JP2003268152A - 親水性微多孔膜 - Google Patents

親水性微多孔膜

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JP2003268152A
JP2003268152A JP2002068897A JP2002068897A JP2003268152A JP 2003268152 A JP2003268152 A JP 2003268152A JP 2002068897 A JP2002068897 A JP 2002068897A JP 2002068897 A JP2002068897 A JP 2002068897A JP 2003268152 A JP2003268152 A JP 2003268152A
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microporous membrane
membrane
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solution
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JP2002068897A
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Ichiro Oguma
一郎 小熊
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生理活性物質溶液からウイルス等を有効に除
去する十分な阻止性を持ち、且つ、水濡れ性、タンパク
質非吸着性、耐汚染性等に優れた親水性微多孔膜を提供
すること。 【解決手段】 高分子微多孔膜に、1個のビニル基を有
する親水性モノマーとともに、2個以上のビニル基を有
する架橋剤を、上記親水性モノマーに対して、20mo
l%以上、1000mol%以下の割合で用いて、グラ
フト重合法によって共重合させて得られる親水性微多孔
膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウイルス等の微小
物の除去に適した親水性微多孔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、血漿分画製剤やバイオ医薬品等の
製剤を人体に投与する際に、製剤中に含まれるかもしれ
ないウイルス、および病原性タンパク質等の病原体に対
する危機感がクローズアップされており、これらを除去
する方法が必要とされている。ウイルス等の病原体を物
理的に除去する方法には、膜ろ過法がある。膜ろ過法
は、粒子の大きさに応じて分離操作を行うため、病原体
の種類、および病原体の化学的な性質や熱的性質に拘わ
らず、全ての病原体に有効である。
【0003】病原体の中でも、HIVウイルス等に代表
される感染性ウイルスによる感染は重篤な疾病を引き起
こすため、混入ウイルス除去の必要性が極めて高い。ウ
イルスの種類は、最も小さいもので直径18〜24nm
程度のパルボウイルスや直径25〜30nm程度のポリ
オウイルス等があり、比較的大きいものでは直径80〜
100nm程度のHIVウイルス等がある。このような
ウイルス群を膜ろ過法によって物理的に除去するために
は孔径10〜120nm程度の微多孔膜が必要であり、
近年、特にパルボウイルス等の小型ウイルスの除去に対
するニーズが高まっている。
【0004】一方、血漿分画製剤やバイオ医薬品の精製
に用いられるウイルス除去膜には、ウイルス除去性能だ
けではなく、アルブミンやグロブリン等の生理活性物質
の透過性が高いことが求められる。このため、孔径が数
nm程度の限外ろ過膜や、さらに孔径が小さい逆浸透膜
等はウイルス除去膜として適当でない。血漿分画製剤や
バイオ医薬品等の製剤は一般に高粘度な液体であるた
め、ろ過の際には高いろ過圧をかけて透過速度を高めた
方が工業的には生産性が高く好ましい。したがって、高
いろ過圧下において、破断、破裂、損傷、寸法変化など
が起こらない高強度な微多孔膜が必要となる。特に微小
孔径となるほど、微多孔膜にかかるろ過圧力は高くなる
傾向にあり、このような高いろ過圧に耐えるためには極
めて高い強度が要求される。
【0005】一般的に、血漿分画製剤やバイオ医薬品の
精製に用いられる微多孔膜には、親水性樹脂からなる微
多孔膜が使用されるが、水中で含水して膨潤するため、
高いろ過圧に耐えうるだけの物理的強度をもたないとい
った欠点がある。一方、物理的強度に優れた疎水性樹脂
からなる微多孔膜は、使用する際に乾燥させた状態から
アルコールや界面活性剤等による湿潤化処理が施される
ため、親水性樹脂からなる微多孔膜と比較してコストが
増加するとともに、取り扱いが面倒である。
【0006】また、疎水性樹脂からなる微多孔膜は、タ
ンパク等の吸着、膜の汚染や目詰まり等が生じやすく、
