JP2003268287A - 筆記具用インキ組成物及び筆記具用顔料分散液 - Google Patents

筆記具用インキ組成物及び筆記具用顔料分散液

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JP2003268287A
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Kenji Akamatsu
謙次 赤松
Shuichi Nagahata
周一 長畠
Hideyuki Hisa
英之 久
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インキの出が染料インキ並に優れ、しかも書き
味が滑らかな筆記具用顔料インキ組成物、並びにかかる
顔料インキ組成物の調製に好適な顔料分散液を得る。 【解決手段】樹脂で被覆された顔料を含有する筆記具用
インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漆黒度が高く、イ
ンキの流出量の低下がほとんどなく書き味にも優れた筆
記具用顔料インキに関する。
【0002】
【従来技術】従来より、ボールペン用のインキとしては
水性インキ及び油性インキがあり、着色剤としては染料
を用いるものと顔料を用いるものが知られている。着色
剤として染料を用いると顔料と比較して耐侯性が悪いた
めに筆記後長期間保管すると筆記描線が色あせてしま
う。しかし、筆記によりボールペンチップ(以下チップ
と呼ぶ)を磨耗させることが少ないので筆記時のインキ
の流出が滑らかであり、筆記距離も長い。一方、着色剤
として顔料を用いると耐侯性が良好なので長期間保管し
ても筆記描線が色あせることはないが、顔料自体がチッ
プを磨耗させるため、染料と比較して筆記寿命が短い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】顔料として特にカーボ
ンブラック等の黒色顔料を用いた顔料インキによれば筆
記時に高い漆黒度を得られるという利点がある一方、高
漆黒度を発揮するカーボンブラック等の顔料がチップと
接触することによりボールの回転部分が磨耗してボール
がチップ内部に沈み込んでしまい、インキが最後まで出
ないうちに書けなくなるという問題があった。また、書
き味の点でも、染料インキに比べて顔料インキは滑らか
さに劣るという問題があった。
【0004】筆記具用インキ組成物として、筆記時のか
すれ防止のためにオレイン酸、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、ポリエチレングリコールモノオレエート等
の界面活性剤を添加してボールペンチップのボールに対
するインキの濡れ性を向上させ、インキを吐出しやすく
することは知られている。しかし、このような方法で
も、染料インキでの筆記途中のかすれは改善されるもの
の書き始めの筆跡が薄くなったりかすれたりする現象の
防止は十分ではない上に、顔料インキにおけるボールや
チップの磨耗、及びこれによりインキが最後まで出ない
うちに書けなくなるという問題を解決することはできな
かった。本発明は、顔料インキにおける上記の課題を解
決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑みて鋭意検討を重ねた。その結果、特定の処理を施し
た顔料を含有する筆記具用インキを用いたボールペン
は、チップの磨耗が著しく低減し、インキの出が低下す
ることもほとんどなく、その低下の程度は染料同等にま
で抑えられたものとなるという画期的な性能を発現する
こと、また筆記時の書き味も滑らかで優れたものである
ことを見出して本発明に到達した。すなわち本発明は、
(1)樹脂で被覆された顔料を含有する筆記具用インキ
組成物、(2)樹脂で被覆された顔料を含有する筆記具
用顔料分散液、(3)樹脂で被覆された筆記具用顔料に
存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】(顔料)本発明のインキ組成物並びに筆記
具用顔料分散液は、樹脂で被覆された顔料を含有するこ
とを特徴とする。
【0008】顔料は特に限定されず、筆記具用の顔料と
して用いられるものであれば使用できる。特に、比較的
硬くボールペンのチップの磨耗が問題となる顔料に好適
に使用できる。具体的には、カーボンブラックを代表と
する黒色顔料の他、青色顔料、例えば群青(C.I.7700
7)、紺青(C.I.77510)、コバルトブルー(C.I.77346)、セ
ルリアンブルー(C.I.77368)、アルカリブルーレーキ(C.
