JP2003261869A - 発光体粒子及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents

発光体粒子及びその製造方法並びにその用途

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐湿性の向上に加え、初期ルミネッセンス光
度が非被覆品と同等であり、且つ粒子固着の無い分散性
・成形性に優れた、均一で緻密なシリカにより被覆され
た新しい発光体粒子を提供する。 【解決手段】屈折率が1.435以上である薄膜シリカ
で被覆(第一被膜)され、該第一被膜上にさらにポリシ
ラザン由来の屈折率が1.45以上のシリカ膜で被覆
(第二被膜)された発光体粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理すること
により優れた耐湿性を有し、且つ初期ルミネッセンス光
度の低下を引き起こすことなく、優れた分散性を有する
発光体粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発光体粒子は、平板ディスプレーをはじ
め、電子機器、照明器具、時計・ファッション等の装飾
品、ブラウン管といった様々な用途に利用されている。
本発明で云う発光体粒子とは、蛍光粒子、燐光粒子、蓄
光粒子などを示す。発光のための刺激方法(励起エネル
ギー源)としては、紫外線、電子線、X線・放射線、電
界、化学反応がある。蛍光体としては、硫化亜鉛(Zn
S)、硫化カルシウム(CaS)や硫化ストロンチウム
(SrS)を母材としたものがあり、多色化、高輝度化
を目的とし、銅、銀、マンガン等種々の付活剤や共付活
剤が添加されている。
【0003】これら発光体粒子を実用化するにあたって
は、長寿命化と高輝度化と高分散性付与の技術が重要で
ある。
【0004】特に長寿命化の観点では、耐湿性の向上が
不可欠である。発光体粒子は、一般に耐湿性に乏しく、
水との接触はもちろんのこと、大気中の水蒸気との接触
によってもその発光特性に重大な悪影響を及ぼされる。
したがって、湿度の高い場所で長時間使用すると吸湿に
伴いルミネッセンス光度が急激に低下してしまう。ま
た、吸湿状態のまま発光をつづけると発光面が急激に黒
色化し、輝度も低下する。とりわけエレクトロルミネッ
センス(EL)においては、発光層内に侵入した水分と
電気エネルギー等による一種の化学反応等により、例え
ばZnS系蛍光体の場合はZnが還元析出したり、バイ
ンダーが透明電極付近で炭化したりする。
【0005】この耐湿化のための従来技術を、エレクト
ロルミネッセンス(EL)での場合を例として挙げる。
【0006】EL発光体粒子は、一般的に分散型EL素
子として利用され、その基本構造は、発光体粒子を、シ
アノエチルセルロース等の高誘電率を有する有機バイン
ダーに分散して形成した発光層を、素子の絶縁耐圧を増
し安定な動作を確保するための誘電体層(絶縁層)に重
ね、更にその両面に電圧印可のための電極(少なくとも
一方は透明電極)を設けたものである。
【0007】そこで、耐湿化のため、トリフルオロモノ
クロロエチレンポリマー等の防湿フィルムで素子をシー
トすることも行われているが、素子が厚くなる上、高価
であり、更に暗いボーダー及び離層を含むといった問題
点を持つ。
【0008】また、発光体そのものをコーティングし耐
湿性を改善する試みも行われている。特開平4−178
486号公報では、蛍光体表面を、マグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム等の金属の燐酸塩にて被覆し、
次いでプラズマ処理により急速加熱することによる耐水
性蛍光体の製造方法が開示されている。しかし、これら
燐酸塩での被覆では、単に塩が析出しただけであり、到
底、均一な被覆状態といえない。もちろん緻密性は全く
なく、そのため、プラズマ処理といった煩雑でコストの
かかる処理が必要となる。しかもプラズマ処理によりピ
ンホールのにない均一な被膜を得るには粒子同士の固着
は避けられず、分散性・成形性に乏しいものとなってし
まう。
【0009】特開平4−230996号公報では、燐光
粒子を25℃から170℃の範囲で加熱し、酸化物の先
駆物材料存在下でのCVD法により酸化物被覆すること
による耐湿性と高い初期ルミネッセンスを有する燐光粒
子及びその製造方法が開示されている。しかし、CVD
法により酸化物を均一に被覆せしめるには高価な設備を
必要とするため経済性に欠ける。また処理時間がかかる
ため、粒子間固着が生じやすいく、低温でのCVDでは
その傾向が強くまる。それ故、発光体粒子の解砕時や有
機バインダーへの分散時に、被膜のピンホールの発生や
酸化物の剥離を生じ、成形性にも劣る。
【0010】発光体粒子同士の固着は、薄い発光層の形
成を妨げたり、不均一な光出力をもたらしたり、更には
EL素子の製作時に分散性が悪く、沈降してしまうとい
った不具合が生じる。特開平8−236274号公報で
は、発光体粒子をポリシラザン由来のセラミックス被膜
で被覆することが開示されている。具体的には、硫化亜
鉛粉末をポリシラザン溶液に混濁しスプレードライヤー
にて乾燥することにより被覆粒子を得る。ポリシラザン
はシリカ転化時質量増加を生じ、体積収縮が小さいため
厚膜においてもクラックを生じ難いが、母材である硫化
亜鉛に直接被覆しようとすると母材へのポリシラザン被
膜の密着性に乏しいため均一な被膜を得ることができな
い上、粒子間固着が生じやすい。そのため発光体粒子の
解砕時や有機バインダーへの分散時に、被膜のピンホー
ルの発生や被膜の剥離を生じ、成形性に劣る。結果とし
て耐湿性の向上は不十分なものである。
【0011】本発明者は先に、特定の緻密で均一な薄膜
シリカで被膜すること、又は、さらにその表面を窒化あ
るいはフッ素化することにより耐湿性の向上に加え、未
被覆品に対して初期ルミネッセンス光度の低下が少な
く、且つ分散性に優れた発光体粒子を開示している。し
かし、耐湿性の向上は以前として求められている。シリ
カ含有量の増加に伴い耐湿性は向上するものの、過度の
含有量増加は初期輝度の低下が起きてしまう。また、も
ちろんシリカ含有量の増加は膜厚の増加を意味するが、
膜厚が0.5μm以上になると乾燥時の膜収縮に伴い、
クラックが入りやすい。
【0012】よって、発光体粒子の被覆においては、耐
湿性の向上度はもちろんのこと、クラックの生成しにく
い薄い膜厚でも十分な耐湿性を付与すること、又は厚い
膜厚でもクラックの生成のない被膜化方法が必要であ
り、且つ初期ルミネッセンス光度の低下を引き起こさな
いこと、粒子の固着が無く解砕の必要が無く、被膜密着
性と粒子分散性に優れ、成形性に優れていることが必要
であり、これらすべてを満足するものはこれまでにな
い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐湿性の向
上に加え、初期ルミネッセンス光度が非被覆品と同等で
あり、且つ被膜(皮膜)の密着性がよく、粒子固着の無
い分散性・成形性に優れた、均一でシリカ薄膜により被
覆された新しい発光体粒子の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を達
成すべく鋭意検討した結果、屈折率が1.435以上で
ある緻密な薄膜シリカで被膜(第一被膜)し、該第一被
膜上に更にポリシラザン由来の屈折率が1.45以上の
緻密なシリカ膜で被膜(第二被膜)された発光体粒子
が、耐湿性の向上に加え、初期ルミネッセンス光度が未
被覆品と同等であり、且つ被膜密着性がよく、粒子固着
の無い分散性・成形性に優れていることを見い出し、本
発明を完成するに至った。ここで云う発光体粒子とは、
蛍光、燐光、又は蓄光粒子を含むものである。驚くべき
ことに、該第一被膜のみを施した場合、又は該第二被膜
のみを発光体粒子表面に被覆を施した場合には、到底得
られない耐湿性の向上が認められた。
【0015】なお、本発明では「被膜」とは全体をおお
い包んでいる膜だけでなく、一部形成されている皮膜も
含める。
