衝突して微粉化され、これがその外側の第
2粉砕面(10i2)に衝突して更に微粉化され、更にその外
側の第3粉砕面(10i3)に衝突して超微粉化される。ここ
で得られる微粉末(S4)は平均粒径1〜2μm程度のもの
である。
【0015】この場合、粉砕体(10)から取り出された微
粉末(S4)は従来例に比べて極く微細に粉砕されるだけで
なく、ディスク(1)から放出された溶融***粒(S3)中に
混じっている粒径の大きい粒子はその質量が大きく且つ
その中心部分に未凝固の部分を有してるため粉砕体(10)
に当たった時の衝撃力が大きく、効果的に微粉砕される
のに対して微細粒子の衝突時の衝撃力は小さく且つ中心
部分まである程度凝固しているために微細化されにく
い。その結果、平均粒径の微細化は勿論、大きな粒子が
優先的且つ効果的に粉砕されて微細粒子に混じる割合が
激減し、全体として平均粒径がより小さく且つその粒度
分布も狭い範囲の微粉末(S4)が得られる事になる。
【0016】ここで、ディスク(1)の設置方向は一般的
には水平方向(勿論、設置方向は限定されるものでな
く、垂直でも斜めでも構わないことは言うまでもな
い。)で、図1、2のような1重の円筒型の粉砕体(10)
の場合、その粉砕面(10i)はディスク(1)に対して直角或
いは傾斜させて(図示せず)配設され、図3のような摺
鉢状の粉砕面(10i1)〜を有する多重式の場合、粉砕面(1
0i1)(10i2)(10i3)…はディスク(1)に対して傾斜させて
配設される。粉砕面(10i1)(10i2)(10i3)…の端縁は互い
にオーバーラップしていて粉砕面(10i1)(10i2)(10i3)…
の端縁から放出された粉末(S31)(S32)(S33)…は、外側
の粉砕面に次々と衝突するようになっている。
【0017】粉砕体(10)は回転しているが、その場合デ
ィスク(1)と同方向でもよいし、逆方向でもよい。逆方
向の方が相対速度が早くなりより効果的に微粉化され
る。また、多重の場合も同様で、隣接する粉砕面同士が
逆方向に回転する方がより効果的に微粉化される。
【0018】ディスク(1)は一般的には、図1のような
円板型のものが使用されるが、図示していないがその表
面が傘型になっているものなど各種のものがある。ディ
スク(1)は質量の大きいものの方がディスク(1)の熱容量
が大きくなり、供給された溶融粗大粉末(S1)によって加
熱されにくいし、表面が傘型になっているもの場合には
ディスク(1)の表面上で発生した溶融***粒(S3)を水平
方向に放出しやすい。
【0019】ディスク(1)及び粉砕体(10)[またはその表
面部材や内張部材など原料粉末と接触する部分]の材質
は、不純物の混入を嫌う場合、原則として、原料粗大粉
末(S1)と同じ材料を使用することが好ましい。そうでな
い場合は全体をセラミックス或いはステンレスなどで形
成し、前述の表面部材や内張部材など原料粉末と接触す
る部分の材質として粗大粉末(S1)と同じ材料或いは高分
子材料などを使用してもよい。高分子材料やセラミック
スの場合、後述するように高融点焼結材料粉堆積防止材
(3)としての働きを有する。
【0020】堆積防止材(3)として高分子材料を使用し
た場合、微細化された溶融***粒(S3)がディスク(1)の
表面、或いは粉砕体(10)の粉砕面(10i)に付着して堆積
する事を防止でき、急冷により効率よく微粉化ができる
と同時に堆積して大きくなった粒子が剥がれて微粉(S4)
中に混入するというような事が防止できる。付着し難い
理由としては、セラミックス或いは高分子材料と高融点
焼結材料との濡れ性或いはセラミックス或いは高分子材
料の熱容量、熱伝導性などが関係するものと考えられ
る。ディスク(1)及び粉砕体(10)を金属で形成した場合
に比べて高分子或いはセラミックス堆積防止材(3)を使
用した場合、溶融***粒(S3)の付着が緩和される。
【0021】「請求項2」は前記方法を実施するための
高融点焼結材料微粉末の製造装置に関し、「回転可能な
ディスク(1)と、ディスク(1)の表面に冷媒(N)を供給す
る冷媒供給部(4)と、プラズマ気相(P)を形成し、供給さ
れた高融点焼結材料の粗大粉末(S1)を溶融してディスク
表面に向けて噴射するプラズマ発生装置(5)と、ディス
ク(1)の溶融***粒放出部位(1b)に対応して配設され且
