JP2003266527A - 多層ブロー成形容器 - Google Patents

多層ブロー成形容器

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JP2003266527A JP2002076455A JP2002076455A JP2003266527A JP 2003266527 A JP2003266527 A JP 2003266527A JP 2002076455 A JP2002076455 A JP 2002076455A JP 2002076455 A JP2002076455 A JP 2002076455A JP 2003266527 A JP2003266527 A JP 2003266527A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共押出ダイレクトブロー成形により、芯層に
ポリグリコール酸層が配置され、内外層に熱可塑性ポリ
エステル樹脂層が配置され、しかも芯層のポリグリコー
ル酸層が内外層の熱可塑性ポリエステル樹脂層により完
全に埋め込まれているガスバリア性が顕著に優れた多層
ブロー成形容器を提供すること。 【解決手段】 内外層に熱可塑性ポリエステル樹脂層が
配置され、芯層にポリグリコール酸層が配置され、必要
に応じて各層間に接着性樹脂層が配置された層構成を有
する多層ブロー成形容器である。熱可塑性ポリエステル
樹脂の固有粘度が0.5〜1.5dl/gの範囲内で、
ポリグリコール酸の温度240℃、剪断速度100se
-1で測定した溶融粘度が100〜5,000Pa・s
である。多層ブロー成形容器は、各樹脂の共押出ダイレ
クトブロー成形により成形され、ピンチオフ部を含む容
器全体において、芯層のポリグリコール酸層が内外層の
熱可塑性ポリエステル樹脂層により完全に埋め込まれて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層ブロー成形容
器に関し、さらに詳しくは、芯層にガスバリア性に優れ
たポリグリコール酸層を配置し、内外層に熱可塑性ポリ
エステル樹脂層を配置し、かつ、多層共押出ダイレクト
ブロー成形により成形されてなる多層ブロー成形容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】ダイレクトブロー成形は、押出機にて樹
脂を加熱溶融し、円型ダイより円筒状にパリソンを押出
し、該パリソンを直接に割型で挟んで、パリソンの下部
をピンチオフすると共に融着させ、溶融状態のまま内部
に圧縮空気を吹き込み、冷却した金型壁までブローし、
冷却して成形する方式である。ダイレクトブロー成形に
よれば、未延伸のブロー成形容器が得られる。
【0003】ダイレクトブロー成形におけるパリソンの
押出性には、ダイスウエル、ドローダウン、臨界剪断速
度、溶融張力などの樹脂の粘弾性特性が関係している。
ダイレクトブロー成形を行なう場合、これらの特性があ
る範囲内にあることが必要である。ダイレクトブロー成
形が行なわれる樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどが代表
的なものである。
【0004】高温において溶融粘度が特に低くなるポリ
エチレンテレフタレート(PET)は、溶融状態にある
パリソンのドローダウンが大きいため、ダイレクトブロ
ー成形に適していない。そのため、PETは、もっぱら
インジェクションブロー成形によりブロー成形容器に成
形されてきた。
【0005】インジェクションブロー成形は、コアとキ
ャビティ型で構成される閉鎖空間内に溶融樹脂を射出す
ることにより有底パリソン(プリフォーム)を形成し、
吹込み型内でブローして成形する方式である。ホットパ
リソン法では、プリフォームが冷却固化していない状態
で調温工程に移し、その後ブロー成形する。コールドパ
リソン法では、室温にまで冷却したプリフォームを再加
熱して調温してから、ブロー成形する。コールドパリソ
ン法では、延伸ブロー成形されるのが一般的である。
【0006】インジェクションブロー成形では、溶融張
力の低いPETでも、ドローダウンの問題が発生しな
い。インジェクションブロー成形によれば、二軸延伸ブ
ロー成形容器を得ることができる。また、インジェクシ
ョンブロー成形によれば、ピンチオフ部が形成されな
い。しかし、インジェクションブロー成形は、金型が高
価であること、容器形状に制約を受けることなどの欠点
がある。また、インジェクションブロー成形により多層
ブロー成形容器を製造する場合、多層プリフォームを形
成するための条件設定が難しい。
【0007】近年、固有粘度(IV)の大きいPETが
開発されており、ダイレクトブロー成形も試みられてい
る。しかし、PETのダイレクトブロー成形によって得
られるブロー成形容器は、未延伸かつ単層のブロー成形
容器であるため、酸素ガスバリア性及び炭酸ガスバリア
性が大幅に不足している。このようなPET製の単層ブ
ロー成形容器は、例えば、炭酸飲料、果汁飲料、ビール
など飲料や食品の容器としては、長期保存性に劣り、満
足できる性能を有するものではない。さらに、IV値が
大きいPETであっても、高温での溶融粘度が低いた
め、必ずしもダイレクトブロー成形に適しているとはい
えない。
【0008】一方、ポリグリコール酸は、酸素ガスバリ
ア性、炭酸ガスバリア性に優れた樹脂材料として知られ
ている。本件出願人は、特開平10−138371号公
報において、芯層にポリグリコール酸層を配置し、その
両面に熱可塑性樹脂層を配置した層構成を有する多層中
空容器を提案している。該公報には、熱可塑性樹脂とし
て、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタンなどと共
に、ポリエステルも例示されている。
【0009】該公報の実施例4には、ポリグリコール酸
からなる芯層の両面に、接着性樹脂層を介して、PET
層を配置した層構成を有する多層中空容器の製造例が示
されている。その製造方法は、ポリグリコール酸、PE
T、及び接着性樹脂を3種5層用共射出成形機に供給
し、プリフォーム金型内に射出して、プリフォーム(有
底パリソン)を形成し、冷却固化する方法である。次
に、このプリフォームを再加熱した後、吹込み型内に挿
入し、延伸ブロー成形して多層中空成形品としている。
この成形法は、コールドパリソン法によるインジェクシ
ョンブロー成形であり、延伸された多層中空容器が得ら
れる。該公報には、ポリグリコール酸とPETを用い
て、ダイレクトブロー成形により多層ブロー成形容器を
製造した具体例は示されていない。
【0010】ポリグリコール酸は、生分解性ポリマーで
あって、水分と接触すると加水分解されやすい。そのた
め、多層ダイレクトブロー成形により、芯層にポリグリ
コール酸層を配置した多層ブロー成形容器を製造する場
合、ピンチオフ部などでポリグリコール酸層が一部でも
露出すると、そこからポリグリコール酸の分解や劣化が
開始して、ガスバリア性が低下する。ポリグリコール酸
層は、他の熱可塑性樹脂層によって完全に埋め込まれて
いることが必要となる。
【0011】PETなどの熱可塑性ポリエステル樹脂
は、一般に、ダイレクトブロー成形に適していないた
め、ポリグリコール酸と組み合わせて、共押出ダイレク
トブロー成形により多層ブロー成形品を製造すること
は、極めて困難であると考えられていた。何故ならば、
ダイレクトブロー成形時に、多層パリソンの熱可塑性ポ
リエステル樹脂層がドローダウンすると、ブロー成形が
困難になるだけではなく、芯層のポリグリコール酸層が
露出したり、あるいはピンチオフ部でポリグリコール酸
層が露出したりする可能性が大きいと予測されたからで