I.42750A)、無金属フタロシアニンブルー(C.I.PigmentB
lue 16)、フタロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 1
5)、ファストスカイブルー(C.I.Pigment Blue 17)、
インダンスレンブルRS(C.I.69800)、インダンスレン
ブルーBC(C.I.69825)、インジゴ(C.I.73006)等が挙げ
られる。中でも、カーボンブラックは、硬度が高く耐磨
耗性の問題が大きかったため、本発明を適用することに
よるメリットが大きい。カーボンブラックとしては、ボ
ールペンインキ用途に用いることのできるものであれば
特に制限されず用いることができる。カーボンブラック
のDBP吸収量は特に制限されないが、一般には40〜
250ml/100gのものが好適である。カーボンブ
ラックの粒径は特に制限されないが、一般には10〜6
0nmのものが好適である。ここでDBP吸収量はカー
ボンブラックのストラクチャー発達度合いの指標であ
り、ASTM D−3493−88により求められる。
粒径は、以下に示す電子顕微鏡法による。カーボンブラ
ックをクロロホルムに投入し200KHzの超音波を2
0分間照射し分散させた後、分散試料を支持膜に固定す
る。これを透過型電子顕微鏡で写真撮影し、写真上の直
径と写真の拡大倍率により粒子径を計算する。この操作
を3000回以上行い、好ましくは5000回以上行っ
て、それらの値の算術平均により求める。
【0009】(樹脂被覆の方法)樹脂で被覆した顔料を
得る方法は特に限定されないが、例えば、顔料及び樹脂
の配合量を適宜調整したのち、樹脂とシクロヘキサノ
ン、トルエン、キシレンなどの溶剤とを混合して加熱溶
解させた樹脂溶液と、カーボンブラックおよび水を混合
した懸濁液とを混合撹拌し、カーボンブラックと水とを
分離させた後、水を除去して加熱混練して得られたカー
ボンブラック及び樹脂を粒状化した後、乾燥させる方
法;前記例示した溶剤にマレイン酸、フマル酸などのカ
ルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合し
て乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブ
ラックを得た後、これに樹脂を添加してドライブレンド
する方法;被覆させる樹脂を構成する反応性基含有モノ
マー成分と水とを高速撹拌して混練し、カーボンブラッ
クと反応性基とを反応させ(カーボンブラックをグラフ
トさせ)、冷却および粉砕する方法などを採用すること
ができる。
【0010】具体的な合成樹脂としては、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼ
ン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリス
ルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリ
アミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミ
ド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、
ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリア
ミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニ
レンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテ
ルケトン、等の熱可塑性樹脂が使用できる。
【0011】(樹脂の被覆量)カーボンブラックに対す
る樹脂の被覆量は、カーボンブラックと樹脂の合計量に
対して1〜30wt%が好ましく、1wt%未満の量で
は、得られるインキの書き味の向上、耐磨耗性の向上の
効果が充分でない。一方、30wt%を超えると、樹脂
同士の粘着性が強く、団子状の固まりを形成することが
ある。また、インキが経時により増粘したり分散粒径が
大きくなる等の問題を生ずることがあり、筆記具用イン
キの顔料として望ましくない。
【0012】また樹脂の被覆の程度は、特に粉体抵抗が
10Ω・cm以上となるまで行うのが望ましい。カーボ
ンブラックの導電性は一般に樹脂で被覆することにより
低下することから被覆の程度を粉体抵抗で把握すること
ができるためである。ここで粉体抵抗は、以下の測定方
法により得られる値である。
