JP2003257653A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2003257653A
JP2003257653A JP2002126347A JP2002126347A JP2003257653A JP 2003257653 A JP2003257653 A JP 2003257653A JP 2002126347 A JP2002126347 A JP 2002126347A JP 2002126347 A JP2002126347 A JP 2002126347A JP 2003257653 A JP2003257653 A JP 2003257653A
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JP
Japan
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substrate
dye
light emitting
luminescent
emitting layer
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Application number
JP2002126347A
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English (en)
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Akihito Nakamura
明史 中村
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1基板に膜付けした複数の画素電極上に発
光層を成膜した際に、この発光層中に、第2基板の凹部
上に成膜した所定色の発光色素をドーピングする。 【解決手段】 第1基板11の発光層13上に第2基板
21の各凸部21aを載置すると共に、第2基板21の
各凹部21bを所定色の発光色素をドーピングすべき各
発光層部位を介してこれと対応する各画素電極13と対
向させて、両基板11,21同士を重ね合わせた状態で
加熱炉に挿入し、且つ、加熱炉中で両基板11,21を
所定の温度で加熱して、各凹部21b上に成膜した所定
色の発光色素をドーピングすべき各発光層部位中に拡散
させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、携帯電話やPDAなどに用いられ
るディスプレイパネルとして消費電力が小さい有機エレ
クトロルミネッセンス素子(有機EL素子)が注目され
ており、低電圧で駆動して高輝度の発光を生じる高性能
の有機エレクトロルミネッセンス素子の研究開発が盛ん
に行われている。
【0003】上記した有機エレクトロルミネッセンス素
子は、蛍光性有機化合物を含む有機エレクトロルミネッ
センス薄膜を、ディスプレイパネル上に膜付けした複数
の画素電極(陽極)と、これら複数の画素電極(陽極)
に対向した対向電極(陰極)との間に挟んだ構造を有
し、発光させたい所望の画素電極と対向電極との間で電
圧を印加して有機エレクトロルミネッセンス薄膜に正孔
及び電子を注入して再結合させることにより励起子を生
成させ、この励起子が失活する際の光の放出を利用して
発光させたい所望の画素電極と対応する部位への表示を
行う発光素子である。
【0004】この際、通常では、対向電極を全面に成膜
して全ての画素電極と対向させることで、対向電極は全
ての画素電極に対して共通な電極となる。更に、画素電
極をストライプ状に複数本並列に設け、これら複数本の
画素電極と直交させて複数本の対向電極をストライプ状
に形成し、両電極同士が交差した部位を発光させる方法
を採用した場合は、一つの対向電極は複数本の画素電極
上で複数か所で交差することになり、この場合にも一つ
の対向電極は複数本の画素電極に対して共通の電極とな
るので、以下の説明では、対向電極を共通電極と呼称し
て説明する。
【0005】また、有機エレクトロルミネッセンス素子
を製造する方法は、各種の製造方法が提案されている
が、ディスプレイパネル上の画素パターンに対応して発
光性有機材料をガラス基板上に微細に転写できる有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法の一例が特開2
000−12216号公報に開示されている。
【0006】図47(a)〜(c)は従来のカラー有機
ELディスプレイとその製造方法を説明するための図で
ある。
【0007】図47(a)〜(c)に示した従来のカラ
ー有機ELディスプレイとその製造方法は、上記した特
開2000−12216号公報に開示されているもので
あり、ここでは同号公報を参照して簡略に説明する。
【0008】まず、図47(a)に示した如く、ディス
プレイパネルの表示面となる透明なガラス基板101上
には、陽極として透明なITO(Indium Tin Oxide) 膜
102が成膜されており、且つ、このITO膜102上
に正孔輸送層103が形成されている。
【0009】一方、転写用基板104は金属シートを用
いて下面側に凸部104aと凹部104bとがITO膜
102及び正孔輸送層103に沿って交互に繰り返して
形成されており、且つ、各凸部104aと対応する部位
は上面側から有底孔104cがそれぞれ穿設されてい
る。
【0010】この際、転写用基板104の各凸部104
aはカラー3色が配置されるように平面寸法100μm
×100μm、色配列ピッチ300μmに形成され、且
つ、各凸部104aの高さは各凹部104bに対して5
0μmに設定されている。
【0011】そして、転写用基板104の下面側に形成
した各凸部104aと各凹部104bとに例えば赤色発
光性有機材料105Rを真空蒸着により成膜した後、こ
の転写用基板104の上面側にガラス板106を乗せ
て、このガラス板106の自重により各凸部104aに
成膜した赤色発光性有機材料105Rをガラス基板10
1側の正孔輸送層103上に圧着している。
【0012】また、ガラス板106の上方には、このガ
ラス板106から距離を離して遮蔽板107が設置され
ており、この遮蔽板107は転写用基板104に形成し
た各有底孔104cと対応して貫通孔107aがそれぞ
れ穿設されている。
【0013】更に、遮蔽板107の上方からレーザー光
108を各貫通孔107aを通して、ガラス板106上
に照射すると、各貫通孔107aを通ったレーザー光1
08のみがガラス板106を介して転写用基板104の
各有底孔104c内に到達するので、このレーザー光1
08の熱により各凸部104aに成膜した赤色発光性有
機材料105Rが昇華されて、図47(b)に示したよ
うに赤色発光性有機材料105Rが正孔輸送層103上
に転写される。
【0014】尚、転写用基板104に形成した各凹部1
04bと対応する遮蔽板107の部位は貫通孔が形成さ
れていないためにレーザー光108は遮蔽板107で遮
蔽されるので、各凹部104bに成膜した赤色発光性有
機材料105Rは昇華されることなくそのまま転写用基
板104側に残っている。
【0015】次に、図47(c)に示した如く、正孔輸
送層103上に赤色発光性有機材料105Rが転写され
ると、上記と同様にして、赤色発光性有機材料105R
の隣に緑色発光性有機材料105Gを転写し、更に、緑
色発光性有機材料105Gの隣に青色発光性有機材料1
05Bを転写して、3色カラーの発光素子アレイを得
る。
【0016】この後、陰極としてITO膜109を発光
素子領域と直交するように成膜することで、カラー有機
ELディスプレイ100が得られる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来のカラー有機ELディスプレイ100とその製造方法
において、画素数を増して微細化を図る場合には、ガラ
ス基板101上に形成した微細な画素電極パターンに合
わせて、転写基板104の下面側に形成した各凸部10
4aの平面寸法及び隣り合う凸部104a間のピッチを
狭めることが可能であり、これに基づいて転写基板10
4の各凸部104aを微細に形成して実験を行ったとこ
ろ、各凸部104aに成膜した例えば赤色発光性有機材
料105Rをガラス基板101の正孔輸送層103上に
転写した後に、ガラス基板101と転写基板104とを
剥離する際、赤色発光性有機材料105Rに粘着性があ
るために、ガラス基板101と転写基板104とがうま
く剥離できず、ガラス基板101上に転写した赤色発光
性有機材料105Rのパターンが崩れてしまう。また、
赤色発光性有機材料105Rと同様に、ガラス基板10
1上にそれぞれ転写した緑色発光性有機材料105G,
青色発光性有機材料105Bの各パターンも崩れてしま
い、カラー3色の発光素子アレイをガラス基板101上
に良好に作製することが大変困難であることが判明し
た。
【0018】そこで、ディスプレイパネルの画素数を増
して微細化を図ったカラー有機ELディスプレイを製造
するにあたって、量産性の優れた3色カラーの有機エレ
クトロルミネッセンス素子を製造する方法及び有機エレ
クトロルミネッセンス素子が望まれている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、第1基板に膜付
けした複数の画素電極上に発光層を一様に成膜する第1
工程と、前記第1基板の前記発光層上に載置するための
凸部と、この凸部に隣接してへこませ且つ所定色の発光
色素をドーピングすべき発光層部位に対応する前記画素
電極と略同じ面積を有する凹部とを1組とし、この組み
を前記画素電極の列方向及び/又は行方向に沿って繰り
返して形成した第2基板を用い、この第2基板に形成し
た各凸部上及び各凹部上に前記所定色の発光色素を成膜
する第2工程と、前記第2基板の前記各凸部上に成膜し
た前記所定色の発光色素のみを除去する第3工程と、前
記第1基板の前記発光層上に前記第2基板の前記各凸部
を載置すると共に、前記第2基板の前記各凹部を前記所
定色の発光色素をドーピングすべき各発光層部位を介し
てこれと対応する各画素電極と対向させて、両基板同士
を重ね合わせた状態で前記各凹部上に成膜した前記所定
色の発光色素を所定の温度で加熱して、前記各凹部上に
成膜した前記所定色の発光色素を前記ドーピングすべき
各発光層部位中に拡散させる第4工程と、前記所定色の
発光色素をドーピングした後に、前記画素電極に対向し
た対向電極を前記発光層上に成膜する第5工程とからな
ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
の製造方法である。
【0020】また、第2の発明は、第1基板に膜付けし
た複数の画素電極上に発光層を一様に成膜する第1工程
と、前記第1基板の前記発光層上に載置し且つ所定色の
発光色素をドーピングすべき発光層部位に対応する前記
画素電極と略同じ面積を有する凸部と、この凸部に隣接
してへこませた凹部とを1組とし、この組みを前記画素
電極の列方向及び/又は行方向に沿って繰り返して形成
した第2基板を用い、この第2基板に形成した各凸部上
及び各凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する第2工
程と、前記第1基板の前記発光層上で前記第2基板の前
記各凸部を前記所定色の発光色素をドーピングすべき各
発光層部位を介してこれと対応する各画素電極と対向さ
せて載置し、両基板同士を重ね合わせた状態で前記各凸
部上及び前記各凹部上に成膜した前記所定色の発光色素
を所定の温度で加熱して、前記各凸部上に成膜した前記
所定色の発光色素のみを前記ドーピングすべき各発光層
部位中に拡散させる第3工程と、前記所定色の発光色素
をドーピングした後に、前記画素電極に対向した対向電
極を前記発光層上に成膜する第4工程とからなることを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法である。
【0021】また、第3の発明は、上記した第1又は第
2の発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法において、前記第1基板に膜付けした前記発光層の発
光波長が、前記第2基板に膜付けした前記所定色の発光
色素の発光波長よりも短波長であることを特徴とする有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0022】また、第4の発明は、上記した第1又は第
2の発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法において、前記第1基板に膜付けする前記発光層中
に、前記第2基板に成膜する前記所定色の発光色素の発
光波長よりも短波長で発光する発光色素を予め分散させ
たことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
の製造方法である。
【0023】また、第5の発明は、上記した第1〜第4
のいずれかの発明の有機エレクトロルミネッセンス素子
の製造方法において、前記所定色の発光色素は、所定色
の蛍光性色素材料又は所定色の燐光性色素材料を用いた
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法である。
【0024】また、第6の発明は、上記した第1〜第5
のいずれかの発明の有機エレクトロルミネッセンス素子
の製造方法において、前記第2基板を複数色に対応して
複数用意し、且つ、各第2基板ごとに成膜する発光色素
の色を変えて前記複数色の発光色素をそれぞれの前記第
2基板に成膜する際、前記複数色の発光色素は、全ての
色に対して蛍光性色素材料のみを用いるか、又は、全て
の色に対して燐光性色素材料のみを用いるか、もしく
は、各色ごとに蛍光性色素材料,燐光性色素材料を選択
して用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法である。
【0025】また、第7の発明は、上記した第1又は第
2の発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法において、前記第2基板としてR用,G用,B用を3
種類用意し、且つ、R用の前記第2基板に成膜した赤色
発光色素と、G用の前記第2基板に成膜した緑色発光色
素と、B用の前記第2基板に成膜した青色発光色素と
を、前記第1基板に膜付けした前記発光層上でR,G,
B用の画素電極部位にそれぞれドーピングすることを特
徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
である。
【0026】また、第8の発明は、上記した第1又は第
2の発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法において、前記第1基板に膜付けする前記発光層中に
青色発光色素を予め分散させると共に、前記第2基板と
してG用,RG用を2種類用意し、且つ、G用の前記第
2基板に成膜した緑色発光色素と、RG用の前記第2基
板に成膜した赤色発光色素+緑色発光色素とを、前記第
1基板に前記青色発光色素を予め分散させて膜付けした
前記発光層上でR,G用の画素電極部位にそれぞれドー
ピングすると共に、B用の画素電極部位は前記発光層中
の前記青色発光色素を対応させることを特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0027】また、第9の発明は、上記した第1又は第
2の発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法において、前記第2工程で前記第2基板に形成した各
凸部上及び各凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する
前に、前記第2基板中で前記第1基板に成膜した前記発
光層と対向する面に親水処理を施すことを特徴とする有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0028】また、第10の発明は、上記した第1の発
明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にお
いて、前記第2工程で前記第2基板に形成した各凸部上
及び各凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する前に、
前記第2基板中で前記第1基板に成膜した前記発光層と
対向する面に撥水処理を施すことを特徴とする有機エレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法である。
【0029】また、第11の発明は、上記した第1の発
明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法にお
いて、前記第2工程で前記第2基板に形成した各凸部上
及び各凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する前に、
前記第2基板中で前記第1基板に成膜した前記発光層と
対向する面に付着力がきわめて弱い金属を成膜すること
を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法である。
【0030】また、第12の発明は、上記した第1〜第
11のいずれかの発明の有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法を用いて製造したことを特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス素子である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロル
ミネッセンス素子の一実施例を図1乃至図46を参照し
て<第1実施例>〜<第6実施例>の順に詳細に説明す
る。
【0032】図1(a),(b)は本発明に係る第1〜
第6実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子において、
第1〜第6実施例で共通に用いられる第1基板(TFT
基板)を説明するための平面図,正面図である。
【0033】図1(a),(b)に示した如く、本発明
に係る第1〜第6実施例の有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素
子において、第1〜第6実施例で共通に用いられる第1
基板11は、透明なTFT(Thin Film Transistor) 基
板を用いており、この第1基板11上に複数の画素電極
12が列方向×行方向にマトリックス状に膜付けされて
いる。この際、上記した複数の画素電極12は、陽極と
して仕事関数が高く透明なITO(Indium TinOxide)
膜を用いており、ディスプレイ上で赤緑青(RGB)3
色の発光色がそれぞれ13μmの幅で1μmおきに得ら
れるようにするには、各画素電極12の縦横寸法は一辺
が13μmの正方形に形成され、且つ、上下左右の隣り
合う画素電極12との間に1umの隙間が形成されてい
る。
【0034】<第1実施例>図2は本発明に係る第1実
施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及
び有機エレクトロルミネッセンス素子において、第2基
板(スタンプ基板)を説明するために模式的に示した
