JP2003247691A - 機械部品の油溝形成方法及びその構造 - Google Patents

機械部品の油溝形成方法及びその構造

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Hitomi Otoshi
人美 大利
Kotaro Miyazaki
耕太郎 宮崎
Akihiko Hori
亮彦 堀
Hikoharu Aoki
彦治 青木
Hitoshi Uno
仁 宇野
Tetsuya Kitamura
哲弥 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小な深さの油溝を機械部品の摺動部の表面
に容易に形成可能な技術を提供すること。 【解決手段】 マスキング工程において、摺動部20の
表面に油溝形成用のマスキング部材22を略密着状に取
付け、被膜形成工程において、摺動部20の表面のうち
のマスキング部材22でマスキングされていない表面部
分にDLC被膜23を形成し、油溝形成工程において、
摺動部20の表面からマスキング部材22をその表面の
DLC被膜23と共に除去してマスキング部材22に対
応する油溝21を形成することにより、摺動部20の表
面に微小な深さの油溝21を機械加工に依らずに容易に
形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、機械部品の油溝
構造に関し、特に、機械部品の摺動部の表面の一部をマ
スキングした後、マスキングしていない部分に耐磨耗性
被膜を形成することにより、機械加工に依らずに微小な
深さの油溝を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】 ミシン等の種々の装置には複数の機械
部品が摺動自在に組み付けられていることが多く、これ
らの機械部品においては、その摺動部の焼き付きを防止
したり磨耗を軽減したりするために、摺動部に潤滑剤を
供給したり、摺動部の表面に耐磨耗性の被膜を形成した
りするのが一般的である。
【0003】前記の耐磨耗性被膜としては、例えば、D
LC被膜や、TiN被膜などの摩擦係数が低く且つ高硬
度の被膜が採用されている。この耐磨耗性被膜は、スパ
ッタリングやイオンプレーティング等の物理蒸着法や、
プラズマCVD等の化学蒸着法により摺動部の表面に形
成される。しかしながら、摺動部の表面に前記のような
耐磨耗性被膜を形成するだけでは、焼き付きや磨耗を十
分に防止できないことも少なくない。そのような場合に
は、摺動部に種々の形状の油溝を設け、この油溝にグリ
ース等の潤滑剤を充填しておくことで、摺動部の潤滑性
能を高めている。
【0004】前述のように、摺動部の表面に、油溝と耐
磨耗性被膜を共に形成する場合には、図14に示すよう
に、予め、機械加工により、摺動部100の表面に油溝
103に対応する溝部分101を形成しておき、この状
態で、摺動部100の全面に耐磨耗性被膜102をほぼ
均等な膜厚で形成する。このとき、溝部分101にも耐
磨耗性被膜が形成され、油溝103が形成される。ここ
で、潤滑剤は、摺動部100の潤滑性能をさらに高める
ために充填されるものであるから、充填量は少量で十分
である。従って、油溝103は微小な深さ(例えば、1
0μm以下)のものでよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 前記のように、必要
とされる油溝は数μm程度の微小な深さのものであり、
さらに、このような油溝が複数本必要であったり、複雑
形状を有する油溝が必要な場合もある。これらの油溝に
対応する溝部分を機械加工により予め摺動部の表面に形
成するには、高精度の工作機械が必要になり、機械部品
の製作コスト的に不利である。本発明の目的は、微小な
深さの油溝を機械部品の摺動部の表面に容易に形成可能
な技術を提供すること、機械部品の製作コストを低減す
ること、等である。
【0006】
【課題を解決するための手段】 請求項1の機械部品の
油溝形成方法は、機械部品の摺動部の表面に油溝を形成
する油溝形成方法であって、前記機械部品の摺動部の表
面に油溝形成用のマスキング部材を略密着状に取付ける
マスキング工程と、前記機械部品の摺動部の表面のうち
のマスキング部材でマスキングされていない表面部分に
耐磨耗性被膜を形成する被膜形成工程と、前記機械部品
の摺動部の表面からマスキング部材をその表面の被膜と
