JP2003260750A - ガスバリア性フィルムおよびこれを用いたディスプレイ - Google Patents

ガスバリア性フィルムおよびこれを用いたディスプレイ

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JP2003260750A
JP2003260750A JP2002063263A JP2002063263A JP2003260750A JP 2003260750 A JP2003260750 A JP 2003260750A JP 2002063263 A JP2002063263 A JP 2002063263A JP 2002063263 A JP2002063263 A JP 2002063263A JP 2003260750 A JP2003260750 A JP 2003260750A
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gas barrier
film
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thin film
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Yurie Ota
友里恵 太田
Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルム上に、金属酸化物の薄
膜層を形成した従来品にくらべ、より高いガスバリア性
を有するガスバリア性フィルム、およびそのようなフィ
ルムを適用したディスプレイを提供することを課題とす
る。 【解決手段】 基材フィルム2上に、プライマー層3、
金属酸化物の薄膜層4、およびオーバーコート層5が順
に積層された積層構造からなるガスバリア性フィルム1
のオーバーコート層5を、層状無機化合物およびガスバ
リア性樹脂を含有する樹脂組成物を用いて形成し、課題
を解決することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリア性を有
する複合フィルムに関するもので、特に高度なガスバリ
ア性を要求される包装分野、もしくは各種のディスプレ
イの基板として用いたり、基板を被覆するのに適したガ
スバリア性フィルムに関するものである。また、本発明
は、このようなガスバリア性フィルムを用いたディスプ
レイに関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】現在、種々の方式のディスプレイが使用
され、また実用化が検討されている。ブラウン管タイプ
を除くと、いずれも薄型化を目指すものであり、さらに
は、フレキシブルなものも求められるようになってきて
いる。そこで、従来、ディスプレイを構成していたガラ
ス基板に代わって、合成樹脂シート、もしくは合成樹脂
フィルムを用いることが検討されている。あるいは、デ
ィスプレイの寿命を伸ばす目的で、外界からの酸素や水
蒸気を遮断するガスバリア性フィルムでディスプレイを
被覆することも検討されている。なお、用語のシート、
および合成樹脂シートは、一般的には厚みの厚いものを
指し、フィルム、および合成樹脂フィルムは、比較的厚
みの薄いものを指すが、ここでは、厚みの厚いもの、お
よび薄いものの両方の意味を含めて、フィルム、および
合成樹脂フィルムと言う。
【0003】ところで、従来から、食品包装等の包装分
野では、食品の長期保存性の向上の目的で、プラスチッ
クフィルムに、シリカ、アルミナ等の金属酸化物の薄膜
層を形成して、気体や水分の透過性を抑制した(=ガス
バリア性を付与した)種々のガスバリア性フィルムを使
用している。一例として、PET(ポリエチレンテレフ
タフタレート樹脂)フィルムをベースとするアルミナ蒸
着フィルム、もしくはシリカ蒸着フィルムが使用されて
いる。
【0004】しかし、従来の包装分野で用いられるガス
バリア性フィルムをディスプレイの基板として、または
ディスプレイの被覆用や密封用として利用すると、ガス
バリア性が充分でないことが判明した。というのも、デ
ィスプレイ自体、長期間に渡って設置され、使用時には
電位や温度上昇の影響を受ける等、食品にくらべると曝
される条件が厳しく、しかも、ディスプレイの発光や光
の変調に関与する物質は、化学的に安定性が高いとは言
えないものであるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、プラスチックフィルム上に、シリカ、アルミナ等
の薄膜を形成した従来製品にくらべ、より高いガスバリ
ア性を有するガスバリア性フィルムを提供することを課
題とする。また、本発明においては、そのようなガスバ
リア性フィルムを適用したディスプレイを提供すること
も課題とする。
【0006】
【課題を解決する手段】発明者の検討によれば、基本的
には、従来のガスバリア性フィルムにおいても使用され
ているアルミナやシリカ等の金属酸化物の薄膜層をプラ
スチックフィルムのガスバリア性付与手段として用い、
これら薄膜層が結晶の成長により形成されることにより
生じる不均一性がもたらす欠陥が、透気度、もしくは透
湿度を低下させていることに注目し、これら欠陥による
ガスバリア性の低下を補うため、好ましくは、これら薄
膜層との親和性の優れた素材からなるオーバーコート層
を形成して、薄膜層とオーバーコート層が複合されたガ
スバリア性層を、プラスチックフィルム上に積層するこ
とにより、課題を解決することができた。
【0007】第1の発明は、基材フィルム上に、金属酸
化物の薄膜層、および無機層状化合物を含有する樹脂組
成物からなるオーバーコート層が順に積層された積層構
造からなるガスバリア性層が積層された複合フィルムか
らなることを特徴とするガスバリア性フィルムに関する
ものである。第2の発明は、第1の発明において、前記
金属酸化物の薄膜層が、蒸着法、スパッタリング法、も
しくはイオンプレーティング法の物理的気相法、化学的
気相法、または、めっき、もしくはゾル−ゲル法の液相
成長法により形成されたものであることを特徴とするガ
スバリア性フィルムに関するものである。第3の発明
は、基材フィルム上に、第1または第2の発明のガスバ
リア性層が二以上積層されていることを特徴とするガス
バリア性フィルムに関するものである。第4の発明は、
第1または第2の発明の複合フィルムが二以上積層され
ていることを特徴とするガスバリア性フィルムに関する