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、共押
出ダイレクトブロー成形により、芯層にガスバリア性に
優れたポリグリコール酸層が配置され、内外層に熱可塑
性ポリエステル樹脂層が配置され、しかも芯層のポリグ
リコール酸層が内外層の熱可塑性ポリエステル樹脂層に
より完全に埋め込まれている多層ブロー成形容器を提供
することにある。
【0013】より具体的に、本発明の目的は、多層共押
出ダイレクトブロー成形により、ポリエチレンテレフタ
レートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂により内外層が
形成され、ポリグリコール酸により芯層が形成され、ガ
スバリア性が顕著に優れた多層ブロー成形容器を提供す
ることにある。
【0014】本発明らは、前記目的を達成するために鋭
意研究した結果、固有粘度(IV)が特定の範囲内にあ
る熱可塑性ポリエステル樹脂と溶融粘度が特定の範囲内
にあるポリグリコール酸とを組み合わせて、内外層に熱
可塑性ポリエステル樹脂層を配置し、芯層にポリフリコ
ール酸層を配置することにより、共押出ダイレクトブロ
ー成形により多層ブロー成形容器の得られることを見出
した。
【0015】さらに、驚くべきことに、IV値が小さい
熱可塑性ポリエステル樹脂と溶融粘度の大きいポリグリ
コール酸とを組み合わせて使用するか、あるいはIV値
が大きい熱可塑性ポリエステル樹脂と溶融粘度が小さい
ポリグリコール酸とを組み合わせて使用することによ
り、多層共押出ダイレクトブロー成形により、熱可塑性
ポリエステル樹脂のドローダウンが発生することなく、
多層ブロー成形容器を得ることができることが判明し
た。
【0016】ピンチオフ部をV字型ピンチオフ形状やT
字型ピンチオフ形状などにすることにより、ピンチオフ
部を含む容器全体において、芯層のポリグリコール酸層
が内外層の熱可塑性ポリエステル樹脂層により完全に埋
め込まれた構造の多層ブロー成形容器を得ることができ
る。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至っ
たものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内外層
に熱可塑性ポリエステル樹脂層が配置され、芯層にポリ
グリコール酸層が配置され、必要に応じて各層間に接着
性樹脂層が配置された層構成を有する多層ブロー成形容
器であって、(a)内外層を形成する熱可塑性ポリエス
テル樹脂が、ASTM D−4603に準拠して測定し
た固有粘度が0.5〜1.5dl/gの範囲内の熱可塑
性ポリエステル樹脂であり、(b)芯層を形成するポリ
グリコール酸が、温度240℃、剪断速度100sec
-1で測定した溶融粘度が100〜5,000Pa・sの
ポリグリコール酸であり、かつ、(c)多層ブロー成形
容器が、各樹脂の共押出ダイレクトブロー成形により成
形された容器であり、ピンチオフ部を含む容器全体にお
いて、芯層のポリグリコール酸層が内外層の熱可塑性ポ
リエステル樹脂層により完全に埋め込まれていることを
特徴とする多層ブロー成形容器が提供される。
【0018】また、本発明によれば、内外層に熱可塑性
ポリエステル樹脂層が配置され、芯層にポリグリコール
酸層が配置され、必要に応じて各層間に接着性樹脂層が
配置された層構成を有する多層ブロー成形容器であっ
て、(a)内外層を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂
が、ASTM D−4603に準拠して測定した固有粘
度が0.9dl/g未満の熱可塑性ポリエステル樹脂で
あり、(b)芯層を形成するポリグリコール酸が、温度
240℃、剪断速度100sec-1で測定した溶融粘度
が500〜5,000Pa・sのポリグリコール酸であ
り、かつ、(c)多層ブロー成形容器が、各樹脂の共押
出ダイレクトブロー成形により成形された容器であり、
ピンチオフ部を含む容器全体において、芯層のポリグリ
コール酸層が内外層の熱可塑性ポリエステル樹脂層によ
り完全に埋め込まれていることを特徴とする多層ブロー
成形容器が提供される。
【0019】さらに、本発明によれば、内外層に熱可塑
性ポリエステル樹脂層が配置され、芯層にポリグリコー
ル酸層が配置され、必要に応じて各層間に接着性樹脂層
が配置された層構成を有する多層ブロー成形容器であっ
て、(a)内外層を形成する熱可塑性ポリエステル樹脂
が、ASTM D−4603に準拠して測定した固有粘
度が0.9dl/g以上の熱可塑性ポリエステル樹脂で
あり、(b)芯層を形成するポリグリコール酸が、温度
240℃、剪断速度100sec-1で測定した溶融粘度
が100Pa・s以上500Pa・s未満のポリグリコ
ール酸であり、かつ、(c)多層ブロー成形容器が、各
樹脂の共押出ダイレクトブロー成形により成形された容
器であり、ピンチオフ部を含む容器全体において、芯層
のポリグリコール酸層が内外層の熱可塑性ポリエステル
樹脂層により完全に埋め込まれていることを特徴とする
多層ブロー成形容器が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】1.ポリグリコール酸 本発明で使用するポリグリコール酸は、下記式(1)
【0021】
【化1】
【0022】で表わされる繰り返し単位を含有する単独
重合体または共重合体である。ポリグリコール酸中の式
(1)で表わされる繰り返し単位の含有割合は、60重
量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは
80重量%以上であり、その上限は、100重量%であ
る。式(1)で表わされる繰り返し単位の含有割合が少
なすぎると、ガスバリア性や耐熱性が低下する。
【0023】ポリグリコール酸には、式(1)で表わさ
れる繰り返し単位以外の繰り返し単位として、例えば、
下記式(2)乃至(6)で表わされる少なくとも1つの
繰り返し単位を含有させることができる。
【0024】
【化2】
【0025】(式中、n=1〜10、m=0〜10)、
【0026】
【化3】
【0027】(式中、j=1〜10)、
【0028】
【化4】
【0029】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。k
=2〜10)、
【0030】
【化5】
【0031】及び
【0032】
【化6】
【0033】これらの式(2)乃至(6)で表わされる
その他の繰り返し単位を1重量%以上の割合で導入する
ことにより、ポリグリコール酸の単独重合体の融点を下
げることができる。ポリグリコール酸の融点を下げれ
ば、加工温度を下げることができ、溶融加工時の熱分解
を低減させることができる。また、共重合により、ポリ
グリコール酸の結晶化速度を制御して、加工性を改良す
ることもできる。共重合体中のその他の繰り返し単位の
含有割合が大きくなりすぎると、ポリグリコール酸が本
来有している結晶性が損われ、ガスバリア性などに悪影
響を及ぼすことがある。
【0034】ポリグリコール酸は、グリコール酸の脱水
重縮合、グリコール酸アルキルエステルの脱アルコール
重縮合、グリコリドの開環重合などにより合成すること
ができる。これらの中でも、グリコリドを少量の触媒
(例えば、有機カルボン酸錫、ハロゲン化錫、ハロゲン
化アンチモン等のカチオン触媒)の存在下に、約120
℃から約250℃の温度に加熱して、開環重合する方法
によってポリグリコール酸(「ポリグリコリド」ともい
う)を合成する方法が好ましい。開環重合は、塊状重合
法または溶液重合法によることが好ましい。
【0035】ポリグリコール酸の共重合体を合成するに
は、上記の各合成方法において、コモノマーとして、例
えば、シュウ酸エチレン、ラクチド、ラクトン類(例え
