JP2003250194A - 薄型スピーカおよびその製造方法 - Google Patents
薄型スピーカおよびその製造方法Info
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Abstract
した薄型スピーカにおいて、音響特性の劣化を招くこと
なく、高精度な組立を容易に実現し、ボイスコイルこす
り等の発生を防止することができ、十分な強度を有する
薄型スピーカ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 外形略皿状で同心円状に一部が重なり合
う2ピース構成のフレームで磁気回路2及び振動系を支
持するようにし、コーン状の振動板3の放音面の前方に
磁気回路2の支持体7、7Aが被さらないようにすると
ともに、ボイスコイル6の内周規制ギャップゲージの使
用を可能とした。
Description
板の前面側に磁気回路を配することによって、スピーカ
全体の薄型化を図った薄型スピーカおよびその製造方法
に関する。
制約のもとに使用されるスピーカにあっては、省スペー
ス化対応のため必然的に薄型化が要求される。
ーカ後方に突出しないように、コーン状の振動板前面の
スペースに内磁型の磁気回路を配して、スピーカの全体
的な薄型化を図る方式が各種提案されている。
は、例えば特許第2685175号が存在する。図6はそのス
ピーカの断面図を示す。
21等を、前方に配置したバスケット22と、後方に配
置したバスケット23内に収め、バスケットを前後一対
構成とし、前方バスケット22で磁気回路20を支持
し、後方バスケット23側で振動系を支持するように
し、これら前後の両バスケット22、23間に磁気回路
20および振動板21等を包有してなる振動系を包み込
むようにし、薄型化を達成している。
ケット22で磁気回路20を支持し、その後方にコーン
状の振動板21が設けられているため、コーン状の振動
板21の放音面の前方を前方のバスケット22が覆うこ
ととなり、音響特性に悪影響を及ぼす、という問題点が
ある。
用新案登録第2579525号や実用新案登録第3001527号が存
在する。図7は前者のスピーカ、図8は後者のスピーカ
を示す。
0を振動板後方側の支持体31で支持する構成を採用し
ている。
の遮蔽物が存在せず、音響特性を阻害、劣化させること
はない。
の構造はいずれについても、ギャップゲージによりボイ
スコイル33の内周を規制して磁気ギャップにボイスコ
イル33を位置決めして取付ける通常の組立方法を適用
しないため、高精度の組立ができずボイスコイルのこす
り等のトラブルが発生しやすいという問題がある。
で若干の難点がある。
されたもので、その目的とするところは、コーン状の振
動板の前面側に内磁型の磁気回路を配した薄型スピーカ
を音響特性の劣化を招くことなく得ることができ、ま
た、簡単な工程でボイスコイルこすり等の発生のない高
精度な組立を実現でき、十分な強度を有する、薄型スピ
ーカおよびその製造方法を提供することである。
アッパーフレーム5と、この後方において同心円状に配
置され、かつ一部が重なり合って接合されるボトムフレ
ーム8の2ピース構成とし、前記アッパーフレーム5
に、外周にエッジ4を有するコーン状の振動板3、この
振動板3の首部に結合されたボイスコイル6、このボイ
スコイル6を支持するダンパー9等の振動系が支持さ
れ、前記ボトムフレーム8の中央部に、前記ボイスコイ
ル6が磁気ギャップに配せられる磁気回路2の支持体
7、7Aが支持され、この支持体7、7Aは前記振動板
3の首部内に位置する構成とし、上記目的を達成してい
る。
前記アッパーフレーム5の外周部に支持され、前記ダン
パー9の外周部は前記アッパーフレーム5の中央部に形
成された孔5dの外周部に支持されることを特徴とす
る。
1の中央部に磁気回路2を載置し、この磁気回路2の上
部にこの支持体である短円柱状の支持体7を取付け、そ
の周囲に配したボイスコイル位置決め用のほぼ円筒状の
第2の治具12を介して前記内磁型磁気回路2の磁気ギ
ャップ内の適正位置にボイスコイル6を配し、このボイ
スコイル6の外周部にコーン状の振動板3の首部を取付
け、このコーン状の振動板3の外周部のエッジ4は振動
板3の後方に被せられる中央部に孔5dが形成されたア
ッパーフレーム5の外周部に支持され、その後方からダ
ンパー9を組み込みその内周部を前記ボイスコイル6の
外周部に取付けるとともに、外周部を前記アッパーフレ
ーム5の孔5dの外周部に支持し、前記第2の治具12