【0016】すなわち本発明は、次の事項に関する。 1) 屈折率が1.435以上である薄膜シリカで被膜
(第一被膜)され、該第一被膜上に更にポリシラザン由
来の屈折率が1.45以上のシリカ膜で被膜(第二被
膜)された発光体粒子、 2) 第一被膜、第二被膜のシリカ膜の膜厚が、0.0
2〜1μmである上記1記載の発光体粒子、 3) ポリシラザンがペルヒドロポリシラザンである上
記1または2記載の発光体粒子、 4) ポリシラザンの数平均分子量が、100〜500
00の範囲である上記3に記載の発光体粒子、 5) 第一被膜の膜厚が0.01〜0.5μm、第二被
膜の膜厚が0.01〜0.5μmであるシリカ膜で被覆
された上記1乃至4のいずれかに記載の発光体粒子、 6) 膜厚が0.01〜0.5μmであり、その屈折率
が1.45以上であり、かつその赤外吸収スペクトルに
おける1150〜1250cm-1と1000〜1100
cm-1の吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1
1150〜1250cm-1の吸収ピークの吸光度、I2
は1000〜1100cm-1の吸収ピークの吸光度)が
0.2未満である、ポリシラザン由来のシリカ膜(第二
被膜)で被覆された上記1乃至5のいずれかに記載の発
光体粒子、 7) 膜厚が0.01〜0.5μmであり、その屈折率
が1.435以上であり、かつその赤外吸収スペクトル
における1150〜1250cm-1と1000〜110
0cm-1の吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1
は1150〜1250cm-1の吸収ピークの吸光度、I
2は1000〜1100cm-1の吸収ピークの吸光度)
が0.2以上であるシリカ膜(第一被膜)で被覆された
上記1乃至6のいずれかに記載の発光体粒子、 8) 最外表面が疎水化された上記1乃至7のいずれか
に記載の発光体粒子、 9) 1)有機基及びハロゲンを含まない珪酸または前
記珪酸を生成し得る珪酸前駆体並びに2)水、3)アル
カリ、4)有機溶媒を少なくとも含有するシリカ被膜形
成用組成物に発光体粒子を接触させる工程、次いで1)
ポリシラザン並びに2)有機溶媒、3)アミン及び/又
は金属イオン触媒を少なくとも含有するシリカ被膜形成
用組成物に発光体粒子を接触させる工程、を含む発光体
粒子の製造方法、 10) 1)有機基及びハロゲンを含まない珪酸または
前記珪酸を生成し得る珪酸前駆体並びに2)水、3)ア
ルカリ、4)有機溶媒を少なくとも含有するシリカ被膜
形成用組成物に発光体粒子を接触させる工程、次いで
1)ポリシラザン並びに2)有機溶媒、3)アミン及び
/又は金属イオン触媒を少なくとも含有するシリカ被膜
形成用組成物に発光体粒子を接触させ、水蒸気接触させ
る工程、を含む発光体粒子の製造方法、 11) ポリシラザンの数平均分子量が、100〜50
000のポリシラザンである上記9または10記載の発
光体粒子の製造方法、 12) 1)有機基及びハロゲンを含まない珪酸または
前記珪酸を生成し得る珪酸前駆体並びに、2)水、3)
アルカリ、4)有機溶媒を少なくとも含有するシリカ被
膜形成用組成物に発光体粒子を接触させる工程におい
て、ここで水/有機溶媒比(仕込み容量基準)を0.1
〜10の範囲及び珪酸濃度を0.0001〜5モル/リ
ットルの範囲で使用し、前記接触により発光体粒子の表
面にシリカを選択的に被膜せしめた後、乾燥することに
より第一被膜を施すことを特徴とする上記9乃至11の
いずれかに記載の発光体粒子の製造方法、 13) 発光体粒子の発光が蛍光である上記1乃至8の
いずれかに記載の発光体粒子、 14) 発光体粒子の発光が蛍光であることを特徴とす
る上記9乃至12のいずれかに記載の発光体粒子の製造
方法、 15) 上記1乃至8のいずれかに記載の発光体粒子を
使用した分散型発光素子、 16) 上記1乃至8のいずれかに記載の発光体粒子を
使用した分散型エレクトロルミネッセンス素子、 17) 発光体粒子が硫化亜鉛(ZnS)、硫化カルシ
ウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)から選
ばれた1種以上を原料とすることを特徴とする上記1乃
至8のいずれかに記載の発光体粒子、及び 18) 発光体粒子が硫化亜鉛(ZnS)、硫化カルシ
ウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)から選
ばれた1種以上を原料とすることを特徴とする上記9乃
至12のいずれかに記載の発光体粒子の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
てさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0018】まず、本発明において用いることができる
発光体粒子(ここで云う発光体粒子とは、蛍光、燐光、
又は蓄光粒子を含む。)は特に制限されないが、通常、
硫化亜鉛(ZnS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化
ストロンチウム(SrS)などの硫化物、Y22S、L
22S(LnはY、Gd及びLaの群から選択された
少なくとも1種)などの酸硫化物、MGa24(MはS
r、Ca、Ba及びMgの群から選択される少なくとも
1種)などのチオガレート系化合物、(Ba、Eu)O
MgO・5Al23などのアルミン酸系化合物を母材と
したものがある。更に、例えば硫化亜鉛系のエレクトロ
ルミネッセンス材においては、硫化銅(CuS)、セレ
ン化亜鉛(ZnSe)及び硫化カドミニウム(CdS)
の化合物を該硫化亜鉛結晶構造の固溶体含む。また、多
色化、高輝度化を目的とし、銅、銀、マンガン等種々の
付活剤や共付活剤が添加されていてもよい。例えば硫化
亜鉛系のエレクトロルミネッセンス材においては、Cu
とIを含むものは青緑に発光、CuとAlを含むものは
緑に発光、CuとMnとClを含むものは黄橙に発光す
る。
【0019】次に本発明のシリカ被膜とその製造法につ
いて説明する。
【0020】(第一被膜)本発明のシリカ被覆発光体粒
子は、1150〜1250cm-1と1000〜1100
cm-1における赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の
比I(I=I1/I2:I1は1150〜1250cm-1
のSi−OHによる吸収ピークの吸光度、I2は100
0〜1100cm-1のSi−O−Siによる吸収ピーク
の吸光度)が0.2以上であり、かつ屈折率が1.43
5以上であるシリカ被膜(第一被膜)を有する。この第
一被膜は、基材である発光体の複雑な粒子形状にも付き
まわりが良く、ごく薄い膜厚においても密着性・被覆性
の良い、緻密な薄膜シリカである。ここで云う緻密と
は、形成されたシリカ膜が高密度であり、均一でピンホ
ールや亀裂のないことを意味する。
【0021】本発明での第一被膜は、1)後述する第二
被膜の密着性を確保するための親水性アンダーコートと
しての役割を有し、薄膜シリカとすることにより低膜厚
でも第二被膜との十分な密着性を発揮し、2)緻密性を
有する薄膜シリカとすることで、低膜厚な第二被膜との
相乗的な耐湿性向上を可能にしている。通常、ゾル−ゲ
ル法等で焼成して得られる、あるいはCVD法で得られ
るシリカ被膜は、1150〜1250cm-1と1000
〜1100cm-1における赤外吸収スペクトルの吸収ピ
ーク強度の比Iが一般に0.2未満である。そして、I
の値は一般に焼成により、化学結合あるいは官能基が変
化し、シリカ膜の親水性、吸油性の特性が変化すること
が知られている。また、通常のゾル−ゲル法で焼成をし
ないで得られるシリカ膜は、屈折率が1.435未満で
あり、緻密性が低い。ここで、一般にシリカ膜の緻密性
と屈折率は正の相関があるとされている。(例えば、
C.JEFFERY BRINKER、SOL−GEL
SCIENCE、581〜583、ACADEMIC
PRESS(1990))また、被膜中にナトリウム
