JP2003261702A - フッ素樹脂コートポリエステルフィルム及びその製造方法 - Google Patents
フッ素樹脂コートポリエステルフィルム及びその製造方法Info
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Abstract
て、耐熱性、透明性、防汚性、撥水性、かつ表面平坦性
に優れた特性を持つフィルムを提供する。 【解決手段】 フルオロオレフィン、シクロヘキシル基
含有アクリル酸エステル、水酸基含有ビニルエーテルを
構成成分とする含フッ素共重合体(A)と、イソシアネ
ート基を2以上有する架橋剤(B)との反応生成物をポ
リエステルフィルムの片面又は両面に形成してなるフッ
素樹脂コートポリエステルフィルムであって、フィルム
の算術平均粗さRa75が0.02μm以下であること
を特徴とするフッ素樹脂コートポリエステルフィルム。
Description
ルフィルムに関するものであり、さらに詳しくはシリコ
ーンを含まない、耐熱性、透明性、防汚性、撥水性に加
え、コート表面の平坦性にも優れた離型性ポリエステル
フィルムに関するものである。
付加型、縮合型、二液型のシリコーンをポリエステルフ
ィルムの片面又は両面に塗工し、熱又は紫外線照射硬化
させることにより得るのが一般的であった。現在でもポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムに代表さ
れる二軸延伸ポリエステルフィルムの透明性、寸法安定
性、機械的性質、電気的性質、耐薬品性等の優れた性能
と、離型性を有するシリコーンの特長とを組み合わせ
て、工程紙用等の用途に、離型性ポリエステルフィルム
が利用されている。しかし、特に工場生産ラインの工程
紙用等において、離型した相手製品の離型面にさらにメ
ッキ等の加工をする際、製品に離型性フィルムのシリコ
ーンが移行することによるトラブルが発生しやすいとい
う問題がある。
に、シリコーンを含まない離型性フィルムとして、ウレ
タン系、炭化水素系の離型剤を用いたものがあるが、こ
れらの離型剤は耐熱性が低いため、160℃以上の熱雰
囲気下で使用することは不可能である。又、ポリメチル
ペンテンフィルム(TPXフィルム)は、耐熱性離型フ
ィルムとして知られているが、このフィルムは弾性率が
低く(いわゆる「腰」がなく)、工場生産ラインの工程
紙用に使用する際、取り扱いにくいという欠点がある。
ムの需要は、IC部品等の電子部品産業業界でますます
増加しているが、電子部品製品の生産技術が高度になる
につれ、生産工程中に使用される離型性フィルムに対し
てより高い性能が要求されてきている。そのような要求
をある程度満たすものとして、フッ素を含有する一群の
フィルム、シート(テフロン(登録商標)類)がある
が、高価なものになるという欠点を有している。
ルムにフッ素系樹脂を塗工する方法が検討されている
が、フッ素系樹脂は溶剤に対する溶解性に乏しく、また
基材フィルムに対する接着性に乏しいため実用性のある
離型性フィルムを製造することは困難であった。すなわ
ち、フィルムとフッ素系樹脂とが密着していないため、
フッ素系樹脂塗工フィルム使用時には相手素材とフッ素
系樹脂との間で剥離すべきものが、フィルムとフッ素系
樹脂との間で剥離を起こすことがある。更にフッ素系樹
脂は溶剤溶解性に乏しく微粒子状態でフィルムに並んだ
状態にあるため、微粒子状のフッ素系樹脂が脱離するな
どの問題があった。
0号公報において、フッ素を含有する一群のフィルム、
シート(テフロン(登録商標)類)と同等の性能を持
ち、かつ耐熱性、透明性、防汚性、撥水性にも優れた特
性を有する離型性フィルムを開示した。このフィルム
は、フルオロオレフィン、シクロヘキシル基含有アクリ
ル酸エステル、水酸基含有ビニルエーテルを構成成分と
する含フッ素共重合体を、イソシアネート基を持つ架橋
剤とともにポリエステルフィルムの片面及び/又は両面
に塗布し、加熱することにより得られ、得られた離型性
フィルムは基材フィルムとの密着に優れるものであっ
た。しかし、このフィルムには、表面凹凸が見られ表面
の平坦性に欠けることがあった。
み、本発明は、フッ素を含有する一群のフィルム、シー