図、図3は図2に示した第2基板(スタンプ基板)を平
面的に示した平面図であり、(a)はストライプ状に形
成した場合を示し、(b)は千鳥状に形成した場合を示
した図である。
【0035】第1実施例の有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素
子では、図2に示したような第2基板21を、先に図1
(a),(b)を用いて説明した第1基板11上に載置
するためのスタンプ基板として予め用意している。
【0036】上記した第2基板(スタンプ基板)21
は、第1基板11に成膜した後述の発光層13(図4)
上に載置するための凸部21aと、この凸部21aに隣
接してへこませ且つ所定色の発光色素をドーピングすべ
き発光層部位と対応する画素電極12(図1)と略同じ
面積を有する凹部21bとを1組とし、この組みを画素
電極12の列方向及び/又は行方向に沿って繰り返し
て、シリコン基板などを用いてフォトリソグラフィー
法,エッチング法などの方法により凹凸状に形成されて
いる。
【0037】ここで、第2基板21に形成した各凸部2
1aの幅は、第1基板11上の画素電極12の幅の2個
分と、2個の画素電極12の左右の隙間とを含める寸法
に形成されており、具体的には各凸部21aの幅は{2
×13+1×3}μm=29μmに設定されていると共
に、各凸部21aの高さは各凹部21bに対して10μ
m程度突出している。また、第2基板21に形成した各
凹部21bの幅は、第1基板11上の1個の画素電極1
2の幅と同じ幅で13μmに設定されている。従って、
1組の凸部21aと凹部21bとを合わせた面積を、R
GB3画素に対応する3個の画素電極12の面積と略一
致させている。
【0038】そして、第2基板(スタンプ基板)21の
平面的な形状は、図3(a)に示した如く、各凸部21
aと各凹部21bとを幅方向に対して上記の寸法に設定
し、且つ、各凸部21a及び各凹部21bの奥行き方向
(画素電極12の列方向又は行方向)を長尺に形成して
各凸部21aと各凹部21bとをストライプ状に配置し
たり、あるいは、図3(b)に示した如く、各凹部21
bを複数の画素電極12(図1)に対して千鳥状に配置
している。
【0039】次に、第1基板(TFT基板)11と第2
基板(スタンプ基板)21とを用いて、本発明に係る第
1実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造す
る方法について、図4〜図9を用いて工程順に説明す
る。
【0040】図4は第1実施例の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法における第1工程を説明するた
めの模式図、図5(a)〜(c)は第1実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法における第2工
程を説明するための模式図、図6(a)〜(c)は第1
実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
における第2工程での前処理を説明するための図、図7
(a),(b)は第1実施例の有機エレクトロルミネッ
センス素子の製造方法における第3工程を説明するため
の模式図、図8(a)〜(c)は第1実施例の有機エレ
クトロルミネッセンス素子の製造方法における第4工程
を説明するための模式図、図9(a),(b)は第1実
施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
おける第5工程を説明するための模式図である。
【0041】まず、第1実施例の第1工程では、図4に
示した如く、第1基板(TFT基板)11に膜付けした
複数の画素電極12上及び画素電極12間の第1基板1
1上に、発光層13を一様に成膜している。上記した発
光層13は、成膜の容易性、膜の熱的性質の安定性や機
械的安定性などを考えれば高分子材料が最適であり、例
えば青紫色に発光するポリビニルカルバゾール(PVC
Z)があげられる。この際、青紫色に発光する発光層1
3は、後述するようにこの発光層13中にドーピングす
る赤色,緑色,青色の各発光色素による各発光色よりも
短波長側で発光するものであり、各色の発光色素に対し
てエネルギー移動が起き易いもの使用している。そし
て、発光層13をスピンコート法などにより第1基板1
1上に100nm程度の厚みに塗布し、その後、十分に
乾燥させている。
【0042】次に、第1実施例の第2工程では、図5
(a)〜(c)に示した如く、凸部21aと凹部21b
とを繰り返し形成した第2基板(スタンプ基板)21を
R用,G用,B用として3個用意する。
【0043】即ち、図5(a)に示したように、R用の
第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部21
bの底面上(以下、各凹部21b上と記す)に、赤色発
光色素Rcを真空蒸着法や、スピンコート法,ディップ
コート法,インクジェット法などのウェットプロセスな
どの方法により20nm程度成膜する。
【0044】上記した赤色発光色素Rcは、赤色蛍光発
光色素,赤色燐光発光色素のうちいずれか一方が用いら
れている。この際、前者の赤色蛍光発光色素を適用する
場合には、ニールレッド,DCM1{4-Dicyanmethylen
e-2-methyl-6(p-dimethylaminostyryl)-4H-pyran},D
CJT{4-(ジシアノメチレン)-2-t- ブチル-6-(ジ
ュロリジルスチリル)- ピラン}などのピラン誘導体,
スクアリリウム誘導体,ポルフィリン誘導体,クロリン
誘導体,ユーロジリン誘導体などの既知の赤色蛍光性色
素材料が用いられており、一方、後者の赤色燐光発光色
素を適用する場合には、BtpIr(acac),I
r(btp)(acac)やPtOEPなどの既知の
赤色燐光性色素材料が用いられている。
【0045】また、図5(b)に示したように、G用の
第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部21
bの底面上(以下、各凹部21b上と記す)に、緑色発
光色素Gcを真空蒸着法や、スピンコート法,ディップ
コート法,インクジェット法などのウェットプロセスな
どの方法により20nm程度成膜する。
【0046】上記した緑色発光色素Gcも、緑色蛍光発
光色素,緑色燐光発光色素のうちいずれか一方が用いら
れている。この際、前者の緑色蛍光発光色素を適用する
場合には、クマリン6などのクマリン誘導体,キナクリ
ドン誘導体などの既知の緑色蛍光性色素材料が用いら
れ、一方、後者の緑色燐光発光色素を適用する場合に
は、Ir(ppy),(ppy)Ir(acac)
などの既知の緑色燐光性色素材料が用いられている。
【0047】また、図5(c)に示したように、B用の
第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部21
bの底面上(以下、各凹部21b上と記す)に、青色発
光色素Bcを真空蒸着法や、スピンコート法,ディップ
コート法,インクジェット法などのウェットプロセスな
どの方法により20nm程度成膜する。
【0048】上記した青色発光色素Bcも、青色蛍光発
光色素,青色燐光発光色素のうちいずれか一方が用いら
れている。この際、前者の青色蛍光発光色素を適用する
場合には、クマリン47などのクマリン誘導体,TPB
(テトラフェニルブタジエン),ペリレンなどの既知の
青色蛍光性色素材料が用いられ、一方、後者の緑色燐光
発光色素を適用する場合には、FIrpic,Ir(F
ppy)などの既知の青色燐光性色素材料が用いられ
ている。
【0049】そして、上記した3色の発光色素Rc,G
c,Bcは、3色とも蛍光性色素材料を用いたり、又
は、3色とも燐光性色素材料を用いたり、もしくは、各
色ごとに蛍光性色素材料,燐光性色素材料を選択して用
いている。
【0050】この場合、いずれか二色以下で蛍光性色素
材料を用いることにより高価な燐光性色素材料の使用量
を減らすことができコストが削減できるメリットがあ
る。
【0051】一方、蛍光性色素材料を用いた色の発光の
発光効率は燐光性色素材料を用いた時に比べ落ちるの
で、全色に蛍光性色素材料を用いず、各色の発光効率の
バランスを考え、他の色より発光効率の劣ると考えられ
る色に対し燐光性色素材料を用い、他の色より発光効率
の勝ると考えられる色に対し蛍光性色素材料を用いると
良い。
【0052】例えば、緑色発光色素Gcとして緑色燐光
性色素材料のうちでIr(ppy) は、他の色のどの
発光色素材料を用いた場合と比較して発光効率が極めて
高いものの、このIr(ppy)を用いずに、緑色発
光色素Gcとして緑色蛍光性色素材料のうちで発光効率
が高いクマリン6を用いた場合に、このクマリン6は青
色発光色素Bcとして青色燐光性色素材料のうちで例え
ばFIrpicを用いた場合、又は、赤色発光色素Rc
として赤色燐光性色素材料のうちで例えばPtOEPを
用いた場合と略同じくらいの効率で発光するので、Ir
(ppy)よりも材料費をコストダウンできると同時
に、各色の発光効率がおよそ揃うことにより、その駆動
回路の設計の困難さが減りさらにコストダウンできると
いうメリットもある。
【0053】ところで、上記したように、R用,G用,
B用の各第2基板21に形成した各凸部21a上及び各
凹部21b上に、赤色発光色素Rc,緑色発光色素G
c,青色発光色素Bcをそれぞれ成膜した場合に、各凸
部21a上にそれぞれ成膜した各発光色素Rc,Gc,
Bcは不必要なために後述する第3工程で除去され、一
方、各凹部21b上にそれぞれ成膜した各発光色素R
c,Gc,Bcは後述する第4工程で第1基板11上に
成膜した発光層13中にそれぞれ順にドーピング(拡
散)させている。
【0054】この際、第2工程でR用,G用,B用の各
第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部21
b上に、赤色発光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発
光色素Bcを真空蒸着法を用いて成膜する場合には、各
色の発光色素Rc,Gc,Bcの粒子が各第2基板21
の各凸部21a及び各凹部21bに向かってそれぞれ直
進するので、とくに、各凹部21b内の左右の垂直な壁
に余分な各発光色素Rc,Gc,Bcの粒子が付着しな
いですむので、真空蒸着法の場合には各第2基板21の
各凸部21a上及び各凹部21b上に各色の発光色素R
c,Gc,Bcを直接成膜することができる。
【0055】一方、スピンコート法,ディップコート
法,インクジェット法などのウェットプロセスを用いて
成膜する場合には、各色の発光色素Rc,Gc,Bcを
クロロホルム,アセトンなどの有機溶剤に数wt%程度
溶かした溶液を塗布しているために、とくに、各第2基
板21の各凹部21b内の左右の垂直な壁に余分な各発
光色素Rc,Gc,Bcの粒子が付着してしまう。そこ
で、ウェットプロセスを用いて成膜する場合に、各凹部
21b内の左右の垂直な壁に余分な各発光色素Rc,G
c,Bcの粒子が付着しないように第2工程の前処理と
して図6(a)に示した如くの親水処理Sを施してい
る。
【0056】即ち、図6(a)に示した如く、第2工程
で第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部2
1上に所定色の発光色素(Rc),(Gc),(Bc)
をウェットプロセスにより成膜する前に、各色用の第2
基板21中で第1基板11に成膜した発光層13と対向
する面に親水処理Sを施している。ここでは、酸素プラ
ズマなどでR用,G用,B用の各第2基板21に対して
略垂直にイオンミリングをすることで親水処理Sを施す
と、各第2基板21に形成した各凸部21aの表面及び
各凹部21bの底面の表面が凹凸状にあらされるので、
イオンミリングをした後に各凸部21aの表面上及び各
凹部21bの底面の表面上に各色の発光色素Rc,G
c,Bcを成膜した時に各発光色素Rc,Gc,Bcの
付着力が強まるものの、各凹部21b内の左右の垂直な
壁の表面は凹凸状にあらされないので各凹部21b内の
左右の垂直な壁の表面に余分な各発光色素Rc,Gc,
Bcの粒子が付着しないですむ。
【0057】尚、第2工程で真空蒸着法により成膜する
際に、上記した親水処理Sを必要に応じて事前に施せ
ば、各第2基板21の各凹部21b内の左右の垂直な壁
に余分な各発光色素Rc,Gc,Bcの粒子がより付着
しないようになる。
【0058】また、第2工程でR用,G用,B用の各第
2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部21b
上に、赤色発光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光
色素Bcを真空蒸着法又はウェットプロセスを用いて成
膜する場合に、各第2基板21の各凸部21a上に付着
した不必要な各色の発光色素Rc,Gc,Bcを除去し
易くするために、第2工程の前処理として図6(b)に
示した如くの撥水処理Hを必要に応じて施したり、又
は、図6(c)に示した如く付着力が極めて弱い金A
u,銀Agなどの金属を必要に応じて成膜している。
【0059】即ち、図6(b)に示した如く、第2工程
で第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部2
1上に所定色の発光色素(Rc),(Gc),(Bc)
を成膜する前に、各色用の第2基板21中で第1基板1
1に成膜した発光層13と対向する面に撥水処理Hを必
要に応じて施している。ここでは、第2基板21の各凸
部21a上及び各凹部21b内に、表面張力が大きい固
体材料、例えばペルフルオルラウリン酸などをスピンコ
ート法やスパッタ法等によりコーティングしておくこと
で、この後、撥水処理Hした後に各凸部21a上及び各
凹部21b上に各色の発光色素Rc,Gc,Bcを成膜
した時に、各凸部21a上に成膜した不必要な各色の発
光色素Rc,Gc,Bcを後述する第3工程で除去し易
くなると共に、成膜時に各色の発光色素Rc,Gc,B
cが撥水処理Hした各凹部21b内の左右の垂直な壁を
滑り落ちて各凹部21bの底面に溜まることになるの
で、各凹部21b内の左右の垂直な壁に余分な各発光色
素Rc,Gc,Bcが付着しにくくなる。
【0060】また、図6(c)に示した如く、第2工程
で第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部2
1上に所定色の発光色素(Rc),(Gc),(Bc)
を成膜する前に、各色用の第2基板21に対して付着力
が極めて弱い金Au,銀Agなどの金属を100nm程
度必要に応じて成膜することで、金属を成膜した後に各
第2基板21の各凸部21a上及び各凹部21b上に各
色の発光色素Rc,Gc,Bcをそれぞれ成膜した時
に、各凸部21a上の金属上に更に成膜した不必要な各
色の発光色素Rc,Gc,Bcを下記する第3工程で除
去し易くなると共に、各凸部21a以外の例えば各凹部
21bの底面に金属が成膜されたとしても、後述する第
4工程で各発光色素Rc,Gc,Bcを加熱しても各発
光色素Rc,Gc,Bcを第1基板11上に成膜した発
光層13中にドーピング(拡散)させる工程に影響を与
えない。
【0061】次に、第1実施例の第3工程では、図7
(a),(b)に示した如く、R用,G用,B用の各第
2基板21の各凸部21a上にそれぞれ成膜した赤色発
光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色素Bcがこ
の第1実施例で不必要となるために、各凸部21a上に
成膜した不必要な各色の発光色素Rc,Gc,Bcをそ
れぞれ除去している。この際、先に説明したように第2
工程の前処理として図6(b)に示した如くの撥水処理
Hを必要に応じて施したり、又は、図6(c)に示した
如く付着力が極めて弱い金Au,銀Agなどの金属を必
要に応じて成膜することで、各凸部21a上に成膜した
不必要な各色の発光色素Rc,Gc,Bcが剥がれ易く
なる。
【0062】即ち、図7(a)に示したように、粘着テ
ープなどを用いて各第2基板21の各凸部21a上にそ
れぞれ成膜した赤色発光色素Rc,緑色発光色素Gc,
青色発光色素Bcを引き剥がすか、または、図7(b)
に示したように、先端が鋭利な刃物などを用いて各第2
基板21の各凸部21a上にそれぞれ成膜した赤色発光
色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色素Bcを削り
取るなどして除去しておく。これにより、R用,G用,
B用の各第2基板21の各凹部21b上には、赤色発光
色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色素Bcがそれ
ぞれ成膜されたまま残っている。
【0063】次に、第1実施例の第4工程では、図8
(a)〜(c)に示した如く、R用,G用,B用の各第
2基板21の各凹部21b上にそれぞれ成膜した赤色発
光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色素Bcを、
第1基板11上に成膜した発光層13中にそれぞれ順に
ドーピング(拡散)させている。ここで、各第2基板2
1に形成した各凹部21bの幅は、前述したように第1
基板11上の1個の画素電極12の幅と同寸法に形成さ
れているので、各1個の画素電極12と対応する部位の
発光層13中に各色の発光色素Rc,Gc,Bcをそれ
ぞれドーピングできるものである。
【0064】即ち、図8(a)に示したように、第1基
板11上に成膜した発光層13上に、R用の第2基板2
1に形成した各凸部21aを接触させて載置するもの
の、各凸部21aは前述したように赤色発光色素Rcが
剥離されている。
【0065】また、R用の第2基板21の各凹部21b
上に成膜した赤色発光色素Rcは、第1基板11上に成
膜した発光層13上でドーピングすべき発光層部位と対
応しているものであり、この各凹部21bを赤色発光色
素Rcをドーピングすべき発光層部位を介してこれと対
応する各画素電極12と対向させており、各凹部21b
を画素電極12と3つおきに対向するように位置合わせ
して載置すると、各凹部21b上に成膜した赤色発光色
素Rcはこれと対応する各画素電極12上の発光層13
に対して非接触になっている。
【0066】この後、第1基板11上に第2基板21を
重ね合わせた状態で最適な温度雰囲気の加熱炉(オーブ
ン)内に挿入して、両基板11,21を所定の時間に亘
って加熱する。加熱の方法は特に加熱炉(オーブン)に
限定されるものではない。例えば、第1基板11に膜付
けした画素電極(陽極)12がストライプ状の場合、こ
のストライプ状の陽極に適当な電流を通電することによ
り最適な温度にすることもできるし、また、第2基板2
1に前処理として金Au,銀Agなどの金属を成膜した
場合、この金属に適当な電流を通電することにより最適
な温度にすることもできる。この加熱期間に、R用の第
2基板21の各凹部21b上に成膜した赤色発光色素R
cが蒸発し、発光層13に到達した後、その位置で発光
層13中に赤色発光色素Rcが拡散する。従って、各凹
部21b上に成膜した赤色発光色素Rcがこれと対応す
る画素電極12上の発光層13の部位のみにドーピング
される。そして、発光層13中に赤色発光色素Rcがド
ーピングされると、発光層13の内部で赤色発光色素R
