JP2003254225A

JP2003254225A - 風車の気流騒音低減装置

Info

Publication number: JP2003254225A
Application number: JP2002058578A
Authority: JP
Inventors: Kazuyoshi Yamamoto; 本和義山; Yoshiyuki Maruta; 田芳幸丸; Masanori Goto; 藤正典後; Hiroyuki Kato; 藤弘之加; Yoshihiko Ando; 藤嘉彦安; Katsumi Kimura; 村克己木; Sumio Saito; 藤純夫斉
Original assignee: Ebara Corp
Current assignee: Ebara Corp
Priority date: 2002-03-05
Filing date: 2002-03-05
Publication date: 2003-09-10

Abstract

(57)【要約】【課題】運転時の気流騒音を低減し、以って、低騒音
型風車の実現を可能とする事が出来る風車の気流騒音低
減装置の提供。【解決手段】風車（１）の翼後縁部（２ａ）及び／又
はその近傍に縦渦（ｖ）を発生させる装置（３、３Ａ、
３Ｂ、３Ｃ、３Ｄ、３Ｅ、３Ｆ、３Ｇ、３Ｈ）を設けて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、風車（水平軸型及び垂
直軸型の双方を含む。以下、同じ）に関し、より詳細に
は、風車の翼が回転する際に空気を切ることにより発生
する気流騒音を低減するための技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１１に示すような、全体を符号２０で
あらわす発電装置は、（水平軸型）風車１と、前記図示
しない回転軸に接続された発電機Ｇと、前記風車１及び
発電機Ｇを地上の一定高さに支持する風車塔７と、該風
車塔７を地上に支持するベース９とから構成されてい
る。そして、該風車１は、複数の（図１２では３枚）の
翼２と、該翼２を均等角度で且放射状に支持するボス５
と、該ボス５に係合し図示しない水平方向に配置された
回転軸とを有している。前記風車１の翼２が風力Ｗを受
けて矢印方向に回転する際には、上述のような気流音が
発生する。この気流騒音の発生原因は、大別すると以下
の３つがあげられる。先ず、図９で示すように、風車の
翼２の翼後縁２ａから渦ｖ_０が放出されることが気流騒
音の一因となっている。風車の翼２の翼後縁２ａから放
出される多数の渦ｖ_０は、形、大きさ、回転方向が一致
するので、増幅されてしまい、これにより騒音が発生す
る。また、図１０に示すように風車の翼２に沿った表面
２ｃの気流が剥離する（剥離を符号ｆで示し、剥離した
流れによる渦をｖｆで示す）ことも、気流騒音の重要な
要因となっている。さらに、風車の翼先端部２ｂから渦
が離れることによっても、気流騒音が発生する。ここ
で、風車の翼先端部２ｂから渦が離れることにより発生
する気流騒音は、翼先端部２ｂの形状を変えることによ
り解消することが知られている。

【０００３】しかし、翼後縁部２ａからの渦ｖ_０放出に
起因する気流騒音と、翼２から流れが剥離（ｆ）するこ
とによる気流騒音については、風車の分野においては、
未だに十分な解決が為されていない。そのため、風車の
気流騒音は十分に低減出来ているとは言い得ないのが現
状である。換言すれば、翼後縁部２ａからの渦ｖ_０放出
に起因する気流騒音と、翼から流れが剥離（ｆ）するこ
とによる気流騒音とを、必要な程度まで低減する技術
は、風車については未だに提案されていない、という問
題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、運転時
の気流騒音を低減し、以って、低騒音型風車の実現を可
能とする事が出来る風車の気流騒音低減装置の提供を目
的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の風車の気流騒音
低減装置は、風車（１）の翼後縁部（２ａ）及び／又は
その近傍に縦渦（ｖ）を発生させる装置（３、３Ａ、３
Ｂ、３Ｃ、３Ｄ、３Ｆ、３Ｈ）を設けている（請求項
１：図１〜図５、図７、図８）。