等のアルカリ金属を含むと、加熱多湿雰囲気下では、シ
リカ膜が溶解する可能性があるが、本発明では、製造条
件を選択することによりナトリウム等のアルカリ金属の
含有量が極めて少ないシリカ被膜とすることもできる。
このことは、後述する第二被膜の低温セラミックス化に
おいて水蒸気接触させる際に被膜の劣化がほとんど無
く、好適に使用できる。
【0022】本発明のシリカ被覆発光体粒子は、有機基
及びハロゲンを含まない珪酸または前記珪酸を生成し得
る前駆体並びに、水、アルカリ及び有機溶媒を含有し、
水/有機溶媒比が容量比で0.1〜10の範囲であり、
かつ珪素濃度が0.0001〜5モル/リットルの範囲
であるシリカ被膜形成用組成物に、発光体粒子を接触さ
せて発光体粒子の表面に緻密な薄膜シリカを選択的に堆
積せしめる方法により得られるシリカ被膜発光体粒子で
ある。
【0023】特に、1150〜1250cm-1と100
0〜1100cm-1における赤外吸収スペクトルの吸収
ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜1
250cm-1のSi−OHによる吸収ピークの吸光度、
2は1000〜1100cm-1のSi−O−Siによ
る吸収ピークの吸光度)が0.2以上であり、かつ屈折
率が1.435以上である緻密な薄膜シリカで被膜され
たシリカ被膜発光体粒子である。
【0024】本発明においてシリカ被膜形成用組成物に
用いられる有機基及びハロゲンを含まない珪酸とは、例
えば化学大辞典(共立出版(株)昭和44年3月15日
発行、第七刷)の「珪酸」の項に示される、オルト珪酸
4SiO4、及びその重合体である、メタ珪酸H2Si
3、メソ珪酸H2SiO5、メソ三珪酸H4Si38、メ
ソ四珪酸H6Si411等を示す。
【0025】シリカ被膜形成用組成物は、例えばテトラ
アルコキシシラン(Si(OR)4、式中Rは炭化水素
基、特にC1〜C6の脂肪族基)、具体的にはテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポ
キシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−
ブトキシシラン等の有機基及びハロゲンを含まない珪酸
を生成しうる前駆体に、水、アルカリ、有機溶媒を添
加、撹拌し、加水分解反応を進めることにより得られ
る。この方法は取扱いあるいは操作が容易で実用的であ
り好ましい。中でもテトラエトキシシランは好ましい材
料である。
【0026】式XnSi(OH)4-n(式中、Xは炭化水
素基、ハロゲン、水素、nは1、2又は3の整数であ
る。)で表される炭化水素基、ハロゲン又は水素のよう
な疎水性基を有する化合物は本発明で用いる珪酸とは異
なる。従って、トリアルコキシアルキルシラン、ジアル
コキシアルキルジアルキルシラン、トリアルコキシシラ
ン、ジアルコキシシラン、などは有機基及びハロゲンを
含まない珪酸を生成しうる前駆体として適当ではない。
【0027】また、テトラハロゲン化シランに水、アル
カリ、有機溶媒を添加し、加水分解する方法や、水ガラ
スにアルカリ、有機溶媒を添加する方法、あるいは水ガ
ラスを陽イオン交換樹脂にて処理し、アルカリ、有機溶
媒を添加する方法を用いても有機基及びハロゲンを含ま
ない珪酸を含むシリカ被膜形成用組成物を得ることがで
きる。有機基及びハロゲンを含まない珪酸の原料として
用いるテトラアルコキシシラン、テトラハロゲン化シラ
ン、水ガラスは特に制限はなく、工業用、あるいは試薬
として広く一般に用いられているものでよいが、好まし
くはより高純度のものが適している。また本組成物のシ
リカ被膜形成用組成物には、上記珪酸の原料の未反応物
を含んでいても構わない。
【0028】有機基及びハロゲンを含まない珪酸の量に
は特に制限はないが、好ましくは珪素原子の濃度として
0.0001〜5モル/リットルの範囲である。より好
ましくは0.001〜5モル/リットルの範囲である。
珪素濃度が0.0001モル/リットル未満ではシリカ
被膜の形成速度が極めて遅く実用的ではない。また5モ
ル/リットルを越えると、被膜を形成せずにシリカ粒子
が組成物中に生成する場合がある。
【0029】珪素濃度は、珪酸の原料、例えばテトラエ
トキシシランの添加量より算出できるが、組成物を原子
吸光分析により測定することもできる。測定は、珪素の
波長251.6nmのスペクトルを分析線とし、フレー
ムは、アセチレン/亜酸化窒素によるものを用いるとよ
い。
【0030】シリカ被膜形成用組成物に用いられる水
は、特に制限はなく、イオン交換水、蒸留水、水道水な
どを使用することができるが、好ましくは濾過等により
粒子を除去した水である。水中に粒子が含まれると、製
品中に不純物として混入するので好ましくない。
【0031】水は、水/有機溶媒比が容量比で0.1〜
10の範囲の量で使用することが好ましい。水/有機溶
媒の容量比がこの範囲を外れると、成膜できなかった
り、成膜速度が極端に落ちる場合がある。さらに好まし
くは、水/有機溶媒比が容量比で0.1〜0.5の範囲
である。水/有機溶媒比が容量比で0.1〜0.5の範
囲では、用いるアルカリの種類が限定されない。水/有
機溶媒比が0.5以上の場合には、アルカリ金属を含ま
ないアルカリ、例えば、アンモニア、炭酸水素アンモニ
ウム、炭酸アンモニウム等を用いて成膜することが好ま
しい。
【0032】本発明において、シリカ被膜形成用組成物
に用いられるアルカリは特に限定されない。例えばアン
モニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機ア
ルカリ類;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ
塩類;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン、アニリン、コリン、テトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイド、グアニジン等の有機
アルカリ類;蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻
酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、乳酸ピリジ
ン、グアニジノ酢酸、酢酸アニリン等の有機酸アルカリ
塩等を用いることができる。
【0033】これらの中でも、反応速度制御の点からア
ンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、
蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。シリカ被膜形
成用組成物に用いられるアルカリは上記群から選ばれる
1種または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0034】本発明において用いられるアルカリの純度
には特に制限はない。工業用、あるいは試薬として広く
一般に用いられているものであればよいが、好ましくは
より高純度のものが適している。
【0035】本発明において被膜形成用のアルカリの添
加量は、例えば炭酸ナトリウムの場合0.002モル/
リットル程度の微量添加で成膜可能であるが、1モル/
リットル程度の大量の添加を行ってもかまわない。しか
し、固体のアルカリを、溶解度を越える量添加すると、
発光体粒子中に不純物として混入するので好ましくな
い。
【0036】アルカリ金属を主成分として含まないアル
カリを用いることにより、アルカリ金属含有量の少ない
シリカ被膜発光体粒子を作成できる。中でも、成膜速
度、残留物除去のしやすさから、アンモニア、炭酸アン
モニウム、炭酸水素アンモニウムが特に好ましい。
【0037】本発明におけるシリカ被膜形成組成物に用
いられる有機溶媒は、シリカ被膜形成用組成物が均一溶
液を形成するものが好ましい。例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ペンタノール等のアルコール
