JP2003267724A - 粘土鉱物−金属から構成される交互積層型超薄膜とその製造方法並びに金属超薄膜。 - Google Patents

粘土鉱物−金属から構成される交互積層型超薄膜とその製造方法並びに金属超薄膜。

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JP2003267724A JP2002068483A JP2002068483A JP2003267724A JP 2003267724 A JP2003267724 A JP 2003267724A JP 2002068483 A JP2002068483 A JP 2002068483A JP 2002068483 A JP2002068483 A JP 2002068483A JP 2003267724 A JP2003267724 A JP 2003267724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘土鉱物層と金属超薄膜層が交互に層状化さ
れた多層薄膜及び金属超薄膜の提供。 【解決手段】 層状構造を有する粘土鉱物の層間にカチ
オン性金属超微粒子を自己挿入し、粘土鉱物層とカチオ
ン性金属超微粒子層が交互に層状化された多層薄膜複合
体を作成し、これを加熱することにより金属超微粒子層
を溶融させ板状化し金属超薄膜層とすることを含む多層
薄膜の製造方法およびこの方法により得られる多層薄
膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘土鉱物層とカチ
オン性金属超微粒子層が交互に層状化された多層薄膜複
合体とこれらから作成される粘土鉱物層と金属超薄膜層
が交互に層状化された多層薄膜、それらの製造方法なら
びに金属超薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】金属あるいは無機の薄膜を作成するため
の技術として、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、
あるいは塊状金属の熱融解や延伸、さらにはマイクロ厚
の金属薄膜の積層体の圧延などによる方法が挙げられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法において、
前者の気相作成法ともいえる蒸着法、スパッタリング法
などでは、1〜10nm程度の一定膜厚の薄膜を作成する
ことは難しい。数nmの厚みの領域では、気相中の金属原
子は粒子を形成するため、それらが部分融合した島状構
造あるいはランダムな線状構造を持つ薄膜が形成されや
すい。界面に金属塩を固定化させ、光や化学還元によっ
て薄膜を形成させた場合も同様である。これらの場合、
厚みや形状を制御することに大きな課題を有する。
【0004】後者において、延伸法では数百nm程度の膜
厚を得るのが限界である。たとえば金箔の作成法がこれ
にあたるが、現状の技術では膜厚は数百nm程度のオーダ
ーである。さらに、圧延法においては数百nmの厚みの金
属箔を扱うため、緻密な作業を要するのみならず、使用
できる金属の種類が極めて限定される。また、融解法で
は、液化金属の表面張力のためナノメートルの厚みの薄
膜を作成することは難しい。その上、作成中に1000
℃以上の高熱を一定・均一に供給する技術が必要となっ
てくる。このような場合、作業性に困難を生じる。
【0005】さらに層状構造に着目すれば、上記方法で
は必要層数と同数のプロセスを必要とすることが多い。
また作成温度、時間、装置などの作成工程上の課題を多
く有する。
【0006】したがって、上記の問題点を改善した粘土
鉱物層と金属超薄膜層が交互に層状化(積層)された多
層薄膜及びその簡便な製造方法並びに金属超薄膜の提供
が求められている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点を克服するために鋭意検討を行った結果、熱に強い無
機材である層状構造を有する粘土鉱物を鋳型とし、これ
に超微粒子化したカチオン性金属粒子を複合化させるこ
とにより粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が交互
に層状化された多層薄膜複合体を得ることができ、さら
に、この複合体を加熱して、超微粒子のサイズの減少に
伴う融点降下現象の利用により、粘土鉱物層間に導入し
たカチオン性金属超微粒子層を1000℃(おもに50
0℃)以下の比較的低温で溶融させ板状化し金属超薄膜
層に変換することによって、粘土鉱物層と金属超薄膜層
が交互に層状化された多層薄膜を作成することができる
ことを見出した。また、この多層薄膜から粘土鉱物層を
除去することにより、金属超薄膜が作成できることを知
見した。
【0008】したがって、本発明は、第一に、粘土鉱物
層とカチオン性金属超微粒子層が交互に層状化された多
層薄膜積層体に関する。
【0009】本発明の多層薄膜複合体における粘土鉱物
は層状構造を有し、シリケート四面体シート単独あるい
はシリケート四面体シートとアルミニウム、マグネシウ
ムあるいは鉄の八面体シートとが積層した結晶構造を持
つ無機高分子化合物である。特に、層状化合物として知
られるモンモリロナイトが好ましく、これはスメクタイ
ト類に入り、シリケート四面体シートがアルミネート八
面体シートを挟んだ構造の2:1層状ケイ酸塩に属して
いる。アルミネート八面体シートでは、1個のAl3+
イオン半径のあまり違わないMg2+が置換することがあ
り、この場合は、結晶構造が大きく変化せずに化学組成
の異なった鉱物となる。この置換により電荷のバランス
が崩れ、それを補うためにアルカリ金属、アルカリ土類
金属が結晶表面あるいは、結晶層間に陽イオンとして入
っている。
【0010】粘土鉱物は一般におよそ2μmの大きさの
粒子からなり、水溶液中ではコロイドとして挙動する。
粘土鉱物はこの特徴を反映して、吸着、イオン交換、凝
集、膨潤などユニークな機能を持つ。粘土鉱物の表面は
負に帯電しており、通常、水又は水性溶媒に分散した状
態では、一枚一枚がバラバラになり、独立した粘土鉱物
の板粒子として存在する。またその表面は高いカチオン
電荷交換能を有するため、粘土鉱物の水分散中にカチオ
ン性物質を入れると電荷がキャンセルされ、層状になり
ながら沈殿する。これと同様に、粘土鉱物の分散液にカ
チオン性の金属超微粒子の水分散液を添加すると粘土板
を架橋し、層状構造を形成しながら沈殿する。
【0011】本発明の多層薄膜複合体において、粘土鉱
物層の層厚は、1層当たり、粘土鉱物の組成にもよる
が、およそ1nm程度である。
【0012】本発明の多層薄膜複合体におけるカチオン