cへとエネルギーの移動が起きるために、赤色発光色素
Rcがドーピングされた部位は赤色発光(R発光)が可
能になる。
【0067】この時、発光層13中の発光色素濃度に
は、適当な値があり、それ以下であるとその発光色素の
発光が得られないし、それ以上では濃度消光により発光
効率が落ちてしまう。従って、加熱温度、加熱時間を制
御することにより発光色素濃度が最適になるようにす
る。
【0068】ここで、赤色発光色素Rcとして前記した
赤色蛍光性色素材料のうちで例えばDCJTを用いた場
合には、赤色蛍光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱温
度は160°Cであり且つ加熱時間は10分程度であ
る。また、赤色発光色素Rcとして前記した赤色燐蛍性
色素材料のうちで例えばPtOEPを用いた場合には、
赤色燐光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱温度は20
5°Cであり且つ加熱時間は10分程度である。
【0069】次に、赤色発光色素Rcの発光層13への
ドーピングが終了したら、R用の第2基板21を第1基
板11上から取り外して、図8(b)に示したように、
G用の第2基板21を、第1基板11に成膜した発光層
13上に上記と同じような手順で載置する。この場合
に、第2基板21の各凹部21b上に成膜した緑色発光
色素Gcが赤色発光色素Rcをドーピングした画素電極
12の隣の画素電極12と対向するように位置合わせす
ると、加熱炉中で上記の如くに対応した画素電極12上
の発光層13の部位のみに緑色発光色素Gcがドーピン
グされる。そして、発光層13中に緑色発光色素Gcが
ドーピングされると、発光層13の内部で緑色発光色素
Gcへとエネルギーの移動が起きるために、緑色発光色
素Gcがドーピングされた部位は緑色発光(G発光)が
可能になる。
【0070】ここで、緑色発光色素Gcとして前記した
緑色蛍光性色素材料のうちで例えばクマリン6を用いた
場合には、緑色蛍光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱
温度は140°Cであり且つ加熱時間は10分程度であ
る。また、緑色発光色素Gcとして前記した緑色燐蛍性
色素材料のうちで例えばIr(ppy)を用いた場合
には、緑色燐光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱温度
は195°Cであり且つ加熱時間は10分程度である。
【0071】更に、緑色発光色素Gcの発光層13への
ドーピングが終了したら、G用の第2基板21を第1基
板11上から取り外して、図8(c)に示したように、
B用の第2基板21を、第1基板11に成膜した発光層
13上に上記と同じような手順で載置する。この場合
に、第2基板21の各凹部21b上に成膜した青色発光
色素Bcが緑色発光色素Gcをドーピングした画素電極
12の隣の画素電極12と対向するように位置合わせす
ると、加熱炉中で上記の如くに対応した画素電極12上
の発光層13の部位のみに青色発光色素Bcがドーピン
グされる。そして、発光層13中に青色発光色素Bcが
ドーピングされると、発光層13の内部で青色発光色素
Bcへとエネルギーの移動が起きるために、青色発光色
素Bcがドーピングされた部位は青色発光(B発光)が
可能になる。
【0072】ここで、青色発光色素Bcとして前記した
青色蛍光性色素材料のうちで例えばTPBを用いた場合
には、青色蛍光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱温度
は140°Cであり且つ加熱時間は10分程度である。
また、青色発光色素Bcとして前記した青色燐蛍性色素
材料のうちで例えばFIrpicを用いた場合には、青
色燐光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱温度は200
°Cであり且つ加熱時間は10分程度である。
【0073】尚、上記した第4工程中での、赤色発光色
素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色素Bcの発光層
13へのドーピングの順番はいずれの色から始めても良
い。尚また、画素電極12上での3色配列は図示のRG
B順の組み合わせに限ることなく、適宜に配列順を変え
て組み合わせてこれを繰り返して配置しても良い。
【0074】次に、第1実施例の第5工程では、図9
(a),(b)に示した如く、第1基板11上に成膜し
た発光層13中に、赤色発光色素Rc,緑色発光色素G
c,青色発光色素Bcをそれぞれドーピングした後に、
発光層13上に陰極となる共通電極(対向電極)14を
複数の画素電極12と対向させて成膜することで、本発
明に係る第1実施例の有機エレクトロルミネッセンス素
子EL1Aが得られる。
【0075】この際、複数の画素電極12が第1基板1
1上にマトリックス状に膜付けされている場合には、共
通電極(対向電極)14を全ての画素電極12と対向さ
せて発光層13上に成膜している。また、複数本の画素
電極12が第1基板11上にストライプ状に膜付けされ
ている場合には、共通電極(対向電極)14を複数本の
画素電極12と直交させ、且つ、直交した各部位で対向
させて発光層13上にストライプ状に成膜している。
【0076】また、上記した共通電極14は、仕事関数
が低く、且つ、陰極材料に適した物質で且つ不透明な膜
として例えばMg0.9Ag0.1などを真空蒸着法な
どにより100nm程度成膜している。
【0077】そして、第1実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子EL1Aを上記の工程により製造した場
合、図9(a)に示したように、任意の透明な画素電極
(陽極)12と、不透明な共通電極(陰極)14との間
に電圧を印加することにより、任意のピクセルの発光を
透明な第1基板11の下面側から取り出すことができ
る。この際、発光層13中に赤色発光色素Rcをドーピ
ングした部位からR発光、発光層13中に緑色発光色素
Gcをドーピングした部位からG発光、発光層13中に
青色発光色素Bcをドーピングした部位からB発光が行
われる。
【0078】また、図9(b)に示したように、不透明
な膜として例えばMg0.9Ag .1などを用いて複
数の画素電極12を第1基板11上に膜付けし、且つ、
透明な膜としてITO膜などを用いて共通電極14を発
光層13上に成膜すれば、任意のピクセルの発光を第1
基板11の上面側となる透明な共通電極14側から取り
出すことができ、しかもこの場合に第1基板11はSi
のような不透明な基板を用いることもできる。
【0079】ここで、上記した本発明に係る第1実施例
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有
機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変形例
について、図10〜図12を用いて簡略に説明する。
【0080】図10は本発明に係る第1実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレク
トロルミネッセンス素子を一部変形した第1変形例を説
明するための図、図11は本発明に係る第1実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エ
レクトロルミネッセンス素子を一部変形した第2変形例
を説明するための図、図12(a),(b)は本発明に
係る第1実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部
変形した第3変形例を説明するための図である。
【0081】まず、図10に示した如く、本発明に係る
第1実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第1変形例では、第1基板11に膜付けした画素電
極12上に正孔注入層15を成膜し、この正孔注入層1
5上に正孔輸送層16を成膜し、更に、正孔輸送層16
上に赤色発光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色
素Bcをそれぞれドーピングするための発光層13を成
膜している。そして、発光層13への各色の発光色素R
c,Gc,Bcのドーピングが終了した段階で、発光層
13上に電子輸送層17,電子注入層18,共通電極1
4を順に積層することで第1変形例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子EL1Bを得ており、この構成により
発光効率をより向上させることが可能となる。
【0082】次に、図11に示した如く、本発明に係る
第1実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第2変形例では、第1基板11上の隣り合う画素素
電極12との間にSiOなどを用いて隔壁19を発光
層13より僅かに高くCVD法などにより形成すること
で、第2変形例の有機エレクトロルミネッセンス素子E
L1Cを得ている。これにより、R用,G用,B用の各
第2基板21を第1基板11上に載置する際、各第2基
板21の各凸部21aを隔壁19の上端に当接させるこ
とで、各凸部21aが発光層13に直接接触しないよう
にすることが可能である。
【0083】更に、図12(a),(b)に示した如
く、本発明に係る第1実施例の有機エレクトロルミネッ
センス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセン
ス素子を一部変形した第3変形例では、第1基板11上
に青紫色に発光するポリビニルカルバゾール(PVC
Z)を用いて発光層13を成膜する際に、この発光層1
3中に第2基板21に成膜した所定色の発光色素による
発光色の波長よりも短波長で発光する色の発光色素を予
め分散させており、ここでは青色発光色素Bcを予め分
散させておく。これにより、B用の第2基板21を用意
する必要が無くなり、R用の第2基板21及びG用の第
2基板21を用いて、青色発光色素Bcを予め分散させ
た発光層13中に、各第2基板21の各凹部21b上に
それぞれ成膜した赤色発光色素Rc,緑色発光色素Gc
をドーピングさせれば、第3変形例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子EL1Dが得られる。
【0084】この際、青紫色に発光する発光層13中に
分散させた青色発光色素Bcは発光層13の内部で青色
発光色素Bcへとエネルギーの移動が起きるので青色発
光(B発光)が可能になる。また、青色発光色素Bcを
分散させた発光層13中に、赤色発光色素Rcをドーピ
ングした場合には、青色発光色素Bcから赤色発光色素
Rcへとエネルギーが移動するので、赤色発光色素Rc
をドーピングした部位は赤色発光(R発光)が可能にな
る。これと同様に、青色発光色素Bcを分散させた発光
層13中に、緑色発光色素Gcをドーピングした場合に
は、青色発光色素Bcから緑色発光色素Gcへとエネル
ギーが移動するので、緑色発光色素Gcをドーピングし
た部位は緑色発光(G発光)が可能になる。
【0085】<第2実施例>本発明に係る第2実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子では、先に説明した第1
基板(TFT基板)11と、先に説明した第2基板(ス
タンプ基板)21とを用いているものの、この第2実施
例では、第1実施例と異なって第1基板(TFT基板)
11上の発光層13中に青色発光色素Bcを予め分散さ
せると共に、緑色発光色素Gcを成膜したG用の第2基
板21と、赤色発光色素Rc及び緑色発光色素Gcを共
蒸着したRG用の第2基板21とを用いている。
【0086】尚、説明の便宜上、第1実施例と同一構成
部材に対しては同一の符号を付し、且つ、第1実施例と
同一色の発光色素に対しても同一の符号を付して説明
し、ここでは第1実施例と異なる点を中心にして、図1
3〜図17を用いて工程順に説明する。
【0087】図13は第2実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法における第1工程を説明する
ための模式図、図14(a),(b)は第2実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法における第
2工程を説明するための模式図、図15(a),(b)
は第2実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法における第3工程を説明するための模式図、図1
6(a),(b)は第2実施例の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法における第4工程を説明するた
めの模式図、図17(a),(b)は第2実施例の有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法における第5
工程を説明するための模式図である。
【0088】まず、第2実施例の第1工程では、図13
に示した如く、第1基板(TFT基板)11に膜付けし
た複数の画素電極12上及び画素電極12間の第1基板
11上に、青色発光色素Bcを予め分散させた発光層1
3を一様に成膜している。上記した発光層13は、第1
実施例と同様に、例えば青紫色に発光するポリビニルカ
ルバゾール(PVCZ)などを用いており、この発光層
13中に第1実施例で説明したような青色蛍光性材料又
は青色燐光性材料を用いて青色発光色素Bcを予め分散
させている。より具体的には、青色発光色素Bcとして
青色蛍光性色素材料のうちで例えばTPB(テトラフェ
ニルブタジエン)を用いた場合には、発光層13中にT
PBを5mol%程度予め分散させている。また、青色
発光色素Bcとして青色燐光性色素材料のうちで例えば
FIrpicを用いた場合には、発光層13中にFIr
picを5wt%程度予め分散させている。これにより
青色の色度を向上できると共に、発光層13の内部で青
色発光色素Bcへとエネルギー移動がスムーズに行われ
るので、発光波長のピークが440nm程度の青色発光
(B発光)が可能となる。
【0089】また、青色および青色以外の色の発光効率
の観点から、発光層13中に低分子材料で電子輸送性を
向上させる材料として例えばPBD(オキサジアゾール
の誘導体)などを30wt%程度分散させておくと、各
色で電子輸送性が向上する。更に、発光層13中に予め
分散させた青色発光色素Bcは、後述するようにG用の
第2基板21に成膜した緑色発光色素Gc、RG用の第
2基板21に成膜した赤色発光色素Rc+緑色発光色素
Gcによる各発光色の波長よりも短波長で発光する発光
色素である。
【0090】そして、青色発光色素Bcを予め分散させ
た発光層13をスピンコート法などにより第1基板11
上に100nm程度の厚みに塗布して、その後、十分に
乾燥させている。
【0091】次に、第2実施例の第2工程では、図14
(a),(b)に示した如く、凸部21aと凹部21b
とを繰り返し形成した第2基板(スタンプ基板)21を
G用,RG用として2個用意する。
【0092】即ち、図14(a)に示したように、G用
の第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部2
1b上に、緑色発光色素Gcを真空蒸着法や、スピンコ
ート法,ディップコート法,インクジェット法などのウ
ェットプロセスなどの方法により20nm程度成膜す
る。この際、緑色発光色素Gcとしては、第1実施例と
同様に既知の種類の緑色蛍光性色素材料又は緑色燐光性
色素材料を用いている。
【0093】また、図14(b)に示したように、RG
用の第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部
21b上に、赤色発光色素Rcと緑色発光色素Gcとを
体積比1:1で共蒸着させて、20nm程度成膜する。
この際、赤色発光色素Rcとしては、第1実施例と同様
に既知の種類の赤色蛍光性色素材料又は赤色燐光性色素
材料を用い、一方、緑色発光色素Gcとしては第1実施
例及び上記と同じような既知の種類の緑色蛍光性色素材
料又は青色燐光性色素材料を用いている。ここで、赤色
発光色素Rcとして赤色蛍光性色素材料のうちで例えば
ニールレッドなどを用いた場合には結晶性が高いため、
それだけを成膜すると膜にならず、結晶化してしまう。
ところが、ニールレッドなどを用いた場合に非晶質性の
高い緑色発光色素Gcとして前記した緑色蛍光性色素材
料のうちで例えばクマリン6などと共蒸着すると、非晶
質の混合膜が形成されるという効果もある。
【0094】上記した第2実施例の第2工程でも、ウェ
ットプロセスを用いて成膜する場合に、第1実施例と略
同様に、G用の第2基板21及びRG用の第2基板21
への前処理として、図6(a)に示した如くの親水処理
Sを施せば、各凹部21b内の左右の垂直な壁の表面が
凹凸状にあらされないので各凹部21b内の左右の垂直
な壁の表面に余分な各発光色素Gc,Rc+Gcの粒子
が付着しないですむ。
【0095】また、真空蒸着法やウェットプロセスを用
いて成膜する場合に、第1実施例と略同様に、第2工程
の前処理として図6(b)に示した如くの撥水処理Hを
必要に応じて施したり、又は、図6(c)に示した如く
付着力が極めて弱い金Au,銀Agなどの金属を必要に
応じて成膜することで、各凸部21a上に成膜した不必
要な各発光色素Gc,Rc+Gcを下記する第3工程で
除去し易くなる。
【0096】次に、第2実施例の第3工程では、図15
(a),(b)に示した如く、G用,RG用の各第2基
板21の各凸部21a上にそれぞれ成膜した緑色発光色
素Gc,赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcがこの第
2実施例でも不必要となるために、各第2基板21の各
凸部21a上に成膜した各発光色素を粘着テープ又は刃
物などにより除去している。これにより、G用,RG用
の各第2基板21の各凹部21b上には、緑色発光色素
Gc,赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcがそれぞれ
成膜されたまま残っている。
【0097】次に、第2実施例の第4工程では、図16
(a),(b)に示した如く、G用,RG用の各第2基
板21の各凹部21b上にそれぞれ成膜した緑色発光色
素Gc,赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcを、第1
基板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc中
にそれぞれ順にドーピング(拡散)させている。ここ
で、各第2基板21に形成した各凹部21bの幅は、前
述したように第1基板11上の1個の画素電極12の幅
と同寸法に形成されているので、各1個の画素電極12
と対応する部位の発光層13+青色発光色素Bc中に各
色の発光色素Gc,Rc+Gcをそれぞれドーピングで
きるものである。
【0098】即ち、図16(a)に示したように、第1
基板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc上
に、緑色発光色素Gcを各凹部21b上に成膜したG用