ものである。第5の発明は、第1〜第4いずれかの発明
のガスバリア性フィルムが、ディスプレイ素子の少なく
とも片側の表面に積層されていることを特徴とするディ
スプレイに関するものである。第6の発明は、第1〜第
4いずれかの発明のガスバリア性フィルムが、ディスプ
レイ素子の両側の表面に積層されていることを特徴とす
るディスプレイに関するものである。第7の発明は、第
1〜第4いずれかの発明のガスバリア性フィルムにより
ディスプレイ素子が密封されていることを特徴とするデ
ィスプレイに関するものである。第8の発明は、第1〜
第4いずれかの発明のガスバリア性フィルムが、ディス
プレイ素子の少なくとも観察側の基板であることを特徴
とするディスプレイに関するものである。第9の発明
は、第5〜第8いずれかの発明において、ディスプレイ
素子が液晶ディスプレイパネルであることを特徴とする
ディスプレイに関するものである。第10の発明は、第
5〜第8いずれかの発明において、ディスプレイ素子が
有機EL素子であることを特徴とするディスプレイに関
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明のガス
バリア性フィルム1は、基本的には、基材フィルム2の
上に、金属酸化物の薄膜層4およびオーバーコート層5
とが順に積層された積層構造からなるガスバリア性層を
有するものであり、基材フィルム2と薄膜層4との間に
は、必要に応じ、プライマー層3が積層されていてもよ
い。後に述べるように、ガスバリア性フィルム1には、
以上に説明される基本的構造を利用した変形態様があり
得る。
【0009】基材フィルム2としては、原則的には、種
々のプラスチックフィルムを用いることができるが、薄
膜を形成する際および/またはオーバーコート層を形成
する際に、加熱されて昇温が避けられないこと、適用さ
れる用途によって、加熱を伴なうことがあり得ることか
ら、耐熱性を有するものであることが好ましい。また、
ガスバリア性フィルム1がディスプレイの基板用に、ま
たはディスプレイの被覆用もしくはや密封用等に用いら
れる場合には、ディスプレイの使用時に昇温が有り得
る。また、ディスプレイのタイプにもよるが、ディスプ
レイの観察側に適用する場合には、映像の視認性の確保
の意味から、透明性を有するものであることが好まし
い。
【0010】従って、ほとんどの場合には、耐熱性およ
び透明性を有するプラスチックフィルムが基材フィルム
2として好ましい。具体的には、ポリプロピレン、AB
S、非結晶性ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネー
ト(PC)、環状ポリオレフィン共重合体であるポリノ
ルボルネン、環状ポリオレフィン樹脂、ポリシクロヘキ
セン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、フッ素樹脂、ポリアリ
レート(PAR)、ポリエーテルケトン(PEK)、も
しくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹
脂を素材とするフィルムである。これらのプラスチック
フィルムからなる基材フィルム2の厚みは、1〜200
μm程度であり、用途により、適宜に選択するとよい。
【0011】基材フィルム2としては、加熱や吸湿によ
る変形を極力回避する意味で、熱膨張係数、もしくは湿
度膨張係数の低いものを用いることが好ましく、熱膨張
係数が50ppm/℃以下であるか、または/および湿
度膨張係数が5ppm/%RH以下であるものが好まし
い。熱膨張係数または/および湿度膨張係数が規定され
た上限値よりも小さい値であると、基材フィルムが加熱
されたり、もしくは吸湿した場合であっても、基材フィ
ルム2と薄膜層4との間のズレが生じにくく、薄膜層4
の構造が破壊されにくい。また、基材フィルム2は、熱
膨張係数および湿度膨張係数がいずれも低いものである
ことがより一層好ましく、この意味で基材フィルム2
は、熱膨張係数が50ppm/℃以下であり、かつ、湿
度膨張係数が5ppm/%RH以下であるものがより好
ましい。熱膨張係数または/および湿度膨張係数の規定
に加えて、基材フィルム2を構成する樹脂のガラス転移
温度(Tg)が150℃以上であることが、加熱時の変
形を避ける意味で好ましく、やはり、薄膜層4の構造は
破壊されにくい。このように、薄膜層4の構造が破壊さ
れることが回避されると、ガスバリア性が維持される。
【0012】熱膨張係数、湿度膨張係数、およびガラス
転移温度を考慮するとき、基材フィルム2を構成する素
材の合成樹脂としては、結晶性樹脂では、熱可塑性樹脂
であるポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、もしくはシ
ンジオタクティック・ポリスチレン等、熱硬化性樹脂で
は、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテ
ルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂、もしくはポリエ
ーテルニトリル等を挙げることができ、非結晶性樹脂で
は、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート、もしくは変
性ポリフェニレンエーテル等、熱硬化性樹脂では、ポリ
サルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポ
リアミドイミド、ポリエーテルイミド、もしくは熱可塑
性ポリイミド等を挙げることができる。中でも、ポリカ
ーボネートは、吸水性が低いため、これを用いて構成さ
れた基材フィルム2は、湿度膨張係数が低く、特に好ま
しい。
【0013】基材フィルム2は、ディスプレイの観察側
に適用する場合には、映像の視認性の確保の意味から、
透明性を有するものであることが望ましい。また、基材
フィルム2の厚みは、1〜200μm程度であり、用途
により、適宜に選択するとよい。
【0014】基材フィルム2は、最終製品の表面の平滑
性を高め、また、薄膜層4を均一に形成するためには、
表面の平滑性が高いものが好ましい。ガスバリア性フィ
ルム1上にITO等の電極を形成する場合、断線が起こ
らないようにするためにも、平滑性が高いことが好まし
い。これらの観点から、基材フィルム2の表面の平滑性
としては、平均粗さ(Ra)が2nm以下であるものが
好ましい。下限は特にないが、実用上、0.01nm以