性金属超微粒子層の金属としては、好ましくは、化学的
安定性の高い金、白金などがあげられる。この他にも
銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、
オスミウム、及び銅のいずれも使用することができる。
あるいはこれら金属の2〜3種類の合金によっても可能
である。但し、酸化されやすい銅単独ではあまり実用的
ではない。
【0013】本発明の多層薄膜複合体において、カチオ
ン性金属超微粒子は、好ましくは1.0〜20nm、より
好ましくは1.5〜5nmの平均金属粒子径(すなわち、
金属核粒子径)を有し、カチオン性金属超微粒子層(カ
チオン性被覆分子層を含めた層)は、一層当たり、2〜
25nm、好ましくは2〜10nm、さらに好ましくは4〜
10nmの膜厚を有する。本発明の多層薄膜複合体は、複
合化前の粘土鉱物の分散液中の粘土鉱物の濃度を調節す
ることにより、数層〜数十万層の間で層数を制御可能で
ある。
【0014】本発明の多層薄膜複合体の全膜厚は、50
nm〜2mm程度、好ましくは50nm〜500μm、さらに
好ましくは100〜500μmである。
【0015】本発明は、第二に、上記した多層薄膜複合
体の製造方法に関し、この方法は、層状構造を有する粘
土鉱物の層間にカチオン性金属超微粒子を自己挿入する
ことを含む。この方法は、基本的には、粘土鉱物層間へ
のカチオン性金属超微粒子の自己挿入(インターカレー
ション)に基づく。
【0016】カチオン性金属超微粒子の製造 本発明においてカチオン性金属超微粒子とする金属とし
ては、上述の通り、好ましくは、化学的安定性の高い
金、白金などがあげられる。この他にも銀、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、
及び銅のいずれも使用することができる。あるいはこれ
ら金属の2〜3種類の合金によっても可能である。但
し、酸化されやすい銅単独ではあまり実用的ではない。
【0017】本発明で用いられるカチオン性の金属超微
粒子は、金属超微粒子が硫黄原子あるいはアミン基(1
〜3級、好ましくは1〜2級アミン)を有し、同時に末
端にカチオン性のアンモニウム基、ホスホニウム基又は
スルホニウム基を持つ低分子あるいは高分子化合物によ
って被覆されたものである。金属超微粒子は、被覆分子
の硫黄又はアミンと金属との結合を介して被覆されてい
るので安定である。このようなカチオン性金属超微粒子
は、たとえば、上記した金属の塩を極性溶媒に溶かし、
これに被覆分子化合物を加え、還元することによって得
ることができる。
【0018】硫黄原子又はアミン基を含む化合物が、そ
れの硫黄又は窒素原子を介して、ナノメーターサイズの
金や銀のような金属の微粒子表面と共有結合あるいは配
位結合しながら自己組織化して該金属超微粒子の周りに
単分子膜を形成することはよく知られている。本発明で
用いるカチオン性金属超微粒子もこのような現象を利用
して形成されるものであり、その模式図を図1に示す。
【0019】本発明において金属超微粒子のカチオン性
被覆分子として、たとえば、以下の硫黄含有化合物又は
アミン含有化合物を用いることができるが、これには限
定されず、硫黄又はアミンを含む物質で金属超微粒子の
表面を安定に被覆して、粒子を形成させ、系内に余剰の
被覆分子がないものであれば使用できる。
【0020】硫黄含有化合物として: HS−(CH2n−R HS−(CH2m−NHCO−(CH2l−R HS−(CH2o−NHCO−C64−O(CH2p
R HS−C64−O(CH2q−R HS−C64−NHCO(CH2r−R およびこれらの酸化体であるジスルフィド化合物 −(S−(CH2n−R)2 −(S−(CH2m−NHCO−(CH2l−R)2 −(S−(CH2o−NHCO−C64−O(CH2p
−R)2 −(S−C64−O(CH2q−R)2 −(S−C64−NHCO(CH2r−R)2 または、アミン含有化合物として: −(−CH2−CH2−N((CH2s−R)−)t− (上記式中、n、m、l、o、p、q、r、sは独立に
1〜20の整数を表し、tは独立に2〜10の整数を表
し、R=NH3 +-,R′NH2 +-,N(CH3
3 +-,P+-,S+-であり、R′は疎水的な効果を
持たない短鎖長のアルキル基、たとえば炭素数1〜5の
アルキル基、あるいは、電荷を持たない極性官能基(た
とえばOH基)を有する前記アルキル基であり、対アニ
オンのXは、Cl,Br,I,あるいは水溶液中におい
て安定に粒子を分散することのできる有機アニオン、例
えば、CH3COO-,CH2=CHC64SO3 -,OH-
などである)が使用できる。
【0021】本発明におけるカチオン性金属超微粒子
は、被覆分子によって安定に被覆されており、粉末状態
で保存できるほどの安定性を持つ。粉末状態のカチオン
性金属超微粒子の保存中に、粒子径が変化するといった
粒子の変性は起こらない。また、粉末状態のカチオン性
金属超微粒子は、任意の濃度で水へ再分散することがで
きる。
【0022】通常、カチオン性の被覆分子を用いた金属
超微粒子の調製においては、金属表面と親和性の弱い、
セチルトリメチルアンモニウムハライドなどの界面活性
剤、あるいは四級アンモニウムを持つ高分子量化合物
(ビニル化合物、アクリル化合物)で調製される。これ
らの場合、系内に余剰な化合物を含むため、アニオン性
化合物との効果的な複合体作成を阻害し、また、粒子の
分散安定性が低下することがよく見られるので、これら
の使用は好ましくない。
【0023】本明細書でカチオン性金属超微粒子に関し
て用いられる「安定」とは、余剰の被覆分子や助剤、そ
の他還元剤あるいはその分解物などがない状態で、被覆
分子の単分子膜で覆われた金属超微粒子を粉末として採
取することができ、適切な溶媒に再分散し、その粒子
形、サイズなどを変えないことまた長期にわたって(例
えば半年以上)保存できることをいう。
【0024】カチオン性金属超微粒子の調製における金
属塩:被覆分子(硫黄又はアミン官能基換算)の量論比
は、好ましくは1: 5〜1:0.1である。調製時の金
属塩:被覆分子の仕込み比を調節することによって、金
属超微粒子の大きさを、おおよその平均粒子直径で、
1.5nm〜20nm、好ましくは1nm〜5nmに制御するこ
とができる。また、より大きな粒子径の超微粒子の作成
にはより小さな超微粒子を核として成長させるシード法
などがある。これらは同様なプロセスによって大きな粒
子を調製することができる。金属塩:被覆分子比を利用
した粒子径制御については、例えば、T. Yonezawa,K. Y
asui and N. Kimizuka, Langmuir, 2001, 17, 249、T.