類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエー
テル・アセタール類;アセトン、ジアセトンアルコー
ル、メチルエチルケトン等のケトン類;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等
の多価アルコール誘導体等を用いることができる。これ
らの中でも反応速度制御の点からアルコール類を用いる
ことが好ましく、特にエタノールが好ましい。有機溶媒
としては、上記群から選択された1種または2種以上を
混合して用いることもできる。
【0038】シリカ被膜形成用組成物で用いられる有機
溶媒の純度に特に制限はなく、工業用、あるいは試薬と
して広く一般に用いられているものでよいが、好ましく
はより高純度のものが適している。
【0039】シリカ被膜形成用組成物の調製には、一般
的な溶液調製法が適用できる。例えば、所定の量のアル
カリと水を有機溶媒に添加、撹拌した後、テトラエトキ
シシランを添加、撹拌する方法等が挙げられるが、これ
らの混合の順番は何れが先でも、被膜形成が可能であ
る。水とテトラエトキシシランを混合する際、双方とも
有機溶媒で希釈することが、反応の制御性の点で好まし
い。
【0040】さらに必要に応じて、レベリング剤、消泡
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、
表面改質剤、流れ止め剤等を加えてもよい。
【0041】このようにして調製したシリカ被膜形成用
組成物は安定な組成物であり、発光体粒子と接触させる
までは実質的に沈着、沈殿が起こらない。組成物に発光
体粒子を接触させた後、発光体粒子の表面へシリカが選
択的に堆積し始める。
【0042】本発明においては、発光体粒子をシリカ被
膜形成用組成物に浸漬し、所定温度に保持しておくこと
により該発光体粒子の表面にシリカを選択的に堆積せし
め、シリカ膜を形成させることができる。被膜形成用組
成物を予め調製してから発光体粒子を投入し、シリカ膜
を形成させる方法でもよいし、発光体粒子を予め溶媒に
懸濁してから他の原料成分を添加して被膜形成用組成物
となし、シリカ膜を形成させる方法等でもよい。すなわ
ち、被膜形成用組成物の原料、発光体粒子を投入する順
序は特に制限がなく、何れが先でもシリカ被膜の形成が
可能である。
【0043】それらの方法の中でも、発光体粒子と水と
有機溶媒とアルカリを含む懸濁液を調製した後、これに
有機溶媒で希釈したテトラアルコキシシランを一定速度
にて滴下すると、より緻密性の良好なシリカ膜を形成す
ることができ、工業的に有用な連続プロセスを構築する
ことができるので好ましい。
【0044】シリカ被膜は発光体粒子表面への堆積によ
り成長するので、成膜時間を長くすれば膜厚を厚くする
ことができる。むろん、被膜形成用組成物中の珪酸が被
膜の形成により大部分消費された場合には、成膜速度は
低下するが、消費量に相当する珪酸を順次追添加するこ
とにより、連続して実用的な成膜速度でシリカ被膜の形
成を行うことができる。特に、所望のシリカ膜厚に相当
する珪酸を加えた被膜形成用組成物中に発光体を所定時
間保持し、シリカ膜を形成させて珪酸を消費せしめ、シ
リカ被膜発光体粒子を系外に取り出した後、消費量に相
当する珪酸を追添加することにより、引き続いて該組成
物を次の発光体粒子への被膜形成に用いることができ、
経済性、生産性の高い連続プロセスを構築できる。
【0045】また、発光体粒子と水と有機溶媒とアルカ
リを含む懸濁液を調製した後、これに有機溶媒で希釈し
たテトラアルコキシシランを一定速度にて滴下する方法
の場合には、所望のシリカ膜厚に相当するテトラアルコ
キシシランを有機溶媒に希釈した液を、テトラアルコキ
シランの加水分解速度に見合った一定速度にて滴下する
ことにより、テトラアルコキシシランが完全に消費さ
れ、所望の膜厚を有する緻密なシリカ膜を形成でき、生
じたシリカ被膜発光体粒子を系外に取り出すことで、未
反応テトラアルコキシランの残存のない高純度の製品を
得ることができる。もちろん、シリカ被膜発光体粒子を
取り出した後の溶媒は、次の被膜形成用にリサイクル使
用することができ、経済性、生産性の高いプロセスを構
築することができる。
【0046】シリカ被膜形成時の温度に特に限定はない
が、好ましくは10〜100℃の範囲、より好ましく
は、20〜50℃の範囲である。温度が高い程成膜速度
が増加するが、高過ぎると組成物中成分の揮発により、
溶液組成を一定に保つことが困難になり、また温度が低
すぎると、成膜速度が遅くなり実用的でない。
【0047】シリカ成膜速度を上げるには、被膜形成時
の温度を上げることが有効である。この場合には、その
被膜形成温度で揮発、分解しにくいアルカリ及び有機溶
媒を用いることが好ましい。
【0048】また、被膜形成時のpHはアルカリ性であ
ればよい。ただし、pHに依存して溶解性が増すような
発光体をシリカ被膜する場合には、被膜形成組成物のp
Hを制御することが好ましい。好ましいpHは8〜13
であり、より好ましくは9〜12である。pHは、アル
カリ種に応じて、その添加量を調整することにより制御
することができる。
【0049】被膜形成後、固・液の分離を行い、シリカ
被膜発光体粒子を単離することができる。単離の方法
は、濾過、遠心沈降、遠心分離等の一般的な分離法を用
いることができる。
【0050】固・液分離後に乾燥を充分行うことによ
り、湿式被覆にもかかわらず、水環境にさらされた影響
を全く受けず初期ルミネッセンス光度の高いシリカ被膜
発光体粒子を得ることができる。乾燥方法は温風乾燥、
真空乾燥、スプレードライ等の一般的な乾燥法を用いる
ことができる。被覆発光体の初期ルミネッセンス光度及
び耐湿性に与える乾燥減量の影響を少なくするため、好
ましい乾燥方法は、真空乾燥であり、その場合、50〜
150℃にて5kPa以下にて1〜5hr乾燥する。
【0051】本発明のシリカ被膜発光体粒子は、シリカ
被膜の形状追随性が極めて良好であり、基材である発光
体粒子の一次粒子すべてが緻密なシリカ膜で被膜されて
いるとともに、その被膜密着力が強い。
【0052】上記の方法で得られるシリカ膜は、115
0〜1250cm-1と1000〜1100cm-1におけ
る赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比I(I=I
1/I2:I1は1150〜1250cm-1のSi−OH
による吸収ピークの吸光度、I2は1000〜1100
cm-1のSi−O−Siによる吸収ピークの吸光度)が
0.2以上であり、かつ屈折率が1.435以上であ
る。すなわち、従来のゾル−ゲル法で焼成しない場合に
得られるシリカ膜の化学結合あるいは官能基を保持して
いるため親水性、親油性等において焼成で得られるシリ
カ被膜とは異なる特定の物性を有するにもかかわらず、
緻密で実用的なシリカ被膜である。
【0053】さらに、本発明のシリカ被膜は、基材の発
光体粒子の複雑な形状にも付き回りがよい。ケイ酸ソー
ダからの中和沈積法ではシリカ粒子が発光体粒子への沈
積することで被膜を形成するのに対し、本発明の方法で
は基材の発光体粒子表面において、緻密なシリカ膜が、
選択的に且つ3次元的に堆積成長したものであり、1n
m程度の薄い被膜であっても形状追随性が良好で均一な
被膜形成が可能である。また、シリカ被膜形成用組成物
のアルカリの種類を限定することによりナトリウム等の
アルカリ金属の含有量が極めて少ないシリカ被膜とする
ことができるので、高温多湿雰囲気下においてもシリカ
膜が溶解しないでシリカ被膜の物性が変化しないという
特徴を有する。
【0054】(第二被膜)次に、ポリシラザン由来の緻
密なシリカ被膜(第二被膜)について説明する。本発明
のシリカ第二被膜は、ポリシラザンを用いて形成された
ものである。このようなシリカ膜の厚さは0.01〜
0.5μm 程度であることが好ましく、さらには0.0
5〜0.25μm 程度であることが好ましい。このよう
な膜厚とすることで耐湿膜としての機能が十分となり、
