JP2003251697A - オレフィン系多層フィルムの製造方法、およびこの方法により得られるオレフィン系多層フィルム、並びにオレフィン系多層フィルム製造装置 - Google Patents

オレフィン系多層フィルムの製造方法、およびこの方法により得られるオレフィン系多層フィルム、並びにオレフィン系多層フィルム製造装置

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JP2003251697A
JP2003251697A JP2002058052A JP2002058052A JP2003251697A JP 2003251697 A JP2003251697 A JP 2003251697A JP 2002058052 A JP2002058052 A JP 2002058052A JP 2002058052 A JP2002058052 A JP 2002058052A JP 2003251697 A JP2003251697 A JP 2003251697A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温でも互いに剥離せず、強固で透明性に優
れたオレフィン系多層フィルムの製造方法、該方法によ
り得られるオレフィン系多層フィルム、およびオレフィ
ン系多層フィルム製造装置を提供する。 【解決手段】 少なくともオレフィン系樹脂からなる樹
脂層が2層以上積層してなる積層フィルムの、圧着され
る表面側の樹脂層を内層とし、この内層に用いられる内
層樹脂の融点をTmin℃とするとともに、該内層の反対
の表面側の樹脂層を表層とし、この表層に用いられる表
層樹脂の融点をTmout℃とした場合において、Tmin
<Tmoutの関係を満足する内層樹脂および表層樹脂を
選択し、圧着時の温度を(Tmin−40)℃以上とす
る。これにより、十分強固に接着し、透明度の高いオレ
フィン系多層フィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系多層
フィルムの中でも、特に、オレフィン系樹脂からなる樹
脂層が2層以上積層してなる積層フィルムを、さらに圧
着させて成形される多層フィルムを好適に製造する製造
方法と、該製造方法により得られ、農園芸用途に特に好
適に用いられるオレフィン系多層フィルムと、上記製造
方法の一つの形態を実現可能とするオレフィン系多層フ
ィルム製造装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の樹脂層を積層してなる多層フィル
ムの中でも、オレフィン系多層フィルムは、その物性か
ら、温度や湿度の変化が比較的激しい環境下でも好適に
使用することが可能となっている。それゆえ、特に、風
雨や直射日光にさらされる屋外での使用、例えば農園芸
用の包装材料(具体的には、農業用のパイプハウスや鉄
骨ハウスの被覆フィルム等)の用途として好適に用いら
れている。
【0003】特に、農園芸用の包装材料としては、塩化
ビニル樹脂製のものが多く用いられているが、近年、環
境上の問題等から塩化ビニル樹脂をできる限り使用しな
いようになっている。そのため、オレフィン系多層フィ
ルムは、塩化ビニル製の包装材料に代わる有望な包装材
料となっている。
【0004】ところで、上記オレフィン系多層フィルム
の製造方法の一つとして、従来、オレフィン系樹脂から
なる樹脂層が2層以上積層してなる積層フィルムを、さ
らに圧着させて成形する技術が知られている。このよう
な技術としては、具体的には、例えば、特開昭64−
22544号公報(特公平6−53407号公報)、
特開平5−50568号公報、特開昭60−8594
6号公報(特公平4−24220号公報)等に開示され
ている技術が挙げられる。
【0005】上記の技術では、インフレーション法に
より、積層フィルムの内表面同士を、擬似接着層によっ
て接着する方法が開示されている。また、上記の技術
では、一層からなる積層フィルムを折り返し、この折り
返された積層フィルムの一方を切断することで、積層フ
ィルムを圧着させる方法が開示されている。さらに、上
記の技術では、密度0.940g/cm3以下の短鎖
分岐を有する、直鎖状ポリエチレン樹脂よりなる積層フ
ィルムを圧着する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の各技術を用いても、得られるオレフィン系多層フィ
ルムの品質が十分に向上されず、それゆえ、用途によっ
ては、実用性に欠ける等の問題点が生じている。
【0007】具体的には、まず、上記・の技術を用
いた場合、積層フィルムをさらに圧着させて多層フィル
ム成形することはできるが、積層フィルム同士がブロッ
キングにより接着されることになる。一般に、ブロッキ
ングとは、剥離困難ではあるものの剥離が不可能ではな
いことを指し、具体的には、低温下では積層フィルム同
士が剥離され易くなる。
【0008】それゆえ、上記・の技術を用いると、
積層フィルム同士が剥離し易くなって、積層フィルムの
間に空気等が入り込んでしまい、得られるオレフィン系
多層フィルムの透明性が劣化してしまう。さらに、この
ようなオレフィン系多層フィルムを、農園芸用の包装材
料等として用いると、屋外の激しい温度変化のため、剥
離した積層フィルムの間に、空気だけでなく水等も入り
込み易くなってしまう。
【0009】一方、の技術では、積層フィルムの密度
の範囲を限定した製造方法である。そのため、積層フィ
ルムのすべての密度領域において効果があるとはいえ
ず、この方法によって、適当なオレフィン系多層フィル
ムを得ることはできない。
【0010】また、農園芸用の包装材料等では、使用時
の透明性が重要となるため、例えば、屋外での使用時に
包装材料が曇ることを防止する目的で、防曇剤等の塗布
剤が表面に塗布されることが多い。しかしながら、上記
従来の技術で得られるオレフィン系多層フィルムは、そ
もそもその透明性が低くなり易いため、防曇剤による防
曇効果を有効に活用することができない。
【0011】本発明は、上記従来の問題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、積層フィルムを完全に圧着す
ることで、低温でも互いに剥離せず、強固で透明性に優
れたオレフィン系多層フィルムの製造方法、およびこの
方法により得られるオレフィン系多層フィルム、並びに
オレフィン系多層フィルム製造装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のオレフィン系多
層フィルムの製造方法は、上記課題を解決するために、
少なくともオレフィン系樹脂からなる樹脂層が2層以上
積層してなる積層フィルムを、圧着させる積層フィルム
圧着工程を含むオレフィン系多層フィルムの製造方法に
おいて、上記積層フィルムにて圧着される表面側の樹脂
層を内層とし、この内層に用いられる内層樹脂の融点を
Tmin℃とするとともに、該内層の反対となる表面側の
樹脂層を表層とし、この表層に用いられる表層樹脂の融
