JP2003253628A - ノイズキャンセラー付き防音壁 - Google Patents

ノイズキャンセラー付き防音壁

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JP2003253628A
JP2003253628A JP2002059961A JP2002059961A JP2003253628A JP 2003253628 A JP2003253628 A JP 2003253628A JP 2002059961 A JP2002059961 A JP 2002059961A JP 2002059961 A JP2002059961 A JP 2002059961A JP 2003253628 A JP2003253628 A JP 2003253628A
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noise
soundproof wall
diaphragm
speaker
microphone
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JP2002059961A
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Takahisa Suzuki
孝久 鈴木
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FPS KK
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  • Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音の移動方向に沿って防音壁の外側での騒
音レベルを確実に低減することのできるノイズキャンセ
ラー付き防音壁を提供すること。 【解決手段】 防音壁14の道路側の壁面18に、円筒
波を放射するライン状スピーカ19を防音壁14の上端
14Aに向けて取り付け、マイクロフォン22を騒音源
46に向けて取り付ける。マイクロフォン22で検出さ
れた騒音Nに基づいて、騒音とは逆位相の打消し音UN
をライン状スピーカ19から放射する。防音壁14の上
端14Aで回折した騒音N(回折音)と、防音壁14の
上端14Aで回折した打消し音UN(回折音)とが重な
り合い、防音壁14の反道路側での騒音レベルが低減す
る。また、ライン状スピーカ19から放射打消し音UN
は円筒波であるので、ライン状スピーカ19を複数設け
ても複数の打消し音UNが互いに干渉することは無い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設工事現場、道
路、鉄道等より発生する騒音が周辺に拡散することを防
止するノイズキャンセラー付き防音壁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建設工事現場、道路、鉄道等
より発生する騒音が周辺の住宅等に拡散することを防止
するために、現場周囲や道路や鉄道に沿って防音壁が設
けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、防音効
果を高めるためには、防音壁を高くする必要があるが、
防音壁を高くすると、強風に耐えられるように全体の強
度を向上しなければならずコスト高となり、日照、景観
の悪化等を招く問題がある。
【0004】そこで、防音効果を高めるために、自動
車、鉄道等から発せられるノイズを逆位相の音で打ち消
すノイズキャンセラーを取り付けた防音壁が提案されて
いる。
【0005】ところで、騒音源からの音は、防音壁の上
端で回折し、回折音が防音壁の外側へと進行する。
【0006】この騒音の回折音は、防音壁の上端から水
平方向や、斜め下方へ向かって進行するため、騒音の回
折音を逆位相の回折音で打ち消すことができる。
【0007】回折減音量は、周波数(f)が高くなるに
したがって大きくなるため、中高域、例えば1kHz以
上の周波数では、防音壁の効果は顕著になる。
【0008】しかしながら、500Hz以下の低音域で
は、減音量は、周波数が低くなるにしたがい小さくな
る。
【0009】このため、低音域の騒音は、周辺の住宅等
への影響が大きい。
【0010】そこで、防音壁の上端で回折した回折音を
出来る限り低減することが好ましい。
【0011】従来例、例えば、特開2001−1729
25号には、マイクロフォンで騒音を拾い、道路に沿っ
て設けた複数のスピーカから騒音と逆位相の騒音相殺音
を発生させる能動遮音壁が開示されている。