上である。必要に応じて、基材フィルム2の両面、少な
くとも、薄膜層4を設ける側を研摩し、平滑性を向上さ
せておいてもよい。
【0015】基材フィルム2の両面、少なくとも薄膜層
4を設ける側には、接着性向上のための公知の種々の処
理、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズマ処
理、もしくはプライマー層の積層等を、必要に応じて組
み合わせて行なうことができる。
【0016】接着性向上のための処理のうち、プライマ
ー層3の積層は、薄膜層4の接着力を向上させて製品の
耐久性を向上させるのに加え、基材フィルム2の薄膜層
4を形成する側の表面の平滑性を向上させ、薄膜層4を
均一に形成するのに効果がある。プライマー層3として
は、具体的には、ポリエチレンイミン、ポリウレタン、
ポリエステル、もしくはアクリル等の樹脂を含むごく薄
い、0.1〜5μm程度の厚みの層として形成するとよ
く、通常は、溶剤溶液として、塗付し、乾燥することに
より形成できる。
【0017】薄膜層4としては、特に限定されることな
く、従来、ガスバリア性を付与する層として利用されて
いるものを用いることができる。薄膜層4は、SiO2
を主体とするSiOx、Al23を初めとする金属酸化
物の薄膜で構成することが透明性の点で好ましい。これ
らも含め、薄膜層4は、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、
酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化
カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化金、酸化ク
ロム、酸化ケイ素、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、
酸化スズ、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケ
ル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸化マ
グネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナ
ジウムもしくは酸化バリウム等の酸化物で構成すること
ができる。透明性を必ずしも必要としない場合には、ア
ルミニウム、もしくはシリコン等、または上記の酸化物
を構成する金属等やSiN等で形成することもあり得
る。
【0018】上記の材料からなる薄膜層4は、物理的気
相法(PVD)、もしくは化学的気相法(CVD)、あ
るいは、めっきやコーティング法、ゾル−ゲル法等によ
り形成することが可能であるが、中でも化学的気相法
(CVD)により形成された薄膜層は、形成効率がよい
上に、薄膜層の形成の際に、基材フィルム2であるプラ
スチックフィルムに与えられる熱が物理的気相法よりも
小さく、従って、プラスチックフィルムの劣化を防ぐこ
とができ、好ましい。
【0019】また、化学的気相法の中でも、原料ガスを
導入し、高周波を作用させて放電を起こさせ、プラズマ
状態とし、基材フィルム2の表面での化学反応を促進し
て薄膜を形成する、プラズマCVD法を利用すると、基
材フィルム2を構成するプラスチックフィルムに熱的ダ
メージが加わらない程度の低温(−10℃〜200℃程
度の低温であり、30℃以下でも可能)で薄膜形成が行
なえ、また、以降に、酸化ケイ素の薄膜の例で述べるよ
うに、原料ガスの種類・流量、圧力、プラズマ状態を起
こさせるための電力等を制御することにより、形成され
る薄膜の組成、赤外吸収、もしくは光の屈折率等を制御
できる利点もあるため、特に好ましい。
【0020】また、上記の素材のうちでも、酸化ケイ素
で構成された薄膜が好ましく、酸化ケイ素で構成された
薄膜のうちでも、化学的気相法(CVD)により形成さ
れたものが、前段落に記載した理由で好ましい。
【0021】薄膜層4を酸化ケイ素の薄膜で構成する際
には、酸化ケイ素の薄膜中におけるSi、O、およびC
の各原子が、Si原子数;100に対し、O原子数;1
70〜200、およびC原子数;30以下の割合であ
り、かつ、1055〜1065nm-1の範囲にSi−O
−Si伸縮振動に基づく吸収を有していることがより好
ましく、従来の、シリカ、アルミナ等の薄膜層にくら
べ、ガスバリア性が向上する。また、このようなSi、
O、およびCの原子数比を持つ薄膜は、その屈折率は
1.45〜1.48となるよう形成することが、ガスバ
リア性の向上の点でより好ましい。
【0022】酸化ケイ素の薄膜中に占めるSi、O、お
よびCの原子数比を上記のようにするには、有機ケイ素
化合物ガスと酸素ガスとの流量比や、有機ケイ素化合物
の単位流量当りの投入電力の大きさ等を調節することに
より、行なうことができる。特にCの混入を抑制するよ
うに制御することが好ましく、具体的には、例えば、
「酸素ガスの流量/有機ケイ素化合物ガスの流量」の流
量比を、3〜50程度の範囲で調整することによって、
SiO2ライクな薄膜として、Cの混入を抑制したり、
有機ケイ素化合物の単位流量当りの投入電力を大きくす
ることによって、Si−C結合の切断を容易にして薄膜
中へのCの混入を抑制することができる。なお、必要に
応じ、上記の流量比は50を超えても差し支えない。
【0023】酸化ケイ素の薄膜中に占めるSi、O、お
よびCの原子数比は、Si、O、およびCの各成分を定
量的に測定し得る装置であれば、どのような装置を用い
て測定してもよく、例えば、X線光電子分光機器(ES
CA)、ラザフォード後方散乱分析装置(RBS)、も
しくはオージェ電子分光装置(AUGER)により、測
定することができる。
【0024】上記した酸化ケイ素の薄膜中におけるO原
子数が、Si原子数;100に対し170未満である
と、これは、酸素ガスの投入量が相対的に少ないか、も
しくは有機ケイ素化合物ガスの単位流量当りの投入電力
が小さい場合にしばしば見られるが、結果的にCの成分
割合が増加し、薄膜中に多くのSi−C結合を有するこ
ととなって、SiO2ライクな薄膜でなくなり、酸素透
過率および水蒸気透過率が大きくなる。なお、酸化ケイ
素の薄膜中におけるO原子数は、化学量論的に200を
超えにくい。
【0025】また、上記した酸化ケイ素の薄膜中におけ
るC原子数が、Si原子数;100に対し30を超える
と、これは、前段落におけるSi原子数が170未満に
