JP2003258674A - 積層部品 - Google Patents

積層部品

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JP2003258674A JP2002055798A JP2002055798A JP2003258674A JP 2003258674 A JP2003258674 A JP 2003258674A JP 2002055798 A JP2002055798 A JP 2002055798A JP 2002055798 A JP2002055798 A JP 2002055798A JP 2003258674 A JP2003258674 A JP 2003258674A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごくわずかな回路パターンの改変によって、
特性を向上させた積層部品を提供する。 【解決手段】 積層部品10は、アンテナANTと第1
受信回路Rx1、第1送信回路Tx1、第2送受信回路
TxRx2との間に配置するための積層部品であって、
第1ローパスフィルタLP1を含む。このうち、第1コ
ンデンサC1と第1インダクタL1からなるLC並列回
路PLCは、一方の共通端Pを第1受信回路Rx1側
に、他方の共通端QをアンテナANT側に接続する。ま
た、一方の共通端Pに一端で接続し他端で接地する第2
コンデンサC2を有する。第1コンデンサC1を構成し
絶縁層を挟んで対向する電極部22C,23Cのうち、
一方の共通端Pに接続する電極部23Cは、一方の共通
端P及び第1受信回路Rx1側に接続するための第1取
り出し部23C1と、これとは離れて位置し、第1送信
回路Tx1側に接続するための第2取り出し部23C2
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層部品に関し、
特に、アンテナと受信回路と送信回路とに接続される積
層部品に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯端末機による通信や、電気機器間の
通信などに用いるため、さらには、複数の送受信システ
ムに対応するため、アンテナと受信回路及び送信回路と
の間に分波回路など電子回路を挿入することがある。こ
の電子回路は、1また複数の電子部品で実現される。こ
のような電子部品の1つとして、セラミックなどからな
る絶縁層を積層した多層基板内にコンデンサやインダク
タ、抵抗などの回路パターンを形成した積層部品が知ら
れている。また、このような多層基板の表面に、さらに
ダイオードやトランジスタなどの半導体素子や、SAW
フィルタなどのフィルタ、コンデンサやインダクタ、抵
抗など、各種の機能を有するチップ状の電子部品を搭載
した積層部品も知られている。このような積層部品を用
いると、複数の電子部品を内蔵あるいは搭載することが
できるため、小型化、軽量化、低価格化、また挿入損失
の低減などの特性向上を図ることができる。
【0003】図1,図12,図13に、従来技術の一例
として示す積層部品100の形態、回路図、及び内部に
形成された回路パターンの一部を示す。この積層部品1
00は、ガラスセラミックなどのセラミックからなる絶
縁層を積層してなり、内部及び表面に回路パターンを有
し、上面111u、下面111d、側面111sからな
る直方体形状の積層部品本体111と、その上面111
uに搭載されたダイオードなどチップ状の搭載部品14
とからなる。この積層部品100で構成される電子回路
は、図12に示す回路構成を有する。即ち、この積層部
品100は、アンテナANTと、第1送信回路Tx1及
び第1受信回路Rx1からなる第1送受信回路TaRx
1と、第2送受信回路TxRx2との間に配置され、こ
れらに接続するための端子T1〜T4及び制御端子T5
を有する。またこの積層部品100は、図中破線で示す
分波回路CFOと、図中一点鎖線で示すスイッチ回路S
W、及び第2フィルタLP2を備えている。
【0004】このうち、分波回路CFOは、アンテナA
NT側に接続する端子T1と、第1送受信回路TxRx
1側(具体的にはスイッチ回路SW)に接続する端点T
6と、第2送受信回路TxRx2側に接続する端子T4
とを有する。この分波回路CFOは、端子T1と端点T
6の間で第1送受信回路TxRx1の信号(例えば0.
88〜0.96GHz)を通過させる第1ローパスフィ
ルタLPO1と、端子T1とT4の間でこれよりも高い
周波数の第2送受信回路TxRx2の信号(例えば、
1.71〜2.17GHz)を通過させるハイパスフィ
ルタHPとからなる。
【0005】このうち、第1ローパスフィルタLPO1
は、第1コンデンサCO1と第1インダクタL1とから
なるLC並列回路PLCO、及びこのLC並列回路PL
COの一方の共通端Pに一端が接続し他端が接地された
第2コンデンサC2から構成される。LC並列回路PL
COの共振周波数は、例えば1.7GHzとされ、第1
送信回路Tx1から送信される送信信号の周波数(0.
925〜0.96GHz)の約2倍に設定されているの
で、この第1ローパスフィルタLPO1の周波数特性
は、LC並列回路PLCOの共振周波数(例えば1.7
GHz)で大きく減衰する減衰極を1つ有する特性とな
る(図5参照)。このため、相対的に低い周波数である
第1送受信回路TxRx1に用いる信号は、端点T6に
伝わる。逆に、比較的高い周波数である第2送受信回路
TxRx2の信号は端点T6に伝わらない。
【0006】一方、ハイパスフィルタHPは、直列に接
続された第3,第4コンデンサC3,C4とこれらの間
に一端が接続し他端が接地する第3インダクタL3とを
備える。このため、相対的に低い周波数である第1送受
信回路TxRx1に用いる信号は、端子T4側に伝わら
ない。逆に、比較的高い周波数である第2送受信回路T
xRx2の信号は端子T4に伝わる。かくして、第1送
受信回路と第2送受信回路の2つで、アンテナANTを
共用して、送受信が可能となる。
【0007】また、スイッチ回路SWは、端点T6と、
第1受信回路Rx1側に接続する端子T2と、第1送信
回路Tx1側(具体的には第2ローパスフィルタLP
2)に接続する端点T8と、制御端子T5とを有する。
このスイッチ回路SWは、制御端子T5の電位をローレ
ベルとした場合には、ダイオードD1,D2がオフとな
る。このため、端点T6−T8間は切り離された状態と
なる一方、端点T6から第6インダクタL6を第10,
第11,第12コンデンサC10,C11,C12で構
成されるローパスフィルタを通じて端子T2に受信信号