共に除去してマスキング部材に対応する油溝を形成する
油溝形成工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】マスキング工程においては、機械部品の摺
動部の表面にマスキング部材を略密着状に取付けるが、
このマスキング部材としては、形成される溝部の形状に
対応して、環状、螺旋状、メッシュ状等、種々の形状の
ものを使用できる。次に、被膜形成工程において、摺動
部の表面に微小な膜厚(例えば、10μm以下)の高硬
度の耐磨耗性被膜を形成する。ここで、摺動部の表面の
うち、マスキング部材によりマスキングされた表面部分
には耐磨耗性被膜は形成されない。
【0008】次に、油溝形成工程においては、摺動部の
表面からマスキング部材をその表面の被膜と共に除去す
る。摺動部の表面のうち、マスキング部材によりマスキ
ングされていた表面部分には耐磨耗性被膜が形成されて
いないため、この表面部分と、表面部分の周囲の耐磨耗
性被膜により油溝が形成される。この油溝の深さは耐磨
耗性被膜の膜厚に等しいため、微小な深さを有する油溝
が形成されることになる。
【0009】請求項2の機械部品の油溝形成方法は、請
求項1の発明において、前記被膜形成工程において、物
理蒸着法又は化学蒸着法により耐磨耗性被膜を形成する
ことを特徴とするものである。つまり、DLC被膜やT
iN被膜、CrN被膜等の耐磨耗性被膜を、スパッタリ
ングやイオンプレーティング等の物理蒸着法、プラズマ
CVD等の化学蒸着法の何れの方法でも形成することが
できる。
【0010】請求項3の機械部品の油溝形成方法は、請
求項1又は2の発明において、前記耐磨耗性被膜は、D
LC被膜であることを特徴とするものである。従って、
摩擦係数が低く且つ高硬度のDLC被膜で耐磨耗性被膜
を形成することにより、摺動部の耐磨耗性を格段に高め
ることができる。
【0011】請求項4の機械部品の油溝構造は、機械部
品の摺動部の表面に形成される油溝構造であって、機械
部品の摺動部の表面のうちの所定パターンの油溝に対応
する部分以外の部分に耐磨耗性被膜を形成することによ
り、前記耐磨耗性被膜と摺動部の表面の前記所定パター
ンの油溝に対応する部分とでもって油溝を形成したこと
を特徴とするものである。
【0012】摺動部の表面において、所定パターンの油
溝に対応する部分には耐磨耗性被膜は形成されておら
ず、それ以外の部分には耐磨耗性被膜が形成されてい
る。従って、摺動部の表面の前記の耐磨耗性被膜が形成
されなかった部分と、その周囲の耐磨耗性被膜とにより
所定パターンの油溝が形成される。この油溝の深さは、
耐磨耗性被膜の膜厚に等しいため、油溝は微小な深さの
ものになる。
【0013】請求項5の機械部品の油溝構造は、請求項
4の発明において、前記耐磨耗性被膜は、物理蒸着法又
は化学蒸着法により形成されることを特徴とするもので
ある。つまり、DLC被膜やTiN被膜、CrN被膜等
の耐磨耗性被膜を、スパッタリングやイオンプレーティ
ング等の物理蒸着法、プラズマCVD等の化学蒸着法の
何れの方法でも形成することができる。
【0014】請求項6の機械部品の油溝構造は、請求項
4又は5の発明において、前記耐磨耗性被膜は、DLC
被膜であることを特徴とするものである。従って、摩擦
係数が低く且つ高硬度のDLC被膜で耐磨耗性被膜を形
成することにより、摺動部の耐磨耗性を高めることがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態について説
明する。本実施形態は、2本針ミシンの針棒に本発明を
適用した一例である。まず、2本針ミシンについて簡単
に説明する。図1に示すように、2本針ミシンMは、左
右方向に長いベッド部1と、このベッド部1の右部から
上方へ延びる脚柱部2と、脚注部2からベッド部1と対
向するように左方へ延びるアーム部3とを備えている。
【0016】アーム部2の内部には、左右方向向きの主
軸5が配設され、この主軸5の下側に左右方向向きの針
棒揺動軸6が配設されている。主軸5の右端部分はアー
ム部2から外部へ突出し、その突出部分にプーリ7が固
着されている。このプーリ7とミシンモータで駆動され
るプーリとがベルトとで連結され、主軸5はプーリとベ
ルトを介してミシンモータにより回転駆動される。
【0017】アーム部2の左端部分は頭部4に形成さ
れ、この頭部4の内部に、図1、図2に示すように、ク
ランク8、クランクレバー9、針棒抱き10、針棒1