【０００６】ここで、「縦渦」なる文言は、渦の回転方
向が翼長手方向（Ｙ方向）に平行な方向の渦（ｖ）を意
味している。換言すれば、「縦渦」とは、渦の回転軸
（ｘ）が翼長手方向（Ｙ方向）と鉛直な主たる気流の方
向となる渦を意味している。これに対して、気流騒音の
原因となる渦である「翼後縁部（２ａ）から放出される
渦（図９のｖ_０）」は、渦の回転方向が翼長手方向（Ｙ
方向）と鉛直な方向であり、渦の回転軸が翼長手方向
（Ｙ方向）に平行な方向となっている。

【０００７】係る構成を具備する本発明によれば、縦渦
（ｖ）を発生させる装置（３、３Ａ、３Ｂ、３Ｃ、３
Ｄ、３Ｆ、３Ｈ）から発生する縦渦（ｖ）は、「翼後縁
部（２ａ）から放出される渦（ｖ_０）」とは回転軸が相
違しており、渦同士がそろうことはないので、翼後縁部
（２ａ）から発生する渦（渦放出による気流騒音の原因
となる渦ｖ_０）を増幅すること無く、それ（翼後縁部２
ａから発生する渦ｖ_０）を打ち消している。翼後縁部
（２ａ）から放出される渦（ｖ_０）が打ち消されること
により、係る渦（ｖ_０）に起因して発生する気流騒音が
低減するのである。

【０００８】また本発明の風車の気流騒音低減装置は、
風車（１）の翼前縁部（２ｂ）と翼後縁部（２ａ）との
間の領域（２ｃ）に縦渦（ｖ）を発生させる装置（３
Ｅ、３Ｇ）を設けている（請求項２：図７、図８）。縦
渦（ｖ）については、上述したのと同意義である。

【０００９】この様に構成された本発明によれば、前記
縦渦を発生させる装置（３Ｅ、３Ｇ）から、翼表面（２
ｃ）と剥離（ｆ）した流れとの間の領域に縦渦（ｖ）を
発生させる。発生した縦渦（ｖ）は、剥離した流れによ
る渦（ｖｆ）と干渉し、その結果、翼表面（２ｃ）から
一旦剥離（ｆ）した流れを吸引する。剥離（ｆ）した流
れを吸引することにより、剥離（ｆ）した流れが翼表面
（２ｃ）へ再付着することが促進される。剥離（ｆ）し
た流れが翼表面（２ｃ）に再付着する結果、流れが翼
（２）から剥離している領域が著しく減少し、剥離に起
因する気流騒音が低減するのである。

【００１０】さらに本発明の風車の気流騒音低減装置
は、風車（１）の翼前縁部（２ｂ）と翼後縁部（２ａ）
との間の領域（２ｃ）に縦渦を発生させる装置（３Ｅ、
３Ｇ）を設けており、且つ、翼後縁部（２ａ）及び／又
はその近傍に縦渦を発生させる装置（３Ｆ、３Ｈ）を設
けている（請求項３：図７、図８）。

【００１１】「流れが翼表面（２ｃ）から剥離（図１０
のｆ）」した場合に、「後縁（２ａ）からの渦（図９の
ｖ_０）放出」が生じることは無い。流れが翼（２）から
剥離（ｆ）すれば、後縁（２ａ）からは渦（ｖ_０）が放
出されないからである。しかし、「流れが翼表面（２
ｃ）から剥離（ｆ）」した場合に、当該流れが翼表面
（２ｃ）に再付着すれば、後縁（２ａ）から渦（ｖ_０）
が放出されて気流騒音が発生する恐れがある。或いは、
また、「後縁（２ａ）からの渦（ｖ_０）放出」を防止し
ても、「流れの翼表面（２ｃ）からの剥離（ｆ）による
気流騒音の発生」を防止できる訳ではない。

【００１２】しかしながら、上述した構成を具備する本
発明によれば、翼（２）から流れが剥離（ｆ）しなかっ
たが翼後縁（２ａ）から渦（ｖ_０）が放出された場合、
或いは、翼（２）に際付着した流れによって翼後縁（２
ａ）から渦（ｖ_０）が放出された場合にも、翼後縁部
（２ａ）或いはその近傍から縦渦（ｖ）を発生させて、
翼（２）が空気を切る際に翼後縁部（２ａ）から発生す
る渦（ｖ_０）を打ち消し、気流音を低減することが出来
る。