が伝わる。これに対し、制御端子T5の電位をハイレベ
ルとした場合には、ダイオードD1,D2がオンとな
る。このため、第2ローパスフィルタLP2を介して第
1送信回路Tx1から端点T8に入力された送信信号
は、ダイオードD1、端点T6、第1ローパスフィルタ
LPO1、端子T1を通じてアンテナANTに送られ
る。なお、端子T2は第6コンデンサC6により高周波
的に接地され、第6インダクタL6と第10,第11コ
ンデンサC10,C11との並列共振により、送信信号
が端子T2に伝わることが阻止され、端点T6と端子T
2との間は切り離された状態となる。かくして、制御端
子T5に印加する電圧を変化させることにより、受信と
送信とを切り換えることができる。また、第2ローパス
フィルタLP2は、第1送信回路Tx1から出力される
送信信号の高調波を抑圧する。
【0008】次いで、第1ローパスフィルタLPO1を
構成する各素子の回路パターン120の立体的な構造を
図13に示す。アンテナANTに接続される端子T1
は、導体層22に接続している。そのうちの電極部22
Cとこの上層に位置してこれに対向する電極部123C
とで第1コンデンサCO1が構成されている。また、導
体層22は、ビア導体26を通じて導体層24に接続
し、さらにビア導体27を介して導体層123に接続し
ている。導体層24全体で構成される線状のインダクタ
部24Lと導体層123のうちのインダクタ部123L
とで、第1インダクタL1が構成されている。また、導
体層123は、ビア導体28を通じて導体層25に接続
している。この導体層25全体が電極部25Cとなっ
て、この下層に位置して対向する接地層21の電極部2
1Cとで第2コンデンサC2を構成している。導体層1
23は、端点T6にも接続する。なお、本例では、電極
部123Cとインダクタ部123Lとの接続部が、LC
並列回路の一方の共通端Pに相当し、ビア導体26が他
方の共通端Qに相当することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、携帯端
末機などのさらなる特性向上のため、積層部品について
も、さらなる特性向上が求められている。本発明は、か
かる要請に応えるものであって、ごくわずかな回路パタ
ーンの改変によって、特性を向上させた積層部品を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】その解決
手段は、アンテナと、受信回路と、送信回路とに接続さ
れる積層部品であって、第1コンデンサと第1インダク
タとからなるLC並列回路であって、一方の共通端を上
記受信回路側に接続し、他方の共通端を上記アンテナ側
に接続するLC並列回路と、上記LC並列回路の一方の
共通端に一端が接続し、他端がアース側に接続する第2
コンデンサと、を有し、少なくとも上記第1コンデンサ
を内蔵し、積層された複数の絶縁層と、上記絶縁層の層
間または表面に形成され、上記絶縁層を介して互いに対
向して上記第1コンデンサを構成する第1コンデンサ電
極層と、を備え、上記第1コンデンサ電極層のうち、上
記一方の共通端に接続する送受信回路側第1コンデンサ
電極層は、上記一方の共通端及び上記受信回路側に接続
するための第1取り出し部と、上記第1取り出し部とは
離れて位置し、上記送信回路側に接続するための第2取
り出し部と、を含む積層部品である。
【0011】本発明の積層部品では、第1コンデンサを
形成する第1コンデンサ電極層のうち、送受信回路側第
1コンデンサ電極層が、第1取り出し部とこれとは離れ
て位置する第2取り出し部の2つの取り出し部を備えて
いる。ここで、アンテナ側から受信回路側に信号を受信
する場合を考える。すると、アンテナ側(LC並列回路
の他方の共通端)から見ると、LC並列回路と、その先
につまりその一方の共通端に、一端で接続し他端でアー
ス側に接続する第2コンデンサと、が存在する回路に見
える。このため、受信回路側とアンテナ側(LC並列回
路の一方の共通端と他方の共通端)との間の周波数特性
を測定すると、LC並列回路の並列共振周波数において
1つの減衰極を有する低域通過特性となる。これは、前
記した従来技術における第1ローパスフィルタの特性と
同様である。
【0012】しかるに、送信回路側からアンテナ側に信
号を送信する場合を考える。すると、送信回路側からこ
の積層部品を見た場合には、信号が送受信回路側第1コ
ンデンサ電極層を第2取り出し部から第1取り出し部ま
で流れた後に、LC並列回路の一方の共通端に到達し、
第1インダクタ及び第2コンデンサに流れることとな
る。このため、この場合の周波数特性は、上述のアンテ
ナ側と受信回路側との間の周波数特性とは異なるものと
なる。具体的には、第1コンデンサと第1インダクタに
よるLC並列回路の並列共振周波数において1つの減衰
極(第1減衰極)が生じるほか、2つ目の減衰極(第2
減衰極)が生じる。送受信回路側コンデンサ電極層内を
第2取り出し部から第1取り出し部まで電流が流れるた
め、この部分にインダクタ成分(等価第2インダクタ)
が形成されたことになるからと考えられる。
【0013】この回路の等価回路は、以下であると考え
られる。即ち、第1コンデンサと等価第2インダクタと
の直列回路と、第1インダクタとを並列接続し、第1コ
ンデンサと第1インダクタとの共通端(LC並列回路の
他方の共通端に相当)がアンテナ側とする。一方、第1
インダクタと等価第2インダクタとの共通端(LC並列
回路の一方の共通端に相当)に第2コンデンサを接続
し、直列回路をなす第1コンデンサと等価第2インダク
タとの間で送信回路側に接続する回路である。この等価
回路で考察すると、第1コンデンサと、第1インダクタ
と等価第2インダクタとの直列回路と、の並列回路にお
けるLC並列共振周波数において第1の減衰極が形成さ
れるものと考えられる。また、等価第2インダクタと第
2コンデンサのLC直列共振回路の共振周波数におい
て、第2の減衰極が形成されるものと考えられる。
【0014】ここで、受信回路と送信回路とを比較す
る。一般に、受信感度を上げるには、受信回路とアンテ
ナとの間に挿入される積層部品などの挿入損失をできる
だけ抑えることが好ましい。一方、送信回路とアンテナ
との間には、信号の高調波がアンテナから放射されたり
他の回路への影響したりするのを抑制するため、高調波
に相当する周波数域での減衰を大きくとりうる積層部品
を介在させるのが好ましい。これに対し、この積層部品
では、受信の際は、アンテナ側と受信回路側との間で
は、減衰極が1つであり、等価第2インダクタが存在し
ない状態となるので、挿入損失を相対的に小さくでき
る。一方、送信の際、アンテナ側と送信回路側との間で