かつ初期ルミネッセンス光度の低下を起こさずに、分散
性を良好な発光粒子とすることができる。膜厚が0.0
1μm以下では耐湿膜としての機能が不十分であり、
0.5μm以上では初期光度の低下を来すとともに、分
散性を損ねかねない。
【0055】なお、代表的な湿式表面処理でシリカ膜を
得るゾル−ゲル法によるシリカ被膜や上述した第一被膜
はシリカ転化時に、ヒドロキシ基、アルコキシ基の脱離
による質量減が大きく、それ故、体積収縮が大きく、
0.5μm 以上の膜厚ではクラックを生じ易い。
【0056】それに対して、ポリシラザンを用いたシリ
カ転化では後述の反応機構のため、シリカ転化時質量増
加を生じ、体積収縮が小さく、シリカ膜転化時に比較的
低温で十分に、しかもクラックを生じ難くなる。
【0057】第二被膜は、屈折率が1.45以上の緻密
な膜を形成するが、中でも1150〜1250cm-1
1000〜1100cm-1における赤外吸収スペクトル
の吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は115
0〜1250cm-1のSi−OHによる吸収ピークの吸
光度、I2は1000〜1100cm-1のSi−O−S
iによる吸収ピークの吸光度)が0.2未満を示すもの
がよい。屈折率は溶融石英ガラスの値(密度2.2g/
cm3、屈折率1.46)に近い値を示しており実質的
にSiO2膜を形成している。
【0058】本発明に用いられるポリシラザンは珪素−
窒素結合を持つポリマーであり、Si−N、Si−H、
N−H等からなるSiO2のセラミック前駆体無機ポリ
マーである。例えば、特開平8−236274号公報に
開示されている一般式1(但し、R1、R2、R3はそれ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シク
ロアルキル基、アリール基、またはこれらの基以外で珪
素に直結する基が炭素である基、アルキルシリル基、ア
ルキルアミノ基、アルコキシ基もしくは金属原子を表
す。但し、R1、R2、R3のうち少なくとも1つは水素
原子である。)で表される単位からなる主骨格を有する
ものも使用できる。
【0059】
【化1】
【0060】本発明においては、セラミックス膜の耐湿
膜としての機能及び硬度の点から、側鎖が全て水素であ
るペルヒドロポリシラザンが好ましい。側鎖に有機基を
有するポリシラザンは、硬化後も有機基が残存するた
め、緻密性に乏しいものとなる。ペルヒドロポリシラザ
ンの製造法は例えば特公昭63−16325号公報、D.
Seyferth らCommunication of Am. Cer. Soc., C-13,
January 1983. に報告されている。ペルヒドロポリシラ
ザンは直鎖構造と6および8員環を中心とする環構造が
存在した構造と推定されている。その分子量は、数平均
分子量(Mn)で100〜50000である。用いるポ
リシラザンの分子量が小さすぎると、硬化時の収率が低
く、実用的でない。一方分子量が大きすぎると溶液の安
定性が低く、緻密な膜が得られない。これらの理由か
ら、用いるポリシラザンの分子量は数平均分子量で下限
は100であり、好ましくは300、より好ましくは5
00である。上限は5万であり、好ましくは2万、より
好ましくは10,000である。
【0061】これらは、有機溶媒に溶解した溶液状態
で、例えばキシレンで希釈されたポリシラザン(SiH
2NH)n(東燃株式会社製)、ポリ(1、1−ジメチ
ルシラザン)テロマー(アズマックス株式会社製)、ペ
ルヒドロシラザン(クラリアントジャパン株式会社製)
等が使用できる。
【0062】溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭
化水素、芳香族炭化水素の炭化水素溶媒、ハロゲン化メ
タン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等の
エーテル類が使用できる。好ましい溶媒は、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化エ
チレン、塩化エチリデン、トリクロロエタン、テトラク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ジブチ
ルエーテル、1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジ
メチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ
ピラン、セロソルブアセテート、カルビトールアセテー
ト等のエーテル類、ペンタンヘキサン、イソヘキサン、
メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、
イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素
等である。これらの中でも、溶解性、安定性、均一被膜
性の点からキシレン、ジブチルエーテルが特に好まし
い。
【0063】これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザ
ンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、2種類
以上の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用量(割合)は
採用する被覆方法により作業性がよくなるように、また
必要な膜厚により選択され、またポリシラザンの平均分
子量、分子量分布、その構造によって異なるので、被膜
形成用組成物中溶剤は99.99質量%程度まで混合す
ることができ、好ましくは固形分濃度が0.1〜50質
量%の範囲で混合することができる。固形分濃度が0.
1質量%未満では、シリカ被膜の形成速度が極めて遅く
実用的ではない。また、50質量%を越えると、被膜を
形成せずにシリカ粒子が組成物中に生成する場合がある
ため好ましくない。
【0064】ポリシラザンは、前述のとおり、セラミッ
ク前駆体ポリマーであり、これを用いてシリカ膜を形成
するには、400℃以上で大気焼成して、例えば(式
2)に示す反応でSiO2を得ることが通常行われる
が、被覆発光体の場合、400℃以上では、付活剤及び
共付活剤の局在化により初期ルミネッセンス光度の低下
を来してしまうため好ましくない。
【0065】
【化2】
【0066】一方、ポリシラザンのウェット状態の被膜
を、触媒存在下に水蒸気酸化を組み合わせることで10
0℃以下でも緻密なシリカ膜が得られ、上述のごとく本
被覆発光体のような耐熱性の低い基材にも成膜できるた
め、初期ルミネッセンス光度の低下を引き起こさない。
【0067】特に、ポリシラザン中に炭素(C)成分を
含有していないものは、下地の第一被膜とは濡れ性がよ
く(なじみやすい)緻密な膜を形成する。また、アルコ
シド系を使用するゾルゲル膜のような熱分解中に膜の収
縮や残留炭素の問題も発生せずクラックが入ったりしな
い。
【0068】触媒としてはアミン又は金属イオン触媒を
使用することができ、両者を組み合わせて使用してもよ
い。アミンの種類は特に限定されないが、例えば、トリ
エチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、n−エキシルアミン、n−ブチルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、グアニジン、ピグアニン、イ
ミダゾール等のアミン類を使用することができる。それ
ら中でも、トリメチルアミン、トリエチルアミンが溶解
性、均一被覆性、低温硬化性の点で好ましい。シリカ被
膜形成用組成物中の濃度は、0.1〜10質量%であ
り、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは1〜5質
量%である。0.1質量%以下では、シリカへの転化速
度が遅く経済的でなく、10質量%以上では、シリカ転
化速度が速くなりすぎ均一被膜性を損ねたり、発光体粒