ば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ピバ
ロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、βーメチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラク
トンなど)、トリメチレンカーボネート、及び1,3−
ジオキサンなどの環状モノマー;乳酸、3−ヒドロキシ
プロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシ
ブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシ
カルボン酸またはそのアルキルエステル;エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオール
と、こはく酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸また
はそのアルキルエステルとの実質的に等モルの混合物;
またはこれらの2種以上を、グリコリド、グリコール
酸、またはグリコール酸アルキルエステルと適宜組み合
わせて共重合すればよい。
【0036】これの中でも、共重合させやすく、かつ物
性に優れた共重合体が得られやすい点で、ラクチド、カ
プロラクトン、トリメチレンカーボネートなどの環状化
合物;乳酸などのヒドロキシカルボン酸などが好まし
い。コモノマーは、全仕込みモノマーの通常45重量%
以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10
重量%以下の割合で使用する。コモノマーの割合が大き
くなると、生成する重合体の結晶性が損なわれやすくな
る。ポリグリコール酸は、結晶性が失われると、耐熱
性、ガスバリヤー性、機械的強度などが低下する。
【0037】本発明で使用するポリグリコール酸は、J
IS K−7126に準拠して温度23℃と相対湿度
(RH)80%の条件下で測定した酸素ガス透過係数
(PO2)が5.0×10-14cm3・cm/cm2・se
c・cmHg以下であることが好ましい。ポリグリコー
ル酸の酸素ガス透過係数が大きすぎると、酸素ガスバリ
ア性に優れた多層ブロー成形容器を得ることが困難にな
る。本発明で使用するポリグリコール酸の酸素ガス透過
係数は、1.0×10-14〜5.0×10-14cm 3・c
m/cm2・sec・cmHgの範囲内にあることが好
ましい。
【0038】本発明で使用するポリグリコール酸は、温
度40℃、90%RHの条件下で測定した透湿度が2〜
20g/m2・dayの範囲内にあることが好ましい。
ポリグリコール酸は、においセンサーによる測定やL−
メントールの透過量の測定などから見て、EVOHより
も保香性に優れている。また、ポリグリコール酸は、ア
ルコール透過防止性の点でも、EVOHより優れてい
る。
【0039】本発明で使用するポリグリコール酸は、温
度240℃及び剪断速度100sec-1の条件下で測定
した溶融粘度が好ましくは100〜5,000Pa・
s、より好ましくは200〜3,000Pa・s、特に
好ましくは300〜2,000Pa・sの範囲内にある
ことが好ましい。
【0040】低溶融粘度のポリグリコール酸であって
も、固有粘度が0.9dl/g以上の高IV値の熱可塑
性ポリエステル樹脂と組み合わせて使用することができ
る。この場合のポリグリコール酸の溶融粘度は、通常1
00Pa・s以上500Pa・s未満、好ましくは20
0Pa・s以上500Pa・s未満、より好ましくは3
00Pa・s以上500Pa・s未満の範囲内である。
【0041】高溶融粘度のポリグリコール酸を用いるこ
とにより、固有粘度が0.9dl/g未満の低IV値の
熱可塑性ポリエステル樹脂であっても、好適に使用する
ことができる。この場合のポリグリコール酸の溶融粘度
は、通常500〜5,000Pa・s、好ましくは50
0〜3,000Pa・s、より好ましくは500〜2,
000Pa・sの範囲内である。
【0042】ポリグリコール酸は、280℃を超える高
温で溶融させると、分解とそれに伴う分子量の低下や発
泡が起こりやすくなる。そのため、ポリグリコール酸の
溶融加工温度は、260℃前後(例えば、250〜27
0℃の範囲内)の温度に設定することが望ましい。
【0043】本発明で使用するポリグリコール酸の融点
(Tm)は、好ましくは200℃以上、より好ましくは
210℃以上である。ポリグリコール酸の融点は約22
0℃であり、ガラス転移温度は約38℃で、結晶化温度
は約91℃である。ただし、これらの熱的性質は、ポリ
グリコール酸の分子量や共重合成分などによって変動す
る。
【0044】本発明では、ポリグリコール酸のニートレ
ジンを単独で使用することができるが、本発明の目的を
阻害しない範囲内において、ポリグリコール酸に、無機
フィラー、他の熱可塑性樹脂、可塑剤などを配合した樹
脂組成物を使用することができる。また、ポリグリコー
ル酸には、必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、防湿
剤、防水剤、撥水剤、滑剤、離型剤、カップリング剤、
酸素吸収剤、顔料、染料などの各種添加剤を含有させる
ことができる。
【0045】ポリグリコール酸の溶融安定性を向上させ
るには、熱安定剤として、例えば、ペンタエリスリトー
ル骨格構造を有するリン酸エステル、少なくとも1つの
水酸基と少なくとも1つの長鎖アルキルエステル基とを
持つリン化合物、重金属不活性化剤、炭酸金属塩などを
添加することが好ましい。これらの熱安定剤は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0046】本発明で使用する熱安定剤として使用する
燐酸エステルは、下記式(7)
【0047】
【化7】
【0048】で表わされるペンタエリスリトール骨格構
造を有するリン酸エステルであることが好ましい。この
ようなペンタエリスリトール骨格構造を有するリン酸エ
ステルの具体例としては、式(8)
【0049】
【化8】
【0050】で表されるサイクリックネオペンタンテト
ライルビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ホスファイト、式(9)
【0051】
【化9】
【0052】で表されるサイクリックネオペンタンテト
ライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ホスファイト、式(10)
【0053】
【化10】
【0054】で表されるホスファイト系酸化防止剤、及
び式(11)
【0055】
【化11】
【0056】で表されるホスファイト系酸化防止剤が挙
げられる。
【0057】リン系化合物の中では、式(12)
【0058】
【化12】
【0059】(式中、n=1または2)で表される少な
くとも1つの水酸基と少なくとも1つの長鎖アルキルエ
ステル基とを持つリン化合物が好ましい。長鎖アルキル
の炭素原子数は、8〜24個の範囲が好ましい。このよ
うなリン化合物の具体例としては、式(13)
【0060】
【化13】
【0061】(式中、n=1または2)で表されるモノ
またはジ−ステアリルアシッドホスフェートが挙げられ
る。
【0062】重金属不活性剤としては、例えば、式(1
4)
【0063】
【化14】
【0064】で表される2−ヒドロキシ−N−1H−
1,2,4−トリアゾール−3−イル−ベンズアミド、
及び式(15)
【0065】
【化15】
【0066】で表されるビス〔2−(2−ヒドロキシベ
ンゾイル)ヒドラジン〕ドデカン二酸が挙げられる。
【0067】また、炭酸金属塩としては、炭酸カルシウ