【0012】しかしながら、図8に示すように、コーン
スピーカ100から発せられる騒音相殺音UNは球面波
であるため、コーンスピーカ100とコーンスピーカ1
00との間では、一方の騒音相殺音UNと、他方の騒音
相殺音UNとが干渉(即ち、波面が交差する)してしま
い、コーンスピーカ100とコーンスピーカ100との
間で騒音相殺音UNのレベルが増大したり、減衰する問
題があり、騒音を十分に低減できなかったり、騒音相殺
音UNによる新たな騒音を発生する場合があった。
【0013】特開2001−172925号には、スピ
ーカを並列に配置することによって騒音を低減できる範
囲をある程度拡大可能であることが記載されているが、
効果としては未だ不十分なものであった。
【0014】また、DSP(デジタル・シグナル・プロ
セッシング・ユニット)を用いた能動遮音壁も提案され
ているが、スピーカ、マイクロフォン及び騒音源の位置
関係に関するパラメータが複数あるため、演算が複雑化
し、装置構成も複雑化する問題があり、さらには、演算
遅れにより騒音を低減できない場合もある。
【0015】本発明は、上記事実を考慮し、騒音の移動
方向に沿って防音壁の外側での騒音レベルを確実に低減
することのできるノイズキャンセラー付き防音壁を提供
することが目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のノイズ
キャンセラー付き防音壁は、固定または移動する騒音源
の側方に立設される防音壁と、前記防音壁の騒音源側の
壁面に設けられ、前記騒音源から発生された騒音を検出
するマイクロフォンと、前記防音壁に沿って複数設けら
れ、円筒波を出力するライン状スピーカと、前記マイク
ロフォンで検出された騒音に基づいて、前記ライン状ス
ピーカから前記騒音とは逆位相の打消し音を発生させる
スピーカ駆動手段と、を備え、前記ライン状スピーカ
を、前記防音壁の上端よりも下方に配置すると共に前記
防音壁の上端に向け、前記円筒波の音源中心線を前記防
音壁の上端と平行に設けた、ことを特徴としている。
【0017】次に、請求項1に記載のノイズキャンセラ
ー付き防音壁の作用を説明する。
【0018】請求項1に記載のノイズキャンセラー付き
防音壁では、騒音源から発生された騒音がマイクロフォ
ンで検出されると、スピーカ駆動手段は、騒音とは逆位
相の打消し音を発生させるようにライン状スピーカを駆
動する。
【0019】ここで、騒音から放射された騒音は、防音
壁の上端で回折する。
【0020】一方、ライン状スピーカから放射された打
消し音も、防音壁の上端に向けて進行し、防音壁の上端
で回折する。
【0021】そして、回折した騒音(回折音)と回折し
た打消し音(回折音)とが重なり合い、これにより防音
壁外側での騒音のレベルを低減することができる。
【0022】また、ライン状スピーカの音源中心線を防
音壁の上端と平行に設けているので、ライン状スピーカ
からは防音壁に沿った方向に沿って(なお、道路を走行
する自動車のような騒音源が移動する場合は移動方向に
沿って)長い円筒波が放射される。
【0023】円筒波は、音源中心線に直角な断面では波
形が音源中心線を曲率中心とする円弧形状であり、音源
中心線に沿った断面では波形が音源中心線と平行な形状
である。
【0024】このため、ライン状スピーカを防音壁に沿
って複数配置した場合に、隣接するライン状スピーカが
放射する打消し音が互いに干渉することはなく、防音壁
に沿って(なお、道路を走行する自動車のような騒音源
が移動する場合は移動方向に沿って)一様に騒音を低減
することができる。
【0025】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のノイズキャンセラー付き防音壁において、前記ライン
状スピーカには、前記防音壁に沿って長尺状に形成され
た平面状のダイヤフラムを有するスピーカユニットが設
けられている、ことを特徴としている。
【0026】次に、請求項2に記載のノイズキャンセラ
ー付き防音壁の作用を説明する。
【0027】長尺状に形成された平面状のダイヤフラム
を振動させることにより、円筒波を放射することができ
る。
【0028】なお、音のエネルギーとしては、ダイヤフ
ラム中央を通る法線の方向が最も大きい。
【0029】したがって、ダイヤフラムは、中央を通る
法線を防音壁の上端部に向けることにより、効率的に騒
音を低減することができる。
【0030】また、スピーカユニットのダイヤフラムを
平面状としているため、中央が窪んだコーンスピーカの
ように、雨水等が溜まる問題が無い。
【0031】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のノイズキャンセラー付き防音壁において、前記ライン
