JP2003254857A - 光心線対照器 - Google Patents

光心線対照器

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JP2003254857A JP2002055443A JP2002055443A JP2003254857A JP 2003254857 A JP2003254857 A JP 2003254857A JP 2002055443 A JP2002055443 A JP 2002055443A JP 2002055443 A JP2002055443 A JP 2002055443A JP 2003254857 A JP2003254857 A JP 2003254857A
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郁昭 田中
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正裕 在間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ損失を低減しつつ、光ファイバから漏れ
る対照光を効率良く放射させる。 【解決手段】 凸部材1aと凹部材1bとで光ファイバ
6を挟んで曲げ、曲がった光ファイバ6から放射される
対照光を受光器2にて受光して心線対照を行なう。注入
管3及び注入器4により、光ファイバ被覆と同程度の屈
折率を持つゲル状の屈折率整合剤5を、漏れ出る対照光
の光経路の中に位置させる状態にして、光ファイバ1の
被覆に塗布する。したがって、漏れた対照光は、屈折率
整合剤5を通って効率的に放射され、大量の対照光が受
光器2に向かって進む。このため、Lバンドサービスに
おいても、伝送品質に影響のない心線対照ができ、信頼
性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバケーブル
網の建設・保守に使用される光心線対照器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信網を建設・保守するにあ
たり、マンホール内(クロージャ)や構内(キャビネッ
ト)の光ファイバを作業現場で特定する必要性がある。
即ち、光ファイバ通信網の建設・保守を行なう際には、
複数の光ファイバの中から作業を行なう1本の光ファイ
バを選択して特定する必要がある。この作業を心線対照
とよび、通常は図3に示すような方法で実施している。
即ち、対照を必要とする光ファイバ6の上部側に設置し
た心線対照光源7から光カプラやビームスプリッタ等の
光分岐結合器8を介して心線対照光(以後、対照光とよ
ぶ)を入射する。光ファイバ6の下部側では、曲げ部
1”を用いて光ファイバ6に曲げを加えながら対照光を
光ファイバ6の側面から放射させ、これを受光器2で検
出する。なお曲げ部1”は、図4に示すように、凸部材
1a”、凹部材1b”、受光器2により構成されてい
る。
【0003】この方法をサービス心線に適用する場合、
通信品質を劣化させずに対照しなければならないため、
長波長側の光ほど漏洩しやすいという特徴を利用して、
現在は通信波長1.31/1.55μmに対して、それ
らより長波長側の1.6μm帯を対照光として使用して
いる。このような技術の詳細は「特開平6−22195
8」にも開示されている。
【0004】今日、中継系は元よりアクセス系において
もまた、サービスの高度化に伴って大容量の情報を安価
に提供するため、1本の光ファイバに数十波を波長多重
した光通信方式が検討されている。この方式では通常L
バンド(1.565〜1.625μm)が通信波長とし
て用いられているため、曲率半径が小さく(10m
m)、曲げ長も長い従来の心線対照器(曲げ部1”)
や、前述した特開平6−221958の心線対照器で
は、通信波長が1.6μm帯になると大きな曲げ損失を
引き起こす欠点があり、ひいては伝送特性を劣化させる
恐れがあった。
【0005】また、この欠点を補うため、従来の心線対
照器(曲げ部1”)の曲率半径を大きくしたり、曲げ長
を短くして曲げ損失を低減することも考えられるが、一
方で対照光の放射パワーも弱くしてしまうため、心線対
照光源7から遠く離れた作業現場では確実に心線対照が
できないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Lバ
ンドを用いた通信サービスに従来の心線対照器(曲げ部
1”)を用いると曲げ損失が大きくなり、ひいては伝送
品質を劣化させる恐れがあるため、サービス心線の心線
対照ができないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、光ファイバ曲げ部分から
の対照光を効率よく放射させ、受光器への対照光パワー
を増加させることによって、曲げ部の曲率半径を大きく
したり、あるいは曲げ長を短くしてLバンド通信光の曲
げ損失を小さくする心線対照器を提供することにある。
これによって、Lバンド通信光を用いたサービスにおい
ても伝送品質を劣化させることなく心線対照が可能とな
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成する本
発明の構成は、心線対照光を送信する光源と、光ファイ
バを曲げる曲げ部と、前記曲げ部より漏れた光を受光す
る受光器より構成され、光ファイバの片端から前記心線
対照光を入射し、前記曲げ部によって曲げられた光ファ
イバの側面から放射される心線対照光を前記受光器で検
知することにより心線を特定する光心線対照器におい
て、前記曲げ部は、光ファイバを弧状に曲げるための凸
部材と、前記凸部材に沿って曲げられた光ファイバを前
記凸部材との間で挟んで保持するための凹部材とから構
成されるものであって、前記凹部材には、前記光ファイ
バの被覆と同程度の屈折率を有するゲル状の屈折率整合
剤を、前記光ファイバの側面から放射されて前記受光器
に向かう心線対照光の光経路の中に位置させた状態で前
記光ファイバの被覆に塗布するための注入器および注入
管を有すると共に、前記注入管の出口付近には、塗布さ
れた前記屈折率整合剤がその粘性により塊をもつ程度の
隙間を備えたことを特徴とする。
【0009】また本発明の構成は、心線対照光を送信す
る光源と、光ファイバを曲げる曲げ部と、前記曲げ部よ
り漏れた光を受光する受光器より構成され、光ファイバ
の片端から前記心線対照光を入射し、前記曲げ部によっ
て曲げられた光ファイバの側面から放射される心線対照
光を前記受光器で検知することにより心線を特定する光
心線対照器において、前記曲げ部は、光ファイバを弧状
に曲げるための凸部材と、前記凸部材に沿って曲げられ
た光ファイバを前記凸部材との間で挟んで保持するため
の凹部材とから構成されるものであって、前記凹部材
は、その全体もしくは前記受光器近くの一部が光ファイ
バの被覆と同程度の屈折率を有する前記被覆に密着する
弾力性のあるプラスチックや合成樹脂であり、前記凹部
材の受光器側の端面は凹凸がなく、かつ、その端面付近
で曲げられた光ファイバの接線に対して74°〜76°
の角度を有することを特徴とする。
【0010】<発明の原理説明>以下に、本発明におい
て、請求項2の曲げ部1’に記載する数値(74°〜7
6°)の根拠について説明する。
【0011】図5は、光ファイバを伝搬する対照光が曲
げにより各層の境界面で透過と反射される様子を幾何光
学的に示したものである。直線領域のコア内を伝搬モー
ド(反射角θ0 )で反射してきた対照光は、曲げにより
コア、クラッド、被覆及び空気層で形成される各境界面
(点A、点B、点C)で臨界角を超えるとその一部がコ
アからクラッドへ、クラッドから被覆へ、被覆から空気
層へと透過され最終的に受光器で検出される。
【0012】いま、光ファイバのコア、クラッド、被覆
および空気の屈折率を各々n1 ,n 2 ,n3 ,n4 、コ
ア、クラッド、被覆の外径を2x1 ,2x2 ,2x3
曲げ半径をρ、また、点A〜Cでの入射角、屈折率を各
々φ1 ,φ2 ,φ3 、ξ1 ,ξ2 ,ξ3 、曲がり始めて
から点Aまで、点Aから点Bまで、点Bから点Cまでの
各方向変化をδ1 ,δ2 ,δ3 とすると、曲げ半径ρに
対する各点での透過率Ti と反射率Ri は式(1)〜
(2)で表わすことができる(詳細は、例えば小嶋著:
光波光学、コロナ社、P29〜42を参照されたい)。
但し、対照光の電界が入射面に垂直であると仮定する。
【0013】
【数1】
【0014】ここで、幾何学的な計算からφ1 =(π/
2−θ0 )−δ1 、φi =ξi −1−δi (i=2,
