JP2003254091A - 圧縮機のチップクリアランス制御装置及び制御方法 - Google Patents

圧縮機のチップクリアランス制御装置及び制御方法

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JP2003254091A
JP2003254091A JP2002056849A JP2002056849A JP2003254091A JP 2003254091 A JP2003254091 A JP 2003254091A JP 2002056849 A JP2002056849 A JP 2002056849A JP 2002056849 A JP2002056849 A JP 2002056849A JP 2003254091 A JP2003254091 A JP 2003254091A
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heating
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裕司 弘中
Yukisachi Tanaka
志幸 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動時において、従来以上に最小チップクリ
アランスを大きくでき、定常運転時において、圧縮空気
の損失が少なく、圧縮効率を高く維持しながらクリアラ
ンス制御ができ、かつ高温流量調節弁の寿命を延ばし信
頼性を高めることができ、回転速度が下がった時にも、
チップクリアランスを適正範囲に維持することができる
圧縮機のチップクリアランス制御装置及び制御方法を提
供する。 【解決手段】 複数の動翼列7を有する軸流圧縮機のケ
ーシング8を圧縮空気で加熱するケーシング加熱装置1
2と、動翼列が取り付けられたローター9を低圧空気で
冷却するローター冷却装置14と、ケーシング加熱装置
に供給する圧縮空気量とローター冷却装置に供給する低
圧空気量を制御する流量制御装置16とを備え、起動時
にケーシング加熱とローター冷却を併用し、定常運転時
に、ローター冷却のみでクリアランス制御を行い、減速
時に、ローター冷却用の低圧空気量を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機のチップクリア
ランス制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4はターボジェットエンジンの模式的
構成図であり、空気取入口1、圧縮機2、燃焼器3、ガ
スタービン4、アフターバーナ5、ジェットノズル6、
等を備えている。かかるターボジェットエンジンでは、
空気を空気取入口1から導入し、圧縮機2でこの空気を
圧縮し、燃焼器3内で燃料を燃焼させて高温の燃焼ガス
を発生させ、発生した燃焼ガスでガスタービン4を駆動
し、このガスタービン4で圧縮機2を駆動し、アフター
バーナ5でタービンを出た排ガスにより燃料を再度燃焼
させ、高温の燃焼排ガスをジェットノズル6で膨張させ
て後方に噴出し、推力を発生するようになっている。こ
の構成は、ターボジェットエンジン以外のジェットエン
ジンでも同様である。
【0003】上述したジェットエンジンやその他のガス
タービン、或いは圧縮機単体において、圧縮機を構成す
る動翼の先端(チップ)とケーシング内面との隙間を一
般にチップクリアランスと呼ぶ。チップクリアランス
は、圧縮機の圧縮効率を高める上で、常に小さい程好ま
しいが、実際の運転においては、(1)動翼の遠心力に
よる伸び、(2)動翼の熱膨張、(3)ケーシングの熱
膨張、等の影響を受けるため、運転状態により種々に変
動する。
【0004】図5は、起動時のチップクリアランスの変
化を模式的に示す図である。圧縮機の停止状態では、動
翼、動翼が取り付けられたローター、ケーシング等がす
べて常温(例えば20〜30℃)であり、チップクリア
ランスは最大(ポイントA)となっている。圧縮機を起
動し、動翼が回転を始めると、遠心力により動翼が伸び
チップクリアランスが小さくなる(B)。次いで空気の
断熱圧縮により圧縮空気が温度上昇し、これにより熱容
量の小さい動翼が先ず熱膨張してチップクリアランスが
最小(C)まで小さくなる。次いで、熱容量が大きいケ
ーシング及びローターが熱膨張し、チップクリアランス
が徐々に増大し、定常状態ではほぼ一定の設計範囲
(D)となる。
【0005】空気温度は、圧縮機の入口において、上流
側にファンがない場合、常温(20〜30℃)であり、
ファンがある場合には、100〜200℃である。ま