状スピーカには、平面状のダイヤフラムを有するスピー
カユニットが前記防音壁に沿って複数連結されている、
ことを特徴としている。
【0032】次に、請求項3に記載のノイズキャンセラ
ー付き防音壁の作用を説明する。
【0033】平面状のダイヤフラムを有するスピーカユ
ニットを一直線状に複数連結することにより、請求項2
に記載の長尺状に形成された平面状のダイヤフラムと同
様に、円筒波を放射することができる。
【0034】なお、その他の作用は請求項2と同様であ
る。
【0035】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3の何れか1項に記載のノイズキャンセラー付き防
音壁において、前記マイクロフォンのダイヤフラムと前
記スピーカユニットの前記ダイヤフラムとは同一平面上
に配置されている、ことを特徴としている。
【0036】次に、請求項4に記載のノイズキャンセラ
ー付き防音壁の作用を説明する。
【0037】従来技術では、騒音を拾う位置(マイクロ
フォンのダイヤフラムの位置)と、騒音を打ち消すため
の打消し音を出す位置(スピーカのダイヤフラムの位
置)とが騒音源を基準として異なっていたため、打消し
音を出す前に騒音と打消し音との位相合わせ等の複雑な
演算を行う必要があり、電気回路(スピーカ駆動手段)
が複雑化すると共に、複雑な波形の騒音(周波数やレベ
ルの異なる複数の音が混ざったもの)を効果的に低減で
きない問題があった。また、演算が遅れることにより騒
音を十分に低減できない場合もある。
【0038】一方、請求項4に記載のノイズキャンセラ
ー付き防音壁では、マイクロフォンのダイヤフラムとス
ピーカユニットのダイヤフラムとが同一平面上に配置さ
れているので、騒音源からマイクロフォンのダイヤフラ
ムまでの距離と、騒音源からスピーカユニットのダイヤ
フラムまでの距離とが同一となるので、騒音と打消し音
との位相合わせ等の複雑な演算を行う必要が無く、スピ
ーカ駆動手段の構成が複雑化せず、演算の遅れ等も生じ
ないので、騒音を確実に低減することが出来る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のノ
イズキャンセラー付き防音壁の一実施形態を詳細に説明
する。
【0040】図1及び図5に示すように、道路12の路
肩側には、防音壁14が道路12に沿って立設されてい
る。
【0041】防音壁14の構造は、従来一般の構造であ
り、例えば、道路側には、孔やスリットの多数形成され
た金属板が設けられ、内部にはグラスウール等の吸音材
が設けられ、反道路側には、孔やスリットの形成されて
いない金属板が設けられたものである。
【0042】図5に示すように、防音壁14の道路側の
壁面18には、道路12に沿って複数のノイズキャンセ
ラー16が一列に並べられている。
【0043】この防音壁14とノイズキャンセラー16
によってノイズキャンセラー付き防音壁10が構成され
ている。
【0044】ノイズキャンセラー16は、マイクロフォ
ン22、後述するライン状スピーカ19、及び制御部2
6等から構成されている。
【0045】本実施形態では、一つのライン状スピーカ
19に対して、一つのマイクロフォン22及び一つの制
御部26が接続され、ノイズキャンセラー16を構成し
ている。
【0046】図5に示すように、ライン状スピーカ19
は、道路12に沿って細長く形成されたキャビネット2
0を備えており、キャビネット20には平面スピーカユ
ニット24が複数取り付けられている。
【0047】平面スピーカユニット24は、例えば、P
CT/JP00/03755号等に記載されているマル
チセルフラットスピーカと呼ばれるものを使用すること
ができ、大きさは各種あるが、それらすべてが使用の対
象となる。
【0048】図3及び図4に示すように、平面スピーカ
ユニット24は、磁性体で形成された板状部材からなる
ヨーク28を備えている。
【0049】ヨーク28の磁石固定部28Aには、偏平
でかつ4角形状に形成された複数の永久磁石30が、異
なる極性の磁極面が交互に位置し、磁極面を図の上方に
向けて接着により所定の隙間を設けて固定配置されてい
る。
【0050】ヨーク28の上面側には、永久磁石30の
磁極面、従ってヨーク28の上面に対して平行になるよ
うに、長尺状のダイヤフラム32が磁極面に対して近接
して配置されている。
【0051】ヨーク28のダイヤフラム取付部28Bに
は、スペーサ34を介在させて、矩形枠状の枠体36の
外周縁が固定されている。
【0052】枠体36には、断面半円弧状の弾性部分で
あるエッジ38が、外周縁に沿って連続して形成されて
いる。