つ回転し、ディスク(1)の遠心力にて液膜(2)を構成する
冷媒と共に放出された溶融***粒(S3)が衝突して粉砕さ
れる粉砕体(10)とで構成された」事を特徴とする。
【0022】「請求項3」は前記請求項2に記載の高融
点焼結材料微粉末の製造装置において「ディスク(1)を
囲繞する粉砕体(10)の粉砕面(10i)が円筒状或いは摺鉢
状に形成されている」事を特徴とする。
【0023】「請求項4」は請求項2又は3に記載の高
融点焼結材料微粉末の製造装置において「ディスク(1)
を囲繞する粉砕体(10)の粉砕面(10i)が複数重にて形成
されており、且つ内外の粉砕面(10i1)(10i2)(10i3)…が
互いに逆向きにて摺鉢状に形成されていて、内側の粉砕
面(10i1)(10i2)(10i3)…の端縁が外側の粉砕面内にあ
る」事を特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示実施例に従っ
て説明する。本発明は言うまでもなく以下で説明する実
施例に限定されるものではない。本発明の微細粉末化対
象材料は、前述したタングステンカーバイドをはじめと
する高融点炭化物、高融点酸化物、高融点窒化物、高融
点硼化物などの高融点焼結材料で、ここでは従来法で分
級された7〜10μmの平均粒径を持つタングステンカ
ーバイドの粗大粉末(S1)をその代表例とする。
【0025】図1は本発明装置の基本形で、回転可能な
ディスク(1)と、ディスク(1)の表面に液体窒素のような
冷媒(N)を供給する冷媒供給部(4)と、ディスク(1)の表
面に向けてプラズマ気相(P)を放出するプラズマ発生装
置(5)と、プラズマ発生装置(5)の上部に配置されプラズ
マ発生装置(5)に原料のタングステンカーバイドのよう
な高融点焼結材料の粗大粉末(S1)を供給するための原料
供給部(6)と、ディスク(1)を囲繞し且つ回転するように
配設され、ディスク(1)の遠心力にて液膜(2)と共に放出
された溶融***粒(S3)が衝突する粉砕体(10)とで構成さ
れている。この場合の粉砕体(10)の粉砕面(10i)が円筒
状である。
【0026】ディスク(1)は例えば図1のような円板
で、中央に設けられた回転軸(13)の回りに回転してい
る。回転速度はこれに限定されないが、例を挙げれば
4,000rpm〜20,000rpm(勿論、45,0
00rpm程度までは可能である。)である。その直径
も特に限定されるものではないが、400〜1,000
mmであり、直径が大きくなると複数のプラズマ発生装
置(5)を1つのディスク(1)上に設置でき、生産性向上を
図る事ができる。
【0027】ディスク(1)の設置方向は、一般的には水
平方向である。勿論、垂直方向或いは傾斜させて配設し
てもよい。ディスク(1)を構成する素材は、前述のよう
に不純物の混入を嫌う場合には、原料の高融点焼結材料
素材粉末(S1)と同一の材料(原料がタングステンカーバ
イドの場合には、ディスク(1)及び後述する粉砕体(10)
あるいはその表面材及び内張材をタングステンカーバイ
ド)で構成することになる。勿論、ディスク(1)全体をセ
ラミックス或いは高分子材料にて形成してもよいし、金
属材料で形成したディスク(1)や粉砕体(10)の表面材や
内張材を前記セラミックスあるいは樹脂でコーティング
してもよい。セラミックスとしては、例を挙げれば、酸
化物、窒化物、炭化物、ホウ化物などが使用される。
【0028】又、前記堆積防止材(3)として使用される
表面材や内張材として採用される高分子材料としては、
例示すれば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン、酢酸ビ
ニル、スチロール樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリア
セタール、ポリカーボネート、アセチルセルロース、木
質系材などがある。
【0029】不純物の混入を嫌う高級切削工具用素材と
してのタングステンカーバイドの微粉砕を行う場合は、
ディスク(1)及び粉砕体(10)の表面材や内張材には同じ
種類のタングステンカーバイドを使用することが好まし
い。
【0030】冷媒供給部(4)はディスク(1)の表面中央に
向かって斜めに延びた細いノズル(ディスク(1)の中央