【００１３】また、翼後縁部（２ａ）からの渦（ｖ_０）
放出による気流音は発生しないが、翼表面（２ｃ）から
気流が剥離（ｆ）することにより、気流音が発生した場
合には、翼（２）と剥離した流れ（渦ｖｆ）の間に細か
い縦渦（図示せず）を発生させ、剥離した渦（ｖｆ）と
干渉せしめ、剥離した流れ（渦ｖｆ）を吸引させる。即
ち、剥離した流れ（渦ｖｆ）が再付着し、この再付着が
促進され、剥離領域が減少して気流音が減少する。

【００１４】ここで、風車の翼前縁部（２ｂ）と翼後縁
部（２ａ）との間の領域（２ｃ）に設けられた縦渦を発
生させる装置（３Ｅ、３Ｇ）と、翼後縁部（２ａ）及び
／又はその近傍に設けられた縦渦（ｖ）を発生させる装
置（３、３Ａ、３Ｂ、３Ｃ、３Ｄ、３Ｆ、３Ｈ）とは、
分離・離隔して設けても良い。

【００１５】或いは、両者（風車の翼前縁部２ｂと翼後
縁部２ａとの間の領域２ｃに設けられた縦渦を発生させ
る装置３Ｅ、３Ｇ、及び、翼後縁部２ａ及び／又はその
近傍に設けられた縦渦（ｖ）を発生させる装置３、３
Ａ、３Ｂ、３Ｃ、３Ｄ、３Ｆ、３Ｈ）を離隔せずに、連
続して設けても良い。

【００１６】本発明は、水平軸型風車、垂直軸型風車の
双方に適用可能である。

【００１７】また、気流騒音は、風車（１）の翼（２）
のみならず、飛行機の羽根、扇風機のプロペラ等からも
発生しており、本発明は、かかる分野においても適用可
能である。

【００１８】気流騒音を低減する制御機構は、翼の全長
或いはその一部分に設けることが可能である。水平軸型
の場合には、翼長手方向全域、翼のボス近傍部分を除い
た領域、翼先端部及び／又はその近傍部分の様な翼長手
方向の一部の領域に、制御機構を設けることが出来る。

【００１９】ここで、翼の長手方向の一部に制御機構を
設ける場合には、気流騒音の発生が最も顕著な領域（例
えば図１１に示すような水平軸型であれば、翼先端部及
び／又はその近傍部分「図１１の翼２においてハッチン
グを施した部分」）に設けることが望ましい。

【００２０】本発明の風車（１）は、翼後縁部（２ａ）
及び／又はその近傍に縦渦（ｖ）を発生させる装置
（３、３Ａ、３Ｂ、３Ｃ、３Ｄ、３Ｆ、３Ｈ）を設けた
ことを特徴としている（請求項４：図１〜図５、図７、
図８）。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施形態を説明する。尚、図１から図８は何れも風
車（図１１において符号１で示す）の翼２の先端部を示
しており、白抜きの矢印は、翼２の回転方向を表してい
る。

【００２２】先ず図１を参照して、本発明の第１実施形
態を説明する。図１において、翼２の翼後縁部２ａには
細かい縦渦ｖを発生させる縦渦発生装置３を設けてい
る。発生した縦渦ｖは回転方向が翼２の長手方向（Ｙ矢
印方向）に対して平行であり、渦回転軸ｘが翼２の長手
方向（Ｙ矢印方向）と鉛直な主気流の方向である。

【００２３】上記の様に構成された縦渦発生装置３から
発生する縦渦ｖにより、翼２が空気を切る際に翼後縁部
２ａから発生する渦（渦放出による気流騒音の原因とな
る渦で、図９において符号ｖ_０で示される）を打ち消し
ている。従って、渦（図９の符号ｖ_０）によって発生す
る騒音が軽減される。

【００２４】図２は本発明の第２実施形態を示してお
り、図１における「細かい縦渦を発生させる装置」を、
より具体的に示す実施形態である。

【００２５】図２において、翼２には頂点を前方（回転
方向）に向けた複数の三角錐状の突起３Ａを翼後縁部２
ａ近傍に配置している。そして、係る突起３Ａにより翼
表面２ｃに沿った流れが乱れ、翼後縁部２ａに細かい縦
渦を発生させ、翼２が空気を切る際に翼後縁部２ａから
発生する渦（図９の符号ｖ_０）を打ち消す。従って、渦
（図９の符号ｖ_０）によって発生する騒音が軽減され
る。