は、減衰極がさらに1つ増えるため、高周波領域での減
衰を比較的大きくとることができる。つまり、高調波に
相当する周波数域での減衰を大きくできる。このため、
受信回路及び送信回路の両者の要求を満足することがで
きる。しかも、送受信回路側コンデンサ電極層の取り出
し位置を2つにするだけで済むので、新たな素子を形成
する必要が無く、積層部品のサイズを維持したまま特性
を良好にすることができる。
【0015】なお、この積層部品は、アンテナと受信回
路と送信回路とに接続されるものであればよく、これら
と直接接続するものに限定されない。また、この積層部
品は、その内部や表面に回路パターンが形成されたもの
のみならず、ダイオードその他のチップ部品を搭載して
いてもよい。
【0016】さらに、上記積層部品であって、前記送受
信回路側第1コンデンサ電極層は、平面方向に窪む凹部
を有し、前記第1取り出し部と第2取り出し部とは、上
記凹部を挟んで配置されてなる積層部品とするとよい。
【0017】この積層部品では、送受信回路側第1コン
デンサ電極層のうち、第1取り出し部と第2取り出し部
とが凹部を挟んで配置されている。このため、第1取り
出し部と第2取り出し部との間の経路が長くなり、この
間に凹部が無い場合に比して、第1取り出し部と第2取
り出し部との間に生じる等価第2インダクタのインダク
タンスが大きくできる。つまり、所望の周波数に第2減
衰極を形成するのに適切な大きさの等価第2インダクタ
を容易に得ることができる。
【0018】さらに、上記いずれかに記載の積層部品で
あって、前記LC並列回路の他方の共通端と前記送受信
回路側第1コンデンサ電極層の第2取り出し部との間の
周波数特性において、前記送信回路で送信する信号の2
倍波の周波数に相当する周波数の第1減衰極と、前記送
信回路で送信する信号の3倍波の周波数に相当する周波
数の第2減衰極と、を有する積層部品とするとよい。
【0019】この積層部品では、第1コンデンサと第1
インダクタとからなるLC並列回路の他方の共通端つま
りアンテナ側と、送受信回路側第1コンデンサ電極層の
第2取り出し部つまり送信回路側との間の周波数特性に
おいて、送信信号の2倍波に相当する周波数に第1減衰
極を持つほかに、3倍波に相当する周波数にも第2減衰
極を持つ。このため、第1送信回路から、信号を送信す
る際に、送信信号の周波数の他に発生する高調波のう
ち、2倍波や3倍波が、アンテナ側に伝わって放射され
たり他の回路に影響するなどの不具合をより確実に抑制
することができる。
【0020】さらに、他の解決手段は、アンテナと、第
1送信回路と第1受信回路を含む第1送受信回路と、上
記第1送受信回路よりも高い周波数で送受信を行う1ま
たは複数の送受信回路からなる第2送受信回路と、に接
続される積層部品であって、上記第1送受信回路の信号
と上記第2送受信回路の信号とを周波数的に分離する分
波回路を備え、上記分波回路は、第1コンデンサと第1
インダクタとからなるLC並列回路であって、一方の共
通端を上記第1受信回路側に接続し、他方の共通端を上
記アンテナ側に接続するLC並列回路と、上記LC並列
回路の一方の共通端に一端が接続し、他端がアース側に
接続する第2コンデンサと、を含み少なくとも上記第1
コンデンサを内蔵し、積層された複数の絶縁層と、上記
絶縁層の層間または表面に形成され、上記絶縁層を介し
て互いに対向して上記第1コンデンサを構成する第1コ
ンデンサ電極層と、を備え、上記第1コンデンサ電極層
のうち、上記一方の共通端に接続する第1送受信回路側
第1コンデンサ電極層は、上記第1インダクタ及び上記
第1受信回路側に接続するための第1取り出し部と、上
記第1取り出し部とは離れて位置し、上記第1送信回路
側に接続するための第2取り出し部と、を含む積層部品
である。
【0021】本発明の積層部品は、第1コンデンサと第
1インダクタからなるLC並列回路を含む分波回路を備
える。また、第1コンデンサを形成する第1コンデンサ
電極層のうち、第1送受信回路側第1コンデンサ電極層
は、第1取り出し部とこれとは離れて位置する第2取り
出し部の2つの取り出し部を備えている。ここで、分波
回路について、アンテナ側から第1受信回路側に信号を
受信する場合を考える。すると、アンテナ側(LC並列
回路の他方の共通端)から見ると、LC並列回路と、そ
の先つまりその一方の共通端に、一端で接続し他端でア
ース側に接続する第2コンデンサと、が存在する回路に
見える。このため、分波回路のうち、第1受信回路側と
アンテナ側(LC並列回路の一方の共通端と他方の共通
端)との間の周波数特性を測定すると、LC並列回路の
並列共振周波数において1つの減衰極を有する低域通過
特性となる。これは、前記した従来技術における第1ロ
ーパスフィルタの特性と同様である。
【0022】しかるに、第1送信回路側からアンテナ側
に信号を送信する場合を考える。すると、第1送信回路
側からこの分波回路を見た場合には、信号が第1送受信
回路側第1コンデンサ電極層を第2取り出し部から第1
取り出し部まで流れた後に、LC並列回路の一方の共通
端に到達し、第1インダクタ及び第2コンデンサに流れ
ることとなる。このため、この場合の周波数特性は、上
述のアンテナ側と第1受信回路側との間の周波数特性と
は異なるものとなる。具体的には、第1コンデンサと第
1インダクタによるLC並列回路の並列共振周波数にお
いて、減衰極(第1減衰極)が生じるほか、2つ目の減
衰極(第2減衰極)が生じる。第1送受信回路側コンデ
ンサ電極層を第2取り出し部から第1取り出し部まで電
流が流れたため、この部分にインダクタ成分(等価第2
インダクタ)が形成されたからであると考えられる。
【0023】この回路の等価回路は、以下であると考え
られる。即ち、第1コンデンサと等価第2インダクタと
の直列回路と、第1インダクタとを並列接続し、第1コ
ンデンサと第1インダクタとの共通端(LC並列回路の
他方の共通端に相当)をアンテナ側とする。一方、第1
インダクタと等価第2インダクタとの共通端(LC並列
回路の一方の共通端に相当)に第2コンデンサを接続
し、直列回路をなす第1コンデンサと第2インダクタと
の間で第1送信回路側を接続する回路である。この等価
回路で考察すると、第1コンデンサと、第1インダクタ
と等価第2インダクタとの直列回路との並列回路におけ
るLC並列共振周波数で第1の減衰極が形成される。ま
た、等価第2インダクタと第2コンデンサでLC直列共
振回路が形成されて、第2の減衰極が形成されるものと
考えられる。
【0024】ここで、第1受信回路と第1送信回路とを
比較する。一般に、受信感度を上げるため、第1受信回
路とアンテナとの間に挿入される積層部品などの挿入損
