JP2003263470A - 環境に配慮した建築物の設計方法及び設計支援プログラム - Google Patents

環境に配慮した建築物の設計方法及び設計支援プログラム

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JP2003263470A
JP2003263470A JP2002066155A JP2002066155A JP2003263470A JP 2003263470 A JP2003263470 A JP 2003263470A JP 2002066155 A JP2002066155 A JP 2002066155A JP 2002066155 A JP2002066155 A JP 2002066155A JP 2003263470 A JP2003263470 A JP 2003263470A
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environmental
environment
design
plan
consideration
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JP2002066155A
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Keisuke Kato
啓介 加藤
Tetsuo Hara
哲夫 原
Mitsuru Hiramatsu
充 平松
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境に配慮した建築物を計画段階から確実に作
り込みたい。 【解決手段】環境対策の選択を支援するためのチェック
リストに記入する環境配慮ポイントを設定し、前記チェ
ックリストを作成するステップ100と、前記チェック
リストに記入された環境配慮ポイントを選択することに
より環境配慮計画を策定するステップ200と、前記環
境配慮計画に基づいて設計図書を作成するステップと、
前記設計図書を評価するステップと、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、環境に配慮した
建築物の設計方法及び設計支援プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境対策の重要性が叫ばれてお
り、経済活動による自然環境への影響をできるだけ少な
くすることが、企業に強く求められている。例えば、日
本規格協会発行の「環境マネジメントシステムー仕様及
び利用の手引」(JIS Q14001 平成8年10
月20日制定)というものも存在する。このような時代
背景の元、各企業体においては、それぞれの活動が環境
に与える影響を自ら予測し、それを限りなくゼロに近づ
けるために必要と思われる対策を講じるよう努力してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような各企業体の努力があったとしても、環境への影響
をゼロにすることは難しい。活動によって生じる現象が
環境に与える影響を完全に予測することは実際には不可
能であるし、無限に予算を付けることもできないからで
ある。本発明は、このような現状に着目してなされたも
のであって、より効果的に環境に配慮した建築物を設計
することができる設計方法及び設計支援プログラムを提
供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、環境に配慮した建築物を設
計する方法であって、環境対策の選択を支援するための
チェックリストに記入する環境配慮ポイントを設定し、
前記チェックリストを作成するステップと、前記チェッ
クリストに記入された環境配慮ポイントを選択すること
により環境配慮計画を策定するステップと、前記環境配
慮計画に基づいて設計図書を作成するステップと、前記
設計図書を評価するステップと、を備える。
【0005】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明である環境に配慮した建築物の設計方法に
おいて、前記チェックリストを作成するステップは、活
動毎に生じる現象を抽出し、それら現象に対する環境影
響項目を特定するとともに、前記各現象毎に評価を行う
環境影響評価ステップと、少なくとも前記評価の結果に
基づいて環境対策を講じる現象の候補を選出する現象選
出ステップと、前記選出された現象について、環境影響
の負荷低減を図る具体的な対策を立案し、それを評価す
る環境対策立案評価ステップと、前記立案された対策並
びにその評価結果に基づいて前記チェックリストを作成
するチェックリスト作成ステップと、を備える。