に配設してもよい)で構成され、ここから供給される冷
媒(N)は、例えば液体窒素、液体二酸化炭素、水、バー
トレル、工業用油、液体酸素、有機溶剤などである。冷
媒(N)の流量は、原料粗大粉末(S1)である高融点焼結材
料の種類、溶融温度、ディスク(1)の回転速度、プラズ
マ発生装置(5)のノズル(5a)の先端からディスク(1)まで
の距離(H)、粗大粉末(S1)の供給量によって適宜選択さ
れる。タングステンカーバイドの微粉砕を行う場合の冷
媒(N)としては、急冷と脱炭を防ぐ意味から液体窒素を
使用することが好ましい。
【0031】プラズマ発生装置(5)は、ノズル(5a)と、
その周囲に巻設された高周波発生用のRFコイル(5b)
と、前記RFコイル(5b)に高周波電流を印加する高周波
発振器(5c)とで構成されており、アルゴン雰囲気中でR
Fコイル(5b)に高周波電流を印加することでノズル(5a)
以内に高温の熱プラズマを発生させることができる。ま
たアルゴンガスはノズル(5a)の内側に供給され、アルゴ
ン雰囲気中で前記熱プラズマが形成されるようになって
いる。
【0032】本実施例の場合、原料供給部(6)はプラズ
マ発生装置(5)の上方に設置されており、プラズマ発生
装置(5)のノズル(5a)の上面開口部に粗大粉末(S1)を供
給するようになっている。勿論、これに限られずノズル
(5a)の下面開口部から噴出している熱プラズマに向けて
粗大粉末(S1)を投入するようにしてもよい。投入された
粗大粉末(S1)はアルゴン雰囲気中において発生している
プラズマ気相(P)の通過中に加熱されて溶融し、球状粉
末(S2)となって下面開口部から放出される。
【0033】図1の場合、ディスク(1)の周囲を囲繞す
るように筒状の粉砕体(10)が配設されている。図1の場
合はディスク(1)に対して粉砕体(10)の粉砕面(10i)は直
角に配設されており、この場合は、ディスク(1)とその
回転中心を一致させて(勿論、一致させなくともよ
い)、粉砕体(10)がディスク(1)の回転方向とは逆に回
転している。《勿論、両者の回転方向は同方向でもよい
し、粉砕体(10i)は停止していてもよい。》粉砕体(10)
の回転速度は勿論これに限定される事はないが、100
〜600rpm(本実施例では400rpmを採用し
た)程度で、ディスク(1)の回転数よりは遅い。
【0034】しかして、図1の場合で、ディスク(1)を
高速回転させ、冷媒供給部(4)から冷媒(N)をディスク
(1)の表面に供給して回転するディスク(1)の表面に流動
する冷媒(N)の液膜(2)を形成する。液膜(2)の厚さは、
その液膜(2)を構成する冷媒(N)の種類、供給量、ディス
ク(1)の回転速度により決まる。
【0035】一方、プラズマ発生装置(5)にあっては、
高周波発振器(5c)からRFコイル(5b)に高周波電流が供
給され、ノズル(5a)に供給されたアルゴンガスのアルゴ
ン雰囲気中でノズル(5a)内に熱プラズマが発生し、ディ
スク(1)に向かって噴出する。この状態で原料となるタ
ングステンカーバイドの粗大粉末(S1)を原料供給部(6)
からプラズマ発生装置(5)のノズル(5a)の上面開口部に
供給すると、このタングステンカーバイドの粗大粉末(S
1)は前記プラズマ気相(P)中を高速で通過し、加熱・溶
融される。そして、この溶融した粗大粉末(S2)は冷媒
(N)からなる液膜(2)に接して微細化される。
【0036】微細化のメカニズムは前述のように、運動
している液膜(2)の中に溶融粗大粉末(S2)が入ると、高
速回転しているディスク(1)と共に高速流動している液
膜(2)によって先に液膜(2)に入った部分が、まだ入って
いない部分から剪断・分離されてそのまま流され、その
表面張力によって球状化すると同時に分散してその表面
が急速に冷却されそれぞれ別の粒子を形作る事になる。
この場合、液膜(2)の高速流動と急速冷却とを利用した
***微細化であるので、造粒はその時における各粒子の
表面張力に依存するだけであり、その結果この時点では
粉末の粒度分布はかなり広範囲に広がる事になる。
【0037】続いて、この***粉末(S3)はディスク(1)
の高速回転によって液膜(2)を構成した冷媒(N)と共に遠
心力にて接線方向に高速で放出され、ディスク(1)の周