1、針棒支持部材12、天秤16を有する天秤機構15
が設けられている。軸状の針棒11の下端部分は頭部4
から下方へ突出し、その下端部に2本針13が装着され
ている。主軸5の左端部にはクランク8が固着され、ク
ランク8にはクランクレバー9の上端部が回動自在に連
結され、クランクレバー9の下端部が針棒抱き10に回
動自在に連結されている。
【0018】針棒11の長さ方向途中部が針棒抱き10
に内嵌固定され、針棒11は針棒抱き10の上下両側に
おいて針棒支持部材12に上下摺動自在に支持されてい
る。つまり、主軸5が回転駆動されると、クランク8と
クランクレバー9を介して針棒抱き10と針棒11が上
下に往復駆動される。さらに、針棒11は、針棒揺動軸
6が回転駆動されることにより、針棒支持部材12と共
に前後水平方向に揺動駆動される。尚、天秤16は、針
棒11の上下動に同期して所定のタイミングで上下に揺
動駆動されて上糸を引き締めるためのものである。
【0019】次に、針棒支持部材12に対して上下摺動
する針棒11の摺動部20の表面に、潤滑剤充填用の螺
旋状の油溝21を形成する油溝形成方法と、その油溝構
造について、図4〜図8を参照して説明する。図3に示
すように、マスキング工程、被膜形成工程、油溝形成工
程の3つの工程により、摺動部20の表面に螺旋状の油
溝21(図7参照)が形成される。以下、これら3つの
工程について順に説明する。図4に示すように、マスキ
ング工程においては、摺動部20の表面に螺旋状(所定
パターン)の油溝21を形成する為の螺旋状の線材から
なるマスキング部材22が略密着状に取付けられる。
【0020】図5に示すように、被膜形成工程において
は、摺動部20の表面のうちのマスキング部材22でマ
スキングされていない表面部分に、耐磨耗性被膜として
のDLC被膜23が物理蒸着法により形成される。物理
蒸着法としては、ターゲットにグラファイトを用い、高
周波によって発生したプラズマをターゲットに印加して
行うスパッタリングや、アーク放電等により蒸気化され
た炭素原子をイオン化して負の電位の被膜対象物に加速
させて堆積させるイオンプレーティング等の汎用的な方
法を使用できる。
【0021】DLC被膜23は3〜6μm程度の微小な
膜厚で摺動部20及びマスキング部材22の表面に形成
される。DLC被膜23の硬度は水素含有量等により調
節することができ、HVで数百からダイヤモンドのHV
に近い8000程度の高硬度被膜にすることができる。ま
た、DLC被膜23の摩擦係数は約0.1 以下である。従
って、DLC被膜23は耐磨耗性と摺動性に非常に優れ
た被膜である。
【0022】図6、図7に示すように、油溝形成工程に
おいては、摺動部20の表面からマスキング部材22が
その表面のDLC被膜23と共に除去されて、摺動部2
0の表面にマスキング部材22に対応する油溝21が形
成される。即ち、図8に示すように、摺動部20の表面
において、マスキング部材22によりマスキングされて
いた螺旋状の部分にはDLC被膜23が形成されないた
め、このDLC被膜23の形成されていない螺旋状の部
分とその周囲のDLC被膜23により油溝21が形成さ
れる。ここで、DLC被膜23の膜厚は前述のように非
常に微小な厚さであるため、油溝21は微小な深さに形
成されることになる。
【0023】以上説明した油溝形成方法及び油溝構造に
よれば次のような効果が得られる。 1)マスキング工程において、摺動部20の表面に種々
の形状を有するマスキング部材22を取付けた後、被膜
形成工程において、摺動部20の表面のうちマスキング
された部分以外の部分にDLC被膜23を形成してか
ら、油溝形成工程でマスキング部材22を除去してマス
キング部材22に対応する油溝21を形成するので、D
LC被膜23の膜厚に等しい微小な深さの油溝21を機
械加工に依らずに容易に形成することができる。また、
螺旋状の線材をマスキング部材22として用いること
で、比較的複雑な螺旋状の油溝21も容易に形成でき
る。従って、針棒11の製作コスト的に有利になる。
【0024】2)耐磨耗性被膜として、摩擦係数が低く
且つ高硬度のDLC被膜23を摺動部20に形成するの
で、耐磨耗性を格段に高めることができる。 3)DLC被膜23は、スパッタリングやイオンプレー
ティング等の物理蒸着法により形成されるので、汎用的
な方法でDLC被膜23を形成することができる。
【0025】尚、耐磨耗性被膜として、TiN被膜やC