失をできるだけ抑えることが好ましい。一方、第1送信
回路とアンテナの間では、信号の高調波がアンテナから
放射されたり第2送受信回路など他の回路への影響する
のを抑制するため、高調波に相当する周波数域での減衰
を大きくとりうる積層部品を介在させるのが好ましい。
これに対し、この積層部品では、受信の際は、アンテナ
側と第1受信回路側との間では、減衰極が1つであり、
等価第2インダクタが存在しない状態となるので、挿入
損失を相対的に小さくできる。一方、送信の際、アンテ
ナ側と第1送信回路側との間では、減衰極がさらに1つ
増えるため、高周波領域での減衰を比較的大きくとるこ
とができる。つまり、高調波に相当する周波数域での減
衰を大きくできる。このため、第1受信回路及び第1送
信回路の両者の要求を満足することができる。しかも、
送受信回路側コンデンサ電極層の取り出し位置を2つに
するだけで済むので、新たな素子を形成する必要が無
く、積層部品のサイズを維持したまま特性を良好にする
ことができる。
【0025】なお、信号を周波数的に分離するとは、ア
ンテナからの受信信号を受けた場合においては、受信信
号をその周波数に応じて、第1送受信回路の第1受信回
路側、あるいは第2送受信回路の受信回路側のいずれか
に、分離して伝送することをいう。また、第1送受信回
路の第1送信回路側から送信信号をアンテナ側に送信す
る場合には、第2送受信回路に送信信号が伝わらないよ
うに、また逆に、第2送受信回路の送信回路側から送信
信号をアンテナ側に送信する場合には、第1送受信回路
に送信信号が伝わらないようにすることをいう。また、
この積層部品は、アンテナと受信回路と送信回路とに接
続されるものであればよく、これらと直接接続するもの
に限定されない。また、この積層部品は、その内部や表
面に回路パターンが形成されたもののみならず、ダイオ
ードその他のチップ部品を搭載していてもよい。
【0026】さらに、上記積層部品であって、前記第1
送受信回路側第1コンデンサ電極層は、平面方向に窪む
凹部を有し、前記第1取り出し部と第2取り出し部と
は、上記凹部を挟んで配置されてなる積層部品とすると
よい。
【0027】この積層部品では、第1送受信回路側第1
コンデンサ電極層において、第1取り出し部と第2取り
出し部とが凹部を挟んで配置されている。このため、第
1取り出し部と第2取り出し部との間に凹部が無い場合
に比して、第1取り出し部と第2取り出し部との間に生
じる等価第2インダクタのインダクタンスを大きくでき
る。つまり、所望の周波数に第2減衰極を形成するのに
適切な大きさの等価第2インダクタンスを容易に得るこ
とができる。
【0028】さらに、上記いずれかに記載の積層部品で
あって、前記LC並列回路の他方の共通端と前記第1送
受信回路側第1コンデンサ電極層の第2取り出し部との
間の周波数特性において、前記第1送信回路で送信する
信号の2倍波の周波数に相当する周波数の第1減衰極
と、前記第1送信回路で送信する信号の3倍波の周波数
に相当する周波数の第2減衰極と、を有する積層部品と
するとよい。
【0029】この積層部品では、第1送信回路から分波
回路を通じてアンテナ側に送信にするのに際し、2倍波
のみならず3倍波に相当する周波数にも減衰極を持つの
で、2倍波のみならず、3倍波のアンテナからの放射や
3倍波による第2送受信回路などへの影響を抑制でき
る。
【0030】さらに、上記いずれか1項に記載の積層部
品であって、前記LC並列回路の他方の共通端と前記第
1送受信回路側第1コンデンサ電極層の第2取り出し部
との間の周波数特性において、第1減衰極と、これより
も高周波側に生じる第2減衰極を有し、前記第2送受信
回路に用いる信号の周波数範囲が、上記第1減衰極と上
記第2減衰極との間の周波数範囲内にある積層部品とす
るとよい。
【0031】一般に、回路の周波数特性において、2つ
の減衰極があると、第1減衰極と第2減衰極との間の周
波数領域では、第1減衰極のみがある場合に比して、減
衰量が大きくとることができる。本発明の積層部品で
は、第2送受信回路に用いる周波数範囲が、第1減衰極
と上記第2減衰極の周波数範囲内にある。このため、第
1送信回路と第2送受信回路との間のアイソレーション
が大きく取れ、第1送信回路から発する高調波などによ
り、第2送受信回路が影響を受けることを抑制できる。
【0032】さらに上記のいずれか1項に記載の積層部
品であって、前記LC並列回路の一方の共通端よりも前
記第1受信回路側、及び前記第2取り出し部よりも前記
第1送信回路側には、上記LC並列回路の一方の共通端
を上記第1受信回路側に接続し、上記第2取り出し部を
これよりも上記第1送信回路側と切り離した状態と、上
記LC並列回路の一方の共通端をこれよりも上記第1受
信回路側と切り離し、上記第2取り出し部を上記第1送
信回路側に接続した状態と、を切換可能としてなるスイ
ッチ回路を備える積層部品とするとよい。
【0033】この積層部品では、スイッチ回路を備え
る。このため、アンテナから受けた受信信号を第1受信
回路に伝える場合に、第2取り出し部よりも第1送信回
路側が切り離されているので、確実に受信信号を第1受
信回路側に伝えることができる。また、第2取り出し部
より第1送信回路側の構成に影響されることがないの
で、アンテナ側から見た場合に、第1コンデンサと第1
インダクタとの並列共振回路の他の端部に第2コンデン
サが接地した状態に見えるから、少ない挿入損失で受信
信号を第1受信回路に伝えることができる。
【0034】逆に、第1送信回路からアンテナに向けて
信号を送信する場合に、LC並列回路の一方の共通端よ
りも第1受信回路側が切り離されているので、確実に送
信信号をアンテナ側に伝えることができる。また、LC
並列回路の一方の共通端より第1受信回路側が先が切り
離されているので、これより先の第1受信回路側の構成
に影響されることがない。
【0035】なお、スイッチ回路としては、ダイオード
スイッチ回路や、ガリウム−ヒ素トランジスタなど高周
波トランジスタなどの高周波スイッチ部品を用いた半導
体スイッチ回路などが挙げられる。また、スイッチ回路
に代えて、LC並列回路の一方の共通端よりも第1受信
回路側、及び第2取り出し部よりも第1送信回路側両者
の後ろに、選択性の良好なフィルタを配置しておくこと
もできる。
【0036】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本発明の実施の形
態を、図1〜図9を参照して説明する。本実施形態の積
層部品10は、図1に示すように、前述の積層部品10
0と外観同形状である。即ち、この積層部品10は、ガ
ラスセラミックなどのセラミックからなる絶縁層を積層