の第2基板21を載置する。この際、第2基板21に形
成した各凸部21aが発光層13+青色発光色素Bc上
に接触するものの、各凸部21aは前述したように緑色
発光色素Gcが剥離されている。
【0099】また、第2基板21に形成した各凹部21
bを画素電極12と3つおきに対向するように位置合わ
せして載置する。この時、第2基板21に形成した各凹
部21b上に成膜した緑色発光色素Gcはこれと対応す
る各画素電極12上の発光層13に対して非接触になっ
ている。
【0100】この後、第1基板11上に第2基板21を
重ね合わせた状態で最適な温度雰囲気の加熱炉(オーブ
ン)内に挿入して両基板11,21を所定の時間に亘っ
て加熱すると、各凹部21b上に成膜した緑色発光色素
Gcが蒸発し、青色発光色素Bcを分散させた発光層1
3に到達した後、その位置で青色発光色素Bcを分散さ
せた発光層13中に緑色発光色素Gcが拡散する。従っ
て、各凹部21b上に成膜した緑色発光色素Gcがこれ
と対応する画素電極12上の発光層13+青色発光色素
Bcの部位のみにドーピングされる。そして、青色発光
色素Bcを分散させた発光層13中に緑色発光色素Gc
がドーピングされると、発光層13中には青色発光色素
Bcと緑色発光色素Gcとが存在するが、ここで、青色
発光色素Bcは発光層13からエネルギーを受け取り、
緑色発光色素Gcに受け渡す中継の役割を果たす。ま
た、緑色発光色素Gcは、これより発光波長が短波長の
発光色素による中継が無く直接エネルギーを受け取る場
合より、スムーズにエネルギーを受け取ることができる
ので、緑色の発光効率が向上するし、これにより緑色発
光色素Gc以外の発光を押さえることになるので、緑色
の色度が向上する。
【0101】この時、青色発光色素Bcを分散さた発光
層13中の発光色素濃度には、適当な値があり、それ以
下であるとその発光色素の発光が得られないし、それ以
上では濃度消光により発光効率が落ちてしまう。従っ
て、加熱温度、加熱時間を制御することにより発光色素
濃度が最適になるようにする。ここで、緑色発光色素G
cとして緑色蛍光性色素材料のうちで例えばクマリン6
を用いた場合に、緑色蛍光発光色素が蒸発しやすい最適
な加熱温度140°Cで10分程度加熱すると、緑色蛍
光発光色素が最適量分散される。また、緑色発光色素G
cとして緑色燐光性色素材料のうちで例えばIr(pp
y)を用いた場合に、緑色燐光発光色素が蒸発しやす
い最適な加熱温度195°Cで10分程度加熱すると、
緑色蛍光発光色素が最適量分散される。
【0102】次に、緑色発光色素Gcの発光層13+青
色発光色素Bcへのドーピングが終了したら、G用の第
2基板21を第1基板11上から取り外して、図16
(b)に示したように、RG用の第2基板21を、第1
基板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc上
に上記と同じような手順で載置する。この場合には、第
2基板21の各凹部21b上に成膜した赤色発光色素R
c+緑色発光色素Gcが緑色発光色素Gcをドーピング
した画素電極12の隣の画素電極12と対向するように
位置合わせすると、加熱炉中で上記の如くに対応した画
素電極12上の発光層13+青色発光色素Bcの部位の
みに赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcがドーピング
される。そして、青色発光色素Bcを分散させた発光層
13中に赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcがドーピ
ングされると、この発光層13中には青色発光色素B
c、緑色発光色素Gc、赤色発光色素Rcが存在する
が、発光層13から青色発光色素Bcへ、青色発光色素
Bcから緑色発光色素Gcへ、緑色発光色素Gcから赤
色発光色素Rcへと長波長に向かってエネルギー移動が
順次スムーズに行われる。従って、これより発光波長が
短波長の発光色素による中継が無く直接エネルギーを受
け取る場合より、赤色の発光効率が向上し、さらに赤色
発光色素Rc以外からの発光が押さえられるため、赤色
の色度が向上する。
【0103】ここで、赤色発光色素Rcとして赤色蛍光
性色素材料のうちで例えばニールレッドを用い、且つ、
緑色発光色素Gcとして緑色蛍光性色素材料のうちでク
マリン6を用いた場合には、赤色蛍光発光色素と緑色蛍
光発光色素とが蒸発しやすい最適な加熱温度140°C
で10分程度加熱すると、赤色蛍光発光色素及び緑色蛍
光発光色素が最適量分散される。また、赤色発光色素R
cとして赤色燐光性色素材料のうちで例えばPtOEP
を用い、且つ、緑色発光色素Gcとして緑色燐光性色素
材料のうちでIr(ppy)を用いた場合には、赤色
燐光発光色素と緑色燐光発光色素とが蒸発しやすい最適
な加熱温度205°Cで10分程度加熱すると、赤色燐
光発光色素及び緑色燐光発光色素が最適量分散される。
【0104】尚、上記した第4工程中での、緑色発光色
素Gc,赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcの発光層
13へのドーピングの順番はどちらから始めても良い。
【0105】次に、第2実施例の第5工程では、図17
(a),(b)に示した如く、第1基板11上に成膜し
た発光層13+青色発光色素Bc中に、緑色発光色素G
c,赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcをそれぞれド
ーピングした後に、青色発光色素Bcを予め分散させた
発光層13上に陰極となる共通電極(対向電極)14を
複数の画素電極12と対向させて成膜することで、本発
明に係る第2実施例の有機エレクトロルミネッセンス素
子EL2Aが得られる。
【0106】この際、上記した共通電極14は、仕事関
数が低く、且つ、陰極材料に適した物質で且つ不透明な
膜として例えばMg0.9Ag0.1などを真空蒸着法
などにより100nm程度成膜している。
【0107】そして、第2実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子EL2Aを上記の工程により製造した場
合、図17(a)に示したように、任意の透明な画素電
極(陽極)12と、不透明な共通電極(陰極)14との
間に電圧を印加することにより、任意のピクセルの発光
を透明な第1基板(TFT基板)11の下面側から取り
出すことができる。この際、発光層13中に青色発光色
素Bcを予め分散させた部位からB発光、発光層13+
青色発光色素Bc中に緑色発光色素Gcをドーピングし
た部位からG発光、発光層13+青色発光色素Bc中に
赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcをドーピングした
部位からR発光が行われる。
【0108】また、図17(b)に示したように、不透
明な膜として例えばMg0.9Ag 0.1などを用いて
複数の画素電極12を第1基板11上に膜付けし、且
つ、透明な膜としてITO膜などを用いて共通電極14
を青色発光色素Bcを分散させた発光層13上に成膜す
れば、任意のピクセルの発光を第1基板11の上面側と
なる透明な共通電極14側から取り出すことができ、し
かもこの場合に第1基板11はSiのような不透明な基
板を用いることもできる。
【0109】ここで、上記した本発明に係る第2実施例
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有
機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変形例
について、図18及び図19を用いて簡略に説明する。
【0110】図18は本発明に係る第2実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレク
トロルミネッセンス素子を一部変形した第1変形例を説
明するための図、図19は本発明に係る第2実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エ
レクトロルミネッセンス素子を一部変形した第2変形例
を説明するための図である。
【0111】まず、図18に示した如く、本発明に係る
第2実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第1変形例では、第1基板11に膜付けした画素電
極12上に正孔注入層15を成膜し、この正孔注入層1
5上に正孔輸送層16を成膜し、更に、正孔輸送層16
上に緑色発光色素Gc、赤色発光色素Rc+緑色発光色
素Gcをそれぞれドーピングするために青色発光色素B
cを分散させた発光層13を成膜している。そして、発
光層13+青色発光色素Bcへの各色の発光色素Gc,
Rc+Gcのドーピングが終了した段階で、発光層13
上に電子輸送層17、電子注入層18、共通電極14を
順に積層することで第1変形例の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子EL2Bを得ており、この構成により発光
効率をより向上させることが可能となる。
【0112】次に、図19に示した如く、本発明に係る
第2実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第2変形例では、第1基板11上の隣り合う画素素
電極12との間にSiOなどを用いて隔壁19を発光
層13より僅かに高くCVD法などにより形成すること
で、第2変形例の有機エレクトロルミネッセンス素子E
L2Cを得ている。これにより、G用,RG用の各第2
基板21を第1基板11上に載置する際、各第2基板2
1の各凸部21aを隔壁19の上端に当接させること
で、各凸部21aが発光層13に直接接触しないように
することが可能である。
【0113】<第3実施例>本発明に係る第3実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子では、先に説明した第1
基板(TFT基板)11と、第3実施例用として形成し
たR用の第2基板(スタンプ基板)21及びG用の第3
基板(スタンプ基板)31とを用いている。
【0114】尚、説明の便宜上、第1,第2実施例と同
一構成部材に対しては同一の符号を付し、且つ、第1,
第2実施例と同一色の発光色素に対しても同一の符号を
付して説明し、且つ、第1,第2実施例と異なる構成部
材に新たな符号を付して説明する。
【0115】図20(a),(b)は本発明に係る第3
実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
及び有機エレクトロルミネッセンス素子において、第2
基板(スタンプ基板)及び第3基板(スタンプ基板)を
説明するために模式的に示した図である。
【0116】第3実施例の有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素
子では、図20(a),(b)に示したような第2基板
21及び第3基板31を、先に図1(a),(b)を用
いて説明した第1基板11上に載置するためのスタンプ
基板として予め2種類用意している。
【0117】上記した第2基板(スタンプ基板)21
は、先に第1実施例で図2及び図3(a),(b)を用
いて説明したものと全く同一形状であり、RGBの3画
素と対応させて凸部21a及び凹部21bを1組とし
て、この組みを画素電極12(図1)の列方向及び/又
は行方向に沿って複数組み繰り返して、シリコン基板な
どを用いてフォトリソグラフィー法,エッチング法など
の方法により凹凸状に形成されている。
【0118】ここで、第2基板21に形成した各凸部2
1aの幅は、第1基板11上の画素電極12の幅の2個
分と、2個の画素電極12の左右の隙間とを含める寸法
に形成されており、具体的には各凸部21aの幅は{2
×13+1×3}μm=29μmに設定されていると共
に、各凸部21aの高さは各凹部21bに対して10μ
m程度突出している。また、第2基板21に形成した各
凹部21bの幅は、第1基板11上の1個の画素電極1
2の幅と同じ幅で13μmに設定されている。一方、上
記した第3基板(スタンプ基板)31は、第3実施例用
として新たに形成したものであり、第1基板11上で青
色発光色素Bcを予め分散させて成膜した発光層13上
に載置するための凸部31aと、この凸部31aに隣接
してへこませ且つ所定色の発光色素をドーピングすべき
発光層部位と対応する画素電極12と略同じ面積を有す
る凹部31bとを1組とし、この組みを画素電極12の
列方向及び/又は行方向に沿って繰り返して、シリコン
基板などを用いてフォトリソグラフィー法,エッチング
法などの方法により凹凸状に形成されている。
【0119】ここで、第3基板31に形成した各凸部3
1aの幅は、第1基板11上の1個の画素電極12の幅
と、この画素電極12の左右の隙間とを含める寸法に形
成されており、具体的には各凸部31aの幅は{13+
1×2}μm=15μmに設定されていると共に、各凸
部31aの高さは各凹部31bに対して10μm程度突
出している。また、第3基板31に形成した各凹部31
bの幅は、第1基板11上の画素電極12の幅の2個分
を含める寸法に形成されており、具体的には各凹部31
bの幅は{2×13+1}μm=27μmに設定されて
いる。従って、1組の凸部31aと凹部31bとを合わ
せた面積を、RGB3画素に対応する3個の画素電極1
2の面積と略一致させている。
【0120】そして、第2,第3基板21,31の平面
的な形状は、ここでの図示を省略するものの、先に説明
した図3(a),(b)と同様に、各凸部21a,31
aと各凹部21b,31bとを互いに並行にストライプ
状に形成したり、あるいは、各凹部21b,31bを千
鳥状に配列している。
【0121】次に、第1基板(TFT基板)11と、2
種類の第2,第3基板(スタンプ基板)21,31とを
用いて、本発明に係る第3実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子を製造する方法について、図21〜図2
5を用いて工程順に説明する。
【0122】図21は第3実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法における第1工程を説明する
ための模式図、図22(a),(b)は第3実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法における第
2工程を説明するための模式図、図23(a),(b)
は第3実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法における第3工程を説明するための模式図、図2
4(a),(b)は第3実施例の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法における第4工程を説明するた
めの模式図、図25(a),(b)は第3実施例の有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法における第5
工程を説明するための模式図である。
【0123】まず、第3実施例の第1工程では、図21
に示した如く、第1基板(TFT基板)11に膜付けし
た複数の画素電極12上及び画素電極12間の第1基板
11上に、青色発光色素Bcを予め分散させた発光層1
3を一様に成膜している。上記した発光層13は、第
1,第2実施例と同様に、例えば青紫色に発光するポリ
ビニルカルバゾール(PVCZ)などを用いており、こ
の発光層13中に第2実施例と同様に青色蛍光性材料又
は青色燐光性材料を用いて青色発光色素Bcを予め分散
させている。より具体的には、青色発光色素Bcとして
青色蛍光性色素材料のうちで例えばTPB(テトラフェ
ニルブタジエン)を用いた場合には、発光層13中にT
PBを5mol%程度予め分散させている。また、青色
発光色素Bcとして青色燐光性色素材料のうちで例えば
FIrpicを用いた場合には、発光層13中にFIr
picを5wt%程度予め分散させている。これにより
青色の色度を向上できると共に、発光層13から青色発
光色素Bcへとエネルギー移動はスムーズに行われるの
で、発光波長のピークが440nm程度の青色発光(B
発光)が可能になる。
【0124】また、青色および青色以外の色の発光効率
の観点から、発光層13中に低分子材料で電子輸送性を
向上させる材料として例えばPBD(オキサジアゾール
の誘導体)などを30wt%程度分散させておくと、各
色で電子輸送性が向上する。更に、発光層13中に予め
分散させた青色発光色素Bcは、後述するようにR用の
第2基板21に成膜した赤色発光色素Rc、G用の第3
基板31に成膜した緑色発光色素Gcによる各発光色の
波長よりも短波長で発光する発光色素である。
【0125】そして、青色発光色素Bcを予め分散させ
た発光層13をスピンコート法などにより第1基板11
上に100nm程度の厚みに塗布して、その後、十分に
乾燥させている。
【0126】次に、第3実施例の第2工程では、図22
(a),(b)に示した如く、凸部21aと凹部21b
とを繰り返し形成した第2基板(スタンプ基板)21を
R用として用意し、且つ、凸部31aと凹部31bとを
繰り返し形成した第3基板(スタンプ基板)31をG用
として用意する。
【0127】即ち、図22(a)に示したように、R用
の第2基板21に形成した各凸部21a上及び各凹部2
1b上に、赤色発光色素Rcを真空蒸着法や、スピンコ
ート法,ディップコート法,インクジェット法などのウ
ェットプロセスなどの方法により20nm程度成膜す
る。この際、赤色発光色素Rcとしては、第1,第2実
施例と同様に既知の赤色蛍光性色素材料又は既知の赤色
燐光性色素材料を用いている。
【0128】また、図22(b)に示したように、G用
の第3基板31に形成した各凸部31a上及び各凹部3
1b上に、緑色発光色素Gcを真空蒸着法や、スピンコ
ート法,ディップコート法,インクジェット法などのウ
ェットプロセスなどの方法により20nm程度成膜す
る。この際、緑色発光色素Gcとしては、第1,第2実
施例と同様に既知の緑色蛍光性色素材料又は既知の緑色
燐光性色素材料を用いている。
【0129】上記した第3実施例の第2工程でも、ウェ
ットプロセスを用いて成膜する場合に、第1実施例と略
同様に、R用の第2基板21及びG用の第3基板31へ
の前処理として、図6(a)に示した如くの親水処理S
を施せば、第2,第3基板21,31の各凹部21b内
及び各凹部31b内の左右の垂直な壁の表面が凹凸状に
あらされないので各凹部21b及び各凹部31b内の左
右の垂直な壁の表面に余分な各発光色素Rc,Gcの粒
子が付着しないですむ。
【0130】また、真空蒸着法やウェットプロセスを用
いて成膜する場合に、第1実施例と略同様に、第2工程
の前処理として図6(b)に示した如くの撥水処理Hを
必要に応じて施したり、又は、図6(c)に示した如く
付着力が極めて弱い金Au,銀Agなどの金属を必要に
応じて成膜することで、第2,第3基板21,31の各
凸部21a上及び各凸部31a上に成膜した不必要な各
発光色素Rc,Gcを下記する第3工程で除去し易くな
る。
【0131】次に、第3実施例の第3工程では、図23
(a),(b)に示した如く、R用の第2基板21の各
凸部21a上にそれぞれ成膜した赤色発光色素Rcと、
G用の第3基板31の各凸部31a上にそれぞれ成膜し
た緑色発光色素Gcとがこの第3実施例でも不必要とな