Yonezawa, M. Sutoh and T. Kunitake, Chem. Lett., 1
997, 619、D. V. Leff, P. C. Ohara, J. R. Heath, an
d W. M. Gelbart, J. Pys. Chem., 1995, 99, 7036を参
照。
【0025】本発明で用いるカチオン性金属超微粒子を
調製する際の溶媒としては、金属塩および被覆分子を溶
解する極性溶媒が使用できるが、水、又は水とメタノー
ル、エタノール、DMSO、DMFなどとの混合物であ
る水性溶媒が好ましい。カチオン性金属超微粒子を調製
するのに使用する溶媒は、必ずしも、生成したカチオン
性金属超微粒子を分散させる溶媒である必要はない。使
用する溶媒によって、安定な金属超微粒子として調製さ
れる濃度は若干異なる(1〜10mM)。いずれの溶媒を
用いた場合に於いても、精製後のカチオン性金属超微粒
子の粉末が水に安定に再分散するように、金属塩濃度が
選択される。
【0026】カチオン性金属超微粒子の調製時におい
て、還元剤として例えば、水素化ホウ素ナトリウムなど
のアルカリ金属水素化ホウ素酸塩類、アンモニウム水素
化ホウ素酸塩類、ヒドラジン系化合物、ジメチルアミノ
エタノール、ジメチルエチルアミンなどの2級、3級ア
ミン化合物を用いても行なうことができる。さらに水
素、あるいはジボランなどガスを用いて行なうこともで
きる
【0027】安定なカチオン性金属超微粒子の調整は、
T. Yonezawa, S. Onoue and T. Kunitake, Chem. Let
t., 1999, 1061、T. Yonezawa, S. Onoue and N. Kimiz
uka, Langmuir, 2000, 16, 5218に報告されているが、
より高濃度にかつ安定に、あるいはより単分散な超微粒
子が調整されるように金属塩濃度、還元剤の添加方法な
どを最適化して行なうのが望ましい。
【0028】層状構造を有する粘土鉱物及び粘土鉱物層
とカチオン性金属超微粒子層が交互に層状化された多層
薄膜複合体の製造 層状構造を有する粘土鉱物及び粘土鉱物層とカチオン性
金属超微粒子層が交互に層状化された多層薄膜複合体の
製造は、層状構造を有する粘土鉱物の形成と粘土鉱物層
の層間へのカチオン性金属超微粒子の導入とを同時に行
う方法(第1の方法)と、層状構造を有する粘土鉱物を
あらかじめ調製した後に粘土鉱物層の層間にカチオン性
金属超微粒子を導入する方法(第2の方法)に大別され
る。いずれの方法も、粘土鉱物層の層間へのカチオン性
金属超微粒子の導入は、カチオン性金属超微粒子の自己
挿入(インターカレーション)を利用する。
【0029】第1の方法は、粘土鉱物の水性分散液とカ
チオン性金属超微粒子の水性分散液を混合することによ
り粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が交互に層状
化された多層薄膜複合体を得る方法である。
【0030】粘土鉱物の表面は負に帯電しており、通
常、水又は水性溶媒に分散した状態では、一枚一枚がバ
ラバラになり、独立した粘土鉱物の板状粒子として存在
する。またその表面は高いカチオン電荷交換能を有する
ため、粘土鉱物の水性分散中にカチオン性物質を入れる
と電荷がキャンセルされ、層状になりながら沈殿する。
これと同様に、粘土鉱物の水性分散液にカチオン性金属
超微粒子の水性分散液を添加すると粘土板を架橋し、層
状構造を形成しながら沈殿する。
【0031】第1の方法は、静電的な相互作用を利用す
るため、特別な操作・処理を必要としないで、カチオン
性金属超微粒子をアニオン性の粘土鉱物層間に自己挿入
させることができる。したがって、カチオン性金属超微
粒子の水性分散液および粘土鉱物の水性分散液を混ぜ合
わせることにより、層状構造を有する粘土鉱物の形成と
粘土鉱物層の層間へのカチオン性金属微粒子の導入とが
達成され、粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が交
互に層状化された多層薄膜複合体である沈殿物を得るこ
とができる。
【0032】粘土鉱物分散液は、前記したような粘土鉱
物を溶媒に分散することにより調製できる。粘土鉱物分
散液において、分散媒は、カチオン性金属超微粒子を分
散できる水又は水性溶媒(例えば、水とメタノールなど
の低級アルコールとの混合溶媒)が好ましく、粘土鉱物
の濃度は、好ましくは0.000001〜3重量%、さ
らに好ましくは0.000001〜0.3重量%であ
る。
【0033】カチオン性金属超微粒子の分散液は、前記
のようにして得たカチオン性金属超微粒子の粉末を水又
は水性溶媒に分散して得ることができ、カチオン性金属
超微粒子の濃度は、いかようにも設定できるが、好まし
くは0.0001〜30重量%、さらに好ましくは 1
〜5重量%である。
【0034】粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が
交互に層状化された多層薄膜複合体である沈殿物は、圧
延により引き伸ばし薄膜化して、あるいは粉末化して、
保存または粘土鉱物層と金属超薄膜層が交互に層状化さ
れた多層薄膜もしくは金属超薄膜の製造に使用すること
ができる。
【0035】第2の方法は、予め調製した層状構造を有
する粘土鉱物の薄膜にカチオン性金属超微粒子を自己挿
入する方法である。具体的には、上記のようにして調製
した粘土鉱物の水性分散液をリン酸(オルトリン酸、メ
タリン酸、ピロリン酸などの多価リン酸)又はリン脂質
で処理して不溶化し、得られた分散液を乾燥させること
により層状構造を有する粘土鉱物の薄膜を得、この不溶
化した層状粘土鉱物の薄膜にカチオン性金属超微粒子の
水性分散液を滴下するか又は不溶化した層状粘土鉱物の
薄膜をカチオン性金属超微粒子の水性分散液に浸漬する
ことにより粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が交
互に層状化された多層薄膜複合体を得ることができる。
この方法によっても、第1の方法と同様の多層薄膜複合
体を調製することが可能である。しかし、実際上の取り
扱いなどを加味すると第2の方法がより実用的である。
【0036】第2の方法において、リン酸処理の際のリ
ン酸の添加量は、粘土鉱物の水性分散液の総重量に対し
て、好ましくは 1〜10重量%、さらに好ましくは5
〜10重量%である。カチオン性金属超微粒子の水性分
散液は、上述のように、カチオン性金属超微粒子の粉末
を水又は水性溶媒に分散して得ることができ、カチオン
性金属超微粒子の濃度は、好ましくは0.000001
〜20重量%、さらに好ましくは0.001〜5重量%
である。また、カチオン性金属超微粒子の水性分散液の
滴下又は浸漬は、4〜100℃、好ましくは25〜10
0℃で行う。
【0037】粘土鉱物の層格子の表面は極めて均一な構