【0006】そして、請求項3に係る発明は、上記請求
項1、2に係る発明である環境に配慮した建築物の設計
方法において、前記環境配慮計画を策定するステップで
は、環境に配慮した設計方針を検討し前記チェックリス
トに記入されている環境配慮ポイントのうち採用するも
のを選択し、選択された各環境配慮ポイントに計画点を
与えその合計値を求めるステップと、当該計画対象の建
築物の用途及び計画区分に基づいて計画推奨値を設定す
るステップと、前記合計値と前記計画推奨値とに基づい
て計画率を算出するステップと、前記算出された計画率
に基づいて前記環境配慮ポイントの再選択の必要性を判
断し、必要性が認められたら前記環境配慮ポイントを再
選択するステップと、を備える。
【0007】さらに、請求項4に係る発明は、上記請求
項1〜3に係る発明である環境に配慮した建築物の設計
方法において、前記設計図書を評価するステップでは、
前記チェックリストに基づいて前記設計図書に環境配慮
設計が反映されているか否かを確認し評点を求めるステ
ップと、前記確認した結果に基づいて環境配慮設計の実
施率及び達成値を算出するステップと、を備える。ま
た、請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4に係る発
明である環境に配慮した建築物の設計方法において、前
記チェックリストを集約して提出用エコシートを作成す
るステップをさらに備える。
【0008】そして、請求項6に係る発明は、上記請求
項5に係る発明である環境に配慮した建築物の設計方法
において、前記提出用エコシートを分析するステップを
さらに備える。一方、上記目的を達成するために、請求
項7に係る発明である環境に配慮した建築物の設計支援
プログラムは、請求項1〜6のいずれか一項に記載の環
境に配慮した建築物の設計方法を電子計算機で実行させ
るようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係る環境に配慮
した建築物の設計方法をアプリケーションプログラムに
してパーソナルコンピュータ上で実行する際の全体処理
の概要を示すフローチャートである。即ち、本実施の形
態の全他の流れは、環境対策の選択を支援するためのチ
ェックリストであるワーク用のエコシートに記入する環
境配慮ポイントを設定するとともに、ワーク用のエコシ
ートを作成するステップ100と、エコシートに記入さ
れた環境配慮ポイントを選択することにより環境配慮計
画を策定するステップ200と、エコシートによる環境
配慮設計の評価ステップ300と、提出用のエコシート
の分析ステップ400と、から構成されている。
【0010】図1のステップ100の詳細は内容は、図
2に示すようになっており、図1のステップ100の処
理が開始されると、先ずは図2のステップ101におい
て、設計プロセスを分析、細分化し、設計活動が抽出さ
れる。ここで、図6は、ステップ101で抽出された設
計活動を書き込んだ環境影響評価シート10の一例を示
す図である。この環境影響評価シート10の左上の大分
類の欄には「建築設計」、その下の中分類の欄には「設
計」とそれぞれ記載され、この環境影響評価シート10
が、建築設計業の「設計」に対応したものであることが
表現されている。図6の左上の大分類、中分類の下に
は、設計活動と表示され、その下に、小分類、細分類の
欄が左右に分けて設けられている。
【0011】そして、ステップ101における設計活動
の抽出は、図6の小分類、細分類の欄に記入する項目の
抽出作業であって、この例では、小分類の欄に記入され
る項目として、現地調査、敷地計画、配置計画、…、立
体計画が抽出され、さらに、細分類の欄に記入される項
目として、現地調査に対してはボーリング調査が、敷地
計画に対しては敷地形状計画が、配置計画に対しては建
物配置計画及び動線計画が、…、という具合にそれぞれ
抽出されている。
【0012】ステップ101の作業を終えたら、ステッ
プ102に移行し、環境側面を抽出する。環境側面と
は、ステップ101で抽出され細分類の欄に記入された
それぞれの設計活動を、環境という側面から見ることに
より、環境に影響を与えると思われる現象として表現さ
れたものである。この環境側面が、本発明における「活
動毎に生じる現象」に対応する。図6に示す環境影響評
価シート10の例では、細分類の右側に、縦方向に項目
が並べられるように環境側面の欄が設けられており、環
境側面として、細分類のボーリング調査に対しては、泥
水の発生、音の発生、振動の発生という三つの現象が抽
出され、細分類の敷地形状計画に対しては、地形・自然
環境の改変、生態環境の改変、地下水の変化、掘削残土
の発生、搬出入車両の発生、地下水の排水の発生、雨水
排水の改変、給排水の改変という八つの現象が抽出され