してなり、内部及び表面に回路パターンを有し、上面1
1u、下面11d、側面11sからなる直方体形状の積
層部品本体11と、その上面11uに搭載されたダイオ
ードなどチップ状の搭載部品14とからなる。その側面
11sには、端子T1〜T5となる側面電極12が形成
されている。
【0037】この積層部品10は、GSM(送信:0.88
〜0.915GHz,受信:0.925〜0.96GHz)、DCS
(送信:1.71〜1.785GHz,受信:1.805〜1.88GH
z)、及びUMTS(送信:1.92〜1.98GHz,受信:
2.11〜2.17GHz)の3つの移動体通信システムに対応
するものである。具体的には、アンテナANTと、第1
送信回路Tx1及び第1受信回路Rx1からなり、GS
Mに対応した第1送受信回路TxRx1と、DCS及び
UMTSの2つの送受信システムにそれぞれ対応した2
つの送受信回路を含む第2送受信回路TxRx2との間
に配置される。積層部品10は、これらに接続する端子
T1〜T4及び制御端子T5を有する。この積層部品1
0で構成される電子回路は、図2に示す回路構成を有す
る。この回路は、図中破線で示す分波回路CFと、図中
一点鎖線で示すスイッチ回路SW、及び第2フィルタL
P2を備えている。
【0038】このうち、スイッチ回路SWは、2つの端
点T6及びT7を有する点で、従来(図12参照)と異
なるが、他は従来とほぼ同じである。即ち、端点T6,
T7の他、第1受信回路Rx1側に接続する端子T2
と、第1送信回路Tx1(具体的には第2ローパスフィ
ルタLP2)に接続する端点T8と、制御端子T5とを
有する。このスイッチ回路SWでは、制御端子T5の電
位をローレベルとした場合には、ダイオードD1,D2
がオフとなる。このため、端点T7−T8間は切り離さ
れた状態となる一方、端点T6から第6インダクタL6
を通じて端子T2に受信信号が伝わる。逆に、制御端子
T5の電位をハイレベルとした場合には、ダイオードD
1,D2がオンとなる。従って、第2ローパスフィルタ
LP2を介して第1送信回路Tx1から端点T8に入力
された送信信号は、ダイオードD1、端点T7、分波回
路CFを通じてアンテナANTに送られる。なお、この
とき、端子T2は第6コンデンサC6により高周波的に
接地され、第6インダクタL6により、送信信号が端子
T2に伝わることが阻止され、端点T6と端子T2との
間は切り離された状態となる。かくして、制御端子T5
に印加される電圧を変化させることにより受信と送信を
切り換えることができる。また、第2ローパスフィルタ
LP2も従来と同じく、第1送信回路Tx1から出力さ
れる送信信号の高調波を抑圧する。
【0039】一方、分波回路CFは、従来の分波回路C
FO(図12参照)と若干異なる。即ち、アンテナAN
T側に接続する端子T1と、第2送受信回路TxRx2
側に接続する端子T4とを有する。そのほか、第1送受
信回路TxRx1側の端点を2つに分け、スイッチ回路
SWに接続する端点として、従来と同じく第1受信回路
Rx1側に接続する端点T6のほか、第1送信回路Tx
1側に接続する端点T7を有する。この分波回路CFに
は、従来と同じく、端子T1とT4の間で第2送受信回
路TxRx2の信号(例えば、1.71〜2.17GH
z)を通過させるハイパスフィルタHPを備える。この
ハイパスフィルタHPは、直列に接続された第3,第4
コンデンサC3,C4とこれらの間に一端が接続し他端
が接地する第3インダクタL3とを備える。
【0040】また、第1ローパスフィルタLP1は、第
1コンデンサC1と第1インダクタL1とからなるLC
並列回路PLC、及びこのLC並列回路PLCの一方の
共通端Pに一端が接続し、他端が接地された第2コンデ
ンサC2から構成される。但し、図2に模式的に示すよ
うに、第1コンデンサC1を構成し、互いに対向する電
極のうち、一方の共通端Pに近い側の電極23Cは、第
1,第2取り出し部23C1,23C2の2個所から取
り出される。この電極23Cは、第1取り出し部23C
1を通じて、一方の共通端Pや端点T6に接続し、さら
にスイッチ回路SWの第6インダクタL6の接続する。
一方、第2取り出し部23C2を通じて、端点T7に接
続し、さらに、スイッチ回路SWの第1ダイオードD1
のカソード側に接続する。
【0041】上述した積層部品10の回路のうち、第1
ローパスフィルタLP1を構成する各素子の回路パター
ン20の立体的な構造を図3(a)に示す。容易に理解
できるように、この構造は、既に説明した従来の回路パ
ターン120(図13参照)と似た構造を有している。
即ち、アンテナANTに接続される端子T1は、導体層
22に接続している。そのうちの電極部22Cとこの上
層に位置してこれに対向する電極部23Cとで第1コン
デンサC1が構成されている。また、導体層22は、ビ
ア導体26を通じて導体層24に接続し、さらにビア導
体27を介して導体層23に接続している。導体層24
全体で構成される線状のインダクタ部24Lと導体層2
3のうちの一部からなるインダクタ部23Lとで、第1
インダクタL1が構成されている。また、導体層23
は、ビア導体28を通じて導体層25に接続している。
この導体層25全体が電極部25Cとなって、この下層
に位置して対向する接地層21の電極部21Cとで第2
コンデンサC2を構成している。導体層23は、端点T
6にも接続する。なお、本例では、電極部23Cとイン
ダクタ部23Lとの接続部が、一方の共通端Pに相当
し、ビア導体26が他方の共通端Qに相当することにな
る。
【0042】但し、本実施形態では、電極部23Cは、
図3(b)に示すように、第1取り出し部23C1で取
り出されて、従来と同じく一方の共通端Pに接続するほ
か、第1取り出し部23C1とは離れた位置にある第2
取り出し部23C2で取り出されて端点T7に接続して
いる。
【0043】次いで、第1ローパスフィルタLP1の周
波数特性について、以下に検討する。まず、スイッチ回
路SWにおいて、制御端子T5をローレベルとし、アン
テナANTからのGSMシステムの信号を第1受信回路
Rx1で受信する場合について検討する。制御端子T5
をローレベルとした場合には、前述したように、第1,
第2ダイオードD1,D2がオフとなり、端点T7より
第1ダイオードD1側は切り離される。従って、等価的
に、図4に示す回路となる。
【0044】そこで、端子T1と端点T6との間におけ
る挿入損失S21の周波数特性を測定した(アジレント
社製、ネットワークアナライザE8753)。結果を図
5のグラフに示す。このグラフによると、受信信号の周
波数帯域(0.925〜0.96GHz)では、−0.