rN被膜を摺動部20に形成してもよい。さらに、耐磨
耗性被膜を、炭化水素等の反応ガスにプラズマを印加し
てイオン化し、負の電位の被膜対象物に加速させて堆積
させるプラズマCVD等の化学蒸着法によって形成する
こともできる。ただし、化学蒸着法では、反応ガス雰囲
気中で被膜が形成されるため、反応ガスが摺動部の表面
とマスキング部材の間に侵入して被膜が形成され、油溝
が所定の形状に形成されない虞がある。従って、例え
ば、図9に示すように、断面矩形状のマスキング部材2
2Aにより油溝21Aに対応する摺動部20Aの表面部
分をマスキングし、、マスキング部材22Aと摺動部2
0Aの表面との密着性を高めた状態でDLC被膜23A
を形成して、油溝21Aが確実に形成されるように構成
するのが望ましい。
【0026】次に、本発明の別実施形態について説明す
る。 1〕別実施形態1・・・図10参照 図10に示すように、複数の環状のマスキング部材で摺
動部20Bの表面をマスキングすることにより、摺動部
20Bの表面に複数の環状の油溝21Bを形成すること
ができる。 2〕別実施形態2・・・図11参照 図11に示すように、複数の軸状のマスキング部材で摺
動部20Cの表面を周方向に略等間隔にマスキングする
ことにより、軸方向に延びる複数の油溝21Cを摺動部
20Cの表面において、周方向に略等間隔に形成するこ
とができる。
【0027】3〕別実施形態3・・・図12参照 図12に示すように、メッシュ状のマスキング部材で摺
動部20Dの表面をマスキングすることにより、摺動部
20Dの表面にメッシュ状の油溝21Dを形成すること
ができる。 4〕別実施形態4・・・図13参照 図13に示すように、メッシュ状のマスキング部材で平
板状の機械部品11Eの上面の摺動部20Eをマスキン
グすることにより、摺動部20Eの表面にメッシュ状の
油溝21Eを形成することができる。
【0028】5〕油溝を形成する機械部品として、摺動
部を有するものであれば、種々の部品に本発明を適用で
きるため、機械加工を施して油溝を形成するのが困難な
複雑形状を有する機械部品に対しても、摺動部の表面に
容易に油溝を形成することができる。さらに、複雑な形
状を有するマスキング部材により摺動部をマスキングす
ることで、複雑な所定パターンを有する油溝も容易に形
成することができる。
【0029】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、マスキング
工程において摺動部の表面に種々の形状を有するマスキ
ング部材を取付けた後、被膜形成工程において摺動部の
表面のうちマスキングされた部分以外の部分に耐磨耗性
被膜を形成してから、油溝形成工程でマスキング部材を
除去してマスキング部材に対応する油溝を形成するの
で、耐磨耗性被膜の膜厚に等しい微小な深さの油溝を機
械加工に依らずに容易に形成することができる。また、
複雑な形状を有する機械部品の摺動部にも容易に油溝を
形成することができるし、複雑な形状のマスキング部材
を用いることによりそのマスキング部材に対応した複雑
な形状の油溝も容易に形成できる。従って、機械部品の
製作コスト的にも有利である。
【0030】請求項2の発明によれば、被膜形成工程に
おいて、物理蒸着法又は化学蒸着法により耐磨耗性被膜
を形成するので、DLC被膜やTiN被膜、CrN被膜
等の耐磨耗性被膜を、汎用的な方法である、スパッタリ
ングやイオンプレーティング等の物理蒸着法、プラズマ
CVD等の化学蒸着法の何れの方法でも形成することが
できる。その他、請求項1と同様の効果が得られる。請
求項3の発明によれば、耐磨耗性被膜はDLC被膜であ
るので、摩擦係数が低く且つ高硬度のDLC被膜で耐磨
耗性被膜を形成することにより、摺動部の耐磨耗性を高
めることができる。その他、請求項1又は2と同様の効
果が得られる。
【0031】請求項4の発明によれば、摺動部の表面に
おいて、所定パターンの油溝に対応する部分には耐磨耗
性被膜は形成されておらず、それ以外の部分には物理蒸
着法や化学蒸着法により耐磨耗性被膜が形成されてい
る。ここで、摺動部の表面の前記の耐磨耗性被膜が形成
されなかった部分と、その周囲の耐磨耗性被膜とにより
所定パターンの油溝が形成される。この油溝の厚さは耐
磨耗性被膜の膜厚に等しいため、摺動部の表面に微小な
深さの油溝を形成することができる。
【0032】請求項5の発明によれば、耐磨耗性被膜
は、物理蒸着法又は化学蒸着法により形成されるので、