点をTm out℃とした場合に、上記積層フィルム圧着工
程では、Tmin<Tmoutの関係を満たすように、内層
樹脂および表層樹脂を選択し、かつ、上記圧着時の温度
を(Tmin−40)℃以上とすることを特徴としてい
る。なお、ここでは融解温度を上記融点と定義してい
る。該融点(融解温度)は、JIS K7121の方法
により求めた。すなわち、DSCを用いて、150℃ま
で手動で上昇させ5分間予熱した。予熱の後、5℃/分
で40℃まで降温した。その後、40℃から10℃/分
で150℃まで昇温し、DSC曲線を描かせた。そし
て、融解ピークの頂点の温度を融点(融解温度)とし
た。複数のピークが存在する場合は、高いほうのピーク
について融点を求めた。
【0013】上記の構成により、積層フィルム圧着工程
において、内層同士を、剥離のないレベルまで十分強固
に接着することができる。また、内層の接着に伴って表
層の積層状態が乱れるようなことがない。それゆえ、十
分強固に接着しかつ透明度の高いオレフィン系多層フィ
ルムを得ることができる。
【0014】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、上記課題を解決するために、前記内層樹脂にお
ける融点Tmin℃が80℃未満であることを特徴として
いる。
【0015】上記の構成により、積層フィルム同士の圧
着性が向上した、より強固かつ透明なオレフィン系多層
フィルムが得られる。
【0016】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、上記課題を解決するために、前記内層樹脂が、
エチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴と
している。
【0017】上記の構成により、積層フィルム同士の圧
着性がさらに向上した、さらに強固かつ透明なオレフィ
ン系多層フィルムが得られる。
【0018】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、上記課題を解決するために、さらに、積層フィ
ルム圧着工程の後に、表層となる表面に塗布剤を塗布す
る塗布工程を含むことを特徴としている。
【0019】上記の構成により、種々の特性が外的に付
与されたオレフィン系多層フィルムが得られる。
【0020】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、上記課題を解決するために、前記塗布工程で用
いられる塗布剤が、無機微粒子を含む水性の液体である
ことを特徴としている。
【0021】上記の構成により、親水性が付与されたオ
レフィン系多層フィルムが得られる。
【0022】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、上記課題を解決するために、さらに、塗布工程
の後に、塗布剤に含まれる媒体液を除去する媒体液除去
工程を含むことを特徴としている。
【0023】上記の構成により、水等の媒体液が自然乾
燥によらず迅速に除去される。それゆえ、表面に無機系
材料の層が成形された、オレフィン系多層フィルムが得
られる。
【0024】本発明のオレフィン系多層フィルムは、上
記課題を解決するために、上記いずれか1つの製造方法
によって得られ、農園芸用途に用いられることを特徴と
している。
【0025】上記の構成により、オレフィン系多層フィ
ルムは、優れた透明性を発揮できるため、農園芸用途と
して好適に用いることができる。
【0026】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、上記課題を解決するために、少なくともオレフ
ィン系樹脂からなる樹脂層が2層以上積層してなる積層
フィルムを、圧着させてなるオレフィン系多層フィルム
を製造するオレフィン系多層フィルム製造装置におい
て、さらに、上記積層フィルムにて圧着される表面側の
樹脂層を内層とし、この内層に用いられる内層樹脂の融
点をTmin℃とするとともに、該内層の反対となる表面
側の樹脂層を表層とし、この表層に用いられる表層樹脂
の融点をTmout℃とした場合に、内層樹脂および表層
樹脂として、Tmi n<Tmoutの関係を満たすオレフィ
ン系樹脂がそれぞれ用いられ、互いに内層側が対向する
状態で積層フィルムを搬送させる積層フィルム搬送手段
と、対向する一対のロール部材からなり、圧着時の温度
を(Tmin−40)℃以上に保持しながら、上記状態の
積層フィルムを圧着させる積層フィルム圧着手段を備え
ていることを特徴としている。
【0027】上記の構成により、積層フィルム圧着手段
によって、内層同士を、剥離のないレベルまで十分強固
に接着することができる。また、内層の接着に伴って表
層の積層状態が乱れるようなことがない。それゆえ、十
分強固に接着しかつ透明度の高いオレフィン系多層フィ
ルムを成形することができる。
【0028】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、上記課題を解決するために、上記一対のロール
部材の少なくとも一方が、ゴムからなる表面を有するゴ
ム表面ロールであることを特徴としている。
【0029】上記の構成により、各ロール部材の接触部
位に変形が生じ、各ロール部材が面状に接触する。その
結果、積層フィルムに対して、線ではなく面で加圧する
ことができ、積層フィルム同士の圧着をより均一かつ効
率的に実施できる。
【0030】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、上記課題を解決するために、さらに、上記積層
フィルムをチューブ状に成形することで、互いに内層側
が対向する状態を実現する積層フィルム成形手段を備え
ていることを特徴としている。
【0031】上記の構成により、オレフィン系多層フィ
ルムの内層側が、互いに対向する状態を容易かつ確実に
実現することができる。
【0032】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、上記課題を解決するために、さらに、積層フィ
ルムを圧着した後に、表層となる表面に、無機微粒子を
含む水性の液体である塗布剤を塗布する塗布手段を備え
ていることを特徴としている。
【0033】上記の構成により、オレフィン系多層フィ
ルムに対して、種々の特性を外的に付与することができ
る。
【0034】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、上記課題を解決するために、さらに、前記塗布
剤に含まれる水性の媒体液を乾燥して除去する乾燥手段
を備えていることを特徴としている。
【0035】上記の構成により、水等の媒体液を自然乾
燥によらず迅速に除去することができるので、オレフィ
ン系多層フィルムの表面に、無機系材料の層を迅速かつ
効率的に成形することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1および図2に基づいて説明すれば以