【００２６】ここで、突起３Ａの形状は三角錐状に限定
されるものではなく、四角錐その他の角錐形、角柱形、
その他の形状を採用し得る。また、突起３Ａの個数は、
翼２の寸法、風車の定格出力、その他の各種条件によ
り、適宜設定される。さらに、突起３Ａを設ける位置と
しては、翼２の長手方向（Ｙ矢印方向）全域に亘って設
けることも可能であるし、その一部（例えば、気流騒音
が最も大きくなる翼先端部）にのみ設けても良い。

【００２７】その他の構成及び作用効果については、図
１の第１実施形態と同様である。

【００２８】図３は本発明の第３実施形態を示してお
り、図２の第２実施形態と同様に、図１における「細か
い縦渦を発生させる装置」を、より具体的に示す実施形
態である。

【００２９】図３において、翼２には翼後縁部２ａに、
表面が粗くなるように凹凸を形成した「粗い面３Ｂ」
と、表面が滑らかな「平滑面」（図示のように、翼の表
面２ｃをそのまま利用するのでもよい）とを、長手方向
（Ｙ矢印方向）について交互に、複数で連続して配置し
ている。

【００３０】上述の様に、「粗い面３Ｂ」と「平滑面」
とが交互に連続して、翼後縁部（或いはその近傍）２ａ
に配置される結果、翼表面２ｃに沿った流れが乱れ、細
かい縦渦（図では省略）を発生する。

【００３１】ここで、「粗い面３Ｂ」の粗度、「平滑
面」の粗度については、適用する風車及び翼の条件によ
り、適宜設定される。また、「粗い面」３Ｂと「平滑
面」とを交互に連続して設ける位置としては、翼の長手
方向（Ｙ矢印方向）全域に亘って設けることも可能であ
るし、その一部（例えば、気流騒音が最も大きくなる翼
先端部）にのみ設けても良い。

【００３２】その他の構成及び作用効果については、図
１、図２の実施形態と同様である。

【００３３】図４は本発明の第４実施形態を示してお
り、図２、図３の実施形態と同様に、図１における「細
かい縦渦を発生させる装置」を、より具体的に示す実施
形態である。

【００３４】図４において、翼２には翼後縁部２ａに、
複数の窪み３Ｃ、所謂「ディンプル列」を長手方向（Ｙ
矢印方向）に亘って配置している。

【００３５】係る窪み３Ｃにより翼表面２ｃに沿った流
れが乱れることにより、細かい縦渦（図示を省略）が発
生。翼後縁部２ａから放出される渦（図９の符号ｖ_０）
を打ち消して、気流騒音を低減する。

【００３６】ここで、窪み３Ｃの形状、位置について
は、適用する風車及び翼２の条件により、適宜設定され
る。図４では２列に設けられているが、この列数も各種
条件により設定される。窪み３Ｃを設ける位置として
は、翼２の長手方向（Ｙ矢印方向）全域に亘って設ける
ことも可能であるし、その一部（例えば、気流騒音が最
も大きくなる翼先端部）にのみ設けても良い。

【００３７】その他の構成については、図１〜図３の実
施形態と同様である。

【００３８】図５は本発明の第５実施形態を示してお
り、図２〜図４の実施形態と同様に、図１における「細
かい縦渦を発生させる装置」を、より具体的に示す実施
形態である。

【００３９】図５において、翼２には翼後縁部２ａに、
翼２の長手方向に垂直な方向（縦方向）に伸びる複数の
微細な凹凸面或いは縞（縦縞：所謂「リブレット」）３
Ｄが、翼２の長手方向に亘って設けられている。

【００４０】係る縦縞３Ｄにより翼表面２ｃに沿った流
れが乱れることにより、細かい縦渦（図示を省略）が発
生し、翼後縁部２ａから放出される渦（図９の符号
ｖ_０）を打ち消して、気流騒音を低減する。

【００４１】ここで、縦縞３Ｄの縦方向の長さ、凹凸の
粗度、位置については、適用する風車及び翼の条件によ
り、適宜設定される。また、縦縞３Ｄを設ける位置とし
ては、翼２の長手方向全域に亘って設けることも可能で
あるし、その一部（例えば、気流騒音が最も大きくなる
翼先端部）にのみ設けても良い。