なるときと同様なケースにしばしば見られ、やはり薄膜
中に多くのSi−C結合を有することとなるので好まし
くない。C原子数の下限は特に限定されないが、実際の
薄膜形成工程において、10と規定することができる。
C原子数の下限を10未満とすることは現実的には容易
ではないが、10未満であることは、よりSiO2ライ
クな薄膜を形成することが可能な点で好ましい。
【0026】ガスバリア性層4としての酸化ケイ素の薄
膜は、薄膜中におけるSi、O、およびCの各原子数の
上記した比に加え、1055〜1065nm-1の範囲に
Si−O−Si伸縮振動に基づく吸収を有していること
が好ましい。このような吸収特性を実現するためには、
やはり、「酸素ガスの流量/有機ケイ素化合物ガスの流
量」の流量比を、3〜50程度の範囲、もしくは50以
上で調整するか、より好ましくは3〜10程度の範囲で
調整し、または、有機ケイ素化合物の単位流量当りの投
入電力を大きくすることにより、Si−C結合の切断を
容易にすることによって、SiO2ライクな薄膜を形成
することにより実現することができる。
【0027】上記の領域に吸収がない場合は、「酸素ガ
スの流量/有機ケイ素化合物ガスの流量」の流量比が小
さいか、もしくは、有機ケイ素化合物の単位流量当りの
投入電力が小さい場合に見られ、結果的に、結果的にC
の成分割合が増加し、薄膜中に多くのSi−C結合を有
することとなって、SiO2ライクな薄膜特有のSi−
O結合が相対的に少なくなるからであり、やはり、酸素
透過率および水蒸気透過率が大きくなる。
【0028】上記の吸収は、IR(近赤外域)測定用の
赤外分光光度計で測定し、好ましくは、赤外分光光度計
にATR(多重反射)測定装置を取り付けて測定する。
プリズムにはゲルマニウム結晶を用い、入射角;45度
で測定することが好ましい。
【0029】また、このようなSi、O、およびCの原
子数比を持つ薄膜は、その屈折率は1.45〜1.48
となるよう形成することが、ガスバリア性の向上の点で
好ましい。この屈折率の範囲を実現するには、「酸素ガ
スの流量/有機ケイ素化合物ガスの流量」の流量比を3
〜50、必要に応じ、それ以上とするか、もしくは有機
ケイ素化合物の単位流量当りの投入電力を調節すること
により行なう。
【0030】屈折率が1.45未満となる場合として
は、「酸素ガスの流量/有機ケイ素化合物ガスの流量」
の流量比が上記の範囲外となるか、もしくは、有機ケイ
素化合物の単位流量当りの投入電力が小さいことによ
り、低密度で疎な酸化ケイ素薄膜が得られるときにしば
しば見られ、薄膜が疎であるために、酸素透過率および
水蒸気透過率が大きくなる。また、屈折率が1.48を
超える場合としては、「酸素ガスの流量/有機ケイ素化
合物ガスの流量」の流量比が上記の範囲外となるか、も
しくは、C(炭素)等の不純物が混入したときにしばし
ば見られ、形成された酸化ケイ素薄膜が疎になるため
に、酸素透過率および水蒸気透過率が大きくなる。
【0031】上記の酸化ケイ素薄膜を形成するための有
機ケイ素化合物ガスとしては、ヘキサメチルジシロキサ
ン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、テト
ラメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リメチルシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチル
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエト
キシシラン、もしくはヘキサメチルジシラザン等を使用
することができる。
【0032】上記の酸化ケイ素薄膜を形成するための有
機ケイ素化合物ガスとしては、分子内のSi−C結合が
少ないか、もしくは無いものが、SiO2ライクな薄膜
を形成できる点でより好ましく、テトラメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラ
ン、もしくはメチルジエトキシシランを挙げることがで
きるが、中でも、分子内にSi−C結合を有しないテト
ラメトキシシラン、もしくはテトラエトキシシランを用
いることが好ましい。
【0033】また、上記の説明において、酸素ガスとし
て説明したガスとしては、酸素原子を含むガスを用いる
こともでき、具体的には、N2O、CO、もしくはCO2
を用いることができる。
【0034】本発明のガスバリア性フィルムにおける薄
膜層4の厚みは、5nm〜1000nm、より好ましく
は、300nm以下である。下限未満であると、基材フ
ィルム2の表面全面を確実に被覆できないことがある。
また上限を超えると、クラックが生じやすくなり、ま
た、外見上の透明性等が失われ、また、カールが生じや
すくなる。さらに、上限を超えるときは、薄膜層4の形
成速度が低下し、生産効率上好ましくない。
【0035】上記の薄膜層4の厚みは、用途によって、
より好ましい範囲を採ることがある。食品、医薬品、も
しくは医療器具等を包装する包装分野等、本発明のガス
バリア性フィルムにフレキシビリティが要求される分野
においては、薄膜層4の厚みが5〜30nmとすること
がより好ましい。この厚みの範囲の薄膜層4を有するガ
スバリア性フィルムは、折り曲げたことによるクラック
の発生が起きにくい。
【0036】また、ディスプレイの基板用、またはディ
スプレイの被覆用もしくは密封用等のディスプレイ用で
あって、必ずしもフレキシビリティが要求されない分野
においては、よりガスバリア性を高くする必要があるこ
とから、薄膜層4の厚みを、包装分野におけるよりも厚
い30nm〜200nmとすることがより好ましい。こ
のディスプレイ用の特殊なものとしては、液晶ディスプ
レイをフィルム状に構成したフィルム状液晶ディスプレ
イに用いる高ガスバリア性フィルム、有機ELディスプ
レイをフィルム状にしたフィルム状有機ELディスプレ
イに用いる高ガスバリア性フィルム、また、ディスプレ
イ用ではないが、フィルム状太陽電池用ガスバリア性フ
ィルムがある。
【0037】本発明において、ガスバリア性層は、薄膜
層4単独でも構成することができるが、薄膜層4上にオ
ーバーコート層5を積層して複合層とすることにより、
包装分野では得られていなかった高度なガスバリア性を
与えることができる。オーバーコート層5を伴なわない
薄膜層4は、その形成法による多少の程度の差はあれ、
表面に近いほど結晶が未成長な状態が生じ、結晶どうし