た、圧縮機で圧縮後の空気温度は、圧縮比が20前後の
場合で500〜700℃に達する。上述したチップクリ
アランスはこのような温度条件において最適値となるよ
うに設計されており、例えば起動前のポイントAにおい
てδ0は約0.6〜0.8mm程度であり、起動後の定
常状態においてδ1は約0.3〜0.5mm程度であ
る。また起動から定常状態に達するまでの起動時間は、
通常数分から10分前後である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポイントCにおいて、
動翼の先端(チップ)がケーシング内面と接触しないよ
うに、最小チップクリアランスが、設計上設定されてい
る。しかし、起動中に回転速度が急上昇する等の過渡現
象により、チップクリアランスが無くなりラビング現象
を引き起こすこともある。そのため、このような、不安
定領域を短時間に通過するために、高温の圧縮空気でケ
ーシングを暖め、チップクリアランスを制御することが
従来から必要により行われていた。
【0007】このような制御を行うことにより、図5に
破線で示すように、ケーシングの熱膨張を早め、最小チ
ップクリアランスを大きくすると共に、定常状態に達す
るまでの起動時間を短縮することができる。
【0008】しかし、このような「ケーシング加熱によ
るクリアランス制御」は、加熱に用いた圧縮空気を外部
又は圧縮機の低圧側に排気するため、圧縮空気の損失を
伴い、圧縮効率が大きく低下する問題点がある。
【0009】そのため、従来は、起動時にのみこの制御
を行い、定常状態に達した後は、圧縮空気による加熱を
中止し、圧縮空気の損失をなくし、圧縮効率を高めてい
た。しかしこの場合、定常状態におけるチップクリアラ
ンスは、圧縮機の運転状態(回転速度、圧縮比、外気温
度、等)により変動し、運転状態によっては、チップク
リアランスが過大となって圧縮効率が低下し、逆にチッ
プクリアランスが過小となってラビング現象を引き起こ
すおそれがあった。
【0010】また、定常状態に達した後も、上述のケー
シング加熱によるクリアランス制御を行うと、圧縮空気
の損失により圧縮効率が大きく低下するばかりでなく、
高温(500〜700℃)の圧縮空気の流量を制御する
高温流量調節弁の寿命が短くなり信頼性が低下する問題
点があった。
【0011】更に、ケーシング加熱によるクリアランス
制御では、圧縮空気の温度以上の高温空気は得られない
ため、クリアランスをそれ以上広げられない限界があっ
た。また、ローターはケーシングよりも冷えにくいた
め、運転中、回転速度が下がった時に、圧縮空気温度が
下がりケーシングが収縮してもローターの冷却が遅れ、
クリアランスが狭くなりすぎることがある。
【0012】本発明は上述した問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明は、(1)起
動時において、従来以上に最小チップクリアランスを大
きくでき、(2)定常運転時において、圧縮空気の損失
が少なく、圧縮効率を高く維持しながらクリアランス制
御ができ、かつ高温流量調節弁の寿命を延ばし信頼性を
高めることができ、(3)回転速度が下がった時にも、
チップクリアランスを適正範囲に維持することができる
圧縮機のチップクリアランス制御装置及び制御方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
動翼列(7)を有する軸流圧縮機のケーシング(8)を
圧縮空気で加熱するケーシング加熱装置(12)と、動
翼列が取り付けられたローター(9)を低圧空気で冷却
するローター冷却装置(14)と、ケーシング加熱装置
に供給する圧縮空気量とローター冷却装置に供給する低
圧空気量を制御する流量制御装置(16)とを備え、起
動時にケーシング加熱とローター冷却を併用し、定常運
転時に、ローター冷却のみでクリアランス制御を行い、
減速時に、ローター冷却用の低圧空気量を増大させる、
ことを特徴とする圧縮機のチップクリアランス制御装置
が提供される。
【0014】また本発明によれば、起動時に、複数の動
翼列(7)を有する軸流圧縮機のケーシング(8)を圧
縮空気で加熱するケーシング加熱と、動翼列が取り付け
られたローター(9)を低圧空気で冷却するローター冷
却とを併用し、最小チップクリアランスを拡大する起動
ステップ(A)と、定常運転時に、ケーシング加熱を停
止し、ローター冷却のみでクリアランス制御を行う定常
運転ステップ(B)と、減速時に、ケーシング加熱とロ
ーター冷却とを併用し、かつローター冷却用の低圧空気
量を増大させる減速ステップ(C)とを備えた、ことを