ム、炭酸ストロンチウムなどが挙げられる。これらの熱
安定剤の配合割合は、ポリグリコール酸100重量部に
対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.0
03〜3重量部、より好ましくは0.005〜1重量部
である。
【0068】2.熱可塑性ポリエステル樹脂 本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂としては、
ポリグリコール酸以外の熱可塑性ポリエステル樹脂を挙
げることができるが、それらの中でも、芳香族ジカルボ
ン酸またはこれらのアルキルエステルとグリコールを主
成分とする熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂が好まし
い。
【0069】熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合成分とす
る非晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体(PET
G)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)、ポリ−1,4−シクロ
へキシレンジメチレンテレフタレート・イソフタレート
共重合体(PCTA)、及びこれらの2種以上の混合物
が好ましい。
【0070】PETは、融点が約255℃、ガラス転移
温度が約76℃、結晶化温度が約170℃の熱可塑性ポ
リエステル樹脂である。PETGは、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール(CHDM)を共重合成分とする非
晶性ポリエチレンテレフタレート共重合体であり、より
具体的には、PETを構成するグリコール成分であるエ
チレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメ
タノールに置き換えたコポリエステルである。グリコー
ル成分中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの割合
は、30〜35モル%程度である。PETGとしては、
米国イーストマン・ケミカル社やスカイグリーン社など
から製造販売されているものが好ましく用いられる。
【0071】PENは、融点が約256℃、ガラス転移
点が約120℃、結晶化温度が約220℃の熱可塑性ポ
リエステル樹脂である。PCTAは、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールと、テレフタル酸及びイソフタル酸
との重縮合により得られる熱可塑性飽和コポリエステル
である。PCTAとしては、米国イーストマン・ケミカ
ル社の商品名コダール・サーメックス6761(KODAR T
HERM X6761)などが公的に用いられる。
【0072】ダイレクトブロー成形の観点から、好まし
い熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテ
レフタレートホモポリマー(PET)、PETの酸成分
の一部をイソフタール酸(IPA)やナフタレンジカル
ボン酸(NDC)で置き換えたコポリエステル、PET
のグリコール成分の一部をジエチレングリコール等の特
殊ジオールに置き換えたコポリエステルなどが挙げられ
る。コポリエステル(CO−PET)において、イソフ
タル酸等の第三成分の共重合割合は、特に限定されない
が、通常、約2〜8モル%程度である。
【0073】本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹
脂の固有粘度(Inherent Viscosity;IV)は、通常0.
5〜1.5dl/g、好ましくは0.6〜1.3dl/
g、より好ましくは0.7〜1.2dl/gの範囲内で
ある。熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値が低すぎる
と、ポリグリコール酸と共押出ダイレクトブロー成形し
ても、熱可塑性ポリエステル樹脂のドローダウンが大き
くなる。IV値が大きすぎる熱可塑性ポリエステル樹脂
は、合成が困難である。
【0074】溶融粘度が500〜5,000Pa・sの
高溶融粘度のポリグリコール酸を使用する場合、IV値
が0.9dl/g未満の熱可塑性ポリエステル樹脂を使
用しても、ドローダウンを生じることなく、多層ブロー
成形容器を製造することができる。この場合、熱可塑性
ポリエステル樹脂のIV値は、好ましくは0.5dl/
g以上0.9dl/g未満、より好ましくは0.6dl/
g以上0.9dl/g未満、特に好ましくは0.7dl/
g以上0.9dl/g未満の範囲内である。
【0075】溶融粘度が500Pa・s未満の低溶融粘
度のポリグリコール酸を用いる場合には、IV値が0.
9dl/g以上の高IV値の熱可塑性ポリエステル樹脂
を用いることにより、ダイレクトブロー成形により、ド
ローダウンを生じることなく多層ブロー成形容器を製造
することができる。この場合、熱可塑性ポリエステル樹
脂のIV値は、好ましくは0.9〜1.5dl/g、より
好ましくは1.0〜1.3dl/g、特に好ましくは1.
0〜1.2dl/gの範囲内である。
【0076】熱可塑性ポリエステル樹脂のIV値は、フ
ェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(60
/40重量%)の混合溶媒に、該樹脂を0.5重量%の
濃度で溶解し、ASTM D−4603−96に準拠
し、カノンウベローデタイプ1B粘度計を用いて、30
℃で測定した値(dl/g)である。
【0077】耐熱性が要求される多層ブロー成形容器で
は、熱可塑性ポリエステル樹脂に結晶化促進剤を添加す
る方法がある。結晶化促進剤として多種類の化合物から
選ぶことができる。結晶化促進剤として、微小粒径(2
〜3μm以下)を有する無機化合物が好ましい。具体例
としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、二酸化チ
タン、酸化マグネシウムが挙げられる。これらは、熱可
塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、一般に、
0.01〜5重量部の割合で用いられる。他の例として
は、ポリオレフィン、特に2〜6個の炭素原子を有する
オレフィンモノマーから製造されるポリマーがあり、そ
の具体例としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペ
ンテンなどが挙げられる。これらは、熱可塑性ポリエス
テル樹脂100重量部に対して、1〜15重量部、より
好適には2〜8重量部の割合で用いられる。さらに、7
〜30個の炭素原子を持つ有機酸のナトリウム塩または
カリウム塩、あるいはカルボキシル基を有する有機ポリ
マーのナトリウム塩またはカリウム塩などがあり、その
具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、安息香酸ナ
トリウム、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コ
ポリマーのナトリウム塩(アイオノマーなど)、スチレ
ン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(完全
に、または部分的に中和された塩)を挙げることができ
る。これらの、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部
に対して加えられる量は、一般に有機酸塩については
0.01〜5重量部、有機ポリマーの塩については0.