3)であり、δ1 ,δi (i=2,3)は曲げ半径ρの
関数として式(3)と式(4)で表される。
【0015】
【数2】
【0016】また、屈折の法則よりξi は式(5)で与
えられる。
【0017】
【数3】
【0018】ここで、添字i(1〜3)は点A〜Cに対
応しており、式(1)〜(5)を用いてクラッドと被覆
(i=2)、及び被覆と空気層(i=3)における曲げ
半径ρに対する透過率Ti と反射率Ri との計算例を図
9に示す。破線は点B、実線は点Cでの透過率Ti と反
射率Ri であり、コア内の対照光パワーで規格化されて
いる。計算ではθ0 =4.31°、n1 =1.465、
2 =1.46、n3=1.5、n4 =1.0、また、
2x1 =7.5μm、2x2 =125μm、2x3 =4
00μmとした。
【0019】図9より半径10mmの曲げの場合、対照
光は被覆側へ数%程度透過しているが(破線)、点Cで
は全反射となるため空気層には放射されない(実線)こ
とが分かる。対照光が空気層へ放射するのは、300μ
mより小さな曲げの場合であるが、実際にはそのような
曲げ半径は困難であることから、曲げ部で検出する放射
光は被覆表面の粗さ(小さな凹凸)やミクロンオーダの
局所的な曲げにより臨界角を超えて放射されていると考
えられる。
【0020】そこで対照光の放射パワーを増加させるに
は、被覆と空気層の境界面での入射角φ3 を臨界角以下
にして透過させることが有効である。そのためには、ま
ず被覆と同じ屈折率(n3 =1.5)をもつ放射補助部
材11を被覆に密着させ反射を低減させながら対照光を
放射補助部材11側に透過させる。この時、この透過光
は放射補助部材11側へ直進することから(φ3
ξ3 )、密着させた曲げ部分の接線に対してφ3 だけ放
射補助部材11の端面を傾けることで空気層に対して直
角に出射できる。例えば、曲げ半径ρが13mmの場
合、式(4)と(5)よりφ3 が約74°となる。この
ようにφ3 が約74°となることと、曲げ半径は一般に
は6mm〜13mm程度であることを併せて考慮する
と、放射補助部材11の端面を曲げ半径に応じて74°
〜76°の間の任意の角度に傾けると最適である。
【0021】
【作用】本願の請求項1の発明によれば、凹部材の受光
器付近に、光ファイバの被覆と同程度の屈折率を有する
ゲル状の屈折率整合剤を塗布することにより、光ファイ
バから漏れる対照光を効率よく放射させ、受光器への対
照光パワーを増加させられるため、光ファイバ曲げ部に
おける凸部材の曲率半径を従来より拡大したり、あるい
は曲げ長を従来より短くすることができる。その結果、
Lバンド通信光の曲げ損失を従来より小さくすることが
できる。
【0022】本願の請求項2の発明によれば、凹部材の
全体もしくは受光器近くの一部が光ファイバの被覆と同
程度の屈折率を有し、前記被覆に密着するように弾力性
のあるプラスチックや合成樹脂を用い、かつ、前記凹部
材の受光器側の端面は凹凸がなく、かつ、その端面付近
で曲げられた光ファイバの接線に対して74°〜76°
の角度をもたせることによって光ファイバから漏れる対
照光を効率よく放射させ、受光器への対照光パワーを増
加させられる。その結果、請求項1と同様に光ファイバ
曲げ部における凸部材の曲率半径を従来より拡大した
り、あるいは曲げ長を従来より短くすることができるた
め、Lバンド通信光の曲げ損失を従来より小さくするこ
とができる。
【0023】以上のように、対照光パワーの増加により
Lバンド通信光に対する曲げ損失の低減化が可能となる
ため、Lバンドを用いる波長多重通信などの伝送品質を
劣化させることなく心線対照作業が遂行できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。
【0025】<第1の実施の形態>本発明の第1の実施
の形態にかかる光心線対照器を図1により説明する。図
1は本発明における光心線対照器の曲げ部全体の正面図
であって、1は曲げ部、1aは凸部材、1bは凹部材、
2は受光器、3は注入管、4は注入器、5は屈折率整合
剤、6は光ファイバを示す。
【0026】曲げ部1は上下動自在の凸部材1aと、こ
の凸部材1aの凸面に合致するように固定された凹部材
1bと、凹部材1bの底部近傍に配置されて対照光を検