造をしており、触媒あるいは担持材料として非常に興味
がもたれている。しかし、粘土鉱物は結晶薄片が高度に
積層した構造をしているため、この活性な表面をこのま
までは利用することができない。また表面に存在する電
荷によって水を吸着しやすく、膨潤して取り扱いが困難
である。さらに触媒などとして取り扱う場合には粘土鉱
物を金属アルコキシドなどによって固定化する必要性が
ある。しかしこの場合は粘土鉱物そのものの活性を低下
させる可能性がある。
【0038】これらの問題を解決するために、粘土鉱物
層間へのピラー導入やアルキルアンモニウムなどの導入
が検討されているものの、これらの手法では粘土表面は
疎水的な環境になり、逆に水への親和性が失われること
になる。仮に、水への親水性を保持したままで粘土鉱物
そのものの物性を低下させない粘土鉱物の固定化法がで
きれば、あるいは層状粘土鉱物の二次元配向構造を維持
したままフィルム上に固定化することができれば、粘土
鉱物層間での物質の配向制御を大面積化することが可能
となる。
【0039】八面体型スメクタイト類の粘土鉱物では、
アルミニウム層が析出している結晶のエッジ部分の活性
が高いことが知られている。Madrid, Ferrisらは、スメ
クタイト類の粘土鉱物とリン酸系化合物のとの反応に於
いて特異的な反応がエッジ部分で進行することを示して
いる。またKafkafiらは、シリケート層とアルミネート
層が向かい合った構造体をしているカオリナイトに対す
るリン酸の吸着現象について検討を行い、粘土鉱物のア
ルミネート層への寄与を明らかにしている。実際、Shen
らは層状粘土鉱物間に建てたアルミニウムピラーにオル
トリン酸を作用させて、アルミニウム表面でALPO構
造が形成されることを明らかにしている。これらはアル
ミニウムに対するリン酸の活性が高いことを示してい
る。こうした現象を加味し、諌山らは、粘土鉱物をリン
酸処理することによって粘土結晶中の粘土鉱物のエッジ
間を架橋した構造ができることを示した。
【0040】第2の方法において、リン酸処理した層状
構造を有する粘土鉱物の水性分散液をキャストして風乾
させた得られた層状粘土鉱物の薄膜は、自己支持性を有
し、ピンセットなどで担持することが可能である。ま
た、分散液中の粘土鉱物の濃度や分散液キャストの方法
により、得られる層状粘土鉱物の薄膜に任意の厚みを設
定することが可能である。作成された層状粘土鉱物の薄
膜を水に浸漬すると、リン酸処理したものは粘土鉱物の
エッジ間がリン酸によって架橋されているため、再度水
に浸漬した場合においても薄膜が壊れることはなく、粘
土鉱物が層状になり、薄膜を形成している。このことか
らもキャスト−風乾と言うプロセスにより粘土板粒子が
層状に配向して薄膜を形成することが分かる。それに対
して、リン酸処理をしていないものは、積層した粘土鉱
物が再び一枚一枚が剥がれていき、水中に分散するた
め、層状薄膜の形をとどめていない。
【0041】第2の方法においては、カチオン性金属超
微粒子の分散液を浸漬または滴下することにより、層状
粘土鉱物薄膜の層間の内部に至るまで完全にカチオン性
金属超微粒子が自発的に挿入され得る。飽和状態で挿入
されたことは、浸漬溶液のカチオン性金属超粒子の濃度
減少を紫外−可視スペクトルによりモニターすることに
より確認される。
【0042】粘土鉱物層間へのカチオン性金属超微粒子
の導入量は、カチオン性金属超微粒子分散液中のカチオ
ン性金属超微粒子の濃度に大きく依存する。再現性よく
最密充填するためには、金属原子濃度で20mM以上の濃
度が必要である。さらにカチオン性金属超微粒子の導入
量は、層状粘土鉱物の薄膜の大きさ、厚さ、あるいは膨
潤状態にも大きく依存する。
【0043】層状粘土鉱物薄膜を浸漬する際に、100
℃以下でオートクレーブ処理すると粘土鉱物の層間をよ
く膨潤させることができ、カチオン性金属超微粒子を最
もよく充填できる。金属粒子径が大きな金属超微粒子か
らなるカチオン性金属超微粒子を用いる際には、熱に対
する金属超微粒子の分散安定性が異なるので加熱温度に
留意する必要性がある。平均金属粒子径が2.0nm以上
のカチオン性金属超微粒子は熱に対して極めて安定であ
り、粒子の変性が見られなかった。
【0044】上記の様にして得られた粘土鉱物層とカチ
オン性金属超微粒子層が交互に層状化された多層薄膜複
合体において、層状に配列したカチオン性金属超微粒子
間の間隔を詳細に調べると被覆分子の二分子長よりもそ
の距離が短く、高密度に粘土鉱物層間に金属超微粒子が
集積されていることがわかる。これは極度に高密度に表
面がカチオン化された金属超微粒子の特徴である。
【0045】得られた粘土鉱物層と金属超微粒子層が交
互に層状化された多層薄膜複合体は金属光沢を帯びてい
る。これは粒子が密に層間に存在するために粒子間を自
由電子がホッピングしているためと考えられる。しかし
ながらその概観はおおよそ黒色である。
【0046】本発明は、第三に、粘土鉱物層と金属超薄
膜層が交互に層状化された多層薄膜に関する。本発明の
多層薄膜における粘土鉱物は、多層薄膜複合体における
ものと同様な粘土鉱物から選択され、粘土鉱物層の層厚
は、1層当たり、粘土鉱物の組成にもよるが、およそ1
nm程度である。
【0047】本発明の多層薄膜における金属超薄膜層の
金属は、多層薄膜複合体におけるカチオン性金属超微粒
子層の金属と同様に、好ましくは、化学的安定性の高い
金、白金などから選択される。この他にも銀、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、
及び銅のいずれも使用することができる。あるいはこれ
ら金属の2〜3種類の合金によっても可能である。但
し、酸化されやすい銅単独ではあまり実用的ではない。
【0048】本発明の多層薄膜において、金属超薄膜層
は、一層当たり、1〜100nm、好ましくは1〜10n
m、さらに好ましくは1〜5nmの厚みを有する。本発明
の多層薄膜において、粘土鉱物層は、一層当たり、粘土
鉱物の組成にもよるが、およそ1nm程度の厚みを有す
る。本発明の多層薄膜は、前駆体である多層薄膜複合体
と同様にして、数層〜数十万層の間で層数を制御可能で
ある。
【0049】本発明は、第四に、上記の多層薄膜の製造
法にも関し、この方法は、第1又は第2の方法で調製さ
れた粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が交互に層
状化された多層薄膜複合体(粉末あるいは薄膜の形態で
あり得る)を前駆体として用い、これを、必要により圧
力をかけながら、150〜1000℃程度(金属種、微
粒子の粒径等によって異なる)の温度に加熱することに
より、粘土鉱物層間のカチオン性金属超微粒子層を溶融
させ、二次元面内での板状化を行なうことを含む。ここ
で、板状化とは、独立していたカチオン性金属超微粒子
が融解して、被覆分子を脱着させながら近傍の金属超微
粒子と融合し、板状になることをいう。