68〜−0.62dBと減衰量を小さくできることが判
る。一方、これより高周波側では、周波数1.70GH
zに減衰極が発生し、周波数2.68GHzにおいて
も、−10.1dBの減衰量を確保できることが判る。
受信信号の周波数(0.925〜0.96GHz)で、
減衰量を小さくできることことから、この積層部品10
の挿入損失が小さいことが判る。なお、この周波数特性
は、前述した従来の積層部品100の第1ローパスフィ
ルタLPOの周波数特性とほぼ同様である。
【0045】次に、スイッチ回路SWにおいて、制御端
子T5をハイレベルとし、第1送信回路Tx1から、ア
ンテナANTに向けてGSMシステムの信号を送信する
場合について検討する。制御端子T5をハイレベルとし
た場合には、前述したように、第1,第2ダイオードD
1,D2がオンとなり、端点T8と端点T7とが第1ダ
イオードD1を介して接続される。一方、端点T6より
第1受信回路RX1側は、実質的に切り離されたことに
なり、送信信号は端子T2には流れない。ダイオードD
2がオンして端子T2が高周波的に接地されるので、第
6インダクタL6と第10,第11コンデンサC10,
C11との並列共振により、端点T6側から端子T2側
を見たインピーダンスが非常に大きくなるためである。
【0046】そこで、端点T7と端子T1との間におけ
る挿入損失S21の周波数特性を同様に測定した。結果
を図6のグラフに示す。このグラフによると、送信信号
の周波数(0.88〜0.915GHz)では、−0.
85〜−0.78dBとなり、図5のグラフより減衰量
が若干大きいことが判る。しかし、これより高周波側で
は、同様に周波数1.70GHzに第1減衰極が発生す
るほか、周波数3.2GHzにも第2減衰極が発生する
ことが判る。このため、周波数2.68GHzにおい
て、図5のグラフより大きな−19.78dBの減衰量
を得られる。
【0047】このように第1減衰極のほか、第2減衰極
が発生する理由を以下に考察する。第1ローパスフィル
タLP1について、第1送信回路Tx1からの送信信号
がアンテナ側に伝わる様子を図3を用いて考察する。端
点T7からの信号は、第2取り出し部23C2から電極
部23Cに入る。すると、この電極部23Cと対向する
電極部22Cとで構成される第1コンデンサC1を経由
して、導体層22により端子T1に伝わる。またそのほ
か、第1取り出し部23C1から出て、一方の共通端P
に伝わり、インダクタ部23L,24Lからなるインダ
クタL1を経由して導体層22により端子T1に伝わ
る。また、ビア導体28を通じて、電極部25Cと21
Cとからなり接地された第2コンデンサC2にも伝わ
る。
【0048】このように、本実施形態では、電極部23
Cのうち第2取り出し部23C2から第1取り出し部2
3C1までを信号(信号電流)が伝わるため、この電極
部23Cのうちこの経路部分には、インダクタ成分が生
じるものと考えられる。
【0049】従って、制御端子T5をハイレベルとし
て、第1送信回路Tx1からの送信信号をアンテナ側に
伝える場合には、第1ローパスフィルタLP1は、等価
的に、図7に示す等価回路となるものと考えられる。こ
こで、第2取り出し部23C2から第1取り出し部23
C1まで信号が伝わることによって生じる等価的なイン
ダクタを等価第2インダクタL2とした。この等価回路
で考えると、第1減衰極は、第1コンデンサC1と、第
1インダクタL1及び等価第2インダクタL2との直列
回路とのLC並列回路におけるLC並列共振により形成
され、第2減衰極は、等価第2インダクタL2と第2コ
ンデンサC2のLC直列共振回路のLC直列共振により
形成されると考えられる。
【0050】なお、図8に示す回路の各素子について適
当な数値を仮定し、その周波数特性のシミュレーション
を行うと、図9のグラフに示すように、2つの減衰極が
現れる。このことからも、図7に示す等価回路が適切で
あることが裏付けられる。なお、図8に示す回路では、
アンテナANTに相当する放射抵抗RAをRA=50
Ω、また端点T7より第1送信回路Tx側を見た場合の
特性インピーダンスRをR=50Ωとして、シミュレー
ションを行っている。
【0051】図7に示すグラフについて、再び検討す
る。このグラフから判るように、本実施形態では、周波
数2.68GHzにおいて、図5のグラフより大きな−
19.78dBの減衰量を得られる。このことから、第
1送信回路Tx1の送信信号の2倍波(1.7〜1.8
GHz)のほか、3倍波(2.64〜2.75GHz)
についても、アンテナANTや第2送受信回路TxRx
2に伝わるのをさらに抑制できることが判る。また、第
2送受信回路において送受信に用いる周波数領域(1.
71〜2.17GHz)が、2つの減衰極の周波数の間
の周波数領域に含まれているため、第1減衰極(約1.