濾過速度の急激な低下を引き起こすといった欠点があっ
た。これらの欠点は膜素材の疎水性に起因しているとこ
ろが大きく、この欠点を、疎水性の分離膜に親水性を付
与することにより解決する試みがなされ、以下に示すよ
うな種々の方法が提案されている。疎水性微多孔膜に親
水性を付与する方法としては、a)親水性樹脂を混合し
た原液を用いて製膜し、膜中に親水性樹脂を残存させる
方法(特開平10−216488号公報等)、b)製膜
後、膜を親水性樹脂の溶液中に含浸して膜中に親水性樹
脂を残存させる方法(特開平5−310990号公報
等)、c)膜に物理的または化学的処理を施して膜を活
性化し、膜表面に親水性モノマーをグラフトする方法
(特開昭62−179540号公報等)等に大別され
る。
【0007】しかしながら、a)の方法では、使用時に
膜全体が膨潤するために、疎水性樹脂がもつ優れた物理
的強度が低下し、高いろ過圧力に耐えられないといった
欠点がある。また上記の方法は親水性樹脂として、疎水
性樹脂との相溶性が優れた親水性樹脂を用いることによ
って初めて製膜できるのであって、疎水性樹脂との相溶
性が劣る親水性樹脂に適用できないという問題もある。
また、b)の方法は、孔径の小さな膜に親水性樹脂を含
浸させることが困難であるため、適用される膜が比較的
大きい孔径の膜に限定される。そのため、微小なウイル
スを除去する目的の小孔径膜には適用できない。さら
に、上記の方法では孔径制御が困難なため、膜を安定に
製造することが難しく、工業規模での実施には適当でな
い。
【0008】c)親水性モノマーをグラフト重合した親
水性微多孔膜は、導入した親水化層が強度的に軟弱な構
造であるため、ウイルス等に対して十分な濾過抵抗とな
りえず、十分なウイルス除去性能が得られない。親水化
層によって孔が閉塞するのを防ぐため、重合液に微量の
架橋剤を添加するという例がある。しかしながら、その
ような方法で導入された親水化層であっても架橋密度が
低いため強度的に軟弱な構造であり、ウイルスとタンパ
クのような大きさの近い物を、高圧でろ過分離すること
が難しい。例えば、特開昭62−258711号公報に
は、ポリオレフィン、オレフィンとハロゲン化オレフィ
ン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン等の
疎水性微多孔膜に放射線を照射し、ヒドロキシル基を含
有するモノマーと、2個以上の反応性基を有する2官能
性モノマーを共重合する方法が記載されている。しかし
上記の方法では、2官能性モノマーの添加量が十分でな
いため、グラフトによって導入された親水化層が粒子阻
止性に寄与せず、十分な粒子阻止性が得られないという
問題がある。また、上記の方法では、グラフトによって
導入した親水化層が湿潤時に膨潤するため、特にウイル
ス除去膜のような孔径の小さな膜では十分なタンパク質
溶液のろ過速度が得られない等の欠点がある。
【0009】また、特表平7−505830号公報に
は、ポリプロピレン膜に、架橋剤としてポリエチレング
リコールジメタクリレートをグラフト重合する方法が記
載されているが、架橋剤のみではグラフトによって導入
された親水化層の親水性が十分ではないため、タンパク
質の吸着や閉塞を引き起こし、十分なタンパク質溶液の
ろ過速度が得られないという欠点がある。
【0010】
【課題が解決使用とする課題】本発明は、生理活性物質
溶液からウイルス等を有効に除去する十分な阻止性を持
ち、且つ、水濡れ性、タンパク質非吸着性、耐汚染性等
に優れた親水性微多孔膜を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに
至った。すなわち、本発明は、[1] 高分子微多孔膜
に、1個のビニル基を有する親水性モノマーとともに、
2個以上のビニル基を有する架橋剤を、上記親水性モノ
マーに対して、20mol%以上、1000mol%以
下の割合で用いて、グラフト重合法によって共重合させ
て得られる親水性微多孔膜、[2] 架橋剤が、数平均
分子量200以上、2000以下である[1]記載の親
水性微多孔膜、[3] 親水性モノマーが、ヒドロキシ
ル基を有する[1]又は[2]記載の親水性微多孔膜、
[4] 高分子微多孔膜の材質が、ポリオレフィン、ま
たはポリフッ化ビニリデンである[1]、[2]又は
[3]記載の親水性微多孔膜、[5] バブルポイント
法で求めた最大孔径が10〜120nmである[1]、
[2]、[3]又は[4]記載の親水性微多孔膜、
[6] 生理活性物質を含有する液体中のウイルスを除
去することに用いる[1]、[2]、[3]、[4]又
は[5]記載の親水性微多孔膜、を提供するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の高分子微多孔膜を構成す
る樹脂は、通常の圧縮、押出、射出、インフレーショ