子同士の固着を引き起こし分散性を損ねたりする。例え
ばポリシラザンにトリエチルアミンを加えた組成物を発
光粒子に塗布、噴霧又は含浸により接触させた後、95
℃、80%RH雰囲気下に3hr程度保持したりするこ
とにより緻密なシリカ被膜が形成される。また、トリメ
チルアミンを含む水溶液の蒸気(無相)にMnが100
〜50000のポリシラザンを塗布した発光粒子を25
℃で2min程度気相接触後、95℃、80%RH雰囲
気下に3hr程度保持することにより緻密なシリカ被膜
が形成される。
【0069】また、金属イオンを触媒とする場合は、金
属としてAg、Au、Pd、Ni等が挙げられる。中で
もPdが均一被覆性、低温硬化性の点で好ましい。シリ
カ被膜形成用組成物中の濃度は、0.1〜10質量%で
あり、好ましくは1〜5質量%、より好ましくは1〜3
質量%である。0.1質量%以下では、シリカへの転化
速度が遅く経済的でなく、5質量%以上では、シリカ転
化速度が速くなりすぎ均一被膜性を損ねたり、発光体粒
子同士の固着を引き起こし分散性を損ねたりする。例え
ばMnが100〜50000のポリシラザンにPdを加
えた組成物を発光粒子に塗布、噴霧又は含浸により接触
させた後、乾燥し、100〜350℃で低温焼成するこ
とでも緻密なシリカ被膜が得られる。
【0070】シリカ被膜形成用組成物には、さらに必要
に応じて、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、流れ止め剤
等を加えてもよい。
【0071】また、第一被膜無し、つまり未被覆発光粒
子に直接ポリシラザン由来のシリカ被膜を施した場合に
は、粒子との密着性が不十分であり、均一な被膜状態が
得られず耐湿性の向上が認められなかった。つまり、第
一被膜の存在によりポリシラザン由来の第二被膜の充分
な密着性を確保することができ、且つ、低膜厚な第二被
膜においても相乗的な耐湿性向上が可能になる。
【0072】また、本発明のシリカ被膜発光体粒子はそ
の表面が疎水化されていてもよい。疎水化のためにはそ
の表面をオルガノシロキサン類、シリコーン樹脂類で被
覆することがあげられる。オルガノシロキサン類、シリ
コーン樹脂類の例としては、メチルハイドロジェンポリ
シロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン、ビフェニルポリシロキサン、アルキル
変性シリコーンアルコキシ変性シリコーン、トリメチル
シロキシケイ酸、アクリルシリコーン、シリコーンレジ
ン等があげられ、また、これらのオルガノシロキサン
類、シリコーン樹脂類とシランカップリング剤、アルミ
ニウムカップリング剤等を同時に用いることもできる。
好ましいオルガノシロキサン類、シリコーン樹脂類はメ
チルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロ
キサンである。
【0073】これらの被覆処理は、湿式法、乾式法、メ
カノケミカル法等のいずれでもよい。この疎水化によっ
て、発光体の耐湿性をよりいっそう高めることができ
る。これら被覆量としては、被覆発光体粒子に対して
0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%であ
る。0.1質量%以下では疎水性が低く、5質量%以上
では、初期ルミネッセンス光度の低下を伴う場合がある
ため好ましくない。
【0074】本発明のシリカ被膜発光体粒子の一次粒子
径は特に限定されるものではないが、好ましくは0.1
〜100μm、好ましくは1〜80μm、さらに好まし
くは1〜50μmである。一次粒子径が100μmより
大きいと、例えばエレクトロルミネッセンスにおいて薄
い発光体層の形成が困難となり、且つ発光体の分布が不
均一になる場合がある。一次粒子が0.1μm未満で
は、粒子が凝固して易流動性が低下する傾向にあり、好
ましくない。
【0075】なお、本発明でいう「一次粒子」は、久保
輝一郎他編「粉体」p56〜66,1979年発行によ
り定義されているものをいう。
【0076】また、発光体粒子の粒子径はゾルーゲル法
による超微粒子(粒径0.5μm以下)や粒径0.5〜
100μm程度のものが好ましく使用できる。
【0077】本発明においてシリカ膜の膜厚、屈折率
は、シリカ被膜発光体粒子を合成する際に同時に系内に
浸漬したシリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用
いて測定することができる。このシリコンウエハーに
は、発光体粒子上と同じシリカ被膜が形成されている。
シリカ膜の屈折率は、エリプソメーター(ULVAC
製;LASSER ELLIPSOMETER ESM
−1A)により測定できる。膜厚測定には段差計を用い
ることができる。
【0078】シリカ被膜発光体粒子のシリカ膜の透過赤
外吸収スペクトル(日本分光製FT−IR−8000)
は、KBr法を用いて測定することができる。シリカ被
膜発光体粒子の1次粒子径及びシリカ膜厚は、透過型電
子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡像から求めることができ
る。
【0079】また、本発明における第一、第二被膜の構
造はX線回折、EPMA(電子プローブマイクロアナリ
シス)による面分析で約1μm深さの表面層組織、表面
元素分布を確認できる。
【0080】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。ただし、本発明はこれら実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0081】実施例において用いた初期ルミネッセンス
光度測定、耐湿性試験、分散性試験、屈折率測定、シリ
カ被膜厚測定、赤外吸収スペクトル測定は、以下の方法
により行った。
【0082】(初期エレクトロルミネッセンス光度測
定)発光体粒子50質量部をシアノエチルセルロース1
5質量部、ジメチルホルムアミド35質量部に混合した
分散体1を得る。チタン酸バリウムとシアノエチルセル
ロースからなる絶縁体層をアルミニウム背面電極に形成
後、分散体1を自動塗工機にて50μm厚みで塗布、乾
燥後、ITO(酸化インジウムスズ)透明電極ではさ
み、分散型EL(エレクトロルミネッセンス)素子を構
成した。相対湿度10%、温度25℃、電圧100V、
振動数400Hzでの発光光度を測定した。未被覆処理
発光体粒子の発光光度を100として各実施例の被覆発
光体粒子の発光光度の相対値(IBe)を算出した。
【0083】(エレクトロルミネッセンス耐湿性試験)
発光体粒子50質量部をシアノエチルセルロース15質
量部、ジメチルホルムアミド35質量部に混合した分散
体1を得る。チタン酸バリウムとシアノエチルセルロー
スからなる絶縁体層をアルミニウム背面電極に形成後、
分散体1を自動塗工機にて50μm厚みで塗布、温風乾
燥機にて80℃、1hr乾燥後、ITO透明電極ではさ
み、分散型EL素子を構成した。相対湿度90%、温度
40℃、電圧100V、振動数400Hzでの100時
間連続発光における発光光度の残存率(RBe)を求め
た。
【0084】(分散性試験)発光体粒子50質量部をシ
アノエチルセルロース15質量部、ジメチルホルムアミ
ド35質量部に混合した分散体1を得る。分散体1を沈
降管にいれ、静置して、発光体粒子が沈降する様子を目
視で観察し、分散度を評価した。
【0085】分散度の判断は、以下の基準で行った。
【0086】静置直後に沈降する場合を−2、静置後1
時間後に沈降する場合を−1、静置後3時間後に沈降す
る場合を0、静置後9時間後に沈降する場合を+1、静
置後1日後にも沈降しない場合を+2とする。
【0087】(屈折率測定)シリカ被膜発光体粒子を合
成する際に系内に浸漬したシリコンウエハー上に形成さ
れるシリカ膜を用いて、エリプソメーター(ULVAC
社製;LASSERELLIPSOMETER ESM
−1A)により測定した。
【0088】(膜厚測定)シリカ被膜発光体粒子を合成