【００４２】その他の構成については、図１〜図４の実
施形態と同様である。

【００４３】次に、図６で示す本発明の第６実施形態
は、図１〜図５の実施形態が翼後縁部２ａから放出され
る渦に起因する気流騒音を低減しているのに対して、翼
表面２ｃに沿った流れが剥離（図１０のｆ）することに
起因する気流騒音を低減するものである。

【００４４】図６において、翼２の前縁２ｂと後縁２ａ
との中間の領域２ｃに、細かい縦渦を発生させる装置３
Ｅを設けている。

【００４５】係る装置３Ｅにより、翼２と剥離した流れ
の間に細かい縦渦（図示を省略）が発生する。発生した
細かい縦渦は、剥離した渦（図１０のｖｆ）と干渉し
て、剥離ｆした流れを吸引する。その為、剥離した流れ
の再付着が促進される。剥離した流れの再付着が促進さ
れる結果、剥離領域が減少して、気流音も低減する。

【００４６】ここで、装置３Ｅの形状、位置、寸法等に
ついては、適用する風車及び翼の条件により、適宜設定
される。また、装置３Ｅを設ける位置としては、翼２の
長手方向（Ｙ矢印方向）全域に亘って設けることも可能
であるし、その一部（例えば、気流騒音が最も大きくな
る翼先端部）にのみ設けても良い。

【００４７】図７は、本発明の第７実施形態を示したも
ので、図１の実施形態と、図６の実施形態とを組み合わ
せた構成を具備したものである。

【００４８】図７において、翼２の前縁２ｂと後縁２ａ
との中間の領域２ｃに、細かい縦渦を発生させる装置
（第１の縦渦発生装置）３Ｅを設けており、これに加え
て、翼後縁部２ａに細かい縦渦を発生させる装置（第２
の縦渦発生装置）３Ｆを設けている。

【００４９】ここで、翼後縁部２ａからの渦放出による
気流音が発生しなくても、翼表面２ｃから気流が剥離
（図１０の符号ｆ）することにより、気流音が発生する
場合がある。その様な場合においても、第１の縦渦発生
装置３Ｅにより、翼２と剥離した流れの間に細かい縦渦
（図示せず）が発生し、発生した細かい縦渦は、剥離し
た渦と干渉して、剥離した流れを吸引する。その為、剥
離した流れが再付着することが促進し、剥離領域が減少
して気流音が減少する。

【００５０】一方、翼２から流れが剥離しなかったが翼
後縁２ａから渦が放出された場合、或いは、翼２に際付
着した流れにより翼後縁２ａから渦が放出された場合に
も、気流音が発生する恐れがある。その様な場合でも、
第２の縦渦発生装置３Ｆにより縦渦を発生させて、翼２
が空気を切る際に翼後縁部２ａから発生する渦（図９の
ｖ_０）を打ち消し、気流音を低減することが出来る。

【００５１】第２の縦渦発生装置３Ｆは、翼２の長手方
向（Ｙ矢印方向）全域に亘って設けることも可能である
し、その一部（例えば、気流騒音が最も大きくなる翼先
端部）にのみ設けても良い。第１の縦渦発生装置３Ｅに
ついても同様である。

【００５２】図８で示す第８実施形態は、図７の第７実
施形態の第１の縦渦発生装置３Ｅ、第２の縦渦発生装置
３Ｆの構成を具体的にしたものである。

【００５３】図８において、翼前縁部２ｂと翼後縁部２
ａの中間の領域（図７の第１の縦渦発生装置３Ｅが設け
られた領域）２ｃには、翼２の長手方向（Ｙ矢印方向）
に対して連続して互い違いに傾斜した複数の突起３Ｇ、
所謂「ボルテックスジェネレータ」が形成されている。
係る突起３Ｇが図７の第１の縦渦発生装置３Ｅに相当す
る。また、翼後縁部２ａは鋸波３Ｈ状に構成されてお
り、係る鋸波３Ｈ状の後縁部２ａは図７の第２の縦渦発
生装置３Ｆに相当する。