ン、及びブロー成形等に使用する樹脂であり、例えば、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ4−メチ
ル1−ペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナ
フタレート樹脂、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレ
フタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン46等のポリアミド樹
脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、エチレン/テトラフル
オロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹
脂等のフッ素系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポ
リスルホン樹脂、及びポリアセタール樹脂等が使用でき
る。これらの中で、ポリオレフィン及びビニリデン樹脂
が好ましく、特にポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、およびポリフッ化ビニリデン樹脂は、成形加工性や
グラフト反応性が良く好ましい。
【0013】本発明における親水性微多孔膜の気孔率
は、20〜90%であり、好ましくは25〜85%、そ
してより好ましくは30〜70%である。気孔率が20
%未満であるとろ過速度が低くく好ましくない。90%
を越えるとウイルス等の除去の確実性が低下するととも
に、微多孔膜の強度も充分でなくなることから好ましく
ない。本発明における親水性微多孔膜の最大孔径は、該
親水性微多孔膜の用途によって異なり、ウィルス等の微
小物の除去には10〜120nmであることが必須であ
り、好ましくは15〜100nm、最も好ましくは20
〜70nmである。最大孔径が10nm未満ではグロブ
リン等の生理活性物質の透過性やろ過速度が低下し、1
20nmを越えると重篤な感染症を引き起こすウイルス
の除去性能が低下するため好ましくはない。ここで言う
最大孔径は、ASTM F316−86に準拠したバブ
ルポイント法で測定した値である。
【0014】本発明の親水性微多孔膜の形態は、平膜状
および中空糸状のいずれでもよい。平膜状とは、シート
状、フィルム状および平板状などの形状を指し、エンボ
ス加工などの模様を付したり、不織布や織布などを積層
することも可能である。中空糸状とは、パイプ状、チュ
ーブ状、筒状および管状などの形状を指す。本発明の親
水性微多孔膜の膜厚は、好ましくは1μm〜10mm、
さらに好ましくは5μm〜5mm、そして最も好ましく
は10μm〜1mmである。膜厚が1μm未満であると
ウイルス除去の確実性が低下するとともに、微多孔膜の
強度が充分でなく、10mmを越えると透過性能が低下
することから好ましくない。
【0015】物理的強度に優れた疎水性樹脂からなる微
多孔膜は、高いろ過圧に耐えうる反面、タンパク質等の
吸着、膜の汚染や目詰まり等が生じやすく、濾過速度の
急激な低下を引き起こす。本発明の親水性微多孔膜は、
高分子微多孔膜に、1個のビニル基を有する親水性モノ
マーとともに、2個以上のビニル基を有する架橋剤を、
上記親水性モノマーに対して、20mol%以上、10
00mol%以下の割合で用いて、グラフト重合法によ
って共重合させることにより、充分に親水化が達成され
たものである。
【0016】本発明において用いられる親水性モノマー
は、1個のビニル基を有する親水性モノマーであれば特
に限定されるものではない。2個以上のビニル基を有す
るモノマーは、たとえ親水性であってもタンパクの透過
性が低いため適当ではない。本発明における親水性モノ
マーとは、大気圧下で、25℃の純水に1容量%混合さ
せた時に均一溶解するモノマーである。例えば、ヒドロ
キシプロピルアクリレート等のヒドロキシル基を有す
る、もしくはその前駆体となる官能基を有するビニルモ
ノマー、メタクリル酸トリエチルアンモニウムエチル等
のアニオン交換基を有するビニルモノマー、メタクリル
酸スルホプロピル等のカチオン交換基を有するビニルモ
ノマー、ビニルピロリドン等のアミド結合を有するビニ
ルモノマー等が挙げられる。中でも、1個以上のヒドロ
キシル基、あるいはその前駆体となる官能基を有するビ
ニルモノマーが、タンパク質溶液の透過性が最も高いた
め、好ましい。具体的には、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアク
リル酸又はメタクリル酸と多価アルコールのエステル
類、アリルアルコール等の不飽和結合を有するアルコー
ル類、および酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のエノ
ールエステル類等が挙げられる。