する際に系内に浸漬したシリコンウエハー上に形成され
るシリカ膜を用いて、段差計(SLOAN社製、DEK
TAK3030)により測定した。シリコンウエハーの
一部をテープで覆い、その部分をはがすことにより、段
差ブランクとする。シリカ被膜部とブランク部の段差を
測定する。また、シリカ被膜発光体粒子そのものを透過
型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM2010、加速
電圧200V)により観察し、粒子表面のシリカ被膜
(基材に対して、基材を覆うように認められる、薄いコ
ントラストを有する膜部)の厚み観察によっても測定す
ることができ、段差計による測定値とほぼ一致する値が
得られる。
【0089】(IRスペクトル測定)シリカ被膜発光体
粒子のシリカ膜の透過赤外吸収スペクトル(日本分光
(株)製FT−IR−8000)は、KBr法(発光粒
子とKBrの各粉体の混合比は、発光粒子/KBr質量
比が1/32)を用いて測定した。1150〜1250
cm-1と1000〜1100cm-1における赤外吸収ス
ペクトルの透過率より吸収ピークの吸光度を算出し、吸
収ピーク強度の比I(I=I1/I2:I1は1150〜
1250cm-1の吸収ピークの吸光度、I2は1000
〜1100cm-1の吸収ピークの吸光度)を求める。
【0090】(実施例1) (第一被膜の合成)5L反応器に脱イオン水440m
L、エタノール(純正化学株式会社製)1860mL及
び25質量%アンモニア水40ml(大盛化工社製)を
混合し、その中に蛍光体粒子(HANEYWELL製
LUMILUX BlueEL(登録商標):ZnS系
エレクトロルミネッセンス粒子;平均粒径D5025μ
m)200gを分散させ、懸濁液1を調製した。次に、
テトラエトキシシラン(ナカライテスク製)20mL、
エタノール250mLを混合し、溶液1を調製した。
【0091】マグネチックスターラーで撹拌している懸
濁液1に、溶液1を12時間かけて一定速度で加えた
後、12時間熟成した。成膜、熟成は25℃にて行っ
た。その後固形分を遠心濾過にて分離し、エタノール2
00mlでリンスした後、湿体固形分を回収した。湿体
固形分を80℃で12時間真空乾燥してシリカ第一被膜
を施した蛍光体粒子を得た。
【0092】(第二被膜の合成)5L反応器にキシレン
(和光純薬株式会社製)1600g、トリエチルアミン
(和光純薬株式会社製)6gを混合し、その中に、上記
のごとくシリカ第一被膜を施した蛍光体粒子160gを
分散させ、懸濁液2を調製した。次に、ペルヒドロポリ
シラザン(クラリアントジャパン株式会社製 NL−1
10−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラ
ザンを含むキシレン溶液)20g、脱水キシレン(和光
純薬株式会社製)160gを混合し、溶液2を調製し
た。
【0093】マグネチックスターラーで撹拌している懸
濁液2に、溶液2を20時間かけて一定速度で加えた
後、12時間熟成した。成膜、熟成は45℃にて行っ
た。その後固形分を遠心濾過にて分離し、湿体固形分を
回収した。湿体固形分を80℃で12時間真空乾燥し、
更に95℃、80%RHの雰囲気で12hr処理した
後、95℃で1hr真空乾燥することでシリカ第二被膜
を施したシリカ被覆蛍光体粒子1を得た。
【0094】(実施例2) (第一被膜の合成)5L反応器に脱イオン水440m
L、エタノール(純正化学株式会社製)1860mL及
び25質量%アンモニア水40ml(大盛化工社製)を
混合し、その中に蛍光体粒子(HANEYWELL製
LUMILUX BlueEL:ZnS系エレクトロル
ミネッセンス粒子)200gを分散させ、懸濁液3を調
製した。次に、テトラエトキシシラン(ナカライテスク
製)4mL、エタノール50mLを混合し、溶液3を調
製した。
【0095】マグネチックスターラーで撹拌している懸
濁液3に、溶液3を2.5時間かけて一定速度で加えた
後、12時間熟成した。成膜、熟成は25℃にて行っ
た。その後固形分を遠心濾過にて分離し、エタノール2
00mlでリンスした後、湿体固形分を回収した。湿体
固形分を80℃で12時間真空乾燥してシリカ第一被膜
を施した蛍光体粒子を得た。
【0096】(第二被膜の合成)5L反応器にキシレン
(和光純薬株式会社製)1600g、トリエチルアミン
(和光純薬株式会社製)6gを混合し、その中に、上記
のごとくシリカ第一被膜を施した蛍光体粒子160gを
分散させ、懸濁液4を調製した。次に、ペルヒドロポリ
シラザン(クラリアントジャパン株式会社製 NL−1
10−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラ
ザンを含むキシレン溶液)20g、脱水キシレン(和光
純薬株式会社製)160gを混合し、溶液4を調製し
た。
【0097】マグネチックスターラーで撹拌している懸
濁液4に、溶液4を20時間かけて一定速度で加えた
後、12時間熟成した。成膜、熟成は45℃にて行っ
た。その後固形分を遠心濾過にて分離し、湿体固形分を
回収した。湿体固形分を80℃で12時間真空乾燥し、
更に95℃、80%RHの雰囲気で12hr処理した
後、95℃で1hr真空乾燥することでシリカ第二被膜
を施したシリカ被覆蛍光体粒子2を得た。
【0098】(実施例3) (第一被膜の合成)5L反応器に脱イオン水440m
L、エタノール(純正化学株式会社製)1860mL及
び25質量%アンモニア水40ml(大盛化工社製)を
混合し、その中に蛍光体粒子(HANEYWELL製
LUMILUX BlueEL:ZnS系エレクトロル
ミネッセンス粒子)200gを分散させ、懸濁液5を調
製した。次に、テトラエトキシシラン(ナカライテスク
製)20mL、エタノール250mLを混合し、溶液5
を調製した。
【0099】マグネチックスターラーで撹拌している懸
濁液5に、溶液5を12時間かけて一定速度で加えた
後、12時間熟成した。成膜、熟成は25℃にて行っ
た。その後固形分を遠心濾過にて分離し、エタノール2
00mlでリンスした後、湿体固形分を回収した。湿体
固形分を80℃で12時間真空乾燥してシリカ第一被膜
を施した蛍光体粒子を得た。
【0100】(第二被膜の合成)5L反応器にキシレン
(和光純薬株式会社製)1600g、トリエチルアミン
(和光純薬株式会社製)6gを混合し、その中に、上記
のごとくシリカ第一被膜を施した蛍光体粒子160gを
分散させ、懸濁液6を調製した。次に、ペルヒドロポリ
シラザン(クラリアントジャパン株式会社製 NL−1
10−2;酸化物換算20質量%のペルヒドロポリシラ
ザンを含むキシレン溶液)5g、脱水キシレン(和光純
薬株式会社製)40gを混合し、溶液6を調製した。
【0101】マグネチックスターラーで撹拌している懸
濁液6に、溶液6を5時間かけて一定速度で加えた後、
12時間熟成した。成膜、熟成は45℃にて行った。そ
の後固形分を遠心濾過にて分離し、湿体固形分を回収し
た。湿体固形分を80℃で12時間真空乾燥し、更に9
5℃、80%RHの雰囲気で12hr処理した後、95
℃で1hr真空乾燥することでシリカ第二被膜を施した
シリカ被覆蛍光体粒子3を得た。
【0102】(比較例1)未被覆蛍光体粒子(実施例1
で使用したものと同じLUMILUX BlueEL)
そのものを比較対照体粒子1とした。
【0103】(比較例2)実施例1において、シリカ第
二被膜を施さないこと以外は実施例1と同様の方法によ
り、シリカ第一被膜蛍光体粒子(シリカ第二被膜無し)
を得、これを比較対照体粒子2とした。
【0104】(比較例3)実施例1において、テトラエ
トキシシランを40mlとし、且つシリカ第二被膜を施
さないこと 以外は実施例1と同様の方法により、シリ
カ第一被膜蛍光体粒子(シリカ第二被膜無し)を得、比
較対照体粒子3とした。
【0105】(比較例4)実施例1において、シリカ第
一被膜を施さないこと以外は実施例1と同様の方法によ
り、ポリシラザン由来のシリカ被膜を直に蛍光体粒子に
施したシリカ被覆蛍光体粒子を得、比較対照体粒子4と