【００５４】図８の作用については、図７と同様であ
る。なお、図８の鋸波３Ｈ状の後縁部２ａに代えて、図
２〜図５の何れかの構成を採用することも出来る。

【００５５】図示の実施形態はあくまでも例示であり、
本発明の技術的範囲を限定するものではないことを付記
する。

【００５６】

【発明の効果】本発明の作用効果を、以下に記す。（ａ）縦渦を発生させる装置によって発生した縦渦が
翼後縁部から放出される渦を打ち消すことにより、翼後
縁部から放出される渦に起因して発生する気流騒音を低
減する。（ｂ）翼前端部と翼後端部との間の領域に設けた縦渦
を発生させる装置から発生した縦渦が、剥離した流れに
よる渦と干渉し、その結果、翼表面から一旦剥離した流
れを翼表面に吸引し、流れが翼から剥離している領域が
著しく減少し、剥離に起因する気流騒音が低減する。（ｃ）翼前縁部と翼後縁部との間の領域と、翼後縁部
及び／又はその近傍に縦渦発生装置を設けることによ
り、翼後縁部からの渦放出による気流音は発生しないが
流れが翼表面から剥離した場合には、翼前縁部と翼後縁
部との間の領域に設けた縦渦発生装置によって、又翼か
ら流れが剥離しなかったが翼後縁から渦が放出された場
合には、翼後縁部及び／又はその近傍に設けた縦渦発生
装置によって音を発生する渦を夫々打ち消すことにより
渦発生による音を低減することが出来る。（ｄ）水平軸型風車、垂直軸型風車の双方に適用可能
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態を示す斜視図。

【図２】本発明の第２実施形態を示す斜視図。

【図３】本発明の第３実施形態を示す斜視図。

【図４】本発明の第４実施形態を示す斜視図。

【図５】本発明の第５実施形態を示す斜視図。

【図６】本発明の第６実施形態を示す斜視図。

【図７】本発明の第７実施形態を示す斜視図。

【図８】本発明の第８実施形態を示す斜視図。

【図９】翼における気流騒音の一因である翼後端からの
渦放出状態を示す図。

【図１０】翼における気流騒音の一因である翼表面での
気流の剥離状態を示す図。

【図１１】水平軸型風車を有する発電装置の斜視図。

【符号の説明】

１・・・風車２・・・翼２ａ・・・翼後端部２ｂ・・・翼前端部２ｃ・・・翼表面／翼前端部と翼後端部との間の領域３・・・縦渦発生装置３Ａ・・・三角錐状の突起／縦渦発生装置３Ｂ・・・粗い面／縦渦発生装置３Ｃ・・・窪み／縦渦発生装置３Ｄ・・・縦縞／縦渦発生装置３Ｅ・・・第１の縦渦発生装置３Ｆ・・・第２の縦渦発生装置３Ｇ・・・連続して互い違いに傾斜した複数の突起／縦
渦発生装置３Ｈ・・・鋸波／縦渦発生装置５・・・ボスＧ・・・発電機

フロントページの続き (72)発明者後藤正典神奈川県藤沢市本藤沢４丁目２番１号株式会社荏原総合研究所内 (72)発明者加藤弘之東京都大田区羽田旭町11番１号株式会社荏原製作所内 (72)発明者安藤嘉彦東京都大田区羽田旭町11番１号株式会社荏原製作所内 (72)発明者木村克己東京都大田区羽田旭町11番１号株式会社荏原製作所内 (72)発明者斉藤純夫東京都大田区羽田旭町11番１号株式会社荏原製作所内Ｆターム(参考） 3H078 AA02 BB15 CC02 CC41

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】風車の翼後縁部及び／又はその近傍に縦
渦を発生させる装置を設けていることを特徴とする風車
の気流騒音低減装置。
【請求項２】風車の翼前縁部と翼後縁部との間の領域
に縦渦を発生させる装置を設けていることを特徴とする
風車の気流騒音低減装置。
【請求項３】風車の翼前縁部と翼後縁部との間の領域
に縦渦を発生させる装置を設けており、且つ、翼後縁部
及び／又はその近傍に縦渦を発生させる装置を設けてい
ることを特徴とする風車の気流騒音低減装置。
【請求項４】翼後縁部及び／又はその近傍に縦渦を発
生させる装置を設けたことを特徴とする風車。