の間に密度の低い部分が生じやすいため、薄膜層4のみ
では、ガスバリア性の向上に限界がある。また、薄膜層
4を、形成する素材を複数使用して、素材の異なる複数
の薄膜層を積層しても、厚みが厚くなる分、ガスバリア
性の向上は見られるものの、ガスバリア性の格段の向上
には至らない。また、特にAl23で構成された薄膜層
は、層自体が割れやすい欠点を有している。
【0038】本発明におけるオーバーコート層5は、無
機層状化合物を含有する樹脂組成物からなるもので、オ
ーバーコート層5を構成する樹脂成分は、ガスバリア性
の高い樹脂であることがより好ましく、無機層状化合
物、樹脂成分を含有する塗料組成物を塗布して得られる
塗膜である。
【0039】無機層状化合物とは、単位結晶層が重なっ
て層状構造を形成する無機化合物であり、溶媒中で膨
潤、劈開するものが好ましい。
【0040】無機層状化合物としては、モンモリロナイ
ト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコ
ナイト、バーミキュライト、フッ素雲母、白雲母、パラ
ゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト、マーガライ
ト、クリントナイト、アナンダイト、緑泥石、ドンバサ
イト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シ
ャモサイト、ニマイト、テトラシリリックマイカ、タル
ク、パイロフィライト、ナクライト、カオリナイト、ハ
ロイサイト、クリソタイル、ナトリウムテニオライト、
ザンソフィライト、アンチゴライト、ディッカイト、も
しくはハイドロタルサイト等を挙げることができ、膨潤
性フッ素雲母やモンモリロナイトが特に好ましい。
【0041】これらの無機層状化合物は、天然に産する
ものであっても、人工的に合成あるいは変性されたもの
でもよく、またそれらをオニウム塩などの有機物で処理
したものであってもよい。
【0042】膨潤性フッ素雲母系鉱物は透明性に優れて
いる点で最も好ましく、次式で示されるものである。
【0043】 α(MF)・β(aMgF2・bMgO)・γSiO2 (式中、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、
γ、a及びbは各々係数を表し、0.1≦α≦2、2≦
β≦3.5、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a
+b=1である。)
【0044】このような膨潤性フッ素雲母系鉱物の製造
法としては、例えば、酸化珪素と酸化マグネシウムと各
種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガ
ス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融
し、その冷却過程で反応容器内にフッ素雲母系鉱物を結
晶成長させる、いわゆる溶融法がある。
【0045】また、タルクを出発物質として用い、これ
にアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤
性フッ素雲母系鉱物を得る方法がある(特開平2−14
9415号公報)。この方法では、タルクに珪フッ化ア
ルカリあるいはフッ化アルカリを混合し、磁性ルツボ内
で約700〜1200℃で短時間加熱処理することによ
って膨潤性フッ素雲母系鉱物を得ることができる。
【0046】この際、タルクと混合する珪フッ化アルカ
リあるいはフッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜
35重量%の範囲とすることが好ましく、この範囲を外
れる場合には膨潤性フッ素雲母系鉱物の生成収率が低下
するので好ましくない。
【0047】珪フッ化アルカリ又はフッ化アルカリのア
ルカリ金属は、ナトリウムあるいはリチウムが好まし
い。また、膨潤性フッ素雲母系鉱物を製造する工程にお
いて、アルミナを少量配合し、生成する膨潤性フッ素雲
母系鉱物の膨潤性を調整することも可能である。
【0048】また、本発明において用いることができる
無機層状化合物の中で、モンモリロナイトは、次式で示
されるもので、天然に産出するものを精製することによ
り得ることができる。
【0049】 MaSi4(Al2-aMga)O10(OH)2・nH2O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.2
5〜0.60である。また、層間のイオン交換性カチオ
ンと結合している水分子の数は、カチオン種や湿度等の
条件に応じて変わりうるので、式中ではnH2Oで表
す。)
【0050】またモンモリロナイトには次式群で表され
る、マグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイ
ト、鉄マグネシアンモンモリロナイトの同型イオン置換
体も存在し、これらを用いてもよい。
【0051】 MaSi4(Al1.67-aMg0.5+a)O10(OH)2・nH2O MaSi4(Fe2-a 3+Mga)O10(OH)2・nH2O MaSi4(Fe1.67-a 3+Mg0.5+a)O10(OH)2・nH2O (式中、Mはナトリウムのカチオンを表し、aは0.2
5〜0.60である。)
【0052】通常、モンモリロナイトは、その層間にナ
トリウムやカルシウム等のイオン交換性カチオンを有す
るが、その含有比率は産地によって異なる。本発明にお
いては、イオン交換処理等によって層間のイオン交換性
カチオンがナトリウムに置換されていることが好まし
い。また水ひ処理により精製したモンモリロナイトを用
いることが好ましい。
【0053】オーバーコート層5を構成する樹脂成分
は、ガスバリア性の高い樹脂であることがより好まし
く、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アルコール、ナイロン、特にメタキシレンジアミンとア
ジピン酸の重縮合物(ナイロンMDX6)、もしくはポ
リエステル、特に2種類のジオール成分(エチレングリ
コールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール)と
テレフタル酸から作られた非結晶ポリエステル(PET
G)等を挙げることができる。
【0054】よりガスバリア性の高いものとして、上記