を前記孔5dから抜き取り、その後方からボトムフレー
ム8を被せ、このボトムフレーム8に前記磁気回路2の
支持体を支持させて組立てることを特徴とする。
(1)の中央部に磁気回路(2)を載置し、この磁気回
路(2)の上部に設けられた短円柱状の支持体(7A)
の周囲に配したボイスコイル位置決め用のほぼ円筒状の
第2の治具(12)を介して前記磁気回路(2)の磁気
ギャップ内の適正位置にボイスコイル(6)を配し、こ
のボイスコイル(6)の外周部にコーン状の振動板
(3)の首部を取付け、このコーン状の振動板(3)の
外周部のエッジ(4)は振動板(3)の後方に被せられ
る中央部に孔(5d)が形成されたアッパーフレーム
(5)の外周部に支持され、その後方からダンパー
(9)を組み込みその内周部を前記ボイスコイル(6)
の外周部に取付けるとともに、外周部を前記アッパーフ
レーム(5)の孔(5d)の外周部に支持し、前記第2
の治具(12)を前記孔(5d)から抜き取り、その後
方からボトムフレーム(8)を被せ、このボトムフレー
ム(8)に前記磁気回路(2)の支持体を支持させて組
立てることを特徴とする。
と、ボトムフレーム8とを配し、フレームを強固な2重
構造とし、前方のアッパーフレーム5に振動系を支持さ
せ、後方のボトムフレーム8側に磁気回路2の支持体を
支持させる構成とし、磁気回路2の支持体7、7Aは振
動板3の首部内に位置させ、放音を妨げないようにして
いる。
んで組立できるようにしている。
した断面説明図、図2(a)は本発明に用いられるアッ
パーフレーム一半部の平面図、(b)は同側面図、
(c)は同一半部の底面図、図3(a)は本発明に用い
られるボトムフレームの一半部の平面図、(b)は同側
面図、(c)は同一半部の底面図、図4は組立工程を示
す。
3(a)〜(c)を参照しつつ本発明の一実施例にかか
る薄型スピーカの構成例について説明する。
あり、この第一の治具1の内面にはほぼ円形の平坦部1
aが形成され、この平坦部1aの中央部には内磁型の磁
気回路2を位置決めして取付けるための突部1bが形成
されている。また、ほぼ円形の平坦部1aの外周にはリ
ング状の凹部1cが形成されている。この凹部1cは振
動板3の外周部に一端が接合され、かつ前方に突出する
アップロール状のエッジ4を収納するためのものであ
る。
段部からなるエッジ部分の支持部、1eはさらにその外
周に形成された、凹状のアッパーフレーム5の外周にフ
ランジ状に形成されたエッジ支持兼取付部5aの支持部
であり、アッパーフレーム5のエッジ支持兼取付部5a
の外周にほぼL字状に折曲形成された折曲部5bの外周
が、凹状のアッパーフレーム支持部1eの外側に位置す
る周面に当接・固定される。なお、5cはエッジ支持兼
取付部5aに形成された取付用の取付穴である。
れる磁気回路2は、ほぼ椀状のヨーク2aと、このヨー
ク2aの内面上に設けられるマグネット2bと、このマ
グネット2bの上部に設けられる円板状のプレート2c
とを備え、プレート2cの外周とヨーク2aの内周面と
の間に磁気ギャップが形成されている。また、ヨーク2
aの外面中央には第一の治具1の突部1bと対応して嵌
合可能な位置決め用の凹部2a’が形成されている。
部外周にはコーン状の振動板3の首部が結合され、この
振動板3の外周はエッジ4を介しアッパーフレーム5の
エッジ支持兼取付部5aに取付けられ、かつボイスコイ
ル3は磁気ギャップに振動可能に配設されている。
固定されるほぼ短円柱状をなすアダプターからなる支持
体であり、底部中央には位置決め用の突部7aが形成さ
れ、この突部7aをプレート2cの中央部に形成された
取付穴2c’に嵌合して支持体7は磁気回路2上に取付
け固定される。
エッジ4が取付けられるなどしたコーン状の振動板3等
は、図示の状態においてそれらの外側に配されたほぼ皿
状のアッパーフレーム5に支持される。
パーフレーム5は、詳しくは図2(a)〜(c)に示さ
れるように、中央部に円形の孔5dが形成され湾曲形成
された本体5eと、この本体5eの外周において外側に
向ってほぼ水平方向に延びるフランジ部5fとを有して
いる。本体5eには周方向に間隔を介し複数個の横長の
音孔5gが形成され、また、取付穴5cを有するフラン
ジ部5fの外周部には、エッジ支持兼取付部が形成さ
れ、さらにその外周には、第一の治具1に取付け固定用
のL字状の折曲部5bが形成されている。この折曲部5
bはフランジ部5fの補強用としても機能する。
頂部には磁気回路2を支持するボトムフレーム8が配設
され、一部がアッパーフレーム5と接合される。