した。この場合は、被膜の密着性、均一被覆性が乏しい
ため、比較対照対粒子の表面処理状態は、シリカ微少粒
子が多く存在し、且つ発光体粒子表面以外にも、単独の
シリカ粒子の形成が認められた。
【0106】KBr法により、実施例1〜3で得られた
シリカ被膜蛍光体粒子及び比較例2〜4の比較対照体粒
子の透過赤外吸収スペクトルを測定したところ、いずれ
の蛍光体粒子も1000〜1100cm-1にSi−O−
Si伸縮振動由来の吸収が観測され、2800〜300
0cm-1にC−H伸縮振動由来の吸収は検出限界内では
観測されず、生成した被膜はシリカであると同定され
た。
【0107】さらに、シリカ第一被膜及び第二被膜のシ
リカ膜厚、赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度の比
I、屈折率を測定した結果を表1にまとめた。屈折率は
溶融石英ガラスの値(密度2.2g/cm3、屈折率
1.46)に近い値を示しているので被膜の組成が実質
的にSiO2であることが確認された。
【0108】実施例1〜3及び比較例1〜4の蛍光体粒
子の初期エレクトロルミネッセンス光度(IBe)、エ
レクトロルミネッセンス耐湿性(RBe)、分散度を評
価した結果を表2に示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【発明の効果】本発明は耐湿性に優れ、初期ルミネッセ
ンス光度が非被覆品と同等であり、且つ被膜の緻密性、
密着性が良く、粒子固着の無い分散性・成形性に優れた
シリカ被膜発光体粒子を提供するものであり、該発光体
粒子はエレクトロルミネッセンス素子の分散型発光層等
へ使用することができる。
【0112】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造されたシリカ第一被膜を有する
発光体粒子の赤外吸収スペクトル。
【図2】実施例1で製造されたシリカ第二被膜を有する
発光体粒子の赤外吸収スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB02 AB11 AB13 AB18 DA04 DB01 DB02 4H001 CA04 CA05 CC05 CC11

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈折率が1.435以上である薄膜シリカ
    で被膜(第一被膜)され、該第一被膜上に更にポリシラ
    ザン由来の屈折率が1.45以上のシリカ膜で被膜(第
    二被膜)された発光体粒子。
  2. 【請求項2】第一被膜、第二被膜のシリカ膜の膜厚が、
    0.02〜1μmである請求項1記載の発光体粒子。
  3. 【請求項3】ポリシラザンがペルヒドロポリシラザンで
    ある請求項1または2記載の発光体粒子。
  4. 【請求項4】ポリシラザンの数平均分子量が、100〜
    50000の範囲である請求項3に記載の発光体粒子。
  5. 【請求項5】第一被膜の膜厚が0.01〜0.5μm、
    第二被膜の膜厚が0.01〜0.5μmであるシリカ膜
    で被覆された請求項1乃至4のいずれかに記載の発光体
    粒子。
  6. 【請求項6】膜厚が0.01〜0.5μmであり、その
    屈折率が1.45以上であり、かつその赤外吸収スペク
    トルにおける1150〜1250cm-1と1000〜1
    100cm-1の吸収ピーク強度の比I(I=I1/I2
    1は1150〜1250cm-1の吸収ピークの吸光
    度、I2は1000〜1100cm-1の吸収ピークの吸
    光度)が0.2未満である、ポリシラザン由来のシリカ
    膜(第二被膜)で被覆された請求項1乃至5のいずれか
    に記載の発光体粒子。
  7. 【請求項7】膜厚が0.01〜0.5μmであり、その
    屈折率が1.435以上であり、かつその赤外吸収スペ
    クトルにおける1150〜1250cm-1と1000〜
    1100cm-1の吸収ピーク強度の比I(I=I1
    2:I1は1150〜1250cm-1の吸収ピークの吸
    光度、I2は1000〜1100cm-1の吸収ピークの
    吸光度)が0.2以上であるシリカ膜(第一被膜)で被
    覆された請求項1乃至6のいずれかに記載の発光体粒
    子。
  8. 【請求項8】最外表面が疎水化された請求項1乃至7の
    いずれかに記載の発光体粒子。
  9. 【請求項9】1)有機基及びハロゲンを含まない珪酸ま
    たは前記珪酸を生成し得る珪酸前駆体並びに2)水、
    3)アルカリ、4)有機溶媒を少なくとも含有するシリ
    カ被膜形成用組成物に発光体粒子を接触させる工程、次
    いで1)ポリシラザン並びに2)有機溶媒、3)アミン
    及び/又は金属イオン触媒を少なくとも含有するシリカ
    被膜形成用組成物に発光体粒子を接触させる工程、を含
    む発光体粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】1)有機基及びハロゲンを含まない珪酸
    または前記珪酸を生成し得る珪酸前駆体並びに2)水、
    3)アルカリ、4)有機溶媒を少なくとも含有するシリ
    カ被膜形成用組成物に発光体粒子を接触させる工程、次
    いで1)ポリシラザン並びに2)有機溶媒、3)アミン
    及び/又は金属イオン触媒を少なくとも含有するシリカ
    被膜形成用組成物に発光体粒子を接触させ、水蒸気接触
    させる工程、を含む発光体粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】ポリシラザンの数平均分子量が、100
    〜50000のポリシラザンである請求項9または10
    記載の発光体粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】1)有機基及びハロゲンを含まない珪酸
    または前記珪酸を生成し得る珪酸前駆体並びに、2)
    水、3)アルカリ、4)有機溶媒を少なくとも含有する
    シリカ被膜形成用組成物に発光体粒子を接触させる工程
    において、ここで水/有機溶媒比(仕込み容量基準)を
    0.1〜10の範囲及び珪酸濃度を0.0001〜5モ
    ル/リットルの範囲で使用し、前記接触により発光体粒
    子の表面にシリカを選択的に被膜せしめた後、乾燥する
    ことにより第一被膜を施すことを特徴とする請求項9乃
    至11のいずれかに記載の発光体粒子の製造方法。
  13. 【請求項13】発光体粒子の発光が蛍光である請求項1
    乃至8のいずれかに記載の発光体粒子。
  14. 【請求項14】発光体粒子の発光が蛍光であることを特
    徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の発光体粒
    子の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項1乃至8のいずれかに記載の発光
    体粒子を使用した分散型発光素子。
  16. 【請求項16】請求項1乃至8のいずれかに記載の発光
    体粒子を使用した分散型エレクトロルミネッセンス素
    子。
  17. 【請求項17】発光体粒子が硫化亜鉛(ZnS)、硫化
    カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)
    から選ばれた1種以上を原料とすることを特徴とする請
    求項1乃至8のいずれかに記載の発光体粒子。
  18. 【請求項18】発光体粒子が硫化亜鉛(ZnS)、硫化
    カルシウム(CaS)、硫化ストロンチウム(SrS)
    から選ばれた1種以上を原料とすることを特徴とする請
    求項9乃至12のいずれかに記載の発光体粒子の製造方
    法。
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