【0013】まずカーボンブラック(顔料)を、樹脂と
溶剤、必要に応じて分散剤を加え、ボールミル等で微細
化し評価用ペーストを得る。すなわち、エチルセロソル
ブの40%溶液アルカリ可溶性高分子化合物(アトケミ
(株)製、「SMA−17352」)37.8%とエチ
ルセロソルブアセテート54.1%を混合したワニス中
に上記カーボンブラック(顔料)8.1%を加え1mm
径のガラスビーズを入れたサンドミルを用い、2,00
0rpmで10時間混合分散させペーストを作成する。
このペーストを150℃加熱減量が1.0%以下となる
まで120℃で乾燥し、ジューサーミキサーで1分間粉
砕してサンプルとする。直径20mm、内容積110m
lのポリ四フッ化エチレン製容器(上下に金属電極有
り)に上記サンプル2.0gを入れ50kg/cm
圧力でプレスした状態で、抵抗値を測定する。こうして
求められる抵抗値が粉体抵抗である。
【0014】カーボンブラック(顔料)の粉体抵抗は好
ましくは10Ω・cm以上、特に好ましくは10Ω・
cm以上、さらに好ましくは10Ω・cm以上であ
る。10Ω・cm未満だと耐磨耗性向上の効果が低下す
る傾向にある。
【0015】本発明のインキ組成物並びに顔料分散液
は、以上説明した樹脂で被覆された顔料を含有すること
を特徴とするが、これ以外の顔料を併用していてもよ
い。ただしその含有量は、顔料全体に対して50wt%
以下、特に40wt%以下におさえるのが、本発明の効
果を充分に得るためには望ましい。
【0016】本発明の筆記具用顔料分散液は、以上説明
した樹脂で被覆した顔料が分散媒に分散されてなるもの
であれば足り、他の成分の有無を問わない。例えば、以
下に説明する本発明の筆記具用インキ組成物に含有させ
ることのできる成分の一部を予め顔料分散液に配合する
こともできる。また、顔料分散液の分散媒も限定される
ものではないが、目的とするインキの組成に応じて適
宜、以下に説明するインキ組成物の分散媒から選択すれ
ばよい。
【0017】本発明の筆記具用インキ組成物は上述した
樹脂で被覆した顔料を含有するものであれば足り、分散
媒に上述の顔料が分散されている他、一般に筆記具用イ
ンキ組成物に配合される各種の成分を含有させることが
できる。
【0018】(インキの分散媒)水性ボールペン用イン
キ組成物あるいはこれに用いる顔料分散液であれば、水
性媒体として、水または水溶性の有機溶剤が用いられ
る。有機溶剤としては特に限定されないが、通常、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート等である。有機溶剤の配合量は、水性媒体全
体に対して5〜40重量%であり、好ましくは15〜3
0重量%である。
【0019】油性ボールペン用インキ組成物あるいはこ
れに用いる顔料分散液であれば、油性媒体として各種の
有機溶剤を用いることができる。従来より油性ボールペ
ンに使用されているものなら特に限定なく使用でき、例
えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベン
ジルアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレン
グリコール、テトラリン、プロピレングリコールモノフ
ェニルエーフル、ジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、N
−メチル−2−ピロリドン等があり、これらを適宜選択
して単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量は
インキ全量に対して30〜70重量%が好ましい。
【0020】(染料)本発明の筆記具用インキ組成物の
調製には着色材として上述した顔料の他、染料を併用す
ることも可能である。染料としては従来ボールペンイン
キ組成物に用いられている染料であれば特に限定され
ず、例えば、ローダミンBベース(C.I.45170
B)、ソルダンレッド3R(C.I.21260)、メ
チルバイオレット2Bベース(C.I.42535
B)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42653
B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)、
オリエント化学工業(株)製の油性染料としてバリファ
ーストイエロー#3104(C.I.13900A)、
バリファーストイエロー#3105(C.I.1869
0)、オリエント スピリットブラックAB(C.I.