るために、第2基板21の各凸部21a上及び第3基板
31の各凸部31a上に成膜した各発光色素を粘着テー
プ又は刃物などにより除去している。これにより、R用
の第2基板21の各凹部21b上には赤色発光色素Rc
がそれぞれ成膜されたまま残っていると共に、G用の第
3基板31の各凹部31b上には緑色発光色素Gcがそ
れぞれ成膜されたまま残っている。
【0132】次に、第3実施例の第4工程では、図24
(a),(b)に示した如く、G用の第3基板31の各
凹部31b上にそれぞれ成膜した緑色発光色素Gcと、
R用の第2基板21の各凹部21b上にそれぞれ成膜し
た赤色発光色素Rcとを、第1基板11上に成膜した発
光層13+青色発光色素Bc中にそれぞれ順にドーピン
グ(拡散)させている。この第3実施例でも、ドーピン
グさせる順番は限定されない。
【0133】ここで、第2基板21に形成した各凹部2
1bの幅は、前述したように第1基板11上の1個の画
素電極12の幅と同寸法に形成されているので、1個の
画素電極12と対応する部位の発光層13+青色発光色
素Bc中に赤色発光色素Rcをドーピングできるもので
ある。また、第3基板31に形成した各凹部31aの幅
は、前述したように第1基板11上の2画素分の幅に形
成されているので、各2個の画素電極12と対応する部
位の発光層13+青色発光色素Bc中に緑色発光色素G
cをドーピングできるものである。
【0134】即ち、図24(a)に示したように、第1
基板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc上
に、G用の第3基板31に形成した各凸部31aを接触
させて載置するものの、各凸部31aは前述したように
緑色発光色素Gcが剥離されている。
【0135】また、第3基板31の各凹部31b上に成
膜した緑色発光色素Gcは、この緑色発光色素Gcをド
ーピングすべき発光層部位と対応しているものであり、
この各凹部31bを緑色発光色素Gcをドーピングすべ
き発光層部位を介してこれと対応する各画素電極12と
対向させており、2画素分の幅で形成されている各凹部
31bを第1基板11上の各2個の画素電極に対向さ
せ、且つ、各凹部31bを3画素間隔で位置合わせして
載置すると、各凹部21b上に成膜した緑色発光色素G
cはこれと対応する各2個の画素電極12上の発光層1
3に対して非接触になっている。
【0136】この後、第1基板11上に第3基板31を
重ね合わせた状態で最適な温度雰囲気の加熱炉(オーブ
ン)内に挿入して両基板11,31を所定の時間に亘っ
て加熱すると、各凹部31b上に成膜した緑色発光色素
Gcが蒸発し、青色発光色素Bcを分散させた発光層1
3に到達した後、その位置で青色発光色素Bcを分散さ
せた発光層13中に緑色発光色素Gcが拡散する。従っ
て、各凹部31b上に成膜した緑色発光色素Gcがこれ
と対応する各2個の画素電極12上の発光層13+青色
発光色素Bcの部位のみにドーピングされる。
【0137】そして、青色発光色素Bcを分散させた発
光層13中に緑色発光色素Gcがドーピングされると、
発光層13中には青色発光色素Bcと緑色発光色素Gc
とが存在するが、ここで、青色発光色素Bcは発光層1
3からエネルギーを受け取り、緑色発光色素Gcに受け
渡す中継の役割を果たす。また、緑色発光色素Gcは、
これより発光波長が短波長の発光色素による中継が無く
直接エネルギーを受け取る場合より、スムーズにエネル
ギーを受け取ることができるので、緑色の発光効率が向
上するし、これにより緑色発光色素Gc以外の発光を押
さえることになるので、緑色の色度が向上する。
【0138】この時、青色発光色素Bcを分散さた発光
層13中の発光色素濃度には、適当な値があり、それ以
下であるとその発光色素の発光が得られないし、それ以
上では濃度消光により発光効率が落ちてしまう。従っ
て、加熱温度、加熱時間を制御することにより発光色素
濃度が最適になるようにする。ここで、緑色発光色素G
cとして緑色蛍光性色素材料のうちで例えばクマリン6
を用いた場合に、緑色蛍光発光色素が蒸発しやすい最適
な加熱温度140°Cで10分程度加熱すると、緑色蛍
光発光色素が最適量分散される。また、緑色発光色素G
cとして緑色燐光性色素材料のうちで例えばIr(pp
y)を用いた場合に、緑色燐光発光色素が蒸発しやす
い最適な加熱温度195°Cで10分程度加熱すると、
緑色燐光発光色素が最適量分散される。
【0139】次に、緑色発光色素Gcの発光層13+青
色発光色素Bcへのドーピングが終了したら、G用の第
3基板31を第1基板11上から取り外して、図24
(b)に示したように、R用の第2基板21を、第1基
板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc上に
上記と同じような手順で載置する。この場合には、第2
基板21の各凹部21b上に成膜した赤色発光色素Rc
が緑色発光色素Gcをドーピングした2個の画素電極1
2のうちのいずれか1個の画素電極12と対向するよう
に位置合わせすると、加熱炉中で上記の如くに対応した
画素電極12上の発光層13+青色発光色素Bc+緑色
発光色素Gcの部位のみに赤色発光色素Rcがドーピン
グされる。そして、青色発光色素Bcを分散させ、且
つ、緑色発光色素Gcをドーピングした発光層13中に
更に赤色発光色素Rcがドーピングされると、緑色発光
色素Gcが青色発光色素Bcから赤色発光色素Rcへと
エネルギー移動する際の中継的役割をするため、発光層
13中の青色発光色素Bcから直接赤色発光色素Rcへ
とエネルギー移動する場合と比較して、エネルギー移動
がスムーズに行われるので、エネルギー利用効率が向上
する。従って、これより発光波長が短波長の発光色素に
よる中継が無く直接エネルギーを受け取る場合より、赤
色の発光効率が向上し、さらに赤色発光色素Rc以外か
らの発光が押さえられるため、赤色の色度が向上する。
【0140】ここで、赤色発光色素Rcとして赤色蛍光
性色素材料のうちで例えばDCJTを用いた場合に、赤
色蛍光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱温度160°
Cで10分程度加熱すると、赤色発光色素Rcが最適量
分散される。また、赤色発光色素Rcとして赤色燐光性
色素材料のうちで例えばPtOEPを用いた場合に、赤
色燐光発光色素が蒸発しやすい最適な加熱温度205°
Cで10分程度加熱すると、赤色発光色素Rcが最適量
分散される。
【0141】次に、第3実施例の第5工程では、図25
(a),(b)に示した如く、第1基板11上に成膜し
た発光層13+青色発光色素Bc中に、緑色発光色素G
c,赤色発光色素Rcをそれぞれ上記順にドーピングし
た後に、青色発光色素Bcを予め分散させた発光層13
上に陰極となる共通電極(対向電極)14を複数の画素
電極12と対向させて成膜することで、本発明に係る第
3実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子EL3A
が得られる。
【0142】この際、上記した共通電極14は、仕事関
数が低く、且つ、陰極材料に適した物質で且つ不透明な
膜として例えばMg0.9Ag0.1などを真空蒸着法
などにより100nm程度成膜している。
【0143】そして、第3実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子EL3Aを上記の工程により製造した場
合、図25(a)に示したように、任意の透明な画素電
極(陽極)12と、不透明な共通電極(陰極)14との
間に電圧を印加することにより、任意のピクセルの発光
を透明な第1基板(TFT基板)11の下面側から取り
出すことができる。この際、発光層13中に青色発光色
素Bcを予め分散させた部位からB発光、発光層13+
青色発光色素Bc中に緑色発光色素Gcをドーピングし
た部位からG発光、発光層13+青色発光色素Bc+緑
色発光色素Gc中に赤色発光色素Rcをドーピングした
部位からR発光が行われる。
【0144】また、図25(b)に示したように、不透
明な膜として例えばMg0.9Ag 0.1などを用いて
複数の画素電極12を第1基板11上に膜付けし、且
つ、透明な膜としてITO膜などを用いて共通電極14
を青色発光色素Bcを分散させた発光層13上に成膜す
れば、任意のピクセルの発光を第1基板11の上面側と
なる透明な共通電極14側から取り出すことができ、し
かもこの場合に第1基板11はSiのような不透明な基
板を用いることもできる。
【0145】ここで、上記した本発明に係る第3実施例
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有
機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変形例
について、図26及び図27を用いて簡略に説明する。
【0146】図26は本発明に係る第3実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレク
トロルミネッセンス素子を一部変形した第1変形例を説
明するための図、図27は本発明に係る第3実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エ
レクトロルミネッセンス素子を一部変形した第2変形例
を説明するための図である。
【0147】まず、図26に示した如く、本発明に係る
第3実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第1変形例では、第1基板11に膜付けした画素電
極12上に正孔注入層15を成膜し、この正孔注入層1
5上に正孔輸送層16を成膜し、更に、正孔輸送層16
上に緑色発光色素Gc、赤色発光色素Rcをそれぞれド
ーピングするために青色発光色素Bcを分散させた発光
層13を成膜している。そして、発光層13+青色発光
色素Bcへの各色の発光色素Rc,Gcのドーピングが
終了した段階で、発光層13上に電子輸送層17、電子
注入層18、共通電極14を順に積層することで第1変
形例の有機エレクトロルミネッセンス素子EL3Bを得
ており、この構成により発光効率をより向上させること
が可能となる。
【0148】次に、図27に示した如く、本発明に係る
第3実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第2変形例では、第1基板11上の隣り合う画素素
電極12との間にSiOなどを用いて隔壁19を発光
層13より僅かに高くCVD法などにより形成すること
で、第2変形例の有機エレクトロルミネッセンス素子E
L3Cを得ており、これにより、R用の第2基板21を
第1基板11上に載置する際、例えば第2基板21の各
凸部21aを隔壁19の上端に当接させることで、各凸
部21aが発光層13に直接接触しないようにすること
が可能であり、また、G用の第3基板31に対しても第
2基板21と同様である。
【0149】<第4実施例>本発明に係る第4実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子では、先に説明した第1
実施例におけるドーピング技術思想を適用しており、こ
の第4実施例ではR用,G用,B用の各第2基板(スタ
ンプ基板)41の各凸部41a上にそれぞれ成膜した赤
色発光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色素Bc
のみを、第1基板11上に成膜した発光層13中にドー
ピングしている点が特徴である。これに伴って、第4実
施例に用いる第2基板41の形状は、先に図2及び図3
(a),(b)で説明した第1実施例に用いる第2基板
(スタンプ基板)21に対して各凹凸部の寸法関係が逆
になっている。
【0150】図28は本発明に係る第4実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレク
トロルミネッセンス素子において、第2基板(スタンプ
基板)を説明するために模式的に示した図、図29は図
28に示した第2基板(スタンプ基板)を平面的に示し
た平面図であり、(a)はストライプ状に形成した場合
を示し、(b)は千鳥状に形成した場合を示した図であ
る。
【0151】図28に示した如く、第4実施例に用いる
第2基板(スタンプ基板)41は、第1基板11に成膜
した発光層13上に載置し且つ所定色の発光色素をドー
ピングすべき発光層部位と対応する画素電極12と略同
じ面積を有する凸部41aと、この凸部41aに隣接し
てへこませた凹部41bとを1組とし、この組みを画素
電極12の列方向及び/又は行方向に沿って繰り返し
て、シリコン基板などを用いてフォトリソグラフィー
法,エッチング法などの方法により凹凸状に形成されて
いる。
【0152】ここで、第2基板41に形成した各凸部4
1aの幅は、第1基板11上の1個の画素電極12の幅
と同じ幅で13μmに設定されていると共に、各凸部4
1aの高さは各凹部41bに対して10μm程度突出し
ている。また、第2基板41に形成した各凹部41bの
幅は、第1基板11上の画素電極12の幅の2個分と、
2個の画素電極12の左右の隙間とを含める寸法に形成
されており、具体的には各凹部41bの幅は{2×13
+1×3}μm=29μmに設定されている。従って、
1組の凸部41aと凹部41bとを合わせた面積を、R
GB3画素に対応する3個の画素電極12の面積と略一
致させている。
【0153】これに伴って、第2基板41の平面的な形
状は、図29(a)に示した如く、各凸部41aと各凹
部41bとを幅方向に対して上記の寸法に設定し、且
つ、各凸部41a及び各凹部41bの奥行き方向(画素
電極12の列方向又は行方向)を長尺に形成して凸部4
1a及び各凹部41bとをストライプ状に配置したり、
あるいは、図29(b)に示した如く、各凸部41aを
複数の画素電極12に対して千鳥状に配置している。
【0154】次に、第1基板(TFT基板)11と第2
基板(スタンプ基板)41とを用いて、本発明に係る第
4実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造す
る方法について、図30〜図33を用いて工程順に説明
する。
【0155】図30は第4実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法における第1工程を説明する
ための模式図、図31(a)〜(c)は第4実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法における第
2工程を説明するための模式図、図32(a),(b)
は第4実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法における第3工程を説明するための模式図、図3
3(a),(b)は第4実施例の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法における第4工程を説明するた
めの模式図である。
【0156】まず、第4実施例の第1工程では、図30
に示した如く、第1基板(TFT基板)11に膜付けし
た複数の画素電極12上及び画素電極12間の第1基板
11上に、発光層13をスピンコート法などにより10
0nm程度の厚みに塗布して一様に成膜し、その後、十
分に乾燥させている。
【0157】次に、第4実施例の第2工程では、図31
(a)〜(c)に示した如く、R用,G用,B用の各第
2基板41に形成した各凸部41a上及び各凹部41b
上に、赤色発光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光
色素Bcを真空蒸着法や、スピンコート法,ディップコ
ート法,インクジェット法などのウェットプロセスなど
の方法により20nm程度成膜する。ここでも、各色の
発光色素Rc,Gc,Bcは、蛍光性色素材料及び/又
は燐光性色素材料を適宜用いている。
【0158】この際、第2工程でR用,G用,B用の各
第2基板41に形成した各凸部41a上及び各凹部41
b上に、赤色発光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発
光色素Bcを真空蒸着法を用いて成膜する場合には、各
色の発光色素Rc,Gc,Bcの粒子が各第2基板41
の各凸部41a及び各凹部41bに向かってそれぞれ直
進するので、とくに、各凹部41b内の左右の垂直な壁
(=各凸部41aの両側の壁)に余分な各発光色素R
c,Gc,Bcの粒子が付着しないですむ。
【0159】一方、スピンコート法,ディップコート
法,インクジェット法などのウェットプロセスを用いて
成膜する場合には、各色の発光色素Rc,Gc,Bcを
クロロホルム,アセトンなどの有機溶剤に数wt%程度
溶かした溶液を塗布しているために、とくに、各第2基
板41の各凹部41b内の左右の垂直な壁(=各凸部4
1aの両側の壁)に余分な各発光色素Rc,Gc,Bc
の粒子が付着してしまう。そこで、ウェットプロセスを
用いて成膜する場合に、各凹部41b内の左右の垂直な
壁に余分な各発光色素Rc,Gc,Bcの粒子が付着し
ないように第2工程の前処理として図6(a)に示した
如くの親水処理Sを施しており、これについては第1実
施例で詳述しているので省略する。
【0160】次に、第4実施例の第3工程では、図32
(a)〜(c)に示した如く、R用,G用,B用の各第
2基板41の各凸部41a上にそれぞれ成膜した赤色発
光色素Rc,緑色発光色素Gc,青色発光色素Bcを、
第1基板11上に成膜した発光層13中にそれぞれ順に
ドーピング(拡散)させるので、第1実施例で説明した
ような各凸部上にそれぞれ成膜した各色の発光色素R
c,Gc,Bcを取り除く工程はなくなる。
【0161】ここで、各第2基板41に形成した各凸部
41aの幅は、前述したように第1基板11上の1個の
画素電極12の幅と同寸法に形成されているので、各1
個の画素電極12と対応する部位の発光層13中に各色
の発光色素Rc,Gc,Bcをそれぞれドーピングでき
るものである。
【0162】即ち、図32(a)に示したように、第1
基板11上に成膜した発光層13上に、各凸部41a上
及び各凹部41b上に赤色発光色素Rcを成膜したR用
の第2基板41を載置する際に、第2基板41の各凸部
41a上に成膜した赤色発光色素Rcは、第1基板11
上に成膜した発光層13上でドーピングすべき発光層部
位と対応しているものであり、各凸部41b上に成膜し
た赤色発光色素Rcをドーピングすべき発光層部位に接
触させ且つこれと対応する各画素電極12と対向させて
おり、各凸部41bを画素電極12と3つおきに対向す
るように位置合わせして載置している。この時、第2基
板41の各凹部41b上に成膜した赤色発光色素Rcは
発光層13上から10μm程度離れており、この第4実
施例では加熱炉(オーブン)の温度管理により各凹部4
1b上に成膜した赤色発光色素Rcを発光層13中にド
ーピングさせていない。
【0163】そして、第1基板11上に第2基板41を
重ね合わせた状態で最適な温度雰囲気の加熱炉(オーブ
ン)内に挿入して、両基板11,41を所定の時間に亘
って加熱する。この加熱期間に、R用の第2基板41の
各凸部41a上に成膜した赤色発光色素Rcはこの位置
で発光層13中に溶け込み分散して、R発光が可能にな
る。ここで、加熱炉の温度を最適な温度より高く設定し
てしまうと、R用の第2基板41の各凹部41b上に成
膜した赤色発光色素Rcが蒸発して発光層13上に到達