のうちのポリビニルアルコール樹脂とメチルビニルエー
テル−マレイン酸共重合体、もしくはエチレン−マレイ
ン酸共重合体の併用、ポリビニルアルコール樹脂とポリ
アクリル酸樹脂を併用し、さらに架橋剤を配合したも
の、ポリアクリル酸樹脂に架橋剤を配合したものを用い
ることができる。
【0055】上記の無機層状化合物は、樹脂成分100
に対し、1〜20%(質量基準、以降においても同様)
程度の範囲で配合して、必要に応じ、溶剤または/およ
び希釈剤を配合して塗料組成物とすることができる。
【0056】このほか塗料組成物には、上記の無機層状
化合物、樹脂成分以外に、溶媒、硬化触媒、濡れ性改良
剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤等の無機、有機系の各種添
加剤を必要に応じて添加することができる。
【0057】上記の塗料組成物の塗布は、公知の塗布手
段、例えば、バーコート、スピンコート、ディップコー
ト、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、もし
くはコンマコート等により行なうことができ、0.1〜
10μm(乾燥時)程度の膜厚とし、塗布後、加熱乾燥
することにより、オーバーコート層5を得ることができ
る。
【0058】薄膜層4上にオーバーコート層5を積層す
ると、薄膜層の表面の密度の低い部分にオーバーコート
層5が浸透して、ガスバリア性を低下させている欠陥部
分を補うため、ガスバリア性が向上するものと考えられ
る。
【0059】本発明のガスバリア性フィルム1は、図1
を引用して説明した積層構造を有する複合フィルムを一
枚使用することにより、ガスバリア性を発揮し得るが、
これらの複合フィルムを二枚以上、互いに積層して、よ
り一層、ガスバリア性を高めたものとすることもでき
る。二枚以上の複合フィルムの間の積層には、接着剤を
用いるとよい。二枚以上のガスバリア性フィルム1を積
層する際には、表裏が同じ向きのものどうしを重ねて積
層する場合と、逆向きの場合とがある。図1を引用して
説明した積層構造のガスバリア性フィルム1を二枚積層
する場合であれば、前者は、例えば、基材フィルム/プ
ライマー層/薄膜層/オーバーコート層/接着剤層/基
材フィルム/プライマー層/薄膜層/オーバーコート層
の積層構造であり、後者は、例えば、基材フィルム/プ
ライマー層/薄膜層/オーバーコート層/接着剤層/オ
ーバーコート層/薄膜層/プライマー層/基材フィルム
の積層構造である。前者の場合、接着剤層と接するオー
バーコート層を省略することができ、後者の場合、二つ
のオーバーコート層のいずれか、もしくは両方を省略す
ることができる。
【0060】また、本発明のガスバリア性フィルム1に
おいては、薄膜層4およびオーバーコート層5の積層構
造がガスバリア性層を構成しているが、このガスバリア
性層を二重、もしくはそれ以上に積層してもよく、例え
ば、二重に積層した場合、基材フィルム/プライマー層
/薄膜層/オーバーコート層/薄膜層/オーバーコート
層の積層構造をとることができる。
【0061】ガスバリア性フィルムを二枚以上積層する
場合、およびガスバリア性層を二重もしくはそれ以上に
積層する場合、積層した結果物には、薄膜層が二層以上
存在し、オーバーコート層も二層以上存在し得るが、こ
れらの場合、異なる素材からなる二層以上の薄膜層であ
ってもよいし、異なる素材からなる二層以上のオーバー
コート層であってもよい
【0062】ガスバリア性フィルムどうしの積層は、被
接着面の素材どうし、もしくは片方の素材を利用して熱
融着させる等により積層することができるが、より確実
なのは、上記のように、接着剤層を介して積層すること
である。接着剤層は、公知の素材を用いて構成すること
ができ、具体的には、ポリウレタン系の接着剤を使用し
て形成することができ、より好ましくは、エポキシ基、
アミノ基、OH基等の官能基を有したものを用いる。先
にも述べたように、ガスバリア性フィルムの一方がオー
バーコート層を欠いており、接着剤層がオーバーコート
層の代わりの役目をになうときは、接着剤層をまず、オ
ーバーコート層を有しない方のガスバリア性フィルムの
薄膜層上に直接形成し、その後、他方のガスバリア性フ
ィルムと貼り合せることが、薄膜層の表面の密度の低い
部分へのオーバーコート層の浸透の点で好ましい。
【0063】本発明のガスバリア性フィルム1は、上記
したような積層構造を有し、もしくは製造方法を経て得
られるものであるので、高度なガスバリア性を有してお
り、種々のディスプレイ(=ディスプレイ素子)に適用
することができる。
【0064】図2は、ディスプレイ6に対し、ガスバリ
ア性フィルム1を適用した断面の構造を示す図で、図2
(a)に示すように、ディスプレイ6の片面にガスバリ
ア性フィルム1を積層してもよいし、図2(b)に示す
ように、ディスプレイ6の両面にガスバリア性フィルム
1および1’をそれぞれ積層してもよいし、もしくは図
2(c)に示すように、ディスプレイ6が二枚のガスバ
リア性フィルム1および1’の間に介在しており、二枚
のガスバリア性フィルム1および1’は周囲、好ましく
は全周が、シール部7を有してシールされていてもよ
い。図2(c)に示すような構造において、ガスバリア
性フィルム1および/または1’とディスプレイ6とは
接着していてもよいし、あるいは接着していなくてもよ
い。
【0065】図2に示すように、ディスプレイ6にガス
バリア性フィルムを適用する場合、ガスバリア性フィル
ムの基材フィルム2側もしくは薄膜層4を有する側の最
外層(オーバーコート層5である場合と、オーバーコー
ト層を欠くために薄膜層4である場合とがある。)のい
ずれがディスプレイ6側であってもよい。図2(b)お
よび(c)に示すように、二枚のガスバリア性フィルム
を適用する場合、いずれか一方のガスバリア性フィルム
の基材フィルム側がディスプレイ6側であり、他方のガ
スバリア性フィルムの薄膜層を有する側がディスプレイ
6側であってもよい。
【0066】図2に示すように、ガスバリア性フィルム
1をディスプレイ6に適用する際には、接着剤、好まし
くは粘着剤を用いて行なうが、図2(c)に示すような
シールを伴なう場合には、シール部7のシールされる内
側どうしに、熱融着性の接着剤層を積層しておいて、熱
融着性の接着剤層どうしの熱融着によってシールされて
いるのみでもよく、もちろん、ディスプレイ6と接する
部分では、接着剤、好ましくは粘着剤によりディスプレ