出する受光器2と、孔穴である注入管3と、屈折率整合
剤5を塗布する注入器4から構成されている。
【0027】凸部材1aは、例えば、曲げ半径が13m
m、曲げ長が予備曲げを含めて20.4mm(一様な曲
げの角度に換算すると90°)であり、光ファイバ6を
ガイドするための溝がある。凹部材1bは凸部材1aと
ほぼ合致する形状であり、注入管3の出口付近は屈折率
整合剤5を塗布し、その粘性により塊を形成させるため
に1〜2mm程度の隙間(凹部材1bと光ファイバ6と
の間の隙間)を備えている。
【0028】屈折率整合剤5は、光ファイバ6の被覆の
屈折率(1.5)と同一の屈折率乃至同程度の屈折率
(1.4〜1.6)を持つゲル状部材である。そして屈
折率整合剤5は受光器2の付近で、しかも、光ファイバ
6の側面から放射されて受光器2に向かう対照光の経路
の中に位置するように光ファイバ6の被覆に塗布するの
が効果的である。そのため、凹部材1bのエッジD,E
に約1mmの注入管3の出口を設けている。尚、屈折率
整合剤5を塗布するための注入器4は市販されている注
射器タイプのものを用いると便利である。受光器2はそ
の受光面が光ファイバ6の接線方向とほぼ平行になる角
度で凸部材1aの底部近傍に設置している。
【0029】次に、上述した曲げ部1の動作について説
明する。x軸の正方向(紙面の左から右)へ対照光が送
信されている光ファイバ6をy軸方向に上下動自在の凸
部材1aで凹部材1b側に押し付けて所定量の曲げを形
成する。そして、注入器4から注入管3を介して屈折率
整合剤5を送り出し、屈折率整合剤5を光ファイバ6の
被覆に少量(米粒の半分程度)塗布する。これによっ
て、光ファイバ6の被覆表面に漏洩している対照光が、
屈折率整合剤5の表面を介して空気中に放射しやすくな
り、結果として受光器2への対照光パワーが増加するこ
とになる。
【0030】本発明の第1の実施の形態である曲げ部1
と従来の曲げ部1”との性能を比較するため、曲げ損失
と結合損失とをそれらの等価モデルを用いて各々測定し
た。図6は曲げ部1を等価的に再現するため、半径13
mmの円筒9に曲げ長が20.4mm(一様な曲げの角
度に換算すると90°)になるように光ファイバ6を固
定し、受光器2を円筒9の中心に光ファイバ6の接線方
向とほぼ平行になるように設置した。また、屈折率整合
剤5は受光器2付近に米粒の半分ほどを塗布した。尚、
塗布した屈折率整合剤5と受光器2との間隔は約9mm
である。
【0031】一方、図8は従来の曲げ部1”を等価的に
再現したものであり、半径10mmの円筒9’に曲げ長
が3.1mm(一様な曲げ角度に換算すると180°)
になるように光ファイバ6を固定し、受光器2を円筒
9’の中心に光ファイバ6の接線方向とほぼ平行になる
ように設置した。測定波長には1.65μmの光を用
い、常温においてモードフィールド径が約9.2μm、
被覆の外径が0.4mm程度のSMファイバを用いた。
【0032】曲げ損失は、光ファイバ6が直線状態での
受光パワー(P1)から曲げ部1もしくは曲げ部1”で
光ファイバ6を曲げた時の受光パワー(P2)を差し引
いて求められる(P1−P2)。インサービスの心線対
照では、この曲げ損失(P1−P2)が小さければ小さ
いほど好ましいが、一般的にコネクタ接続程度の損失
(約0.5dB以下)であれば伝送品質の低下にはなら
ないと考えられる。
【0033】一方、結合損失は、光ファイバ6が直線状
態での受光パワー(P1)から曲げ部1もしくは曲げ部
1”で光ファイバ6を曲げ、受光器2で検出される放射
光パワー(P3)を差し引いて求められる(P1−P
3)。この結合損失は光ファイバ内から放射される対照
光が受光器2で検出される効率を表わしている。
【0034】図6と図8に示す測定系を用いて、曲げ部
1と曲げ部1”における曲げ損失、および結合損失の測
定結果を表1に示す。尚、表1においては曲げ半径が1
3mmの場合の屈折率整合剤5の効果を明らかにするた
め、屈折率整合剤5がある場合とない場合との改善量に
ついても示している。曲げ部1、及び曲げ部1”と等価
的な曲げ形状を用いて10回の測定を行った結果、曲げ
部1、及び曲げ部1”の曲げ損失においては、平均で各
々約0.16dB、及び約0.35dBであった。ま
た、結合損失は平均で各々35.1dB、及び43.9