囲に配設されている粉砕体(10)の粉砕面(10i)に衝突す
る。放出された***粉末(S3)はこの時点では完全に凝固
し切っておらず、衝突した***粉末(S3)は衝撃力を受け
て更に微細化される事になるが、ここで、前述のように
細かく粉砕されるだけでなく、粒径の大きい粒子はその
質量が大きく且つ中心部分に大きな未凝固の部分を内包
しているため粉砕体(10)の粉砕面(10i)に当たった時の
衝撃力が大きく且つ効果的に微粉砕されるのに対して微
細粒子の衝突時の衝撃力は小さく且つ未凝固部分が少な
いために微細化されにくい。その結果、粒径の大きな粒
子の大半は微粉化されて残留する事が少なく微細粒子中
に混じる割合が大幅に減り、全体としてその粒度分布も
狭い範囲の微粉末(S4)が得られる事になる。このように
して粒度分布の狭い且つ従来に見られない微細化した微
粉末(S1)「平均粒径2〜3μmの範囲内のもの」が得ら
れる事になる。
【0038】また、この粉砕体(10)がディスク(1)に対
して相対運動している場合(特に、その回転方向が互い
に逆向きである場合)には、粉砕体(10)の粉砕面(10i)
に衝突した***粉末(S3)は機械的に更に微粉砕されると
同時に粉砕体(10)の遠心力により粉砕体(10)上を転動し
て角のない丸い粒状の微粉末(S4)になる。
【0039】以上の微細化の過程で、冷媒(N)はディス
ク(1)や溶融した粗大粉末(S2)の冷却だけでなく、***
した***粉末(S3)の周囲に濡れて付着し、***・微細化
した***粉末(S3)同士が再付着して1つの大きい粒子に
なるのを防いでいる。粉砕体(10)によって微細化された
微粉末(S4)は粉砕体(10)に沿って落下し、下部に堆積す
る。
【0040】図3に示す第2実施例は、粉砕体(10)を多
段にした場合で、ディスク(1)から接線方向に高速放出
され、ディスク(1)の周囲に配設した第1粉砕面(10i1)
に衝突して粉砕された後、その外側の第2粉砕面(10i
2)、第3粉砕面(10i3)に次々と加速されつつ衝突して更
に細かく粉砕され、超微粉(S4)「平均粒径1〜2μmの
範囲内のもの」となる。
【0041】ここで、本実施例の粉砕体(10)の粉砕面(1
0i1)(10i2)(10i3)…はディスク(1)に対して傾斜してお
り、摺鉢状に形成された内外の粉砕面(10i1)(10i2)(10i
3)…が交互に逆方向にて配設されている。そして、第1
段の粉砕面(10i1)と第3段の粉砕面(10i3)とがディスク
(1)に対して逆方向に回転し、第2段の粉砕面(10i2)が
ディスク(1)と同方向に回転してその相対速度が最大と
なるようにしている。本実施例では粉砕面(10i1)(10i2)
(10i3)…の回転速度は前述同様100〜600rpm程
度(本実施例では400rpmを採用した)で、ディス
ク(1)の回転数よりは遅い。(尚、回転方向は前述の場
合に限られず、同方向であってもよいし、いずれかが停
止していてもよい。)
【0042】なお前記微細化の第2段(機械的粉砕の第
1段)として、前述同様ディスク(1)の周囲を囲繞するよ
うに配設された粉砕体(10)の最内層の粉砕面(10i1)に衝
突して更に微粉化されるものであるが、第1粉砕面(10i
1)が傾斜しているので、前記第1粉砕面(10i1)に衝突し
た未凝固部分をその一部に有する***粉末(S12)はその
衝撃により更に細かく粉砕されると同時に第1粉砕面(1
0i1)の回転による遠心力で傾斜に沿って転動して球状化
され、前記遠心力によって加速されて第1粉砕面(10i1)
の端縁から第1粉砕面(10i1)の接線方向に放出される。
【0043】この放出微粉末(S31)は第2粉砕面(10i2)
に衝突し、前記同様のメカニズムで更に粉砕されてその
端縁から接線方向に放出され、第3粉砕面(10i3)に衝突
する。第3粉砕面(10i3)でも同様のメカニズムで更に微
粉化された後、その接線方向に放出される。このような
多段粉砕の結果、極く微細で且つ粒度分布幅の小さい微
粉末(S4)が得られる。
【0044】ここで、ディスク(1)そのもの或いはディ
スク(1)の表面、及び粉砕体(10)の各粉砕面(10i1)(10i
2)(10i3)…に堆積防止材を形成しているので、多段粉砕
中に粉末(S3)がディスク(1)の表面や各粉砕面(10i1)(10