ト(テフロン(登録商標)類)と同等の性能を持ち、耐
熱性、平坦性、透明性、防汚性、撥水性に優れ、かつコ
ート表面の凹凸が少ない離型性フィルムを提供しようと
するものである。
の結果、フルオロオレフィン、シクロヘキシル基含有ア
クリル酸エステル、及び水酸基含有ビニルエーテルを構
成成分とする含フッ素共重合体と、イソシアネート基を
2以上有する架橋剤と、150℃以上の沸点を有する有
機溶剤とからなる塗液を、ポリエステルフィルムの片面
又は両面に塗布し、加熱することにより上記の課題が解
決でき、コート表面の平坦性にも優れた離型性フィルム
が得られることを見出し、本発明に到達した。
に示すフルオロオレフィン、式(2)に示すシクロヘキ
シル基含有アクリル酸エステル、及び式(3)に示す水
酸基含有ビニルエーテルを構成成分とする含フッ素共重
合体(A)と、イソシアネート基を2以上有する架橋剤
(B)との反応生成物をポリエステルフィルムの片面又
は両面に形成してなるフッ素樹脂コートポリエステルフ
ィルムであって、フィルムの算術平均粗さRa75が
0.02μm以下であることを特徴とするフッ素樹脂コ
ートポリエステルフィルムである。
る。)
ロヘキシレン基である。)また、含フッ素共重合体
(A)と、イソシアネート基を2以上有する架橋剤
(B)と、150℃以上の沸点を有する有機溶剤(C)
とからなる塗液をポリエステルフィルムの片面又は両面
に塗布し、加熱することを特徴とするフッ素樹脂コート
ポリエステルフィルムの製造方法である。
する。本発明において用いられるポリエステルフィルム
としては、PETフィルムが好ましいが、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸
等の他のジカルボン酸成分や、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリ
コール、ビスフェノールA等の他のグリコール成分を共
重合してもよく、これらの成分を2種類以上併用しても
よい。また、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート(PCT)等の他のポ
リエステルとブレンドして用いることもできる。これら
のポリエステルフィルムは未延伸フィルム、延伸フィル
ムのどちらでも用いることができる。
例えば未延伸フィルムでは、原料ポリマーを溶融押出
し、急冷固化して得ることができ、また延伸フィルムで
は、該未延伸フィルムを縦方向及び横方向に二軸延伸し
た後、熱固定及び弛緩処理を施すことによって得ること
ができる。また、そのようにして製造したポリエステル
フィルムを120℃以上の高温下でさらに熱処理を行
い、熱収縮率をさらに小さくしたものを用いることもで
きる。
体(A)は、フルオロオレフィン、シクロヘキシル基含
有アクリル酸エステル、水酸基含有ビニルエーテルを構
成成分とすることが必要である。
(1)で表される分子中に少なくとも2個のフッ素原子
を有するオレフィンであって、例えばフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプロペン等が好適である。これら
のフルオロオレフィンは、それぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
クリル酸エステルは式(2)で表され、具体例として
は、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート等を挙げることが出来るが、シクロヘキシル
メタクリレートが特に好ましい。
ルは式(3)で表され、具体例としては、ヒドロキシメ
チルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニル
エーテル等が挙げられるが、特にヒドロキシブチルビニ
ルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロ
キシシクロヘキシルビニルエーテルが好適である。これ
らの水酸基含有ビニルエーテルはそれぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を組合わせ用いてもよい。