7GHz)のみがある場合に比して、第1送信回路Tx
1と第2送受信回路TxRx2とのアイソレーションを
良好にできることがわかる。
【0052】このように、本実施形態の積層部品10で
は、第1コンデンサC1の一方の電極を構成する電極部
23Cに互いに位置が離れた2つの取り出し部23C
1,23C2を設け、第1取り出し部23C1を一方の
共通端Pを通じて第1受信回路Rx1側に接続する。ま
た、第2取り出し部23C2を端点T7に、つまり第1
送信回路Tx側に接続する。このため、従来と同様、積
層部品10の挿入損失を小さく抑えつつ、アンテナAN
Tからの受信信号を第1受信回路Rx1で受信すること
ができるほか、第1送信回路Tx1からの送信信号の3
倍波に相当する周波数について減衰量を大きくし、送信
信号の3倍波がアンテナANTから放射されたり、第2
送受信回路TxRx2に伝わって不具合を生じさせるこ
とが抑制できる。
【0053】(変形形態)次いで、上記実施形態の変形
形態について、図10,図11を参照して説明する。本
変形形態の積層部品は、第1ローパスフィルタLP1を
構成する各素子の回路パターンを、上述の実施形態と若
干異ならせただけであり、それによって、周波数特性を
異ならせている。従って、同様な部分の説明は省略ある
いは簡略化し、異なる部分について説明する。
【0054】本変形形態の第1ローパスフィルタLP1
(図2参照)を構成する回路パターン220を図10に
示す。実施形態1における回路パターン20(図3参
照)と比較すれば容易に理解できるように、実施形態の
電極部23Cは矩形状であった。これに対して、本変形
形態では、導体層223のうち電極部223Cは、その
平面形状において、平面方向に窪む凹部223CDを有
している。しかも、第1取り出し部223C1と第2取
り出し部223C2とは、この凹部223CDを挟むよ
うに配置されている。但し、電極部223Cの面積が、
上述の実施形態における電極部23Cと同じ面積となる
ように、凸部223CEを有している。そして、この電
極部223Cと導体層22のうち対向する電極部222
Cとで第1コンデンサC1を構成している。なお、電極
部223Cの面積が実施形態の電極部23Cの面積と同
じであることから、コンデンサC1の静電容量は実施形
態と同じとすることができる。
【0055】しかし、電極部223Cは凹部223CD
を有し、第1取り出し部223C1と第2取り出し部2
23C2とは、この凹部223CDを挟むようにして配
置されている。このため、第1送信回路Tx1からアン
テナANTに向けて送信信号を送ったとき、第2取り出
し部223C2から第1取り出し部223C1まで信号
が流れる距離が長くなる。つまり、この部分で発生する
等価第2インダクタL22のインダクタンスを、実施形
態における等価第2インダクタL2のそれより大きくす
ることができる(図7参照)。
【0056】そこで、本変形形態では、この等価第2イ
ンダクタL22の大きさを適切な値となるように調整し
たところ、端点T7と端子T1との間における挿入損失
S21の周波数特性が、図11のグラフのようになっ
た。このグラフによると、周波数1.8GHz付近に第
1減衰極が発生するほか、周波数2.68GHzにも第
2減衰極が発生している。第1減衰極では減衰量を約−
49dBとすることができ、第2減衰極では減衰量を約
−50dBとすることができた。つまり、本変形形態で
は、第1送信回路Tx1の送信信号の2倍波に相当する
周波数に第1減衰極を形成し、3倍波に相当する周波数
に第2減衰極を形成することができた。このため、この
変形形態では、第1ローパスフィルタLP1において、
第1送信回路Tx1で発生する2倍波、3倍波の高調波
を、極めて大きく減衰させ得ることが判る。このため、
本変形形態の積層部品を用いれば、第1送信回路Tx1
からの送信信号の2倍波や3倍波が、アンテナから放射
されることをさらに抑制することができる。なお、アン
テナと第1受信回路との間の特性は、実施形態と同様で
あった。
【0057】以上において、本発明を実施形態及び変形
形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、
適宜変更して適用できることはいうまでもない。例え
ば、上記実施形態等では、積層部品10として、第1ロ
ーパスフィルタLP1を含む分波回路CFのほか、スイ
ッチ回路SWや第2ローパスフィルタLP2なども備え
るものを例示した。しかしながら、積層部品において、
実施形態等の如く第1コンデンサC1、第1インダクタ
L1、及び第2コンデンサC2で構成された回路の構成
を備えていれば良い。従って、第2ローパスフィルタL
P2を除いた回路を備える積層部品、さらにスイッチ回
路SWを除いた回路を備える積層部品、さらには分波回
路のハイパスフィルタHPを除いた回路を備える積層部
品に適用することもできる。逆に、実施形態等の如く第
1コンデンサC1、第1インダクタL1、及び第2コン
デンサC2で構成された回路のほかに、他の回路をも有
する積層部品に適用することもできる。例えば、ハイパ
スフィルタHPよりも第2送受信回路TxRx2側にス
イッチ回路やフィルタ回路などを設けるようにしても良
い。
【0058】また、上述の実施形態等では、第1インダ
クタL1や第2コンデンサC2も積層部品本体11内に
内蔵されて、回路パターン20により構成された例を示
した。しかし、積層部品本体11の上面等に、これらに
相当するチップインダクタやチップコンデンサを搭載す
ることもできる。また、上述の実施形態等では、第1コ
ンデンサC1を構成する電極部23C,223Cを、積
層部品本体11の内層に形成したが、積層部品本体11
の上面11u等の表面に形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層部品の外観例を示す斜視図である。
【図2】実施形態にかかる積層部品の回路構成を示す回
路図である。
【図3】実施形態にかかる積層部品に含まれる回路パタ
ーンの一部の形態を示し、(a)は立体構造を、(b)
は送受信回路側第1コンデンサ電極層の平面形状を示す
説明図である。
【図4】実施形態にかかる積層部品の回路構成の要部に
ついて、第1受信回路側に接続し、第1送信回路側を切
り離したときの等価回路図である。
【図5】図2及び図4に示す回路図において、端子T1
と端部T6との間の周波数特性を示すグラフである。
【図6】図2及び図7に示す回路図において、端部T7
と端子T1との間の周波数特性を示すグラフである。
【図7】実施形態1にかかる積層部品の回路構成の要部
について、第1送信回路側に接続し、第1受信回路側を
切り離したときの等価回路図である。
【図8】シミュレーションに用いた回路構成を示す回路
図である。
【図9】図8に示す回路図において、端部T7と端子T
1との間の周波数特性を示すグラフである。
【図10】変形形態にかかる積層部品に含まれる回路パ
ターンの一部の形態を示し、(a)は立体構造を、
(b)は送受信回路側第1コンデンサ電極層の平面形状
