JP2003268191A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形体 - Google Patents
ポリプロピレン系樹脂組成物およびその射出成形体Info
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Abstract
の一要因である伸びに優れるポリプロピレン系樹脂組成
物およびその射出成形体を提供する。 【解決手段】 重量割合が一定の範囲であるプロピレン
−エチレンブロック共重合体と、重量割合が一定の範囲
であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの
共重合体ゴムを含む樹脂の一定の含有量に対して、含有
量が特定の範囲であるタルクを含有するポリプロピレン
系樹脂組成物、および、重量割合が一定の範囲であるプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体と、重量割合が一
定の範囲であるプロピレン単独重合体と、重量割合が一
定の範囲であるエチレンと炭素数4〜20のα−オレフ
ィンとの共重合体ゴムを含む樹脂の一定の含有量に対し
て、含有量が特定の範囲であるタルクを含有するポリプ
ロピレン系樹脂組成物、および、上記のポリプロピレン
系樹脂組成物を射出成形して得られる射出成形体。
Description
樹脂組成物およびその射出成形体に関するものである。
更に詳しくは、成形性、剛性および耐衝撃性、特に耐衝
撃性の一要因である伸びに優れるポリプロピレン系樹脂
組成物およびその射出成形体に関するものである。
軽量で、成形性がよく、剛性、耐衝撃性に優れた材料が
求められており、通常、ポリプロピレン系樹脂が用いら
れている。従来から、剛性を改良する方法としては無機
充填剤を添加する方法、また、耐衝撃性を改良する方法
としてはゴム成分を添加する方法、そして、成形性をよ
くする方法としては、MFRを大きくする方法が知られ
ている。
は、結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体とエ
チレン−プロピレン共重合体ゴムの合計100重量部に
対して無機充填剤2〜25重量部からなり、高剛性、高
成形流動を有し、塗装性、および特に低音衝撃性にすぐ
れ、かつ安価なポリプロピレン樹脂組成物が記載されて
いる。
高結晶性ポリプロピレンホモポリマー50〜98重量%
と、エチレン−プロピレンブロックコポリマー40〜1
重量%と、エラストマー18〜2重量%を含む樹脂成分
100重量部に対して、タルク0.5〜20重量部を配
合したタルク含有ポリプロピレン樹脂組成物が記載され
ている。
報に記載のポリプロピレン樹脂組成物では、エチレン−
プロピレン共重合体ゴムを用いるため、成形性、剛性お
よび耐衝撃性、特に耐衝撃性の一要因である伸びが充分
ではなく、これらの物性について、更なる改良が望まれ
ていた。また、上記特開平7−33919号公報に記載
のポリプロピレン樹脂組成物では、高結晶性ポリプロピ
レンホモポリマー50〜98重量%を用いるために、耐
衝撃性が充分ではなく、更なる改良が望まれていた。
性、剛性および耐衝撃性、特に耐衝撃性の一要因である
伸びに優れるポリプロピレン系樹脂組成物およびその射
出成形体を提供することにある。
情に鑑み、鋭意検討の結果、重量割合が一定の範囲であ
るプロピレン−エチレンブロック共重合体と、重量割合
が一定の範囲であるエチレンと炭素数4〜20のα−オ
レフィンとの共重合体ゴムを含む樹脂の一定の含有量に
対して、含有量が特定の範囲であるタルクを含有するポ
リプロピレン系樹脂組成物、および、重量割合が一定の
範囲であるプロピレン−エチレンブロック共重合体と、
重量割合が一定の範囲であるプロピレン単独重合体と、
重量割合が一定の範囲であるエチレンと炭素数4〜20
のα−オレフィンとの共重合体ゴムを含む樹脂の一定の
含有量に対して、含有量が特定の範囲であるタルクを含
有するポリプロピレン系樹脂組成物、および、上記のポ
リプロピレン系樹脂組成物を射出成形して得られる射出
成形体が、上記課題を解決できることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
チレンブロック共重合体(A−1)75〜95重量%
と、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共
重合体ゴム(B)5〜25重量%を含む樹脂100重量
部に対して、タルク(C)0.3〜2重量部を含有する
ポリプロピレン系樹脂組成物に係るものである。(但
し、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−1)
と、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共
重合体ゴム(B)を含む樹脂の全重量を100重量%と
する。)また、本発明の二は、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体(A−1)55〜94重量%と、プロピ
レン単独重合体(A−2)1〜20重量%と、エチレン
と炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体ゴム
(B)5〜25重量%を含む樹脂100重量部に対し
て、タルク(C)0.3〜2重量部を含有するポリプロ
ピレン系樹脂組成物に係るものである。(但し、プロピ
レン−エチレンブロック共重合体(A−1)と、プロピ
レン単独重合体(A−2)と、エチレンと炭素数4〜2
0のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)を含む樹脂
の全重量を100重量%とする。)そして、本発明は、
上記本発明の一または二であるポリプロピレン系樹脂組