【0050】本発明の方法では、超微粒子に特有な金属
の融点降下現象を利用するため、比較的低温領域にてカ
チオン性金属超微粒子層からナノメートルの厚みの金属
超薄膜層への板状化が行える。各金属の加熱温度は、好
ましくは、金で150〜1050℃、銀で250〜90
0℃、白金で250〜1300℃、ルテニウムで250
〜1000℃、ロジウムで250〜1000℃、パラジ
ウムで250〜1000℃、イリジウムで250〜10
00℃、オスミウムで250〜1000℃及び銅で15
0〜800℃である。加熱温度は、金属超微粒子の粒子
径に大きく依存する。板状化の際の圧力や温度を制御す
ることで金属超微粒子の融解の程度を厳密に制御できる
ため、作成される金属超薄膜層の厚みを任意に調節する
ことが可能であり、たとえば1〜100nm、好ましくは
1〜10nm、さらに好ましくは1〜5nmの厚みとするこ
とができる。
【0051】本発明の粘土鉱物層と金属超薄膜層が交互
に積層された多層薄膜において、金属超薄膜層の厚み
は、板状化の際の加熱温度、圧力とともに、用いるカチ
オン性金属超微粒子における金属超微粒子の粒子径によ
っても影響されるので、これらを制御することでさまざ
まに変化させることができる。したがって、任意の厚み
を持つ金属層を積層した多層薄膜を作成することができ
る。こうして作成される粘土鉱物層と金属層が交互に積
層された多層薄膜は、極めて高い導電異方性を持つと考
えられる。またこのように作成された多層薄膜は、完全
に金属光沢を示す。
【0052】本発明は、第五に、ナノメートルオーダ
ー、好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜1
0nmの厚みを有する金属薄膜に関する。
【0053】粘土鉱物層と金属超薄膜層が交互に層状化
された多層薄膜においては、粘土鉱物は粘土鉱物単独の
薄膜と同様に層状に配列し、ナノメートルオーダーの厚
みの金属超薄膜層がその間に形成されている。粘土鉱物
はフッ酸に溶解するので、粉砕した多層薄膜の試料を3
0%フッ化水素酸エタノール溶液に24時間浸漬し、取
り出した後にエタノールで洗浄し、これを再度超音波分
散させることにより、ナノオーダーの厚み、たとえば1
〜100nmの厚み、好ましくは1〜10nm、さらに好ま
しくは1〜5nmの厚みと数百nm〜数μm四方の大きさを
持つ金属薄膜が得られる。金属超薄膜表面の修飾を考慮
することで、より安定な形で取り出すことができると推
測される。
【0054】本発明の粘土鉱物層とカチオン性金属超微
粒子層が相互に層状化された多層薄膜複合体、粘土鉱物
層と金属超薄膜層が相互に層状化された多層薄膜及び金
属超薄膜を図2に模式的に示す。
【0055】
【実施例】以下に、本発明を実施例により説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 カチオン性金超微粒子の調製 500mlの三口丸底フラスコに塩化金酸四水和物(HA
uCl4・(H2O)4)(MW:411.85)水溶液
(10mM)を80ml加えた。続いて、撹拌下、12−ト
リメチルアンモニオドデカンチオール(被覆分子)を塩
化金酸に対して硫黄原子換算で所定量になるように加え
た。加えた後、すぐに、激しく撹拌しながら、0.4M
の水素化ホウ素ナトリウム(MW:37.83)水溶液
20mlをペリスタルティックポンプにより滴下した。滴
下速度は、10ml/minで行なった。反応容器内は、黒茶
色〜黒赤色へと変化していった。滴下終了後、さらに数
分間撹拌を続けた。反応終了後ゆっくりと攪拌しなが
ら、これに約等量のアセトンをゆっくりと加えていき、
生成した金超微粒子のみを沈殿させた。この沈殿をメン
ブランフィルター(ADVANTECH0.1μmPTFE製)で
濾取した。続いてメタノールに分散させ、再びメンブラ
ンフィルター(ADVANTECH0.1μmPTFE製)を通
し、溶媒を留去した。イオン交換水にて再分散させ、透
析処理し、凍結乾燥により、黒色粉末を得た。 被覆分子(硫黄換算)/塩化金酸= 3:1 平均金属粒子径 2.3nm 1:1 2.8nm 0.5:1 3.6nm
【0056】実施例2 カチオン性銀超微粒子の調製 500mlの三口丸底フラスコに硝酸銀(AgNO3
(MW:168)水溶液(10mM)を80ml加えた。続
いて、撹拌下、11−トリメチルアンモニオウンデカノ
イルアミノエチルチオールブロミド(被覆分子)を硝酸
銀に対して硫黄原子換算で所定量になるように加えた。
加えた後、すぐに、激しく撹拌しながら、0.4Mの水
素化ホウ素ナトリウム(MW:37.83)水溶液20
mlをペリスタルティックポンプにより滴下した。滴下速
度は、1ml/minで行なった。反応容器内は、黒茶色〜黒
黄色へと変化していった。滴下終了後、さらに数分間撹
拌を続けた。反応終了後ゆっくりと攪拌しながら、これ
に約等量のアセトン、あるいはテトラヒドロフランをゆ
っくりと加えていき、生成した銀超微粒子のみを沈殿さ
せた。この沈殿をメンブランフィルター(ADVANTECH
0.1μmPTFE製)で濾取し、黒色粉末を得た。精
製法は実施例1と同じであった。 被覆分子(硫黄換算)/硝酸銀= 3:1 平均金属粒子径 3.5nm 1:1 4.4nm 0.5:1 4.9nm
【0057】実施例3 カチオン性パラジウム超微粒子
の調製 500mlの三口丸底フラスコに塩化パラジウムナトリウ
ム(NaPdCl4)(MW:268)水溶液(10m
M)を80ml加えた。続いて、撹拌下、ビス(11−ト
リメチルアンモニオウンデカノイルアミノエチル)ジス
ルフィドジブロミド(被覆分子)を金属塩に対して硫黄
原子換算で2:1になるように加えた。加えた後、すぐ
に、激しく撹拌しながら、0.4Mの水素化ホウ素ナト
リウム(MW:37.83)水溶液20mlをペリスタル
ティックポンプにより滴下した。滴下速度は、1ml/min
で行なった。反応容器内は、黒茶色へと変化していっ
た。滴下終了後、さらに数分間撹拌を続けた。反応終了
後ゆっくりと攪拌しながら、これに約1.5倍等量のア
セトンをゆっくりと加えていき、生成したパラジウム超
微粒子のみを沈殿させた。この沈殿をメンブランフィル
ター(ADVANTECH0.1μmPTFE製)で濾取し、黒色
粉末を得た。これを水に再分散させ、超遠心分離機によ
り(150,000G)精製した。再度水に分散し、透
析を行い、凍結乾燥により粉末化した。平均金属粒子径
=2.2nm
【0058】実施例4 カチオン性金超微粒子の調製
(加熱合成法) 50mlのナス型フラスコに塩化金酸四水和物(HAuC
4・(H2O)4)(MW:411.85)メタノール
溶液(200mM)を5ml加えた。続いてビス(11-トリ
メチルアンモニオウンデカノイルアミノエチル)ジスル
フィドジブロミド(被覆分子)を塩化金酸に対して硫黄
原子換算で5倍量になるよう5mlのメタノール溶液とし
て加えた。加えた後、すぐに溶媒を留去し。これらの沈