【0017】本発明において使用する架橋剤は、上記親
水性モノマーと共重合しうる2個以上のビニル基を有す
る架橋剤であり、親水性モノマーと同時に膜に接触させ
ることにより導入する。本発明において使用する架橋剤
は、数平均分子量200以上、2000以下であること
が好ましく、より好ましくは数平均分子量250以上、
1000以下、最も好ましくは数平均分子量300以
上、600以下である。架橋剤の数平均分子量が200
以上、2000以下であると、タンパク質溶液の高い濾
過速度が得られ好ましい。
【0018】本発明においては、2個以上のビニル基を
する架橋剤であれば、いかなる架橋剤も使用できるが、
親水性の架橋剤が好ましい。ここで親水性の架橋剤と
は、大気圧下で、25℃の純水に1容量%混合させた時
に均一溶解する架橋剤である。本発明で用いられる架橋
剤の具体例としては、芳香族系ではジビニルベンゼン誘
導体、脂肪族系ではエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のよう
なメタクリル酸系の架橋剤、エチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の
ようなアクリル酸系の架橋剤等が挙げられる。また、ト
リメチロールプロパントリメタクリレートのような3個
の反応性基を有する架橋剤も用いることが出来る。ま
た、架橋剤は2種類以上の混合物も用いることが出来
る。本発明において、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ま
たはそれらの混合物を用いることが、タンパク質透過性
と微粒子除去性能の観点から最も好ましい。
【0019】グラフト重合法とは、電離性放射線や化学
反応等の手段によって高分子微多孔膜にラジカルを生成
させ、そのラジカルを開始点として、該膜にモノマーを
グラフト重合させる反応である。本発明において、高分
子微多孔膜にラジカルを生成させるためにはいかなる手
段も採用しうるが、膜全体に均一なラジカルを生成させ
るためには、電離性放射線の照射が好ましい。電離性放
射線の種類としては、γ線、電子線、β線、中性子線等
が利用できるが、工業規模での実施には電子線またはγ
線が最も好ましい。電離性放射線はコバルト60、スト
ロンチウム90、およびセシウム137などの放射性同
位体から、またはX線撮影装置、電子線加速器および紫
外線照射装置等により得られる。
【0020】電離性放射線の照射線量は、1kGyから
1000kGyまでが好ましい。1kGy未満ではラジ
カルが均一に生成せず、1000kGyを越えると膜強
度の低下を引き起こすことがある。グラフト重合法は一
般に膜にラジカルを生成した後、ついでそれを反応性化
合物と接触させる前照射法と、膜を反応性化合物と接触
させた状態で膜にラジカルを生成させる同時照射法に大
別される。本発明においては、いかなる方法も適用しう
るが、オリゴマーの生成が少ない前照射法が最も好まし
い。
【0021】ラジカルを生成した高分子微多孔膜と、親
水性モノマーおよび架橋剤との接触は、気相でも液相で
達成されるが、本発明においては、グラフト反応が均一
にすすむ液相で接触させる方法が好ましい方法である。
グラフト反応をさらに均一に進めるために、親水性モノ
マーおよび架橋剤はあらかじめ溶媒中に溶解させてか
ら、高分子微多孔膜と接触させることが望ましい。親水
性モノマーおよび架橋剤を溶解する溶媒としては、均一
溶解できるものであれば特に限定されない。このような
溶媒として、例えば、エタノールやイソプロパノール、
t−ブチルアルコール等のアルコール類、ジエチルエー
テルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンや
2−ブタノン等のケトン類、水、あるいはそれらの混合
物等が挙げられる。
【0022】グラフト重合は、親水性モノマーと架橋剤
を合わせた濃度で0.3容量%〜30容量%の反応液を
用い、高分子微多孔膜1gに対して10×10-5〜10
0×10-5m3の割合で反応を行うことが望ましい。該範
囲内でグラフト重合を行えば、親水化層によって孔が埋
まることもなく、均一性に優れた膜が得られる。グラフ
ト重合時の反応温度は、一般的に20℃から80℃まで
で行われるが、特に限定されるものではない。
【0023】本発明の親水性微多孔膜は、疎水性の高分
子微多孔膜に強固な架橋構造を有する親水化層を導入す
ることで、タンパク透過性と微粒子阻止性を高いレベル
で実現している。そのために、本発明においては親水性
モノマーに対して架橋剤を20mol%以上、1000
mol%以下の割合で用いて共重合させることが必須で
あり、親水性モノマーに対して架橋剤を20mol%以
上、500mol%以下の割合で用いることが好まし
く、親水性モノマーに対して架橋剤を30mol%以
上、200mol%以下の割合で用いることが最も好ま
しい。