【0053】枠体36の内周縁側には、ダイヤフラム3
2の外周縁が接着されている。
【0054】ダイヤフラム32には、永久磁石30の各
々に対応させて、渦巻き状に形成されたコイル40が配
置されている。
【0055】各コイル40は、永久磁石30の外縁と略
相似形になるように渦巻き状に巻回するように形成され
ている。
【0056】また、ダイヤフラム32との間に、所定厚
みの空気層を形成するために、複数の永久磁石30の磁
極面は貼着されたシート材42により被覆されている。
【0057】各コイル40にはダイヤフラム32の膜面
と略平行な方向を向いた磁束が鎖交するようになってい
る。
【0058】コイル40に電流を流すと、ダイヤフラム
32の膜面に垂直な方向の力を受け、ダイヤフラム32
は膜面に垂直な方向に変位する。
【0059】従って、発生させたい音響を表す電気信号
をコイル40に通電することにより、ダイヤフラム32
がこの電気信号に応じて振動し、音響信号を発生させる
ことができる。
【0060】図2及び図5に示すように、ライン状スピ
ーカ19は、防音壁14の道路側の壁面18に取付金具
43を介して取り付けられている。
【0061】なお、ライン状スピーカ19は、図5に示
すように互いに接近させて並べても良く、ある程度の間
隔をあけて並べても良い。
【0062】図2及び図5に示すように、キャビネット
20上面側には、複数の平面スピーカユニット24が、
長手方向をキャビネット20の長手方向に一致させた状
態で一直線状に連結されている。
【0063】なお、キャビネット20の上部には、平面
スピーカユニット24のダイヤフラム32への塵除け及
び保護用のメッシュ44が設けられている。
【0064】平面スピーカユニット24のダイヤフラム
32は、防音壁14の上端14Aに向けられており、ダ
イヤフラム32の幅方向中心線(音源中心線:図5及び
図6の符号CL)は、防音壁14の上端14Aと平行と
なっている。
【0065】図2に示すように、道路12の長手方向に
直角な断面で見たときに、ダイヤフラム32の幅方向中
心線(音源中心線)CLを通り、かつダイヤフラム32
の表面に立てた法線32Lが、防音壁14の上端14A
に向けられている。
【0066】このように、平面スピーカユニット24の
ダイヤフラム32の位置は、防音壁14の上端14Aよ
りも下方で、かつ道路上の騒音源46よりも上方の領域
内に配置される。
【0067】図1に示すように、マイクロフォン22
は、取付金具48を介して防音壁14の道路側の壁面1
8にキャビネット20とは離されて取り付けられてい
る。
【0068】マイクロフォン22は、斜め下方からの音
を拾うように斜め下向きに取り付けられている。
【0069】なお、マイクロフォン22は、単一指向性
のものであっても良く、無指向性のものであっても良
い。
【0070】マイクロフォン22のダイヤフラム45
(図2参照。)は、平面スピーカユニット24のダイヤ
フラム32と同様に平面状のものが好ましい。
【0071】また、図1及び図5に示すように、マイク
ロフォン22は、ライン状スピーカ19の長手方向中央
部の下方に位置している。
【0072】次に、マイクロフォン22、平面スピーカ
ユニット24、及び道路12を走行する騒音源(例え
ば、自動車、オートバイ等)46との位置関係を説明す
る。
【0073】先ず、図1に示すように、騒音源46と防
音壁14の上端14A(本実施形態では、道路側の角部
14Aa)とを仮想直線46Lで結ぶ。
【0074】図1及び図2に示すように、防音壁14の
上端14Aから平面スピーカユニット24のダイヤフラ
ム32(図1では図示せず。)の幅方向中心線CLまで
の直線寸法を半径(R1)とする仮想円弧C1と、仮想
直線46Lとの交点をPとする。
【0075】マイクロフォン22は、ダイヤフラム45
の中心が騒音Nから交点Pまでの直線寸法を半径(R
2)とする仮想円弧C2上に配置されるように位置決め
されている。
【0076】平面スピーカユニット24のダイヤフラム
32とマイクロフォン22のダイヤフラム45との位置
関係が上記のようになっていれば、図1,2に示すよう
にマイクロフォン22は平面スピーカユニット24より
も下側に配置しても良く、平面スピーカユニット24よ
りも上側に配置しても良い。
【0077】なお、平面スピーカユニット24、スペー
サ34、枠体36、ダイヤフラム32、マイクロフォン
22のダイヤフラム45等の外気に触れる部材は、雨水
等に対する耐久性を向上するために合成樹脂で形成され
ている。
【0078】平面スピーカユニット24及びマイクロフ
ォン22は、制御部26に接続されている。
【0079】制御部26は、マイクロフォン22で検出