ている。その他の細分類の各項目についても、種々の環
境側面が抽出されている。
【0013】環境側面が抽出され環境影響評価シート1
0に記入されたら、ステップ103に移行し、今度は、
各環境側面に対する環境影響を特定する。このステップ
103における具体的な作業は、図6に示す環境影響評
価シート10を利用して行われる。つまり、環境影響評
価シート10には、縦方向に並べられた環境側面の欄に
対応するように、横方向に並べられた環境影響項目の欄
が設けられていて、環境影響項目として、地域環境、地
球環境、最終的な環境影響という中項目が設けられてい
る。さらに、各中項目毎に、小項目が複数記載されてい
る。例えば、地域環境という中項目に対しては、騒音、
振動、悪臭、地盤沈下、…、というような小項目が記載
され、地球環境という中項目に対しては、オゾン層破
壊、地球温暖化、酸性雨、…という小項目が記載され、
最終的な環境影響という中項目に対しては、資源の枯渇
と消費、人の健康への影響、生態系への影響という小項
目が記載されている。
【0014】そして、横方向に羅列された環境影響項目
の各小項目の下側に、縦方向に羅列された各環境側面の
それぞれに対応するように枡目が設けられていて、各環
境側面毎に、その環境側面によって生じる可能性のある
環境影響項目について、対応する枡目に印を付すことに
より、各環境側面に対する環境影響を特定する。図6に
示す環境影響評価シート10では、例えば、泥水の発生
という環境側面については、土壌汚染、水質汚染、地下
水変動、廃棄物増加、資源の枯渇と消費、人の健康への
影響、生態系への影響という七つの環境影響が特定され
ている。
【0015】次いで、ステップ104の作業に移行し、
ステップ103の特定結果及び環境リスク評価基準に従
って、各環境側面毎に評価を行う。図6に示す環境影響
評価シート10では、環境影響項目の他に、加重評価A
として、法的規制、発注者のニーズ、利害関係者という
項目が挙げられ、また、環境リスク評価として、B影響
の規模、C発生の確率、D影響の深刻度という項目が挙
げられていて、加重評価Aについては、その有無がチェ
ックされ、B影響の規模、C発生の確率、D影響の深刻
度については点数が付されている。そして、加重評価A
については一つのチェックを5点とした上で、それらA
〜Dを合計した点数を、評価点という欄の「A+B+C
+D」という欄に記入している。さらに、評価点に従っ
て順位を付け、その順位を、評価点という欄のスコア順
位という欄に記入する。図6の環境影響評価シート10
は、環境側面の一部のみを記載しているため、全ての順
位は見えないが、小分類「平面計画」の「使用エネルギ
ー量の変化」という環境側面と、小分類「立面計画」の
「使用エネルギー量の変化」という環境側面と、小分類
「断面計画」の「太陽光の変化」「使用エネルギー量の
変化」という環境側面とが、それぞれ評価点24点で、
順位が3となっている。
【0016】次いで、ステップ105の作業に移行し、
ステップ104の作業で付けられた評価点の高い順に所
定個数(例えば、10個)の環境側面を選出し、それら
環境側面を登録する。そして、ステップ106の作業に
移行し、例えば設計本部のような責任のある部署で設定
された環境方針等を考慮の上、後に環境対策を講じる環
境側面の候補をステップ105で登録された環境側面の
うちから選出し、それら選出された環境側面を、著しい
環境側面として特定する。
【0017】図7は、ステップ105、106の作業で
利用される環境側面登録リスト20の一例を示す図であ
って、著しい環境側面の候補として、小分類「平面計
画」の「使用エネルギー量の変化」や、小分類「立面計
画」の「使用エネルギー量の変化」が記載されるととも
に、それらの評価点の合計や順位が環境影響評価シート
10から転記され、さらに、採否の判断結果(採用/持
越)がチェックされている様子が示されている。この図
7の例では、小分類「平面計画」の「使用エネルギー量
の変化」という環境側面は、著しい環境側面として採用
されているが、小分類「内装計画」の「カビ・ダニの発
生」は「持越」となって著しい環境側面としては採用さ
れていない。
【0018】次いで、ステップ107の作業に移行し、
ステップ106で特定された著しい環境側面について、
環境影響の負荷低減を図る具体的な対策・アイディアを
立案し、その適合性を評価する。図8は、このステップ
107の作業で利用される環境負荷対策シート30の一
例を示す図であって、縦方向に沿って、「夏の日射負荷
減に適した建物方位にする」「冬の日射取得に適した建
物方位にする」というような立案された対策・アイディ
アが並べられ、横方向に沿って、「実績有」「実施可
能」というような評価項目が並べられている。そして、
具体的な対策・アイディアの評価結果が、判定理由・備