下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0037】本発明にかかるオレフィン系多層フィルム
(以下、単に多層フィルムと略す)の製造方法は、少な
くともオレフィン系樹脂からなる樹脂層が2層以上積層
してなる積層フィルムを、圧着させる積層フィルム圧着
工程を含む方法であり、該積層フィルム圧着工程におい
て、積層フィルム同士を圧着する場合の温度条件を最適
化することで、積層フィルム同士を強固に圧着させる方
法である。
【0038】また、本発明にかかる多層フィルムは、上
記製造方法により得られるものであり、本発明にかかる
オレフィン系多層フィルム製造装置(以下、単に製造装
置と略す)は、本発明にかかる上記製造方法の一つの形
態を好適に実現可能とする装置である。
【0039】まず、上記積層フィルムについて説明す
る。本発明で用いられる上記積層フィルムは、オレフィ
ン系樹脂からなる樹脂層が2層以上積層してなっておれ
ばよく、その積層構造については特に限定されるもので
はないが、各樹脂層を成形する樹脂の融点が所定の条件
に最適化されている。
【0040】具体的には、例えば、図1に示すように、
本実施の形態における積層フィルム9が、2層の樹脂層
11・12からなっている2層構造とする。このとき、
該積層フィルム9にて圧着される表面側の樹脂層11を
内層11とし、この内層11に用いられる内層樹脂の融
点をTmin℃とする。一方、該内層11の反対となる表
面側の樹脂層12を表層12とし、この表層12に用い
られる表層樹脂の融点をTmout℃とする。この場合、
内層樹脂および表層樹脂としては、Tmin<Tmout
関係を満たすように、適切なオレフィン系樹脂が選択さ
れる。そして、後述するように、圧着時の温度は(Tm
in−40)℃以上に設定される。
【0041】内層樹脂の融点と表層樹脂の融点との間に
上記関係が満たされていれば、すなわち内層樹脂の融点
が表層樹脂の融点よりも低ければ、積層フィルム圧着工
程において、図1に示すように、内層11同士を、剥離
のないレベルまで十分強固に接着させることができるだ
けでなく、内層11の接着に伴って表層12の積層状態
が乱れるようなことがない。それゆえ、十分強固に接着
しかつ透明度の高い多層フィルム10を得ることができ
る。なお、図1では、多層フィルム10において、内層
11同士が十分に接着されていることを示すため、内層
11同士の接着面を点線で示している。
【0042】一方、上記の関係が成立していない場合、
すなわち、内層樹脂の融点が表層樹脂の融点と同等か、
それよりも高ければ、内層11の圧着温度で表層12が
容易に軟化してしまうため、内層11の接着に伴って表
層12の積層状態が乱れて透明度が低下するなどしてし
まい好ましくない。
【0043】本発明で好適に用いられるオレフィン系樹
脂としては、特に限定されるものではなく、モノマーと
してオレフィンを少なくとも一種含む樹脂、例えば、エ
チレン単独共重合体や、エチレン−α−オレフィン共重
合体、ポリオレフィン系樹脂や、エチレン−スチレン共
重合体などのオレフィンとビニル基含有芳香族系単量体
との共重合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、エチ
レン−スチレン−ノルボルネン共重合体などのオレフィ
ンと環状単量体との共重合体も好適である。しかしなが
ら、特に、上記内層樹脂としては、融点Tmin℃が80
℃未満のオレフィン系樹脂が用いられることが好まし
い。
【0044】内層樹脂として用いられるオレフィン系樹
脂の融点Tmin℃が80℃未満(Tmin℃<80℃)で
あれば、積層フィルム9同士の圧着性を向上させること
が可能になり、本発明にかかる多層フィルム10をより
強固かつ透明なものとすることができる。
【0045】本発明で好適に用いられる、融点Tmin
が80℃未満の上記オレフィン系樹脂としては、より具
体的には、エチレン−α−オレフィン共重合体が用いら
れることがより好ましい。
【0046】エチレン−α−オレフィン共重合体に用い
られるα−オレフィンは、炭素数が3〜18のα−オレ
フィンであることがさらに好ましく、炭素数が4〜12
であることが特に好ましい。
【0047】α−オレフィンとしては、具体的には、例
えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらα−オ
レフィンは単独で用いてもよく、あるいはまた二種以上
を併用してもよい。
【0048】上記エチレン−α−オレフィン共重合体中
のα−オレフィンモノマー単位の含有量(二種以上を併
用した場合はその合計量)は、0.5モル%〜25モル
%の範囲内であることが好ましく、0.5モル%〜15
モル%の範囲内であることがより好ましい。
【0049】エチレン−α−オレフィン共重合体のメル
トフローレートは、0.1g/10分〜50g/10分
の範囲内であることが好ましく、0.3g/10分〜1
0g/10分の範囲内であることがより好ましく、0.
5g/10分〜5g/10分の範囲内であることがさら
に好ましく、0.8g/10分〜2.5g/10分の範
囲内であることが特に好ましい。該メルトフローレート
の下限値が0.1g/10分未満であると、積層フィル
ムをオレフィン系多層フィルムとしてフィルム化する際
の加工性に劣るため好ましくない。また、該メルトフロ
ーレートの上限値が50g/10分を超えると、上記フ
ィルム化する際の加工性が劣り、また、得られるオレフ
ィン系多層フィルムの強度が劣るために好ましくない。
【0050】エチレン−α−オレフィン共重合体の密度
は、JIS K7112(1980)の規定による測定
では、0.875g/cm3〜0.945g/cm3の範
囲内で用いられるが、0.875g/cm3〜0.90
5g/cm3の範囲内であることが好ましく、0.87
5g/cm3〜0.902g/cm3の範囲内であること
がより好ましく、0.875g/cm3〜0.890g
/cm3の範囲内であることが特に好ましい。密度が
0.945g/cm3よりも大きいと、積層フィルムの
融点が高くなり、該積層フィルムの圧着成形に劣るため
好ましくない。また、密度が0.875g/cm3より
も小さいと、オレフィン系多層フィルムの強度や加工性
が劣るため好ましくない。
【0051】エチレン−α−オレフィン共重合体のゲル
浸透クロマトグラフィー(GPC;gel permeation chr
omatography)で求めた分子量分布(重量平均分子量/
数平均分子量)は、オレフィン系多層フィルムの強度、
および加工性の点から、1.2〜4の範囲内であること
が好ましく、1.5〜3.5の範囲内であることがより
好ましく、1.7〜2.5の範囲内であることが特に好
ましい。
【0052】分子量分布の上限値が4を超えると、オレ
フィン系多層フィルムの透明性や強度が劣るため好まし
くない。また、分子量分布の下限値を1.2未満にする
には、エチレン−α−オレフィン共重合体の重合が困難