殿物を窒素気流気下(4Kg/cm)、電気炉内で250℃
(昇温速度20℃/min、保持時間30min)にて静置し
た。降温は、自然冷却によって行った。オレンジ色の粉
末は、黒色へと変化した。これに一度10mlのイオン交
換水を加え、再分散させた。これに3倍量のアセトンゆ
っくりと加えていき、生成した金超微粒子のみを沈殿さ
せた。この沈殿をメンブランフィルター(ADVANTECH
0.1μmPTFE製)で濾取し、黒色粉末を得た。平
均金属粒子径=1.5nm
【0059】実施例5 カチオン性金超微粒子の調製 500mlの三口丸底フラスコに塩化金酸四水和物(HA
uCl4・(H2O)4)(MW:411.85)水溶液
(5mM)を90ml加えた。続いて、撹拌下、ビス(11
−トリメチルアンモニオウンデカノイルアミノエチル)
ジスルフィドジブロミド(被覆分子)を塩化金酸に対し
て硫黄原子換算で被覆分子/金属塩=2:1になるよう
に加えた。加えた後、すぐに、コンプレックスを形成し
て橙色の懸濁液へと変化するが、その変化の際、黄色に
とどまっている時間がわずか数秒間存在する。その間に
激しく撹拌しながら、0.2Mの水素化ホウ素ナトリウ
ム(MW:37.83)水溶液15mlを一気に添加し
た。反応容器内は、黒茶色へと変化していった。さらに
数分間撹拌を続けた。反応終了後ゆっくりと攪拌しなが
ら、これに約3倍量のアセトンをゆっくりと加えてい
き、生成した超微粒子を沈殿させた。この沈殿をメンブ
ランフィルター(ADVANTECH0.1μmPTFE製)で濾
取し、粉末を得た。精製法は実施例1と同じであった。
平均金属粒子径=1.7nm
【0060】実施例6 カチオン性銀超微粒子の調製 500mlの三口丸底フラスコに硝酸銀(AgNO3
(MW:168)水溶液(10mM)を75mlを加えた。
50℃に加温し、続いて、撹拌下、ビス(11−トリメ
チルアンモニオウンデカノイルアミノエチル)ジスルフ
ィドジブロミド(被覆分子)を硝酸銀に対して硫黄原子
換算で所定量になるように加えた。加えた後、すぐに、
激しく撹拌しながら、0.4Mの水素化ホウ素ナトリウ
ム(MW:37.83)水溶液10mlを一気に加えた。
反応容器内は、黒橙色へと変化していった。滴下終了
後、さらに数分間撹拌を続けた。反応終了後ゆっくりと
攪拌しながら、これに約等量のアセトンをゆっくりと加
えていき、生成した銀超微粒子のみを沈殿させた。この
沈殿をメンブランフィルター(ADVANTECH0.1μmPT
FE製)で濾取し、金属光沢を持つ黒色粉末を得た。精
製法は実施例1と同じであった。 被覆分子(硫黄換算)/硝酸銀= 3:1 平均金属粒子径 2.5nm 1:1 3.0nm 0.5:1 4.3nm
【0061】実施例7 カチオン性銀超微粒子の調製 500mlの三口丸底フラスコに硝酸銀(AgNO3
(MW:168)水溶液(5mM)を30mlを加えた。ジ
メチルアミノエタノール20mMメタノール溶液30mlに
ビス(11−トリメチルアンモニオウンデカノイルアミ
ノエチル)ジスルフィドジブロミド(被覆分子)を硝酸
銀に対して硫黄原子換算で所定量になるように加えた。
加えた後、この溶液を反応溶液内に添加していった。反
応容器内は、黒黄色へと変化していった。滴下終了後、
さらに数分間撹拌を続けた。反応終了後ゆっくりと攪拌
しながら、これに約等量のアセトンをゆっくりと加えて
いき、生成した銀超微粒子のみを沈殿させた。この沈殿
をメンブランフィルター(ADVANTECH0.1μmPTFE
製)で濾取し、金属光沢を持つ黒色粉末を得た。精製法
は実施例1と同じであった。 被覆分子(硫黄換算)/硝酸銀= 3:1 平均金属粒子径 7.8nm 1:1 8.9nm 0.5:1 11.4nm
【0062】実施例8 カチオン性ロジウム超微粒子の
調製 500mlの三口丸底フラスコに塩化ロジウム三水和物
(RhCl3)水溶液(10mM)を80ml加えた。続い
て、撹拌下、ビス(11−トリメチルアンモニオウンデ
カノイルアミノエチル)ジスルフィドジブロミド(被覆
分子)をロジウム塩に対して硫黄原子換算で1:1にな
るように加えた。加えた後、すぐに、激しく撹拌しなが
ら、0.2Mの水素化ホウ素ナトリウム(MW:37.
83)水溶液20mlを一気に滴下した。反応容器内は、
黒茶色へと変化していった。3時間の攪拌の後、停止し
た。精製法は、パラジウムの場合に準じた。 平均金属粒子径=2.1nm
【0063】実施例9 カチオン性白金超微粒子の調製 500mlの三口丸底フラスコに塩化白金酸ナトリウム
(Na2PtCl6)(MW:268)水溶液(10mM)
を80ml加えた。続いて、撹拌下、ビス(11−トリメ
チルアンモニオウンデカノイルアミノエチル)ジスルフ
ィドジブロミド(被覆分子)を金属塩に対して硫黄原子
換算で1:1になるように加えた。加えた後、すぐに、
激しく撹拌しながら、0.4Mの水素化ホウ素ナトリウ
ム(MW:37.83)水溶液20mlを一気に加えた。
反応容器内は、黒茶色へと変化していった。3時間の攪
拌の後、停止した。精製法は、パラジウムの場合に準じ
た。 平均金属粒子径=2.0nm
【0064】実施例10 粘土鉱物層とカチオン性金属
超微粒子層が交互に層状化された多層薄膜複合体の作成
(第1の方法) モンモリロナイト(粘土鉱物)分散液は、クニピアF
0.30g(クニミネ工業、ナトリウム型、カチオン交
換量:119mg等量/100g、化学式量734)をイ
オン交換水20mlに加え、超音波分散して調製した。1
2−トリメチルアンモニオドデカンチオールブロミド被
覆金超微粒子分散液は、実施例1で調製したカチオン性
金超微粒子(平均金属粒子径2.3nm)粉末をイオン交
換水に再分散させ、紫外−可視スペクトルにより定量し
ながら、金濃度20mMになるように調製した。粘土鉱物
分散液を2mlとり、これにオルトリン酸1M水溶液を
0.5ml添加した。これにカチオン性金超微粒子分散液
を少しずつ滴下していき、僅かに上澄みが赤みを帯びる
まで添加しつづけた。生じた沈殿を濾別して、概観黒色
の粉末を得た。これをガラス基板のような固体基板には
さみ、圧着して板状化する、もしくはペレット状に広げ
るなどして薄膜化して複合体を得た。粉末のまま、複合
体として取り扱うことも可能であった。また、リン酸処
理を施すことなく複合体を調製することもできる。
【0065】実施例11 層状構造を有する粘土鉱物の
薄膜及び粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が相互
に層状化された多層薄膜複合体の作成(第2の方法) クニピアF0.30g (クニミネ工業、ナトリウム
型、カチオン交換量:119mg等量/100g、化学式
量734)をイオン交換水20mlに加え、超音波分散し
た。この分散液にオルトリン酸1M水溶液10mlを加
え、再び超音波処理した。得られた分散液は弱白色の均
一な散乱分散液であった。同様にスメクトンSA 0.