特徴とする圧縮機のチップクリアランス制御方法が提供
される。
【0015】上記本発明の装置及び方法によれば、ケー
シング加熱装置(12)とローター冷却装置(14)を
備えるので、流量制御装置(16)によりこれらを単独
又は併用してチップクリアランス制御を行うことができ
る。
【0016】また、起動時に、ケーシング加熱装置(1
2)によるケーシング加熱と、ローター冷却装置(1
4)によるローター冷却とを併用することにより、ケー
シングの熱膨張を早め、かつローターの熱膨張を抑制で
きるので、従来以上に最小チップクリアランスを拡大す
ることができる。
【0017】更に、定常運転時に、ケーシング加熱装置
(12)によるケーシング加熱を停止し、ローター冷却
装置(14)によるローター冷却のみでクリアランス制
御を行うことにより、ケーシング加熱に伴う圧縮空気の
損失を無くして圧縮効率を高く維持し、高温流量調節弁
の寿命を延ばし信頼性を高めることができ、かつ損失の
少ない低圧空気でクリアランス制御を継続できる。この
低圧空気は、外部ユーティリティの利用、ファン圧縮空
気、圧縮機の低圧段空気の抽気、等を用いることができ
る。
【0018】また、減速時に、ケーシング加熱とロータ
ー冷却とを併用し、かつローター冷却用の低圧空気量を
増大させることにより、ケーシングの熱収縮を抑制し、
かつローターの熱収縮を早めることができるので、従来
以上にチップクリアランスを拡大することができる。
【0019】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
ケーシング(8)に取り付けられ動翼列(7)のチップ
クリアランスを非接触で検出するチップクリアランスセ
ンサ(18)を更に備え、該センサの検出値に応じて前
記流量制御装置(16)によりチップクリアランスを所
定の範囲に制御する。
【0020】また、ケーシング(8)に取り付けられた
チップクリアランスセンサ(18)により、動翼列
(7)のチップクリアランスを非接触で検出し、その検
出値に応じてローター冷却用の低圧空気量及び/又はケ
ーシング加熱用の圧縮空気量を制御してチップクリアラ
ンスを所定の範囲に維持する。
【0021】チップクリアランスセンサ(18)を備え
ることにより、チップクリアランスをリアルタイムに検
出することができる。また、この検出値に応じてロータ
ー冷却用の低圧空気量及び/又はケーシング加熱用の圧
縮空気量を制御することにより、チップクリアランスを
常に所定の範囲に維持することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付して使用する。
【0023】図1は、本発明のチップクリアランス制御
装置を備えた圧縮機の模式的断面図である。この図に示
すように、本発明のチップクリアランス制御装置10
は、ケーシング加熱装置12、ローター冷却装置14、
流量制御装置16、及びチップクリアランスセンサ18
を備える。
【0024】この圧縮機は、複数(この例で7段)の動
翼列7を有する軸流圧縮機である。また、圧縮機のケー
シング8には、下流段(この例で5〜7段)の動翼列7
を囲む部分にケーシング加熱用にジャケット8aが設け
られている。
【0025】ケーシング加熱装置12は、軸流圧縮機で
圧縮し高温(例えば500〜700℃)になった圧縮空
気をジャケット8aに導入する圧縮空気ライン12a
と、この圧縮空気ライン12aに設けられた高温流量調
節弁12bとを備え、ケーシング8の下流段部分を圧縮
空気で加熱できるようになっている。加熱後の圧縮空気
は、図示しない排気ラインから外部に排気するか圧縮機
の低圧部に注入する。圧縮空気用の高温流量調節弁12
bは、流量制御装置16からに制御信号により流量を微
調整できる電磁流量調節弁であるのが好ましいが、制御
信号により流路を開閉する電磁開閉弁であってもよい。
【0026】ローター冷却装置14は、動翼列7が取り
付けられたローター9の内側を流れる流路に低圧空気を
導入する低圧空気ライン14aと、この低圧空気ライン
14aに設けられた低温流量調節弁14bとを備え、ロ
ーター9を内側から低圧空気で冷却できるようになって
いる。ローター9の内側は、動翼列7の圧縮空気と気密
に遮断されており、常に低圧が保持されている。ロータ
ー9を冷却した低圧空気は図示しない排気ラインから外
部に排気するか圧縮機の低圧部に注入する。
【0027】ローター冷却装置14に適用する低圧空気
はできる限り低温(例えば20〜30℃)であるのが好
ましい。この低圧空気は、ガスタービン或いは圧縮機単
体を地上で用いる場合には、外部ユーティリティ(例え