dBであり、9dB程度の改善がみられた。尚、屈折率
整合剤5の効果としては、平均で8.9dBもある。
【0035】
【表1】
【0036】以上のように、本発明の第1の実施の形態
である曲げ部1を用いることによって、Lバンドで通信
している光ファイバに対して、従来の曲げ部1”より伝
送品質に影響を与えず、かつ、確実に心線対照を行える
ことが分かる。
【0037】<第2の実施の形態>次に、第2の実施の
形態にかかる光心線対照器を図2より説明する。第2の
実施の形態では、以下に述べる点の他は、第1の実施の
形態と同様の構成、動作、作用、および効果を有する。
【0038】図2は本発明における第2の実施の形態で
あって、1’は曲げ部、1a’は凸部材、1b’は凹部
材、2は受光器、6は光ファイバを示す。
【0039】曲げ部1’は上下動自在の凸部材1a’
と、この凸部材1a’の凸面に合致するように固定され
た凹部材1b’と、凹部材1b’の底部近傍に対照光を
検出する受光器2とから構成されている。凸部材1a’
の底部として、例えば、曲げ半径が13mm、曲げ長が
20.4mm(一様な曲げ角度に換算すると90°)で
あり、光ファイバ6をガイドするための溝がある。凹部
材1b’は凸部材1a’とほぼ合致する形状であり、そ
の全体が光ファイバ6の被覆の屈折率(1.5)と同一
の屈折率乃至同程度の屈折率(1.4〜1.6)で、そ
の被覆に密着し弾力性のある合成樹脂である。
【0040】また、凹部材1b’における受光器2側の
端面は凹凸がなく、その端面付近で曲げられた光ファイ
バ6の接線に対して75°程度の角度を有している。受
光器2はその受光面が光ファイバ6の接線方向とほぼ平
行になる角度で凸部材1a’の底部近傍に設置してい
る。
【0041】次に、上述した曲げ部1’の動作について
説明する。x軸の正の方向(紙面の左から右)へ対照光
が送信されている光ファイバ6をy軸方向に上下動自在
の凸部材1a’を凹部材1b’側に押し付け、所定量の
曲げを形成する。曲げられた光ファイバ6は凹部材1
b’と密着状態にあり、光ファイバ6の被覆表面に漏洩
している対照光は、凹部材1b’を介して空気中に放射
しやすくなり、結果として受光器2に対する対照光量を
増やすことになる。その理由は[課題を解決するための
手段]の中で述べた通りである。
【0042】本発明の第2の実施の形態である曲げ部
1’と従来の曲げ部1”との性能を比較するため、曲げ
損失と結合損失とをそれらの等価モデルを用いて各々測
定した。図7は曲げ部1’を等価的に再現するため、半
径13mmの円筒9に、曲げ長を20.4mm(一様な
曲げ角度に換算すると90°)になるように光ファイバ
6を固定し、受光器2を円筒9の中心に光ファイバ6の
接線方向とほぼ平行になるように設置した。尚、図7に
ついては本発明の第1の実施の形態で説明した通りであ
る。また、測定についても本発明における第1の実施の
形態と同様に波長1.65μmの光を用い、常温におい
て同じSMファイバを使用した。
【0043】図7と図8に示す測定系と、第1の実施の
形態で定義した曲げ損失と結合損失との算出方法とを用
いて、曲げ部1’と曲げ部1”との曲げ損失と結合損失
とを各々評価し、その結果を表2に示す。本測定では、
図7と図8に示す測定系を用いて10回の測定を行っ
た。その結果、曲げ部1’、及び曲げ部1”の曲げ損失
においては、平均で各々約0.16dB、及び約0.3
5dBであった。また、結合損失は平均で各々35.1
dB、及び42.2dBであった。尚、屈折率整合剤5
の効果としては、平均で8.6dBもある。
【0044】
【表2】
【0045】以上のように、本発明の第2の実施の形態
である曲げ部1’を用いることによって、Lバンドで通
信している光ファイバに対して、従来の曲げ部1”より
伝送品質に影響を与えず、かつ、確実に心線対照を行え
ることが分かる。また、第2の実施の形態では、凹部材
1b’自体が第1の実施の形態でいうところの屈折率整
合剤5の役割を果たしており、構造が簡単で屈折率整合
剤5を注入する行程も必要ないため心線対照作業の効率
がよい。また、凹部材1b’と光ファイバ6との接触し
ている面が屈折率整合剤5を注入する方法より広いこと
から、より多くの対照光を受光器2へ放射できるという
点で有利である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、従