【0024】本発明は、疎水性微多孔膜に親水化層を導
入し、高いタンパク透過性を実現する。そのために、疎
水性微多孔膜にグラフトされるグラフト率は、好ましく
は3%以上、50%以下、さらに好ましくは4%以上、
30%以下、最も好ましくは5%以上、20%以下であ
る。グラフト率が3%未満であると膜の親水性が不足
し、タンパク質の吸着にともなうろ過速度の急激な低下
を引き起こす。50%を越えると、比較的小さな孔が親
水化層によって埋まってしまい、充分なろ過速度が得ら
れない。ここで言うグラフト率とは、以下の式で定義さ
れる値である。 グラフト率(%)=(グラフト後の膜重量−グラフト前
の膜重量)/グラフト前の膜重量×100
【0025】本発明の、バブルポイント法で求めた最大
孔径が10〜120nmの親水性微多孔膜は、生理活性
物質を含有する液体からのウイルス除去に優れた性能を
発揮する。ウイルス除去性能の確認テストの方法とし
て、金コロイドに代表される代替粒子によるろ過方法
が、その原理がウイルス除去と同じようにろ過による測
定なので、ウイルス除去性能との相関性が優れていると
いった特徴をもつことから好ましい。このような目的の
ために使用できるウイルス代替モデル物質の例として
は、金コロイド粒子や、ポリスチレン・ラテックスの微
粒子などがあるが、その粒子径がウイルスの大きさに近
く、粒子径分布が狭い金コロイド粒子が望ましい。
【0026】本発明の親水性微多孔膜は、生理活性物質
を含有する液体からのウイルス除去に優れた性能を発揮
する。その他、タンパク質製剤や水中の細菌等の除去、
濃縮、または培地等に利用できる医用分離膜、薬液や処
理水等から微粒子を除去する産業プロセスフィルター、
油水分離や液ガス分離用の分離膜、上下水の浄化を目的
とする分離膜、リチウムイオン電池等のセパレーター、
及びポリマー電池用の固体電解質支持体等の広範囲な用
途に利用できるものである。
【0027】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。実施例において示される試験方法は次の通りであ
る。 (1)中空糸の膜厚 中空糸形状の微多孔膜の外径・内径は、該膜の垂直割断
面を実体顕微鏡で撮影することで求めた。膜厚は中空糸
の外直径と内直径との差の1/2として計算した。
【0028】(2)気孔率 微多孔膜の体積と重量を測定し、得られた結果から次式
を用いて、気孔率を計算した。 気孔率(%)=100×(1−重量÷(樹脂の密度×体
積)) (3)透水量 定圧デッドエンドろ過による温度25℃の純水の透過量
を測定し、膜厚、膜面積、ろ過圧力(0.1MPa)、
及びろ過時間より、次式の通りに計算して透水量とし
た。 透水量(m3/m2/秒/Pa/25μm)=ろ過量÷(膜
面積×差圧×ろ過時間×(25μm/膜厚))
【0029】(4)最大孔径 ASTM F316−86に準基したバブルポイント法
より求まるバブルポイント(N/m2 )を最大孔径(n
m)として換算した。 (5)グラフト率 グラフト前後の重量変化より、次式の通りに計算してグ
ラフト率とした。グラフト率(%)={(グラフト後の
膜重量−グラフト前の膜重量)/グラフ前の膜重量}×
100
【0030】(6)金コロイド阻止率 20nmの平均粒子径をもつ金コロイドを100ppm
含む水分散液を、ろ過圧力0.3MPa、ろ過温度25
℃の条件で定圧デッドエンドろ過を行った。ろ液を積算
ろ過量0.005(m3/m2)毎に分取し、2番目の分
取液の、波長524nmの吸光度を測定し、次式から金
コロイド除去率を算出した。 金コロイド除去率(%)=(ろ過原液の吸光度−ろ液の
吸光度)/ろ過原液の吸光度×100
【0031】(7)3%ウシ免疫グロブリン溶液のろ過
試験 ウシ免疫グロブリンは、インビトロジェン(株)製の5
wt%ウシ免疫グロブリン溶液を、大塚製薬(株)製の
生理食塩液(日本薬局方)で希釈して3wt%とし、さ
らにウイルス除去膜(旭化成(株)製 PLANOVA
35N(商品名))で前ろ過して夾雑物を除いたものを
ろ過原液として用いた。該ろ過原液をろ過圧力0.3M
Pa、ろ過温度25℃の条件で1時間、定圧デッドエン
ドろ過を行い、次式から3%ウシ免疫グロブリン溶液透
過量を算出した。 3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量(m3/m2/時)=
ろ過量÷(膜面積)
【0032】
【製造例】ポリフッ化ビニリデン樹脂(SOLVAY社
製、SOLEF1012、結晶融点173℃)40重量
%、リン酸トリフェニル60重量%からなる組成物をヘ
ンシェルミキサーを用いて70℃で攪拌混合した後、冷
却して粉体状としたものをホッパーより投入し、35m
m二軸押出機を用いて210℃で溶解混合した。続い
て、中空内部に120℃に加温したリン酸トリ(2−エ
チルへキシル)を7ml/分の速度で流しつつ、内直径