系を支持するアッパーフレーム5と、このアッパーフレ
ーム5より小径であって、同心円状をなし、その後方に
配され一部がアッパーフレーム5と重なり合い、接合さ
れ、磁気回路2を支持するボトムフレーム8との2ピー
ス構成としている。
(a)〜(c)に示すように、中央部に円形の孔8aが
形成され、この孔8aの外周に円筒部8bが前方に突出
して形成されたほぼ小皿状の本体8cと、この本体8c
の外周に外側に向って斜め前方に延びるフランジ部8d
とを備えている。
eが間隔を介し複数形成されている。また、円筒部8b
内に内磁型磁気回路2上に一体化された短円柱状の支持
体7が挿入・固定される。換言すると、内磁型磁気回路
2はボトムフレーム8によって支持され、アッパーフレ
ーム5によって支持されたコーン状の振動板3の放音面
の前方に内磁型磁気回路2の支持体7が被さらないよう
になっており、音響特性に悪影響を与えることがないよ
うにしている。
ジ4を介しアッパーフレーム5のフランジ状のエッジ支
持部兼取付部5aに取付けられ、振動板3の内周側の首
部はボイスコイル6の外周に結合される。このボイスコ
イル6の外周にはダンパー9の内周部が結合され、この
ダンパー9の外周部はアッパーフレーム5の孔5dの外
周部外側に結合される。
3の背面においてボイスコイル6の引出線と一端が接続
されたリード線、11はアッパーフレーム5の背面に突
出された切り起こし片状の中継端子で、リード線10の
他端が接続される。
にかかる薄型スピーカの組立方法を説明する。
うに、磁気回路2のヨーク2a外面の凹部2a’を第一
の治具1の突部1bに位置合わせしつつ第1の治具1の
中央部に、予め別途組立てられた磁気回路2を載置す
る。
部7aを磁気回路2のプレート2cの孔2c’に挿入し
つつ接着剤を介し支持体7を磁気回路2と一体化する。
状の第2の治具12を支持体7の外周に位置させる。
置決め用のもので、第2の治具12を所定位置にセッテ
ィング後、その外周にボイスコイル6が配置され、ボイ
スコイル6の内周規制のためのギャップゲージとして機
能し、高精度の組立てを可能とするものである。
とその前方の大径部12bとを有し、大径部12bの外
径はボイスコイル6の内径と等しく、かつ小径部12a
の前端の肉厚部分がプレート2cの外周部に設置され、
ボイスコイル6を磁気ギャップの適正位置に配設できる
ようになっている。
ッジ4が設けられたコーン状振動板3の内周部の首部を
ボイスコイル3の外周の所定位置に接着剤を介し接合す
る。
る。エッジ4の外周は、このアッパーフレーム5のエッ
ジ支持兼取付部5aに接着剤を介し接合され、かつアッ
パーフレーム5は第1の治具1上に載置される。
6の外周の所定位置に接着剤を介し接合するとともに、
ダンパー9の外周部をアッパーフレーム5の孔5dの外
周部の外面部分に接着剤を介し取付ける。
9およびコーン状の振動板3等からなる振動系は、アッ
パーフレーム5によって支持される。
フレーム8をアッパーフレーム5の後方に組み込み接合
させるが、上記第2の治具12はボトムフレーム8接合
前に孔5dを介し抜き出して取り除かれる。
ター7が挿入され、かつ接着材を介し固定される。ま
た、ボトムフレーム8のフランジ部8dの内面はアッパ
ーフレーム5の孔5dの外周部の外面に重なり合わせら
れ、接着剤を介し接合・一体化される。
治具1を取り除けば、薄型スピーカが完成する。
から順次組み込むことにより、組立てることができ、組
立てが容易で、自動化にも対応でき、量産に適してい
る。
実施例では、磁気回路2のプレート2Cに短円柱状の支
持体7Aを一体形成し、組立性の簡略化を図ったことに
特徴を有している。
例では、支持体7が別体構成であったため、組立に際し
て支持体7の組込み工程を必要としていたが、この実施
例では支持体7Aがプレート2Cと一体形成されている
ため、その分、組立工程を削減することができる利点が
ある。
り、また、組立工程も支持体組込み工程がないことを除
いては実質的に同じであるため、説明は省略する。
て、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を
行うことは可能である。
レーム8の外形は必ずしも円形に限らず、例えば多角形
であっても良い。この場合、それらに対応して第1の治
具1を作製すれば良い。また、ボトムフレーム8の形状
を大として強度を持たせるようにしても良い。また、振
動板3のエッジ4はダウンロールでも良く、アップロー
ルとダウンロールとが混在したもの等にしても良い。ま
た、磁気回路2として外磁型のものに本発明を適用し得