i2)(10i3)…にほとんど付着・堆積せず、従来例のよう
に堆積した金属塊が剥がれて粒径の大きな塊となって脱
落し、微粉末(S4)に混入する事がない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、高融点焼結材料粉末の
融点よりも高い温度を発生させることができるプラズマ
発生装置を使用するので、高融点焼結材料粗大粉末をま
ずプラズマ発生装置で溶融球状化させることができ、続
いてこの溶融球状化した粗大粉末をその表面に流動液膜
が形成されたディスクに投入するので、これにより急冷
***微細化することができ、更にこの***微細化された
未凝固粉末をディスクの溶融***粒放出部位に対応する
ように配設され且つ回転している粉砕体に衝突させるの
で、一層の微細化を図ることができる。加えて、この粉
砕体による機械的粉砕は、粒径の大きいものほど効果的
に微粉砕されるので、得られた微粉の平均粒径分布が非
常に狭いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1実施例である1段破砕体を用
いた時の概略構成図
【図2】図1の平面図
【図3】本発明装置の第2実施例である3段破砕体を用
いた時の概略構成図
【符号の説明】
(1) ディスク (2) 液膜 (3) 粉砕体 (S1) 粗大粉末 (S2) 溶融粗大粒 (S3) 溶融***粒 (S4) 微粉 (P) プラズマ気相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 391015443 堀硝子株式会社 神奈川県厚木市上依知字上の原3031番地 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806 (72)発明者 四ツ辻 晃 大阪市中央区内平野町2−3−11−1101 Fターム(参考) 4D065 AA14 BB07 EB01 ED01 ED31 4G030 AA45 BA19 CA04 GA01 GA03 4K017 AA01 BB17 CA07 DA06 ED02 ED10 EF02 FA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 流動する冷媒の液膜を回転するディ
    スクの表面上に形成し、(b) 高融点焼結材料の粗大粉
    末を、プラズマ気相中に通過させて溶融した後、この溶
    融した高融点焼結材料の溶融粗大粒を前記冷媒液膜に供
    給し、(c) 前記溶融粗大粒を前記冷媒液膜で急冷して
    ***微細化させた後、ディスクの遠心力で液膜を構成す
    る冷媒と共に溶融***粒をディスクから放出し、(d)
    ディスクの溶融***粒放出部位に対応する位置に配設さ
    れ且つ回転している粉砕体に溶融粒を衝突させて微粉砕
    する、 事を特徴とする高融点焼結材料微粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】(a) 回転可能なディスクと、(b) ディス
    クの表面に冷媒を供給する冷媒供給部と、(c) プラズ
    マ気相を形成し、供給された高融点焼結材料の粗大粉末
    を溶融してディスク表面に向けて噴射するプラズマ発生
    装置と、(d) ディスクの溶融***粒放出部位に対応し
    て配設され且つ回転し、ディスクの遠心力にて液膜を構
    成する冷媒と共に放出された溶融***粒が衝突して粉砕
    される粉砕体、 とで構成された事を特徴とする高融点焼結材料微粉末の
    製造装置。
  3. 【請求項3】 ディスクを囲繞する粉砕体の粉砕面が
    円筒状或いは摺鉢状に形成されている事を特徴とする請
    求項2に記載の高融点焼結材料微粉末の製造装置。
  4. 【請求項4】 ディスクを囲繞する粉砕体の粉砕面が
    複数重にて形成されており、且つ内外の粉砕面が互いに
    逆向きにて摺鉢状に形成されていて、内側の粉砕面の端
    縁が外側の粉砕面内にある事を特徴とする請求項2又は
    3に記載の高融点焼結材料微粉末の製造装置。
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