された騒音に基づいて、平面スピーカユニット24が騒
音とは逆位相の打消し音を放射するように平面スピーカ
ユニット24へ電気信号を出力する。(作用)次に、本
実施形態の作用を説明する。
【0080】道路12を走行する騒音源(例えば、自動
車、オートバイ等)46から発生した騒音Nは、マイク
ロフォン22で検出される。
【0081】制御部26は、マイクロフォン22で検出
された騒音Nに基づいて、騒音Nとは逆位相の打消し音
UNを発生させるように平面スピーカユニット24を駆
動する。
【0082】騒音Nの内で比較的周波数の高い成分は、
防音壁14の吸音材により吸音されるが、比較的周波数
の低い成分(例えば、周波数100〜500Hz)は、
防音壁14の上端14Aにて回折し、防音壁14の反道
路側の水平方向や斜め下方へ向けて伝播する問題があ
る。
【0083】本実施形態では、平面スピーカユニット2
4から放射された打消し音UNが、防音壁14の上端1
4Aにおいて回折し、回折した騒音N(回折音)と回折
した消し音UN(回折音)とを重ね合わせることによ
り、防音壁14の反道路側の騒音レベルを低減すること
ができる。
【0084】なお、防音壁14の反道路側の騒音レベル
が最も小さくなるように、制御部26にて打消し音UN
のレベルが予め設定されている。
【0085】本実施形態では、騒音源46からマイクロ
フォン22のダイヤフラム45まので騒音Nの伝達距離
と、騒音46から平面スピーカユニット24のダイヤフ
ラム32までの騒音Nの伝達距離が同一になっているの
で、制御部26は、騒音Nの位相に対して打消し音UN
の位相を180°異ならせると共に、騒音Nが防音壁1
4の上端14Aにおいて最小となるように打消し音UN
のレベルを調整するのみで、防音壁14の反道路側での
騒音レベルを確実に小さくできる。
【0086】したがって、複雑な演算を行うDSP等を
用いる必要がなく、制御部26の構成も簡単なものとな
る。
【0087】また、騒音源46が道路12上を移動する
ため、一つの騒音源46に対して複数のノイズキャンセ
ラー16が同時に打消し音UNを出力する場合がある
が、各ノイズキャンセラー16から放射される打消し音
UNが図6に示すような円筒波であるため、隣接する打
消し音UN同士が干渉する事は無く、確実に騒音Nを低
減することができる。
【0088】また、平面スピーカユニット24のダイヤ
フラム32は平面状であるため、中央が窪んだコーンス
ピーカのように、雨水等が多量に溜まる問題が無く、降
雨時においても、確実に打消し音UNを放射することが
できる。
【0089】なお、道路12に車線が複数ある場合に
は、特に騒音を低減したい車線を走行する騒音源46に
合わせてマイクロフォン22と平面スピーカユニット2
4の位置を決めれば良い。(その他の実施形態)上記実
施形態では、マイクロフォン22が平面スピーカユニッ
ト24から離れた位置にあったが、図7に示すように、
マイクロフォン22をキャビネット20に取り付けても
良い。
【0090】この場合、キャビネット20の中央(平面
スピーカユニット24と平面スピーカユニット24との
間)に、騒音源46からの騒音Nを拾うようにマイクロ
フォン22を騒音源46に向けて取り付け、平面スピー
カユニット24のダイヤフラム32とマイクロフォン2
2のダイヤフラム45とを同一平面状に配置すると共
に、ダイヤフラム32の表面に立てた法線32Lを、騒
音源46と防音壁14の上端14A(道路側の角部14
Aa)とを結ぶ仮想直線46Lに一致させる。
【0091】なお、防音壁14の反道路側に騒音Nの低
減具合を検出するエラーマイクロフォンを設け、エラー
マイクロフォンによって検出された騒音Nのレベルに応
じて打消し音UNの出力を調整し、防音壁14の反道路
側での騒音レベルが最小限となるようにフィードバック
制御しても良い。
【0092】また、DSP等を用いて演算するのであれ
ば、平面スピーカユニット24のダイヤフラム32、及
びマイクロフォン22の位置は、上記実施形態の位置と
は異なっていても良い。
【0093】なお、図1の例において、DSPを用いる
場合には、マイクロフォン22の位置は、DSPの演算
時間を考慮して仮想円弧C2よりも騒音源側に配置する
ことが好ましい。
【0094】なお、防音壁14の反道路側に騒音Nの低
減具合を検出するエラーマイクロフォンを設け、エラー
マイクロフォンによって検出された騒音Nのレベルに応
じて打消し音UNの出力を調整し、防音壁14の反道路
側での騒音レベルが最小限となるように制御しても良
い。
【0095】また、上記実施形態のように、ダイヤフラ
ム32の表面に立てた法線32Lを防音壁14の上端1
4Aに向けることが最も良いが、騒音の低減効果が十分