ることは勿論である。
ムを2ピースに分割し、各フレーム相互の一部が重なり
合うように同心円状に組み合わせ、一方のフレームでコ
ーン状の振動板3を支持し、他方のフレームで磁気回路
2の支持体を支持し、この磁気回路2を前記振動板3の
首部内に収まるように配置し、振動板3の放音面に磁気
回路2の支持体が被さらないようにしたため、音響特性
の劣化を招くことなく、コーン状振動板の前面側に磁気
回路を配した薄型スピーカを達成し得るとともに、重量
の大きな磁気回路を支持するフレームが一部重なり合っ
た二層構造となるので、強度も一段と向上する。
よれば、一つの治具1の上に構成部品を所定の手順で順
次積み上げて組み立てることができるので、組立が非常
に容易であり、各部品の相互位置関係が一つの基準に基
づいて決められ、かつボイスコイル6の位置決めに通常
の内周規制のためのギャップゲージを使用することがで
きるので、高精度の組立が可能となり、ボイスコイルこ
すりのような不具合の発生を防止することができる。
カの内部構造を示す断面図。
ームの一半部の平面図、(b)は同側面図、(c)は半
面の底面図を示す。
ムの一半部の平面図、(b)は同側面図、(c)は一半
部の底面図を示す。
の組立工程説明図を示す。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 フレームを、アッパーフレーム(5)
と、この後方において同心円状に配置され、かつ一部が
重なり合って接合されるボトムフレーム(8)の2ピー
ス構成とし、 前記アッパーフレーム(5)に、外周にエッジ(4)を
有するコーン状の振動板(3)、この振動板(3)の首
部に結合されたボイスコイル(6)、このボイスコイル
(6)を支持するダンパー(9)等の振動系が支持さ
れ、 前記ボトムフレーム(8)の中央部に、前記ボイスコイ
ル(6)が磁気ギャップに配せられる磁気回路(2)の
支持体(7,7A)が支持され、 この支持体(7、7A)は前記振動板(3)の首部内に
位置することを特徴とする薄型スピーカ。 - 【請求項2】 請求項1記載において、 前記エッジ(4)の外周部は前記アッパーフレーム
(5)の外周部に支持され、前記ダンパー(9)の外周
部は前記アッパーフレーム(5)の中央部に形成された
孔(5d)の外周部に支持されることを特徴とする薄型
スピーカ。 - 【請求項3】 第1の治具(1)の中央部に磁気回路
(2)を載置し、この磁気回路(2)の上部にこの支持
体である短円柱状の支持体(7)を取付け、その周囲に
配したボイスコイル位置決め用のほぼ円筒状の第2の治
具(12)を介して前記磁気回路(2)の磁気ギャップ
内の適正位置にボイスコイル(6)を配し、このボイス
コイル(6)の外周部にコーン状の振動板(3)の首部
を取付け、このコーン状の振動板(3)の外周部のエッ
ジ(4)は振動板(3)の後方に被せられる中央部に孔
(5d)が形成されたアッパーフレーム(5)の外周部
に支持され、その後方からダンパー(9)を組み込みそ
の内周部を前記ボイスコイル(6)の外周部に取付ける
とともに、外周部を前記アッパーフレーム(5)の孔
(5d)の外周部に支持し、前記第2の治具(12)を
前記孔(5d)から抜き取り、その後方からボトムフレ
ーム(8)を被せ、このボトムフレーム(8)に前記磁
気回路(2)の支持体を支持させて組立てることを特徴
とする薄型スピーカの製造方法。 - 【請求項4】 第1の治具(1)の中央部に磁気回路
(2)を載置し、この磁気回路(2)の上部に設けられ
た短円柱状の支持体(7A)の周囲に配したボイスコイ
ル位置決め用のほぼ円筒状の第2の治具(12)を介し
て前記磁気回路(2)の磁気ギャップ内の適正位置にボ
イスコイル(6)を配し、このボイスコイル(6)の外
周部にコーン状の振動板(3)の首部を取付け、このコ
ーン状の振動板(3)の外周部のエッジ(4)は振動板
(3)の後方に被せられる中央部に孔(5d)が形成さ
れたアッパーフレーム(5)の外周部に支持され、その
後方からダンパー(9)を組み込みその内周部を前記ボ
イスコイル(6)の外周部に取付けるとともに、外周部
を前記アッパーフレーム(5)の孔(5d)の外周部に
支持し、前記第2の治具(12)を前記孔(5d)から
抜き取り、その後方からボトムフレーム(8)を被せ、
このボトムフレーム(8)に前記磁気回路(2)の支持
体を支持させて組立てることを特徴とする薄型スピーカ
の製造方法。
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