イ6とガスバリア性フィルムとが積層されていてもよ
い。
【0067】図2に示した例では、ディスプレイ6の片
面もしくは両面にガスバリア性フィルムを適用したが、
本発明のガスバリア性フィルム1は、ディスプレイその
ものを構成する基板として使用することもでき、ディス
プレイが二枚の基板で構成されていれば、一方もしくは
両方の基板を、本発明のガスバリア性フィルムで置き換
えることができる。
【0068】本発明のガスバリア性フィルム1をディス
プレイの基板として用いる場合には、各々のディスプレ
イの方式において必要な層を、ガスバリア性フィルム1
の表裏のいずれかに積層することもでき、場合によって
は、基材フィルム2とガスバリア性層の間に、それらの
層を積層することもあり得るので、本発明のガスバリア
性フィルム1は、基材フィルム2と薄膜層4との間に、
ディスプレイの機能を持たせるための層が介在するもの
も含むものとする。
【0069】本発明のガスバリア性フィルム1を適用す
るディスプレイとしては、種々のものがあるが、代表的
なものとして、液晶ディスプレイおよび有機EL素子が
あり得る。
【0070】液晶ディスプレイは、二枚のガラス基板
に、いずれも内側に透明電極を配置し、配向層等を伴な
った間に液晶が挟まれ、周囲がシールされたものであ
り、通常は、映像をカラー化するためのカラーフィルタ
ーを伴なう。このような液晶ディスプレイのガラス基板
の外側に、本発明のガスバリア性フィルムを適用する
か、もしくは、本発明のガスバリア性フィルム1をガラ
ス基板の代りに用いることもできる。特に、二枚のガラ
ス基板を、いずれも、本発明のガスバリア性フィルムで
置き換えれば、全体がフレキシブルなディスプレイとす
ることができる。
【0071】有機ELディスプレイは、やはり、二枚の
ガラス基板に、いずれも内側に透明電極を配置し、二枚
の基板間に、例えば、(a)注入機能、(b)輸送機
能、および(c)発光機能の各機能を持つ層を積層した
複合層等からなる有機EL素子層が挟まれ、周囲がシー
ルされたものであり、映像をカラー化するためのカラー
フィルターもしくはそのほかの手段を伴なうことがあ
る。液晶ディスプレイにおけるのと同様、ガラス基板の
外側に、本発明のガスバリア性フィルムを適用するか、
もしくは、本発明のガスバリア性フィルム1をガラス基
板の代りに用いることもできる。二枚のガラス基板を、
いずれも本発明のガスバリア性フィルムで置き換えれ
ば、全体がフレキシブルなディスプレイとすることがで
きる。有機EL素子は、使用する蛍光物質が不安定で、
湿気に極度に弱いため、製品となった後の高度な水蒸気
バリア性が望まれるので、ガスバリア性フィルムの適用
は、非常に有効である。
【0072】
【実施例】(実施例1)基材フィルムとして、ポリカー
ボネートフィルム(バイエル(株)製、商品名;「バイ
ホールLP202」、厚み;200μm)を用い、片面
にポリシラザン分散液(クラリアントジャパン(株)
製、「NL−110」の3%溶液)をグラビア印刷法に
より塗工し、120℃の温度で熱風乾燥を行ない、膜厚
が0.1μmのプライマー層を形成した。次に、巻き取
り式の真空蒸着装置を用い、チャンバーの到達真空度が
3.0×10-5torr(4.0×10-3Pa)になる
まで排気した後、酸素ガスをコーティングドラムの近傍
に、チャンバー内の圧力が3.0×10-4torr
(4.0×10-2Pa)に保って導入し、蒸発源の一酸
化ケイ素をピアス型電子銃により、約10kwの電力で
加熱して蒸着させ、コーティングドラム上を120m/
minの速度で走行するポリカーボネートフィルムのプ
ライマー層上に、厚みが500Åの酸化ケイ素の薄膜層
を形成した。
【0073】ポリマー(A)として、ユニチカケミカル
社製ポリビニルアルコールUF040G(ケン化度99
%、平均重合度400)を純水に溶解し、20%の水溶
液を得た。ポリマー(B)としてメチルビニルエーテル
−マレイン酸の等モル共重合体(インターナショナル・
スペシャリティ・プロダクツ社製、商品名;ガントレツ
(GANTREZ)AN119)をカルボキシル基に対
して2モル%の水酸化ナトリウムを含む水溶液に溶解し
20%溶液とした。ポリマー(A)とポリマー(B)の
質量比が70/30となるように両水溶液を混合し、続
いて、モンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、商品
名;クニピアF)を、(A)と(B)の固形分の合計量
に対して10%になるように添加し、攪拌してコート液
を調製した。このコート液を上記の薄膜層上に、乾燥後
の塗膜厚みが約2μmになるようにバーコーティング
し、100℃で2分間乾燥した後、200℃で15秒間
熱処理してオーバーコート層を形成し、ガスバリア性フ
ィルムとした。
【0074】得られたガスバリア性フィルムの特性を評
価した結果は次の通りである。 全光線透過率;88% 酸素透過率;0.23cc/m2・day 水蒸気透過率;0.1g/m2・day 表面平滑性;5nm なお、酸素透過率は、酸素ガス透過率測定装置(モダン
コントロール(株)製、OXTRAN 2/20)を用
いて行ない、水蒸気透過率は、水蒸気ガス透過率測定装
置(モダンコントロール(株)製、PERMATRAN
−W3/31)を用いて行なった。
【0075】(実施例2)基材フィルムとして、厚みが
200μmのポリエーテルスルホン(PES)樹脂フィ
ルム(住友ベークライト(株)製)を使用し、また、酸
化ケイ素の薄膜層の形成をプラズマCVD装置を用いて
行なった。チャンバーの到達真空度が3.0×10-5
orr(4.0×10-3Pa)になるまで排気した後、
高周波を印可し、テトラメトキシシラン、酸素、および
ヘリウムの三種類のガスを1:1:3の流量で導入し、
成膜チャンバー内の圧力を0.25torrに保って、
厚みが500Åの酸化ケイ素の薄膜層を形成した。酸化
ケイ素の薄膜層の形成以外は、実施例1と同様に行な
い、ガスバリア性フィルムを作成した。得られたガスバ
リア性フィルムの特性を評価した結果は次の通りであ
る。 全光線透過率;86% 酸素透過率;0.3cc/m2・day 水蒸気透過率;0.2g/m2・day 表面平滑性;4nm
【0076】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、金属酸化物の
薄膜層が有する微細孔に由来する欠点を、無機層状化合
物を含有する樹脂組成物のオーバーコート層で被覆する