1〜10重量部である。この時、ポリグリコール酸層に
は、ポリグリコール酸の単独重合体層を選択することが
できる。
【0078】熱可塑性ポリエステル樹脂には、必要に応
じて、無機フィラー、他の熱可塑性樹脂、熱安定剤、光
安定剤、防湿剤、防水剤、揆水剤、滑剤、離型剤、カッ
プリング剤、顔料、染料などの各種添加剤を含有させる
ことができる。
【0079】本発明で使用するのに適した市販のPET
系の熱可塑性ポリエステル樹脂について、商品名(グレ
ード)とIV値(dl/g)、融点(℃)、及び共重合
成分を示すと、例えば、日本ユニペット社製RT−56
0(1.0dl/g、255℃)、RT−580(1.
2dl/g、255℃)、RN−163(0.85dl
/g、230℃、IPA)、RN−283(1.1dl
/g、245℃、IPA)、RD−383(1.1dl
/g、245℃、CHDM);アクゾ社製Arnite
Do6−300(1.1dl/g、252℃、IP
A);イーストマン社製13339(1.1dl/g、
245℃、CHDM);デュポン社製Sealer P
TX257(0.85dl/g、230℃、IPA)、
PTX267(1.0dl/g、254℃)、PT70
76(1.0dl/g、254℃);ICI社製Mel
inar 5992(1.0dl/g、250℃、IP
A);グッドイヤー社製VFR(1.0dl/g、25
8℃);ヘキスト社製T−88(1.1dl/g、24
8℃、IPA);クラレ社製KS−710B(1.1d
l/g、227℃)などが挙げられる。
【0080】3.接着性樹脂 本発明の多層ブロー成形容器において、層間剥離強度を
高めるなどの目的で、ポリグリコール酸層と熱可塑性ポ
リエステル樹脂層との間に接着性樹脂層を介在させるこ
とができる。接着性樹脂(単に「接着剤」ともいう)と
しては、熱可塑性ポリエステル樹脂とポリグリコール酸
の両樹脂と良好な親和性を持つものが好ましい。また、
接着性樹脂としては、押出加工が可能で、かつ、両樹脂
の成形加工時の溶融粘度にマッチした物であることが好
ましい。
【0081】このような接着性樹脂の具体例としては、
無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三菱樹脂社製
モディックS525)、グリシジル基含有エチレンコポ
リマー(日本石油化学社製レクスパールRA3150、
住友化学社製ボンドファースト2C、E、B)、熱可塑
性ポリウレタン(クラレ社製クラミロン1195L)、
ポリアミド・アイオノマー(三井デュポン社製AM79
26)、ポリアクリルイミド樹脂(ローム・アンド・ハ
ース社製XHTA)、三井化学社製アドマーNF550
〔酸変性線状低密度ポリエチレン、MFR=6.2g/
10分(温度190℃、荷重2160g荷重)〕、三菱
化学社製モディックS525などを挙げることができ
る。
【0082】接着性樹脂層には、芯層のポリグリコール
酸層を水分の侵入による加水分解から守るために、乾燥
剤を包含させることができる。乾燥剤には、一般に乾燥
剤として使用されているもののほか、吸水剤や高吸水性
樹脂なども含まれるものとする。
【0083】一般の乾燥剤としては、例えば、第二リン
酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、第三リン酸ナト
リウム、第三リン酸リチウム、ピロリン酸ナトリウム、
塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、
炭酸カリウム、硝酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫
酸マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムな
どの無機物質;ショ糖などの有機物質を挙げることがで
きる。
【0084】吸水剤としては、例えば、活性アルミナ、
シリカゲル、酸化マグネシウム、ベントナイト、モレキ
ュラーシーブなどの無機物質を挙げることができる。高
吸水性樹脂としては、アクリル酸(塩)グラフト化澱
粉、澱粉のアクリロニトリルグラフト化加水分解物、ア
クリル酸(塩)グラフト化セルローズ等の澱粉またはセ
ルローズ系のグラフト誘導体;架橋ポリアクリル酸
(塩)、例えば、アクリル酸(塩)とジビニルベンゼン
などの多官能性モノマー、あるいは更にスチレン、アク
リル酸エステル当の疎水性モノマーとの共重合体;酢酸
ビニルとアクリル酸エステルとの共重合体をケン化する
ことにより製造されたビニルアルコール−アクリル酸
(塩)ブロック共重合体;ポリビニルアルコールに無水
マレイン酸、無水フタル酸などの酸無水物を反応させて
側鎖にカルボキシル基と架橋構造とを同時に導入した変
性ポリビニルアルコール;ポリエチレンオキサイド変性
物;などが挙げられる。
【0085】乾燥剤(吸水剤や高吸水性樹脂を含む)の
添加量は、接着性樹脂に対して、通常1〜40重量%の
範囲内である。乾燥剤の添加量が多すぎると接着性が低
下、少なすぎると添加による効果が発揮されない。
【0086】4.層構成 本発明の多層ブロー成形容器は、内層及び外層に熱可塑
性ポリエステル樹脂層が配置され、芯層にポリグリコー
ル酸層が配置され、かつ、必要に応じて各層間に接着性
樹脂層が配置された層構成を有している。ポリグリコー
ル酸層は、必要に応じて2層以上にスプリットされたも
のであってもよい。その場合には、各ポリグリコール酸
層の間に接着性樹脂層を配置することが好ましい。
【0087】これらの層構成を有する多層ブロー成形容
器を製造する際に、バリなどとして回収されるリグライ
ンドを回収層として付加的に配置することができる。回
収層は、例えば、製品品質上の透明性を著しく阻害しな
い程度の厚み範囲(全層基準で数%〜20%程度)で使
用することができる。また、回収層は、環境に配慮して
リグラインドを廃棄するよりも回収量を多くしたい場合
には、全層基準で約50%未満で使用することができ
る。
【0088】本発明の多層ブロー成形容器の層構成の具
体例としては、以下のような層構成を挙げることができ
る。熱可塑性ポリエステル樹脂層をTPES、ポリグリ
コール酸層をPGA、接着性樹脂層をAD、回収層をR
Eで表わす。層構成は、多層ブロー成形容器の外層から
内層にかけての層構成として表わす。
【0089】(1)TPES/PGA/TPES、(2)TP
ES/AD/PGA/TPES、(3)TPES/AD/
PGA/AD/TPES、(4)TPES/AD/PGA
/AD/PAG/AD/TPES、(5)TPES/RE
/AD/PGA/AD/TPES、(6)TPES/RE
/AD/PGA/AD/TPES、(7)TPES/AD
/RE/AD/PGA/AD/TPES、(8)TPES
/AD/RE/AD/PGA/AD/PGA/AD/T
PES。
【0090】これらの層構成の中でも、図2に示す3種
5層のTPES21/AD22/PGA23/AD24