成物を射出成形して得られる成形体に係るものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
エチレンブロック共重合体(A−1)とは、第1セグメ
ントとしてプロピレン単独重合体部分、第2セグメント
としてプロピレン−エチレンランダム共重合体部分を有
する共重合体である。
ブロック共重合体(A−1)における第1セグメントで
あるプロピレン単独重合体部分と第2セグメントである
プロピレン−エチレンランダム共重合体部分の、それぞ
れの重量割合は、第1セグメントが95〜60重量%で
あり、第2セグメントが5〜40重量%である。好まし
くは、第1セグメントが90〜65重量%であり、第2
セグメントが10〜35重量%である。(但し、プロピ
レン−エチレンブロック共重合体(A−1)の全重量を
100重量%とする。)
ト(プロピレン単独重合体部分)の分子量分布を表わす
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)比であ
るQ値(Mw/Mn)としては、流動性や、剛性と耐衝
撃性のバランスの観点から、通常、3〜5であり、好ま
しくは3.5〜4.5である。
トのアイソタクチックペンタッド分率は、剛性や耐熱性
の観点から、通常、0.97以上であり、より好ましく
は0.98以上である。
トのエチレン含量(C2')EPは、耐衝撃性の観点から、
通常、25〜55重量%であり、より好ましくは30〜
50重量%である。(但し、第2セグメントの全重量を
100重量%とする。)
は、剛性と衝撃性のバランス、ブツ部の発生や面品質の
観点から、通常、1〜6dl/gであり、より好ましく
は2〜5.5dl/gである。
は、成形性の観点から、通常、25g/10分以上であ
り、好ましくは30g/10分以上である。
特に制限されることはなく、第1セグメントであるプロ
ピレン単独重合体部分を第1工程で製造し、第2セグメ
ントであるプロピレン−エチレンランダム共重合体部分
を第2工程で製造する方法が挙げられる。そして、公知
の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造する
方法が挙げられる。公知の重合触媒としては、例えば、
チーグラー触媒やメタロセン触媒が挙げられ、公知の重
合方法としては、例えば、スラリー重合法や気相重合法
が挙げられる。
(A−2)としては、前述の本発明で用いられるプロピ
レン−エチレンブロック共重合体(A−1)の第1セグ
メントであるプロピレン単独重合体と同様のプロピレン
単独重合体を用いることができる。
20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)において
用いられる炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、
1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、
2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノ
ネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が
あげられ、好ましくは1−ヘキセン、1−オクテンであ
る。また、上記のα−オレフィンは単独で用いても良
く、2種以上を併用しても良い。
は、衝撃強度やプロピレン−エチレンブロック共重合体
に対する分散性の観点から、通常、0.3〜30g/1
0分であり、好ましくは0.5〜20g/10分であ
る。
強度やプロピレン−エチレンブロック共重合体に対する
分散性の観点から、通常、0.90g/cm3未満であ
り、好ましくは0.89g/cm3以下である。
特に制限されるものではなく、公知の重合触媒を用い
て、公知の重合方法による製造方法が挙げられる。公知
の重合触媒としては、例えば、バナジウム化合物、有機
アルミニウム化合物およびハロゲン化エステル化合物か
らなるチーグラー・ナッタ触媒系や、チタン原子、ジル
コニウム原子またはハフニウム原子に少なくとも1種以
上のシクロペンタジエニルアニオン骨格を有する基が配
位したメタロセン化合物とアルモキサンあるいはホウ素
化合物とを組み合わせた触媒系、いわゆるメタロセン触
媒系が挙げられる。公知の重合方法としては、例えば、
炭化水素化合物のような不活性有機溶媒中でエチレンと
α−オレフィンを共重合させる方法が挙げられる。
制限されるものではないが、衝撃強度、成形体の光沢や
良好な外観を得るという観点から、タルク(C)の平均
粒子径は、通常、10μm以下であり、好ましくは5μ
m以下である。ここでタルク(C)の平均粒子径とは、
遠心沈降式粒度分布測定装置を用いて水、アルコール等
の分散媒中に懸濁させて測定した篩下法の積分分布曲線
から求めた50%相当粒子径D50のことを意味する。
ても良く、ポリプロピレン系樹脂との界面接着性を向上
させ、ポリプロピレン系樹脂に対する分散性を向上させ
るために、通常知られているシランカップリング剤、チ
タンカップリング剤や界面活性剤で表面を処理して使用
しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪
酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪
酸塩類等が挙げられる。
レン系樹脂組成物は、プロピレン−エチレンブロック共
重合体(A−1)75〜95重量%と、エチレンと炭素
数4〜20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)5
〜25重量%を含む樹脂100重量部に対して、タルク
(C)0.3〜2重量部を含有する。タルクを配合する
樹脂において、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)の量が75重量%未満であると、剛性が低く
なり、95重量%を超えると、耐衝撃性が低くなる。共