50415)、バリファーストブラック#3804
(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1
109、バリファーストオレンジ#2210、バリファ
ーストレッド#1320、バリファーストブルー#16
05、バリファーストバイオレット#1701、保土ヶ
谷化学工業(株)製の油性染料として、スピロンブラッ
ク GMHCスペシャル、スピロンイエローC−2G
H、スピロンレッドC−GH、スピロンレツドC−B
H、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−R
H、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレ
ンジ6、S.P.Tブルー−111などが例示できる。
【0021】(樹脂)筆記具用インキ組成物の調製に
は、粘度上昇、筆跡定着性アップ、あるいは顔料の分散
安定性向上等の目的のために樹脂成分を添加してもよ
い。樹脂成分としては従来このような目的に使用されて
いる各種のものが限定なく使用できる。例えば、ケトン
樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ロジン
樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、クマロン−イン
デン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリド
ン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタ
クリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共
重合物、ポリアクリル酸、スチレン−マレイン酸樹脂、
スチレン−アクリル樹脂等が挙げられる。
【0022】また、アニオン、ノニオン、カチオンなど
の界面活性剤を主にあるいは補助的に添加してもよい。
【0023】これらの添加剤の含有量は、顔料の種類、
インキの色の濃淡、添加の目的等に応じて適宜選択すれ
ばよく、顔料に対して0.1〜40wt%、インキ全量
に対して0.05〜20wt%程度である。
【0024】(その他の成分)その他、合成微粉シリ
カ、ベントナイト、極微細沈降炭酸カルシウム等の増粘
剤を添加することもできる。その含有量は0.01〜1
0wt%、好ましくは0.5〜5wt%である。その
他、増粘剤、分散剤などに用いる樹脂以外必要に応じて
他の樹脂、固着剤を用いることができる。また、防錆
剤、潤滑剤、防腐剤なども用いることができる。以上の
各成分を分散してインク組成物とするが、分散に使用す
る分散機は限定されないが、メディアミルが一般的であ
る。使用するメディアも限定されず、一般にはガラス、
ジルコニア等が用いられる。また、インク組成物の調製
に際しては、予め、本発明の筆記具用顔料を水等の分散
媒に均一に分散した顔料分散液としておき、さらに残り
の成分を配合してもよい。こうすることにより、インク
組成物の均一性の確保が容易となる。ここで顔料分散液
の分散媒は、インキ組成物において用いられる分散媒か
ら選択するのが望ましい。顔料分散液中にはその他分散
剤等、インク組成物中の各成分を存在させてもよい。
【0025】〔実施例〕以下、本発明を実施例により更
に具体的に説明する。なお、特に断りのない限り「部」
は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。 〔実施例1〜5、比較例1〜5〕 (1)樹脂被覆カーボンブラックの作製:表−1に物性
を示すカーボンブラックA‘〜E’を各々用い、以下の
方法により樹脂被覆カーボンブラックを作製した。
【0024】カーボンブラック540gと純水1450
0gをホモミキサーにより6,000rpmで30分間
混合処理してスラリーを調製した。一方、油化シェルエ
ポキシ社製「エピコート828」60gをトルエン60
0gに溶解してエポキシ樹脂溶液を調製した。
【0025】スクリュー型撹拌機付き容器に上記のスラ
リーを移し、約1,000rpmの撹拌条件下、上記の
エポキシ樹脂溶液を少量ずつ添加した。約15分経過
後、水に分散していたカーボンブラックは、全量トルエ
ン側に移行して約1mmの粒子となった。次いで、60
メッシュの金網で約10分間水切りを行った後、真空乾
燥機で70℃、7時間乾燥し、水とトルエンとを除去し
て樹脂で被覆したカーボンブラックA〜Eを得た。
【0026】
【表1】
【0027】なお、表−1中、全酸素量の測定は以下の
方法による。150℃で1時間乾燥したカーボンブラックを
約0.50gアルミナ製筒状容器に入れて10-3トールまで減
圧した後、1500℃±10℃の電気炉にゆっくりと装入す
る。脱離してきたガスをサンプル容器に採取した後充分
混合しガスクロマトグラフィーにかけた。分離・定量は
CO2、CO、H2、CH4としておこない、この内CO2とCOとし
て出てきた酸素コンプレックスをプラスして全酸素量と
した。
【0028】(2)インキ組成物の調製:表−2に示す
通り、カーボンブラックA’〜E’及びカーボンブラッ