になり、コストがかかるために好ましくない。
【0053】エチレン−α−オレフィン共重合体は、下
記の式で求められる組成分布変動係数Cxが0.5以下
であることが好ましく、0.1〜0.4の範囲内である
ことがより好ましく、0.2〜0.35の範囲内である
ことがさらに好ましく、0.2〜0.3の範囲内である
ことが特に好ましい。
【0054】 Cx=σ/SCBave. ・・・(式1) (式中、σは後述する温度上昇カラム分別法により、各
温度における溶出量とその溶出成分の分岐度から求めた
組成分布の標準偏差を表し、SCBave.は後述する
方法により求められる、炭素数1000個あたりの短鎖
分岐の数の平均値を表す。) 上記標準偏差σ、および短鎖分岐の数の平均値SCBa
ve.の具体的な求め方は以下の通りである。SCBa
ve.は、通常、ポリエチレン等の短鎖分岐の測定で行
われているように、エチレン−α−オレフィン共重合体
を、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR;Fourier tr
ansform infrared spectroscopy)で測定することによ
り求められる。ここで、短鎖分岐とは、通常、炭素数1
〜4程度を有する分岐のことである。また、標準偏差σ
は、温度上昇カラム分別法の定法に従って、エチレン−
α−オレフィン共重合体を所定の温度に加熱した溶媒に
溶解し、カラムオーブン中のカラムに入れ、一旦、オー
ブンの温度を下げ、続いて所定の温度まで上昇させ、そ
の温度で溶出した溶出成分の相対濃度と分岐度を、カラ
ムに接続したFT−IRで測定する。引き続き、温度を
段階的に上昇させ、最終温度(溶解したエチレン−α−
オレフィン共重合体がすべて溶出する温度)まで上昇さ
せる。得られた各溶出成分の相対濃度と分岐度を統計処
理し、分岐度から求めた組成分布の標準偏差σを求める
ことができる。
【0055】上記表層樹脂としては、具体的には、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィン
の単独重合体;エチレン/プロピレン共重合体、エチレ
ン/ブテン−1共重合体、エチレン/4−メチル−1−
ペンテン共重合体、エチレン/ヘキセン−1共重合体、
エチレン/オクテン−1共重合体等のエチレン−α−オ
レフィン共重合体;エチレン/酢酸ビニル共重合体、エ
チレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸
メチル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸
メチル共重合体、アイオノマー樹脂等のα−オレフィン
を主成分とする異種単量体との共重合体等が挙げられ
る。また、エチレン−スチレン共重合体などのオレフィ
ンとビニル基含有芳香族系単量体との共重合体、エチレ
ン−ノルボルネン共重合体、エチレン−スチレン−ノル
ボルネン共重合体などのオレフィンと環状単量体との共
重合体も好適である。加工性や、価格等から、ポリエチ
レン、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/
酢酸ビニル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共
重合体を用いることが好ましい。
【0056】本発明で用いられる上記積層フィルムは、
上記オレフィン系樹脂以外の樹脂からなる樹脂層をさら
に積層していてもよい。該オレフィン系樹脂以外の樹脂
としては、具体的には、特に限定されるものではなく、
本発明にかかる多層フィルムの用途に応じて、従来公知
の樹脂層を適宜選択して用いることができる。
【0057】また、上記積層フィルムには、さらに、各
種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、具体
的には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、防霧
剤、防曇剤、ワックス、帯電防止剤、滑剤、アンチブロ
ッキング剤、顔料、防藻剤、光安定剤等が挙げられる。
【0058】本発明で用いられる上記積層フィルム9
は、上記内層11および表層12以外に図示しない中間
層を含んでいてもよい。該中間層としては、オレフィン
系樹脂からなる層であれば特にその構成は限定されるも
のではない。
【0059】次に、上記積層フィルム9を圧着する積層
フィルム圧着工程について説明する。上述したように、
本発明にかかる製造方法では、積層フィルム9におい
て、Tmin<Tmoutの関係を満たすように内層樹脂お
よび表層樹脂を選択しているが、さらに、上記積層フィ
ルム圧着工程において、上記圧着時の温度を(Tmin
40)℃以上とする条件で、該積層フィルム9同士を圧
着する。
【0060】上記圧着時の温度が、(Tmin−40)℃
以上であれば、積層フィルム圧着工程において、内層1
1同士を十分強固に接着させることができ、それゆえ十
分強固に接着しかつ透明性に優れた多層フィルム10を
得ることができる。一方、上記圧着時の温度が、(Tm
in−40)℃未満であると、積層フィルム圧着工程にお
いて、内層11を十分に軟化させることができなくな
り、積層フィルム9同士を十分に接着できなくなるため
好ましくない。
【0061】なお、圧着時の温度の下限は(Tmin−4
0)℃であるが、圧着時の温度の上限については特に限
定されるものではない。しかしながら、あまり圧着時の
温度が高くなりすぎると、内層11も表層12も軟化し
すぎて、得られる多層フィルム10の品質が低下する場
合もあり得る。また、本発明においては、後述する製造
装置で説明するように、圧着時には、実質的に加熱はな
されず、積層フィルム9を成形する時の成形温度を保持
することで、上記下限以上の温度を実現するようになっ
ている。それゆえ、圧着時の温度の上限としては、実用
上、好ましくは、60℃以下である。
【0062】次に、本発明にかかる製造装置について説
明する。本発明にかかる製造装置は、上記積層フィルム
圧着工程を実施可能としており、本発明にかかるオレフ
ィン系多層フィルムを製造できる装置であれば、その具
体的な構成については特に限定されるものではない。本
実施の形態では、例えば、図1に示すように、互いに対
向するロール部材21・22からなり、積層フィルム9
を、互いに内層11側が対向する状態で搬送しながら、
上記下限の温度以上で内層11同士を圧着させる加圧ロ
ーラ型の積層フィルム圧着部(積層フィルム圧着手段)
20を備えている構成が挙げられる。
【0063】換言すれば、本発明にかかる製造装置にお
いては、図1に示すように、互いに内層11側が対向す
る状態で積層フィルム9を搬送させながら、内層11同
士を、(Tmin−40)℃以上の温度で圧着できれば、
積層フィルム圧着手段の具体的な構成は、図1に示す加
圧ローラ型に限定されるものではない。
【0064】上記積層フィルム圧着部20を構成する上