重合体ゴム(B)の量が5重量%未満であると、樹脂組
成物の耐衝撃性が不十分になり、25重量%を超える
と、樹脂組成物の剛性が不十分になる。タルク(C)に
ついては、その量が0.3重量部未満であっても、2重
量部を超えても、耐衝撃性の改良効果が小さい。プロピ
レン−エチレンブロック共重合体(A−1)の量および
共重合体ゴム(B)の量は、好ましくは、それぞれ80
〜92重量%および8〜20重量%である。また、タル
ク(C)の量は、好ましくは、樹脂100重量部に対し
て0.5〜1.5重量部である。
プロピレン系樹脂は、プロピレン−エチレンブロック共
重合体(A−1)55〜94重量%と、プロピレン単独
重合体(A−2)1〜20重量%と、エチレンと炭素数
4〜20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜
25重量%を含む樹脂100重量部に対して、タルク
(C)0.3〜2重量部を含有する。タルクを配合する
樹脂において、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)の量が55重量%未満であると、剛性は低く
なり、94重量%を超えると、耐衝撃性が低くなる。プ
ロピレン単独重合体(A−2)の量が20重量%を超え
ると、樹脂組成物の耐衝撃性が不十分になる。共重合体
ゴム(B)の量が5重量%未満であると、樹脂組成物の
耐衝撃性が不十分になり、25重量%を超えると、樹脂
組成物の剛性が不十分になる。タルク(C)について
は、その量が0.3重量部未満であっても、2重量部を
超えても、耐衝撃性の改良効果が小さい。プロピレン−
エチレンブロック共重合体(A−1)の量、プロピレン
単独重合体の量(A−2)、および共重合体ゴム(B)
の量は、好ましくは、それぞれ70〜87重量%、5〜
10重量%、および8〜20重量%である。また、タル
ク(C)の量は、好ましくは、樹脂100重量部に対し
て0.5〜1.5重量部である。
造方法としては、各成分を混合し、混練する方法が挙げ
られ、混練に用いられる装置としては、一軸押出機、二
軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等が挙げられ
る。混練の温度は、通常、170〜250℃であり、時
間は,通常、1〜20分である。また、各成分の混合は
同時に行なってもよく、分割して行なってもよい。
ものではないが、例えば、次の(1)〜(5)のような
方法が挙げられる。 (1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−
1)とタルク(C)を混練した後、エチレンと炭素数4
〜20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)を添加
する方法。 (2)予め、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)にタルク(C)を高濃度に混練してマスター
バッチとし、それを別途プロピレン−エチレンブロック
共重合体(A−1)やエチレンと炭素数4〜20のα−
オレフィンとの共重合体ゴム(B)で希釈しながら混練
する方法。 (3)プロピレン−エチレンブロック共重合体(A−
1)とエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの
共重合体ゴム(B)を混練した後、タルク(C)を添加
し混練する方法。 (4)予め、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)にエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィ
ンとの共重合体ゴム(B)を高濃度に混練してマスター
バッチとし、それにプロピレン−エチレンブロック共重
合体(A−1)、タルク(C)を添加し混練する方法。 (5)予め、プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)とタルク(C)、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体(A−1)とエチレンと炭素数4〜20の
α−オレフィンとの共重合体ゴム(B)をそれぞれ混練
しておき、最後にそれらを合わせて混練する方法。ま
た、上記の(1)〜(5)の方法において、任意にプロ
ピレン単独重合体(A−2)を混合しても良い。
は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、
顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、発泡
剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、架橋剤等の添加剤を
配合しても良い。
ピレン系樹脂組成物を、公知の射出成形法によって、成
形して得られるものである。そして、本発明の射出成形
体は、特に自動車用や家電用成形体として好適に使用さ
れる。
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。実施例および比較例における物性値の測定法を
以下に示した。
位:g/10分) JIS−K−6758に規定された方法に従い、測定し
た。特に断りのない限り、測定温度は230℃であり、
荷重は2.16kgであった。
た。射出成形により成形された試験片を用いた。試験片
の厚みは3.2mmであり、スパン長さ60mm、荷重
速度5.0mm/minの条件で曲げ弾性率を評価し
た。測定温度は23℃で行った。
m2) JIS−K−7110に規定された方法に従い、測定し
た。射出成形により成形された試験片を用いた。試験片
の厚みは6.4mmであり、成形の後にノッチ加工され
たノッチ付きの衝撃強度を評価した。測定温度は23℃
で行った。
た。射出成形により成形された試験片を用いた。試験片