してドーピングさせたくない部位の発光層13中に分散
してしまうので、各凹部41b上に成膜した赤色発光色
素Rcが発光層13中に分散しないように加熱炉の温度
管理が重要である。この場合、加熱炉の最適な加熱条件
は、赤色発光色素Rcとして赤色蛍光性色素材料のうち
で例えばDCJTを用いた場合に、各凸部41a上に成
膜した赤色発光色素Rcは発光層13中にドーピングで
き且つ各凹部41b上に成膜した赤色発光色素Rcが発
光層13上に到達できない温度140°Cであり、加熱
時間は10分程である。また、赤色発光色素Rcとして
赤色燐光性色素材料のうちで例えばPtOEPを用いた
場合に、加熱温度は165°Cであり、加熱時間は10
分程である。
【0164】次に、赤色発光色素Rcの発光層13への
ドーピングが終了したら、R用の第2基板41を第1基
板11上から取り外して、図32(b)に示したよう
に、G用の第2基板41を、第1基板11に成膜した発
光層13上に載置する。この場合には、第2基板41の
各凸部41a上に成膜した緑色発光色素Gcが赤色発光
色素Rcをドーピングした画素電極12の隣の画素電極
12と対向するように位置合わせすると、第2基板41
の各凸部41a上に成膜した緑色発光色素Gcに対して
最適な温度雰囲気の加熱炉中で上記の如くに対応した画
素電極12上の発光層13の部位のみに緑色発光色素G
cがドーピングされて、G発光が可能になる。この工程
でも、G用の第2基板41の各凹部41b上に成膜した
緑色発光色素Gcを発光層13中にドーピングさせてい
ない。この場合、加熱炉の最適な加熱条件は、緑色発光
色素Gcとして緑色蛍光性色素材料のうちで例えばクマ
リン6を用いた場合に、各凸部41a上に成膜した緑色
発光色素Gcは発光層13中にドーピングでき且つ各凹
部41b上に成膜した緑色発光色素Gcが発光層13上
に到達できない温度120°Cであり、加熱時間は10
分程度である。また、緑色発光色素Gcとして緑色燐光
性色素材料のうちで例えばIr(ppy)を用いた場
合に、加熱温度は155°Cであり、加熱時間は10分
程である。
【0165】更に、緑色発光色素Gcの発光層13への
ドーピングが終了したら、G用の第2基板41を第1基
板11上から取り外して、図32(c)に示したよう
に、B用の第2基板41を、第1基板11に成膜した発
光層13上に載置する。この場合には、第2基板41の
各凸部41a上に成膜した青色発光色素Bcが緑色発光
色素Gcをドーピングした画素電極12の隣の画素電極
12と対向するように位置合わせすると、各凸部41a
上に成膜した青色発光色素Bcに対して最適な温度雰囲
気の加熱炉中で上記の如くに対応した画素電極12上の
発光層13の部位のみに青色発光色素Bcがドーピング
されて、B発光が可能になる。この工程でも、B用の第
2基板41の各凹部41b上に成膜した青色発光色素B
cを発光層13中にドーピングさせていない。この場
合、加熱炉の最適な加熱条件は、青色発光色素Bcとし
て青色蛍光性色素材料のうちで例えばTPBを用いた場
合に、各凸部41a上に成膜した青色発光色素Bcは発
光層13中にドーピングでき且つ各凹部41b上に成膜
した青色発光色素Bcが発光層13上に到達できない温
度120°Cであり、加熱時間は10分程である。ま
た、青色発光色素Bcとして青色燐光性色素材料のうち
で例えばFIrpicを用いた場合に、加熱温度は16
0°Cであり、加熱時間は10分程である。
【0166】尚、上記において、各凹部41b上に成膜
した各色の発光色素Rc,Gc,Bcが発光層13上に
到達できない温度は、各色の発光色素Rc,Gc,Bc
が蒸発しにくい温度であることと等価である。
【0167】次に、第4実施例の第4工程では、図33
(a),(b)に示した如く、第1基板11上に成膜し
た発光層13中に、赤色発光色素Rc,緑色発光色素G
c,青色発光色素Bcをそれぞれドーピングした後に、
発光層13上に陰極となる共通電極(対向電極)14を
複数の画素電極12と対向させて成膜することで、本発
明に係る第4実施例の有機エレクトロルミネッセンス素
子EL4Aが得られる。この際、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子EL4Aは、先に説明した図9(a),
(b)の第1実施例と同じ構造形態であり、任意のピク
セルの発光を透明な第1基板11の下面側から取り出す
構造形態、又は、任意のピクセルの発光を第1基板11
の上面側となる透明な共通電極14側から取り出す構造
形態のいずれかを得ている。
【0168】ここで、上記した本発明に係る第4実施例
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有
機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変形例
について、図34及び図35を用いて簡略に説明する。
【0169】図34は本発明に係る第4実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレク
トロルミネッセンス素子を一部変形した第1変形例を説
明するための図、図35(a),(b)は本発明に係る
第4実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第2変形例を説明するための図である。
【0170】まず、図34に示した如く、本発明に係る
第4実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造
方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形
した第1変形例では、先に説明した図10の第1実施例
における第1変形例と同じ構造形態であり、第1基板1
1に膜付けした画素電極12と発光層13との間に正孔
注入層15,正孔輸送層16を成膜し、且つ、発光層1
3と共通電極14との間に電子輸送層17,電子注入層
18を成膜することで、発光効率をより向上させること
ができる第1変形例の有機エレクトロルミネッセンス素
子EL4Bを得ている。
【0171】次に、図35(a),(b)に示した如
く、本発明に係る第4実施例の有機エレクトロルミネッ
センス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセン
ス素子を一部変形した第2変形例では、先に説明した図
12(a),(b)の第1実施例における第3変形例と
同じ構造形態であり、第1基板11上に青色発光色素B
cを予め分散させて発光層13を成膜し、R用の第2基
板41及びG用の第2基板41を用いて、青色発光色素
Bcを予め分散させた発光層13中に、各第2基板41
の各凸部41a上にそれぞれ成膜した赤色発光色素R
c,緑色発光色素Gcをドーピングさせて第2変形例の
有機エレクトロルミネッセンス素子EL4Cを得てい
る。
【0172】<第5実施例>本発明に係る第5実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子では、先に説明した第2
実施例におけるドーピング技術思想を適用しているもの
の、この第5実施例では第4実施例で説明した第2基板
(スタンプ基板)41をG用,RG用として使用し、且
つ、G用,RG用の各第2基板41の各凸部41a上に
それぞれ成膜した緑色発光色素Gc,赤色発光色素Rc
+緑色発光色素Gcを、第1基板11上に青色発光色素
Bcを予め分散させて成膜した発光層13中にドーピン
グしている点が特徴である。
【0173】図36は第5実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法における第1工程を説明する
ための模式図、図37(a),(b)は第5実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法における第
2工程を説明するための模式図、図38(a),(b)
は第5実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法における第3工程を説明するための模式図、図3
9(a),(b)は第5実施例の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法における第4工程を説明するた
めの模式図である。
【0174】まず、第5実施例の第1工程では、図36
に示した如く、第1基板(TFT基板)11に膜付けし
た複数の画素電極12上及び画素電極12間の第1基板
11上に、青色発光色素Bcを予め分散させた発光層1
3をスピンコート法などにより100nm程度の厚みに
塗布して一様に成膜し、その後、十分に乾燥させてい
る。この際、青色発光色素Bcは青色蛍光性色素材料又
は青色燐光性色素材料又を用いている。
【0175】次に、第5実施例の第2工程では、図37
(a),(b)に示した如く、G用,RG用の各第2基
板41に形成した各凸部41a上及び各凹部41b上
に、緑色発光色素Gc,赤色発光色素Rc+緑色発光色
素Gcを真空蒸着法や、スピンコート法,ディップコー
ト法,インクジェット法などのウェットプロセスなどの
方法により20nm程度それぞれ成膜する。ここでも、
各色の発光色素Rc,Rc+Gcは、蛍光性色素材料及
び/又は燐光性色素材料を適宜用いている。
【0176】上記した第5実施例の第2工程でも、ウェ
ットプロセスを用いて成膜する場合に、第4実施例と略
同様に、G用の第2基板41及びRG用の第2基板41
への前処理として、図6(a)に示した如くの親水処理
Sを施せば、各凹部41b内の左右の垂直な壁(=各凸
部41aの両側の壁)の表面が凹凸状にあらされないの
で各凹部41b内の左右の垂直な壁(=各凸部41aの
両側の壁)の表面に余分な各発光色素Gc,Rc+Gc
の粒子が付着しないですむ。
【0177】次に、第5実施例の第3工程では、図38
(a),(b)に示した如く、G用,RG用の各第2基
板41の各凸部41a上にそれぞれ成膜した緑色発光色
素Gc,赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcを、第1
基板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc中
にそれぞれ順にドーピング(拡散)させている。ここ
で、各第2基板41に形成した各凸部41aの幅は、前
述したように第1基板11上の1個の画素電極12の幅
と同寸法に形成されているので、各1個の画素電極12
と対応する部位の発光層13+青色発光色素Bc中に各
色の発光色素Gc,Rc+Gcをそれぞれドーピングで
きるものである。
【0178】即ち、図38(a)に示したように、第1
基板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc上
に、各凸部41a上及び各凹部41b上に緑色発光色素
Gcを成膜したG用の第2基板41を載置する際に、第
2基板41の各凸部41a上に成膜した緑色発光色素G
cは、この緑色発光色素Gcをドーピングすべき発光層
部位と対応しているものであり、各凸部41b上に成膜
した緑色発光色素Gcをドーピングすべき発光層13+
青色発光色素Bc上に接触させ且つこれと対応する各画
素電極12と対向させており、各凸部41bを画素電極
12と3つおきに対向するように位置合わせして載置し
ている。この時、第2基板41の各凹部41b上に成膜
した緑色発光色素Gcは発光層13+青色発光色素Bc
上から10μm程度離れており、この第5実施例では下
記するように加熱炉(オーブン)の温度管理により各凹
部41b上に成膜した緑色発光色素Gcを発光層13+
青色発光色素Bc中にドーピングさせていない。
【0179】そして、第1基板11上に第2基板41を
重ね合わせた状態で最適な温度雰囲気の加熱炉(オーブ
ン)内に挿入して、両基板11,41を所定の時間に亘
って加熱する。この加熱期間に、G用の第2基板41の
各凸部41a上に成膜した緑色発光色素Gcはこの位置
で発光層13+青色発光色素Bc中に溶け込み分散する
ので、第2実施例で説明したような青色から緑色へのエ
ネルギー移動によりG発光が可能となる。ここで、加熱
炉の温度を最適な温度より高く設定してしまうと、G用
の第2基板41の各凹部41b上に成膜した緑色発光色
素Gcが蒸発して発光層13+青色発光色素Bc上に到
達してドーピングさせたくない部位の発光層13+青色
発光色素Bc中に分散してしまうので、各凹部41b上
に成膜した緑色発光色素Gcが発光層13+青色発光色
素Bc中に分散しないように加熱炉の温度管理が重要で
ある。この場合、加熱炉の最適な加熱条件は、緑色発光
色素Gcとして緑色蛍光性色素材料のうちで例えばクマ
リン6を用いた場合に、各凸部41a上に成膜した緑色
発光色素Gcは発光層13+青色発光色素Bc中にドー
ピングでき且つ各凹部41b上に成膜した緑色発光色素
Gcが発光層13+青色発光色素Bc上に到達できない
温度120°Cであり、加熱時間は10分程度である。
また、緑色発光色素Gcとして緑色燐光性色素材料のう
ちで例えばIr(ppy)を用いた場合に、加熱温度
は155°Cであり、加熱時間は10分程である。
【0180】そして、緑色発光色素Gcの発光層13+
青色発光色素Bcへのドーピングが終了したら、G用の
第2基板41を第1基板11上から取り外して、図38
(b)に示したように、RG用の第2基板41を、第1
基板11に成膜した発光層13+青色発光色素Bc上に
載置する。この場合には、第2基板41の各凸部41a
上に成膜した赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcが緑
色発光色素Gcをドーピングした画素電極12の隣の画
素電極12と対向するように位置合わせすると、各凸部
41a上に成膜した赤色発光色素Rc+緑色発光色素G
cに対して最適な温度雰囲気の加熱炉中で上記の如くに
対応した画素電極12上の発光層13+青色発光色素B
cの部位のみに赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcが
ドーピングされて、第2実施例で説明したような青色か
ら緑色を経て赤色へのエネルギー移動によりR発光が可
能となる。この工程でも、RG用の第2基板41の各凹
部41b上に成膜した赤色発光色素Rc+緑色発光色素
Gcを発光層13+青色発光色素Bc中にドーピングさ
せていない。この場合、加熱炉の最適な加熱条件は、赤
色発光色素Rcとして赤色蛍光性色素材料のうちで例え
ばニールレッドを用い、且つ、緑色発光色素Gcとして
緑色蛍光性色素材料のうちで例えばクマリン6を用いた
場合、各凸部41a上に成膜した赤色発光色素Rc+緑
色発光色素Gcは発光層13+青色発光色素Bc中にド
ーピングでき且つ各凹部41b上に成膜した赤色発光色
素Rc+緑色発光色素Gcが発光層13+青色発光色素
Bc上に到達できない温度120°Cであり、加熱時間
は10分程度である。また、赤色発光色素Rcとして赤
色燐光性色素材料のうちで例えばPtOEPを用い、且
つ、緑色発光色素Gcとして緑色燐光性色素材料のうち
で例えばIr(ppy) を用いた場合に、加熱温度は
165°Cであり、加熱時間は10分程である。
【0181】次に、第5実施例の第4工程では、図39
(a),(b)に示した如く、第1基板11上に成膜し
た発光層13+青色発光色素Bc中に、緑色発光色素G
c,赤色発光色素Rc+緑色発光色素Gcをそれぞれド
ーピングした後に、青色発光色素Bcを予め分散させた
発光層13上に陰極となる共通電極(対向電極)14を
複数の画素電極12と対向させて成膜することで、本発
明に係る第5実施例の有機エレクトロルミネッセンス素
子EL5Aが得られる。この際、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子EL5Aは、先に説明した図17(a),
(b)の第2実施例と同じ構造形態であり、任意のピク
セルの発光を透明な第1基板11の下面側から取り出す
構造形態、又は、任意のピクセルの発光を第1基板11
の上面側となる透明な共通電極14側から取り出す構造
形態のいずれかを得ている。
【0182】ここで、上記した本発明に係る第5実施例
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有
機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変形例
について、図40を用いて簡略に説明する。
【0183】図40は本発明に係る第5実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレク
トロルミネッセンス素子を一部変形した変形例を説明す
るための図である。
【0184】図40に示した如く、本発明に係る第5実
施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及
び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変
形例では、先に説明した図18の第2実施例における第
1変形例と同じ構造形態であり、第1基板11に膜付け
した画素電極12と発光層13との間に正孔注入層1
5,正孔輸送層16を成膜し、且つ、発光層13と共通
電極14との間に電子輸送層17,電子注入層18を成
膜することで、発光効率をより向上させることができる
変形例の有機エレクトロルミネッセンス素子EL5Bを
得ている。
【0185】<第6実施例>本発明に係る第6実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子では、先に説明した第3
実施例におけるドーピング技術思想を適用しており、こ
の第6実施例ではR用の第2基板(スタンプ基板)41
及びG用の第3基板(スタンプ基板)51とを用いてお
り、R用の第2基板(スタンプ基板)41の各凸部41
a上にそれぞれ成膜した赤色発光色素Rcと、G用の第
3基板(スタンプ基板)51の各凸部51a上にそれぞ
れ成膜した緑色発光色素Gcとを、第1基板11上に成
膜した発光層13中にドーピングしている点が特徴であ
る。これに伴って、第6実施例に用いる第2基板41及
び第3基板51の形状は、先に図20で説明した第3実
施例に用いる第2基板(スタンプ基板)21及び第3基
板(スタンプ基板)31に対して各凹凸部の寸法関係が
逆になっているものである。
【0186】図41(a),(b)は本発明に係る第6
実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
及び有機エレクトロルミネッセンス素子において、第2
基板(スタンプ基板)及び第3基板(スタンプ基板)を
説明するために模式的に示した図である。
【0187】第6実施例の有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素
子では、図41(a),(b)に示したような第2基板
41及び第3基板51を、先に図1(a),(b)を用
いて説明した第1基板11上に載置するためのスタンプ
基板として予め2種類用意している。
【0188】即ち、第2基板41は、先に第4実施例で
図28及び図29(a),(b)を用いて説明したもの
と全く同一形状であり、RGBの3画素と対応させて凸
部41a及び凹部41bを1組として、この組みを画素
電極12(図1)の列方向及び/又は行方向に沿って複