記ロール部材21・22としては、一般的なロールが好
適に用いられる。具体的には、例えば、金属製ロール;
ゴム製ロール;ゴム層、ポリイミド等の樹脂層を表面に
成形してなるコート型金属ロール;等が挙げられる。特
に、本発明にかかる製造装置においては、上記ロール部
材21・22のうちの少なくとも一方が、ゴム製ロール
やゴム層を表面(ロール面)に成形してなるロール(以
下、説明の便宜上、ゴム表面ロールと称する)が非常に
好適に用いられる。
【0065】このようなゴム表面ロールを用いれば、図
2(a)または(b)に模式的に示すように、各ロール
部材21・22の接触部位23に変形が生じ、各ロール
部材21・22が面状に接触する。その結果、積層フィ
ルム9に対して、線ではなく面で加圧することができ、
積層フィルム9同士の圧着をより均一かつ効率的に実施
することができる。なお、図2(a)では、ロール部材
21・22双方ともにゴム表面ロールを用いた場合の例
であり、図2(b)では、ロール部材21・22の一方
のみにゴム表面ロールを用いた場合の例(同図では、ロ
ール部材21がゴム表面ロール)である。
【0066】もちろん、本発明では、図2(c)に示す
ように、金属ロールのように、加圧部位で実質的に変形
が生じないロール部材21・22を用いてもよい。この
場合、各ロール部材21・22の接触部位23に変形が
生じず、各ロール部材21・22は線状に接触するが、
積層フィルム9の種類等によっては、このようなロール
部材21・22を用いる方が好ましい場合もある。
【0067】本発明にかかる積層フィルム圧着部20に
おいては、ロール部材21・22の間で掛けられる圧力
(圧着時の圧力)については、積層フィルム9同士を十
分に圧着できる程度であれば特に限定されるものではな
い。
【0068】例えば、ゴム表面ロールを成形するゴム
(表面のゴム層またはロール本体を成形するゴム)の種
類、各ロール部材21・22に直接加えられる圧力等の
条件が異なると、ロール部材21・22の表面における
変形の程度も異なる。それゆえ、積層フィルム9の厚み
や、内層11・表層12の材質等に応じて、圧着時の圧
力も適宜変化させることができる。
【0069】しかしながら、ロール部材21・22の少
なくとも一方にゴム表面ロールを用いる場合、上記圧着
時の圧力としては、実用的には、面圧換算で20kg/
cm 2以上であることが好ましい。これによって、積層
フィルム9同士を十分に接着できるだけでなく、各積層
フィルム9の間の接着状態をより均一にすることができ
る。
【0070】一方、圧着時の圧力の上限は特に限定され
るものではない。すなわち、積層フィルム9を十分に接
着させることを考慮すれば、圧着時の圧力はより高いこ
とが好ましくなる。しかしながら、あまり圧力が高すぎ
ると、それに見合うだけの高い接着強度で積層フィルム
9を圧着することができなくなる上に、積層フィルム9
が破断するおそれもある。さらに、ロール部材21・2
2の構造や材質によっては、加圧能力に限界がある。そ
れゆえ、実用的には、面圧換算で100kg/cm2
下であることが好ましい。
【0071】あるいは、ロール部材21・22の双方が
金属ロールであれば、図2(c)に示すように、各ロー
ル部材21・22においては、加圧部位で実質的に変形
が生じないと見なせる。そのため、圧着時の圧力として
は、線圧換算で5kg/cm以上であることが好まし
く、10kg/cm以上であることがより好ましい。圧
着時の圧力が、線圧換算で5kg/cm以上であれば、
積層フィルム9同士の接着強さを十分に向上させること
ができる。
【0072】また、双方が金属ロールである場合でも、
圧着時の圧力の上限も特に限定されるものではない。し
かしながら、前述したように、圧着の効率、積層フィル
ム9の破断の回避や、加圧能力の限界から、実用的に
は、400kg/cm以下であることが好ましい。
【0073】上記ゴム表面ロールの具体的な構成は特に
限定されるものではなく、その形状(外径他)について
は、従来公知の構成を適用することができる。さらに、
本実施の形態では、表面のゴムが、JIS K6301
に従うA型スプリング式硬さ試験に基づくスプリング硬
さ(JIS A)で80度以上の硬度を有していること
がより好ましい。
【0074】上記スプリング硬さが80度以上あるよう
な硬質ゴムを表面に有するロール部材21・22が用い
られると、積層フィルム9を、面圧換算で20kg/c
2以上の高い圧力で圧着することが可能となる。一般
に、上記積層フィルム9や金属箔など、表面積に対する
厚みの小さい「薄物」同士を圧着するときには、「薄
物」同士の接着強度にばらつきが生じやすい。このばら
つきは、「薄物」が有する厚み斑(厚みのムラ)に起因
すると推定される。しかしながら、本発明では、ロール
部材21・22の少なくとも一方として、上記ゴム表面
ロールを用いれば、「薄物」同士に効果的に圧力を加え
ることができる。その結果、接着強度のばらつきを効果
的に防止することができる。
【0075】一方、上記ゴム表面ロールの表面硬さの上
限としては、上記スプリング硬さで95度以下であると
より好ましい。95度以下であれば、得られる多層フィ
ルム10において、内層11同士の接着強さをより均一
することができる。逆に、95度を超えると、表面が硬
くなりすぎて、圧着時に、ロール部材21および/また
はロール部材22の表面が適度に変形できなくなり、接
着強さにムラが生ずるおそれがあるため好ましくないこ
とがある。
【0076】上記スプリング硬さが80度以上の硬質ゴ
ムとしては、例えば、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム
等の合成ゴム、あるいは、天然ゴムにおいて加硫剤、ア
ルカリ性物質等の加硫促進剤、異方性充填剤等の補強性
充填剤の配合等によって加硫硬化処理を施すことで得ら
れるゴムが挙げられる。
【0077】上記金属ロールの具体的な構成も特に限定
されるものではなく、従来公知の構成を用いることがで
きる。一般に、金属ロールとしては、強度の観点からス
チール鋼、ステンレス鋼(SUS鋼)等の材質が好適に
用いられる。
【0078】本発明にかかる製造装置では、上記積層フ
ィルム圧着部20において、互いに内層11側が対向す
る状態で積層フィルム9が搬送されていれば、ロール部
材21・22の加圧回転によって、積層フィルム9の内
層11同士を順次接着することができる。それゆえ、本
発明にかかる製造装置には、互いに内層11側が対向す
る状態で積層フィルム9を搬送させる積層フィルム搬送
手段が備えられていることがより好ましい。
【0079】上記積層フィルム搬送手段としては、積層
フィルム9を上記の状態で搬送できるものであれば特に
限定されるものではないが、一般的には、積層フィルム
9および多層フィルム10を平板状に張り渡す張架ロー
ラを挙げることができる。該張架ローラの具体的な構成
は特に限定されるものではなく、従来公知の構成を好適
に用いることができる。加圧ロールによる圧着時のオレ
フィン系多層フィルムの移動速度に制限はないが、0.