の厚みは3.2mm、引っ張り速度は50mm/分であ
り、破断伸び(UE)を評価した。測定は23℃で実施
した。
クトルを測定して得られるメチル基(−CH3)および
メチレン基(−CH2−)の特性吸収の吸光度を用いて
検量線法により求めた。
g) ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および
0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極
限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(198
2年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方
法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度
をゼロに外挿する外挿法によって求めた。ポリプロピレ
ンについては、溶媒としてテトラリンを用い、温度13
5℃で評価した。
より測定し、以下に示す条件で行った。 GPC:Waters社製 150C型 カラム:昭和電工社製 Shodex 80 MA 2
本 サンプル量:300μl(ポリマー濃度0.2wt%) 流量:1ml/min 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロルベンゼン 東洋曹達社製の標準ポリスチレンを用いて溶出体積と分
子量の検量線を作成した。検量線を用いて検体のポリス
チレン換算の重量平均分子量、数平均分子量を求め分子
量分布の尺度としてQ値=重量平均分子量/数平均分子
量を求めた。
(単位:%) アイソタクチック・ペンタッド分率は、A.Zambe
lliらによって、Macromolecules,
6,925(1973)に発表、記載されている方法に
従って測定した。すなわち、13C−NMRを使用して測
定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位での
アイソタクチック連鎖、換言すれば、プロピレンモノマ
ー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプ
ロピレンモノマー単位の分率を求めた。ただし、NMR
の吸収ピークの帰属に関しては、その後発刊されたMa
cromolecules,8,687(1975)に
基づいて行った。具体的には、13C−NMRスペクトル
のメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの
面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測
定した。この方法により英国NATIONAL PHY
SICAL LABORATORYのNPL標準物質
CRM No.M19−14 Polypropyle
nePP/MWD/2のアイソタクチックペンタッド分
率を測定したところ、0.944であった。
合体におけるプロピレン−エチレンランダム共重合体部
分の全ブロック共重合体に対する重量比率(X、重量
%) プロピレン−エチレンブロック共重合体において、プロ
ピレン−エチレンランダム共重合体部分の全ブロック共
重合体に対する重量比率X(重量%)は、プロピレン単
独重合体部分と全ブロック共重合体の各々の結晶融解熱
量を測定することにより、次式から計算で求めた。 X=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P (ΔHf)T:ブロック共重合体全体の融解熱量(ca
l/g) (ΔHf)P:プロピレンホモポリマー部分の融解熱量
(cal/g)
重合体部分のエチレン含量(単位:重量%) プロピレン−エチレンランダム共重合体部分のエチレン
含量は、赤外線吸収スペクトル法により全ブロック共重
合体におけるエチレン含量(重量%)で測定し、次式か
ら計算で求めた。 (C2')EP=(C2')T/X (C2')T:全ブロック共重合体におけるエチレン含量
(重量%) (C2')EP:プロピレン−エチレンランダム共重合体部
分のエチレン含量(重量%)
重合体部分の極限粘度([η]EP、単位:dl/g) プロピレン−エチレンブロック共重合体におけるプロピ
レン−エチレンランダム共重合体部分の極限粘度[η]
EPは、プロピレン単独重合体部分と全ブロック共重合体
の各々の極限粘度を測定することにより、次式から計算
で求めた。 [η]EP=[η]T/X−(1/X−1)[η]P [η]P:プロピレン単独重合体部分の極限粘度(dl
/g) [η]T:ブロック共重合体全体の極限粘度(dl/
g) なお、プロピレン−エチレンブロック共重合体の第1セ
グメントであるプロピレン単独重合体部分の極限粘度
[η]Pは、その製造時に、第一工程であるプロピレン
単独重合体部分の製造後に重合槽内より取り出し、取り
出されたプロピレン単独重合体から[η]Pを求めた。
以下に示した。 (試料) (A−1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(B
C−1) プロピレン−エチレンブロック共重合体(BC−1)と
して、住友化学工業株式会社製 WPX5343を用い
た。プロピレン単独重合体部分(第1セグメント)の分
子量分布(Q値)は4.0であり、極限粘度([η]
P)は0.93dl/gであり、アイソタクチックペン
タッド分率は0.97であり、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体部分(第2セグメント)の極限粘度
([η]EP)は5.0dl/gであり、プロピレン−
エチレンブロック共重合体(BC−1)に対する重量割
合は13.0重量%であり、エチレン含量は32.0重
量%であった。 (A−2)プロピレン単独重合体(PP−1) プロピレン単独重合体(PP−1)として、分子量分布
(Q値)が4.1であり、極限粘度([η]P)が0.