ば工場エア)を用いることができ、ジェットエンジンの
場合には、ファンからの圧縮空気や、圧縮機の低圧段空
気の抽気、等を用いることができる。
【0028】流量制御装置16は、圧縮機の回転速度、
流入空気温度、チップクリアランスセンサ18の出力信
号、等を受信し、高温流量調節弁12bと低温流量調節
弁14bの開度を調節し、ケーシング加熱装置12に供
給する圧縮空気量とローター冷却装置14に供給する低
圧空気量を制御してクリアランス制御を行う。なお、高
温流量調節弁12bに電磁開閉弁を用いる場合には、高
温流量調節弁12bはその開閉のみを制御し、ローター
冷却装置14によってクリアランス制御を行うようにな
っている。
【0029】チップクリアランスセンサ18は、ケーシ
ング8に取り付けられ各動翼列7のチップクリアランス
を非接触で検出し、検出出力は流量制御装置16に入力
される。このチップクリアランスセンサ18は、静電容
量式、渦電流式、光学式のいずれでもよい。また、チッ
プクリアランスセンサ18は、複数の動翼列7それぞれ
に設けることが好ましいが、そのうち一部のみに設けて
もよい。
【0030】また、上述した流量制御装置16は、セン
サ18の検出値に応じて高温流量調節弁12bと低温流
量調節弁14bの開度を調節し、チップクリアランスを
所定の範囲に制御する。
【0031】図2は、本発明のチップクリアランス制御
方法のフロー図である。この図に示すように、本発明の
チップクリアランス制御方法は、起動ステップ(A)、
定常運転ステップ(B)及び減速ステップ(C)からな
る。また、図3は、本発明によるチップクリアランスの
変動を示す模式図である。
【0032】起動ステップ(A)では、起動時に、高温
流量調節弁12bと低温流量調節弁14bの両方を開
き、圧縮空気をジャケット8aに導入してケーシング8
を圧縮空気で加熱するケーシング加熱と、ローター9の
内側を流れる流路に低圧空気を導入して動翼列が取り付
けられたローター9を低圧空気で冷却するローター冷却
とを併用し、最小チップクリアランスを拡大する。また
起動中、ケーシング8に取り付けられたチップクリアラ
ンスセンサ18により、動翼列7のチップクリアランス
を非接触で検出し、その検出値に応じてローター冷却用
の低圧空気量及びケーシング加熱用の圧縮空気量の両方
を制御してチップクリアランスを所定の範囲に維持す
る。従って、図3に模式的に示すように、起動時に、ケ
ーシング加熱装置12によるケーシング加熱と、ロータ
ー冷却装置14によるローター冷却とを併用するので、
ケーシングの熱膨張を早め、かつローターの熱膨張を抑
制でき、従来以上に最小チップクリアランスを拡大する
ことができる。
【0033】定常運転ステップ(B)では、起動後の定
常運転時に、高温流量調節弁12bを閉じてケーシング
加熱を停止し、低温流量調節弁14bの開度調節による
ローター冷却のみでクリアランス制御を行う。また定常
運転中、ケーシング8に取り付けられたチップクリアラ
ンスセンサ18により、動翼列7のチップクリアランス
を非接触で検出し、その検出値に応じてローター冷却用
の低圧空気量を制御してチップクリアランスを所定の範
囲に維持する。従って、定常運転中、ケーシング加熱に
伴う圧縮空気の損失を無くして圧縮効率を高く維持し、
高温流量調節弁の寿命を延ばし信頼性を高めることがで
きる。また、図3に模式的に示すように、損失の少ない
低圧空気でクリアランス制御を精度良く継続できる。
【0034】減速ステップ(C)では、減速時に、ケー
シング加熱とローター冷却とを併用し、かつローター冷
却用の低圧空気量を増大させる。また減速時にも、チッ
プクリアランスを非接触で検出し、その検出値に応じて
ローター冷却用の低圧空気量及びケーシング加熱用の圧
縮空気量の両方を制御してチップクリアランスを所定の
範囲に維持する。従って減速時に、ケーシング加熱とロ
ーター冷却とを併用し、かつローター冷却用の低圧空気
量を増大させることにより、ケーシングの熱収縮を抑制
し、かつローターの熱収縮を早めることができるので、
従来以上にチップクリアランスを拡大することができ
る。
【0035】図2において、減速ステップ(C)で減速
した後、そのまま停止してもよく、或いは再度加速して
定常運転ステップ(B)に戻ってもよい。またこの加速
の際に、起動ステップ(A)と同様に、高温流量調節弁
12bと低温流量調節弁14bの両方を用いてもよく、
或いは定常運転ステップ(B)と同様に低温流量調節弁
14bのみを用いてもよい。
【0036】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】上述したように、本発明は以下の特徴を