1m/分〜200m/分、好ましくは1m/分〜50m
/分、特に2m/分〜20m/分が好ましい。
【0080】本発明にかかる製造装置においては、多層
フィルム10を連続的に製造するために、積層フィルム
成形部(積層フィルム成形手段)を備えていることが好
ましい。特に、積層フィルム成形部により連続的に積層
フィルム9を成形するすぐ下流側に、上記積層フィルム
圧着部20を配置させれば、成形直後の積層フィルム9
を圧着させることになる。そのため、積層フィルム圧着
部20にて、特に保温手段や加熱手段を用いなくても、
圧着時の温度を(Tmin−40)℃以上に保持しなが
ら、上記状態の積層フィルム9を圧着させることができ
る。
【0081】上記積層フィルム成形部の具体的な構成と
しては、特に限定されるものではなく、カレンダー成形
等、従来公知のフィルム成形手法を用いることができる
が、中でも、積層フィルム9をチューブ状に成形するイ
ンフレーション成形機が用いられることがより好まし
い。
【0082】インフレーション成形機では、可塑化装置
(各種押出機等)で可塑化された熱可塑性樹脂(本発明
では、上記オレフィン系樹脂)を、該可塑化装置に連結
されたダイス先端の環状スリットからチューブ状に排出
し、これを鉛直方向に引きながらチューブ内に空気を吹
き込んで延伸させる。そのため、積層フィルム成形部と
してインフレーション成形機を用いれば、積層フィルム
9がチューブ状になるため、互いに内層11側が対向す
る状態を容易かつ確実に実現することができる。
【0083】〔実施の形態2〕本発明の実施の一形態に
ついて図3に基づいて説明すれば以下の通りである。な
お、本発明はこれに限定されるものではない。また、説
明の便宜上、前記実施の形態1で用いた部材と同一の機
能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明
を省略する。
【0084】本実施の形態では、前記実施の形態1で説
明した積層フィルム圧着工程の後に、少なくとも、表層
となる表面に塗布剤を塗布する塗布工程が実施される。
【0085】例えば、前記実施の形態1で説明した製造
方法または製造装置により得られた多層フィルム10の
表面に各種塗布剤を塗布することで、該多層フィルム1
0に対して、種々の特性を外的に付与することができ
る。
【0086】上記塗布剤としては、多層フィルム10の
表面に塗布可能なものであれば特に限定されるものでは
ないが、一般的には、液体、特に水性の液体(主な媒体
液が水)であることが好ましい。塗布剤に含まれる成分
としても特に限定されるものではなく、有機系材料であ
ってもよく無機系材料であってもよい。
【0087】例えば、塗布剤として、無機系材料が用い
られ、媒体液として主に水が用いられる場合には、該無
機系材料が無機微粒子であることが好ましい。無機微粒
子を用いることで、本発明にかかる多層フィルム10の
両面に親水性を付与することができる。上記無機微粒子
としては、具体的には、Si、Al、Ti、Zn、S
e、Snからなる群より選ばれる少なくとも一種の原子
を含有する無機微粒子が挙げられる。該無機微粒子がS
i、Al、Tiからなる群より選ばれる少なくとも一種
の原子を含有する無機微粒子であれば、多層フィルム1
0の両面に対して、防汚性、防曇性を付与することがで
きる。また、該無機微粒子がZn、Se、Snを主成分
としてなるコロイド物質であれば、上記多層フィルム1
0の両面に、該多層フィルム10における熱線の吸収を
防止する、熱線カット性を付与することができる。
【0088】本発明にかかる多層フィルム10は、原反
である2枚の積層フィルム9を互いに剥離できない程度
に強固に接着することができる。そのため、優れた透明
性を発揮でき、例えば、農園芸用の包装材料として好適
に用いることができる。ここで、農園芸用の包装材料で
は、使用時の透明性が重要となるため、例えば、屋外で
の使用時に包装材料が曇ることを防止する目的で、防曇
剤等の塗布剤が表面に塗布される。それゆえ、上記塗布
剤として防曇剤を用いることで、本発明にかかる多層フ
ィルム10を、農園芸用に好適に用いることができる。
【0089】上記塗布工程で実施される具体的な塗布方
法としては特に限定されるものではなく、従来公知の各
種塗布方法を好適に用いることができる。中でも、マイ
ヤーバー法、グラビアコート法を用いることが好まし
い。
【0090】本実施の形態にかかる製造方法では、上記
塗布工程にて、媒体液に無機系材料等を溶解または分散
させた塗布液を用いる場合には、該塗布工程の後に、塗
布剤に含まれる媒体液を除去する媒体液除去工程が実施
されることが好ましい。具体的な媒体液除去手法として
は、ドライヤーなどによる乾燥を挙げることができる。
この工程が実施されることで、水等の媒体液を自然乾燥
によらず迅速に除去することができるので、多層フィル
ム10の表面に、無機系材料の層を迅速かつ効率的に成
形することができる。
【0091】次に、本実施の形態における製造装置につ
いて説明する。本実施の形態では、少なくとも上記塗布
工程を実施できる製造装置であればよく、その具体的な
構成は特に限定されるものではない。本実施の形態で
は、前記実施の形態1で述べたインフレーション成形機
を用い、かつ両面に塗布剤を塗布する場合について説明
する。
【0092】例えば、図3に示すように、本実施の形態
にかかる製造装置は、前記積層フィルム圧着部20に加
えて、インフレーション成形機(積層フィルム成形手
段)31、張架ローラ32、送液部33、マイヤーバー
34、ドライヤー(乾燥手段)35、巻取部36を備え
ている。
【0093】上記積層フィルム圧着部20、インフレー
ション成形機31および張架ローラ32については、前
記実施の形態1と同様であるので、その説明は省略す
る。
【0094】張架ローラ32の作用によって、多層フィ
ルム10は移動する。そして、積層フィルム9を圧着し
て多層フィルム10を成形した後に、送液部33で、表
層12に、上記塗布剤を塗布する。
【0095】上記マイヤーバー34は、多層フィルム1
0の移動方向に対して垂直になるように、かつ多層フィ
ルム10を挟み込むように2本配置される。そして、送
液部33を通過して、その表面に塗布剤が塗布された多
層フィルム10をしごくことで、余分な塗布剤を取り除
き、所定の厚みで塗布剤を塗布する。なお、マイヤーバ
ー34の具体的な構成は特に限定されるものではなく、
従来公知の構成を用いることができる。
【0096】上記ドライヤー35は、内部で多層フィル
ム10を移動させながら、熱風を多層フィルム10表面
に当てることで、塗布剤に含まれる水性の媒体液を乾燥
させて除去する。なお、ドライヤー35の構成も特に限
定されるものではなく、従来公知の構成を用いることが
できる。また、ドライヤー35における熱風の温度とし
ては、積層フィルム10を構成する樹脂層の融点よりも
低いことが好ましい。これによって、多層フィルム10
の過剰な軟化とこれに伴う形状の劣化を回避することが
できる。なお、ドライヤー35における熱風の風速とし
ては、多層フィルム10が周囲のドライヤー35に接触
する等して、乾燥や移動に支障を来たさない程度であれ
ばよく、特に限定されるものではない。
【0097】上記巻取部36は、塗布・乾燥後の多層フ
ィルム10を牽引しながら巻き取る。なお、該巻取部3
6の具体的な構成も特に限定されるものではなく、従来
公知の構成を好適に用いることができる。
【0098】以上のように、本発明にかかる多層フィル
ムは、前記実施の形態1または2で説明した製造方法
(製造装置)によって得られるものであり、2層の積層
フィルムを強固に貼り合わせてなっている。それゆえ、
優れた強度と高い透明性とを有しており、例えば、農園
芸用途、具体的には、屋外展帳用ハウス資材等として好
適に用いられる。
【0099】特に、実施の形態2で説明したような製造
装置を用いれば、インフレーション成形法を利用して、
透明性の高いオレフィン系多層フィルムを得ることがで
きるだけでなく、この透明性の高い多層フィルムの両面
に防曇剤等の塗布剤を連続的に塗布して、該多層フィル
ムの両面に、防曇性を容易に付与することができる。そ
れゆえ、高品質のオレフィン系多層フィルムを低コスト
で製造することが可能となる。