あれば、法線32Lの向きは防音壁14の上端14Aか
ら多少外れていても良い。
【0096】また、上記実施形態では、道路12の側方
にノイズキャンセラー付き防音壁10を設けた例を説明
したが、本発明はこれに限らず、ノイズキャンセラー付
き防音壁10は、建設工事現場、鉄道の線路、滑走路等
の交通路に沿って設けても良い。
【0097】なお、上記実施形態の平面スピーカユニッ
ト24では、ダイヤフラム32の形状が長尺状であった
が、ダイヤフラム32の形状は正方形であっても良い。
【0098】ダイヤフラム32の形状が正方形であって
も、一直線状に複数隣接して配置することにより、円筒
波を放射することができる。
【0099】また、上記実施形態では、一つのライン状
スピーカ19、一つのマイクロフォン22及び一つの制
御部26によりノイズキャンセラー16を構成していた
が、本発明はこれに限らず、一つのマイクロフォン2
2、一つの制御部26及び複数のライン状スピーカ19
によりノイズキャンセラー16を構成しても良い。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように本発明のノイズキャ
ンセラー付き防音壁によれば、騒音の移動方向に沿って
防音壁の外側での騒音レベルを確実に低減することがで
きる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るノイズキャンセラー
付き防音壁を設けた道路の断面図である。
【図2】ノイズキャンセラーの断面図である。
【図3】平面スピーカユニットの分解斜視図である。
【図4】平面スピーカユニットの断面図である。
【図5】道路及びノイズキャンセラー付き防音壁の平面
図である。
【図6】円筒波を示す説明図である。
【図7】マイクロフォンを取り付けたスピーカの断面図
である。
【図8】コーンスピーカから放射される音の干渉を示す
説明図である。
【符号の説明】
10 ノイズキャンセラー付き防音壁 14 防音壁 19 ライン状スピーカ 22 マイクロフォン 24 平面スピーカユニット 26 制御部(スピーカ駆動手段) 32 ダイヤフラム 45 ダイヤフラム 46 騒音源 CL 音源中心線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定または移動する騒音源の側方に立設
    される防音壁と、 前記防音壁の騒音源側の壁面に設けられ、前記騒音源か
    ら発生された騒音を検出するマイクロフォンと、 前記防音壁に沿って複数設けられ、円筒波を出力するラ
    イン状スピーカと、 前記マイクロフォンで検出された騒音に基づいて、前記
    ライン状スピーカから前記騒音とは逆位相の打消し音を
    発生させるスピーカ駆動手段と、 を備え、 前記ライン状スピーカを、前記防音壁の上端よりも下方
    に配置すると共に前記防音壁の上端に向け、前記円筒波
    の音源中心線を前記防音壁の上端と平行に設けた、こと
    を特徴とするノイズキャンセラー付き防音壁。
  2. 【請求項2】 前記ライン状スピーカには、前記防音壁
    に沿って長尺状に形成された平面状のダイヤフラムを有
    するスピーカユニットが設けられている、ことを特徴と
    する請求項1に記載のノイズキャンセラー付き防音壁。
  3. 【請求項3】 前記ライン状スピーカには、平面状のダ
    イヤフラムを有するスピーカユニットが前記防音壁に沿
    って複数連結されている、ことを特徴とする請求項1に
    記載のノイズキャンセラー付き防音壁。
  4. 【請求項4】 前記マイクロフォンのダイヤフラムと前
    記スピーカユニットの前記ダイヤフラムとは同一平面上
    に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求
    項3の何れか1項に記載のノイズキャンセラー付き防音
    壁。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006097350A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 消音装置、遮音壁及び消音方法
KR100837369B1 (ko) 2006-02-02 2008-06-12 명성산업개발 주식회사 교통 소음 저감 시스템 및 방법
JP2014206585A (ja) * 2013-04-11 2014-10-30 清水建設株式会社 騒音低減システム

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