来の心線対照器より曲げ損失を低減しながら光ファイバ
から漏れる対照光を効率よく放射させ、受光器への光量
を増加させることができるため、Lバンドの通信サービ
スにおいても、伝送品質に影響のない心線対照作業が実
現できる。また、本発明はLバンドに止まらず一般的に
従来の心線対照器より対照光の受光効率を向上させ、曲
げ損失を小さくしているためサービス提供中の心線対照
作業の信頼性も向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる光心線対照
器を示す正面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態にかかる光心線対照
器を示す正面図。
【図3】心線対照方法の一例を示す構成図。
【図4】従来の曲げ部の構造を示す正面図。
【図5】心線対照光の放射モデルを示す説明図。
【図6】本発明の第1の実施の形態の等価測定系を示す
構成図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の等価測定系を示す
構成図。
【図8】従来における心線対照の等価測定系を示す構成
図。
【図9】曲げ半径ρに対する透過率Ti と反射率Ri
の計算例を示す特性図。
【符号の説明】
1,1’,1” 曲げ部 1a,1a’,1a” 凸部材 1b,1b’,1b” 凹部材 2 受光器 3 注入管 4 注入器 5 屈折率整合剤 6 光ファイバ 7 心線対照光源 8 光分岐結合器 9,9’ 円筒 10 光パワーメーター 11 放射補助部材
フロントページの続き (72)発明者 立蔵 正男 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2G086 AA01 2H038 CA39

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心線対照光を送信する光源と、光ファイ
    バを曲げる曲げ部と、前記曲げ部より漏れた光を受光す
    る受光器より構成され、光ファイバの片端から前記心線
    対照光を入射し、前記曲げ部によって曲げられた光ファ
    イバの側面から放射される心線対照光を前記受光器で検
    知することにより心線を特定する光心線対照器におい
    て、 前記曲げ部は、光ファイバを弧状に曲げるための凸部材
    と、前記凸部材に沿って曲げられた光ファイバを前記凸
    部材との間で挟んで保持するための凹部材とから構成さ
    れるものであって、 前記凹部材には、前記光ファイバの被覆と同程度の屈折
    率を有するゲル状の屈折率整合剤を、前記光ファイバの
    側面から放射されて前記受光器に向かう心線対照光の光
    経路の中に位置させた状態で前記光ファイバの被覆に塗
    布するための注入器および注入管を有すると共に、 前記注入管の出口付近には、塗布された前記屈折率整合
    剤がその粘性により塊をもつ程度の隙間を備えたことを
    特徴とする光心線対照器。
  2. 【請求項2】 心線対照光を送信する光源と、光ファイ
    バを曲げる曲げ部と、前記曲げ部より漏れた光を受光す
    る受光器より構成され、光ファイバの片端から前記心線
    対照光を入射し、前記曲げ部によって曲げられた光ファ
    イバの側面から放射される心線対照光を前記受光器で検
    知することにより心線を特定する光心線対照器におい
    て、 前記曲げ部は、光ファイバを弧状に曲げるための凸部材
    と、前記凸部材に沿って曲げられた光ファイバを前記凸
    部材との間で挟んで保持するための凹部材とから構成さ
    れるものであって、 前記凹部材は、その全体もしくは前記受光器近くの一部
    が光ファイバの被覆と同程度の屈折率を有する前記被覆
    に密着する弾力性のあるプラスチックや合成樹脂であ
    り、前記凹部材の受光器側の端面は凹凸がなく、かつ、
    その端面付近で曲げられた光ファイバの接線に対して7
    4°〜76°の角度を有することを特徴とする光心線対
    照器。
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