77dl/gであり、アイソタクチックペンタッド分率
が0.99であるプロピレン単独重合体を用いた。 (B)共重合体ゴム(EOR−1) デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ8200
(エチレン−1−オクテン共重合体ゴム)EOR−1の
密度は0.87g/cm3であり、MFR(190℃)
は5g/10分であった。 (C)タルク(Talc−1) 林化成社製 MWHS−T Talc−1の平均粒子径は、2.7μmであった。
組成物を次の方法で製造した。プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体(BC−1)、プロピレン単独重合体
(PP−1)、エチレン−1−オクテン共重合体ゴム
(EOR−1)およびタルク(Talc−1)を表1に
記載の組成で、ヘンシェルミキサーおよびタンブラーで
均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社
製TEX44SS−31.5BW−2V型)にて押出量
50kg/hr、スクリュー回転数900rpm、ベン
ト吸引下で、ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。
得られたポリプロピレン系樹脂組成物のMFRを測定し
た。その結果を表2に示した。
射出成形条件下で作製した。上記で得られたポリプロピ
レン系樹脂組成物を熱風乾燥器で120℃で2時間乾燥
後、東芝機械製IS150E−V型射出成形機を用い
て、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出時間
15sec、冷却時間30secで射出成形を行った。
得られた射出成形体の曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度
および破断伸びを測定した。その結果を表2に示した。
成形性(メルトフローレート)、剛性(曲げ弾性率)お
よび耐衝撃性(アイゾット衝撃強度)、特に耐衝撃性の
一要因である伸び(破断伸び)に優れるものであること
が分かる。これに対して、本発明の要件であるタルクの
配合量を満足しない比較例1〜4は、剛性(曲げ弾性
率)と耐衝撃性の一要因である伸び(破断伸び)のバラ
ンスが不充分であることが分かる。
て、成形性、剛性および耐衝撃性、特に耐衝撃性の一要
因である伸びに優れるポリプロピレン系樹脂組成物およ
びその射出成形体を得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)75〜95重量%と、エチレンと炭素数4〜
20のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25
重量%を含む樹脂100重量部に対して、タルク(C)
0.3〜2重量部を含有することを特徴とするポリプロ
ピレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】プロピレン−エチレンブロック共重合体
(A−1)55〜94重量%と、プロピレン単独重合体
(A−2)1〜20重量%と、エチレンと炭素数4〜2
0のα−オレフィンとの共重合体ゴム(B)5〜25重
量%を含む樹脂100重量部に対して、タルク(C)
0.3〜2重量部を含有することを特徴とするポリプロ
ピレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】タルク(C)の含有量が0.5〜1.5重
量部であることを特徴とする請求項1または2記載のポ
リプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィ
ンとの共重合体ゴム(B)において、α−オレフィンが
1−ヘキセンまたは1−オクテンであり、共重合ゴム
(B)の密度が0.89g/cm3以下であり、共重合
ゴム(B)の190℃でのMFRが0.5〜20g/1
0分であることを特徴とする請求項1または2記載のポ
リプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項5】ポリプロピレン系樹脂組成物のMFRが3
0〜50g/10分であることを特徴とする請求項1ま
たは2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5記載のポリプロピレン系樹脂
組成物を射出成形して得られることを特徴とする射出成
形体。
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KR20200061574A (ko) * | 2018-11-26 | 2020-06-03 | 롯데케미칼 주식회사 | Voc 방출이 저감된 사출용 폴리프로필렌계 수지 조성물 |
-
2003
- 2003-01-06 JP JP2003000142A patent/JP2003268191A/ja active Pending
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DE102010052529A1 (de) | 2009-12-15 | 2011-06-16 | Sumitomo Chemical Co. Ltd. | Verfahren zur Herstellung von einem Katalysator für die Olefinpolymerisation und von Olefinpolymer |
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