考欄に記入されている。
【0019】次いで、ステップ108の作業に移行し、
ステップ107で立案された具体的な対策を総括し、例
えば設計本部のような責任のある部署で設定されたプロ
ジェクトの環境方針との整合性を確認の上、環境目的・
環境目標を設定し、さらに、ステップ109の作業に移
行して、図8に示すような環境負荷対策シート30で採
用された具体的な実施方法をエコシート(環境対策選択
支援チェックリスト)に反映し、それを設定する。ま
た、設定した項目の中から特に環境負荷対策に効果のあ
るものを選定しアピール項目とする。アピール項目は、
後述するように、環境配慮設計時に採用されると、2点
が与えられる。
【0020】以上のステップ100の処理を完了する
と、エコシートに記入する項目(環境配慮ポイント)が
設定されるため、それらをワーク用のエコシートの所定
欄に記入することにより、ワーク用のエコシートが作成
される。図9乃至図14は、ワーク用のエコシートの一
例を示す図であり、各図面がエコシートの1頁に対応し
ている。つまり、図9乃至図14に示す例は、総ページ
数が6頁になっているワーク用のエコシートである。な
お、ステップ100の処理が終了した段階では、図9乃
至図13の各ワーク用のエコシートの「計画」欄や「実
施(評点)」欄には○、●印や点数は未記入であり、
「実施内容/実施できなかった理由」欄には「環境配慮
ポイント」の具体的実施方法が記載されている。
【0021】そして、図1のステップ100の処理が終
了しワーク用のエコシートが作成されたら、ステップ2
00に移行する。ステップ200の詳細な内容は、図3
に示すようになっている。即ち、図1のステップ200
の処理が開始されると、図3のステップ201におい
て、図9等に示すワーク用のエコシートの「環境配慮ポ
イント」欄に記入されている各項目を、設計、構造、設
備の設計者間で協議し、環境を配慮した設計の方針を検
討し、検討の結果、採用された項目については、「計
画」欄の二つに分けてある記入スペースのうち、左側の
スペースに「○」を付ける。採用された項目が上述した
「アピール項目」である場合には、同スペースには
「●」を付ける。なお、その検討の際に、新規に環境配
慮に対する対策を講じる必要があると判断された場合
は、「環境配慮ポイント」欄の空白部分に、新たな環境
配慮ポイントを追加記入する。
【0022】そして、図9乃至図14に示す例では、各
環境配慮ポイントには、アピール項目は2点、通常の項
目には1点、という計画点が与えられている。計画点
は、ワーク用のエコシートの「計画」欄の二つに分けて
ある記入スペースの右側のスペースに数字で記入され
る。本実施の形態のようにアプリケーションプログラム
として実行される場合には、コンピュータの画面に表示
されているワーク用のエコシートの各環境配慮ポイント
の「計画」欄をマウスでクリックすると、項目の内容に
応じた「●:計画点2」、「○:計画点1」がプルダウ
ンメニュに現れる。オペレータがプルダウンメニュより
選択すると、その環境配慮ポイントの「計画」欄の記入
スペースに、記号と計画点とが自動的に入力され、計画
合計値が集計される。計画合計値は、図13の「計画」
欄の最後に続いて設けられた記入スペースに表示され
る。この図13の例では、「43.0」という計画合計
値となっている。
【0023】ステップ201の処理を終えたら、ステッ
プ202に移行し、当該計画建物の建物用途を指定す
る。建物用途の指定方法は、予め設定し記憶しておいた
ものの中から選択する方法が望ましい。予め設定する建
物用途としては、例えば、ショッピングセンター、ホテ
ル、飲食店、学校、研究所、工場、事務所、集合住宅、
駐車場、病院、物販店舗の11種類とする。各建物用途
のそれぞれには、計画推奨値が設定されている。計画推
奨値は、上記ステップ201の処理で求めた計画合計値
の推奨値であり、毎年、前年度の実施状況の分析結果を
もとにして見直される。計画推奨値の例を、図14中に
示す。
【0024】そして、ステップ203に移行し、ステッ
プ201で求められた計画合計値と、ステップ202で
指定された建物用途により決まる「計画推奨値」とに基
づいて、当該計画建物の計画率を計算する。計画率は、
計画推奨値に対する計画合計値の割合であり、下記
(1)式に従って算出される。 計画率(%)=計画合計値÷計画推奨値×100 ……(1) 図9乃至図14に示した例における建物用途が事務所で
あれば、計画合計値が43.0であり、計画推奨値が上
記表1から48と決まるから、この場合の計画率は上記
(1)式から、89.6%となる。
【0025】次いで、ステップ204に移行し、設計者
は、ステップ203で算出された計画率と、当該年度の
目標計画率と比較し、算出された計画率が目標計画率よ