【0100】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0101】〔実施例1〕内層樹脂としてメタロセン系
触媒で製造されたLLDPE(密度0.898、MI=
2、融点100℃)、中間層としてEVA(住友化学工
業製、エバテートH2031)、外層としてLDPE
(住友化学工業製、スミカセンF200、密度0.92
2、MI=2、融点114℃)を用いて、内層20μm
/中間層60μm/外層20μmになるように共押出し
たフィルムを準備した。
【0102】金属ロールとゴムロールが対になった圧着
装置を用いて、フィルムの内層同士を圧着した。圧着条
件は、加圧ローラの温度を80℃、圧着速度を3m/分
とした。
【0103】得られたオレフィン系多層フィルムそれぞ
れの1.8cm幅の試験片を、温度が20℃、相対湿度
が65%の条件下で2日間保持した後、同条件で、得ら
れたオレフィン系多層フィルムの透明性を測定した。ま
た、180°剥離法により、オレフィン系多層フィルム
の層間剥離強さ、および剥離部位を評価した。
【0104】オレフィン系多層フィルムの層間剥離強さ
の測定には、島津製作所製AGS−100を用いた。剥
離速度が300mm/分で上記オレフィン系多層フィル
ムを剥離したときの、10mm幅の層間剥離強さ、およ
び剥離したときの剥離部位を評価した。
【0105】〔比較例1〕内層樹脂としてメタロセン系
触媒で製造されたLLDPE(密度0.887、MI=
4、融点80℃)、加圧ローラの温度を50℃にする以
外は、実施例1と同様にして、オレフィン系多層フィル
ムを製造した。そして、得られたオレフィン系多層フィ
ルムの透明性、層間剥離強さ、および剥離部位を測定し
た。
【0106】〔実施例2〕実施例1の内層樹脂の融点を
80℃、加圧ローラの温度を50℃にした以外は、実施
例1と同様にしてオレフィン系多層フィルムを製造し
た。そして、得られたオレフィン系多層フィルムの透明
性、層間剥離強さ、および剥離部位を測定した。
【0107】上記実施例1および2、ならびに比較例1
で得られた結果を表1に示す。なお、剥離部位について
は、剥離場所が層内の凝集破壊の場合を○で表してい
る。
【0108】
【表1】
【0109】表1に示すように、加圧ローラで圧着させ
るときの温度が、(内層樹脂の融点Tmin−40)℃以
上であれば、得られるオレフィン系多層フィルムは、透
明性を有し、層間剥離強さが大きくなる。しかしなが
ら、上記圧着させるときの温度が(内層樹脂の融点Tm
in−40)℃未満であれば、透明性に劣り、接着しない
オレフィン系多層フィルムとなることがわかる。
【0110】
【発明の効果】本発明のオレフィン系多層フィルムの製
造方法は、以上のように、少なくともオレフィン系樹脂
からなる樹脂層が2層以上積層してなる積層フィルム
を、圧着させる積層フィルム圧着工程を含むレフィン
系多層フィルムの製造方法において、上記積層フィルム
にて圧着される表面側の樹脂層を内層とし、この内層に
用いられる内層樹脂の融点をTmin℃とするとともに、
該内層の反対となる表面側の樹脂層を表層とし、この表
層に用いられる表層樹脂の融点をTmout℃とした場合
に、上記積層フィルム圧着工程では、Tmin<Tmout
の関係を満たすように、内層樹脂および表層樹脂を選択
し、かつ、上記圧着時の温度を(Tmin−40)℃以上
とする構成である。
【0111】それゆえ、積層フィルム圧着工程におい
て、内層同士を、剥離のないレベルまで十分強固に接着
することができる。また、内層の接着に伴って表層の積
層状態が乱れるようなことがない。それゆえ、十分強固
に接着しかつ透明度の高いオレフィン系多層フィルムを
得ることができるという効果を奏する。
【0112】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、以上のように、前記内層樹脂における融点Tm
in℃が80℃未満である構成である。
【0113】それゆえ、積層フィルム同士の圧着性が向
上した、より強固かつ透明なオレフィン系多層フィルム
が得られるという効果を奏する。
【0114】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、以上のように、前記内層樹脂が、エチレン−α
−オレフィン共重合体である構成である。
【0115】それゆえ、積層フィルム同士の圧着性がさ
らに向上した、さらに強固かつ透明なオレフィン系多層
フィルムが得られるという効果を奏する。なお、エチレ
ン/酢酸ビニル共重合体を用いた場合も、同様の効果を
得ることができる。
【0116】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、以上のように、さらに、積層フィルム圧着工程
の後に、表層となる表面に塗布剤を塗布する塗布工程を
含む構成である。
【0117】それゆえ、種々の特性が外的に付与された
オレフィン系多層フィルムが得られるという効果を奏す
る。
【0118】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、以上のように、前記塗布工程で用いられる塗布
剤が、無機微粒子を含む水性の液体である構成である。
【0119】それゆえ、親水性が付与されたオレフィン
系多層フィルムが得られるという効果を奏する。
【0120】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
方法は、以上のように、さらに、塗布工程の後に、塗布
剤に含まれる媒体液を除去する媒体液除去工程を含む構
成である。
【0121】それゆえ、水等の媒体液が自然乾燥によら
ず迅速に除去される。それゆえ、表面に無機系材料の層
が成形された、オレフィン系多層フィルムが得られると
いう効果を奏する。
【0122】本発明のオレフィン系多層フィルムは、以
上のように、上記いずれか1つの製造方法によって得ら
れ、農園芸用途に用いられる構成である。
【0123】それゆえ、オレフィン系多層フィルムは、
優れた透明性を発揮できるため、農園芸用途として好適
に用いることができるという効果を奏する。
【0124】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、以上のように、少なくともオレフィン系樹脂か
らなる樹脂層が2層以上積層してなる積層フィルムを、
圧着させてなるオレフィン系多層フィルムを製造するオ
レフィン系多層フィルム製造装置において、さらに、上
記積層フィルムにて圧着される表面側の樹脂層を内層と
し、この内層に用いられる内層樹脂の融点をTmin℃と
するとともに、該内層の反対となる表面側の樹脂層を表
層とし、この表層に用いられる表層樹脂の融点をTm
out℃とした場合に、内層樹脂および表層樹脂として、
Tmin<Tmoutの関係を満たすオレフィン系樹脂がそ
れぞれ用いられ、互いに内層側が対向する状態で積層フ
ィルムを搬送させる積層フィルム搬送手段と、対向する
一対のロール部材からなり、圧着時の温度を(Tmin
40)℃以上に保持しながら、上記状態の積層フィルム
を圧着させる積層フィルム圧着手段を備えている構成で
ある。
【0125】それゆえ、積層フィルム圧着手段によっ
て、内層同士を、剥離のないレベルまで十分強固に接着
することができる。また、内層の接着に伴って表層の積
層状態が乱れるようなことがない。それゆえ、十分強固
に接着しかつ透明度の高いオレフィン系多層フィルムを
成形することができるという効果を奏する。
【0126】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、以上のように、上記一対のロール部材の少なく
とも一方が、ゴムからなる表面を有するゴム表面ロール
である構成である。
【0127】それゆえ、各ロール部材の接触部位に変形
が生じ、各ロール部材が面状に接触する。その結果、積
層フィルムに対して、線ではなく面で加圧することがで
き、積層フィルム同士の圧着をより均一かつ効率的に実
施できるという効果を奏する。
【0128】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、以上のように、さらに、上記積層フィルムをチ
ューブ状に成形することで、互いに内層側が対向する状
態を実現する積層フィルム成形手段を備えている構成で