を示す説明図である。
【図11】変形形態にかかり、端部T7と端子T1との
間の周波数特性を示すグラフである。
【図12】従来技術にかかる積層部品の回路構成を示す
回路図である。
【図13】従来技術にかかる積層部品に含まれる回路パ
ターンの一部の立体構造を示す説明図である。
【符号の説明】
10 積層部品 C1 第1コンデンサ C2 第2コンデンサ, C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9,C10,
C11,C12,C21コンデンサ L1 第1インダクタ L3,L4,L5,L6,L7 インダクタ L2,L22 等価第2インダクタ PLC LC並列回路 CF 分波回路 SW スイッチ回路 LP1,LP2 ローパスフィルタ ANT アンテナ Tx1 第1送信回路(送信回路) Rx1 第1受信回路(受信回路) TxRx1 第1送受信回路 TxRx2 第2送受信回路 T1,T2,T3,T4,T5 端子 T6,T7,T8 端点 20,220 回路パターン 23L,24L インダクタ部 21C,22C,23C,25C,222C,223C
電極部 23C,223C,22C,222C 電極部(第1コ
ンデンサ電極層) 23C,223C 電極部(送受信回路側第1コンデン
サ電極層,第1送受信回路側第1コンデンサ電極層) 23C1,223C1 第1取り出し部 23C2,223C2 第2取り出し部 23CD 凹部 P LC並列回路の一方の共通端 Q LC並列回路の他方の共通端

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンテナと、受信回路と、送信回路とに接
    続される積層部品であって、 第1コンデンサと第1インダクタとからなるLC並列回
    路であって、一方の共通端を上記受信回路側に接続し、
    他方の共通端を上記アンテナ側に接続するLC並列回路
    と、 上記LC並列回路の一方の共通端に一端が接続し、他端
    がアース側に接続する第2コンデンサと、を有し、 少なくとも上記第1コンデンサを内蔵し、 積層された複数の絶縁層と、 上記絶縁層の層間または表面に形成され、上記絶縁層を
    介して互いに対向して上記第1コンデンサを構成する第
    1コンデンサ電極層と、を備え、 上記第1コンデンサ電極層のうち、上記一方の共通端に
    接続する送受信回路側第1コンデンサ電極層は、 上記一方の共通端及び上記受信回路側に接続するための
    第1取り出し部と、 上記第1取り出し部とは離れて位置し、上記送信回路側
    に接続するための第2取り出し部と、を含む積層部品。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の積層部品であって、 前記送受信回路側第1コンデンサ電極層は、 平面方向に窪む凹部を有し、 前記第1取り出し部と第2取り出し部とは、上記凹部を
    挟んで配置されてなる積層部品。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の積層部品
    であって、 前記LC並列回路の他方の共通端と前記送受信回路側第
    1コンデンサ電極層の第2取り出し部との間の周波数特
    性において、 前記送信回路で送信する信号の2倍波の周波数に相当す
    る周波数の第1減衰極と、 前記送信回路で送信する信号の3倍波の周波数に相当す
    る周波数の第2減衰極と、を有する積層部品。
  4. 【請求項4】アンテナと、第1送信回路と第1受信回路
    を含む第1送受信回路と、上記第1送受信回路よりも高
    い周波数で送受信を行う1または複数の送受信回路から
    なる第2送受信回路と、に接続される積層部品であっ
    て、 上記第1送受信回路の信号と上記第2送受信回路の信号
    とを周波数的に分離する分波回路を備え、 上記分波回路は、 第1コンデンサと第1インダクタとからなるLC並列回
    路であって、一方の共通端を上記第1受信回路側に接続
    し、他方の共通端を上記アンテナ側に接続するLC並列
    回路と、 上記LC並列回路の一方の共通端に一端が接続し、他端
    がアース側に接続する第2コンデンサと、を含み、 少なくとも上記第1コンデンサを内蔵し、 積層された複数の絶縁層と、 上記絶縁層の層間または表面に形成され、上記絶縁層を
    介して互いに対向して上記第1コンデンサを構成する第
    1コンデンサ電極層と、を備え、 上記第1コンデンサ電極層のうち、上記一方の共通端に
    接続する第1送受信回路側第1コンデンサ電極層は、 上記第1インダクタ及び上記第1受信回路側に接続する
    ための第1取り出し部と、 上記第1取り出し部とは離れて位置し、上記第1送信回
    路側に接続するための第2取り出し部と、を含む積層部
    品。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の積層部品であって、 前記第1送受信回路側第1コンデンサ電極層は、 平面方向に窪む凹部を有し、 前記第1取り出し部と第2取り出し部とは、上記凹部を
    挟んで配置されてなる積層部品。
  6. 【請求項6】請求項4または請求項5に記載の積層部品
    であって、 前記LC並列回路の他方の共通端と前記第1送受信回路
    側第1コンデンサ電極層の第2取り出し部との間の周波
    数特性において、 前記第1送信回路で送信する信号の2倍波の周波数に相
    当する周波数の第1減衰極と、 前記第1送信回路で送信する信号の3倍波の周波数に相
    当する周波数の第2減衰極と、を有する積層部品。
  7. 【請求項7】請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載
    の積層部品であって、 前記LC並列回路の他方の共通端と前記第1送受信回路
    側第1コンデンサ電極層の第2取り出し部との間の周波
    数特性において、 第1減衰極とこれよりも高周波側に第2減衰極とを有
    し、 前記第2送受信回路に用いる信号の周波数範囲が、上記
    第1減衰極と上記第2減衰極との間の周波数範囲内にあ
    る積層部品。
  8. 【請求項8】請求項4〜請求項7のいずれか1項に記載
    の積層部品であって、 前記LC並列回路の一方の共通端よりも前記第1受信回
    路側、及び前記第2取り出し部よりも前記第1送信回路
    側には、 上記LC並列回路の一方の共通端を上記第1受信回路側
    に接続し、上記第2取り出し部をこれよりも上記第1送
    信回路側と切り離した状態と、 上記LC並列回路の一方の共通端をこれよりも上記第1
    受信回路側と切り離し、上記第2取り出し部を上記第1
    送信回路側に接続した状態と、 を切換可能としてなるスイッチ回路を備える積層部品。
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