DLC被膜やTiN被膜、CrN被膜等の耐磨耗性被膜
を、汎用的な方法である、スパッタリングやイオンプレ
ーティング等の物理蒸着法、プラズマCVD等の化学蒸
着法の何れの方法でも形成することができる。その他、
請求項4と同様の効果が得られる。請求項6の発明によ
れば、耐磨耗性被膜はDLC被膜であるので、摩擦係数
が低く且つ高硬度のDLC被膜で耐磨耗性被膜を形成す
ることにより、摺動部の耐磨耗性を高めることができ
る。その他、請求項4又は5と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る2本針ミシンの機枠内
部の斜視図である。
【図2】針棒を含む2本針ミシンの要部の斜視図であ
る。
【図3】油溝の形成に関する工程図である。
【図4】マスキング工程における摺動部の断面図であ
る。
【図5】被膜形成工程における摺動部の断面図である。
【図6】油溝形成工程における摺動部の断面図である。
【図7】油溝形成工程における摺動部の斜視図である。
【図8】油溝の断面図である。
【図9】変更形態の図8相当図である。
【図10】別実施形態1の摺動部の斜視図である。
【図11】別実施形態2の摺動部の斜視図である。
【図12】別実施形態3の摺動部の斜視図である。
【図13】別実施形態4の摺動部の斜視図である。
【図14】従来の油溝の断面図である。
【符号の説明】
11 針棒 11E 機械部品 20,20A〜20E 摺動部 21,21A〜21E 油溝 22,22A マスキング部材 23,23A DLC被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 亮彦 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 青木 彦治 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 宇野 仁 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 (72)発明者 北村 哲弥 名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブラザー 工業株式会社内 Fターム(参考) 3B150 AA11 CE23 CE26 CE27 DB02 GB01 GB08 HA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械部品の摺動部の表面に油溝を形成す
    る油溝形成方法であって、 前記機械部品の摺動部の表面に油溝形成用のマスキング
    部材を略密着状に取付けるマスキング工程と、 前記機械部品の摺動部の表面のうちのマスキング部材で
    マスキングされていない表面部分に耐磨耗性被膜を形成
    する被膜形成工程と、 前記機械部品の摺動部の表面からマスキング部材をその
    表面の被膜と共に除去してマスキング部材に対応する油
    溝を形成する油溝形成工程と、 を備えたことを特徴とする機械部品の油溝形成方法。
  2. 【請求項2】 前記被膜形成工程において、物理蒸着法
    又は化学蒸着法により耐磨耗性被膜を形成することを特
    徴とする請求項1に記載の機械部品の油溝形成方法。
  3. 【請求項3】 前記耐磨耗性被膜は、DLC被膜である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の機械部品の油
    溝形成方法。
  4. 【請求項4】 機械部品の摺動部の表面に形成される油
    溝構造であって、 機械部品の摺動部の表面のうちの所定パターンの油溝に
    対応する部分以外の部分に耐磨耗性被膜を形成すること
    により、前記耐磨耗性被膜と摺動部の表面の前記所定パ
    ターンの油溝に対応する部分とでもって油溝を形成した
    ことを特徴とする機械部品の油溝構造。
  5. 【請求項5】 前記耐磨耗性被膜は、物理蒸着法又は化
    学蒸着法により形成されることを特徴とする請求項4に
    記載の機械部品の油溝構造。
  6. 【請求項6】 前記耐磨耗性被膜は、DLC被膜である
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の機械部品の油
    溝構造。
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