は、前記フルオロオレフィン、シクロヘキシル基含有ア
クリル酸エステル、及び水酸基含有ビニルエーテルを構
成成分とするものであるが、さらにこれらの成分に加え
て、使用目的などに応じて20モル%を超えない範囲で
他の共重合可能な成分を含むこともできる。該共重合可
能な成分としては、例えばエチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の
アルキルビニルエーテル類やエチレン、プロピレン等の
オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオ
レフィン類、酢酸ビニル、n−酪酸ビニル、バーサチッ
ク酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類等が挙げら
れる。
構成する各成分の好ましい共重合割合は、フルオロオレ
フィンが40〜90モル%、シクロヘキシル基含有アク
リル酸エステルが1〜30モル%、水酸基含有ビニルエ
ーテルが1〜30モル%である。フルオロオレフィンの
割合が40モル%より少ない場合には、塗工したフィル
ムの離型性が低下し、また90モル%より多い場合には
溶剤に対する溶解性が低下し、フィルムに塗工すること
が困難になる。シクロヘキシル基含有アクリル酸エステ
ルの割合が1モル%より少ないと、樹脂溶液の保存安定
性が低下して好ましくなく、30モル%より多い場合に
は重合時における重合速度が低下して好ましくない。水
酸基含有ビニルエーテルの割合が1モル%より少ない
と、硬化反応が起こりにくくなり、30モル%より多い
場合には共重合反応が困難となる。
は、溶媒の存在下又は不存在下で、上記構成成分を、重
合開始剤を用いて共重合させることにより製造すること
ができる。重合開始剤としては、重合に用いられる溶媒
の種類に応じて、水溶性のものあるいは油溶性のものが
適宜用いられる。水溶性重合開始剤としては、例えば過
硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、あるいはこれ
らと亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還
元剤との組み合わせからなるレドックス開始剤、さらに
は、これらに少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀等を共存させ
た無機系開始剤やコハク酸パーオキサイド、ジグルタル
酸パーオキサイド、モノコハク酸パーオキサイド等の二
塩基酸塩等の有機系開始剤等が用いられる。また油溶性
開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシイソブチ
レート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキ
シエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシカー
ボネート、ジノルマルプロピルパーオキシカーボネート
等のジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイル
パーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等が用い
られる。これらの重合開始剤の使用量は、その種類、共
重合反応条件等に応じて適宜選ばれるが、単量体全量に
対して、0.005〜5質量%、好ましくは0.1〜1
質量%の範囲で選ばれる。
例えば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合
法等を用いることができるが、メチルエチルケトン等の
ケトン類、酢酸エチル等のエステル類、フッ素原子を1
個以上有する飽和ハロゲン化炭化水素類等を溶媒とする
溶液重合法や水性媒体中での乳化重合法等が好ましく用
いられる。水性媒体中で共重合させる場合には、通常分
散安定剤として懸濁剤や乳化剤を用い、かつ塩基性緩衝
剤を添加して、重合中の反応液のpH値を4、好ましく