数組み繰り返して、シリコン基板などを用いてフォトリ
ソグラフィー法,エッチング法などの方法により凹凸状
に形成されている。
【0189】ここで、第2基板41に形成した各凸部4
1aの幅は、第1基板11上の1個の画素電極12の幅
と同じ幅で13μmに設定されていると共に、各凸部4
1aの高さは各凹部41bに対して10μm程度突出し
ている。また、第2基板41に形成した各凹部41bの
幅は、第1基板11上の画素電極12の幅の2個分と、
2個の画素電極12の左右の隙間とを含める寸法に形成
されており、具体的には各凹部41bの幅は{2×13
+1×3}μm=29μmに設定されている。
【0190】一方、上記した第3基板(スタンプ基板)
51は、第6実施例用として新たに形成したものであ
り、第1基板11に成膜した発光層13上に載置し且つ
所定色の発光色素をドーピングすべき発光層部位と対応
する画素電極12と略同じ面積を有する凸部51aと、
この凸部51aに隣接してへこませた凹部51bとを1
組とし、この組みを画素電極12の列方向及び/又は行
方向に沿って繰り返して、シリコン基板などを用いてフ
ォトリソグラフィー法,エッチング法などの方法により
凹凸状に形成されている。
【0191】ここで、第3基板51に形成した各凸部5
1aの幅は、第1基板11上の画素電極12の幅の2個
分を含める寸法に形成されており、具体的には各凸部5
1aの幅は{2×13+1}μm=27μmに設定され
ていると共に、各凸部51aの高さは各凹部51bに対
して10μm程度突出している。また、第3基板51に
形成した各凹部51bの幅は、第1基板11上の1個の
画素電極12の幅と、この画素電極12の左右の隙間と
を含める寸法に形成されており、具体的には各凹部51
bの幅は{13+1×2}μm=15μmに設定されて
いる。従って、1組の凸部51aと凹部51bとを合わ
せた面積を、RGB3画素に対応する3個の画素電極1
2の面積と略一致させている。
【0192】次に、第1基板(TFT基板)11と、2
種類の第2,第3基板(スタンプ基板)41,51とを
用いて、本発明に係る第6実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子を製造する方法について、図42〜図4
5を用いて工程順に説明する。
【0193】図42は第6実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法における第1工程を説明する
ための模式図、図43(a),(b)は第6実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法における第
2工程を説明するための模式図、図44(a),(b)
は第6実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法における第3工程を説明するための模式図、図4
5(a),(b)は第6実施例の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法における第4工程を説明するた
めの模式図である。
【0194】まず、第6実施例の第1工程では、図42
に示した如く、第1基板(TFT基板)11に膜付けし
た複数の画素電極12上及び画素電極12間の第1基板
11上に、青色発光色素Bcを予め分散させた発光層1
3をスピンコート法などにより100nm程度の厚みに
塗布して一様に成膜し、その後、十分に乾燥させてい
る。この際、青色発光色素Bcは青色蛍光性色素材料又
は青色燐光性色素材料又を用いている。
【0195】次に、第6実施例の第2工程では、図43
(a),(b)に示した如く、R用第2基板41に形成
した各凸部41a上及び各凹部41b上に赤色発光色素
Rcを、また、G用第3基板51に形成した各凸部51
a上及び各凹部51b上に緑色発光色素Gcを真空蒸着
法や、スピンコート法,ディップコート法,インクジェ
ット法などのウェットプロセスなどの方法により20n
m程度それぞれ成膜する。ここでも、各色の発光色素R
c,Gcは、蛍光性色素材料及び/又は燐光性色素材料
を適宜用いている。
【0196】上記した第6実施例の第2工程でも、ウェ
ットプロセスを用いて成膜する場合に、第4実施例と略
同様に、R用の第2基板41及びG用の第3基板51へ
の前処理として、図6(a)に示した如くの親水処理S
を施せば、第2,第3基板41,51の各凹部41b内
及び各凹部51b内の左右の垂直な壁(=各凸部41a
及び各凸部51aの両側の壁)の表面が凹凸状にあらさ
れないので各凹部41b内及び各凹部51b内の左右の
垂直な壁(=各凸部41a及び各凸部51aの両側の
壁)の表面に余分な各発光色素Rc,Gcの粒子が付着
しないですむ。
【0197】次に、第6実施例の第3工程では、図44
(a),(b)に示した如く、R用第2基板41の各凸
部41a上にそれぞれ成膜した赤色発光色素Rcと、G
用の第3基板51の各凸部51a上にそれぞれ成膜した
緑色発光色素Gcとを、第1基板11上に成膜した発光
層13+青色発光色素Bc中にそれぞれ順にドーピング
(拡散)させているので、第3実施例で説明したような
各凸部上にそれぞれ成膜した各色の発光色素Rc,Gc
を取り除く工程はなくなる。この第6実施例でも、ドー
ピングさせる順番は限定されていない。
【0198】ここで、第2基板41に形成した各凸部4
1aの幅は、前述したように第1基板11上の1個の画
素電極12の幅と同寸法に形成されているので、各1個
の画素電極12と対応する部位の発光層13+青色発光
色素Bc中に赤色発光色素Rcをドーピングできるもの
である。また、第3基板51に形成した各凸部51aの
幅は、前述したように第1基板11上の2画素分の幅に
形成されているので、各2個の画素電極12と対応する
部位の発光層13+青色発光色素Bc中に緑色発光色素
Gcをドーピングできるものである。
【0199】即ち、図44(a)に示したように、第1
基板11上に成膜した発光層13+青色発光色素Bc上
に、緑色発光色素Gcを各凸部51a上及び各凹部51
b上に成膜したB用の第3基板51を載置する際に、第
3基板51に形成した各凸部51aは2画素分の幅で形
成されているので、各凸部51bを第1基板11上の各
2個の画素電極に対向させ、且つ、各凸部51bを3画
素間隔で位置合わせして載置する。この時、第3基板5
1の各凸部51a上に成膜した緑色発光色素Gcはドー
ピングすべき発光層13+青色発光色素Bc上に接触し
ている。一方、第3基板51の各凹部51b上に成膜し
た緑色発光色素Gcは発光層13+青色発光色素Bc上
から10μm程度離れており、この第6実施例では下記
するように加熱炉(オーブン)の温度管理により各凹部
51b上に成膜した緑色発光色素Gcを発光層13+青
色発光色素Bc中にドーピングさせていない。
【0200】そして、第1基板11上に第3基板51を
重ね合わせた状態で最適な温度雰囲気の加熱炉(オーブ
ン)内に挿入して、両基板11,51を所定の時間に亘
って加熱する。この加熱期間に、G用の第3基板41の
各凸部51a上に成膜した緑色発光色素Gcはこの位置
で発光層13+青色発光色素Bc中に溶け込み分散する
ので、第3実施例で説明したような青色から緑色へのエ
ネルギー移動によりG発光が可能になる。ここで、加熱
炉の温度を最適な温度より高く設定してしまうと、G用
の第3基板51の各凹部51b上に成膜した緑色発光色
素Gcが蒸発して発光層13上に到達してドーピングさ
せたくない部位の発光層13+青色発光色素Bc中に分
散してしまうので、各凹部51b上に成膜した緑色発光
色素Gcが発光層13+青色発光色素Bc中に分散しな
いように加熱炉の温度管理が重要である。この場合、加
熱炉の最適な加熱条件は、緑色発光色素Gcとして緑色
蛍光性色素材料のうちで例えばクマリン6を用いた場合
に、各凸部51a上に成膜した緑色発光色素Gcは発光
層13+青色発光色素Bc中にドーピングでき且つ各凹
部51b上に成膜した緑色発光色素Gcが発光層13+
青色発光色素Bc上に到達できない温度120°Cであ
り、加熱時間は10分程度である。また、緑色発光色素
Gcとして緑色燐光性色素材料のうちで例えばIr(p
py)を用いた場合に、加熱温度は155°Cであ
り、加熱時間は10分程である。
【0201】次に、緑色発光色素Gcの発光層13+青
色発光色素Bcへのドーピングが終了したら、G用の第
3基板51を第1基板11上から取り外して、図44
(b)に示したように、R用の第2基板41を、第1基
板11に成膜した発光層13+青色発光色素Bc+緑色
発光色素Gc上に載置する。この場合には、第2基板4
1の各凸部41a上に成膜した赤色発光色素Rcが緑色
発光色素Gcをドーピングした2個の画素電極12のう
ちのいずれか1個の画素電極12と対向するように位置
合わせすると、各凸部41a上に成膜した赤色発光色素
Rcに対して最適な温度雰囲気の加熱炉中で上記の如く
に対応した画素電極12上の発光層13+青色発光色素
Bc+緑色発光色素Gcの部位のみに赤色発光色素Rc
がドーピングされて、第3実施例で説明したような青色
から緑色を経て赤色へのエネルギー移動によりR発光が
可能になる。この工程でも、R用の第2基板41の各凹
部41b上に成膜した赤色発光色素Rcを発光層13+
青色発光色素Bc中にドーピングさせていない。この場
合、加熱炉の最適な加熱条件は、赤色発光色素Rcとし
て赤色蛍光性色素材料のうちで例えばDCJTを用いた
場合に、各凸部51a上に成膜した赤色発光色素Rcは
発光層13+青色発光色素Bc中にドーピングでき且つ
各凹部51b上に成膜した赤色発光色素Rcが発光層1
3+青色発光色素Bc上に到達できない温度120°C
であり、加熱時間は10分程度である。また、赤色発光
色素Rcとして赤色燐光性色素材料のうちで例えばPt
OEPを用いた場合に、加熱温度は165°Cであり、
加熱時間は10分程である。
【0202】次に、第6実施例の第4工程では、図45
(a),(b)に示した如く、第1基板11上に成膜し
た発光層13+青色発光色素Bc中に、緑色発光色素G
c,赤色発光色素Rcをそれぞれ上記順にドーピングし
た後に、青色発光色素Bcを予め分散させた発光層13
上に陰極となる共通電極(対向電極)14を複数の画素
電極12と対向させて成膜することで、本発明に係る第
6実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子EL5A
が得られる。この際、有機エレクトロルミネッセンス素
子EL5Aは、先に説明した図25(a),(b)の第
3実施例と同じ構造形態であり、任意のピクセルの発光
を透明な第1基板11の下面側から取り出す構造形態、
又は、任意のピクセルの発光を第1基板11の上面側と
なる透明な共通電極14側から取り出す構造形態のいず
れかを得ている。
【0203】ここで、上記した本発明に係る第6実施例
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有
機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変形例
について、図46を用いて簡略に説明する。
【0204】図46は本発明に係る第6実施例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレク
トロルミネッセンス素子を一部変形した変形例を説明す
るための図である。
【0205】図46に示した如く、本発明に係る第6実
施例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及
び有機エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した変
形例では、先に説明した図26の第3実施例における第
1変形例と同じ構造形態であり、第1基板11に膜付け
した画素電極12と発光層13との間に正孔注入層1
5,正孔輸送層16を成膜し、且つ、発光層13と共通
電極14との間に電子輸送層17,電子注入層18を成
膜することで、発光効率をより向上させることができる
変形例の有機エレクトロルミネッセンス素子EL6Bを
得ている。
【0206】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係る有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロル
ミネッセンス素子において、請求項1記載によると、と
くに、第1基板の発光層上に第2基板の各凸部を載置す
ると共に、第2基板の各凹部を所定色の発光色素をドー
ピングすべき各発光層部位を介してこれと対応する各画
素電極と対向させて、両基板同士を重ね合わせた状態で
加熱炉に挿入し、且つ、加熱炉中で両基板を所定の温度
で加熱し、各凹部上に成膜した所定色の発光色素をドー
ピングすべき各発光層部位中に拡散させているので、例
えば、所定色の発光色素として、赤色発光色素,緑色発
光色素,青色発光色素を用いた場合に、各色の発光色素
による発光を良好に行うことができる。
【0207】また、請求項2記載によると、とくに、第
1基板の発光層上で第2基板の各凸部を所定色の発光色
素をドーピングすべき各発光層部位を介してこれと対応
する各画素電極と対向させて載置して、両基板同士を重
ね合わせた状態で加熱炉に挿入し、且つ、加熱炉中で両
基板を所定の温度で加熱して、各凸部上に成膜した所定
色の発光色素のみをドーピングすべき各発光層部位中に
拡散させているので、上記と同様に、例えば、所定色の
発光色素として、赤色発光色素,緑色発光色素,青色発
光色素を用いた場合に、各色の発光色素による発光を良
好に行うことができる。
【0208】また、請求項3記載によると、請求項1又
は請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法において、とくに、第1基板に膜付けした発光
層の発光波長が、第2基板に膜付けした前記所定色の発
光色素の発光波長よりも短波長であるため、発光層中に
ドーピングした所定色の発光色素による良好な発光が得
られる。
【0209】また、請求項4記載によると、請求項1又
は請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法において、とくに、第1基板に膜付けする発光
層中に、第2基板に成膜する所定色の発光色素の発光波
長よりも短波長で発光する発光色素を予め分散させたた
め、短波長で発光する発光色素を成膜するための第2基
板を用意しないですむ。
【0210】また、請求項5記載によると、請求項1〜
請求項4のうちいずれか1項記載の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法において、とくに、所定色の
蛍光性色素材料を用いた場合には所定色の発光色素の製
造コストが安価になり、また、所定色の燐光性色素材料
を用いた場合には所定色の発光色素の発光性能が良好と
なる。
【0211】また、請求項6記載によると、請求項1〜
請求項5のうちいずれか1項記載の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法において、とくに、第2基板
を複数色に対応して複数用意し、且つ、各第2基板ごと
に成膜する発光色素の色を変えて複数色の発光色素をそ
れぞれの第2基板に成膜する際、複数色の発光色素は、
全ての色に対して蛍光性色素材料のみを用いるか、又
は、全ての色に対して燐光性色素材料のみを用いるか、
もしくは、各色ごとに蛍光性色素材料,燐光性色素材料
を選択して用いているので、複数色の発光色素は用いる
色素材料によって上記した請求項5記載と略同じ効果が
得られる。
【0212】また、請求項7記載によると、請求項1又
は請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法において、とくに、赤色発光色素と、緑色発光
色素と、青色発光色素とを第1基板に膜付けした発光層
にドーピングすることでRGB3色のカラー化が可能と
なる。
【0213】また、請求項8記載によると、請求項1又
は請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法において、とくに、第1基板に青色発光色素を
予め分散させて発光層を膜付けしているので、青色発光
色素を成膜するための第2基板を用意しないですむと共
に、G用の第2基板に成膜した緑色発光色素と、RG用
の第2基板に成膜した赤色発光色素+緑色発光色素とを
第1基板に青色発光色素を予め分散させて膜付けした発
光層にドーピングしているので、RGB3色のカラー化
が可能となる。
【0214】また、請求項9記載によると、請求項1又
は請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法において、とくに、第2工程で第2基板に形成
した各凸部上及び各凹部上に所定色の発光色素を成膜す
る前に、第2基板中で第1基板に成膜した発光層と対向
する面に親水処理を施しているので、各凹部内の左右の
垂直な壁に余分な所定色の発光色素が付着しにくくな
る。
【0215】また、請求項10記載によると、請求項1
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
おいて、とくに、第2工程で第2基板に形成した各凸部
上及び各凹部上に所定色の発光色素を成膜する前に、第
2基板中で第1基板に成膜した発光層と対向する面に撥
水処理を施しているので、各凸部上に成膜した不必要な
所定色の発光色素を第3工程で容易に除去することがで
きる。
【0216】また、請求項11記載によると、請求項1
記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
おいて、とくに、第2工程で第2基板に形成した各凸部
上及び各凹部上に所定色の発光色素を成膜する前に、第
2基板中で第1基板に成膜した発光層と対向する面に付
着力がきわめて弱い金属を成膜しているので、各凸部上
に成膜した不必要な所定色の発光色素を第3工程で容易
に除去することができる。
【0217】また、請求項12記載によると、請求項1
〜請求項11のいずれか1項記載の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法を用いて製造した有機エレク
トロルミネッセンス素子は、所定色の発光性能が良好で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明に係る第1〜第6実施
例の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び
有機エレクトロルミネッセンス素子において、第1〜第
6実施例で共通に用いられる第1基板(TFT基板)を
説明するための平面図,正面図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッ
センス素子において、第2基板(スタンプ基板)を説明
するために模式的に示した図である。
【図3】図2に示した第2基板(スタンプ基板)を平面
的に示した平面図であり、(a)はストライプ状に形成
した場合を示し、(b)は千鳥状に形成した場合を示し
た図である。
【図4】第1実施例の有機エレクトロルミネッセンス素
子の製造方法における第1工程を説明するための模式図
である。