り低い場合は、環境配慮ポイントの選択を見直す(計画
の見直し)ために、ステップ201に戻る。そして、ス
テップ204において、算出された計画率が目標計画率
より高いと判断できた場合には、ステップ205に移行
し、採用した環境配慮ポイントを各設計者(設計、構
造、設備)に周知させる。
【0026】その後、ステップ206に移行し、各設計
者は、ワーク用のエコシートに記載された環境配慮ポイ
ントの項目を設計条件として、設計図書を作成する。な
お、設計の過程で採用した環境配慮ポイントが実現でき
ない場合は、各設計者と協議して代替案を検討する。そ
の際、環境配慮ポイントに追加が出てきた場合は、ワー
ク用のエコシートの内容を変更する。以上でステップ2
00の処理を完了し、次いで、図1のステップ300に
移行する。ステップ300の詳細な内容は、図4に示す
ようになっており、先ずは、ステップ301において、
ステップ200の最後の処理で作成されている設計図書
に対し、設計者は、ワーク用のエコシートを用いて環境
配慮設計の実施状況をチェックする。具体的には、エコ
シートにおいて採用することになっている各環境配慮ポ
イントが、本当に設計図書に反映できているか否かをチ
ェックする。
【0027】チェックの結果は、ワーク用のエコシート
の「実施」欄の二つに分かれている記入スペースの左側
のスペースに記入する。本実施の形態のようにアプリケ
ーションプログラムで実行されている場合には、コンピ
ュータの画面に表示されているワーク用のエコシートの
「実施」欄をクリックするとプルダウンメニュに「全
部」、「一部」、「×」が表示され、環境配慮ポイント
が計画通り実施できた場合は「全部」、一部しか実施で
きなかった場合は「一部」、また、できなかった場合は
「×」を選択すると、その選択結果が、「実施」の左側
のスペースに記入される。環境配慮ポイント毎の実施状
況は、各ポイントの計画点に実施状況に応じた掛率
(「全部:1.0」、「一部:0.5」、「×:0.0」)を掛
けて評点とし、その評点が、ワーク用のエコシートの
「実施」欄の二つに分かれている記入スペースの右側の
スペースに記入される。
【0028】図9乃至図14に示した例であれば、例え
ば、「環境配慮ポイント」=「街並みへの配慮」(図9
の下方参照)については、全部実施と判定されたので、
評点は、計画点と同じ1.0となっているのに対し、
「環境配慮ポイント」=「ハイサッシュ」(図10の下
方参照)については、一部実施と判定されたので、評点
は、計画点×掛け率(0.5)の0.5となっている。
また、「環境配慮ポイント」=「氷蓄熱」(図11の中
頃参照)については、アピール項目であり計画点が2.
0であったにも関わらず、全く実施できていないと判定
されたので、評点は、0.0となっている。
【0029】ステップ301の処理を終えたら、ステッ
プ302に移行し、ステップ301のチェック結果に基
づいて、自動的に、当該プロジェクトにおける環境配慮
設計の実施率及び達成値が算出される。実施率は、計画
合計値に対する評点合計値の割合であり下記(2)式で
算出され、また、達成値は、当該プロジェクトの環境配
慮設計の達成度合いで計画率に実施率を掛けたものであ
り下記(3)式で算出される。
【0030】 実施率(%)=評点合計値÷計画合計値×100 ……(2) 達成値 =計画率×実施率÷100 ……(3) 図9乃至図14に示した例であれば、評点合計値は、図
13の「実施」欄の最後に続く欄に記入されているよう
に35.0であり、計画合計値は43.0であるから、
上記(2)式から、実施率は81.4%となり、上記
(3)式から、達成値は、72.9となる。
【0031】次いで、ステップ303に移行し、各環境
配慮ポイント毎に、設計上特に考慮した項目にはその特
徴、逆に実施できなかった項目にはその理由を、ワーク
用エコシートの「実施内容/実施できなかった理由」欄
に入力する。また、PAL/CECの計算が義務付けら
れている建物の場合は、計算しその値を入力する。その
他、環境目標達成度合いに対する設計者のコメントを入
力する。その後、コンピュータの画面に現れている「提
出用エコシート作成ボタン」をマウスでクリックする
と、本実施の形態におけるアプリケーションプログラム
によって、各環境配慮効果の分類毎に環境配慮ポイント
の評点が高い順に並び替え、「提出用エコシート」が自
動的に作成される。図9乃至図14に示したワーク用の
エコシートを提出用エコシートに変換した例を、図15
乃至図17に示す。
【0032】さらに、ステップ304に移行し、画面の
「提出」ボタンをマウスでクリックすると「提出用エコ
シート」のデータが「エコシートデータベース」サーバ
に転送され、これでステップ300の処理が終了する。
そして、図1のステップ400の処理に移行する。ステ