は6以上にすることが望ましい。共重合反応における反
応温度は、通常−30℃〜150℃での範囲内で重合開
始剤や重合媒体の種類に応じて適宜選ばれ、例えば水性
媒体中で重合を行う場合には、通常0〜100℃、好ま
しくは10〜90℃の範囲で選ばれる。また、反応圧力
については特に制限はないが、通常9.8×104〜
9.8×106N/m2、好ましくは9.8×104〜
5.9×106N/m2の範囲で選ばれる。さらに、共重
合反応は適当な連鎖移動剤を添加して行うことができ
る。
有する架橋剤(B)としては、例えばヘキサメチレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイ
ソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオ
フォスフェート等のトリイソシアネート、イソシアヌレ
ート類を有する多価イソシアネート等が挙げられる。
る有機溶剤(C)としては、シクロヘキサノン(沸点1
56℃)、シクロヘキサノール(沸点161℃)、メチ
ルシクロヘキサノン(沸点170℃)、メチルシクロヘ
キサノール(沸点174℃)などを用いることが出来
る。これらを用いることにより本発明におけるフッ素を
含有する一群のフィルム、シート(テフロン(登録商
標)類)と同等の性能を持ち、かつコート表面の平坦性
を有する離型性フィルムを得ることが出来る。
表す指標として、二次元表面算術平均粗さを用いた。す
なわち本発明の算術平均粗さは、小坂研究所社製表面粗
さ測定器SE−3400で測定したJIS B0601
−1982で定義されるRa75を用いた。本発明のフ
ッ素樹脂コートポリエステルフィルムは、150℃以上
の沸点を有する有機溶剤を使用したので、Ra75を
0.02μm以下とすることができる。150℃未満の
沸点を有する有機溶剤を用いた場合にはコート表面に凹
凸が見られ、この場合Ra75は0.02μmを超え、
表面平坦性に欠けるフィルムとなる。
とイソシアネート基を2以上有する架橋剤(B)、15
0℃以上の沸点を有する有機溶剤(C)とから塗液を調
整する。塗液には、150℃以上の沸点を有する有機溶
剤(C)以外の溶媒を併用してもよい。そのような溶媒
としては、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、
n−ブタノール等のアルコール類、酢酸ブチル、酢酸エ
チル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等のケトン類、エチルセロソルブ等のグリ
コールエーテル類、市販の各種シンナー類等が挙げられ
る。塗液の含フッ素共重合体(A)濃度は、5〜80質
量%、好ましくは10〜60質量%である。
溶剤(C)と混合する方法としては、ボールミル、ペイ
ントシェーカー、サンドミル、3本ロールミル、ニーダ
ー等を用いて行うことができる。この際、顔料、分散安
定剤、粘度調節剤、レベリング剤、紫外線吸収剤等を添
加することもできる。
ステルフィルムの製造方法としては、ベースのポリエス
テルフィルムに、含フッ素共重合体(A)とイソシアネ
ート基を2以上有する架橋剤(B)と溶剤(C)とから
なる塗液を塗布する方法、あるいは未延伸フィルムに塗
布したのち延伸する、いわゆる、インラインコート法が
挙げられる。塗液を塗布する方法としては、公知の塗工
法が適用でき、例えばグラビアロール法、スプレー法、
ロールコーター法等を用いて塗布することができるが、
塗布厚みを調節する上でグラビアロール法が適してい
る。また、ベースのポリエステルフィルムは、塗液との
親和性を向上させ乾燥後の含フッ素共重合体樹脂との密
着性を好適なものにするために、あらかじめコロナ処理
等の物理的処理や化学的処理が施されていることが望ま
しい。塗液の乾燥後の塗工厚みは、0.1〜2μmが好
ましく、より好ましくは0.5〜1.5μmである。塗
工厚みが0.1μm未満の場合にはフッ素が本来持つ良
好な剥離強度が得られにくく、塗工厚みを2μmより厚
くしてもそれ以上の性能の発現は認められず、コストア
ップとなり好ましくない。
いて、含フッ素共重合体(A)とイソシアネート基を2
以上有する架橋剤(B)の反応生成物を形成することに