60g (クニミネ工業(株)、ナトリウム型、カチオ
ン交換量:110mg等量/100gをイオン交換水20
mlに加え、超音波分散した。この分散液にオルトリン酸
1M水溶液10mlを加え、再び超音波処理した。得られ
た分散液はかすかに白濁した色の均一な散乱分散液であ
った。(上記モンモリロナイト水分散液よりも透明感が
ある。) これらの粘土鉱物の水分散液をガラス基板上、あるいは
フルオロメンブレンフィルター上に展開させ、これを風
乾させて、リン酸架橋され水に不溶化した層状構造を有
する粘土鉱物のみからなるの薄膜を形成させた。粘土鉱
物分散液をキャストして風乾させた層状粘土鉱物の薄膜
は自己支持性を有し、ピンセットなどで担持することが
可能であった。また、粘土鉱物の濃度や分散液キャスト
の方法により、任意の厚みを設定することが可能であっ
た。リン酸処理により粘土鉱物のエッジ間がリン酸によ
って架橋されているため、再度水に浸漬した場合におい
ても薄膜が壊れることはなかった。得られた層状粘土鉱
物の薄膜は、粘土鉱物が層状になっていることが、走査
型電子顕微鏡から観察され、キャスト−風乾というプロ
セスにより粘土の板状粒子が配向して薄膜を形成してい
ることが分かった。
【0066】作成された層状粘土鉱物の薄膜をイオン交
換水に浸漬してよく洗浄した後、約60℃で乾燥し、こ
れをおよそ1cm角に切断し、すべての断片が同重量(6
mg)になるようにした。この断片をカチオン性金属超微
粒子(平均金属粒子径2.3nm)の20mM水分散液5ml
に、下記条件で浸漬することによりカチオン性金属超微
粒子の自己挿入(インターカレーション)を行った。浸
漬条件:まず層状粘土鉱物の薄膜を約40℃の水に3時
間浸漬し、膨潤させた。 続いてオートクレーブにより100℃に加温しなが
らカチオン性金属超微粒子分散液への浸漬を12時間行
い、自発挿入させた。イオン交換水により洗浄した後
に、60℃で乾燥させた;あるいは 室温でカチオン性金属超微粒子分散液への浸漬を3
日間行い、自発挿入させた。イオン交換水により洗浄し
た後に、60℃で乾燥させた。 のいずれの場合も分散液上澄み液の紫外−可視吸収
スペクトルから、上澄み液中の金属超微粒子の濃度に変
化がないことを確認した。また、浸漬前後の上澄み液中
の金属超微粒子の変化量(すなわち、層状粘土鉱物薄膜
へのカチオン性金属超微粒子の挿入量)は、のいず
れの場合もほぼ同様であった。実施例10と同様に層状
構造を有する複合体を作成することができた。薄膜の粘
土層間の内部に至るまで完全にカチオン性金属超微粒子
が挿入されており、浸漬溶液の粒子濃度の減少を紫外−
可視スペクトルによりモニターし、飽和状態にあること
を確認した。再現よくカチオン性金属超微粒子を充填す
るためには、金属原子濃度で20mM以上の浸漬濃度が好
ましい。本実施例で用いた平均金属粒子径2.3nmのカ
チオン性金超微粒子は熱に対して極めて安定であった。
【0067】得られた粘土鉱物層とカチオン性金属超微
粒子層の多層薄膜複合体においては、層状に配列したカ
チオン性金属超微粒子の金属超微粒子核間の平均間隔
(エッジからエッジまでの距離)が被覆分子の二分子長
(約3.7nm)よりも短い約3.0nmであり、カチオン
性金属超微粒子が高密度に粘土鉱物層間に集積され、カ
チオン性金属超微粒子層を形成していることがわかっ
た。これは極度に高密度に表面がカチオン化された金属
超微粒子の特徴である。粘土鉱物層とカチオン性金属超
微粒子層が相互に層状化された多層薄膜複合体は金属光
沢を帯びていた。これはカチオン性金属超微粒子が密に
粘土鉱物層間に存在するために超微粒子間を自由電子が
ホッピングしていると考えられる。しかしながらその概
観はおおよそ黒色であった。
【0068】実施例12 粘土鉱物層と金属超薄膜層が
交互に層状化された多層薄膜の作成 実施例10又は11で作成した粘土鉱物層とカチオン性
金属超微粒子層が交互に層状化された多層薄膜複合体
(粉末あるいは薄膜)を、マイカ、ガラスなどの平滑な
板にはさんで、圧力を加えながらあるいは圧力を加えな
いで、所定温度に電気炉を用いて加熱してカチオン性金
属超微粒子層を溶融させ、二次元面内での板状化を行な
った。板状化に用いたカチオン性金属超微粒子はカチオ
ン性金超微粒子で、金属超微粒子(金属核)部分の径が
それぞれ1.5、2.3、3.6nmのものを用いた。板
状化を行う条件は、以下のように設定した。加熱温度を
500℃、300℃、150℃および25℃(室温)、
圧力を5.0kg/cm2、0.5kg/cm2および0.5kg/cm2
(圧力無し)で行った。昇温方法については、すべて統
一し、20℃/min、保持時間30分間、冷却は電気炉内
で室温に下がるまで放置して行った。作成された金属超
薄膜の厚みは透過型電子顕微鏡により直接測定し、無作
為に選択した約300個所の厚みを測定し、平均の厚み
を算出した。板状化の条件及び結果を表1〜表3に示し
た。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】表1〜表3から、カチオン性金属超微粒子
中の金属核の平均粒子径が1.5nmの場合、温度150
℃以上で板状化され、2.3nm及び3.6nmの場合の場
合、温度300℃以上で板状化され薄膜となったことが
分り、いずれの場合も、25℃では粒子が変化せずに残
るか、あるいは一部に融着がある粒子が残り、板状化さ
れなかった。金属核の平均粒子径が小さいほど板状化に
必要な最低温度が低下する。また、表1〜表3からは、
板状化の際の圧力が高いほど、得られる金属超薄膜層の
厚みが小さくなることが分る。本実施例の金の場合と同
様な関係が他の金属を用いた場合にもあてはまるので、
金以外の金属も金と同様にして板状化が可能である。
【0073】このように作成された粘土鉱物層と金属超
薄膜層が交互に層状化された多層薄膜は、金属光沢を示
した。実施例1の2.3nmの金超微粒子を用いて得られ
た、粘土鉱物層と金属超薄膜層が交互に層状化された多
層薄膜の断面の走査型電子顕微鏡写真を図3に示した。
層状粘土鉱物単独の薄膜と同様に層状に配列しているこ
とが分かる。実際にナノメートルの厚みを有する板状金
属層が生成されていることを検証するために、作成した
多層薄膜を破砕し、超音波照射により水中に分散させ、
これを試料として透過型電子顕微鏡観察を行なった。図
4にその顕微鏡写真を示す。重金属である金であるにも
かかわらず、透過型電子顕微鏡の電子線が透過するほど
の厚さにあり、幾枚かの層が重なっていることが分か
る。このような電子線の透過現象は、層の厚みが数nm程