0.8mm、外直径1.2mmの環状オリフィスからな
る紡口より中空糸状に押し出し、40℃に調温された水
浴中で冷却固化させてカセに巻き取った。その後、エタ
ノールでリン酸トリフェニル及びリン酸トリ(2−エチ
ルへキシル)を抽出除去し、付着したエタノールを乾燥
除去した後、定長固定状態で130℃の熱処理を1時間
施すことによって中空糸状の微多孔膜を得た。得られた
微多孔膜の膜厚は44μm、最大孔径は約36nm、気
孔率は約59%、そして透水量は8.98×10
-10(m3/m2/秒/Pa)であった。
【0033】
【実施例1】製造例の方法で得た微多孔膜3gに対し、
グラフト重合法による親水化処理を行った。窒素雰囲気
下でコバルト60を線源として、−60℃の温度で、照
射量100kGyでγ線照射した後、反応容器に充填し
た。充填後、反応容器内を油回転ポンプで13.33P
a以下まで真空に引き、室温で15分保持した。親水性
モノマー、親水性モノマーに対して約50mol%の架
橋剤、および溶媒を混合し、グラフト反応液とした。具
体的には、0.65容量%のヒドロキシプロピルアクリ
レート(東京化成(株)社製、試薬特級)、2.17容
量%のポリエチレングリコールジメタクリレート(Al
drich社製、数平均分子量875)、25容量%の
t−ブチルアルコール(純正化学(株)社製、試薬特
級)、および72.18容量%の蒸留水を含むモノマー
溶液を窒素バブリングし、モノマー溶液から溶存酸素を
取り除いた。そして、このグラフト反応溶液2×10 -5
m3を、脱気した反応容器に吸引導入し、反応温度40℃
で2時間反応させた。
【0034】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は
9.0%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は14.
4×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は9
9.2%であった。
【0035】
【実施例2】製造例の方法で得た実施例1と同じ疎水性
微多孔膜3gに対し、グラフト法による親水化処理を行
った。窒素雰囲気下でコバルト60を線源として、−6
0℃の温度で、照射量100kGyでγ線照射した後、
反応容器に充填した。充填後、反応容器内を油回転ポン
プで13.33Pa以下まで真空に引き、室温で15分
保持した。
【0036】親水性モノマー、親水性モノマーに対して
約23mol%の架橋剤、および溶媒を混合し、グラフ
ト反応液とした。具体的には、1.10容量%のヒドロ
キシプロピルアクリレート(東京化成(株)製、試薬特
級)、1.72容量%のポリエチレングリコールジメタ
クリレート(Aldrich社製、数平均分子量87
5)、25容量%のt−ブチルアルコール(純正化学
(株)製、試薬特級)、および72.18容量%の蒸留
水を含むモノマー溶液を窒素バブリングし、モノマー溶
液から溶存酸素を取り除いた。そして、このグラフト反
応溶液2×10-5m3を、脱気した反応容器に吸引導入
し、反応温度40℃で2時間反応させた。
【0037】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は
7.5%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は17.
5×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は8
7.4%であった。
【0038】
【実施例3】製造例の方法で得られた実施例1と同じ疎
水性微多孔膜3gに対し、グラフト法による親水化処理
を行った。窒素雰囲気下でコバルト60を線源として、
−60℃の温度で、照射量100kGyでγ線照射した
後、反応容器に充填した。充填後、反応容器内を油回転
ポンプで13.33Pa以下まで真空に引き、室温で1
5分保持した。
【0039】親水性モノマー、親水性モノマーに対して
約50mol%の架橋剤、および溶媒を混合し、グラフ
ト反応液とした。具体的には、0.91容量%のヒドロ
キシプロピルアクリレート(東京化成(株)製、試薬特
級)、1.91容量%のポリエチレングリコールジメタ
クリレート(Aldrich社製、数平均分子量55
0)、25容量%のt−ブチルアルコール(純正化学
(株)製、試薬特級)、および72.18容量%の蒸留
水を含むモノマー溶液を窒素バブリングし、モノマー溶
液から溶存酸素を取り除いた。そして、このグラフト反
応溶液2×10-5m3を、脱気した反応容器に吸引導入
し、反応温度40℃で2時間反応させた。
【0040】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は
9.0%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は22.