より、本発明のフッ素樹脂コートポリエステルフィルム
が得られる。反応生成物を形成する条件としては、塗布
面を100〜180℃、5〜120秒で乾燥後、35〜
110℃の温度で5〜72時間保持することが好まし
く、より好ましくは、乾燥後40〜50℃の温度で40
〜50時間保持することが好ましい。
明するが、本発明はこれらの例により限定されるもので
はない。なお、実施例に用いた評価方法は次のとおりで
ある。 (1)フィルムの可視光線透過率 東京電色社製、TC−HIIIDPKを用いて、350n
m〜780nmの範囲で測定した。 (2)塗膜の硬化性 ガーゼにキシレンを含浸し、塗膜表面を50回こすった
後の塗膜表面を観察した。 ○:変化なし。 △:キズ、白濁。 ×:剥離、溶解。 (3)塗膜の密着性 クロスカットセロハンテープ剥離試験を行った。塗膜の
表面10mm×10mmの部分に1mm間隔で縦横に切
れ目を入れて、100個の枡目を作り、セロハンテープ
(ニチバン社製、エルパックLP−24)を圧着・貼付
した後、180°方向に勢いよく引き剥がし(正セロハ
ンテープ剥離)、塗膜が剥離せずに残った枡目の数を調
べ、次に示す評価基準に従い5段階評価を行った。 (評価基準) 1:残った枡目が10個未満 2:残った枡目が10個以上50未満 3:残った枡目が50個以上90未満 4:残った枡目が90個以上95未満 5:残った枡目が95個以上 (4)剥離力、残留接着率 剥離力測定法 塗膜面に日東31B粘着テープを2kgのローラーで貼
り合わせ、1.96×106N/m2の下で70℃×20
時間処理後、取り出して23℃×30分放置し、剥離角
度180°、剥離速度300mm/minで剥離強度を
測定する。測定回数は4回とし表示値は平均値とする。 残留接着率測定法 上記剥離力測定で使用したテープをテフロン(登録商
標)板に2kgのローラーで貼り合わせ、1.96×1
06N/m2の下で70℃×20時間処理後、取り出して
23℃×30分放置し、剥離角度180°剥離速度30
0mm/minで剥離強度を測定する。測定回数は3回
とし表示値は平均値とする。(測定値A)未使用の日東
31B粘着テープを、同様にテフロン(登録商標)板に
貼り合わせ、同様の処理後、剥離強度を測定する。(測
定値B) (測定値A/測定値B)×100=残留接着率(%)と
する。 (5)耐熱性 フィルムをステンレス板の間に挟み180℃×5min
間、9.8×105N/m2で加圧し冷却後、塗膜の密着
性、剥離力、残留接着率の評価を行った。 (6)撥水性 塗膜表面の水に対する接触角を測定した。角度が大きい
ほどより水をはじく。 (7)油性マジックに対する防汚性 塗膜表面に油性赤マジックで線を書き、5min後コッ
トンによる乾拭き及びコットンにイソプロピルアルコー
ルを含浸したもので拭き取った。 ○:完全に拭き取り可能 △:赤溥色マジック痕が残る ×:拭き取り不可 (8)シリコーン移行性 フィルムの塗膜面にカプトンフィルム(100H)を重
ね合わせ、ステンレス板に挟み180℃×10min
間、9.8×105N/m2の圧力下でプレス後空冷し
た。カプトンフィルムを剥がし、フィルム塗膜に接して
いた面のシリコーン量をESCAで測定した。なお、E
SCA測定条件は下記の通りである。 ESCA装置:アルバック・ファイ社製 ESCA56
00 測定X線源:Mg Kα線(1253.6eV)15k
V−400W 分析面積:800μmψ 測定条件:[ワイドスキャン測定(定性分析)] ・測定エネルギー範囲 0〜1000eV ・Pass Energy 187.85 ・eV/step 0.800 ・time/step 30ms ・測定時間(3回積算で)112.5s [ナロウスキャン測定(定量・状態分析)] ・各元素の測定エネルギー範囲 Si 1s 95〜115eV C 1s 280〜300eV O 1s 525〜545eV ・Pass Energy 23.50 ・eV/step 0.100 ・time/step 100 ESCA測定の評価基準 ◎:atomic% 検出限界値以下 ○:0.1〜1.0 ×:1以上 (9)二次元算術平均粗さ 小坂研究所社製表面粗さ測定器SE−3400でJIS