度であることを意味している。粘土鉱物のみのものとは
コントラストが大きく異なるため観察しやすい。これら
の結果は断面方向の観察結果と一致している。さらに、
電子線回折法を用いて、制限視野絞りにより図4中央の
黒く見える板状物質のみに電子線を絞り、その回折像を
観察した結果、金のFCC結晶格子由来した周期に相当
するスポット(111)、(200)、(220)、
(311)、(400)が観測され、このことから、板
状物質が金であることが示された。
【0074】実施例13 金属超薄膜の作成 実施例12で得た多層薄膜を粉砕した後、粘土鉱物層を
溶解するために、30%フッ化水素酸エタノール溶液に
24時間浸漬した。取り出した破砕多層薄膜をエタノー
ルで洗浄し、これを再度超音波分散させた。粘土鉱物成
分をフッ化水素酸で溶解し除去した再分散物の透過型電
子顕微鏡写真を図5に示す。図4と同様に重なりのある
部分が観察されたが、フッ化水素酸処理前の図4に比べ
ると重なりの部分が極めて少なくなっている。粘土鉱物
層が溶解し、金属超薄膜層がバラバラになったため、一
枚〜数枚重なった金属超薄膜が観察された。金属超薄膜
中にはコントラストが異なる部分が観察されるが、これ
は結晶方向が異なるためであり、生成した一枚の金属超
薄膜は多結晶性を持つことがわかる。観察されたこの金
属超薄膜に関しても電子線回折により金であることが示
された。数ナノメートルの厚みを持つ金属薄膜を一枚で
取り出すことが可能であった。表面の修飾をより考慮す
ることで、安定な形で取り出すことができると推測され
る。金以外の金属の超薄膜も、金と同様にして、調製が
可能である。
【0075】
【発明の効果】本発明の製造方法は、従来法に比べ、簡
便性(時間、装置など)あるいは安全性に優れ、得られ
る多層薄膜の厚みの制御などが温度や圧力で容易にコン
トロールでき、従来法では得られなかった金属超薄膜層
が積層された多層薄膜及び金属超薄膜が製造できる。本
発明の多層薄膜および金属超薄膜は、以下のような効果
・応用が期待できる。何万、何十万層にも及ぶ絶縁体−
伝導体の積層構造を持つため、ナノコンデンサー、また
超異方伝導性を有する薄膜の作成が簡単に作成できる。
具体的に解釈されることのなかったナノメートルの厚み
を持つ金属板の電気伝導性挙動(ナノメートル次元の平
面金属板では通常の塊状状態と異なる可能性が大きい)
が解明される。さらには積層方向における電子ホッピン
グ挙動など少数電子のトンネル現象(電子のしみ出し)
の機構を量子論的に解釈することが可能となるこれまで
はほとんどが球状あるいは棒状の物質のでなされていた
光学特性の解明が金属ナノ板の光学特性を検討すること
が可能となる。さらには金属のナノ加工が可能となる。
例えば作成したナノメートル厚みの金属板を丸めること
によて金属製のナノチューブを作ることが可能になる。
この場合、金属表面への修飾が比較的簡単なことを利用
してエネルギー貯蔵や微細な反応場、あるいは分離場と
して用いることが可能となる。ナノ金属のマニピュレー
ション技術が展開されるとナノ電極の作成に用いること
が出来る。こうした観点からは、異材料表面に超薄膜で
コートすることによりアクチュエータなど未来材料に使
用できる可能性を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるカチオン性金属超微粒子の模式
図である。
【図2】本発明における、層状構造を有する粘土鉱物
(4)、粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が交互
に層状化された多層薄膜複合体(6)、粘土鉱物層と金
属超薄膜層が交互に層状化された多層薄膜(8)及び金
属超薄膜(9)の模式図である。
【図3】本発明の多層薄膜の断面の走査型電子顕微鏡写
真である。
【図4】本発明の多層薄膜を破砕し、水中に分散させた
試料の透過型電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の金属超薄膜の透過型電子顕微鏡写真で
ある。
【符号の説明】
1: カチオン性金属超微粒子 2: 金属超微粒子(金属核) 3: カチオン性被覆分子 4: 層状構造を有する粘土鉱物 5: 粘土鉱物層 6: 粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層が交互に
層状化された多層薄膜複合体 7: カチオン性金属超微粒子層 8: 粘土鉱物層と金属超薄膜層が交互に層状化された
多層薄膜 9: 金属超薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾上 慎弥 千葉県木更津市潮見5−1−2 協立化学 産業株式会社木更津研究所内 Fターム(参考) 4F100 AB01B AB01D AB24 AB25 AC03A AC03C AC03E BA05 BA06 BA08 BA10A BA10E DE01B DE01D GB41 4G073 BA41 BA45 BA46 BA49 BA50 BD15 CA06 CM01 CM07 CM14 CM15 CN08 4K017 AA06 BA02 BA05 BB17 CA08 DA08 DA09 EC01 EH15 EJ01 EK08 FB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘土鉱物層とカチオン性金属超微粒子層
    が交互に層状化された多層薄膜複合体。
  2. 【請求項2】 層状構造を有する粘土鉱物の層間にカチ
    オン性金属超微粒子を自己挿入することを含む、請求項
    1に記載の多層薄膜複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 粘土鉱物層と金属超薄膜層が交互に層状
    化された多層薄膜。
  4. 【請求項4】 層状構造を有する粘土鉱物の層間にカチ
    オン性金属超微粒子を自己挿入し、粘土鉱物層とカチオ
    ン性金属超微粒子層が交互に層状化された多層薄膜複合
    体を作成し、これを加熱することにより金属超微粒子層
    を溶融させ板状化し金属超薄膜層とすることを含む、請
    求項3に記載の多層薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 1〜100nmの厚みを有する金属薄膜。
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