クA〜Eを用い、下記の配合処方でインキ組成物を調製
した。
【0029】
【表2】
【0030】〔配合処方〕 カーボンブラック 8.5部 イオン交換水 54.0部 分散樹脂 0.5部 溶剤 25.0部 潤滑剤 2.0部 その他添加剤 10.0部 ――――――――――――――― 合計 100.0部
【0031】なお、使用した分散樹脂はスチレンアクリ
ル樹脂、溶剤はプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリンの混合物、潤滑剤はリン酸エステ
ル、その他添加剤には消泡剤、防腐剤、防錆剤、樹脂エ
マルジョンであり、それらは市販の一般的なものを用い
た。 〔比較例6〕 染料インキの処方 染料 8.0部 イオン交換水 65.0部 溶剤 25.0部 潤滑剤 1.0部 その他添加剤 1.0部 ――――――――――――――― 合計 100.0部
【0032】〔評価試験〕上記の実施例1〜5、比較例
1〜6で得られたインク組成物を用いて、以下の評価試
験を行った。
【0033】(1)経時安定性 経時安定性の評価は、室温での試験および50℃の恒温
室での加速試験により、顔料の分散粒径及び液の粘度を
測定することにより行った。顔料の分散粒径は、「コー
ルターN4Plus」(ベックマンコールター製)を用い、
信号レベルが1.0×E05〜9.0×E05になるよ
うに試料をイオン交換水にて希釈し、その希釈液を用い
て測定した。粘度は、ELD型粘度計(東機産業製)を
用い、50rpmで測定開始から1分経過後の粘度を測
定した。
【0034】顔料の分散粒径は、実施例1〜5、比較例
1〜5のインキともに、初期の粒径は150nm以下で
あり、室温及び50℃共に、3ヶ月経過後も初期の粒径の
2倍以下と安定であり、実用上問題ないことがわかっ
た。また、インキの粘度は、実施例1〜5、比較例1〜
5のインキともに、初期の粘度は5mPa・sであり、
室温及び50℃共に、3ヶ月経過後も初期の粘度の2倍以
下と安定であり、実用上問題ないことがわかった。な
お、比較例6のインキは顔料成分を含んでおらず上記の
測定方法では染料分子の大きさは検出できない。また、
粘度は初期・室温及び50℃で3ヶ月経過後共に5mP
a・s以下であった。
【0035】(2)耐摩耗性 上記のインキ組成物1.5gを、ポリプロピレン製のボ
ールペン用インキ収納部に充填し、画線機で筆記距離を
測定することにより耐磨耗性を評価した。画線機はTS
−4C型(精機工業製)を用いて、筆記角度は60°、
筆記圧は100g、筆記スピードは4m/minの条件
で測定した。結果を表−3に示す。
【0036】実施例1〜5のインクは、比較例1〜5の
インクと比較して筆記距離が1.5倍以上長く、比較例
6の染料インキ並となっていることがわかる。比較例1
〜4に関してはインキを残して筆記できなくなった。こ
れは、実施例のインクは比較例のインクと比較して、ボ
ールやチップの摩耗が少ないためと考えられる。
【0037】(3)ボール沈み量 上記のインキ組成物を耐摩耗性の測定と同様の条件で画
線機で500m筆記させた後のチップの先端部を顕微鏡
VH−7000(KEYENCE製)で観察してボール
沈みの量を測定した。結果を表−3に示す。
【0038】(4)筆記性 実施例1〜5、比較例1〜5のインキ組成物をペンに詰
め、筆記テストを行った。比較例1〜5のインクは、カ
ーボン特有のガリガリとした筆記感を有していたが、実
施例1〜5のインクではそのガリガリとした筆記感がな
く、滑らかに筆記することができた。また、20人の人
間に実際に筆記をしてもらい、書き味を評価した結果を
表−3に示す。実施例のインキのほうが、比較例のイン
キよりも書き味の評価が高いことがわかる。
【0039】(5)耐侯性 上記の組成のインキ組成物をバーコーターNo.6で普
通紙に展色し、その試験紙をキセノンフェードメーター
X25F型(スガ製)を用いて24時間光を照射させて
色の変化を目視で観確認した。結果を表−3に示す。着
色剤にカーボンブラックを使用した方が染料を使用した
ものよりも良好な結果が得られている。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明によりインキの出が染料インキ並
に優れ、しかも書き味が滑らかな筆記具用顔料インキ組
成物、並びにかかる顔料インキ組成物の調製に好適な顔
料分散液を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久 英之 兵庫県姫路市御国野町国分寺138−1 御 国色素株式会社内 Fターム(参考) 4J037 EE03 EE28 4J039 BE01 GA27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂で被覆された顔料を含有する筆記具用
    インキ組成物。
  2. 【請求項2】樹脂で被覆された顔料を含有する筆記具用
    顔料分散液。
  3. 【請求項3】樹脂で被覆された筆記具用顔料。
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