/TPES25、及び4種6層のTPES/RE/AD
/PGA/AD/TPESの層構成が好ましい。
【0091】熱可塑性ポリエステル樹脂層の厚みは、内
外層合わせて、通常100〜800μm、好ましくは1
50〜700μm、より好ましくは200〜600μm
である。中間層として回収層を配置することによって、
熱可塑性ポリエステル樹脂層の厚みを薄くすることがで
きる。回収層を使用しない場合には、熱可塑性ポリエス
テル樹脂層の合計厚みは、全層基準で通常70〜95%
の範囲内とすることが好ましい。回収層を配置する場合
には、熱可塑性ポリエステル樹脂層と回収層との合計厚
みは、全層基準で70〜95%の範囲内とすることが好
ましい。
【0092】芯層のポリグリコール酸(PGA)層の厚
みは、通常3〜100μm、好ましくは5〜70μm、
より好ましくは10〜50μmである。ポリグリコール
酸層の厚みは、必要とするバリアレベルに応じて適宜変
更することができる。ポリグリコール酸層の厚みが薄す
ぎると、酸素ガスバリア性、炭酸ガスバリア性、水分バ
リア性、保香性などが充分ではなくなる。ポリグリコー
ル酸層の厚みが厚すぎると、コスト面から好ましくな
い。ポリグリコール酸層は、通常1層とするが、所望に
より2層以上に分割したスプリットバリア層とすること
ができる。ポリグリコール酸層は、図2に示すように全
層の中央に配置するか、あるいは少し内層側に配置する
ことが望ましい。
【0093】各層間に配置する接着剤(AD)層の厚み
は、各々通常1〜100μm、好ましくは2〜50μ
m、より好ましくは3〜30μmである。接着性樹脂層
の厚みが薄すぎると、層間接着性が不充分となることが
あり、厚すぎるとコスト高となる。
【0094】回収層を設ける場合は、外層と芯層のポリ
グリコール酸層との間に配置することが好ましい。外層
と回収層とは、直接または接着性樹脂層を介して隣接さ
せることができる。ポリグリコール酸層と回収層とは、
直接隣接させてもよいが、接着性の観点からは、接着性
樹脂層を介して隣接させることが好ましい。回収層に使
用するリグラインドは、成形不良品やバリなどのスクラ
ップを粉砕または破砕した再生原料であり、熱可塑性ポ
リエステル樹脂とポリグリコール酸を含み、層構成によ
っては、接着性樹脂等を含んでいる。乾燥剤(吸収剤や
高吸収性樹脂を含む)が接着性樹脂やポリグリコール酸
に添加されている場合がある。しかし、ポリグリコール
酸層やポリグリコール酸を含む回収層にある乾燥剤、例
えば、塩化カルシウムやピロリン酸ナトリウム、炭酸カ
リウムのような塩基性無機物質は、ポリグリコール酸と
溶融加工されると黒色化し易く、好ましくない。
【0095】回収層の厚みは、全層基準で通常55%以
下、好ましくは50%以下である。回収層の厚みが、5
5%を超えると、熱安定性の点で問題が生じるおそれが
あるほか、物質収支のバランス上、回収層が不足するこ
とになる。回収層中に分散するポリグリコール酸は、通
常10μm以下の大きさで、マトリックス中に細かく分
散していることが、容器の強度維持の観点から望まし
い。
【0096】本発明の多層ブロー成形容器の厚み(胴
部)は、サイズにもよるが、通常150〜1,000μ
m、好ましくは、200〜800μm、より好ましくは
250〜600μmである。
【0097】5.多層ブロー成形容器の製造方法 本発明の多層ブロー成形容器の製造に当たっては、加水
分解しやすいポリグリコール酸を予備乾燥して、水分含
有量を50ppm以下になるよう調整することが好まし
い。
【0098】本発明の多層ブロー成形容器は、多層パリ
ソンによるダイレクトブロー成形により製造される。ダ
イレクトブロー成形法としては、共押出による多層ダイ
レクトブロー成形法が好ましい。押出機で溶融された各
層の樹脂は、ダイヘッドに流入され、ダイ内部で合流さ
れる。その合流の方法には、各層が一点で合流する同時
合流タイプと、各層が順次合流する逐次合流タイプとが
ある。それぞれのタイプには、一長一短があり、用途に
より使い分けることができる。
【0099】多層パリソンの成形方法としては、一般
に、アキュムレータを用いた間欠多層方式と、アキュム
レータヘッドが不要な連続多層方式とがある。いずれの
方式でも、多層パリソンを金型内でダイレクトブロー成
形することにより、容器の形状に成形する。
【0100】間欠多層方式では、多層パリソンを形成す
るために、主材(熱可塑性ポリエステル樹脂)、接着材
(接着性樹脂)、及びバリア材(ポリグリコール酸)用
に各々押出機がある。接着材とバリア材は、それぞれ副
アキュムレータヘッドに貯蔵された後、主材を貯蔵して
いる主アキュムレータヘッドに組み込まれた多層リング
出口で主材と合流する。即ち、それぞれの材料が所定量
アキュムレータヘッドに貯蔵された後、主材の押出に合
わせて、副アキュムレータヘッドに貯蔵されたバリア材
と接着材が押し出され、主アキュムレータヘッドの下部
流路の中央に配置されたスパイダリングにより、内外層
に分けられた主材と合流して3種5層の多層パリソンが
形成される。
【0101】間欠多層方式では、各アキュムレータヘッ
ドからの射出のタイミングを制御することにより、パリ
ソンの層構成を長手方向に沿って単層/多層/単層とす
ることができ、それによって、容器本体を多層にして、
容器上下におけるピンチオフ近傍からバリにかけて単層
にする重点多層成形法を適用することができる。重点多
層成形法によれば、水分の存在下で加水分解しやすいポ
リグリコール酸を熱可塑性ポリエステル樹脂で包み込む
ことができる。また、重点多層形成法では、ピンチオフ
部を熱可塑性ポリエステル樹脂の単層とすることができ
るため、ピンチオフ部での融着不良による接着強度低下
の問題が発生しない。しかも、ピンチオフ部のバリは、
熱可塑性ポリエステル樹脂単層であるために、回収層と
してリサイクルするのに有利である。
【0102】一方、連続多層方式は、アキュムレータヘ
ッドを用いることなく、各層ともに連続的に押し出すこ
と以外は、アキュムレータ方式(間欠多層方式)と同様
にして、多層のパリソンを形成する。連続多層方式は、
アキュムレータヘッドからの射出が必要ないため、装置
の構成が簡単であることに加えて、熱安定性の悪い材料
を使用することができること、バリア材の薄肉化が容易
であること、バリの粉砕材(リグラインド)からなる回
収層の追加が可能であることなどの利点を有している。
回収層を追加することにより、例えば、4種6層の容器
またはボトルを製造することができる。
【0103】連続多層方式による多層パリソンの形成方
法を採用する場合には、ピンチオフ部において、芯層の
ポリグリコール酸層が内外層の柔軟な熱可塑性樹脂層に
より完全に埋め込まれていることが重要である。そのた
めには、例えば、ピンチオフ部をV字型ピンチオフ形状
やT字型ピンチオフ形状となるようにピンチオフするこ
とが好ましい。
【0104】図3に割型のV字型ピンチオフ形状を示