ップ400の詳細な内容は図5に示すようになってお
り、図5のステップ401において、ステップ300の
最後の処理によって提出されたエコシートデータが「エ
コシート分析システム」へインポートされ、データベー
ス化される。エコシート分析担当者は、転送されたエコ
シートデータを定期的に「エコシート分析システム」に
インポートする。既に提出されていたプロジェクトのエ
コシートデータは自動的に判別されデータ内容を更新す
る。
【0033】次いで、ステップ402に移行し、年度毎
に環境活動(環境配慮設計の推進)の実施状況を評価す
るために、各グループ(設計部署)別に環境配慮計画及
びその実施状況についての、グループ平均(計画合計
値、評点合計値、計画率、実施率、達成値)と、計画合
計値、評点合計値のMax、Min値とを算出する。グ
ループ毎の環境活動実施状況評価により特に達成値が低
いグループに対しては、原因の究明を行なう。また、次
年度の目標計画率、目標実施率、及び達成値を設定す
る。
【0034】次いで、ステップ403に移行し、「エコ
シート分析システム」によりベータベース化されたエコ
シートデータは、建物用途別に環境配慮計画及びその実
施状況の平均(計画合計値、評点合計値、計画率、実施
率、達成値)と計画合計値、評点合計値のMax、Mi
n値を算出する。また、PAL/CEC値と評点合計値
との相関分析を行う。そして、ステップ404に移行
し、分析した結果をもとに建物用途別の環境配慮設計の
効果の確認を行うとともに、今後の環境配慮設計の推進
のために計画推奨値の見直しや陳腐化された環境配慮ポ
イントの削除、また、新しい技術の変化に伴う環境配慮
ポイントの追加などの見直しを行う。
【0035】以上で、図1の処理が終了する。そして、
上述したような手順であるため、本実施の形態によれ
ば、環境に配慮した建築物の設計を行うことができる。
つまり、環境に配慮した建築物を、計画段階から確実に
作り込むことができる。ここで、本実施の形態では、ス
テップ100が環境対策の選択を支援するためのチェッ
クリストに記入する環境配慮ポイントを設定し前記チェ
ックリストを作成するステップに対応し、ステップ20
0が環境配慮計画を策定するステップに対応し、ステッ
プ206が環境配慮計画に基づいて設計図書を作成する
ステップに対応し、ステップ300が設計図書を評価す
るステップに対応し、ステップ101〜104の作業が
環境影響評価ステップに対応し、ステップ105、10
6の作業が現象選出ステップに対応し、ステップ107
の作業が環境対策立案評価ステップに対応し、ステップ
109の作業がチェックリスト作成ステップに対応し、
ステップ201の処理が環境に配慮した設計方針を検討
し前記チェックリストに記入されている環境配慮ポイン
トのうち採用するものを選択し、選択された各環境配慮
ポイントに計画点を与えその合計値を求めるステップに
対応し、ステップ202の処理が計画対象の建築物の用
途及び計画区分に基づいて計画推奨値を設定するステッ
プに対応し、ステップ203が合計値と計画推奨値とに
基づいて計画率を算出するステップに対応し、ステップ
204が算出された計画率に基づいて前記環境配慮ポイ
ントの再選択の必要性を判断し、必要性が認められたら
前記環境配慮ポイントを再選択するステップに対応し、
ステップ301がチェックリストに基づいて前記設計図
書に環境配慮設計が反映されているか否かを確認し評点
を求めるステップに対応し、ステップ302が前記確認
した結果に基づいて環境配慮設計の実施率及び達成値を
算出するステップに対応し、ステップ303が前記チェ
ックリストを集約して提出用エコシートを作成するステ
ップに対応し、ステップ400が提出用エコシートを分
析するステップに対応する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る環境
に配慮した建築物の設計方法及び設計支援プログラムに
よれば、環境に配慮した建築物を、計画段階から確実に
作り込むことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の全体処理の概要を示す
フローチャートである。
【図2】実施の形態における処理の詳細な内容を示すフ
ローチャートである。
【図3】実施の形態における処理の詳細な内容を示すフ
ローチャートである。
【図4】実施の形態における処理の詳細な内容を示すフ
ローチャートである。
【図5】実施の形態における処理の詳細な内容を示すフ
ローチャートである。
【図6】環境影響評価シートの一例を示す図である。
【図7】環境側面登録リストの一例を示す図である。
【図8】環境負荷対策シートの一例を示す図である。
【図9】ワーク用のエコシートの一例を示す図である。
【図10】ワーク用のエコシートの一例を示す図であ