有する。 (1)ローター9の内側を流れる流路が設けられるボア
部は常温の低圧空気で良いので、従来の高温の圧縮空気
を利用したチップクリアランス制御に比べ、ガスタービ
ンの回転速度(=排気温度)の影響を受けない。 (2)ケーシング、ローターの両方の温度制御により、
制御範囲が広くとれる。すなわち、コンプレッサーの性
能に影響するチップクリアランスの制御範囲を広げるこ
とができる。 (3)特に、減速時に従来は冷めにくいローターを冷却
することにより、効率的にクリアランスを制御できる。
【0038】従って、本発明の圧縮機のチップクリアラ
ンス制御装置及び制御方法は、(1)起動時において、
従来以上に最小チップクリアランスを大きくでき、
(2)定常運転時において、圧縮空気の損失が少なく、
圧縮効率を高く維持しながらクリアランス制御ができ、
かつ高温流量調節弁の寿命を延ばし信頼性を高めること
ができ、(3)回転速度が下がった時にも、チップクリ
アランスを適正範囲に維持することができる等の優れた
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチップクリアランス制御装置を備えた
圧縮機の模式的断面図である。
【図2】本発明のチップクリアランス制御方法のフロー
図である。
【図3】本発明によるチップクリアランスの変動を示す
模式図である。
【図4】ターボジェットエンジンの模式的構成図であ
る。
【図5】従来のチップクリアランスの変動を示す模式図
である。
【符号の説明】
1 空気取入口、2 圧縮機、3 燃焼器、4 ガスタ
ービン、5 アフターバーナ、6 ジェットノズル、7
動翼列、8 ケーシング、8a ジャケット、9 ロ
ーター、10 チップクリアランス制御装置、12 ケ
ーシング加熱装置、12a 圧縮空気ライン、12b
高温流量調節弁、14 ローター冷却装置、14a 低
圧空気ライン、14b 低温流量調節弁、16 流量制
御装置、18 チップクリアランスセンサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の動翼列(7)を有する軸流圧縮機
    のケーシング(8)を圧縮空気で加熱するケーシング加
    熱装置(12)と、動翼列が取り付けられたローター
    (9)を低圧空気で冷却するローター冷却装置(14)
    と、ケーシング加熱装置に供給する圧縮空気量とロータ
    ー冷却装置に供給する低圧空気量を制御する流量制御装
    置(16)とを備え、 起動時にケーシング加熱とローター冷却を併用し、定常
    運転時に、ローター冷却のみでクリアランス制御を行
    い、減速時に、ローター冷却用の低圧空気量を増大させ
    る、ことを特徴とする圧縮機のチップクリアランス制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ケーシング(8)に取り付けられ動
    翼列(7)のチップクリアランスを非接触で検出するチ
    ップクリアランスセンサ(18)を更に備え、該センサ
    の検出値に応じて前記流量制御装置(16)によりチッ
    プクリアランスを所定の範囲に制御する、ことを特徴と
    する請求項1に記載の圧縮機のチップクリアランス制御
    装置。
  3. 【請求項3】 起動時に、複数の動翼列(7)を有する
    軸流圧縮機のケーシング(8)を圧縮空気で加熱するケ
    ーシング加熱と、動翼列が取り付けられたローター
    (9)を低圧空気で冷却するローター冷却とを併用し、
    最小チップクリアランスを拡大する起動ステップ(A)
    と、定常運転時に、ケーシング加熱を停止し、ローター
    冷却のみでクリアランス制御を行う定常運転ステップ
    (B)と、減速時に、ケーシング加熱とローター冷却と
    を併用し、かつローター冷却用の低圧空気量を増大させ
    る減速ステップ(C)とを備えた、ことを特徴とする圧
    縮機のチップクリアランス制御方法。
  4. 【請求項4】 更に、ケーシング(8)に取り付けられ
    たチップクリアランスセンサ(18)により、動翼列
    (7)のチップクリアランスを非接触で検出し、その検
    出値に応じてローター冷却用の低圧空気量及び/又はケ
    ーシング加熱用の圧縮空気量を制御してチップクリアラ
    ンスを所定の範囲に維持する、ことを特徴とする請求項
    3に記載の圧縮機のチップクリアランス制御方法。
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