ことにより解消し、従来、到達が困難であった高度なガ
スバリア性を有するガスバリア性フィルムを提供するこ
とができる。請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加え、薄膜層の厚みが薄く均一なガスバリア性
フィルムを提供することができる。請求項3の発明によ
れば、請求項1または請求項2の発明におけるガスバリ
ア性層が二以上積層されたことにより、ガスバリア機能
が重畳したことによる高いガスバリア性を有するガスバ
リア性フィルムを提供することができる。請求項4の発
明によれば、請求項1または請求項2の発明のガスバリ
ア性フィルムが二以上積層されたことにより、請求項3
の発明におけるのと同様、ガスバリア機能が重畳したこ
とによる高いガスバリア性を有するガスバリア性フィル
ムを提供することができる。請求項5の発明によれば、
請求項1〜請求項4いずれかの発明のガスバリア性フィ
ルムをディスプレイの片側に適用したことにより、ディ
スプレイのガスバリア性フィルムが適用された側のガス
バリア性が向上したディスプレイを提供することができ
る。請求項6の発明によれば、請求項1〜請求項4いず
れかの発明のガスバリア性フィルムをディスプレイの両
側に適用したことにより、ディスプレイの両面のガスバ
リア性が向上したディスプレイを提供することができ
る。請求項7の発明によれば、請求項1〜請求項4いず
れかの発明のガスバリア性フィルムでディスプレイを密
封したことにより、ガスバリア性を高度に保つことが可
能なディスプレイを提供することができる。請求項8の
発明によれば、請求項1〜請求項4いずれかの発明のガ
スバリア性フィルムを、ディスプレイ素子の少なくとも
観察側の基板としたので、ガスバリア性を発揮させるた
めの層が増えるものの、実質的な厚みの増加を伴なうこ
となく、ガスバリア性を高度に保つことが可能なディス
プレイを提供することができる。請求項9の発明によれ
ば、請求項5〜請求項8いずれかの発明の効果に加え、
液晶ディスプレイの特性を長期間安定に保持し得るディ
スプレイ素子を提供することができる。請求項10の発
明によれば、請求項5〜請求項8いずれかの発明の効果
に加え、有機EL素子の特性を長期間安定に保持でき、
ダークスポットの発生、成長を抑制可能なディスプレイ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性フィルムの積層構造を示
す断面図である。
【図2】本発明のガスバリア性フィルムの適用例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ガスバリア性フィルム(超高ガスバリア性フィ
ルム) 2 基材フィルム 3 プライマー層 4 薄膜層 5 オーバーコート層 6 ディスプレイ 7 シール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 HA07 HD01 JB03 JC07 JD11 4F100 AA01C AA17B AA17D AA20 AC03 AK01A AK01C AK21 AK45 AL05 AL05C BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C CA23 CC00 DE02C EH66B EH66D GB41 JD02 JM02B JM02D 4K029 AA11 AA25 BA46 BC00 BD00 CA04 GA03 4K030 AA06 AA09 AA14 BA44 CA07 CA12 FA01 JA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルム上に、金属酸化物の薄膜
    層、および無機層状化合物を含有する樹脂組成物からな
    るオーバーコート層が順に積層された積層構造からなる
    ガスバリア性層が積層された複合フィルムからなること
    を特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物の薄膜層が、蒸着法、ス
    パッタリング法、もしくはイオンプレーティング法の物
    理的気相法、化学的気相法、または、めっき、もしくは
    ゾル−ゲル法の液相成長法により形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1記載のガスバリア性フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 基材フィルム上に、請求項1または請求
    項2記載のガスバリア性層が二以上積層されていること
    を特徴とするガスバリア性フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の複合フィ
    ルムが二以上積層されていることを特徴とするガスバリ
    ア性フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4いずれか記載のガス
    バリア性フィルムが、ディスプレイ素子の少なくとも片
    側の表面に積層されていることを特徴とするディスプレ
    イ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4いずれか記載のガス
    バリア性フィルムが、ディスプレイ素子の両側の表面に
    積層されていることを特徴とするディスプレイ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項4いずれか記載のガス
    バリア性フィルムによりディスプレイ素子が密封されて
    いることを特徴とするディスプレイ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項4いずれか記載のガス
    バリア性フィルムが、ディスプレイ素子の少なくとも観
    察側の基板であることを特徴とするディスプレイ。
  9. 【請求項9】 ディスプレイ素子が液晶ディスプレイパ
    ネルであることを特徴とする請求項5〜請求項8いずれ
    か記載のディスプレイ。
  10. 【請求項10】 ディスプレイ素子が有機EL素子であ
    ることを特徴とする請求項5〜請求項8いずれか記載の
    ディスプレイ。
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