B0601−1982で定義されるRa75の測定を
コート表面に関して行った。 (10)総合評価 上記の各評価を総合して、次に示す評価基準に従い4段
階評価を行った。 ◎:良好 ○:問題ないレベル △:問題あり ×:大いに問題あり
エステル、水酸基含有ビニルエーテルを構成成分とする
含フッ素共重合体(関東電化工業社製 KD200)の
30質量%酢酸エチル溶液の固形分100質量部に対
し、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを2
4質量部溶解し、150℃以上の沸点を有する有機溶剤
としてシクロヘキサノン(沸点156℃)35質量部、
酢酸ブチル(沸点126℃)20質量部を用いて塗液を
調製した。得られた塗液を、50μmの二軸延伸PET
フィルム(ユニチカ社製 エンブレット)のコロナ処理
面にワイヤーバーコーターにて塗工し、165℃で1m
in間熱処理後、70℃で48時間熱処理し塗工厚み1
μmのフッ素コートポリエステルフィルムを得た。得ら
れたフィルムの性能を表1に示した。
サノール(沸点161℃)を用いた以外は実施例1と同
様の方法でフッ素コートポリエステルを得た。得られた
フィルムの性能を表1に示した。
いた以外は実施例1と同様の方法でフッ素コートポリエ
ステルを得た。得られたフィルムの性能を表1に示し
た。
ォスフェート(住友バイエルウレタン社製 デスモジュ
ールRFE)を用いた以外は、比較例1と同様の方法で
フッ素コートポリエステルフィルムを得た。得られたフ
ィルムの性能を表1に示した。
し、ポリフッ化ビニリデン樹脂を分散させて、固形分濃
度30質量%溶液を調製し、この塗液を用いた以外は比
較例1と同様の方法で、フッ素コートポリエステルフィ
ルムを得た。得られたフィルムの性能を表1に示した。
以外は比較例1と同様の方法で、離型性ポリエステルフ
ィルムを得た。得られたフィルムの性能を表1に示し
た。
外は比較例1と同様の方法で、離型性ポリエステルフィ
ルムを得た。得られたフィルムの性能を表1に示した。
ィン、シクロヘキシル基含有アクリル酸エステル、水酸
基含有ビニルエーテルを構成成分とした含フッ素共重合
体とイソシアネート基を2以上有する架橋剤、150℃
以上の沸点を有する有機溶剤の溶液を用いてポリエステ
ルフィルムに塗膜形成することにより、シリコーンを含
まずなおかつ耐熱性に優れると共に、コート表面の平坦
性、透明性、防汚性、撥水性を満足する離型性ポリエス
テルフィルムが得られる。また、基板生産を想定した場
合、本発明で得られる離型性フィルムは相手材にシリコ
ーンの痕跡すら与えない。
ルムは、シリコーンを含まずなおかつ表面の平坦性、耐
熱性、透明性、防汚性、撥水性を満足する離型性ポリエ
ステルフィルムであるので、基板生産用の離型フィル
ム、或いは防汚性、撥水性を有する壁材及びガラスの表
面等に好適に用いることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式(1)に示すフルオロオレフィ
ン、式(2)に示すシクロヘキシル基含有アクリル酸エ
ステル、及び式(3)に示す水酸基含有ビニルエーテル
を構成成分とする含フッ素共重合体(A)と、イソシア
ネート基を2以上有する架橋剤(B)との反応生成物を
ポリエステルフィルムの片面又は両面に形成してなるフ
ッ素樹脂コートポリエステルフィルムであって、フィル
ムの算術平均粗さRa75が0.02μm以下であるこ
とを特徴とするフッ素樹脂コートポリエステルフィル
ム。 【化1】 (式中、XはF又はH、YはH、Cl、F、CF3であ
る。) 【化2】 (式中、R1は水素又はメチル基である。) 【化3】 (式中、R2は炭素数2〜5のアルキレン基、又はシク
ロヘキシレン基である。) - 【請求項2】 含フッ素共重合体(A)と、イソシアネ
ート基を2以上有する架橋剤(B)と、150℃以上の
沸点を有する有機溶剤(C)とからなる塗液をポリエス
テルフィルムの片面又は両面に塗布し、加熱することを
特徴とする請求項1記載のフッ素樹脂コートポリエステ
ルフィルムの製造方法。
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