ある。
【0129】それゆえ、オレフィン系多層フィルムの内
層側が、互いに対向する状態を容易かつ確実に実現する
ことができるという効果を奏する。
【0130】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、以上のように、さらに、積層フィルムを圧着し
た後に、表層となる表面に、無機微粒子を含む水性の液
体である塗布剤を塗布する塗布手段を備えている構成で
ある。
【0131】それゆえ、オレフィン系多層フィルムに対
して、種々の特性を外的に付与することができるという
効果を奏する。
【0132】本発明のオレフィン系多層フィルムの製造
装置は、以上のように、さらに、前記塗布剤に含まれる
水性の媒体液を乾燥して除去する乾燥手段を備えている
構成である。
【0133】それゆえ、水等の媒体液を自然乾燥によら
ず迅速に除去することができるので、オレフィン系多層
フィルムの表面に、無機系材料の層を迅速かつ効率的に
成形することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかるオレフィン系多
層フィルムの製造方法の概要を示す模式図である。
【図2】(a)〜(c)は、図1に示す製造方法にて用
いられる、積層フィルム圧着部を構成するロール部材が
対向して接触している状態を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の他の形態にかかるオレフィン系
多層フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
9 積層フィルム 10 オレフィン系多層フィルム 11 内層 12 表層 20 積層フィルム圧着部(積層フィルム圧着手段) 21 ロール部材 22 ロール部材 31 インフレーション成形部(積層フィルム成形手
段) 32 張架ローラ(積層フィルム搬送手段) 33 送液部 35 ドライヤー(乾燥手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/32 103 B32B 27/32 103 31/20 31/20 // B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 阪谷 泰一 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 (72)発明者 南部 仁成 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 2B024 DA06 DB01 DB07 2B029 EB03 EC02 EC09 EC17 EC19 RA03 4F100 AA01C AK03A AK03B AK03D AK62B BA04 BA07 CC00C DE01C EA021 EC01 EC012 EH463 EJ19 EJ192 EJ42 EJ422 GB01 JA04A JA04B JK06 JL07 JN01 YY00 4F211 AA03 AA08 AG01 AG03 AH01 AJ05 AR06 TA01 TD11 TH02 TH06 TH10 TN09 TQ03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともオレフィン系樹脂からなる樹脂
    層が2層以上積層してなる積層フィルムを、圧着させる
    積層フィルム圧着工程を含むオレフィン系多層フィルム
    の製造方法において、 上記積層フィルムにて圧着される表面側の樹脂層を内層
    とし、この内層に用いられる内層樹脂の融点をTmin
    とするとともに、該内層の反対となる表面側の樹脂層を
    表層とし、この表層に用いられる表層樹脂の融点をTm
    out℃とした場合に、 上記積層フィルム圧着工程では、Tmin<Tmoutの関
    係を満たすように、内層樹脂および表層樹脂を選択し、
    かつ、上記圧着時の温度を(Tmin−40)℃以上とす
    ることを特徴とするオレフィン系多層フィルムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記内層樹脂における融点Tmin℃が80
    ℃未満であることを特徴とする請求項1に記載のオレフ
    ィン系多層フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】前記内層樹脂が、エチレン−α−オレフィ
    ン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に
    記載のオレフィン系多層フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】さらに、積層フィルム圧着工程の後に、表
    層となる表面に塗布剤を塗布する塗布工程を含むことを
    特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のオレ
    フィン系多層フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】前記塗布工程で用いられる塗布剤が、無機
    微粒子を含む水性の液体であることを特徴とする請求項
    4に記載のオレフィン系多層フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】さらに、塗布工程の後に、塗布剤に含まれ
    る媒体液を除去する媒体液除去工程を含むことを特徴と
    する請求項5に記載のオレフィン系多層フィルムの製造
    方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか1項に記載の製
    造方法によって得られ、農園芸用途に用いられることを
    特徴とするオレフィン系多層フィルム。
  8. 【請求項8】少なくともオレフィン系樹脂からなる樹脂
    層が2層以上積層してなる積層フィルムを、圧着させて
    なるオレフィン系多層フィルムを製造するオレフィン系
    多層フィルム製造装置において、 さらに、上記積層フィルムにて圧着される表面側の樹脂
    層を内層とし、この内層に用いられる内層樹脂の融点を
    Tmin℃とするとともに、該内層の反対となる表面側の
    樹脂層を表層とし、この表層に用いられる表層樹脂の融
    点をTmout℃とした場合に、内層樹脂および表層樹脂
    として、Tmin<Tmoutの関係を満たすオレフィン系
    樹脂がそれぞれ用いられ、 互いに内層側が対向する状態で積層フィルムを搬送させ
    る積層フィルム搬送手段と、 対向する一対のロール部材からなり、圧着時の温度を
    (Tmin−40)℃以上に保持しながら、上記状態の積
    層フィルムを圧着させる積層フィルム圧着手段を備えて
    いることを特徴とするオレフィン系多層フィルム製造装
    置。
  9. 【請求項9】上記一対のロール部材の少なくとも一方
    が、ゴムからなる表面を有するゴム表面ロールであるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のオレフィン系多層フィ
    ルム製造装置。
  10. 【請求項10】さらに、上記積層フィルムをチューブ状
    に成形することで、互いに内層側が対向する状態を実現
    する積層フィルム成形手段を備えていることを特徴とす
    る請求項8または9に記載のオレフィン系多層フィルム
    製造装置。
  11. 【請求項11】さらに、積層フィルムを圧着した後に、
    表層となる表面に、無機微粒子を含む水性の液体である
    塗布剤を塗布する塗布手段を備えていることを特徴とす
    る請求項8、9または10に記載のオレフィン系多層フ
    ィルム製造装置。
  12. 【請求項12】さらに、前記塗布剤に含まれる水性の媒
    体液を乾燥して除去する乾燥手段を備えていることを特
    徴とする請求項11に記載のオレフィン系多層フィルム
    製造装置。
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