る。
【図11】ワーク用のエコシートの一例を示す図であ
る。
【図12】ワーク用のエコシートの一例を示す図であ
る。
【図13】ワーク用のエコシートの一例を示す図であ
る。
【図14】ワーク用のエコシートの一例を示す図であ
る。
【図15】提出用のエコシートの一例を示す図である。
【図16】提出用のエコシートの一例を示す図である。
【図17】提出用のエコシートの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 環境影響評価シート 20 環境側面登録リスト 30 環境負荷対策シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 充 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境に配慮した建築物を設計する方法で
    あって、 環境対策の選択を支援するためのチェックリストに記入
    する環境配慮ポイントを設定し、前記チェックリストを
    作成するステップと、 前記チェックリストに記入された環境配慮ポイントを選
    択することにより環境配慮計画を策定するステップと、 前記環境配慮計画に基づいて設計図書を作成するステッ
    プと、 前記設計図書を評価するステップと、を備えることを特
    徴とする環境に配慮した建築物の設計方法。
  2. 【請求項2】 前記チェックリストを作成するステップ
    は、 活動毎に生じる現象を抽出し、それら現象に対する環境
    影響項目を特定するとともに、前記各現象毎に評価を行
    う環境影響評価ステップと、 少なくとも前記評価の結果に基づいて環境対策を講じる
    現象の候補を選出する現象選出ステップと、 前記選出された現象について、環境影響の負荷低減を図
    る具体的な対策を立案し、それを評価する環境対策立案
    評価ステップと、 前記立案された対策並びにその評価結果に基づいて前記
    チェックリストを作成するチェックリスト作成ステップ
    と、を備える請求項1記載の環境に配慮した建築物の設
    計方法。
  3. 【請求項3】 前記環境配慮計画を策定するステップで
    は、 環境に配慮した設計方針を検討し前記チェックリストに
    記入されている環境配慮ポイントのうち採用するものを
    選択し、選択された各環境配慮ポイントに計画点を与え
    その合計値を求めるステップと、 当該計画対象の建築物の用途及び計画区分に基づいて計
    画推奨値を設定するステップと、 前記合計値と前記計画推奨値とに基づいて計画率を算出
    するステップと、 前記算出された計画率に基づいて前記環境配慮ポイント
    の再選択の必要性を判断し、必要性が認められたら前記
    環境配慮ポイントを再選択するステップと、を備える請
    求項1又は請求項2記載の環境に配慮した建築物の設計
    方法。
  4. 【請求項4】 前記設計図書を評価するステップでは、 前記チェックリストに基づいて前記設計図書に環境配慮
    設計が反映されているか否かを確認し評点を求めるステ
    ップと、 前記確認した結果に基づいて環境配慮設計の実施率及び
    達成値を算出するステップと、を備える請求項1乃至請
    求項3のいずれか一項に記載の環境に配慮した建築物の
    設計方法。
  5. 【請求項5】 前記チェックリストを集約して提出用エ
    コシートを作成するステップをさらに備える請求項1乃
    至請求項4のいずれか一項に記載の環境に配慮した建築
    物の設計方法。
  6. 【請求項6】 前記提出用エコシートを分析するステッ
    プをさらに備える請求項5記載の環境に配慮した建築物
    の設計方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に
    記載の環境に配慮した建築物の設計方法を電子計算機で
    実行させるようになっていることを特徴とする環境に配
    慮した建築物の設計支援プログラム。
JP2002066155A 2002-03-11 2002-03-11 環境に配慮した建築物の設計方法及び設計支援プログラム Pending JP2003263470A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019012317A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 株式会社日立プラントサービス 製造施設内レイアウトのリスク分析方法、及び装置

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