し、図4にV字型ピンチオフによる5層容器のピンチオ
フ断面を示す。また、図5に割型のV字型ピンチオフ形
状を示し、図6にT字型ピンチオフによる5層容器のピ
ンチオフ断面を示す。各容器の層構成は、図2に示した
ものと同じである。このようなピンチオフ形状とするこ
とにより、ポリグリコール酸層を熱可塑性ポリエステル
樹脂層の内部に完全に埋め込むことができる。
【0105】多層ブロー成形容器の大きさや形状は、そ
れぞれの用途に応じて適宜定めることができる。多層共
押出ダイレクトブロー成形によれば、例えば、図1に示
すように、ネジ付き口部5、このネジ付き口部5に連な
る円錐状肩部4、及び肩部4に連なる筒状胴部2、及び
底部3とを備えた構造の多層ブロー成形容器1を一体成
形することができる。容器1の底部3のピンチオフ部
は、例えば、図4または図6に示されている断面構造を
有するものである。
【0106】図1に示されている個所Iの断面を拡大し
たものを図2に示す。図2には、熱可塑性ポリエステル
樹脂層21/接着性樹脂層22/ポリグリコール酸層2
3/接着性樹脂層24/熱可塑性ポリエステル樹脂層2
5からなる層構成が示されている。ネジ付き口部5及び
ピンチオフ部6では、ポリグリコール酸(PGA)が熱
可塑性ポリエステル樹脂(例えば、PET)により完全
に包み込まれている。
【0107】6.多層ブロー成形容器 本発明の多層ブロー成形容器は、酸素ガスバリア性、炭
酸ガスバリア性、水分バリア性、保香性に優れたポリグ
リコール酸層を芯層に有する多層材により一体成形する
ことができるため、これらの特性が顕著に優れている。
【0108】本発明の多層ブロー成形容器は、例えば、
飲料、食料品、化粧品、ファイントイレタリー、医薬
品、医薬部外品等の広範な内容物を収容する容器として
使用することができる。
【0109】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。各種物性及び特性の測定
法は、次のとおりである。
【0110】(1)溶融粘度 ポリグリコール酸の厚み約0.2mmの非晶シートを作
製し、150℃で5分間加熱して結晶化させたものを試
料とし、東洋精機(株)のキャピログラフ1C(ダイ=
1mmφ×10mmL)用いて、樹脂温度240℃、剪
断速度100sec-1の条件下で溶融粘度を測定した。
【0111】(2)酸素ガス透過係数 JIS K−7126に準拠して、温度23℃、相対湿
度80%の条件下で、モダンコントロール社製オクスト
ラン(Oxtran)2/20を用いて測定した。
【0112】(3)ダイレクトブロー成形性 多層共押出ダイレクトブロー成形を行い、その際、パリ
ソンのドローダウンの状況、多層ブロー成形品の外観な
ど観察して、以下の基準で評価した。 A:パリソンのドローダウンが生じることなく、ブロー
成形をすることができ、外観が良好なブロー成形容器が
得られる、 B:パリソンのドローダウンが大きく、ブロー成形性に
劣る。
【0113】(4)酸素ガスバリア性 温度30℃、容器内の相対湿度100%、容器外の相対
湿度80%の条件下で容器の酸素透過度(単位=cm3
/bottle・24hr・atm)を測定し、次の基
準で評価した。 A:酸素透過度が0.5以下、 B:酸素透過度が0.5超過。
【0114】[実施例1]ポリグリコール酸(PGA)
として、温度240℃、剪断速度100sec-1で測定
した溶融粘度430Pa・sのホモポリマー(ガラス転
移温度=38℃、融点=221℃)を用いた。このポリ
グリコール酸の酸素ガス透過係数(PO2)は、1.3
×10-14cm3・cm/cm2・sec・cmHgであ
った。このポリグリコール酸の透湿度(40℃、90%
RH)は、5g/m2・dayであった。ポリグリコール
酸100重量部に対して、0.1重量部のPEP−8
〔旭電化工業株式会社製の前記式11で表わされるホス
ファイト系酸化防止剤)を添加した。
【0115】熱可塑性ポリエステル樹脂として、ポリエ
チレンテレフタレート(日本ユニペット社製RT−58
0、IV値=1.2dl/g)を用い、接着性樹脂(A
D)として、日本石油化学社製のグリシジル基含有エチ
レンコポリマー(レクスパール RA3150)を使用
した。
【0116】層構成は、外側層より、PET/AD/P
GA/AD/PETとし、各層の厚みを以下のように調
整した。
【0117】 外層(PET)=250μm、 接着性樹脂層(AD)=5μm、 芯層(PGA)=15μm、 接着性樹脂層(AD)=5μm、 内層(PET)=250μm、 全層厚み=525μm。
【0118】以上の層構成で、多層共押出ダイレクトブ
ロー成形機を使用して、1.5Lの5層構成の中空容器
をダイレクトブロー成形により作成した。容器の目付け
は、40gであった。容器のピンチオフ部は、T字型ピ
ンチオフ形状を使用した。ピンチオフ部の外層は、PE
T単層で構成され、PGA層がPET単層で埋め込まれ
るよう成形した。押出温度条件は、次のとおりであっ
た。
【0119】内外層(PET)側押出機先端部温度:2
60〜280℃、 芯層(PGA)側押出機先端部温度:235〜245
℃、 接着性樹脂層側押出機先端部温度:200〜220℃。
【0120】[実施例2]実施例1において、外層樹脂
をPET層250μmから、ニートPET層50μmと
回収層200μmの合計250μmに変えた他は、実施
例1と同様にして多層共押出ダイレクトブロー成形を行
なった。
【0121】[実施例3]ポリグリコール酸(PGA)
として、温度240℃、剪断速度100sec-1で測定
した溶融粘度が1860Pa・sのホモポリマー(ガラ
ス転移温度=38℃、融点=221℃)を用いた。この
ポリグリコール酸の酸素ガス透過係数(PO2)は、
1.2×10-14cm3・cm/cm2・sec・cmH
gであった。このポリグリコール酸の透湿度(40℃、
90%RH)は、3g/m2・dayであった。ポリグリ
コール酸100重量部に対して、0.1重量部のPEP
−8〔旭電化工業株式会社製の前記式11で表わされる
ホスファイト系酸化防止剤)を添加した。
【0122】熱可塑性ポリエステル樹脂として、ポリエ
チレンテレフタレート(日本ユニペット社製RT−57
0、IV値=0.7dl/g)を用い、接着性樹脂(A
D)として、日本石油化学社製のグリシジル基含有エチ
レンコポリマー(レクスパール RA3150)を使用
した。
【0123】以上の各樹脂を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして、多層共押出ダイレクトブロー成形によ
り、PET/AD/PGA/AD/PETの層構成を有
する多層ブロー成形容器を製造した。
【0124】[比較例1]PETとして、日本ユニペッ
ト社製RT−570(IV値=0.7dl/g)を用
い、厚みを525μmとした他は、実施例1と同様にし
てダイレクトブロー成形を行なった。この場合、溶融パ