【図5】(a)〜(c)は第1実施例の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法における第2工程を説明
するための模式図である。
【図6】(a)〜(c)は第1実施例の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法における第2工程での前
処理を説明するための図である。
【図7】(a),(b)は第1実施例の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法における第3工程を説明
するための模式図である。
【図8】(a)〜(c)は第1実施例の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法における第4工程を説明
するための模式図である。
【図9】(a),(b)は第1実施例の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法における第5工程を説明
するための模式図である。
【図10】本発明に係る第1実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した第1変形例を説明するため
の図である。
【図11】本発明に係る第1実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した第2変形例を説明するため
の図である。
【図12】(a),(b)は本発明に係る第1実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した第3変形
例を説明するための図である。
【図13】第2実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法における第1工程を説明するための模式
図である。
【図14】(a),(b)は第2実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第2工程を説
明するための模式図である。
【図15】(a),(b)は第2実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第3工程を説
明するための模式図である。
【図16】(a),(b)は第2実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第4工程を説
明するための模式図である。
【図17】(a),(b)は第2実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第5工程を説
明するための模式図である。
【図18】本発明に係る第2実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した第1変形例を説明するため
の図である。
【図19】本発明に係る第2実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した第2変形例を説明するため
の図である。
【図20】(a),(b)は本発明に係る第3実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子において、第2基板(ス
タンプ基板)及び第3基板(スタンプ基板)を説明する
ために模式的に示した図である。
【図21】第3実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法における第1工程を説明するための模式
図である。
【図22】(a),(b)は第3実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第2工程を説
明するための模式図である。
【図23】(a),(b)は第3実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第3工程を説
明するための模式図である。
【図24】(a),(b)は第3実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第4工程を説
明するための模式図である。
【図25】(a),(b)は第3実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第5工程を説
明するための模式図である。
【図26】本発明に係る第3実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した第1変形例を説明するため
の図である。
【図27】本発明に係る第3実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した第2変形例を説明するため
の図である。
【図28】本発明に係る第4実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子において、第2基板(スタンプ基板)を説
明するために模式的に示した図である。
【図29】図28に示した第2基板(スタンプ基板)を
平面的に示した平面図であり、(a)はストライプ状に
形成した場合を示し、(b)は千鳥状に形成した場合を
示した図である。
【図30】第4実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法における第1工程を説明するための模式
図である。
【図31】(a)〜(c)は第4実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第2工程を説
明するための模式図である。
【図32】(a)〜(c)は第4実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第3工程を説
明するための模式図である。
【図33】(a),(b)は第4実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第4工程を説
明するための模式図である。
【図34】本発明に係る第4実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した第1変形例を説明するため
の図である。
【図35】(a),(b)は本発明に係る第4実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子を一部変形した第2変形
例を説明するための図である。
【図36】第5実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法における第1工程を説明するための模式
図である。
【図37】(a),(b)は第5実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第2工程を説
明するための模式図である。
【図38】(a),(b)は第5実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第3工程を説
明するための模式図である。
【図39】(a),(b)は第5実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第4工程を説
明するための模式図である。
【図40】本発明に係る第5実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した変形例を説明するための図
である。
【図41】(a),(b)は本発明に係る第6実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機
エレクトロルミネッセンス素子において、第2基板(ス
タンプ基板)及び第3基板(スタンプ基板)を説明する
ために模式的に示した図である。
【図42】第6実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子の製造方法における第1工程を説明するための模式
図である。
【図43】(a),(b)は第6実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第2工程を説
明するための模式図である。
【図44】(a),(b)は第6実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第3工程を説
明するための模式図である。
【図45】(a),(b)は第6実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法における第4工程を説
明するための模式図である。
【図46】本発明に係る第6実施例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を一部変形した変形例を説明するための図
である。
【図47】(a)〜(c)は従来のカラー有機ELディ
スプレイとその製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
11…第1基板(TFT基板)、12…画素電極、13
…発光層、21…第2基板(スタンプ基板)、21a…
凸部、21b…凹部、31…第3基板(スタンプ基
板)、31a…凸部、31b…凹部、41…第2基板
(スタンプ基板)、41a…凸部、41b…凹部、51
…第3基板(スタンプ基板)、51a…凸部、51b…
凹部、Rc…赤色発光色素、Gc…緑色発光色素、Bc
…青色発光色素、EL1A…第1実施例の有機エレクト
ロルミネッセンス素子、EL1B…第1実施例の第1変
形例の有機エレクトロルミネッセンス素子、EL1C…
第1実施例の第2変形例の有機エレクトロルミネッセン
ス素子、EL1D…第1実施例の第3変形例の有機エレ
クトロルミネッセンス素子、EL2A…第2実施例の有
機エレクトロルミネッセンス素子、EL2B…第2実施
例の第1変形例の有機エレクトロルミネッセンス素子、
EL2C…第2実施例の第2変形例の有機エレクトロル
ミネッセンス素子、EL3A…第3実施例の有機エレク
トロルミネッセンス素子、EL3B…第3実施例の第1
変形例の有機エレクトロルミネッセンス素子、EL3C
…第3実施例の第2変形例の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子、EL4A…第4実施例の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子、EL4B…第4実施例の第1変形例の
有機エレクトロルミネッセンス素子、EL4C…第4実
施例の第2変形例の有機エレクトロルミネッセンス素
子、EL5A…第5実施例の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子、EL5B…第5実施例の第1変形例の有機エ
レクトロルミネッセンス素子、EL6A…第6実施例の
有機エレクトロルミネッセンス素子、EL6B…第6実
施例の第1変形例の有機エレクトロルミネッセンス素
子、S…親水処理、H…撥水処理、Au,Ag…金,銀
などの金属。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1基板に膜付けした複数の画素電極上
    に発光層を一様に成膜する第1工程と、 前記第1基板の前記発光層上に載置するための凸部と、
    この凸部に隣接してへこませ且つ所定色の発光色素をド
    ーピングすべき発光層部位に対応する前記画素電極と略
    同じ面積を有する凹部とを1組とし、この組みを前記画
    素電極の列方向及び/又は行方向に沿って繰り返して形
    成した第2基板を用い、この第2基板に形成した各凸部
    上及び各凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する第2
    工程と、 前記第2基板の前記各凸部上に成膜した前記所定色の発
    光色素のみを除去する第3工程と、 前記第1基板の前記発光層上に前記第2基板の前記各凸
    部を載置すると共に、前記第2基板の前記各凹部を前記
    所定色の発光色素をドーピングすべき各発光層部位を介
    してこれと対応する各画素電極と対向させて、両基板同
    士を重ね合わせた状態で前記各凹部上に成膜した前記所
    定色の発光色素を所定の温度で加熱して、前記各凹部上
    に成膜した前記所定色の発光色素を前記ドーピングすべ
    き各発光層部位中に拡散させる第4工程と、 前記所定色の発光色素をドーピングした後に、前記画素
    電極に対向した対向電極を前記発光層上に成膜する第5
    工程とからなることを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1基板に膜付けした複数の画素電極上
    に発光層を一様に成膜する第1工程と、 前記第1基板の前記発光層上に載置し且つ所定色の発光
    色素をドーピングすべき発光層部位に対応する前記画素
    電極と略同じ面積を有する凸部と、この凸部に隣接して
    へこませた凹部とを1組とし、この組みを前記画素電極
    の列方向及び/又は行方向に沿って繰り返して形成した
    第2基板を用い、この第2基板に形成した各凸部上及び
    各凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する第2工程
    と、 前記第1基板の前記発光層上で前記第2基板の前記各凸
    部を前記所定色の発光色素をドーピングすべき各発光層
    部位を介してこれと対応する各画素電極と対向させて載
    置し、両基板同士を重ね合わせた状態で前記各凸部上及
    び前記各凹部上に成膜した前記所定色の発光色素を所定
    の温度で加熱して、前記各凸部上に成膜した前記所定色
    の発光色素のみを前記ドーピングすべき各発光層部位中
    に拡散させる第3工程と、 前記所定色の発光色素をドーピングした後に、前記画素
    電極に対向した対向電極を前記発光層上に成膜する第4
    工程とからなることを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法において、 前記第2基板に膜付けした前記所定色の発光色素の発光
    波長よりも短波長である前記発光層を前記第1基板に膜
    付けしたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
    ス素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法において、 前記第1基板に膜付けする前記発光層中に、前記第2基
    板に成膜する前記所定色の発光色素の発光波長よりも短
    波長で発光する発光色素を予め分散させたことを特徴と
    する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のうちいずれか1項
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
    おいて、 前記所定色の発光色素は、所定色の蛍光性色素材料又は
    所定色の燐光性色素材料を用いたことを特徴とする有機
    エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のうちいずれか1項
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に
    おいて、 前記第2基板を複数色に対応して複数用意し、且つ、各
    第2基板ごとに成膜する発光色素の色を変えて前記複数
    色の発光色素をそれぞれの前記第2基板に成膜する際、
    前記複数色の発光色素は、全ての色に対して蛍光性色素
    材料のみを用いるか、又は、全ての色に対して燐光性色
    素材料のみを用いるか、もしくは、各色ごとに蛍光性色
    素材料,燐光性色素材料を選択して用いることを特徴と
    する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法において、 前記第2基板としてR用,G用,B用を3種類用意し、
    且つ、R用の前記第2基板に成膜した赤色発光色素と、
    G用の前記第2基板に成膜した緑色発光色素と、B用の
    前記第2基板に成膜した青色発光色素とを、前記第1基
    板に膜付けした前記発光層上でR,G,B用の画素電極
    部位にそれぞれドーピングすることを特徴とする有機エ
    レクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1又は請求項2記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法において、 前記第1基板に膜付けする前記発光層中に青色発光色素
    を予め分散させると共に、前記第2基板としてG用,R
    G用を2種類用意し、且つ、G用の前記第2基板に成膜
    した緑色発光色素と、RG用の前記第2基板に成膜した
    赤色発光色素+緑色発光色素とを、前記第1基板に前記
    青色発光色素を予め分散させて膜付けした前記発光層上
    でR,G用の画素電極部位にそれぞれドーピングすると
    共に、B用の画素電極部位は前記発光層中の前記青色発
    光色素を対応させることを特徴とする有機エレクトロル
    ミネッセンス素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1又は請求項2記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子の製造方法において、 前記第2工程で前記第2基板に形成した各凸部上及び各
    凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する前に、前記第
    2基板中で前記第1基板に成膜した前記発光層と対向す
    る面に親水処理を施すことを特徴とする有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子の製造方法において、 前記第2工程で前記第2基板に形成した各凸部上及び各
    凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する前に、前記第
    2基板中で前記第1基板に成膜した前記発光層と対向す
    る面に撥水処理を施すことを特徴とする有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子の製造方法において、 前記第2工程で前記第2基板に形成した各凸部上及び各
    凹部上に前記所定色の発光色素を成膜する前に、前記第
    2基板中で前記第1基板に成膜した前記発光層と対向す
    る面に付着力がきわめて弱い金属を成膜することを特徴
    とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項11のうちいずれか
    1項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
    法を用いて製造したことを特徴とする有機エレクトロル
    ミネッセンス素子。
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