0×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は9
8.0%であった。
【0041】
【実施例4】製造例の方法で得られた実施例1と同じ疎
水性微多孔膜3gに対し、グラフト法による親水化処理
を行った。窒素雰囲気下でコバルト60を線源として、
−60℃の温度で、照射量100kGyでγ線照射した
後、反応容器に充填した。充填後、反応容器内を油回転
ポンプで13.33Pa以下まで真空に引き、室温で1
5分保持した。
【0042】親水性モノマー、親水性モノマーに対して
約100mol%の架橋剤、および溶媒を混合し、グラ
フト反応液とした。具体的には、0.64容量%のヒド
ロキシプロピルアクリレート(東京化成(株)製、試薬
特級)、2.18容量%のポリエチレングリコールジメ
タクリレート(Aldrich社製、数平均分子量44
0)、25容量%のt−ブチルアルコール(純正化学
(株)製、試薬特級)、および72.18容量%の蒸留
水を含むモノマー溶液を窒素バブリングし、モノマー溶
液から溶存酸素を取り除いた。そして、このグラフト反
応溶液2×10-5m3を、脱気した反応容器に吸引導入
し、反応温度40℃で2時間反応させた。
【0043】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は
9.6%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は13.
2×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は9
7.7%であった。
【0044】
【実施例5】製造例の方法で得られた実施例1と同じ疎
水性微多孔膜3gに対し、グラフト法による親水化処理
を行った。窒素雰囲気下でコバルト60を線源として、
−60℃の温度で、照射量100kGyでγ線照射した
後、反応容器に充填した。充填後、反応容器内を油回転
ポンプで13.33Pa以下まで真空に引き、室温で1
5分保持した。
【0045】親水性モノマー、親水性モノマーに対して
約50mol%の架橋剤、および溶媒を混合し、グラフ
ト反応液とした。具体的には、1.24容量%のヒドロ
キシプロピルアクリレート(東京化成(株)製、試薬特
級)、1.58容量%のポリエチレングリコールジメタ
クリレート(Aldrich社製、数平均分子量33
0)、25容量%のt−ブチルアルコール(純正化学
(株)製、試薬特級)、および72.18容量%の蒸留
水を含むモノマー溶液を窒素バブリングし、モノマー溶
液から溶存酸素を取り除いた。そして、このグラフト反
応溶液2×10-5m3を、脱気した反応容器に吸引導入
し、反応温度40℃で2時間反応させた。
【0046】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は1
0.7%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は12.
4×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は8
7.9%であった。
【0047】
【比較例1】製造例の方法で得られた実施例1と同じ疎
水性微多孔膜3gに対し、グラフト法による親水化処理
を行った。窒素雰囲気下でコバルト60を線源として、
−60℃の温度で、照射量100kGyでγ線照射した
後、反応容器に充填した。充填後、反応容器内を油回転
ポンプで13.33Pa以下まで真空に引き、室温で1
5分保持した。
【0048】親水性モノマー、親水性モノマーに対して
約6mol%の架橋剤、および溶媒を混合し、グラフト
反応液とした。具体的には、1.98容量%のヒドロキ
シプロピルアクリレート(東京化成(株)製、試薬特
級)、0.84容量%のポリエチレングリコールジメタ
クリレート(Aldrich社製、数平均分子量87
5)、25容量%のt−ブチルアルコール(純正化学
(株)製、試薬特級)、および72.18容量%の蒸留
水を含むモノマー溶液を窒素バブリングし、モノマー溶
液から溶存酸素を取り除いた。そして、このグラフト反
応溶液2×10-5m3を、脱気した反応容器に吸引導入
し、反応温度40℃で2時間反応させた。
【0049】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は
8.1%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は12.