リソンのドローダウンが大きく、ブロー成形ができなか
った。
【0125】
【表1】
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、共押出ダイレクトブロ
ー成形により、芯層にガスバリア性に優れたポリグリコ
ール酸層が配置され、内外層に熱可塑性ポリエステル樹
脂層が配置され、しかも芯層のポリグリコール酸層が内
外層の熱可塑性ポリエステル樹脂層により完全に埋め込
まれているガスバリア性が顕著に優れた多層ブロー成形
容器が提供される。
【0127】また、本発明によれば、低IV値の熱可塑
性ポリエステル樹脂を内外層とし、ガスバリア性に優れ
た高溶融粘度のポリグリコール酸を低IV値の熱可塑性
ポリエステル樹脂層でエンカプシュレーションして共押
出することにより、溶融状態のパリソンのドローダウン
がなく、安定した共押出ダイレクトブロー成形が可能で
ある。さらに、本発明によれば、高IV値の熱可塑性ポ
リエステル樹脂を内外層とし、ガスバリア性に優れた低
溶融粘度のポリグリコール酸を高IV値の熱可塑性ポリ
エステル樹脂層でエンカプシュレーションして共押出す
ることにより、溶融状態のパリソンのドローダウンがな
く、安定した共押出ダイレクトブロー成形が可能であ
る。本発明の多層ブロー成形容器は、ガスバリア性に優
れているため、食品や飲料等の長期間保存性に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の多層ブロー成形容器の一例の
断面図である。
【図2】図2は、本発明の多層ブロー成形容器の層構成
の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、V字型ピンチオフ形状の断面図であ
る。
【図4】図4は、V字型ピンチオフによる5層容器のピ
ンチオフ断面である。
【図5】図5は、T字型ピンチオフ形状の断面図であ
る。
【図6】図6は、T字型ピンチオフによる5層容器のピ
ンチオフ断面である。
【符号の説明】
1:多層ブロー成形容器 2:胴部 3:底部 4:肩部 5:口部 6:底部のピンチオフ部分 21:熱可塑性ポリエステル樹脂層 22:接着性樹脂層 23:ポリグリコール酸層 24:接着性樹脂層 25:熱可塑性ポリエステル樹脂層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 22:00 22:00 B65D 1/00 B (72)発明者 伊藤 大輔 茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉 羽化学工業株式会社樹脂加工技術センター 内 (72)発明者 松庫 義弘 茨城県新治郡玉里村大字上玉里18−13 呉 羽化学工業株式会社樹脂加工技術センター 内 Fターム(参考) 3E033 AA02 BA17 BA30 BB08 CA16 DA03 DB01 DD02 FA03 4F100 AK01D AK01E AK41A AK41B AK41C AK42A AK42C BA03 BA05 BA10A BA10C BA15 BA16 DA01 EH20 GB16 GB23 JA06A JA06B JA06C JB16A JB16C JD02 JL11D JL11E YY00A YY00B YY00C 4F208 AA24 AA32 AG03 AG07 AH55 AR17 LA01 LB01 LB22 LG01 LG22 LG26 LJ09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外層に熱可塑性ポリエステル樹脂層が
    配置され、芯層にポリグリコール酸層が配置され、必要
    に応じて各層間に接着性樹脂層が配置された層構成を有
    する多層ブロー成形容器であって、(a)内外層を形成
    する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ASTM D−46
    03に準拠して測定した固有粘度が0.5〜1.5dl
    /gの範囲内の熱可塑性ポリエステル樹脂であり、
    (b)芯層を形成するポリグリコール酸が、温度240
    ℃、剪断速度100sec-1で測定した溶融粘度が10
    0〜5,000Pa・sのポリグリコール酸であり、か
    つ、(c)多層ブロー成形容器が、各樹脂の共押出ダイ
    レクトブロー成形により成形された容器であり、ピンチ
    オフ部を含む容器全体において、芯層のポリグリコール
    酸層が内外層の熱可塑性ポリエステル樹脂層により完全
    に埋め込まれていることを特徴とする多層ブロー成形容
    器。
  2. 【請求項2】 内外層に熱可塑性ポリエステル樹脂層が
    配置され、芯層にポリグリコール酸層が配置され、必要
    に応じて各層間に接着性樹脂層が配置された層構成を有
    する多層ブロー成形容器であって、(a)内外層を形成
    する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ASTM D−46
    03に準拠して測定した固有粘度が0.9dl/g未満
    の熱可塑性ポリエステル樹脂であり、(b)芯層を形成
    するポリグリコール酸が、温度240℃、剪断速度10
    0sec-1で測定した溶融粘度が500〜5,000P
    a・sのポリグリコール酸であり、かつ、(c)多層ブ
    ロー成形容器が、各樹脂の共押出ダイレクトブロー成形
    により成形された容器であり、ピンチオフ部を含む容器
    全体において、芯層のポリグリコール酸層が内外層の熱
    可塑性ポリエステル樹脂層により完全に埋め込まれてい
    ることを特徴とする多層ブロー成形容器。
  3. 【請求項3】 内外層に熱可塑性ポリエステル樹脂層が
    配置され、芯層にポリグリコール酸層が配置され、必要
    に応じて各層間に接着性樹脂層が配置された層構成を有
    する多層ブロー成形容器であって、(a)内外層を形成
    する熱可塑性ポリエステル樹脂が、ASTM D−46
    03に準拠して測定した固有粘度が0.9dl/g以上
    の熱可塑性ポリエステル樹脂であり、(b)芯層を形成
    するポリグリコール酸が、温度240℃、剪断速度10
    0sec-1で測定した溶融粘度が100Pa・s以上5
    00Pa・s未満のポリグリコール酸であり、かつ、
    (c)多層ブロー成形容器が、各樹脂の共押出ダイレク
    トブロー成形により成形された容器であり、ピンチオフ
    部を含む容器全体において、芯層のポリグリコール酸層
    が内外層の熱可塑性ポリエステル樹脂層により完全に埋
    め込まれていることを特徴とする多層ブロー成形容器。
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