6×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は7
4.9%であった。
【0050】
【比較例2】製造例の方法で得られた実施例1と同じ疎
水性微多孔膜3gに対し、グラフト法による親水化処理
を行った。窒素雰囲気下でコバルト60を線源として、
−60℃の温度で、照射量100kGyでγ線照射した
後、反応容器に充填した。充填後、反応容器内を油回転
ポンプで13.33Pa以下まで真空に引き、室温で1
5分保持した。
【0051】親水性モノマー、親水性モノマーに対して
約6mol%の架橋剤、および溶媒を混合し、グラフト
反応液とした。具体的には、2.43容量%のヒドロキ
シプロピルアクリレート(東京化成(株)製、試薬特
級)、0.39容量%のポリエチレングリコールジメタ
クリレート(Aldrich社製、数平均分子量33
0)、25容量%のt−ブチルアルコール(純正化学
(株)製、試薬特級)、および72.18容量%の蒸留
水を含むモノマー溶液を窒素バブリングし、モノマー溶
液から溶存酸素を取り除いた。そして、このグラフト反
応溶液2×10-5m3を、脱気した反応容器に吸引導入
し、反応温度40℃で2時間反応させた。
【0052】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は
7.2%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は16.
6×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は4
9.9%であった。
【0053】
【比較例3】製造例の方法で得られた実施例1と同じ疎
水性微多孔膜3gに対し、グラフト法による親水化処理
を行った。窒素雰囲気下でコバルト60を線源として、
−60℃の温度で、照射量100kGyでγ線照射した
後、反応容器に充填した。充填後、反応容器内を油回転
ポンプで13.33Pa以下まで真空に引き、室温で1
5分保持した。
【0054】架橋剤、および溶媒を混合し、グラフト反
応液とした。具体的には、2.82容量%のポリエチレ
ングリコールジメタクリレート(Aldrich社製、
数平均分子量330)、25容量%のt−ブチルアルコ
ール(純正化学(株)社製、試薬特級)、および72.
18容量%の蒸留水を含むモノマー溶液を窒素バブリン
グし、モノマー溶液から溶存酸素を取り除いた。そし
て、このグラフト反応溶液2×10-5m3を、脱気した反
応容器に吸引導入し、反応温度40℃で2時間反応させ
た。
【0055】反応後、反応容器から膜を取り出し、エタ
ノールで繰り返し洗浄した後、60℃で10時間乾燥さ
せた。得られた膜の性能を表1に示す。グラフト率は
9.2%、3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量は5.2
×10-3m3/m2/時であり、金コロイド阻止率は9
9.1%であった。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の親水性微多孔膜によれば、高い
金コロイド除去性能とともに、高いタンパク質溶液透過
性能を発現していることから、ウイルス混入の危険性の
ある医薬品あるいはその原料の生理活性物質溶液のろ過
において、生理活性物質の透過性能とウイルスの除去性
能を実用的なレベルで両立しうる分離膜を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜の実施例および比較例における、金
コロイド阻止率と3%ウシ免疫グロブリン溶液透過量と
の関係を示す相関関係図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 255/00 C08F 255/00 259/08 259/08 // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4D006 GA07 KA12 MA01 MA03 MA22 MB09 MB16 MC22 MC23 MC28 MC29X MC48 MC54 MC82 NA23 NA42 NA44 NA59 NA62 PA01 PB55 PC41 4F074 AA15 AA16 AA20 AA38 AA44 AA46 AA55 AA64 CB28 CB34 CC22X CD11 CD17 CE55 CE56 CE84 DA43 4J026 AA11 AA12 AA13 AA26 AB08 AB18 AB22 AB28 AB40 AC36 BA28 BA29 BA40 DB36 FA09 GA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子微多孔膜に、1個のビニル基を有
    する親水性モノマーとともに、2個以上のビニル基を有
    する架橋剤を、上記親水性モノマーに対して、20mo
    l%以上、1000mol%以下の割合で用いて、グラ
    フト重合法によって共重合させて得られる親水性微多孔
    膜。
  2. 【請求項2】 架橋剤が、数平均分子量200以上、2
    000以下である請求項1記載の親水性微多孔膜。
  3. 【請求項3】 親水性モノマーが、ヒドロキシル基を有
    する請求項1又は2記載の親水性微多孔膜。
  4. 【請求項4】 高分子微多孔膜の材質が、ポリオレフィ
    ン、またはポリフッ化ビニリデンである請求項1、2又
    は3記載の親水性微多孔膜。
  5. 【請求項5】 バブルポイント法で求めた最大孔径が1
    0〜120nmである請求項1、2、3又は4記載の親
    水性微多孔膜。
  6. 【請求項6】 生理活性物質を含有する液体中のウイル
    スを除去することに用いる請求項1、2、3、4又は5
    記載の親水性微多孔膜。
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